イッセー尾形が老若男女に七変化、一人芝居を近鉄アート館で!
攻め込まれても攻め込まれても『えいっ!』とうっちゃる力が備わっている。同時に、因果関係抜きにともかく体験自体を笑っちゃう、おかしいから僕もお客さんも笑っちゃうというものを。それくらい意識が大きくなると信じています」。
70歳を迎え「あと10年やり残さないように」との思いを抱く。「70歳だからでっかいことをではなく、心構えだけは謙虚に昔ながらの方法で。これでいいかの問いかけは大きく強くなっている」。本公演の副題には「やっぱみんな生きてるわあ」と付けた。「人間は最後の最後には逞しく大らかに笑って世の中を受け止める、性善説を説きたいんですね。
僕にとっては他人の登場人物であり、他人であるお客さんがいて、他人がいるからこそ自分が在ることを何十年と経験してきた。そこから見れば、人間は性善説で間違いないし、生きてるわという実感を自分が持てなくても他者が必ず持ってくれる。そういう人間関係で生きてるんだろうな」との実感がこもる。
最後に「コロナ禍では優良芝居です」と改めて一人芝居をアピールした。「今はスマホやテレビをつければ情報が全部現れる時代。想像している暇がないんじゃないかな。昭和27年生まれの想像で育った人間ですから、自分が芝居をやってる時ぐらいはスマホを忘れて想像してほしい。