ゴツプロ!『十二人の怒れる男』キャストと演出・西沢栄治が繰り広げる白熱稽古
撮影:MASA HAMANOI
アメリカの脚本家レジナルド・ローズの代表作を、西沢栄治の演出で立ち上げるゴツプロ!『十二人の怒れる男』。開幕を約2週間後に控えた稽古場を訪れると、主宰の塚原大助をはじめとする全キャストと西沢が白熱した創作を繰り広げていた。
年齢や境遇の異なる12人の陪審員が一堂に会し、父親殺しの容疑で起訴された少年の罪を審議する本作。アメリカのテレビドラマ(1954年)として放送されたのを皮切りに、舞台化や映画化(1957年)が繰り返されているクラシックな法廷劇だ。誰もが少年の有罪を確信する中で、陪審員のひとりが「話し合いたい」と異議を唱える。少年に不利な証言の疑わしい点を再検証するよう彼が働きかけると、他の陪審員が抱えるさまざまな偏見や先入観、無関心が浮き彫りになっていき──。
4月中旬からスタートした稽古は、西沢いわく「現代に上演しても違和感のないよう、翻訳を“揉む”時間が長かった」そう。その後、返し稽古でシーンの精度を上げつつラストまで辿り着いたタイミングで取材日が訪れた。
見学したのは、初対面の陪審員が席について議論を始める冒頭のシーン。戯曲によれば「今年いちばんの暑さ」