本多“コロッセオ”劇場で立ち上がる、ゴツプロ!版『十二人の怒れる男』の生き様
撮影:保高幸子
ゴツプロ!『十二人の怒れる男』が、5月13日に東京・本多劇場にて開幕。前日夜に公開されたゲネプロの様子をレポートする。なお本記事はネタバレを含んでいるので、鑑賞前の読者は注意して欲しい。
テレビドラマ(1954年)として放送され、舞台化・映画化(1957年)もされている本作は、アメリカの脚本家レジナルド・ローズの代表作だ。日本でもさまざまなキャスト・スタッフが挑み、数多くの上演版が存在している不朽の名作を、今回はゴツプロ!初参加の西沢栄治による演出で立ち上げる。
会場入りして驚いたのは、四方を客席に囲まれたオープンステージ。舞台空間を額縁のように切り取ったプロセニアム形式が主流だった本多劇場で初めての試みだという。父親殺しの容疑で起訴された少年の罪について、年齢や境遇の異なる12人の陪審員が自分のプライドや信条をもとに審議しぶつかり合う。
観客はプロレスのリングや相撲の土俵をイメージさせるこの“コロッセオ”(円形闘技場)で、12人が交わす言葉と感情の応酬を見守るのだ。
有罪・無罪を問わず、判決は全員一致でなくてはならない。誰もが少年の有罪を確信する中で、陪審員の一人が「もし我々が間違えていたとしたら」