福田悠太の“非モテ”仕草が爆笑を生む、『ボーイング・ボーイング』開幕
緩急自在の間やバリエーション豊富なボケで、客席に爆笑の一体感を生み出していた。喜劇人としての本領発揮といえるだろう。
対する室ベルナールは余裕綽々。話し方・身のこなし・表情ともに“プレイボーイ”そのもので、事態を引き起こしている張本人にもかかわらず悠然としている姿が笑いを誘う。このベルナールに仕える家政婦ベルタには、松本明子。米仏独とそれぞれ出身国の異なるCAに対して料理に工夫を凝らすなど三重生活を成立させようと必死だが、雇い主に対する文句が絶えない基本スタンスがひたすら滑稽だ。
ベルナールの婚約者たちも、三者三様のコメディエンヌぶりを見せつけた。アメリカ人CAのジャネットを演じる大友は、奔放で大らかな恋愛観を発揮するユニークな役どころを愛らしい魅力で立ち上げる。
飯窪扮するフランス人CAのジャクリーンは、3人の中でいちばん嫉妬深いキャラクター。ベルナールが外に連れ出しても帰宅してしまい万事休す、の事態をまっすぐに演じるほどおもしろい。ドイツ人CAジュディス役の愛加は、言動がひたすら熱くトゥーマッチ。終盤の急展開も、このマッドな愛加ジュディスなら「あり得るかも」と感じてしまう説得力に注目して欲しい。