くらし情報『片岡愛之助&戸次重幸「至近距離の豪速球キャッチボール楽しんで」』

片岡愛之助&戸次重幸「至近距離の豪速球キャッチボール楽しんで」

事態を引き起こしている張本人にもかかわらずまったく悪びれず、常に悠然としている姿が何とも笑いを誘う。

フランソワに翻弄される戸次ピエールは終始うんざり顔、もしくは腰痛に表情を歪ませる。エキセントリックな愛人マルレーヌ(野口かおる)に弄ばれる様子をはじめ、次々と見舞われるトラブルの収集がつかず、ただアルカイックスマイルを浮かべて立ち尽くすことしかできない瞬間もおかしい。露悪的で性根が腐っているピエールが憎めないのは、「ミスター残念」の異名でファンや共演者からいじられ愛される普段の戸次のキャラクターがあるからだろう。

囲み取材には、愛之助と戸次が参加。息の合った二人の掛け合いが楽しめるコメディなのでは、とレポーターから話題を向けられると、両者ともに「至近距離で豪速球のキャッチボールをしている感覚です」と口を揃える。愛之助は「鬱々とした気分を晴らし、疲れを吹き飛ばしてくれるパワーのある作品」、戸次は「ジェットコースターのように次々と起きる事件を目撃して」と言葉に力を込め、観客にメッセージを送った。上演時間は約150分(15分休憩を含む2幕)。
東京公演は6月19日(日)まで。その後、大阪・長野・愛知・福岡と巡演する。チケット販売中。

取材・文=岡山朋代
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