笑いながらも胸に染みる、切なさと優しさに満ちた物語
とオファー時を語る。谷原は25歳ぐらいから大人計画の舞台を観劇、映像では多くのメンバーと共演経験があり、阿部とも20年以上前にドラマで共演、「念願の大人計画の舞台」と喜ぶ。が、この作品は観ていなかった。役は、14年前にマリエをスカウトし、東京でアイドルデビューさせた芸能マネージャーの若松。「登場人物の中でひとり異質な存在なので、最初迷った時期はありましたが、徐々に見えてきて。全員がどこか歪みや喪失感など欠けている部分を抱える人たちばかりで、みんなが誰か辛かった人のことを受け止めて逃がしてあげるような、希望のあるとても優しいお話。他の大人計画の作品と比べて、すごくソフトな柔らかい物語だと感じます」。
初演から28年経つが「どの時代にもハマる作品で、古さがまったくない」と阿部。
「松尾さんって、すごい」とふたりで声をそろえる。「笑いの数も多くて、すごくお客さんに伝わっている感じ」という東京公演から間もなく大阪へ。「サンケイホールブリーゼは初めてなので楽しみです。大阪の方に、また新しい『ドライブイン カリフォルニア』を届けられるように頑張ります」(阿部)。「砂糖菓子のように笑いがわぁ~っとまぶされていますけれど、芯の部分にある優しくて切ない物語をお届けしますので、どうか楽しみにしていてください」