久保田秀敏×岩城直弥『文劇』は「見えない会話を大切に」
意思を伝えわかり合うことの大切さが散りばめられていて、お客様も共感しやすいのではないかと思いました」。初参加となる岩城は、舞台シリーズの印象を「出演者の皆さんのスキルの高さを感じる舞台です。芝居、殺陣、歌……さまざまな能力を求められるので、自分もがんばらなければと思いました。そういう作品に出られることが素直に嬉しいです」。
2019年の初演から5作目となる今作で描かれるのは、芥川龍之介が抱え続けてきた友人・久米正雄(安里勇哉)との葛藤。脚本について岩城は「登場人物がみんな文豪なので、繊細な感情、豊かな感性を持っていて、そのうえで描かれる物語がとても面白いです。久保田さんもおっしゃった“対話”は、芥川と久米の間でも素敵な描かれ方をされていて、心に響きました」と感想を語る。主人公の芥川について久保田は「今回が4度目ですが、いまだに掴めないところがあります。
このシリーズは毎回苦労するんですよ。1行の台詞の裏側には10行の想いがあるし、アクションにも想いのやり取りを求められます。そこにある“見えない会話”を大切に演じていきたいです」。
ふたりが演じる芥川と菊池は、「同じ新思潮で、菊池は芥川にとって一番心を許している人間でもある。