『守銭奴』演じる佐々木蔵之介「かっこいいセリフひとつもない」
と役人物の解釈を語る。
その佐々木と対峙した竹内は「蔵之介さんの瞳には狂気が宿って、体中にたぎる正体不明の怒りが空気を通じて伝わってきました。実際に恐れながら息子クレアントを演じています」とコメント。一方で大西は「こんなお父さんですが、私の父であることに変わりない」と素朴に述べ、報道陣の笑いを誘う。「この考えをいつも大切にしつつ、横たわる現実を受け入れながら娘エリーズになっています」
『真夏の夜の夢』(2020年)でプルカレーテ演出に触れている加治は、返し稽古を確認しないプルカレーテに触れて「プルさん帰宅後にキャストだけで復習した成果を翌日お見せする瞬間がスリリングでした。想像の斜め上からアイディアが飛んでくる」と稽古を振り返る。佐々木と同じ『リチャード三世』に参加した手塚は「日本人にとって自然な生理をどんどん削ぎ落とされ、ワケのわからない境地に到達させてくれる大巨匠。本当に贅沢な体験を、ぜひ皆さんにも」と観客にプルカレーテ演出の魅力をアピールした。
ゲネプロ上演時間は、約120分(休憩なし)。佐々木は、アルパゴンの過剰などケチぶりと強欲さを“老害”の百科事典ともいえる多様さで展開し、周囲を愚弄する。