だからどこか人間として成長し切れていないというか、子供っぽいところがあるような気がして。でもマリアーヌと恋をすることによって、彼に新しい風が入りいろいろなことを考えるようになる。つまりクレアントが学び、成長していく物語でもあると思います」
プルカレーテの演出はもちろん、佐々木を始めとする共演者から得る学びや刺激も非常に大きいと言う。「蔵之介さんはとにかくストイックですね。でも優しさもあって、迷っているとすぐに声をかけて助けてくださる。本当に素晴らしい座長さんだと思います。またほかの先輩方もそれぞれ演技論や演劇哲学を持っていらっしゃるので、僕はとにかく聞くようにしています。僕が東京藝術大学、王立音楽院に行ってわかったことは、自分には才能がないということ。
だからそんな僕が前に進むためには、努力し、さらに先輩方の言葉をいっぱい受けて、そこから自分の答えを探していくしかなくて。そういった意味で今回はこれだけ素晴らしい先輩方がそろっていらっしゃるので、本当に楽しいです」
さらに「僕はラスト泣けます」という気になるひと言も。プルカレーテの魔法を目撃しに、ぜひ劇場へ!
取材・文:野上瑠美子