ハロルド・ピンター作の舞台『The Birthday Party』、まもなく開幕
そこがまた面白い」と話す。
初の不条理劇に挑戦するメグ役の藤田朋子は「お茶の間臭さが出ている私のような俳優が不条理劇をやっていいのかなという思いがあった」と思いを明かす。「でも企画書からCEDARの熱意を感じたし、稽古では話し合いの時間を長く取ると聞いて。飛び込んでみようと決めた」。稽古でもフラットな関係性で創作をできているといい、「豊かで濃厚な時間を過ごしています。『不条理劇は分からない』と思っている方がいたら、その思いを覆されると思いますし、今まで見てきた不条理劇とは違うものが多分観られると思います」。
マッキャン役の北野由大は、演出の松森望宏とともに英国で本作を観たことがあるといい、「言葉は全く分からなかったけれど、面白すぎて2回も観ました」。不条理劇の面白さについて北野は「余白がいっぱいあるんです。
余白があるから、役についての想像が広がったり、観た人が自分の人生だったら……と置き換えができたり。普通のお芝居は点と点の距離が近いんですけど、不条理劇は点と点の距離が遠い。それをつなげるのが不条理劇の面白さでもあり、難しさでもあると思います」と語った。
公演は12月25日(日)まで。
取材・文:五月女菜穂