くらし情報『コンピューターを発明した天才の、数奇なその運命』

コンピューターを発明した天才の、数奇なその運命

保坂はそんな天才チューリングの母サラを演じる。「彼女自身は普通のお母さんだし、子供にも普通を求めていたのだと思います。それなら理解もしてあげられるけれど、やっぱりわからない。でもなんとかそれを修正したい気持ちもあって…。こういう偉大な子を持ってしまった親は大変だったでしょうね」

劇構造としてはチューリングとサラ、チューリングとノックス、といったように基本的には一対一や一対二の会話劇のため、保坂と加藤が直接絡むシーンはない。しかし劇団時代の先輩後輩ということで、久々の共演に声を弾ませる。「敬二さんは振付や演出もされるので、常に客観的な目を持っている。だからブレないし自分に厳しい。
そしてそれがちゃんと結果に出ているのが素晴らしいなと思います」と保坂が語ると、「演出家によく『役が生きて自分が消えろ』と言われましたが、まさに保坂さんは透明感があって、どんな役をやっても全部ストンとハマる。本当にすごい人です」と加藤。

信頼を寄せ合う実力派同士が、脇をしっかりと固める本作。33年ぶりの上演から、今を生きる観客がなにを受け取るのか。期待で胸が膨らむ。

取材・文:野上瑠美子
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