名作を映像で体感! 五感で体験する没入型展覧会「ゴッホ・アライブ」開催中
映像は40分間で、まるでモノクロで描かれたように暗く沈んだ初期の「オランダ時代」から、パリへ移り、目にまぶしいほどの鮮やかな色彩を見出していき、南仏、精神を病んで入院したサン=レミの療養院、晩年期などへと順番に追っていく。一日中繰り返して流されるので、どのタイミングで会場に入っても、見逃した部分は後から見られる。作品の魔力と映像の迫力で、どの時代から見ても違和感なくゴッホの世界に没頭できた。
床にはクッションや長椅子が置かれ、座ったり、写真を撮ったりしながらの自由な鑑賞スタイルだ。別会場には、ゴッホの部屋やひまわり畑を再現したフォトスポットも設けられている。また、ゴッホが最後に過ごしたフランスの田園地方を思わせるという、アロマの香りも会場に漂っている。
「花咲くアーモンドの木」や、「花咲く梅の木(広重の複写)」などの作品では、日本の民謡「さくら、さくら」がバックに流れ、映像の効果で花びらが舞い、美術館で花見をしているようだ。彼が「絵画における色彩とは、人生における熱狂だ」と言った通り、燃えたぎるような色と生命力にあふれている。
「ヒマワリ」や「ローヌ川の星月夜」の作品に照らされ、ゴッホ自身を描いた「自画像」