と話す。
演じるのは、後に黒面法師となる伏見平四郎の17歳から42歳まで。フィクションの役で「親鸞聖人とは対極にいる欲の塊で、世の中の悪を一手に引き受けているような極悪人。原作より濃厚に描かれています」。得度し範宴(はんねん)となった主人公を陥れようと暗躍する。「人間の中に誰にでも潜んでいる悪を集約させたのが僕の役ではないかと。どこまで膨らませることができるか楽しみです」。また作品は「テンポもいいし、力強く壮大な物語。
そして、人間の悩みや葛藤など本質的な部分を知りたい思いは何百年も前から変わらないんだという印象を強く受けました。今、戦争や分断された世界と言われる時代に、この作品をやることはすごく意味があるのではないかと捉えています。若い人たちにも、人間はなぜ争うのか、人間の平等とは果たして何なのか。そういうものを少しでも持って帰っていただけたら」。
20代の頃は京都の撮影所に長く滞在し、自転車で好きなお寺巡りをしていた須賀。「物語に出てくる地名やお寺、鴨川、比叡山が実際にすぐそこにあるので、京都で上演する意味も大きいと思います。僕も行きたいですもん(笑)。お客様にもそんな楽しみを持って来ていただけたらうれしいです」。
公演は、4月10日(月)から29日(土)まで、南座にて。チケット発売中。
取材・文:高橋晴代