川崎星輝「これからの可能性を見ていただけるよう全力で挑む」 舞台『火の顔/アンティゴネ』上演中
父親(宮地大介)と母親(愛原実花)に反発を強めていく、思春期真っ只中の姉・オルガ(大浦千佳/小林風花※Wキャスト)と弟・クルト(川崎星輝)。そこへ突然、現れる姉の恋人パウル(富田健太郎/葉山昴※Wキャスト)。閉ざされた家庭に、新しい〈風〉が吹き込んだとき、思春期の少年に渦巻いていた〈炎〉は、音を立てて燃えあがるーーというあらすじである。
前回2021年の上演のときは、北川拓実が主演でその好演ぶりが話題となったが、今回バトンを受け継いだ川崎星輝も非常に魅惑的。初日を前に「ドイツ戯曲とは何か、という所から始まった稽古期間。戦争、文化、少し刺激しただけで爆発してしまうほど、繊細な家族を考え続けた1ヶ月でした。何故僕たちは今、暴力に関する演劇を上演するのか、この舞台を通してぜひ皆様と一緒に考えたいです。僕の新しい一面、これからの可能性を見て頂けるよう全力で挑みます!」とフレッシュなコメントをしている弱冠18歳だが、その若さと危うさと狂気と色気が混じり合う“不安定な感じ”がクルトそのもの。
なかなか難しい役柄を堂々と演じ切ったと思う。時代も国境も超えた2つの家族劇を、同じキャスト、同じセットで上演するという。