イッセー尾形「時代より混迷したネタを」恒例の一人芝居が今年も上演
といい、「それに、舞台上に出てきた人間が面白ければいいわけです。僕が人間観察をしたか、していないかという出処はどうでもいいんですよ、お客さんにとってはね」。そうして本番のギリギリまでネタを練る。「一番最後に思いついたものが一番面白いと信じている」からだ。
今回の公演は、今年4月に近鉄アート館(大阪市阿倍野区)で立ち上げたネタを“成長”させていくという。「このネタはどこが面白かったのか。一旦引いて考えてみてね。どれだけネタが成長したか、あるいは成長しつつあるかを見て欲しい」と語った尾形。
そして、「時代はますます混迷していくでしょうが、それに似合ったネタ作りになってくると思うんですね。混迷してるからこそ、半混迷のネタではなくて、時代より混迷したネタを作ってやろうと思って。で、それがちゃんとコメディになるようにしたい。笑うこと自体が一つの認識ですから。時代を笑ってやりたいですね」とも話し、まだまだ衰えない創作意欲を見せていた。
取材・文:五月女菜穂