永井は「スーパーではこんな不正が行われていますよ、と訴えることが目的ではない。この作品には、今私に見えている世界が投影されているんです。初演から20年経っても、格差、フェイクの横行、モラルの崩壊といったことは、是正されるどころか増大していると感じます。そうしたことに抗いながらも巻き込まれていく人間の姿は、いつの時代でも“普遍的かつ緊急”のテーマとなり得るので、上演する意味があると思いました」と再演の意図を語った。
観客へのコメントを求められると、「誰もが訪れるスーパーの、その控室で物語が展開します。人間の尊厳や良心が損なわれる世界は、案外身近にあるのかもしれません。こんな時、あなたならどうしますか? と問いかける社会派コメディです」と沢口。永井は「スーパーで働いている沢口さんを想像してみてください。
あまりにも場違いな感じがしておかしいでしょう?(笑) 舞台でしか観られない、皆さんが知らない沢口さんをぜひ観に来てください」と締めくくった。
公演は2024年1月12日(金)~2月4日(日)東京芸術劇場シアターウエストほか、全国各地で。