人間は2045年に不要になる?人工知能の進化が引き起こす恐怖
このことについては、スウェーデンの哲学者で、オックスフォード大学教授のニック・ボストロム氏が著書のなかで警鐘を鳴らしているそうです。
取り上げられているのは、ペーパークリップをつくる人工知能があった場合の仮説。
その人工知能は進化の過程で自分を改良して暴走し、世界中のあらゆる原料を手に入れながらペーパークリップをつくり続ける。
やがて人間も原料にされ、最後には無人の地球がペーパークリップだらけになるという結末。
ありえない冗談のような話ですが、それが人工知能では起こりうるということ。特に欧米社会での人工知能についての議論は、キリスト教的な終末思想とも相まって、そういうレベルに達しているというのです。
「人工知能のコントロール問題」「人間は人工知能をどうコントロールできるのか」というテーマが、人工知能に関心を持っている人たちの間で、手遅れになる前に解決しなければならない問題として扱われているわけです。
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そのとき持っておくべき意識について、本書では著者ならではの視点から論じています。
未来に向け準備をしておくという意味でも、読んでおくべきかもしれません。
(文/書評家・印南敦史)