タバコのほとんどの銘柄が、10月から1箱110円以上の値上げになるのを前に、禁煙外来に駆け込む人が増えているという。
保険の利く禁煙治療については、2006年6月に「ニコチンパッチ」が適用化、また2008年5月には「チャンピックス」が国内で発売・適用となり、治療手段としても進化しているが、治療方法は医療機関によって異なるため、事前の確認が必要という。
1~2ヶ月分のタバコ代で禁煙治療が
一般的な禁煙治療は、3カ月間、月2回程度の通院で行われるが、その治療における自己負担費用は、保険を適用した場合、禁煙補助薬を含め約1万2千~1万8千円というから、個人差はあるが約1~2ヶ月分のタバコ代程度で済むことになる。
しかし、保険適用にはブリンクマン指数(1日の喫煙本数×年数)が200以上などの条件があることと、仮に禁煙に失敗しても初診から1年以上経過しなければ保険適用されないなど、注意が必要だ。
治療の種別と効果に関しては、
禁煙治療の比較
1.ニコチンガム(二コレット)
吸いたくなったときにガムを噛むことで、口の中の粘膜が
ニコチンを吸収し離脱症状(吸いたい気持)を抑制するもの。
噛むと舌がピリピリと辛い味がする。薬局・薬店で購入可。
・成功率は10%以下
2.ニコチンパッチ(ニコチネルTTS)
1日1回貼る禁煙補助薬。
持続的にニコチンが吸収され離脱
症状を抑えられるが、貼ったところが痒くなる。
・成功率は20%前後。
3.チャンピックス
1日2回服用する錠剤。離脱症状を抑制し、タバコを吸うと
まずく感じるため禁煙し易くなる。
・成功率は70%程度
との報告があり、下方ほど禁煙成功率が高まる傾向となっている。
禁煙成功率の高いチャンピックスとは?
なおチャンピックスは、ニコチンではなくニコチンに似た構造を持ち、「ニコチン依存ニューロン」のα4β2ニコチン受容体に結合し、以下の2作用でタバコが吸いたくなくなるという。
作動薬作用チャンピックスが体内に入ると、ニコチンが少し入ったのと同等の満足感が得られ、タバコを我慢しやすくなる。
拮抗薬作用チャンピックスを飲んでいると、例えタバコを吸ってしまっても、タバコを吸うことの満足感が得られなくなる。