成安造形大学にて学園創立100周年記念展覧会セイアンアーツアテンション14『Re:Home』を開催
それは、近代化した社会の中で「家」という枠組みに捉われない、新しい女性像を提示するための挑戦でした。それから100年、現代の私たちは「家」をどのように捉えているでしょうか。多くの人にとっては家族のいる場所、生まれ育った場所、プライバシーが守られる場所、安息を得る場所といったものかもしれません。一方、視点を変えてみれば、それは家柄、核家族化、引きこもりといった言葉に連想される、人間関係の固定化や断絶を生み出す枠組みとして捉えられるかもしれません。
そして、「ステイホーム」という言葉が一般化したように、2020年から世界中で猛威を振るい、今なお刻々と変化し続けている新型コロナウイルスは、私たちの生活を一変させ、全ての人に「家」とは何かを考えるきっかけを与えました。
本展覧会タイトルの「Re:Home」には、本学園が歩んできた100年を振り返るだけではなく、大きな変化に直面している私たちが、改めて日常を見つめ直すための問いを込めています。本展では、住処、生活様式、家族の関係、地域コミュニティの可能性など、「家」に潜在する多様な価値観を取り上げ、然るべき作品を展示・構成することにより、新しい視点に出会うきっかけになることを目的としています。