推しは違えど、推しを大事に思う気持ちはわかり哲也…「ヲタ夫婦」【カレー沢薫 アクマの辞典 第25回】
だが、ヲタクは得意分野の話になると、饒舌にもなるが同時に早口にもなってしまうし、興が乗り過ぎると会話ではなく、独り言と化すので、本当にそれでコミュニケーションが取れているかは別の話である。
このように、話すだけならヲタ同士のほうがスムーズかもしれないが、それが結婚となると「同じアニメが好き」というだけでは難しい。
むしろ片やジャニヲタで片や軍ヲタという、全く趣味が違う二人でも趣味にかける金銭感覚や、時間の感覚が似ていればそんなに揉めることはない。
逆に、同じゲームの同じキャラが好きでも「課金は月1万まで」の人間と「リボ払いにしてでも出るまで回す」という人間が一緒になっては上手くいくはずがない。
じゃあリボ払い同士が結婚すれば上手く行くのかというと、それはそれで早急に破滅すると思うが、少なくとも「どちらか一方が我慢を強いられる」という状況にないだけマシだ。
そもそもヲタクがパートナーに求める「自分の趣味を理解してくれる人がよい」というのは「私の推しカプがどれだけシコいか相手にも理解してほしい」「2人で“尊い!”と叫んで気絶したい」という意味ではない。
理解してほしい、というのは「否定はしないでほしい」