「夢でもいいから逢いたい…」“切ない恋のカリスマ”小野小町の歌3選
に向け、逢える日に備えておきましょう。
■今は一緒にいるのに、また逢いたい
「秋の夜も名のみなりけり逢ふといえば事ぞともなく明けぬるものを」
(秋の夜長というのは名ばかりね。逢引きしていると、あっと言う間に夜が明けてしまうんだから)
そうなんです。恋人と一緒に過ごす、楽しい時間は瞬く間に過ぎていくもの。激しく愛し合った後はまるで甘い靄(もや)のベールに包まれたよう。もしかして現実じゃなかったのかもしれない…とさえ思ってしまうくらいの官能的で特別な時間。
逢うまでは、今か今かと待ち望んで長い夜を越えてきたはずなのに、いざ逢うと時の流れが急に早くなってしまったかのように感じるのだから不思議です。
もう少し一緒にいたい。
今はまだ一緒にいるのに、早くまた逢いたいと思ってしまう。もっと一緒にいたいという気持ちを残したまま、それぞれの時間に戻っていくからこそ、愛や恋は続いていくのかもしれません。
■夢でもいいから逢いたいくらい好き
「かぎりなき思ひのままに夜も来む夢路をさへに人はとがめじ」
(限りなく、果てしない想いに導かれてあなたのところへ行っちゃうよ。夢の中での路までも誰も咎めたりしないでしょう)