「疑似恋愛」とは、セロトニンでビショ濡れになる健康法でもあるのだ【カレー沢薫 アクマの辞典 第26回】
漫画家として活躍するカレー沢薫さんの連載コラム「アクマの辞典」
このコラムは、ア行からワ行まで、女や恋愛に関する様々なワードをカレー沢さん独自の視点で解釈していきます。女の本性をあぶりだす新しい言葉の定義をとくとご覧あれ!
■第26回アクマの辞典ガ行
【ギ】
▶「疑似恋愛」(ぎじれんあい)
…他人の恋路を邪魔すると馬に蹴られて死ぬ、たとえ相手が二次元でも
今回のテーマはガ行から「疑似恋愛」である。
疑似恋愛とは、二次元やアイドル、まともに見たら網膜が焼けてしまうイケメンや美女など、自分のものになる確率が極めて低い相手と、脳内でだけ「つきあっている」設定で楽しむ恋愛である。
つまりただの「妄想」なのだが、脳内というのは唯一何をやっても罰せられない、世界一治安が悪い、無法地帯である。
逆に、脳内で二次元やアイドルとつきあわなかったらどこでつきあうのだ、ここ以外で交際しようとしたら、国家権力や医療機関を呼ばれる恐れがある。
もちろんあくまで妄想なので不毛と言えば不毛なのだが、そうすることにより、本人がセロトニンでビショ濡れになれると言うなら、それはそういう健康法でもあるのだ。
それを止めるというのは、ジョギングをしている人に体当たりをかますに等しい。