蠍座は、どストレートな告白に弱い!? 12星座別・彼が一番喜ぶ「好き」の伝え方
周りの大人たちに気味悪がられ、疎まれながら、自分そのものがどこか実態のない仮の存在のように、此岸と彼岸をゆらゆら行き来しながら成長します。
やがて夏目は、心優しい遠縁の夫婦に引き取られます。そんな温かい場所から始まるのが、「友人帳」をめぐる物語です。
****
友人帳とは、若くして亡くなった祖母レイコの遺品。本作では、縁あってバディを組むこととなった妖怪・ニャンコ先生と共に、そこに“名を縛られた”妖怪たちに名前を返していく夏目の日常が色彩豊かに描かれます。
人間も妖怪も分け隔てなく付き合い、心を通わせる夏目。時にはトラブルを背負いこむとわかっていても、妖怪たちと距離をとることができません。
夏目は妖怪たちのため(自分の愛する人たちを守るためにも)体を張り、危険に巻き込まれていきます。
そして最後は、こじれた糸をほどき、凝り固まったこだわりを溶かして妖怪(人間たちも)の心に巣食う呪縛を解くのです。
夏目の献身的な尽力に共鳴するように、妖怪たちは浄化されていきます。
最後に夏目が執り行う「名を返す」作業は、まさに“浄化の儀式”と言えるでしょう。
現実と現の境目がなく、人間と妖怪の区別もせず、ただ感じるままに受け入れ、交わっていくのは魚座の特徴です。