「誰よりもカンペキな妻なのに愛されない」雨宮まみの“穴の底でお待ちしています” 第28回
「あなたに好かれたくてここまでがんばってきた。でも、もう無理かもしれない」と正直に言ってほしいと思いますが、そんなに心を無防備にした状態でもし、亭主関白なきつい発言をされたらと思うと、それも心配で、積極的に勧めることができません。
「うちの嫁さん、怖くてさ~お小遣い3万だよ~。ごはんも作ってくれなくて~、平日飲みに行くのも禁止だよ~、休みの日は育児してるよ~、嫁さんの自由時間あげなきゃ~」というのは、愚痴の体裁ですが、のろけだと私は思います。奥さんのほうが育児をやっているという自覚があるから「自由時間あげなきゃ」という言葉が出てくるのでしょう。自分も自由時間をもらっている、とも思っているのでしょう。感謝があるから思いやりが持てるわけで、うまくいっている夫婦の話です。
まず、誰よりも正しい奥さんであろうとするのをやめるのはどうでしょうか。
今していることのうち、もうできないと思うことがあれば、休んだりやめたり手を抜いたりしてもいいと思います。積み上げたものを手放すようで気が進まないでしょうけど、しんどいときには有効です。
自分が弱ったときにだけ、見えてくる世界があります。ずっと正しく、強い人には見えてこない世界です。