「“私は可愛いのに”ディスられるのが耐えられない」雨宮まみの“穴の底でお待ちしています” 第31回
私も、とある雑誌でお化粧についての取材を受けたとき、「雨宮さんってファンデーション何使ってるんですか?」と訊かれ、使っているものの商品名を答えたところ「え?一種類しか持ってないんですか!?それで肌の質感とか変えたいときはどうしてるんですか?」と驚かれ、用意されていたファンデーションを試して「これがよさそうですね」とか言ってたら、「さっきから薄づきなのばっかり選んでますよね?薄づきなほうが男にモテるとかまだ思ってるんですか?」と言われたり、「血色悪いからこの下地でもつけとけばいいんじゃないですか?(笑)」と言われたりして、「え、そんなに私、ダメなんだ!」とショックを受けて、思わず通りがかったお稲荷さんにお賽銭入れてなんか拝んでしまったことがありました。きつねでもいい、何かにすがりたかったんですよね……。
箱根8里さんの服飾系の面接の話を聞いて、思い出したのはそのときのことです。その分野について知識もなければ、技術もセンスもないんだから何か言われるのはしょうがない。そんな場に出ていった自分が悪い。でも、ファンデーションを一種類しか持ってない自分のことは、別におかしいとも恥ずかしいとも思ってなかったんです。