2017年3月26日 10:15
男にかかるお金、猫にかかるお金【カレー沢薫「猫と男」 第4回】
「この衣服は我が御キャット様に着ていただくため存在するとしか思えぬ」という商品を目にするたびに軽率に買ってしまうだろうから、少なくとも年間20万はおキャット様費という名の玉串料が必要になる。
おキャット様を飼う事による利益は年間2京円と言われているので、元は0.1秒ぐらいで取れる。むしろ黒字を出しすぎなので、下僕はSNSに主の写真を頻繁にアップする等、社会への還元が求められる。もちろん「愛猫とツーショット」と言いながら自分の方がでかく写っている写真をアップすると、どんな敏腕弁護士がついても無期懲役ぐらいにはなるので注意した方が良い。おキャット様に異物を混入してはいけないのだ。
逆に言うと、年間20万を確実におキャット様のために出せる、という人間以外は飼ってはいけない。「なんとかなるだろう」という希望的観測で飼うのは一番のおキャット様に対する不敬罪である。
男が、おキャット様より唯一優れている点は、上記のような絶対的自信や展望がなくてもつきあっていいという点だろう。
全然好きじゃなくても、つきあっている内に好きになるかも、でつきあっていいし、相手が無職だろうが、メンバー募集中のバンドマンだろうが「だって好きなんだもん」