恋人が実は既婚者だった…知らずに「不倫交際」していた場合も責任は発生するの?
の侵害を理由に、上記請求が認められることになります。
もっとも、注意をすれば、交際相手が既婚者であると気付くことができたような場合(左手の薬指に指輪をして出来たような日焼けの跡がくっきりとある、泊まりのデートはしない、携帯電話の待受画面に子どもの写真を設定しているなど)には、既婚者と交際していた人にも「過失」が認められますので、過失の程度に応じて請求額が減額される、あるいは過失が大きい場合には請求が全く認められない可能性があります。
■既婚者の配偶者からの損害賠償請求が成立する要件とは?
既婚者との性交渉(不貞行為)は、既婚者の配偶者に対する不法行為に該当しますので、既婚者の配偶者に対して損害賠償責任を負う可能性があります。
しかしながら、既婚者の配偶者に対する不法行為が成立するためには、既婚者の配偶者の夫婦としての権利を侵害しているとの認識を持ちながら、既婚者と性交渉をすることが必要です。そのため、既婚者と性交渉したとしても、その人が既婚者だと知らなかった場合には、既婚者の配偶者の権利を侵害しているとの認識はありませんので、不法行為は成立しません。
もっとも、上記のとおり、交際相手が既婚者だと知らなかったとしても、注意をすれば、既婚者であると気付くことができたような場合には、既婚者と交際していた人にも過失が認められますので、既婚者の配偶者に対する不法行為が成立し、損害賠償責任を免れることはできないと考えます。