における行為であり、セクシュアルハラスメントという表現から一般的に想定されるものよりは、限定的であるといえます。
具体的には、雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律(いわゆる“男女雇用機会均等法”)において、
「事業主は、職場において行われる性的な言動に対するその雇用する労働者の対応により当該労働者がその労働条件につき不利益を受け、又は当該性的な言動により当該労働者の就業環境が害されることのないよう、当該労働者からの相談に応じ、適切に対応するために必要な体制の整備その他の雇用管理上必要な措置を講じなければならない。」
と規定されています(同法11条1項)。
そして、これを受けて、厚生労働省から“事業主が職場における性的言動に起因する問題に関して雇用管理上講ずべき措置についての指針”という告示が出されています。また、日本の裁判において初めて“セクシュアルハラスメント”という表現が使われたのは、静岡地裁沼津支部平成2年12月20日判決(判タ745号238頁)とされています。
この裁判では、ホテルの女性従業員が男性上司の運転する車に同乗して帰宅中、当該上司が従業員に対して“モーテルに行こうよ。