ほかにも、借り入れの名義人を変更すると、『期限の利益喪失』という現象が生じます。これは銀行が、お金を貸したのは、当初の借主を信頼していたからですよ、ということです。ほかにも銀行は、お金を借りる際、家と土地を担保としており、その担保がなくなってしまうのならもうお金は貸していられませんよ、ということですね。
■家の名義人でなくても、残債は共有財産の対象になる?
共有財産は『財産』として残るものを指します。つまり、負債しか残らない場合は共有財産とならず、住宅ローンの残債は名義人に支払いの義務があります。よく、家庭裁判所の調停などでも問題の議題になりますが、オーバーローンの対象物件は、財産分与の対象から外して考えます。
しかし、元配偶者の名義で、自身が連帯保証人になっている場合、元配偶者の支払いが滞れば離婚後も連帯保証人に支払いの義務が発生します。離婚の際には連帯保証人から外れる手続ができればベストですが、銀行などの契約書を精査しなければ、期限の利益喪失のリスクを負ってしまいます。
■請求されたら支払わなければならない?
そんなことはありません。前項でも説明した通り、負債は財産分与の対象ではないので、元配偶者に支払えと言われてもその必要はありません。