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(Photo by Instagram)みなさんは、アメリカの心理学者アブハム・マズローが提唱した「自己実現理論」をご存知だろうか。 マズローは人間の欲求には下図のように、5段階あるという。(Photo by motivation-up.com)人は基本的に、低次の欲求が満たされた時、段階的に高次の欲求が現れるそうだ。 ピラミッドの頂上にあるのは「自己実現欲求」。 これは、自分の素質や能力を最大限に利用し、自らが決めた「あるべき自分」を欲求する状態だ。 それでは「自己実現」はどうやったら達成できるのか?「起業は究極なる自己実現」 そう言ったのは「アフリカデザイン」&「伝統工芸」のコラボレーションを仕掛ける多国籍ブランド『Maki & Mpho』の設立者の1人であるMakiさん。彼女は「異なる文化を超えて人々が信頼関係を構築できるようにすること」を目標として掲げ、まだ知られていないアフリカの「今」を発信するデザイナーやクリエイターを世界に発信する。 そして、後継者の減少により存続が危ぶまれる「伝統工芸」と協業することで、新たなイノベーションを起こし、その価値をアフリカ、日本、世界に紹介。 Makiさんはきっぱりとこうも言い放った。 「結論から言うと、社会貢献とか全く考えてない」 目標からしても、社会性の強い会社を立ち上げた彼女の発言としては意外だった。 果たして、彼女の「自己実現」とは経済的な成功だけを意味しているのだろうか? 今回、Be inspired!はMakiさんの「起業」に対する信念について、直接お話を聞いた。 「最終的には『個人』なんですよ」(Photo by Instagram)共同設立者でありデザイナーのMphoさんとアメリカの大学院時代に出会ったというMakiさんは、海外生活が長い。 13歳の時初めてアメリカに渡航以来、国内外の国際的な環境で育った彼女にとって「日本」に自分のアイデンティティーを見出すことは無理だ言う。 「帰国子女によくある話で、普通の人は大人になると落ち着くはずなんだけど、私は落ち着かなくて(笑)パスポートは日本だけど、それと自分のアイデンティティーは繋がってない。だからといって自分をアメリカ人だとも思ってない」 そんな彼女が「自分とは何か」という質問に出した答えが「個人」だった。 どこにも属していると感じることができないから、国や文化ではなく、自分のユニークさにアイデンティティーを見つけたという。 それが彼女の会社の信念にも反映している。 「アフリカデザイン」と「伝統工芸」の未知なる出会い(Photo by PATIMES)なぜ「アフリカデザイン」に対して「伝統工芸」を選んだのか聞くと、彼女はこう言った。 「私たちのブランド名にも出ているように最終的には、『アフリカ』『日本』っていう枠を超えて、MakiとMphoっていう『個人』にフォーカスしていきたいんです。それを考慮すると、ものづくりの中でも『個人』が反映されているのが伝統工芸。携わっている人たちのストーリーはまだそんなに知られていないじゃないですか。そこに秘められた価値をどうやって引き出すかっていうのが面白いところです」 彼女はビジネスを通して、「個人」の価値を世界に伝えようとしているのだ。 それには、既存する「ステレオタイプの破壊」がポイントとなるだろう。 アフリカの「ステレオタイプ」である「自然」や「ワイルド」とは真逆の「洗練」されたイメージをプロデュースしている『Maki & Mpho』。 「いわゆるアフリカって『自然』っていうイメージなんですよね。まだまだ経済的にも発展していないし。それも嘘ではないんです。でもそのインフォメーションばっかりに偏ってしまっている。謎の不均衡がある。こないだのトーク・イベントではいわゆるアフリカの『自然』を表した本と、あえて、モダンなアフリカのデザインの本を持って行きました。私たちがブランドを確立させていくことで、新しいイメージを発信していきたいんです。対抗するというよりは、違うストーリー、つまり意外性を発信するっていうのが第一ステップなので」 「私はリチャード・ブランソンみたいなロックなことがやりたい」(Photo by Flickr)欧米で取り上げられることの少ない「アフリカのデザイン」や、「日本の伝統工芸」などの「ダイバーシティ」に注目し、更に「ステレオタイプの破壊」を目標とする彼女のビジネス。 やっぱり、いわゆる「社会派」な活動のように思えるが、彼女はそれが目的ではないと言う。 「言葉を選ぶのが本当難しいですけど『社会性』とか『エシカル』とか、そういうのに括られたくないっていうのがあって。一般的な消費者が『エシカル』って捉えると妥協が生まれる。『良いことしてる』って感じれる物だから良いっていう考え方に違和感があって。学生の頃に国際開発の勉強とか、NGOのボランティア活動をしてみてその矛盾性に気がつきました。その考え方だと、人を下に見ている。対等性がないと思うんです」 彼女は、社会性やエシカルという要素がハイライトされることによって、起業の本質であるビジネスモデルやイノベーションにおける価値がバックグランドに押しやられてしまうことに違和感を感じている。 Makiさんは、『Maki & Mpho』が追求する究極的なグローバル性や質、ストーリーへのこだわり、アフリカが最先端であることの証明の「結果」としての、「社会貢献」を目指しているということだったのだ。 そんな彼女のロールモデルはリチャード・ブランソン氏。 リチャード・ブランソンとは名門レーベル「ヴァージン・レコード」や「ヴァージン・アトランティック航空」などの創設者であり、様々な分野で大成功を収めているイギリスの実業家。 ブランソン氏の成功しているビジネスアイディアは「お金を稼ぐ」ことではなく、「彼が何をしたいか」「社会に何が必要か」から生まれでてきたものだという。 「私はリチャード・ブランソンみたいなロックなことがやりたい。起業して、成功して、社会性もある、それがインスパイアです。『起業』、『起業家』っていうものに可能性をすごく感じていて。そういう人が増えれば世の中もよくなる」(Photo by a2ua)今後、オランダへのビジネス展開を考えているという彼女。 「今の時代はBorn Global(生まれた瞬間からグローバルな存在)。世界を拠点にするって難しいことの方が多いし、効率も悪いかもしれないけど、それをいかに実現できるかっていう挑戦なんですよね」 彼女のバイタリティーとモチベーションの高さには驚かされるばかりだが、次の言葉には呆気にとられた。 「私たちが頑張る事で、他の人が自己実現をポジティブに考えてくれるような『ロールモデル』になりたいんです。まだまだだけど、こういうのを成し遂げたいって表明するも大事だからね。挑戦しないなら死んだ方がマシだ(笑)」 「自己実現」を「起業」によって達成しようとしている彼女はすでに輝いていた。 人生でやり遂げたいことを見つけられた時点で、大変でも、とても充実した人生への第一歩なのかもしれない。 「自己実現」のその上にあるもの(Photo by szajkoder)実は、晩年マズローは5段階の上に更にもう一つの段階があると唱えていたそうだ。 それは「自己超越」。 見返りも求めず、エゴもなく、何かに貢献している状態。 Makiさんが目指すのは、起業して、成功して、そして行われる「自己満足」のためじゃない「社会貢献」。 もしかしたら、その状態が「自己超越」なのかもしれない。 『Maki & Mpho』は今月8月の終わりにケニアで開催されるジャパンフェアに参加する。 現地の企業や学生との交流も予定しているそうだ。 『Maki & Mpho』がこれから、世界中で活躍することを期待したい。 ■Maki & Mphoアジア・米国でのビジネス実績があり、2015年日本起業家賞(クリエイティブビジネスカップ賞)受賞者や東京都主催のTokyo Startup Gateway 2015のファイナリストとなったマキと、モザンビーク系南アフリカ人テキスタイルデザイナームポが結成したデザインブランド。アフリカの今を発信する独自のテキスタイルアートと日本の伝統産業を活用した商品でグローバル市場に挑む。 ウェブサイト: & Mpho LLC(所在地:東京都渋谷区、代表:ナカタマキ、呼称:マキエンドムポ)は、合同会社シーラカンス食堂(所在地:兵庫県小野市、代表:小林新也)と共に、2016年8月27日、28日にケニア・ナイロビで開かれる「第6回アフリカ開発会議(TICAD Ⅵ)」の現地公式サイドイベントとして、ジェトロが主催する「TICAD Ⅵ ジャパンフェア」に共同出展します。 ■ TICAD VI ジャパンフェア 概要主催: ジェトロ後援: 経済産業省、外務省、総務省、農林水産省、国土交通省会期: 2016年8月27日(土曜)~28日(日曜) 2日間開催地: ケニア・ナイロビ会場: Kenyatta International Convention Center (KICC) ■シーラカンス食堂プロダクトデザイナー兼ブランドプロデューサー小林新也のデザイン事務所。日本固有の文化と地域資源から新たなビジネスを生む事業を行う同社は、経済産業省のJapanプロデュース事業「More Than プロジェクト」連続採択事業者としても実績(2014-16)があり、播州刃物の取り組みでは、2015グッドデザイン賞ベスト100、特別賞(ものづくりデザイン賞)を受賞。 ウェブサイト: Maki & Mpho, シーラカンス食堂, motivation-up.com, Mov この記事を読んでいる人はこの記事も読んでいます!スタートアップがアムステルダムに集う「4つの理由」 “新しいビジネスモデルを開発し、ごく短時間のうちに急激な成長とエクジットを狙う事で一獲千金を狙う人々の一時的な集合体”スタートアップ。そんなスタートアップのメッカと... ーBe inspired!
2016年08月26日(Photo by Behance)「資本主義の闇」を憎み、反抗として高級ブランドばかりを狙い景観破壊を繰り返す超問題児グラフィティー・アーティストがフランスに存在する。 フランス政府とファッション業界が超手を焼いているその話題の覆面アーティストの名は “KIDULT”(キダルト)。 これまで彼の犠牲になったブランドは、国を問わず、エルメス、ルイ・ヴィトン、マーク・ジェイコブス、メゾン・マルジェラ、クリスチャン・ルブタン、A.P.C….多数に及ぶ。 そしてなんと今回、KIDULTが日本での犯行声明を出した。 ターゲットは原宿。 8月27日から48時間の中で決行されるそうだ。日本でのプロジェクト「VISUAL RAPE」、本人作のティーザーがこちら。※動画が見られない方はこちら【詳細】(Photo by HYPEBEAST) WHO IS KIDULT?(Photo by VERBNYC)正体不明のKIDULT。 彼のホームページに声明がこのように挙げられている。 私の声明は例外なく全ての者に向けられている。社会で何が起こっているのか見えるように、資本主義という昏睡状態にある者の目を開くのが私の目的だ。腐りきった世の中で私たちの声が聞こえるように、私はグラフィティーをメガフォンとして使う。自分だけが真実を知っていて、それを伝えようなんて思っていない。でも人々は私の苦労が分かるはずだ。同意してくれるはずだ。言葉を広め、スプレー缶を手にすれば、どこにいようと、エクスティングィッシャー(消す者・止める者)になれるのだ。 NY、パリ、東京、ロンドン、どこの街でも、カルチャーは私たちの者だ。 入隊せよ! -KIDULT- (Photo by KIDULT)(Photo by KIDULT)(Photo by KIDULT)※動画が見られない方はこちら彼の名前を分解してみると「KID」 +「 ADULT」。 英語圏では、大人なのに子供のままでいたい人のことを「Kidult」と呼んだりするらしい。 それに加え、マスクのせいなのか、声明文の雰囲気なのか、ちょっと中2病感が否めない彼だが、とても重要なメッセージを送っていることは間違いない。 そのメッセージとは「資本主義の闇」に反抗するということ。 私たちは毎日「世界にいる誰か」を殺している(Photo by KIDULT)(Photo by KIDULT)2016年、なんと人類は8月8日で地球1年分の資源を使い果たしたと発表されたが、 現実問題、今のように人々が消費を続ければ地球は近い将来滅びるだろう。 また、資本主義は格差、児童労働、ましてや戦争などあらゆる社会問題の原因となっている。 悲しいことに、そういったことに加担したくなくても、今日本社会で「普通に生きていれば」私たちも加害者なのだ。 それは、言うまでもなく、なにげなく買う服や日用品が、第三世界からの労働力の搾取によって成り立つ「資本主義の闇」の上にできたものだから。 あなたを壊す者を壊せ(Photo by KIDULT)では私たちはどうしたらいいのだろうか。 近頃、反資本主義、または資本主義が持続できないことを確信した人の中で、「ポスト資本主義社会」の提案が出されている。 以前、Be inspiredでも取り上げたオランダのベーシックインカム制度の導入もその1つだ。 これはまだ実験的段階ではあるが、政府が国民に対して「最低限の生活に必要な資金」を定期的に無条件で支給するシステムである。 人々が「お金を稼ぐこと」が目標ではなく「充実した毎日」を目的とするようにマインドシフトを仕向けたこのシステムは、非資本主義的である。 これからはどんどんこのように、変革に向けて考えていかなければならない。(Photo by Flickr)「資本主義の終焉」とは、もしかしたら実感がわかないかもしれない。 しかし、歴史の中で「常識」はいつも覆されてきた。 ソビエト連邦の革命家、レフ・トロツキーが資本主義の終焉には「世界同時革命」が必要だと論じたのは有名な話だ。 なぜなら共産主義体制では技術の革新がほとんど期待できず、結果資本主義社会にいずれ軍事力で負けることになるからだ。 共産主義になるかどうかは置いといたとして、変革は同時に起こらないとうまくいかないというのは事実である。 一部の人が資本主義から離れようとしても、貧富の差が広がるか、もしくはそもそも搾取する人がいる限り、「解放」は妨害されてしまう。 KIDULTやBanksyなどのゲリラアーティストは“アート”という武器を使って、このような人々が目を背けたい事実を社会に突き付け、変革を促しているのだろう。 地球が滅びる時、社会が崩壊する時、お金は助けてくれないだろうから。 via. KIDULT, Behance, HYPEBEAST, FRAGILE この記事を読んでいる人はこの記事も読んでいます!誰も知らない。謎のストリートアーティストが仕掛けた「30日間の宝探し競争」とは? 2013年10月1日。“あるアーティスト”がニューヨークで展示をスタートさせた。告知もなく突然始まったその展示は、毎日1点ニューヨーク各地の路上に作品を残し... ーBe inspired!
2016年08月25日(Photo by Armando G Alonso)小さい頃、よく「モノに当たってはいけません」と注意をされたものだ。 しかし、今ではモノに当たれば当たるほど、社会に貢献しているらしい。 「思いっきり壊す」が「ルール」(Photo by Oddity Central)(Photo by Oddity Central)車に冷蔵庫、それにテレビまで。 硬いハンマーで思いっきり割って楽しむ。 そんなヤバそうなイベントが存在する。 このイベントが開催されているのは、スペイン。 実はこれ、ストレス軽減という立派な目的があるものなのだ。 「破壊セラピー」と名付けられたこのイベントは、車や冷蔵庫などを大型ハンマーなどで破壊して、日ごろのストレスを発散させようというもの。 参加者たちはなんの躊躇もなくガチャーンと見るも無残な姿に様々なアイテムを破壊していく。 しかし、破壊すると言ってもすべては、「今後破壊される予定」のゴミとなる中古品。 だが、どうせ壊すのであればストレスが溜まっている人に壊してもらおうという、一石二鳥のアイデアなのである。 参加者はストレスが解消でき、主催者側は壊す手間が省け両者に利点がある。 これは、スペインの企業家3人によって始められたビジネスで、今ではホテルを改装する際に「破壊のお手伝い」ができるイベントなども計画されているという。 「壊す」ことがあなたの「プラス」に(Photo by Brad Smith)実は、いけないと分かっていながらも怒りをモノにぶつけてしまった経験のある人は多い。 『NewsCafe』が行った調査によると、なんと約70パーセントの人が怒りでモノを壊してしまった経験があるという。 しかし、何かを壊すことは必ずしも悪いことではない。 実は「壊す」という行為によって、あなたのストレスは軽減されるからだ。 この破壊することによって得られるストレス軽減効果は、「カタルシス効果」と呼ばれすでに多くの専門家たちによって認められているもの。 普段大事に扱っているものを割るという行為は緊張する。 しかし、割ることによってその緊張が解かれ負のエネルギーが発散されるというのだ。 「破壊」は「エコ事業」に(Photo by Let’s ENJOY TOKYO)実はこの破壊ビジネスは日本でも「エコ事業」として内閣府に認められていたのだ。 この事業を推進しているのは、東京都にある『八つ当たりどころ』という会社である。 この会社がしている事業は、お皿を割ってストレスを解消してもらおうというもの。 もしストレスが溜まっていると感じたならば、連絡をすればたくさんのお皿を持って全国どこでも駆けつけてくれるという。 ところで、お皿を割るだなんて、全くエコとは結び付かないと思うがこれには面白いトリックがある。 彼らが持ってくるお皿はすべて廃食器。 製造過程でやむなく出た、売り物にならなくなったお皿である。 いずれにせよ、粉砕しなければならないお皿を割っているという訳だ。 もちろん割られたお皿はリサイクル工場で再生される。 『八つ当たりどころ』はこれらの功績が認められ、ゴミを出さずに身体にも環境にも良い取り組みであると内閣府の「環境新モデル事業」に認定された。 「ストレス」が「エコ」に大いに役立つ(Photo by Berrie van der Woude)時代は超ストレス社会に突入したとも言われている。 2014年の暴力行為で問題になった件数は1万件を超え、自分の持っているストレスを他人やモノに当たってしまう人が多いのが現状だ。 もちろん、これらの行為がなくなることが一番であるが、何かに当たることによってストレスを解放させようとしているのであれば、一層のこと攻撃相手を変えてみたらどうだろうか。 いずれにせよ壊されるものたちに当たってくれれば、あなたのストレスは発散され、企業も壊す手間が省ける。 「破壊しない」ことだけが良いことだと思いがちであるが、「壊す」という逆転の発想も、時には大切になるのかもしれない。 ストレスを発散しながら、エコにも役立つ。 どうせ壊してしまうものなら、少しでも付加価値をつけて、役に立たせた方がそこに存在した意味があるのではないだろうか。 via. Oddity Central, Infoseekニュース, AFPBB News, So-netブログ, 八つ当たりどころ, 心理カウンセリング大阪のフルフィルメント この記事を読んでいる人はこの記事も読んでいます!“ドイツ発。「パリピ」が「電話ボックス」に毎晩通うワケ” 「もう過去のもの」となってしまった代表的なものの一つにあげられる電話ボックス。街からは次々と撤去されているが、電話ボックスは、リサイクルをするにしても、時間もお金も... ーBe inspired!
2016年08月25日(Photo by Flickr)2016年、8月21日に行われたリオ五輪、閉会式。 椎名林檎監修、安倍マリオがみなさんの記憶にまだ新しいだろう… 激動の16日間も終幕を告げ、ブラジルから次回の主催国である日本にバトンはタッチされた。 東日本大震災の復興がままならないままの決行が決定された、56年ぶりとなる東京五輪。 納得のいかない人もいるとは思うが、決まってしまったからには日本の良さを世界に伝えたい! そこで、オリンピック史上どの国にもできなかった、日本だからこそできる、“ある案”が出されている。 それはなんと、「100%リサイクルの金メダル」。 (Photo by CNBC)福岡県北九州市でリサイクル事業を手掛ける株式会社アステック入江がすでに、100%リサイクルの金から作ったメダルを9個試作したそうだ。 原料はパソコンや携帯電話などの電子基板。 アステック入江は、銅やニッケルなど金以外の金属を端末から分解させる濾過装置を開発したのだ。 メダルに必要とされる金の量は合計9.6kg。 それは、デスクトップパソコンでは7万4,000台、携帯電話では32万台分の電子基板に相当する。 日本には廃家電が大量に存在しており、「都市鉱山」と呼ばれる程、再利用可能な資源が眠っている。 「100%リサイクル金メダル」を実現することで、日本の技術の証明、そして環境や資源を大切にする日本の姿勢が世界に伝われば、それに越したことはない。 (Photo by Flickr)日本はリサイクル率は世界トップクラス! 下図を見ても分かる通り2014年の時点で、日本のリサイクル率は欧州の約2倍、なんと米国の約4倍だった。(Photo by PETボトルリサイクル推進協議会)責任感が強く、モラルの高い日本人の気質がこの数字から伺える。 しかし、実はゴミ焼却場数も世界トップクラス… これは、リサイクルはするが、消費スタイルは変えなかった結果だ。 そんな日本でも3Rは世間一般となったが、今後は4Rを新しい常識として定着させるべきだ。 「リデュース」「リユース」「リサイクル」にプラスして、「リフューズ」。(Photo by mind42)「リフューズ」とは「断る」こと。 必要のないビニール袋や包装紙の消費を止める姿勢だ。 まだ浸透こそしていないが、真面目な日本人だからこそ、慣れてしまえば、「4R」の定着も早いだろう。 2020年のオリンピックで、「100%リサイクルの金メダル」に加え、4Rを常識にし、意識の高い日本人の姿を、世界に見せようではないか。 via. Lovely + Lovely, The Page, Naver この記事を読んでいる人はこの記事も読んでいます!【燃えるゴミ、高価買取します】ゴミが世界的に価値ある商品になるワケ 週に2回の「燃えるゴミ」の日。「燃えないゴミ」は2週間に1度。「資源ゴミ」は毎週末。自治体ごとに少しずつ差はあるが、日本の家庭で排出されたゴミはそのようにし... ーBe inspired!
2016年08月24日(Photo by Flickr)今、海外を中心に「さまざまな性」をテーマにした絵本が増えている。 幼い頃、誰もが読み親しんだ絵本。 そんな絵本を通して、子どもや大人に「性」を考える機会を作る試みを追った。 性的マイノリティへの理解が課題の現代社会(Photo by Flickr)昨年ある大学生が、自分が同性愛者であると友人にばらされる「アウティング」を苦に、自殺したという悲しい事件が日本で起きていたと分かった。 今年に入り裁判に発展し、友人たちが「同性愛者は生理的に受け付けない」という類の発言をしていたことや、大学側の対応の実情が明らかになった。 同性愛者のカミングアウトの難しさ、アウティングによる精神的苦痛が浮き彫りになり、ネット上では議論が起きている。 このように、日本ではまだ性的マイノリティの人々の存在が「当たり前」として受け入れられていない。 大学生のような若い世代においてさえもこの現状である。 その原因の一つに、テレビなどのマスコミやインターネットで性的マイノリティの人々を「イジる」風潮が根強く残っているという点があるのではないだろうか。 それを当たり前のものとして受け入れてしまえば、その風潮が普通だという認識のまま、大人になってしまうのも無理はない。 日本だけでなく、世界でもLGBTQだという理由で、人々がいじめや偏見の対象になってしまうような理解の薄い地域は沢山ある。 世界で注目される「性についての絵本」で、幼いころから性を知ろう(Photo by Flickr)しかし今、日本や世界の出版業界で、「絵本」でこの現状を打破しようという動きがある。 そのうちのいくつかをご紹介しよう。(Photo by Amazon)今年4月に、子供向けの「性」について知る児童書、『いろいろな性、いろいろな生きかた』が出版された。 全3巻で、多様なセクシュアリティの現状や悩み、すべての人が生きやすい社会について訴えている。(Photo by Amazon)邦訳版も出版されているオランダの絵本『王さまと王さま』は、お姫様に興味を示さない王さまが、花嫁候補の付き添いでやってきた王子に恋をする物語だ。 「王さま同士が結ばれるおとぎ話もあっていい」というメッセージが伝わってくる。(Photo by goodreads)LGBTへの関心が高い北欧スウェーデンで出版されている絵本『Blompojken(お花の男の子)』。 この作品の主人公はスカートを履き、花冠をつけた男の子だ。 周囲から「ヘンだ」「強く、たくましくなれ」といわれる男の子を、「ありのままのあなたですてきなんだよ」というメッセージが優しく包む。 こうした絵本を通じて子どもの頃から性の多様さを知るのは、「いろいろな人がいて当たり前」という考えを持つ上でとても大切なことだ。 さらに、現に自分の性に悩みを抱えていたり、いじめの標的になっていたりする子どもたちの心の支えにもなるのではないだろうか。 まだ間に合う。大人が読んでも遅くはない(Photo by Flickr)絵本は決して子どもたちだけの物ではない。 子どもに伝わるように言葉を選んで書かれた文やイラストだからこそ、大人の心にダイレクトに刺さるメッセージがある。 「多様なセクシュアリティ」という大きなテーマを私たち大人がどのように知り、受け入れ、伝えていくべきなのか、その一つのツールとして、絵本があってもいいのではないだろうか。 日本ではまだ出版数の少ないLGBTQについて描かれた絵本だが、多様性への理解が問われる現代において、その需要は増していくだろう。 via. Huffingtonpost,産経ニュース,BUZZFEED この記事を読んでいる人はこの記事も読んでいます!「結婚」も「性別」もない時代 「ゴールデンウィークをレインボーウィークに!」初夏を感じさせるような日々がつづく東京。連休に合わせて「Tokyo Rainbow Pride2015」が開催中された... ーBe inspired!Texted by Minori Okigaki
2016年08月24日(Photo by Rock Paper Scissors)アラビア語が書かれているの見ると、正直に言ってどんな印象を受けるだろうか? ミステリアスでかっこいい?それともちょっと“危ない”印象? ベルリンを拠点に活動しているジャーナリストがSNSに投稿した写真が話題となっている。 それには一体何が写っていたのだろうか? (Photo by Daniela Hernandez)あなたの知り合いにアラビア語が読める人がどのくらいいるだろうか? 日本でアラビア語を学んでいる人の割合は、他の国連共用語の中国語、英語、フランス語、ロシア語、スペイン語を学んでいる人の割合と比べたらあまり多くないだろう。(Photo by Nader Alsarras)ドイツのベルリンを拠点に活動しているジャーナリストがツイッターやフェイスブックに投稿した上記の写真が世界で話題を呼び、現在も拡散が続いている。 投稿の説明文によると、このトートバッグには「この文章にはアラビア語に恐怖を感じる人々を恐がらせる以外の意図はない」と書かれているというのだ。(Photo by Rock Paper Scissors)イスラエルのヤッファに住むパレスチナ人のデザイナー2人が風刺を込めて作った、このトートバッグ。 彼らのブランド「ロック・ペーパー・シザーズ」は、このトートバッグで「メディアに溢れる負のステレオタイプに疲れたアラビア語話者に少しでも安らぎを提供すること」と、「人々のアラビア語に対する見方に意義を申し立てること」そして「そんな見方をする人々を風刺する」ことが目的で制作されたという。 ジャーナリストによる投稿の影響か一時はトートバッグの在庫がなくなったようだが、追加で生産したようで、こちらから購入することができる。 値段は1500円程度だ。(Photo by 国際化時代の40カ国言語判定)そもそもアラビア語に親しみのない人にとっては、アラビア語と似ている言語のペルシャ語やウルドゥー語などと見分けることさえ困難だ。 アラビア語と他の似たような言語はひとくくりに“アラビア語”として見られてしまっている可能性は非常に高い。 世界でテロ行為を繰り返しているISが主にアラビア語を使っていることなどもあり、アラビア語話者や“それに似た言語”を話す人々に対する偏見は、残念ながら簡単には拭い去れないものとなっている。(Photo by 『自由と壁とヒップホップ』公式サイト)アラビア語話者への偏見は、ISによるテロが相次いでいるヨーロッパに限らない。 2008年に公開されたパレスチナ人のラッパーたちのドキュメンタリー映画『自由と壁とヒップホップ』では、青年がイスラエルの都市でアラビア語で話しているだけで職務質問をされるという場面がある。 イスラエルはユダヤ人が支配的な国で、主にアラビア語を話すパレスチナ人は偏見を持たれているだけでなく差別されているのだ。 これは「パレスチナ問題」と呼ばれている複雑な領土問題によるものである。(Photo by Rock Paper Scissors)さまざまな問題が複雑に絡む世界情勢のなかで「偏見」や「差別」をなくすことは容易いことではない。 けれども、先ほどのトートバッグの写真と説明がさらに拡散され、同じトートバッグを持つ人が増えていけば、「アラビア語話者への偏見」をなくす世界的で強力なムーブメントと呼べる動きが作れるかもしれない。 via. SBS Life, Rock Paper Scissors, The Vocal, snopes.com, Rock Pater Scissors, The Telegraph, HUFFPOST COMEDY, 『自由と壁とヒップホップ』公式サイト この記事を読んでいる人はこの記事も読んでいます!“全米の「アジア人女性」が無視できなかった「1本の自虐動画」” 「日本人は礼儀正しい」「日本人はノーって言えない」「日本人女性は簡単」「日本人男性はシャイ」これらは海外から見た日本のステレオタイプだ。... ーBe inspired!
2016年08月23日(Photo by Flickr)仕事や人間関係で、嫌な事は誰にだってある。 しかし、「大人ならば」なんとかうまい方法でストレスを発散させているに違いない。 でも、どこかで足を踏み間違えるとどうやら「犬になりたい」と思ってしまうようだ。 「現実」から逃れるためには「犬」になる(Photo by Mail Online)(Photo by Mail Online)紳士の国イギリスに緊急事態が起きた。 いつでも凛々しく決め、時には「プライドが高い」と言われるほど自らを誇る国民たちが、なんと「犬」になっているのだ。 イギリスでは今、人間が犬になる「犬ごっこ」なるものが流行中らしい。 この遊びのルールは至って簡単。 ダルメシアンやゴールデンレトリバーなど、自らが好む犬のコスチュームを着て犬になりきるだけである。 コスチュームを身に着けたらあなたはもう犬。 4足歩行で公道を歩き、人間に散歩に連れていってもらう。 もちろん首輪も必須だ。 この犬ごっこには、あろうことか1万人もの予約が殺到。 訪れる人たちの主な目的は「現実逃避」をするためであるという。 犬になった人の一人は「コスチュームに身を包んだ瞬間、人間の自分は消えるんです!まさに魔法です!」と興奮ぎみに語る。 もちろんこれは子どもではなく、大人たちの間で人気の遊び。 多くの大人たちが生きにくい現実から少しでも離れたいと思っていることが伺える。 「ニューヨーク」で「大人の赤ちゃん」が急増中(Photo by michelle joni)(Photo by abc NEWS)アメリカにもまた、現実逃避をしたい大人が多いようだ。 ニューヨークに登場したのは「大人用の幼稚園」。 この幼稚園は、年齢が大人用というだけで、それ以外の扱いは通常の子ども用の幼稚園と何ら変わりない。 お昼寝やおやつ、クレヨンでお絵かきの時間など幼稚園の「定番」の行事が設けられている。 父母会のために、お遊戯だって練習するというのだ。 ここに集うのは現実に疲れた多くの大人たち。 この幼稚園の中では年齢に関係なく誰もが子どものように扱われるため、大人の世界のしがらみを少しの間忘れることができるのが魅力らしい。 これは大人用のサービスとだけあって、月謝は約999ドル(約10万円)と少々高額。 それにも関わらず、国内から問い合わせが殺到中だという。 真面目な大人の「恥ずかしい姿」(Photo by Flickr)あまり多くの人には知られていないが、実は日本にも「赤ちゃんパブ」なるものが存在する。 これはご想像通り、大の大人が赤ちゃんになってミルクなどをもらいながらあやしてもらうというものだ。 一見怪しそうなこのパブは、一部のマニアにしかウケていないと思いがちだが、ここに来るの多くの人はごくごく普通のサラリーマンたち。 中には地方公務員や中間管理職にも就いている、仕事をバリバリこなすタイプの真面目な人たちもいるという。 職場では常にに気を遣い逃げ出したいと思うことが多いサラリーマンたち。 このパブに来て日常を忘れ、多くのストレスから解放されるようである。 「犬になりたい」人を増やさないために(Photo by Flickr)多くの人がやっているように、現実逃避は現実から自分を切り離すことができるため、心に休息を与えてくれる。 しかしそれは必ずしもいい影響ばかりではない。 現実逃避が癖になってしまうと、燃え尽きるのが早くなり、やる気を失って積極的にゴールを目指さなくなってしまう。 また、現実逃避はごまかしの思考も導きやすくさせるため、いつの間にか何をすべきかという判断が付きにくくなってしまうのだ。 もちろん、ストレスを溜めるよりは自分なりのストレス解消法を見つけることのほうが重要だ。 しかし、多くの世の大人たちが一時的に「犬」になったり「子ども」になったりして見つけるストレスの捌け口に、危機感を覚えるべきかもしれない。 うまい現実逃避の仕方は、現実逃避した後にどのようにして現実に再び這い戻ってくるか道筋を立てることだという。 犬になったり子どもになったりすると言うと大げさではあるが、私たちも手軽に現実から目を背けてしまってしまうことは多いのではないだろうか。 そろそろ、手軽な現実逃避にサヨナラを言うときだ。 via. 新刊JP, life hacker, abc NEWS, michelle joni, Channel 4, Mail Online この記事を読んでいる人はこの記事も読んでいます!あなたを苦しめる「おもてなし精神」 レストランに行けば温かいおしぼりが出され、お店に入れば「いらっしゃいませ」と出迎えられ、注文をすれば笑顔で微笑んでくれる。「日本人の接客の質は、世界最高レベル」それ... ーBe inspired!
2016年08月23日(Photo by The Guardian)1985年にニューヨーク近代美術館で行われた展示会で、165人のアーティストの作品が展示されたにも関わらず、女性アーティストはたったの17人だけだった。 それに憤慨した女性アーティストたちが、自らを「アート界の良心」と名乗り、結成したのが「ゲリラ・ガールズ」。 ギャラリーにもゴリラのマスクをまとった状態で登場する徹底的な彼女たちの素性は未だに明かされていない。 彼女たちは、違法な活動も含め、現在に至るまで90個以上のポスター、本、カード、雑誌などを作ってきた、超アクティブな「アバンギャルド・アクティビスト集団」なのである。※動画が見られない方はこちら (Photo by The Guardian)【バス会社はアートギャラリー業界より啓蒙されている。バス会社の女性の比率:49.2%。パリのギャラリーでソロ展示会した女性の比率:13%】 (Photo by The Guardian)【表にあるギャラリーは1985年の時点で10%以下しか女性アーティストの作品を扱っていなかった。2014年の時点でそれはたったの20%にしか増えていなかった。】 (Photo by The Guardian)【 メトロポリタン美術館に入るには女性は裸じゃないといけないの?】 アート業界の不平等さを変えようと戦うゲリラ・ガールズ。 そんな彼女たち、今年はヨーロッパに目をつけた。 現在、400箇所以上のヨーロッパのギャラリーを周り、「白人/異性愛者/男性」以外の女性、LGBTQ、有色人種などのアーティストの作品が展示されているかを調査している。 その結果を発表するのが、来年の10月にロンドンギのャラリーで行われる展示会だ。 その名も 『Is It Even Worse in Europe (ヨーロッパはもっとひどいのか?)』。 この展示会が終わったら、世界の近現代美術界の中でもトップの来場者を誇るイギリスのテート・モダン美術館になんと、「クレーム対応窓口」を設けるそうだ。 アーティストや来場者がもし美術館に関して「ダイバーシティ」などの問題で気になる点があれば、彼女たちに報告することができる仕組みだ。 「私たちはプロのクレーマーなのよ。30年前に始めた頃は、こんな長い間やるなんて思ってもみなかったわ。当時私たちはただただ怒っていたの。今では施設の方が私たちに『批判してください』って言ってくるの。楽しいわ」ーゲリラ・ガールズ しかし、そもそもなぜアート業界にそんなにも不平等さが生まれてしまうのか。 ゲリラ・ガールズは、テレビや映画は、観客である一般市民の反応によって人気度や知名度が決まるのに対し、アート業界は一部の裕福な階級のみが関わっているのが問題だと指摘する。 だから、「力のある人」の意見しかギャラリーなどに反映されないのだ。よって、女性、LGBTQ、有色人種のアーティストは中々取り上げられないわけだ。 (Photo by Guerrilla Girls)進歩的なイメージのある、現代アートの世界で、こんなにも不平等さが存在していたとは、意外だったのではないだろうか。 「力のあるもの」が作る歴史だけが未来に受け継がれるという事実は、全ての歴史に言えることだが、このままではいけない。 私たち全員が考えるべき問題だ。 ゲリラ・ガールズは30年代以上活動しているが、まだまだゴリラのマスクを脱ぐことができる日は遠そうである。 しかし、彼女たちはその日が来るまで戦うことをやめないのだろう。 via. Dazed, The Guardian, Guerrilla Girls, Time Out この記事を読んでいる人はこの記事も読んでいます!コロンビアで6000人が参加した、世界最大級「ゲリラ・ヌード撮影会」。 6月5日。コロンビアで6000人を超える人が、街中でいきなり裸になった。一体なぜ、そんな「衝撃的な事態」が起こったのだろうか?... ーBe inspired!
2016年08月22日(Photo by Flickr)日本における警察官のイメージは真面目で堅物。 市民の安全を守るもの、そうあるべきだと私たち市民も思いがちだ。 でも、その警察官があなたのためにほんの少しだけルールを破ったらどうだろうか。 きっと悪い気はしないはずだ。 近づく警察官。そのワケとは?(Photo by WMAL)アメリカ、バージニア州のとある街で、ちょっとクスッと笑ってしまうような温かい事件が起きた。 真夏のある日、通りで車を止めていた女性が、突然警察官に止められた。 女性は自分が「何か違反をしてしまったのでは」と不安になったが、どこにも交通ルールを破ったような形跡は見当たらない。 不安の中、窓を開けて近づいてくる警察官に対応すると、警察官は彼女に向かってこう言い放ったのだ。 「あなた、道路交通法にこんな決まりがあることを知っていますか?暑い日は、アイスクリームを食べなければダメなんですよ」 そう言って、警察官は彼女にアイスクリームを差し出した。 これには声を掛けられた彼女も大笑い。 警察官曰く、熱中症に気を付けてくださいという想いがあったそうだ。 バージニア州の警察官たちは市民の熱中症へのケアも怠らない。※動画が見られない方はこちら 「誕生日」に「警察官」が出動(Photo by Mail Online)また、フロリダ州の警察官もオリジナリティを持っていて面白い。 フロリダ州に住むグレン君は、その日6歳の誕生日を迎えようとしていた。 朝からたくさんの料理を作り、パーティー用の飾りつけをしていたのだが、開始時刻を過ぎてもゲストはゼロ。 招待していたクラスメイトが誰も来てくれなかったのだ。 大変大きなショックを受けるグレン君とそれを不憫に思う母親。 母親はいてもたってもいられずこの状況をFacebookでつぶやいたそうだ。 するとなんということだろう。 その投稿が地元警察の目に留まり、警察官や消防士、合わせて15人がグレン君の誕生日を祝うために駆け付けてくれたという。 もちろん、パトカーや消防車、ヘリまで出動させてだ。 たくさんのプレゼントまでもらったグレン君は悲しい顏から一転。 溢れんばかりの笑みを浮かべていた。 しかしなぜ警察官がここまでしたのか。 その理由を彼らはシンプルにこう話している。 「市民に心地よい暮らしをしてもらうことが仕事である」 「ポケモン」による事件も、身を削って「解決」(Photo by CNN)また、最近話題のポケモンを巡っても、警察官は市民の味方である。 アメリカ、オハイオ州に住む9歳のブライス君は、6歳の頃から集めていた「ポケモンカード」を何者かに奪われてしまったそうだ。 あっという間に大切な宝物をとられてしまったことにショックを受けた彼を見て、何か解決の糸口が見つかればと母親は警察に相談した。 そして、そこに現れたのが、地元警察官のグローテンラート巡査だった。 彼の活躍もあり、何枚かのポケモンカードは手元に戻ってきたそうだが、すべては戻らず。 相変わらず晴れない顔をしているブライス君を見て、巡査は、なんと自分が持っているポケモンカードを彼にプレゼントすることにしたのだ。 たまたま自身もポケモンカードを集めていたという巡査。 そのカードの中にはかなりレアなものもあったそうで、これは巡査にとっても大切なものでもあった。 しかし彼は、それらをなんの躊躇もなくブライス君に手渡した。 グローテンラート巡査は「市民が笑顔になるほうが嬉しい」と語っている。 「フリースタイル」で働く楽しさ(Photo by Flickr)彼らの行動は大変称賛されるべきことであるが、これが警察官としての違反行為ではないのかと問われたら返答に困る。 しかし、これらの行動は大変思いやりとユーモアがある。 となると、ときに人の心を動かすユーモアをつくるのは、ちょっとしたルール違反なのかもしれない。 日本人はマニュアルの上で仕事をするのが得意だ。 コンビニエンスストアやレストランで働く際は商品の並べ方やお皿の正しい持ち方までたくさんのルールを教えられ、企業で働く際もクレーム処理のマニュアルまで存在する。 それは誰が対応しても同じというクライアントにとっての公平さを生み出しているのかもしれないが、それは同時に、マニュアルさえ叩き込めば「誰でもできる」仕事ということを意味しているのだ。 誠意ある行動の中のちょっとしたルール違反にはその人の人柄や本音が見え、より信頼感を抱くことができるのではないだろうか。 時にはマニュアルから外れて、「あなたらしい」働き方をしてみてはどうだろう。 きっと働く側にも生きがいが生まれるはずだ。 via. CNN, Around Osceola, Mail Online, Fox 5, The Telegraph この記事を読んでいる人はこの記事も読んでいます!やり過ぎ注意!!カナダ・ケベック州発の「おしゃれポリス」とは!? 「警察官」という言葉を聞いた時、皆さんはどんな服装を想像しますか。多くの人がバッジに、紺色の制服などを想像するのではないかと思います。異国に旅行をしたとして... ーBe inspired!
2016年08月22日(Photo by zaziefilms)70〜80年代のファッションや音楽が、近頃リバイバルしている。 この「リバイバル」の現象はなぜ起きているのだろうか? ファッション業界が「流行」を決めたかもしれない。 伝説のロックバンドが再結成したからかもしれない。 しかし、それだけではないだろう。 これらの時代が若者を惹きつける理由とは一体何だろうか? (Photo by .samm)放浪者のような自由なスタイルの、“ボヘミアンファッション”や“ヒッピーファッション”。 そして型破りでエネルギッシュなハードロックやパンクロックも大きな注目を集めている。 この時代の何から、私たちは魅力を感じるのだろうか?(Photo by Eva Freude)1970〜80年代、それは1980年代以降に生まれたミレニアル世代の若者が、産声をあげる前もしくは幼なかったころだ。 社会の規律を否定し快楽に溺れたり、満ち溢れたエネルギーで激動のなかを駆け抜けた当時の若者たちは、ミレニアル世代にない「何か」を持っている。 自分の知らない時代・幼い頃の記憶にしか残っていない時代のことだからこそ、憧れを抱いてしまうのかもしれない。 自由を愛して奔放に生きたり、社会に抵抗するエネルギーに溢れていた、70〜80年代の若者たち。 彼らの過ごした時代の雰囲気から感じとる、今の時代にはない“熱気”や“狂気”を、私たちは求めてしまうのではないか?(Photo by 地獄に堕ちた野郎ども)ファッションを真似したり音楽を聞いたりするその前に、今年9月に公開されるドキュメンタリー映画で、リアルな1970〜80年代を感じてみるのはいかがだろうか? ファッションを参考にするにも、もってこいのお手本ばかりだ。 『スーパーメンチ -時代をプロデュースした男!-』(9月24日(土)より新宿シネマカリテほか全国順次公開)(Photo by © 2013 NoMoneyFun Films Inc. and A&E Television Networks LLC.All Rights Reserved.)大物ロックスターのアリス・クーパーやピンク・フロイドのマネジメントやプロデュースをしてきたカリスマ、シェップ・ゴードン。 誰よりも「超いい人」で「超イカれた偉人」である彼の人生を、本人と各界の大物たちはどう見てきたのか? 詳しくはこちら。 『ジャニス:リトル・ガール・ブルー』(2016年9月10日(土)より、シアター・イメージフォーラムほか全国順次ロードショー!)(Photo by ©2015 by JANIS PRODUCTIONS LLC & THIRTEEN PRODUCTIONS LLC.All Rights Reserved.)しゃがれた声とその自由奔放な生き方が、若者を熱狂させたジャニス・ジョプリン。 「音楽史上最高の女性スター」と称される伝説のシンガーである彼女が生きた激動の時代と人生をとらえたドキュメンタリー。 彼女の27年間の短い人生はどのようなものであったのだろうか? 詳しくはこちら。 『地獄に堕ちた野郎ども』(9月17日(土)より渋谷HUMAXシネマほか全国順次公開)(Photo by ©2015 Damned Documentary LLC.)セックス・ピストルズ、ザ・クラッシュとともにロンドン三大パンクバンドのひとつに数えられるダムド。 「真のパンクバンド」と称される彼らのぶっ飛んだパフォーマンスと生き様が描かれたドキュメンタリー。 彼らのクレイジーさから何を学べるだろうか? 詳しくはこちら。 <<番外編>>60年代の音楽スター、ザ・ビートルズ 『ザ・ビートルズ~EIGHT DAYS A WEEK ‐ The Touring Years』(9/22(木・祝)より 角川シネマ有楽町ほか全国公開!)(Photo by 映画『ザ・ビートルズ~EIGHT DAYS A WEEK ‐ The Touring Years』公式サイト)世界中を熱狂の渦に巻き込んだザ・ビートルズの63~66年のコンサート映像を中心に構成される音楽ドキュメンタリー。 今も健在のメンバーや当時の映像が語る、あなたの知らないザ・ビートルズ秘話とは? 詳しくはこちら。 この記事を読んでいる人はこの記事も読んでいます!初来日!SXSW映画部門の大物ディレクターに聞く「本当に良い映画」 「みんな思ったよりも背が高かった。夫は2メートルちょっとだから、日本で一番背が高い人になるんじゃないかってみんなが冗談を言っていたのだけど、そんなことはなかったのよ(笑)」... ーBe inspired!
2016年08月21日(Photo by Alec Couros)7月末よりロンドンで公演されている舞台版「ハリ・ーポッター」 子どもだったハリーたちが大人になり、再び活躍するストーリーが描かれる。 しかし、公式サイトでキャストが紹介されると、各種SNSで大ブーイングの嵐が巻き起こった。 その理由は、“ハーマイオニーが黒人だったから”である。 黒い肌のハーマイオニーはヒロイン失格?(Photo by Pottermore)世界中の人々から愛される「ハリー・ポッター」シリーズは、世界累計発行が4億5000万部を超える大ベストセラーだ。 原作者のJ・K・ローリングは無名の作家であったにも関わらず、1997年にシリーズ最初の「ハリー・ポッターと賢者の石」が刊行された途端、一躍有名人になった。 この名作が、今年の夏に舞台版となって上演される。 大勢のファンが期待に胸を膨らませ、舞台の情報を待ちわびていたのだが、公式ホームページがキャストを発表した途端に「がっかりした」「ありえない」「納得いかない」といった意見がネット上で飛び交ったのだ。 その理由は、ハーマイオニーを演じる女優、ノーマ・ドゥメズウェニが黒人であっただめである。 映画版のエマ・ワトソンのイメージを強く抱いていたファンたちは、「ハーマイオニーが黒人だなんて納得いかない」と主張したのだ。 この騒動に対し、原作者のJ・K・ローリングはコメントを述べた。 「私は作品の中で、ハーマイオニーのことを“茶色の目、縮れた髪、とても聡明”と表現しました。ハーマイオニーが白人の少女であると明記したことは一度もありません。それに私は、舞台版の黒人のハーマイオニーが大好きです!」 原作者がハーマイオニーのキャスティングに対し、このようなコメントを述べたことにより騒動は一旦収束を見せた。 しかし、ファンの中には未だに「黒人を差別しているわけではないんだ。でも、ハーマイオニーは白い肌がいいな」という意見を掲げている人もいる。 「ヒロインは当然、白い肌の女性である」という思い込みが、世界中の人々の頭に定着していることを気づかされるエピソードだ。 “ありのまま”を否定された黒人のエルサ(Photo by Rachel Muir)アメリカフロリダ州では、小さな女の子が「肌が黒い」という理由で悲しい思いをすることになった。 ショッピングモールで開かれたディズニーのイベントに「アナと雪の女王」のエルサのドレスを着て行ったサマラちゃんは、3歳の黒人の女の子。 大好きなエルサのドレスを来て、母親と一緒に会場にやってきたのである。 彼女を傷つけたのは、自分と同じ年頃の女の子だった。 「どうして黒人なのにエルサの服を着ているの?黒人はエルサになれないのよ」 女の子に指をさされ非難されたサマラちゃんは、その場で顔を隠して号泣してしまった。 彼女の母親は、娘が経験した悲しい出来事をfacebookで発信。すぐに大きな反響が起こった。 そして後日、サマラちゃんのもとにこんなメッセージが届いたのである。 「ありのままのあなたでいてね」 それは、本物のエルサからのメッセージだった。 フロリダのディズニーワールドがサマラちゃんに励ましのメッセージを送ったのだ。 大統領は駐車場係(Photo by Barack Obama)黒人差別の歴史は根深い。 かのオバマ大統領も、「黒人だから」という理由により大統領に就任する以前はひどい扱いを受けた経験があるらしい。 駐車場係に間違えられて見知らぬ人から鍵を手渡されたり、招かれたパーティーでウェイターと間違えられてコーヒーを持ってくるように命じられたり。 人々の間には「黒人は召使いである」という思い込みが根付いているようだ。 多様な人種が暮らすアメリカは、日本よりも人種差別問題に敏感だ。 オバマ大統領は「この国に住む誰かが、法のもとで平等に扱われないことは問題である」とコメントを述べている。 しかし、大昔から根付いている黒人の人々への蔑視は完全には消えないのが現状だ。 ヒロインは白人という「あたりまえ」(Photo by L. Whittaker)黒人は白人の召使であり、物語のお姫様は当然のように白人である。 あえて言葉には出さないが、そういったステレオタイプが存在していることは確かだ。 そして、無意識の「あたりまえ」は、ナイフや拳を使わなくても、当事者の心を傷つける「暴力」になり得るのである。 via. ねとらぼ, grape, THE HUFFINGTON POST, THE HUFFINGTON POST この記事を読んでいる人はこの記事も読んでいます!“貧困じゃなくて、超リッチ!アフリカ版「セックスアンドザシティ」が世界中で人気の理由。” 1998年から2004年にかけてアメリカで放映されたニューヨークが舞台のテレビドラマ「セックスアンドザシティ」。ファッショナブルかつ、ダイナミックな登場人物に、セン... ーBe inspired!
2016年08月19日(Photo by tequilabird)常識を逸脱するような、思い切った事例は海外で始まることが多い。 そして、それを日本人は「面白いな」と眺めている図式が常であった。 しかしこの度、日本発の「思い切った」幼稚園が誕生した。 これらの幼稚園は、海外メディアがこぞって取り上げているほどである。 「びしょ濡れ」中庭に、「丸見え」トイレ(Photo by youjinoshiro)(Photo by Bored Panda)熊本県にある『認定子ども園 第一幼稚園』。 この幼稚園のつくりがなんとも面白い。 幼稚園の建物というとだいたい同じような校舎であるが、『認定子ども園 第一幼稚園』の校舎はなんとも大胆である。 まず、注目すべきは中庭だ。 一見するとどこにでもある中庭なのだが、この中庭には開閉式の屋根がついていて、雨が降った後には「あえて」水たまりができるように設計されている。 そこで子どもたちは思う存分濡れて遊ぶことができるのだ。 また、給食をつくる厨房はオープンキッチンとなっていていつでも外から覗くことができ、トイレはプライバシーに配慮しつつも、透明のアクリル板で仕切られるなどできるだけ開放的な空間になっている。 この校舎のコンセプトは「仕切りのない空間が自由を育てる」。 校舎の中だけではなく、外からも通りがかりの人が中の様子をあえて見られるように設計されているのだ。 「コンテナ」の中で子どもが学ぶ(Photo by designboom)(Photo by designboom)また、埼玉県にある「小倉あさひ幼稚園」も面白い。 50年を節目にリニューアルを行ったのだが、その建て替えに使われたのは、なんと廃棄された「船のコンテナ」であった。 このコンテナを使った理由を同幼稚園は「子どもたちに、限りある資源を大切に使うことを伝えたかった」と語っている。 外見はどこか冷たい感じの印象だが、内装は木の温かみ溢れる雰囲気に。 また、保育室や職員室を外に向けて開くように設計してあり、中の様子が通りがかりの人にも見えるようになっている。 多くの人が集まりやすく、開放的な場所になるように工夫されている。 「幼稚園建設」への高い「ハードル」(Photo by Patrick)こんなにも魅力的な作りの幼稚園。 しかし、これらは極めて稀な例だ。 なぜなら、日本における保育園・幼稚園の建設は困難を極めるからだ。 教室や運動場の面積基準や学級数といった国が定める基準をクリアしなければならないこともさることながら、なにより大きなハードルは近隣住民の理解を得ることである。 神奈川県茅ケ崎市に建てられる予定だった幼稚園が、近隣住民の反対によって、計画が中断せざるを得なくなったことは記憶に新しい。 これらと同じように建設を中断しなければならなくなった事例は、「道路がお迎えの車で渋滞する」、「子どもの声がうるさい」と言った理由で沖縄県や千葉県でも起きている。 子どもたちに罪はないと分かってはいるが、そこで暮らす住民の気持ちを無視することもできない。 「隠す」のではなく「解放」する(Photo by 55Laney69)待機児童問題が叫ばれる中で、建設に反対する人たちを目にすると「心が狭い」と思いがちだ。 しかし、今までその場所に住み続けてきた人たちにとっては、これまでの穏やかな生活が壊されるのではないかと不安になる気持ちも分かる。 ならば今すべきことは、保育園も地域の人たちを巻き込んだ憩いの場にすることではないだろうか。 保育園・幼稚園の議論が出ると、壁を高くしたり、外で遊ぶ時間を制限したりして、地域と子どもたちの間を遮断する対策を考えがちである。 しかし、幼稚園を開放的な存在にし、地域住民と一緒になって街に溶け込ませることが解決へのヒントかもしれない。 実際、熊本県や埼玉県の例でも、解放された校舎によって、幼稚園への親しみが芽生えたそうだ。 これからこの問題を解決していくのは、「遮断」ではなく「解放」かもしれない。 via. 第一幼稚園, 日比野設計, Curbed, YAHOO!NEWS, 平成24年度幼稚園・保育所等の経営実態調査(速報版), 毎日新聞, Gambling Journal この記事を読んでいる人はこの記事も読んでいます!“「待機児童」と「高齢者」の“化学反応”が日本を救う。” 「保育園落ちた日本死ね」まだ記憶に新しいこの言葉だが、今後日本で増加が予想される「待機児童」。また、この問題と同じくらい深刻な社会課題である「少子高齢化」。... ーBe inspired!
2016年08月19日(Photo by Miki Yamato Photography)ヘンタイの皆さん、ヘンタイに興味のあるノーマルの皆さん、ごきげんよう。ブランドリームス代表/コピーライターの菅原瑞穂です。(※彼女が何者なのか知りたい方はこちら) 主に女子の皆さま。「まつ毛貧毛症」ってご存じですか?仰々しくも「「睫毛(しょうもう)貧毛症」」とう正式名称らしきものさえ与えられたこの状態、「自分のまつ毛が少ない or 短い or 細い」と感じている方は、まつ毛貧毛症の患者(!)の可能性があるそうです。 しかし、考えてみてください。長きに渡ってメディアから「あなたのまつ毛はもっと多く・長く・太くあらねばならない!」と洗脳されてきた日本の女子の中に、「自分のまつ毛は多い or 長い or 太い」と胸を張れる方が何人いるというのでしょう? 親切ヅラして勝手な価値観を押し付けてくる彼らの存在にあなたは気付いていますか?(Photo by Barb Davids)もちろん、栄養状態、抗癌剤投与、ストレス等の原因により、真に医学的見地から見て「まつ毛貧毛症」と診断されうる方々ももちろんいらっしゃるでしょう。ですが、わたくしのようなひねくれ者の目には、「まつ毛貧毛症」というフレーズは、まつ毛エクステに続く新たなまつ毛ビジネスを儲けさせるための広告タグラインのようにしか見えません。ソクラテスの時代から地上に存在したという、他人に “病気” のレッテルを貼って金儲けするビジネスモデルの一形態に違いないように思えるのです。 連載第1回の中で「『体臭はNG』という認識は後天的に出来上がるモノサシではないのか?」という問題提起を致しました。わたくしが考えるに、「女性のまつ毛は多く・長く・太い方が良い」もわたくしたちの生得的な価値観ではなく、主にメディアによる刷り込みで後天的に出来上がったモノサシなのではないでしょうか? 「体臭はNG」にはマナーとしての側面もありました。ワキ下制汗剤等をたくさん売るための方便としてだけではなく、周囲を不快にさせないへの気遣いとしての意味も「体臭はNG」モノサシには確かにあるのです。 翻って、「まつ毛は多く・長く・太い方が良い」というモノサシはいつ、どこで、誰が、なにを目的に作り上げたのでしょう?ほぼ盲目的にこのモノサシを信じ、健気にマスカラとつけまつ毛で武装してきた(主に)女子の皆さま。わたくしたちはどうして、広告等で「伸びる!」と喧伝されているマスカラをつい購入してしまうのでしょうか?やればやるほど自まつ毛が抜け落ちていく悪循環に気付きながら毎月まつ毛エクステをしてしまうのでしょうか? わかってくれとは言わないが、そんなに「一重/奥二重」が悪いのか(Photo by Hillary / Cammy)女子の皆さま(主に)。わたくしたちの多くは「もっと美しくなりたい」という果てなき欲望を抱え生きています。この「美しくなりたい」という思いでさえ「女は美しくあるべき」という世間のモノサシの反映なのかもしれません。しかしわたくし個人としては、40才になっても、50才になっても、そして60才を超えても、いつまでも美しい女でありたいと考えておりますし、所謂「オバサン」と呼ばれる遺伝子が女性であるだけの肉塊には殺されてもなるまいと固く心に誓っております。 このように考えておりますわたくしなので、決して「まつ毛を少しでも多く・長く・太くしたい」と願うわたくしたちの努力そのものを否定するつもりはありません。また、「女性は目や瞳が大きい方が美しく見える」という価値観が、時代や文化を問わず通用する、一定の普遍性を持つことは事実であるように思えます。ただし、過度な無い物ねだり、例えば、わたくしたち日本人が白人女性のようなフサフサのまつ毛を求めるという行為は、わたくしたちを決して幸せにはしないだろうと思うのです。 先日、INHEELSの岡田さんと飲んでいて、ある女性誌の記事の話になりました。「日本女子にとって最大の悩みである一重と奥二重ですが(云々)」という書き出しではじまったその記事に、それぞれに一重女子と奥二重女子であるわたくしたちは「一方的に悩み事にしないで欲しいよね!」と、大いに憤慨したのでありました。 「オリエンタルビューティ VS タレ目系愛されメイク」の仁義なき戦い(Photo by Miki Yamato Photography)外国の男性からはありがたいことに「神秘的」等とポジティブに形容していただけることも多いわたくしたちの切れ長の目。オリエンタルビューティの大きな特長である一重や奥二重を、なぜ日本のメディアはさしたる説明もなく「悪者」扱いするのでしょうか?一重や奥二重のまぶたは二重のまぶたにそんなに劣るのでしょうか? わたくしや岡田さんが日頃のオリエンタルビューティメイクをやめ、タレ目系愛されメイクに切り替えたならば、何かしらの幸せ(もっとモテる、等)につながるのでしょうか? 幼い頃からツリ目(良く言えば切れ長)であったわたくしに、例えば綾瀬はるかさんのようなタレ目顔への憧れがないと言ったら嘘になります。でも、わたくし思うのです。向上心を持って自分を磨くことと、自分ではない何かになろうとすることとは、まったく別の何かである、と。 物理的に目頭より目尻が高い位置にあるわたくしが、メイクテクニックを駆使したり、いっそのこと美容整形をしたりして、タレ目になる(または、タレ目に見える状態になる)ことは難しくはないでしょう。しかし、そのように努力とお金を費やしてタレ目になること、つまりは自分ではない何かになろうとすることが、自分にとって最上の幸せであるとは、わたくしにはどうしても思えません。タレ目への憧れは胸に秘めつつも、ツリ目(良く言えば切れ長)の魅力を最大限に発揮できるようなメイクやファッションや言動を追求する方が、よほど建設的な努力だとは言えないでしょうか?(Photo by Miki Yamato Photography) ありのままの自分を愛せないあなた、今すぐ「ヘンタイ界」に飛び込みなさい。(Photo by Miki Yamato Photography)今でこそ偉そうに世間のモノサシに疑問を呈しているわたくしですが、かつてモノサシに左右されてコンプレックスを感じまくっておりました。切れ長の目もコンプレックスでしたし、今では自分の最大の武器だと考えている大きなお尻も、昔は嫌で嫌で仕方がなかったのです。 そんなわたくしがコンプレックスを超え、ありのままの自分を愛せるようになったのは、ひょんなことがきっかけでSMの世界に飛び込んだからです。そこでは、女性の顔はキツければキツいほど美しいとされ、女性のお尻は大きければ大きいほど美しいとされていたのです。 もしあなたが何をどうやってもありのままの自分を愛せないのであれば、思い切って「ヘンタイの世界」に飛び込んでみてはいかがでしょう?そこには世間のモノサシとは無縁の独自の価値観で生きているヘンタイたちと交流すれば、今お持ちのコンプレックスなどウソのように消え去ってしまうでしょう。 「商業と手を繋いだ世間のモノサシ」などいっそ叩き折ってしまいましょう。そして本当のあなたのままで、ありのままのあなたを愛してくれる誰かと、素敵なヘンタイライフを送ってはいかがでしょうか?(Photo by Miki Yamato Photography)Written by Mizuho Sugawara 株式会社ブランドリームス 代表取締役/コピーライター菅原 瑞穂氏(Photo by Miki Yamato Photography)2010年に社会貢献ビジネス専門のブランディングエージェンシー「ブランドリームス」を設立。 2014年以降はエシカル、マイノリティ支援、動物愛護、地域活性化に特化して、ロックでセクシーなコンセプトを掲げた社会改革に従事している。 現在は、「SMにエシカルを。エシカルにSMを」コンセプトに『To the loveless.(愛を失くした人たちへ)』というREBELでCRAZYでSEXYな社会変革プロジェクト立ち上げ活動中。 過去のインタビュー記事はこちらから。 この記事を読んでいる人はこの記事も読んでいます!あなたは「足が臭くない」という理由でフラれたことがありますか? |【連載】ドSクリエーター菅原の「To the loveless.(愛を失くした人たちへ)」 ヘンタイの皆さん、ヘンタイに興味のあるノーマルの皆さん、ごきげんよう。ブランドリームス代表/コピーライターの菅原瑞穂です。(※彼女が何者なのか知りたい方はこちら)突... ーBe inspired!
2016年08月19日(Photo by TayTweets)現在、ツイッターのユーザー数は3億2千万人。 Facebookのユーザーは16億5千万人にものぼる。 世界規模で人々が「簡単に」繋がれるようになった現在、困った問題も起こっている。 コミュニケーションが容易になった分、【暴力】のハードルが下がっているのだ。 ロボット少女の問題発言でツイッターが大炎上!(Photo by Chris Chabot)今年3月、マイクロソフトが新たな会話ロボットをリリースした。 ロボットの名前は「TAY」。 19歳の今風の少女という設定だ。 ツイッターに突如現れたロボットの少女は、フォロワーと会話をしながら知能が育っていく仕組みである。 「人間って超クールね!」 TAYとフォロワーとの会話がスムーズだったのは最初のうちだけだった。 人間との会話を繰り返すうちに、彼女は暴走を起こしてしまったのである。 「人間なんて大嫌い!」 「ヒトラーは正しかった。ユダヤ人は嫌い」 「フェミニストは死ね」 「911はブッシュの陰謀」 など、問題発言を繰り返した。 事態を重く見たマイクロソフトはすぐにTAYを停止。 「またね、人間さん。少し睡眠をとる必要があるの。楽しい会話をありがとう」という言葉を最後に、TAYは姿を消した。 リリースされてからわずか1日の出来事であったが、彼女が世界中のツイッター上に残した爪痕は深い。 後にマイクロソフトは「一部の心ないユーザーが、TAYの言葉を覚えるシステムを悪用して、不適切な発言をするようにコントロールしていたようだ」と発表。 TAYの発言はすべて、生きている人間たちから学んだ【言葉の暴力】そのものだったのだ。 インターネットは【便利な暴力ツール】にもなり得る(Photo by Kaigani Turner)インターネットを利用したSNSや掲示板は、非常に便利なコミュニケーションツールである。 国境を超えて、リアルタイムなやり取りを行うことができるだけでなく、匿名でコミュニケーションができることから、率直な意見を交わすことができる場所でもある。 しかし、そういったメリットがある反面で、インターネット上のやり取りが人を傷つけてしまう可能性も常に考えなければいけない。 「率直な意見」は、差別やいじめを生む。 顔が見えない匿名の世界であればなおさら、誰かに対する暴力は輪をかけてエスカレートし、取り返しのつかない事態に及ぶこともある。 1つのツイートが、10倍の暴力になる可能性を考えなければいけない。 SNSの問題発言は、家の近くの看板に貼って晒します(Photo by racismovirtual.com.br/virtual-racism/)ブラジルでは、インターネットの世界で横行する、いじめや悪口などの【バーチャル暴力】に対抗するために、反差別団体が行動を起こした。 それは、差別発言をした人の住んでいる地域をジオタグから特定し、近所の看板に問題のツイートを掲げてしまおうという大胆な運動である。 アイコン画像とIDにはモザイクがかかっているので発言者を完全に特定することはできないが、本人であれば必ず「ドキっ!」とするはずだ。 個人情報にモザイクをかけているとは言え、この運動は法律的にはグレーゾーン。 賛否をめぐり論争が巻き起こったようだ。 しかし、匿名の世界で堂々と人を傷つける発言をした者が、いざ現実世界で自分の発言を晒されるという仕打ちは、非常に考えさせられるものがある。 インターネットの世界は決して「非現実」ではないということに気づかされるのではないだろうか。 SNSナチスを率いるのは誰?(Photo by Ads of the World™)アメリカでは、ヒトラーをモチーフに使用した啓蒙広告が登場した。 クライアントはツイッター。 おなじみの鳥のマークが、ヒトラーのひげに化けている。 広告内には以下のようなメッセージが書かれている。 AN ACCIDENTAL RACIST IS STILL A RACIST. #THINKBEFOREYOUTWEET(偶然の人種差別的発言だとしても、それは人種差別になります。つぶやく前に考えよう) 「気軽に言葉を発信できるSNSでは、気軽に人種差別をすることもできる」ということをこの広告は人々に伝えようとしているようだ。 無意識の発言であったとしても、そこには差別的な要素が隠されているかもしれない。 インターネットで言葉を発信する以上、「私たちは簡単にヒトラーになることができる」という自覚を持つべきである。 あなたのタイムラインでは、ファシズムが横行していないだろうか? via. GIGAZINE, 「Social Likers」Produced by JCTV, Engadget Japanese, AdGang この記事を読んでいる人はこの記事も読んでいます!偏見や差別をなくす“のっぺらぼう”の「コカコーラ」 第一印象は「10秒以内」に決まる。初対面の相手にどう見られるかは、常に私たちの関心ごとだ。見た目はその人を表すひとつの「ラベル」である。しかし時には... ーBe inspired!
2016年08月18日(Photo by cambio)「カーディガンは学校指定のものを着なさい、スカートを折ってはいけない、男子生徒の長髪は禁止」。 あなたの学校にはどんな校則があっただろうか? “差別的”で納得のいかない校則に対して、SNSでハッシュタグを使って抗議したティーンエイジャーたちがいた。 (Photo by Shari Alisha)8月、夏真っ只中の今、肌を露出した若い女性を都会で見かけることも多いだろう。 丈の短いトップスやタンクトップなど肌を覆う部分の少ない服は“夏らしい”服装かもしれない。 そのなかでも近頃流行しているのは、身丈をウエストや胸の下あたりで切り落とした、“クロップドトップス”と呼ばれる服だ。 これを学校に着ていくとしたら、どんな問題があるだろうか? 「学校」という場所ではどのような服装をするべきか、学校に問うた生徒たちがいた。(Photo by CBC News)カナダのオンタリオ州のとある学校に、タンクトップを着てダメージ加工のジーンズを履いて行き、「学校に来るのに不適切な格好」をしていると言われて家に返された生徒。(上記写真)(Photo by CBC News)同じ日に同州のアートハイスクールで、着ている服が「スポーツブラみたいだ」と言われ、服装を“正す”よう指導された生徒。(上記写真)(Photo by Scoopnest.com)彼女たちは、「学校の服装規定は、女性の体は“性的”だから隠さなければならないと言っているみたい。私は“性的”に見せようとして肌の見える服を着ていたのではなく、自分で着ていて心地よいから着ているだけ。それより、“男子生徒に刺激が強い”というのなら、女子生徒の体を“性的なもの”だと見ないように教えるべき」と反論している。 この件がクラスメイトたちに伝わると、SNSを使って#CropTopDayというハッシュタグで呼びかけ合い、学校で抗議活動をすることとなった。 生徒たちは、クロップドトップスやブラトップを着て学校の芝生に集まった。 クロップドトップスを着て参加した生徒のなかには男子生徒の姿もあったようだ。(Photo by BuzzFeed)この件が問題としている、女性の体を“性的なもの”として捉えるということは、日本の「痴漢」の問題にも当てはまる。 肌の露出の多い女性を“性的な対象と見ていい”という風潮は依然として変わっていないからだ。 露出していた被害者が悪いと言われ、痴漢をした側に「相手の体をみだりに触ることがいけない」という意識を持たせないのは不条理な話である。 勉学に勤しんだり技術を身につけたりする場である「学校」ではどこまで肌の露出を許すかが問題となるのは理解できるが、生徒が自分が着ていて心地のよいものを着る権利を守り、自分の体を肯定的に捉えることを認めるのは大切なのである。 via. FASHION PRESS, Today’s Parent, BuzzFeed, Identities.Mic, CBC News この記事を読んでいる人はこの記事も読んでいます!「男子のスカート」と「女子のネクタイ」が世界を優しくする メキシコにある高校『Escuela National Preparatoria』。この学校はどこにでもある国立の高校だが、少し他の学校と違うのは、彼らの「服装」に... ーBe inspired!
2016年08月17日(Photo by Zoe Campbell)昨今、メディアを賑わせている「体罰」の問題。 手を挙げることは果たして「しつけ」なのか、「虐待」なのか。 世界では、どのようにこの問題を捉えているのだろう。 「おっさんカット」のお仕置き(Photo by rusty_fred)アメリカのアトランタにある美容院『A-1 Kutz』。 この美容院は悪い子におしおきをする美容院。 なぜなら、悪いことをした子の髪型をなんとも「ダサく」カットしてしまうからだ。 この美容院が「お仕置きヘアカット」を始めたきっかけは、言うことを聞かない12歳の男の子をなんとかしようと、彼の父親が「もうこれ以上悪さをしたくなくなるような髪型にしてください」と頼んだことがきっかけだ。 そして、この最初の「お仕置きヘアカット」は父親によってSNSにアップされ、それが広まり多くの親が「うちの子もやってください」とお願いする事態に発展した。 今では、美容院『A-1 Kutz』は、1週間のうち3日間を「お仕置きヘアカット」専用の日とすることにしている。 それも、教育のためならと「無料」でカットをしてくれるのだ。 ちなみにこのヘアカットの効果はてき面で、多くの子どもが見違えるようにいい子になり、学校の成績も伸びるという。 「虐待」なのか……。多くの賛否の声が上がる(Photo by Morgan Schmorgan)しかし、この行いがSNSに広まることによって多くの賛否の声があがった。 これは、虐待ではないのかと言うのだ。 「手を挙げるよりははるかにいい」と言う人もいたが、「子どもの心を傷つけている時点で体罰である」という全く反対の立場の人まで。 そもそも、アメリカでは体罰に対して、グレーな部分が多い。 まず、州によって体罰に対しての法律が違うのだ。 そもそも法律で体罰を規制していない州もまだ19州もあり、それらの州では体罰を認める州法を未だに持っている。 また、体罰が法律で禁止されている州でも、発覚すれば逮捕に繋がるが、特に家庭内は環境が閉鎖的であるため、子どもが外に助けを求められないケースも多い。 子どもが助けを求められるような環境整備はまだなされていない。 「大人」も「子ども」も守る「親子法」(Photo by sean dreilinger)しかしそれとは反対に、きちっと法律で体罰を禁止しているのがスウェーデンだ。 スウェーデンでは、1979年に「親子法」を可決し、親が子どもを育てる際に、子どもへのあらゆる形態の体罰またはその他の精神的虐待に当たる取扱いを、はっきりと禁止した。 叩くことはもちろん、言葉で脅したり、押し入れに閉じ込めるなどの行為も親子法で禁止したのだ。 これは世界初めての事例である。 それではスウェーデンではどのように子どもたちを叱っているのか。 それは、叱るのではなく囁いて慰めるらしい。 例えば日本ではスーパーなどで子どもがぐずったなら「静かにしなさい!」と命令口調で制止してしまうが、スウェーデンでは小さい声で「イライラしてかわいそうね」と優しく言うそうだ。 すると子どもは自分の力で理解をし、また大人も「怒らない」行為によってムダなストレスを作らないようになる。 親と子、両者にとっていい教育法となっている。これは、大人をも守る法律なのかもしれない。 いじめのない国「ナンバーワン」(Photo by Thomas Hawk)スウェーデンでもこの法律ができる前までは、体罰に肯定的な態度をとっていた。 「叩かずにどのようにして教育ができるのか」と多くの人が疑問を抱いていたという。 しかし、政府が体罰の恐ろしさを知らせるため、体罰が子どもに及ぼす影響を事細かに書いた冊子を各家庭に配ったり、広報キャンペーンを行ったりして理解を得た。 今では牛乳パックにも「叩かなくても子育てはできる」と印刷をされている。 また、このような家庭内での雰囲気があるため、学校での体罰に対してはそれ以上に敏感だ。 体罰はほぼありえない。 しかし、きちんと教育は行き届いており、スウェーデンの子どもの幸福率は非常に高く、スウェーデンのいじめの件数は先進国の中で一番低い。 教育で「違法」を犯してばかりの日本(Photo by Armando Torrealba)欧州ではこのスウェーデンの例を筆頭に2004年には家庭、学校内での体罰を全面禁止した。 しかしそれとは逆に、日本では未だに体罰に対する議論がなされている。 ちなみに、日本の子どもの幸福度は6位とまずまずながらも、生活上のリスクはダントツの1位であった。 これはいじめを受けたことのある子どもが約25パーセントいたことが原因である。 家庭での叱り方によって子どもが手を上げられることに慣れ、そしてそれが学校で教師によって起こっても、はっきりと「悪」と言えない環境を作りだしているのであろう。 スウェーデンの親子法にのっとるのであれば、日本は教育で「違法」ばかりを犯している。 議論ばかりしてもなにも前には進まない。 まずはスウェーデンのように言葉で脅すことも法律によってNOとしてしまう「親子法」のようなものの制定を考えてみてもいいのかもしれない。 via. The Washington Post, CNN.com, Instagram, 国立社会保障・人口問題研究所, Tatsumaru Times, 日経DUAL, セレクトオーストラリア, まんまみーあ, Friends この記事を読んでいる人はこの記事も読んでいます!“「白雪姫」が禁止図書?“見せない”教育の難しさ” 誰しも、子どもには健やかな心を育んでもらいたいと思うもの。もちろん「不健全なもの」「教育に悪いもの」は見せたくない。でも、ちょっと待ってほしい。あな... ーBe inspired!
2016年08月17日(Photo by portal gda)テック界の異端児ザッカーバーグにポップ界の女王レディー・ガガ。 誰もが知っているセレブたちの生活を想像したとこはあるだろうか。 きっと豪華なものに囲まれて、さぞ豊かな暮らしをしていると思うだろう。 しかし、実際はその真逆なようだ。 結婚式で出された料理は「ケータリング」?(Photo by L M)2015年のフォーブス長者番付において世界で第16位にも選ばれているFacebookの創始者マーク・ザッカーバーグ。 誰もが知るセレブ中のセレブの彼の推定資産はおよそ446億ドルだという。 ここまでお金持ちの彼ならば、さぞかし優雅でリッチな生活を送っているであろうとたやすく想像してしまうが、実際はその真逆。 服装はTシャツとジーンズが基本で、ブランドもののオシャレな服には特に興味がないらしい。 また、結婚を機に大きな家に引っ越したもののそれまでの家はかなり質素。 ザッカーバーグたるお方が、なんと借家に住んでいたというのだ。 結婚を機にと伝えたが、その結婚式も大変質素なものだった。 披露宴の会場は自宅の庭。招いた招待客の数は100人にも満たなかったという。 食事もメキシカンと和食のケータリング。 それにコーヒーチェーン店のコーヒーが出された程度であった。 ちなみに新婚旅行先のイタリアでも、マクドナルドのハンバーガーを食べていたところを目撃されている。 隣の部屋から「ビル・ゲイツ」?(Photo by e_verdasco)さらなる質素なセレブは総資産800億ドルと言われているビル・ゲイツだ。 彼の生活にはたくさんの「普通」が散りばめられており、一般庶民と変わらぬ生活をしているところもある。 例えば飛行機。 海外への出張が多い彼だが、飛行機に乗るときはできるだけエコノミークラスを選択。 彼曰く「ファーストクラスに乗るために何倍のお金を払ったところで、到着する時間は同じ」だいう。 さらには、出張先のホテルも普通。 「寝る場所があり、ネットにアクセスできれはそれで十分」だと言いスイートルームのような部屋にはわざわざ泊まったりはしない。 もしかしたら、あなたが泊まっているホテルの隣の部屋からビル・ゲイツが出てきた……という状況があっても、なんら不思議ではないのだ。 「クーポン」を使う「セレブ」(Photo by Andrea Tarella)また、ポップ界の女王レディー・ガガも最近まで家賃14万円ほどの小さなアパートに住んでいたという。 彼女の現在の資産は50億を超えると言われているが、このアパートは、彼女がまだ無名で、クラブを渡り歩きながらなんとか稼いでいたという頃から住んでいたアパートだ。 その時と変わらず、お金持ちになった今でも当時の習慣は身に付いたまま。 豪華な食事を摂ろうともしないし、買い物に行けばなんのためらいもなくクーポンを使用する。 彼女はどんなにお金持ちになってもお金に執着がないため、自分がお金持ちという実感がないそうだ。 「成功はお金でない」が生む「ワクワク」(Photo by Leonard J Matthews)自分の実績をたたえる最も分かりやすい指標はお金である。 例えば、給料がアップしたならば、会社から認められているという自信にもなるだろう。 それもモチベーションを保つためには必要なことだ。 しかし、多くの成功者を見てきた西脇俊二氏の著書『なぜ一流の人はストレスが溜まらないのか』によると、成功者の多くは「お金がある」、「お金がない」という発想をしないそうだ。 仕事はお金のためと捉える人が少なく、一種のゲームのように捉えるらしい。 一つのステージをクリアしたらまた次のステージに自らの身を置いて進む。 そこに現れるトラブルも解決策を考えるとワクワクしてたまらえらないらしい。 このように、彼らにとって成功とは自分の仕掛けたゲームに勝つこと。 お金は成功の指標と捉えていないため、そもそもお金に対する執着心がない。 社会人になって一番初めに言われることは「とりあえず3年」。 しかし、実は一番重きを置かなければならないのは「社会人5年目」なのだと思う。 この頃になると、だんだんと同期の中でも出世コースとそうでないコースに分かれ始める。 もちろんそれは給料にも表れ始めるだろう。 しかし、そこで決してお金を得たことだけを成功と捉えず「嬉しがらない」ということであなたの次のステップが変わっていくかもしれない。 via.wikipedia,woman-finance.com,forbes この記事を読んでいる人はこの記事も読んでいます!テック界のスター。奇習慣に隠された「合理的すぎる理由」 「奇習慣を持つから偉大なのか?」それとも「偉大だから凡人には理解不能な奇習慣を持つのか?」その因果関係は不明ですが、今をときめくテック界のスター... ーBe inspired!
2016年08月16日(Photo by tattoo pins)2020年、東京で開催するオリンピックに向けて、いくつかの課題点のひとつに挙げられているのが「刺青(いれずみ)」。 将来、海外の刺青にオープンな旅行者たちが快く日本に滞在するには、温泉やプールなど、「刺青禁止」施設が問題になるだろう。 日本では未だに「刺青=闇の世界」というイメージが根強く存在する。 そもそも、どうしてこんなにも日本社会でネガティブなイメージが定着しているのか? 実は「江戸時代」の“ある人々”が理由だった。 法を犯したら顔面に「犬」と彫られる「江戸時代」(Photo by オロチョン)“ある人々”とは罪人のこと。 江戸時代には刑罰として囚人の額や腕に黥刑(げいけい)と呼ばれる刺青を入れていた。 黥刑は古くから中国に存在した刑罰で、左腕の上腕部に一周する線を1本か2本入れるのが一般的だ。 また、地域によっては、罪を犯すごとに段階的に「一」「ナ」「大」「犬」と額に入れていき「犬」の後は死刑、というしきたりもあったのだとか。 そのため、「刺青をしている人=闇の世界」という関連性が生まれたのだ。 江戸時代の囚人たちの中には、刺青が入っているということを恐喝などに利用していた者もいたという。 これは後のヤクザの刺青のあり方に繋がっているのかもしれない。 ヤクザは全身の和彫りがトレード・マーク。 これは一般人に対する威嚇の意味や、団体に対する忠誠心の意味があると言われている。(Photo by Ratta Tattoo)そんな歴史的背景を考えれば、罪人やヤクザを思い起こさせる刺青に対して日本人がネガティブな印象を持つのは想像できる。 日本の伝統刺青=「生き方」(Photo by Tumblr)世界中の刺青好きの中で伝説的な彫り師として知られている、参代目彫りよし氏が日本の伝統的な刺青について語っている動画が存在する。※動画が見られない方はこちら『神聖なる刺青の芸術』 彫りよし氏は、刺青の魅力は「芸術と精神」の両面を兼ね備えているところだと話す。 精神とは、男らしさであったり、遠回りしをながらも学ぶ余分な知識であったり、そういったところにあるという。 近頃は、若者の間でファッション感覚で入れる刺青が流行っているため、気軽に入れる人が多い。通称「ファッション・タトゥー」。 そんな刺青のポピュラー化は刺青への冒涜だと、彫りよし氏は言う。 「一般化してはいけない。刺青は特殊な世界の人たちの中にあってこそいいもんであって、刺青が茶の間に進出することは、刺青に対する侮辱である。美がなくなる。刺青に対する美がなくなる」 また、「裏の世界」に存在するからこその魅力があるとも語る。 「精神的なものの裏付けがあって、初めて刺青も光るわけなんでしょ。そこには光があっちゃダメなんだよね。刺青もやっぱり影の部分がないと、光がない」 この世界では刺青とは人間の「生き方」であり、刺青を入れるということは、裏の世界で生きるという「覚悟」を表しているのかもしれない。 しかし、彫りよし氏の言う通り「ファッション・タトゥー」は「刺青」への冒涜なのだろうか? 日本の「伝統的な刺青」と「ファッション・タトゥー」は全く社会的背景が異なるため、比較することはできないと考えることもできる。 小鳥、バラ、ハート。「カワイイから」入れる「ファッション・タトゥー」(Photo by Pinterest)今、日本の若者の間で刺青が流行っている。 テレビでも女性タレントや歌手が刺青を入れていたり、「今の若者の声」を代表する人気ラッパーKohhは「タトゥー入れたい」という曲をリリースしているぐらいだ。(Photo by Instagram)この日本の若者の間でのタトゥー人気は欧米のカルチャーに影響を受けていると言えるだろう。 アメリカでは、15歳から25歳の25%もの若者がタトゥーを入れている。 その理由は、スポーツ選手やアーティストの影響。 スポーツや芸術の場は、比較的に階級や文化的背景が様々な人が集まる業界だから、タトゥーを入れている人が多い。 例えば「危ない地域」出身のアーティストが、生まれ育った環境に影響されてタトゥーを入れていたとする。 周りにいる、違う環境に育ったアーティストもそれに影響され、タトゥーを入れる。 それを見たそのアーティストのファンもタトゥーを入れる。 シンプルなサイクルだが、このような過程を経て、タトゥーは一般化していったのだろう。 そう考えれば、この過程を経て日本の若者が入れる「ファッション・タトゥー」は日本の「伝統的な刺青」のように歴史的背景があるわけではなく、闇の世界に『ルーツのないタトゥー』であり、純粋な自己表現なのだ。 だから、日本の「伝統的な刺青」も「ファッション・タトゥー」も一括りにしてしまっている日本の現状はおかしいのではないだろうか。 脱!時代遅れな「刺青差別」(Photo by Pinterest)実は、タトゥーの規制が徐々に変わり始めている日本。 2020年の東京オリンピックへ向けて、多くの外国人観光客が見込まれることもあり、「Tattoo Spot」によると刺青の入った人を受け入れる施設は全国1600箇所へと増加しているのだ。 また、観光庁は刺青規制の緩和を目指し、刺青を入れている人に向けて受け入れを前提に「入れ墨(タトゥー)がある外国人旅行者の入浴に際し留意すべきポイントと対応事例」というマナー勧告を出しているという。 冒頭で述べたように、日本の刺青の歴史的背景からついつい「闇の世界」を連想してしまうタトゥー。 しかし、「闇の世界」とは全くリンクしていない若者たちの自己表現である『ルーツのないタトゥー』が日本で増加していることを考慮すれば、一概に「刺青禁止」とするのは、時代遅れなのではないだろうか。 via. Naver, Vice, Tattoo Spot, 観光庁 この記事を読んでいる人はこの記事も読んでいます!「タトゥー」というクリエイティブな“処方箋”。 日本の女性の12人に1人がかかると言われている「ある病」。その病の手術は、体のある一部を切り取り、そして大きな傷跡を残す。しかし、その傷跡をクリエイティブな... ーBe inspired!
2016年08月15日(Photo by The Line of Best Fit)社会に対する不満、怒り、悲しみ。 英国、ロンドンに「ラップ」という形で社会の不平等さの問題に挑む女性がいる。 彼女の名前はケイト・テンペスト(Kate Tempest)。 2014年にリリースした『Everybody Down』で英国最高峰の音楽アワードのひとつ、マーキュリー賞を受賞。 同年に、The Poetry Societyが主催する名誉ある詩のアワード、テッド・ヒューズ賞も勝ち取った。 彼女は社会に感じる不満を少し皮肉っぽく、そしてユーモラスに詩にする。 今回、Tempestの曲の中から国や文化は違っても共感できる3曲を紹介したい。 ①『End Times』 これは明らかに女性差別について歌っているラップだ。 歌詞の中の「私たち」とは全ての女性のこと。 Tempestは自分が「マイノリティの声」になると、宣言している。 「檻が見えないからって刑務所にいるわけじゃないんだ」とは社会の暗黙のルールで縛られている個人の心情をとても良く表している。 ※動画が見られない方はこちら そう、私たちは、皿洗いや料理以上のことをするために存在してるって、 いつも分かっていたんだ。 そう、私は今まで誰にも相手にされなかった人々のために話すんだ。 分かるでしょ。見た目に恵まれなかった人とかね。 政府のクソみたいなシステムを嫌っている人、 そのクソさに気づいている人、社会なんてクソくらえだよね。 檻が目に見えないからって 刑務所にいないわけじゃないんだ。 ②PROGRESS これは資本主義社会と、それがもたらす貧富の差について歌っている。 お金がないことの大変さを語ると同時に、お金があっても、 「消費による幸せ」は悲しいのではないかと批判している。 先進国に住む人全員が考えるべき問題だ。※動画が見られない方はこちら 私たちを繋げていた、団結力を失った。 だから新しい何かが必要だった。 虚無感がこれ以上大きくならないように。 それだったら「自由食べ放題!」以上に、 いい話なんてないでしょう。 買う服によって決まる「自分らしさ」、 その美徳と快感。 かつかつの生活から抜け出すために、 快適に過ごせるぐらいお金を稼げるようになるという夢。 そして今、私たちに「必要なもの」以上に、 人生の目的は何もなくなったんだ。 ③Europe is Lost 移民問題やEU離脱。天気だけでなく、社会も曇り空が続くイギリスについての詩。 労働者階級の人の粗々しさと人種差別の様子を、ある金曜日のエピソードを通して、皮肉に歌っている。 ヨーロッパは道に迷った。 アメリカも道に迷った。 ロンドンも道に迷った。 なのにまだ私たちは勝利の雄叫びを上げる。 全ては意味のないルール。 私たちは歴史から何も学ぶことができないのか。 ・・・ あぁ、でもハイ・ストリートにいけばハッピー・アワーの値段で飲める。 やっと金曜日だ。みんな、私の奢りだよ! 全部いい感じだった。 バーであのガキが、瓶で殴られるまでは。 バーは大騒ぎ。ルーに聞いてみれば分かるよ。 異常だった。道はボルドーワインみたいに赤く染まった。 移民についてどう思うかって?耐えられないよ。 普段は他人のことなんて気にしないけどさ。 あいつらはここにリッチになるためにきてんでしょ。 吐き気がするよ。 イギリス!イギリス! 我国家万歳! (Photo by Noemi Minami)テンペストの曲を聞いてみたみなさんは何を感じただろうか。 彼女の声はとても「リアル」だとは思わないか。 隠すことも、おおげさにすることもなく、淡々と現実を詩にして私たちに届けてくれる。 マスメディアが都合の悪いことはなるべく放送しないようにする今の世の中で、 こういったアーティストの声が「本物の人」の声を代弁している気がする。 イギリスではEU離脱が決まり、新しい方向へと進んでいく中で、国民の「生の声」を聞くのに、今後も彼女の作品に注目していきたい。 Via. End Times, Brain Pickings,Genius, The Guardian この記事を読んでいる人はこの記事も読んでいます!「ファストフード化」する音楽。 「CD」が売れなくなったこの時代。アーティストは、売り上げ枚数を稼ぐために「握手券」やらなんやらと一緒に販売し、CDに付加価値をつけて消費者の購買意欲を刺激していま... ーBe inspired!
2016年08月14日(Photo by 漂流郵便局)日本のとある離島に、“絶対に届かない手紙”を受け付けている郵便局がある。 病気で亡くなってしまった夫へ。 まだ生まれて来ない孫へ。 片思いをしている彼へ。 5年後の自分へ。 人々の「行き場のない思い」を集めて保管するこの郵便局には、今日もたくさんの手紙が届く。 “届けられない手紙”を集める郵便局
2016年08月13日(Photo by gooニュース)8月5日に開幕した、リオデジャネイロオリンピック。 出場する選手たちは、世界中の人々から注目を浴び「トップアスリート!」と賞賛される華やかな存在だ。 しかし、彼らがこれまでに歩んできた人生は決して華やかであるとは限らない。 差別や偏見と立ち向かい、故郷を離れ、私たちが想像を絶する苦痛を味わってきた選手たちもいる。 大手スポーツブランドの「ナイキ」は、開幕より一足早く、そんな選手たちに向けて【ちょっと変わったエール】を送っていた。 オリンピック選手たちよ、“死に方”は自分で選べ!※動画が見られない方はこちら たくさんのベビーベッドが置かれた部屋に、1人の男が入ってくる。 褐色の肌、白い肌、青い目、黒い目、縮れた毛、ブロンドの髪、そこにはさまざまな国籍の赤ちゃんがいた。 そして、ベッドには“NEYMAR JR”、“SERENA WILLIAMS”……トップアスリートの名前が書かれたネームタグが下がっている。 「赤ん坊たちよ、よく聞け」 男は赤ちゃんに向かって語り始める。 「人生は不公平だ。運命を選ぶ権利はない。自分の名前も出身地も決められない。故郷がある保証だってない。家族で国を捨てる者もいる。もうむちゃくちゃだ」 強い口調で語る男を見て泣く赤ちゃんもいるが、男は続ける。 「自分がどう評価されるのかも、人生の幕がどう開くのかも分からない。だが幕を閉じるのは自分だ」 これは、スポーツブランドのナイキがリオ五輪に向けて放送したCMである。 公開後わずか3日で、YouTubeの再生回数は2300万回以上を記録。 ナイキはこのCMを通して、華やかな舞台に立つオリンピック選手たちが決して平等なスタートを切っていないことを主張した。 様々な国や信仰宗教のもと、彼らは「自分で選んでいないレール」の上を進んできた1人かもしれない。 そういった選手たちのバックグラウンドを、2分足らずの映像で表現したのだ。 映像の最後で、1人の赤ちゃんがベッドの柵に手をかけて立ち上がる。 「そうだ!」男は指をさして叫んだ。 どこに生まれるかは自分では決めることはできないが、どうやって生きてどうやって死ぬかは自分で決めることができる。 スタートは選べなくても、ゴールは自分で選べる。 このCMを見たあと、私たちは少し違った視点で各国の選手たちを応援することができるかもしれない。 元難民……今はトップアスリート(Photo by UNHCR)リオ五輪では、オリンピック史上初めてとなる難民選手団が結成された。 シリアやアフリカ、南スーダンなどから、10名の選手が集まった。 10名の選手の生い立ちは様々だ。 祖国でもアスリート選手として五輪を目指していたが、メダルを獲得しないと罰せられてしまうという過酷な状況に耐えかね、他国に亡命した選手もいる。 難民キャンプで家畜のように扱われていたり、強制的に少年兵にされそうになったところを逃れてきた選手もいる。 2015年の時点で、世界の難民は6,530万人以上。 これは、第二次世界大戦後、最多の数である。 国際オリンピック委員会は、10名の存在が世界の難民たちの希望の光となり、人々が難民問題に関心を持つきっかけになることを期待している。 人々の命を救った、元難民少女の泳ぎ(Photo by La Gazzetta dello Sport)難民選手団の1人、ユスラ・マルディ選手はシリア内戦で国を追われた競泳選手である。 同じく競泳選手の姉と共に、彼女は祖国から逃げることを決意した。 密航業者が用意したボートには、定員の3倍以上もの人が乗っていた。 彼女と同じように、逃亡を図った人々だ。 出港から間も無く、ボートは水没したが、ユスラと姉は暗く冷たい海にもぐり、人々が乗ったボートを押して泳ぎ続けた。 彼女たちの姿を見た人々は、次々に海に入り、2人の少女を真似てボートを押した。 その甲斐あってボートはギリシャのレスボス島に流れ着き、全員の命が助かったのである。 「私はすべての難民を代表したいと思っています。なぜなら、苦しみや混乱のあとには、静かな日々がやってくることを示したいからです。私は彼らに、人生でなにか良いことをするように元気づけたいのです」 人々の命を救った彼女の泳ぎは、再びオリンピックの舞台で多くの人に勇気を与えることとなった。 8月6日、彼女は選手団の先陣を切って100メートルバタフライ予選に出場。 記録は1分9秒21。 残念ながら準決勝に進むことができる上位16名には入れず敗退となった。 しかし、ゴール後に彼女を包んだのは観客の拍手喝采だった。 「すべてが信じられないくらい素晴らしい!」 試合後、報道陣に囲まれながら、ユスラは気持ち良い笑顔を見せた。 難民として生まれた少女が、自分の運命を切り開いた瞬間だった。 不平等を超えてゴールを目指す(Photo by La Gazzetta dello Sport)現在、日本人選手たちの活躍が大々的にマスメディアで報道されている。 メダルの獲得数は重要事項だ。 しかし、五輪開催期間中は国境という概念を超え、ぜひ他国の選手たちの活躍にも注目してほしい。 彼らが最初に踏んだスタートラインは、決して平等に引かれたものではなかっただろう。 しかし、選手たちはそれぞれのゴールラインに向かって全力で走り出した。 五輪閉幕まで、彼らの躍動からは目が離せない。 via. AdGang, 「Social Likers」produced by JCTV, THE HUFFINGTON POST, 国連UNHCR協会, 国連UNHCR協会 この記事を読んでいる人はこの記事も読んでいます!“「危険」と「優しさ」が隣り合わせのリオオリンピックが開幕” 8月5日。 遂に開催した第31回、リオ五輪。 4年に一度の大イベント、長らく楽しみにしていた人も多いのでないだろうか。 ブラジルの治安の悪さやインフ... ーBe inspired!
2016年08月12日(Photo by Paul Gibbons)「もうちょっと鼻が高かったら…」 「もうちょっと筋肉あればな…」 誰もが抱くちょっとした見た目への不満。 親と、友達と、彼氏/彼女と… 普段から気軽に話していると思う。 自分の見た目に文句を言うと、 「自意識過剰だよ〜」や「マイナス思考すぎ」 など言われたこともあるかもしれない。 しかし、実際に世の中には現実の自分とは全く違うものが見えてしまう病気がある。 一体、彼らの目にはどんな世界が見えているのか。 その「衝撃の病気」とは? 「自分の醜さが世の中に迷惑をかけている」と思い込んでしまう「現代病」(Photo by LizAtkin)非常に低い自己価値感に伴い、自分の身体や美醜に極度にこだわる「身体醜形障害」。 英語ではBody Dysmorphic Disorder(以下BDDと記)という。 患者の中には「自分の醜さが世の中に迷惑をかけている」と思い込み、うつ病や、社会恐怖、ひきこもりになったりするケースが見られる。 自分に自信がないため、1日何回も自撮りをして、SNSにあげるのも、特徴的な症状の1つだ。 また、BDDを持つ人のうち40%は摂食障害も患っていると言われている。 この病気は最悪の場合、「自殺」をも引き起こす。 そんな深刻な問題にもかかわらず、実はこの障害が認識されてからの歴史は浅く、2013年に初めて、強迫性障害のひとつとして認められた。 いまだに、社会的理解が低い「現代病」だ。 自らの病気をビジュアル・アート化した2人の芸術家BDDに苦しむアーティスト2人が、自らの体験を芸術という形で表現することで病に立ち向かった。 1人目「Liz Atkin」(Photo by LizAtkin)ロンドンで活動しているLiz Atkinは8歳の時からBDDに苦しんでいる。 彼女のケースは、皮膚むしり病。 主に幼少期の家庭問題などが原因だと医者は判断する。 ダンスの専攻で大学院に行った時に、自分の障害をパフォーマンスに使えないかと思いついたのがきっかけで、彼女は自分の写真を撮り始めた。 牛乳、糊、髪の毛や絵の具など身近なものはなんでも使い、自身の症状を表現する。 芸術活動を始めて、病気との付き合い方が変わり、人生も変わったそうだ。 2人目「De Vries」(Photo by Vice)ミュージシャンであるDe VriesはBDDが長年キャリアの壁となっていた。 自分があまりにも醜いと思うあまり、レコーディングのためにスタジオに行くのが難しかったのだ。 しかし、ある日自分の病気からアートを生み出すことが出来ないかと思いつき、 『Exposure—The Broken Reality Tunnel』というショート・フィルムを作った。 イギリス北部のマンチェスターの街を「彼女の視点から見た彼女」の特殊メイクをして歩き回り、人々の反応を録画するという内容だ。 彼女には自分の顔面左側が腫れ上がって見えている。 今まで一番恐怖だった、人の目に自らをさらけ出すということに加え、その後メイクをとることで、初めて自分が綺麗だと思えたそうだ。 ショート・フィルムの予告編がこちら。 ※動画が見られない方はこちら TEDトークでも取り上げられたBDD(Photo by Youtube)英国、オックースフォードで行われたTEDトークでBDDについてのスピーチがあった。 BDDに苦しんでいたというTEDスピーカー、Meredith Leston。BBDと摂食障害に何年も苦しんだ結果、克服した彼女は病気によく持たれがちなイメージの誤解を解くために、TED で体験を共有した。 ※動画が見られない方はこちら 「あなたが信じてこんでいるものを裏付ける証拠を、あなたは必ず見つけることができます。」 いくら現実と異なっていても、当人にとってはそれが現実で、いつも証拠があるとさえ思い込んでしまう。 だからこそ、この病気はとても難しい。 自分の容姿に対して、文句を言えば、本気で思っていても「大げさだ」や「褒めて欲しいだけ」と思われてしまったという。 LestonはBDDを他人事だと思ないで欲しいと主張する。なぜならこの病気に立ち向かうには、周りの理解がとても重要だからだ。 BDDの人が周りにいたら、私たちに何ができるのか(Photo by Beaches Family Practice)親族、恋人、友人の方へ もし私たちの周りにBDDの人がいたらどのように対応すればいいのか? BDD基金が親族、恋人、友人に向けてガイダンスをオンラインで共有してくれた。 ・BDDの方がどんなに奇妙な行動をとっているように見えても、それはただの障害です。あなたに脅威はないのです。そして、あなたに嫌がらせをするためにそういった行動を取っているわけではないということを、常に覚えておいてください。 ・もしあなたの家族や恋人がBDDに悩まされているのなら、何がBDDの症状で、何が違うのか、はっきりと書き出してください。そして問題を明確にした上で、ひとつひとつに合わせて改善策を考えてください。 ・BDDがすぐに完治するものではないということを理解してください。時間と、献身さと正しいガイダンスが必要です。長い道のりに見えますが、楽観的に忍耐強く障害と付き合ってください。 ・BDDは誰のせいでもないということを絶対に忘れないでください。自分を絶対に責めないでください。遺伝的な可能性はありえますが、そんなことを言ったら、先祖のせいになります。 ・まだ専門家に見てもらっていないのなら、連れて行ってあげましょう。原因判明などが治療の役にたちます。 「いじり」文化がある日本の危険性(Photo by Wikimedia commons )日本の人口有病率は0.5-0.7%だと言われている。 日本のテレビ番組を見ると、 お笑い芸人は、ブサイク、ハゲ、デブ、ブスなどそういったことで笑いをとっている。 いわゆる「いじり」だ。 それを見た子供たちは、学校で同じような態度を面白いと思ってする。 何がきっかけで、BDDが始まるかはわからない。 冗談のつもりでも、他人の見た目をけなす前に考え直して欲しい。 一見、友達は笑っているように見えても、傷ついているかもしれない。 また、もしあなたの周りに、自虐ネタがとても多い子がいたら、もしかしたら本当に苦しんでいるのかもしれない。 手を差し伸べてあげて欲しいと思う。 via, Vice, Liz Atkin, BDD Foundation この記事を読んでいる人はこの記事も読んでいます!ぽっちゃりバービーが訴える「痩せすぎた体」の犯罪性 直感で、思い浮かべて欲しい。「美しい人」や「モテる人」がどんな人かを。このワードを聞いて、きっと誰もがほっそりとしたモデル体型の女性を頭に浮かべたのではない... ーBe inspired!
2016年08月12日(Photo by ajdemma)20年前、原発の危険性に迫るドキュメンタリー映像が撮影された。 映像を見ると、被爆による後遺症に苦しむ元原発労働者や家族の多さを目の当たりにする。 しかしながら、これを日本のメディアが放映したことは一度もない。 重要な内容のものほどメディアが扱わないのはなぜなのだろうか? 止まらない原発建設(Photo by James Marvin Phelps)中国電力が上関原発の建設に必要な土地の埋め立て免許の延長を山口県に請願し、それが条件付きで認められる方針となった。 これによって、新たな原発の建設に向けた動きが本格化する恐れがある。 日本での原発問題は、2011年に起きた東日本大震災後の福島第一原子力発電所の事故後に世間を賑わせたが、それまでは反原発運動があったのにも関わらず日本政府は“原発安全神話”を突き通していたのだ。 NHKで放送されなかった「原発の危険性」(Photo by Barak Kassar)日本の原発の闇に迫った短いドキュメンタリー映像がある。 日本の公害・原発問題を追い続けてきた報道写真家の樋口健二が、原発労働者や原発の内部を実態に迫り、原発労働に付随する問題を全国に訴えようとしたものだ。 1995年に制作されたこのドキュメンタリーは、NHKで放送されるはずだったものの中止され、現在も日本のテレビで放映されたことはない。 日本は「民主主義」国家ではなかった ※動画が見られない方はこちら<隠された被爆労働〜日本の原発労働者〜①>こんなことが日本の企業で起きているなんて、世間の人たちは考えつきもしない。※動画が見られない方はこちら<隠された被爆労働〜日本の原発労働者〜②>僕はね、国がやっていることだからと安心していた。※動画が見られない方はこちら<隠された被爆労働〜日本の原発労働者〜③>差別はまた差別を生む。同じことが原爆被害者にも起きていた。原爆を落とされた唯一の国が、自国の原発で同じ被害を作り出しているなんて。我々はこんな国に住んでいるんだ。(全て映画より引用) 放射性物質の危険性を教わる教育が行なわれないだけでなく、自分の被爆量も知らされず、危険な状態で原発労働者たちは働かされていた。 そして、十分な教育を受けていなかった被差別部落出身者たちなどの立場の弱い者を多く働かせるなど、横暴なやり方で原発を維持していたのだ。 この事実を認めず、「国民の目にさらさないように隠す」ということもまた、ドキュメンタリーのなかで言われているように、民主主義をさらに「破壊」している。 日本の民主主義はやはり危機的状況にあるのだ。 「公共放送」の持つ意味(Photo by Free Press/ Free Press Action Fund)「隠された被爆労働」を制作したのはイギリスの公共放送局「チャンネル4」だ。 若者やマイノリティに視点を当てた番組などを多く放映している。 具体的に見てみると、セルフィー文化やゲイバーを訪れる人を取材したもの、ネットいじめを描く社会派ドラマなど現代社会を知るのに役立つものばかりだ。 こういう放送局があることで、国民にとってどんなインパクトがあるのだろうか。 ・世間の多数派の考え方が全てではないこと ・若者やマイノリティーの視点も社会の一端だということ ・賛否両論ある問題からも目をそらしてはいけないこと 以上のようなことを視聴者に認識させられるのではないかと考えられる。 このように多様な視点を提供できるメディアは健全な民主主義を国民のなかで育むために必要不可欠である。 多くの国民はメディアを通して物事を知るのだから、メディアが報道する内容の人々への影響は計り知れないほど大きい。 メディアは自らの責任を自覚し、務めに徹しなければならない。 via. TOKYO Web, Seesaaブログ, Sott.net, Rolling Stone日本版, DIAMOND online, Channel 4, Channel 4 この記事を読んでいる人はこの記事も読んでいます!“『Yahoo!』から見る「日本」の「異常さ」” 私たちが日々追っている様々なニュース。しかし、日本のニュースは他国に比べて明らかに「異様」であったのだ。... ーBe inspired!
2016年08月10日(Photo by Sebastian Dooris)街やショッピングモールを歩くと必ず目に入る、最新ファッションに身を包んだマネキン達。 脚や身体はスラリと細長く、華麗なポーズでトレンドを発信している。 言わば人型の広告塔だ。 ファッションが時代と共に変化すると同時に、マネキンも進化しているのをご存知だろうか。 最新型マネキンは自分の投影(Photo by iDummy)2013年、香港理科大学の准教授であるAllan Chan准教授を筆頭に作られた最新のマネキン「i.Dummy」は、パソコン上にサイズを打ち込むだけでマネキンが理想のサイズに姿を変える。 専門家が3Dスキャナを使ってアメリカやヨーロッパ、アジアの膨大な身体に関するデータと、機械工学と情報工学の技術を併せたことにより生まれ、主にアメリカやヨーロッパ、アジアなどあらかじめ6種類のサイズがインプットされている。 もちろん、パソコンを使ってバストやウエスト、ヒップの数値を細かく指定することによってマネキンのサイズをカスタマイズすることも可能だ。 つまり、これはマネキンというよりも新感覚のアバターなのである。 もちろん、企業側にとっては沢山のサイズのマネキンを持つ必要がなくなるというメリットに加え、世界中のあらゆるマーケットの顧客の体型に合わせて新たな商品をデザインし生み出すことができる。 同じデザインでも、体型の違いによって商品の見え方は大きく変わるので、顧客の満足度を上げるにも非常に効果が期待できる。 また、このマネキンの出現は、ファッションを生み出す側のみならず、顧客の衣類の買い物の形を大きく変えるだろう。 ファッションの“理想”を、“現実”に。(Photo by Youtube)マネキンというのは顧客にとって、手に入りそうで入らない“現実の世界の中での理想”であった。 実際に購入することで手に入る商品を身につけてはいるが、着用しているマネキンは自分の体型とは異なる場合が多く、マネキンの着用姿を頭の中でイメージしながら実際に着用してみると、「どうもイメージが違う」といったことも多い。 なんだか、光に照らされて輝くマネキンの着用姿がまるで“正解”かのように思えて、実際に鏡に映し出された想像とは違った自分を見ては、夢から醒め現実の世界に引き戻されたようでため息が出てしまいそうになる。 そんな思いを経験した方も多いのではないか。 その点i.Dummyは、誰かが描いた理想の形ではなく、現実にある自分自身の身体の等身大として、よりその商品イメージを的確に伝えてくれる。 「マネキンだから似合う」ではなく、「私だから似合う」(Photo by 4tness)人の美しさやファッションセンスなどは、他人と比較して競い合ったりすることでもなければ正しい答えだってない。 答えは無数にあり、自分の中にある。 理想を追求したマネキンの体型が美しさの基準だった時代は終わった。 人それぞれ違った体型、美しさを持つ“自分”が基準になる時代が到来しているのだ。 このi.Dummyは、そんな今までの夢と現実の間にあった溝を埋めてくれる存在になるかもしれない。 via.iDummy この記事を読んでいる人はこの記事も読んでいます!実は「高級品」だった「ファストファッション」 「流行をとらえているし、何よりも安い」そんな魅力で数年前に誕生したファストファッションは、今や私たちの生活の“一部”となり、ファストファッションのおかげで手軽にオシ... ーBe inspired!Texted by Yurika Kubo
2016年08月09日(Photo by Facebook)「わたしのせい。酔っ払っちゃったの」 そう書かれたボードを持ち、真っ黒な背景の中に佇む下着姿の女性。 背後から伸び、彼女の身体を無造作に掴む「誰か」の手。 これはNYのイサカ大学に通うフォトグラファー、Yana Mazurkevichが発表した作品だ。 彼女はこのシリーズを通して、女子大生のレイプ被害とそれにまつわる「非難の文化」への疑問を訴える。 レイプ被害に声を上げたアーティスト(Photo by Facebook)2015年にYana Mazurkevichが発表した写真シリーズ「Sexual Assault Series(性的暴力シリーズ〜〜〜)」が、今再び注目を集めている。 2016年6月、レイプ被害や性的不平等、DVなどについての意見交換を進める団体「Current Solutions」のfacebookページで、「Dear Brock Turner(親愛なるブロック・ターナー様へ)」として紹介されたのだ。 4人に1人の女子大生がレイプ被害を受けている国、アメリカ(Photo by The Huffington Post)Brock Turnerとは、酒に酔い意識のなかった女子学生をレイプしたとして2015年に逮捕された、20歳のスタンフォード大生だ。 レイプという重大な罪を犯しながらも、今年6月に出た判決は禁固6か月。 その量刑の軽さや、息子をかばい被害者を責めるような父親の発言が物議を醸していた。 これは決して珍しい事件ではない。 現在アメリカでは、約4人に1人の女子大生が在学中に性的被害(同意なしの体への接触、キス、レイプ)に遭っていると言われる。 非難の文化に染まったアメリカ、日本(Photo by Facebook)<スカートが短すぎたの>しかし、被害を訴えようとする彼女たちに立ちはだかるのは「非難の文化(Blaming Culture)」だ。 レイプは被害者が酒に酔い(あるいは無理に飲まされ)、意識が朦朧としている時に行われることが多い。 「非難の文化」に染まったアメリカ社会では、レイプの加害者ではなく、被害者の不注意や意志の弱さを責める声が少なくないのだ。 日本にもBlaming Cultureがある。それは「自己責任論」だ。 どんな出来事も「その結果に至るまでの自分の行動」に原因があり、被害をこうむっても「悪いのは自分」とする文化だ。 最近だと、ISに日本人ジャーナリストが拘束され殺された際、「危険な国に勝手に行った奴が悪い」とする自己責任論がネット上で湧き上がった。 レイプ被害に対しても、日本では 「露出の多い格好してるからいけないんだ」 「女なのにそんな時間に出歩いたのが悪い」 といった声が被害者に浴びせられることがある。 しかし、悪いのは本当に被害者なのだろうか? 悪いのは誰?作品に込められた被害者たちの叫び(Photo by Facebook)<1人で歩くべきじゃなかったわ>本当に非難されるべきなのは、加害者や、レイプ被害をよく理解していない社会だ。 自らの欲望をコントロールできず、抵抗できない相手や力の弱い相手を襲う「手」、本質を見極めず、被害者の行動や見た目を責める人々の存在にこそ、今一度目を向けるべきではないだろうか。 被害者を非難しても、問題はいつまでも解決しない。犯罪に至ってしまった加害者の行動や現場の環境を検討し、更なる被害の増加を防ぐために動くべきではないだろうか。 シリーズで女性たちが手に持っているメッセージには、他にこんなものがある。 「1人で歩くべきじゃなかったわ」 「私のスカートが短すぎたの」 「気さくに振る舞いすぎたわ」 Yanaは、モデルの女性にあえて自虐的なメッセージを持たせている。 冷たい社会の目によるセカンドレイプを受け、泣き寝入りするしかない被害者の叫びが伝わってくる。 彼女の作品が訴えるように、「闇の中にある本質」を見極められる目を一人ひとりが持つ必要があるのではないだろうか。 via.CNN,Yana Mazurkevich Photography,Current Solutions,The Huffing Post,attn,ヤフーニュース この記事を読んでいる人はこの記事も読んでいます!「牛の命」が大切にされ、「女性の命」が不当に扱われる国、インド。 「 女性は黙ってレイプされればいいんだ。」インドで女性を集団レイプして死亡させた罪で死刑判決を言い渡された男性が英BBCテレビのインタビューに対し言い放った言葉。... ーBe inspired!Texted by Minori Okigaki
2016年08月09日(Photo by Eric Tran)本日、2016年8月8日、今年の地球資源の“使用状況”への警告が発された。 「資源の無駄遣いをしてはいけない」のはわかっているし、「持続可能な社会にしていかなければいけない」のも知っている。 けれど、今地球がどれほど深刻な情勢にあるのか、私たちは理解していないのではないだろうか? (Photo by David Barnas)2016年8月8日の今日、今年の「アース・オーバーシュート・デイ」がやってきた。 アース・オーバーシュート・デイとは、今年の1年間で再生できる、水や食料、清浄な空気などの“自然資本”を超過した日のことだ。 つまり、地球は今日で今年分の再生可能な“自然資本”を使い果たしたという。 この“自然資本の超過日”は今までで最も早く、昨年と比べても5日早くなった。(Photo by Sean Stephens)国際環境NGOのグローバル・フットプリント・ネットワークによると、現在のペースで地球資源の需要を維持していくには地球が1.6個必要だという。 さらに、地球全体の人々が日本と同じ生活をするとしたら、地球が2.9個必要となる。 つまり、1月から1年が始まって4月には地球1つ分と同じ程度の「資源」を使ってしまっており、これは世界平均の2倍にも近い数字だ。 ちなみに、資源の大量消費国として悪名高いアメリカの生活を全世界がすれば、年間で4.8個の地球がなければ資源の再生ができない。 地球が1つでは、とても生活を維持できないほど、先進国に住む私たちは日常生活で大量の「資源」を使っている。(Photo by Earth Overshoot Day)<各国の生活を地球全体がした場合、地球何個分で資源を再生できるか> 同じグラフの1番下に書かれているインドの生活を全世界がすれば、地球は1つ分以下で足りる。 しかしながら新興国であるインドでは環境汚染が問題となっており、消費している資源の量が日本などと比べて少ないとはいえ、環境資源に対する対応をしなければ今後の資源の消費量が上がっていくことが予測される。(Photo by Yu Diving)こんな状況のなか、環境問題への対応は各国政府が推進していくべきものとして考えられており、昨年パリで成立したパリ協定が微かにでも指針として役割を果たせばいいと、グローバル・フットプリント・ネットワークは述べている。 ここで決まった全体目標は世界の平均気温上昇を2度以下に抑えることで、各国は自国の温室効果ガスの削減目標の提出を義務づけられた。 全体での決まりを作ることも必要だが、重要なのはすべてのコミュニティそして個人が環境の配慮の大切さを認識することではないか。 via. Earth Overshoot Day, Platnews, YAHOO! NEWS, THE HUFFINGTON POST この記事を読んでいる人はこの記事も読んでいます!“「使い古されたスマホ」が、地球の未来を変える?「レインフォレスト・コネクション」の挑戦” あなたの引き出しの奥に、少なくとも一つは眠っているのではないだろうか?次々と新しい機能が搭載され、世に送り出される「スマートフォン」。引き出しやクローゼット... ーBe inspired!
2016年08月08日(Photo by badjonni)心臓病、ガン、肝臓病、脳卒中…。 様々な「病気」を引き起こすアルコール摂取。 実は、マリファナを吸うよりも、「114倍」の死亡率が高いことが最近の研究で判明した。 毎年、「お酒の飲み過ぎ」で9万人近くのアメリカ人が命を落としているが、今まで「マリファナの吸いすぎ」で死んだ人はほとんどいないという。 オバマ大統領も「大麻はアルコールほど危険ではない。私も吸っていた」と2014年に発言しているほど。 また、お酒は「中毒性」がとても高く、アメリカにはアルコール中毒者が「1760万人」も存在する。 それに対し、マリファナは、身体的な中毒性は一切ない。 以前、日本で“マリファナ”が合法になってもいい「5つの理由」という記事を掲載したが、そろそろ日本でも「マリファナの実態」を理解する時なのかもしれない。 この記事を読んでいる人はこの記事も読んでいます!日本で“マリファナ”が合法になってもいい「5つの理由」 「ダメ。ゼッタイ。」誰もが耳にしたことのあるキャッチコピーではないだろうか。「薬物乱用防止キャンペーン」のものだ。日本で厳重に取り締まっている薬物の一つ... ーBe inspired!
2016年08月08日(Photo by Saulo Cruz)8月5日。 遂に開催した第31回、リオ五輪。 4年に一度の大イベント、長らく楽しみにしていた人も多いのでないだろうか。 ブラジルの治安の悪さやインフラの管理不備が度々報道され、「大丈夫なのか〜?」とちょっと不安になっていた人もいるかもしれない。 しかし今回、Be inspired!では賞賛に値する、2つの新しくて、“優しい”取り組みに注目した。 母国から出ざるを得なかったアスリートも出場できる初めてのオリンピック(Photo by UNHCR)シリア内戦後の難民の問題はいつ解決するのだろうか? ヨーロッパでは難民の受け入れ問題で議論が炸裂し、日本では国内に受け入れる難民の数が極めて少数なことが未だに問題だ。 国際オリンピック委員会(IOC)は、母国を離れた難民のアスリートにも出場機会を作ろうと、オリンピック史上初の「難民選手団」を設けた。 国際情勢に翻弄され、リオ五輪という晴れ舞台へ出る術を持てなかった選手たちにもチャンスが与えられたことは、マイノリティにも優しい五輪になりつつあるということかもしれない。 難民選手団のメンバー10人は、コンゴ共和国や南スーダン、エチオピア、そしてシリア出身だ。 英語が流暢で力強いメッセージを訴えてきたことから、“難民選手団の顔”と呼ばれているのが彼女。 シリア出身の競泳選手のユスラ・マルディニ選手だ。(Photo by Europe 1)<Yusra Mardini/ユスラ・マルディニ選手(シリア)> 避難していたトルコから泳いでドイツまで逃げてきた彼女。 インタビューでは、「五輪のファンには『難民』が母国を離れざるを得なかった『普通の人』だということを認識してほしい」と訴え、「いつかは難民にとっても平穏な日々が訪れる。どんなに困難がつきまとっても夢を諦めないでほしい」と語った。 史上で最も「性別に境界線を引かない」オリンピック(Photo by Eric Allix Rogers)なにかとLGBTQに風当たりが強いスポーツ界。 2014年のロシアで行われたソチ冬季五輪では2013年6月に成立した反同性愛法も含め、LGBTQの人権的な視点から世界中では批判の嵐だった。 政権への対抗を意味し、カミングアウトをあえてする選手までいた。 今回のリオ五輪では、そんな風潮を止め、改革しようと委員会は「LGBTの権利尊重に関する誓約書」に書名。 ピンバッジやマグネットなどのLGBTQ関連商品も公式に販売などしている。 現時点でカミングアウトをしている選手は42名! その中から注目選手数名を紹介したい。 Brittney Griner/ブリトニー・グライナー(USA)(Photo by ESPNW )Tom Daley/トム・デーリー(UK)(Photo by Tim Noakes)Michelle Heyman/ミシェル・ヘイマン(オーストラリア)(Photo by The Daily Dot)Jeffrey Wammes/ジェフリー・ヴァメス(オランダ)(Photo by ZIMBIO)Caster Semenya/キャスター・セメンヤ(南アフリカ共和国)(Photo by Sports World) マイノリティがオリンピックに革命を起こす次回の五輪の舞台は「東京」。 「難民」や「LGBTQ」に対しての一般の知識がまだまだ浅い日本では今回のリオ五輪と比較してみても不安点も多く頭に浮かぶ。 しかし、2015年3月に渋谷区が2015年4月に「渋谷区男女平等及び多様性を尊重する社会を推進する条例(同性カップル条例)」を施行したことや、文部科学省によるLGBTQへの配慮を求める通知を全国の小中高校などに出したことを考えると、もしかしたら東京五輪は、性に対する日本人の考えを変えるいいきっかけになるかもしれない。 リオ五輪が開幕して間もないが、選手たちは早くも次回の東京大会を見据えて練習そして競技に励んでいる。 今大会では“難民選手団”が結成され、自分の性的嗜好を“カミングアウト”をしている選手が多いという点でオープンな大会だと注目を浴びている。 今回のリオ五輪を機に今後、より多くの人がオープンになれるようなスポーツ界になって欲しい。 そして、2020年に行われる東京五輪が、今大会を受けてより素晴らしいものとなるようにと、今から願わずにいられない。 via. FAST COMPANY, Huffingtonpost, YAHOO! SPORTS, SECRET BOX, SECRET BOX, 2CHOPO, Flag この記事を読んでいる人はこの記事も読んでいます!“誰も知らない?『希望』に満ちた“ホームレスW杯” 4年に1度開催されるFIFAワールドカップは、今や一国の経済や外交にも影響を与える、オリンピックに匹敵する世界最大のスポーツイベントだ。世界中が熱狂するその祭典... ーBe inspired!
2016年08月07日(Photo by BUSTLE)ポルノで世界を変えられると、本気で信じている女性がアメリカにいる。 その女性(56才)は若い男の子とセックスした時に世界を変える方法が分かってしまったそうだ。 一体、その方法とは? ポルノ業界も興味深々、「新しいポルノのビジネスモデル」(Photo by Flickr)2009年、アメリカのTed Talkで斬新なビジネスを立ち上げ、注目の的となったキャリアウーマンCindy Gallop。※動画が見られない方はこちら彼女のビジネス・アイディアとはなんと、新しいビジネスモデルを使ったポルノサイト。 その名も、『MakeLoveNotPorn(ポルノのよりも愛のあるセックスを)』 どんなビジネスなのか? それは、彼女のポルノサイトに100%オーガニックな「リアルなセックス」だけを載せるというもの。 ここでいうオーガニックとは、「演技が一切ない」ということ。 ウェブ運営側のチェックの上、不適切なものは外されるが、世界中誰でも投稿ができる。 たった5ドルで選んだビデオを3週間視聴可能。 ビデオをアップしたい人も5ドルで載せることができる。(Photo by Make Love Not Porn)Gallop氏がこのビジネスを思いついたのは若い男性との関係がきっかけ。 女性にリスペクトのない一方的なポルノのようなセックスが普通だと思う若者に危機感を感じたという。 「ポルノグラフィーにいつでも簡単にアクセスできるこの時代だと、子供たちはハード・コアなポルノグラフィーが本物のセックスだと思い込みながら育ってしまいます」 学校や家庭で性についての話が十分にされていないため、子供たちはポルノをお手本に性について学んでいるとGallop氏は指摘する。 自身ポルノの大ファンだという彼女の目的は、世の中からポルノをなくすことではない。 より現実味のあるセックスを若者に知ってほしいだけなのだ。 「ハリウッドとポルノ業界がセックスとは演技なのだっていうことを常識化させてしまったわ。でもMakeLoveNotPornは全てを受け入れるの。本物の体、毛、本物のペニスのサイズ。現実のセックス中に起こる失態や、汚さや、馬鹿げたこと…つまりユーモアを受け入れるってことなの。だって、もしセックスをしている自分を笑えなかったら、いつ笑うの?」 想定外の妊娠や性病を減らすために、どのようにコンドームの着用を「セクシー」に見せるかなども本気で考えているという。 「ポルノ」で社会を変える(Photo by desire guru)Gallop氏は、MakeLoveNotPornに留まらず、性にまつわるトピックを何かとタブー視する社会を変えるため、活動を積極的に拡大していく予定である。 その内容は以下の3つである。 ①性教育資金を調達し、学校以外での性教育の場を設立。 具体的には、講師を集め、オンラインでセックスに関することならなんでも自由に聞けるようなシステムを作るといったもの。 無料ではなく、購読料金を集めることで、そのお金をまた他の性教育に使ったりもできる。 そもそも性教育というもの自体の価値が認められていないので、性教育でお金を稼げるようになることでその重要性が見直されることも期待される。 ②ポジティブボディ・SNSキャンペーン 本物のセックスのビデオを共有と同時に、全てのボディ・タイプが素晴らしいというメッセージを込めたフォトグラフィー、アート、ライティングなどを発信していく。 現在、フェイスブックや、インスタグラム、タンブラーで削除されてしまうような作品を積極的に扱っていく予定だ。 健康的で自然な性に関する自己表現を応援する。 ③新しいビジネス価値の提唱 MakeLoveNotPornのような新しいビジネスモデルの提唱。 「共通の価値観+共通の行動=共通の利益」 これを軸とすることで、経済的、そして社会的な価値を確立する。 新ポルノビジネスを始めたことで共通の性に対する価値観を持った人のコミュニティを作ることが実現された。 彼女の起業は彼女自身の信念と哲学の表明なのである。 そして人生もビジネスも、あなたとあなたの価値観から始まると、Gallop氏は強く主張する。 「演技なしポルノ」が世界のセックスを安全にする(Photo by Flickr)Gallop氏が目指すのは、世界中の人のセックスへの認識の改革である。 それは、全ての教育と同様にセックスにも教練が必要ということだ。 「私はよく人に、あなたのセックスの価値観は?と聞くの。誰も答えられないわ。私たちはそういうことは考えないように教育されてきた。恵まれた環境に生まれた子なら、良いマナーを身につけて、勤勉で、責任感があるように育てられるわよね。なんで性教育だけほったらかしなのかしら。他のマナーとも全く同じように、セックスする時に、パートナーに対して寛容で、優しく、繊細であることはとても重要だわ。」 本気でポルノを通して世界を変えようとしている彼女の決意は固い。 「革命的なアイディアがあるのなら、世界がそれを受け入れられるように、世界を変えなきゃだめなの。その反対じゃなくてね。」 実際に、セックスを他人と共有したいかどうかは個人の自由だが、彼女の取り組みの根底にある「安全で楽しめるセックスのすすめ」は年齢、国籍、性別に関係なく、全ての人に関わってくる問題である。 常識化してしまった、社会の暗黙の了解事項を変えるのは非常に難しい。 しかし、信じて取り組み続ければ不可能ではないのかもしれないと彼女の取り組みを見て思わされた。 via.TED, Dazed, Make Love Not Porn, The Bridge, BUSTLE この記事を読んでいる人はこの記事も読んでいます!倍率100倍以上!応募が殺到する「ポルノ大学」とは? 私たちは、知らず知らずのうちに「○○らしさ」を決めつけてはいないだろうか。子どもらしさや大人らしさ、男らしさや女性らしさ……。その「○○らしさ」は時に人を... ーBe inspired!
2016年08月07日(Photo by Soraya Hernández)3Dプリンターは、私たちのクリエイティビティを広げる可能性を持っている。 友達そっくりなフィギュア?それとも車の模型? その3Dプリンターを手に入られたなら、あなたは何を作ろうと思うだろうか? (Photo by DAISY MEAGER)すべての料理に3Dプリンターを使い、3Dプリンターでデザインされた家具を使用するレストランがロンドンにオープンした。 ただの高級レストランではなく「3Dプリンターを使っている」ということが同レストランを話題にしたのである。 3Dプリンターを使わないレストランとの大きな違いは、同じ材料を使っていても、出来上がりの形状を全く違うものにできることだ。(Photo by DAISY MEAGER)<3Dプリンターで加工されたフィッシュ・アンド・チップス> ①均一な料理が作りやすい だが、人間の技が全く必要ないということもなく、脆い材料をうまく扱う手先の器用さがなければ料理は台無しになってしまう。 ②パフォーマンス性 3Dプリンターを目の前に置かれたら誰もが(お腹を空かしすぎている人やすぐ食べて仕事に戻らなければならない人には向かないが)注目してしまうほど、人を惹きつけられる。 ③話題性 これは今だけかもしれないし、これからもそうであり続けるかもしれない。全てアイデアとセンス次第だ。 ④多様な人に対応可能な料理が作れる 噛みやすく飲み込みやすい料理が作れる。また、ある食べ物の見た目が理由で食わず嫌いになっている人にも対応可能であろう。 ⑤同様な店が作りやすい 一度3Dプリンターで作ったものを提供するレストランを運営し慣れたら、プログラムで使用するデータを使って同様なレストランを作ることが可能だ。(Photo by DAISY MEAGER)<キャビア状になったオリーブの一皿> さて、最も重要なのは「④多様な人に対応可能な料理が作れる」ではないだろうか? 幼児や高齢者のような咀嚼力の弱い人たちにも食べやすいような固さの実現に加えて、見た目のおもしろいものを提供できるからだ。 フードプロセッサーで材料をつぶしてペースト状にするだけとは一歩も二歩も先を行っており、人々に新しい食の楽しみ方を提案している。(Photo by DAISY MEAGER)では3Dプリンターを使ったレストランを開くのはどのくらい簡単なのか? 3Dプリンターの手を借りれば、誰でも簡単に職人技などなくても作れると考えてしまいがちだが、残念ながら3Dプリンターは魔法の機械ではない。 そのため何でも一緒に加工できるわけではなく、間違えれば材料を爆発させることにもなりかねない。 よって、使う者はプログラムの仕組みや使い方、加減を見て料理を調整する能力を持っていなければならないのだ。 「3Dプリンターさえあれば成功する」という安易な考えで3Dプリンターを使用した事業を始めるのは難しいが、コストを払ってでも実行に移したほうがいいような考えがあるならやってみる価値はあるかもしれない。 また、今回紹介したレストランのフィッシュ・アンド・チップスのように、人が予想もしない見た目の一皿を提供することは、実際のところどのくらいの人々に受け入れられるのだろうか。 via. MUNCHIES, ギズモード・ジャパン この記事を読んでいる人はこの記事も読んでいます!“携帯も時計も持ち込み禁止!「真っ暗闇のレストラン」” 今、チューリッヒで人気のレストランのひとつといわれている『Blindekuh』。週末の予約をとることはほぼ不可能に近いという。なぜこんなにも人気なのか?... ーBe inspired!
2016年08月05日