切り替えが苦手で集団行動が遅れがちUpload By スガカズ長男はWISC-IVの結果で処理速度が低いことがわかっています。また、注意散漫、過集中といった特性もあり、学校で次の行動に移るときに時間がかかります。なかなか次の行動に移れないとき(特に教室を移動する授業)は、クラスメイトや先生が声をかけてくれることがあるのだそうです。学校で見かけた長男とクラスメイトのトラブルUpload By スガカズ1年前のある日、私は当時小3だった次男の忘れ物を届けに学校へ行きました。すると廊下で小6の長男がクラスメイト2人となにやら揉めていました。クラスメイトに何か言われており手をひっぱられています。長男は何も言わず泣きそうになりながら拒んでいました。体操服に着替えていること、授業の始まりを知らせるチャイムが鳴っていたことから、「長男の行動が遅れているからクラスメイトが呼びに来たんだな」と理解しました。長男は次の行動に移るときに無理やり促されるのを嫌います。私はクラスメイトとのやりとりを見て「長男にとって大事な経験だ。今私が間に入るよりも、後で話を聞いてアドバイスした方が冷静に話し合える」と思い、後ろ姿を見つめていました。「病気(障害)だから仕方ない」長男の発言に腹を立て…Upload By スガカズ放課後、長男が帰ってきたので私は廊下でのやりとりについて聞きました。概ね私の予想通りで、体育館に行く途中で考えごとをしていたそうで動きが止まっていたそうです。長男がなかなか動こうとしないので、クラスメイトが「早く来て!」「遅い!」と強い口調で促していたそうです。「それは大変だったね。注意されていたとき、あなたはどんな気持ちになったの?」と聞くと、「オレは、できることとできないことの差がハッキリしている。だけどクラスの女子が無理やりオレをひっぱって連れて行こうとしたんだ」「オレ、病気だから行動がゆっくりでも仕方ないのに!」と怒り口調で答えました。私は長男が強めに促されてイヤだった気持ちは理解しますが、「仕方ない」という言葉に腹が立ち、思わず長男を叱ってしまいました。「障害だからいいでしょ」と許してもらおうとしたり、「仕方ない」からといって諦めたりするのは間違っていると思います。大事なのは、「障害に対して自分がどう向き合えばいいか」「言ってくれた相手とトラブルにならないためにどうしたらいいか」を考えて行動することだと言いました。このとき長男は「言われたのは自分の方なのに」と納得した様子ではありませんでした。どうすれば分かってもらえるのか?と考えたときに、長男に促す側の気持ちを体験してもらうことだと思いました。無視されたり開き直られたらどんな気持ちになる?Upload By スガカズUpload By スガカズその日の夜、きょうだいが全員そろったときに長男に話しかけられました。私は話しかけられていることを理解していましたがそれに反応せず、きょうだいの相手をしていました。何度も何度も話しかけていたのに長男は無視されたので、私に怒りました。怒っている長男に対して私は、「今、どんな気持ち?」と聞きました。子どもたちに話しかけられても対応できないときに「ごめんね」「ちょっと待ってね」「〇〇の後話きくね」と言うように私は気をつけていること、「〇〇だから仕方ないでしょ」という風に言ってないこと、もし「仕方ないでしょ」と言われたり無視されたらどんな気持ちになる?と長男に言いました。「…イヤな気持ちになる…」と長男は答えました。クラスメイトが声をかけてくれる(行動を促してくれる)のはありがたいことで、その行動に対して何も言わずに嫌がったり怒ったり「病気だから仕方ない」と言うのは間違っているともう一度言いました。Upload By スガカズその後聞いていなかったときや無意識で起こったことに「ごめん!」というセリフが出たり言葉で説明したりする場面が見られるように。私は素直に反応してくれたことが嬉しくて「気づいてもらえてお母さんうれしいよ」と言いました。もちろんすべてが好ましい反応にはなりませんが、気をつけようと思い言葉に出すことは、より良い生活を行うために必ず必要になってくることで、一歩前進したと言えます。中1の現在、できないことに対して「自分で解決策を考える」姿も…Upload By スガカズ中1になった現在は、どうしてもできないことに対して、考える場面も見られます。できない理由を言葉にして、私にお願いすることもあります。「どうしたらいいのか分からない」と、そのままにしてしまう場面も沢山ありますが、自分の障害を「仕方ない」と諦める前に、人に相談したり自分なりの案を試してほしいと思います。
2021年01月04日新年あけましておめでとうございますUpload By 発達ナビ編集部新年あけましておめでとうございます。編集部一同、2021年が皆さまにとって素晴らしい一年となることを願っております!2020年、発達ナビはさまざまな取り組みを行ってきました。1月には、さまざまなコラムをさがしやすく、必要な情報に出あいやすくなるよう、サイトのリニューアルを行いました。また、4月には発達ナビPLUSがプレリリース。以前より「専門家に相談したい」「東京だけでなくさまざまな場所でイベントやセミナーを行ってほしい」といったご要望を多数お寄せいただいていました。新型コロナの影響でオフラインでの相談やセミナーの参加が難しくなる中、オンラインでの専門家への相談や勉強会に参加ができ、またご家庭でも活用できる特別支援教材のご提供をスタートさせました。秋以降は、当事者を取材する連載などもスタート。知りたいテーマとして多かった「かんしゃく」の特集も組みました。12月からは、多様な進路について取り上げる取材企画もスタートしています。2021年3月には、発達ナビのユーザーさま向けオンラインフェスタも開催予定です。たくさんの方にご参加いただき、楽しんでいただけるよう準備を進めているので、楽しみにお待ちくださいね!皆さまのご意見、発達ナビとの関わりをコラムに!発達ナビは、皆さまのパートナーとして、2021年もお役に立つ情報を届けてまいります。より使いやすく、皆さまにとってなくてはならない存在となれるよう、2021年も進化していく所存ですので、ぜひ今年も発達ナビをご活用ください。1月26日は発達ナビの5歳の誕生日です。この日を記念して、ユーザーの皆さま参加型のコラムもリリースさせていただきたいと考えています!「発達ナビと出合って変わったこと」「こんな風に使っています」「こんな機能があったらうれしいな」発達ナビを活用いただくことで変わったこと、変わるといいなと思っていることをぜひお寄せください!いただいたエピソードやご意見は、5周年記念コラムでもご紹介させていただければと考えています。アンケートを実施しますので、ぜひご協力ください。
2021年01月01日勉強が得意ではないいっちゃんと得意なタケル1歳の頃から絵を描き、歌をつくってきたいっちゃん…。いわゆる「お勉強」はあまり好きではありません。Upload By 寺島ヒロUpload By 寺島ヒロ対してタケルは小学校では「ハカセ」と呼ばれていたようなタイプ。Upload By 寺島ヒロ小さい頃からなんでも記憶するのが得意で、中高生向けのビジネスプランの大会やゲーム大会でも良い成績を残してきました。テストの結果などでいい成績を残すことは、進学を考えるうえで大変重要。実際、タケルは1年の1/3以上遅刻をしていましたが、テストの点数でカバーして大学の推薦を出してもらえたこともあるのです。体調不良や粗大運動の困難さえも「理屈を勉強して、対処すればなんとかなる!」と力技で乗り切ってきたタケル。そんなタケルにとって、いっちゃんは大変頼りなく、心配な妹のようです。Upload By 寺島ヒロUpload By 寺島ヒロ睡眠障害がふたりの勉強時間を阻む!しかし…睡眠障害もあるいっちゃん、お兄ちゃんとなかなか時間が合いません。お兄ちゃんも決して暇ではないので、自分のもろもろの用事を済ませてからいっちゃんに声をかけるのですが、そのときにいっちゃんが暇とは限らないわけです。普段のいっちゃんは、すごい集中力で何かつくっているか、寝ているかのどちらか。ちょうどいいタイミングで声をかけるのは大変です。Upload By 寺島ヒロUpload By 寺島ヒロUpload By 寺島ヒロUpload By 寺島ヒロそれはともかく...。全速力で走って倒れるような毎日ですが、充実した生活を送るいっちゃんを見ていると「学校の勉強は大事!今やっていることをすぐにやめて、お兄ちゃんと勉強しなさい。」と言いにくいんですよね。絵を描いている時や音楽の打ち込み(最近『GarageBand』を使うようになりました)をしているときには、普段全く人の顔色を見ないお兄ちゃんも話しかけることをためらいます。それほどの集中力なのです。寝ているときにはたまに起こそうと努力していますが…起こそうとして起きるならそもそもこんな苦労はしないのです。どうにもできないなら活かせない?いっちゃんのそんな状況を見て、「そこまで好きなら、例えば絵や音楽を専門にする学校に行けばいいのでは?」と言ってくださる方もいます。しかし、どんな学校であろうと基本的には登校せねばなりません。それに、いわゆる「芸術系の学校」は朝から晩まで絵を描いたり、歌を歌っているイメージがありますが、実際のところは普通教科にプラスして実技があるという感じです。実習などに時間を取られる分、リベラルアーツな科目の時間は凝縮されており、1回休むと大きく点数を削られます。私も芸術系の学校出身なのですが、私の行っていた学校は授業を2回休むとアウト、1年分の単位が出ませんでした。私も睡眠障害があったので、しばしば朝の授業に間に合わず、留年もしています。単位取得の難しさを考えると積極的に勧める気にはなれないというのが正直なところ。では、どうするか…?実のところ、まだこれといった結論は出ていません。ただ、どんなところでもいいから入れそうな高校に在籍し、18歳にこだわって高卒の資格を取得することを目指すのは、なんとなくいっちゃんには合わないような気がします。元々中学校からはみ出しているので、いれものを用意すればそれに合うように収まるということもないでしょう。オンライン授業やリモートワークが急速に普及したこの一年で、「何がなんでも朝起きて登校、出勤すべし!」という圧力を、以前に比べて明らかに感じなくなってきました。来年ではないかもしれませんが、登校をせずに高校で学べる日も遠からずくるかもしれません。そう考えると無理に中学を卒業したらすぐ次の学校へ入れる必要も、もしかしたらないのかも…と思えてきました。のんびり…とは、さすがにいきませんが、社会情勢も見ながら、いっちゃんが納得する道を焦らず探っていけたらと思う今日この頃です。Upload By 寺島ヒロ焦らない焦らない。これも親修行…。
2020年12月31日放課後等デイサービス歴3年目。広汎性発達障害の娘は、小学4年生。小学2年生から、放課後等デイサービスに通っています。通い始めた当初は、娘と同じように特性のある子たちとの間で、トラブルもありました。しかし娘も、もう通い始めて3年目。お友達それぞれの特性も理解し、にぎやかな教室にも慣れて、楽しく過ごせるようになりました。Upload By SAKURA仲良くする方法がわからない子に対して、理解を示せるようになった娘。放課後等デイサービス通う子の中に、娘のことを好きでいてくれる男の子がいます。その子は、娘と仲良くしたい!という気持ちがあるのですが、その方法がわからず、娘を風船でポンポンと(軽く)叩いたり、大きい声で驚かせたりしています。Upload By SAKURA最初のころは嫌がっていた娘ですが…Upload By SAKURA先生から何度も説明され、その子の苦手をしっかり理解できるようになったのでした。そのとき私は、自分が中学生のときのことを思い出しました。中学時代、特別支援学級にいた男の子のこと。当時、私が通っていた中学校には、特別支援学級があり、さまざまな事情を抱えている子が在籍していました。その中に、すれ違う子すれ違う子にじゃんけんを求める、中学2年生の男の子がいました。Upload By SAKURAある日、男の子が投げかける「じゃんけんぽん!」に偶然当たった私。Upload By SAKURA男の子のじゃんけんに応じると、男の子は大笑いして喜んでいました。それからというもの、私を見かけると、その子はじゃんけんを求めてくるようになりました。Upload By SAKURAじゃんけんから始まったことが…「じゃんけんぐらい、なんでもない」と思った私は、毎回応じていました。しかし…だんだん男の子が距離をつめてくるようになり、私の髪の毛を引っ張るようになりました。「痛い!やめて!」と言ったのですが、なかなか伝わらず、最終的にはじゃんけん自体がなくなり、私を見かけると走ってきて、ただ髪を引っ張ったり、頭を叩いたりしてくるようになりました。Upload By SAKURA私が原因かもしれない。どんどんエスカレートしていく行動・・・。当時いつも一緒に行動していた友達に、先生に相談することを勧められましたが、私は迷いました。そもそも私がじゃんけんに反応してしまったことがいけなかったんじゃないかと、思っていたからです。当時の私の感覚としては、「目をつけられてしまった…」という感情が近かったと思います。Upload By SAKURAしばらくは我慢していたのですが、一緒にいた友達とも揉めるようになってしまったため、結局、特別支援学級の先生に相談することにしました。Upload By SAKURAそれから、先生はその男の子に付き添うようになり、私に向かって走ってこようとする男の子を制止してくれるようになりました。Upload By SAKURAそれからしばらくすると、男の子は私を見かけてもそばに来なくなり、そのまま私は卒業しました。あのとき、私がすべきだった行動。もしかしたら…娘の放課後等デイサービスの子と同じように、あの男の子も、私と仲良くしたいという気持ちがあったんじゃないだろうか…。じゃんけんを返してもらえて嬉しかったから、もっと仲良くしたいと思ってくれていて…でも仲良くする方法がわからなくて、髪を引っ張ったり、頭を叩いたりしてしまったのではないだろうか。そう思うと、私が特別支援学級の先生に相談して、急に私との接点がなくなってしまった男の子は、ショックな気持ちでいたのではないか。Upload By SAKURA当時の私には、そこまでの知識はなく、なんで急にこんなことをしてくるようになったのか…と思っていました。娘が、放課後等デイサービスの子にしたように理解してあげて、放課後等デイサービスの先生が説明したようにちゃんと話せばよかったのか…今でも後悔している出来事です。あのときの男の子に、謝ることはできませんが、あのときできなかった行動を、今はしていきたいと思っています。LITALICO発達ナビ無料会員は発達障害コラムが読み放題!
2020年12月30日発語がなかった息子3歳6ヶ月、少しずつ成長中Upload By かさはらあやこ現在、3歳6ヶ月の息子は、先月から〝音の模倣〟をするようになりました。おうむ返しではありますが、一生喋らないのではないかと思っていた息子の口から単語が出たり、歌ったりすることは信じられないようなことで、それがとても嬉しく、次は何を喋るのだろうとわくわくしている自分がいます。まだ3歳。でも、ここまでの日々も長い道のりでしたUpload By かさはらあやこ息子が2歳を過ぎたころ...発達障害について特に勉強することもなく、息子が知的障害を伴う自閉症であることなど想像もしていなかった私は、自治体のガイドラインに沿って息子を療育に通わせていました。1歳5ヶ月から個別や集団のデイサービスに通っていることで安心し、〝これから喋れるようになるし、発達障害って最近よく聞くけど、個性だし、少し生きにくいかもしれないけど、早めに療育をしているから大丈夫!そもそも発達障害じゃないかもしれないし!〟と思っていました。当時は特性が急激に増え、何度注意しても同じことを繰り返すので厳しく叱るせいか、走り回る、ぐるぐる回る、などの〝常同行動〟やツバをわざと出すような行為が多く見られたり、顔をしかめるチックのような症状がありました。急に始まった癇癪をイヤイヤ期がきたと勘違いし、躾をしなければいけないという焦りからいつもイライラしていました。周囲から『療育手帳』の話を聞くようになっても、療育に通う際に必要な受給者証と同じようなものだろうと聞き流し...耳に入ってくる頻度が多くなってきたという理由で調べて、はじめて「ん?知的障害?ん?うちの子が?」となり、ようやく気づくことができました。障害があると理解したことで、息子への接し方や、躾をしなければと焦っていた自分の気持ちに変化がありました。例えば、歩きながらごはんを食べたり、椅子に立って食べたりしても、感情的に叱ることはなくなりました。(危険があるときは未だに叱ります。)それからは、常同行動や1日5回は起こしていたパニックも徐々に減り、ツバを出すような行為はなくなり、外出時には振り払われていた手も、3歳になるころには繋いで歩けるようになりました。『スキンシップ』と『夜泣き』に大きな変化がUpload By かさはらあやこ3歳ごろには大きく成長を感じる点が二つありました。まず一つ目はスキンシップです。基本的にスキンシップを嫌がり、抱っこをしてものけぞったり、蹴られたり。身体を預けてくるようなことはせず、求めてくることもありませんでした。今でも嫌がることはありますが、それでも2歳のころよりは触ったり、抱き締めたりすることへの拒絶は少なくなったように思います。たまに甘えてくるようなこともあったり、療育の先生には手を広げて抱っこを求めたり‼︎二つ目は夜泣き。産まれてから3年間、毎日のことだったので本当に辛く、3歳を過ぎても続くようであれば投薬も考えていましたが、3歳を機にピタリとなくなりました。今では季節の変わり目や刺激が強かったあとなど、たまに乱れてしまうこともありますが、だいぶ安定しています。進んだり戻ったり...一歩ずつの成長を見守りたいUpload By かさはらあやこその他にも、コップやフォークが使えるようになった、蛇口をひねって水を出せるようになったなど、成長はたくさんありましたが、食べられるものは減ったり、使えていたフォークを使わなくなったり、自分でコップを持たなかったり…進んで戻っての成長です。次の一年、これから4歳半までの間にどんな成長が見られるのか。見逃さないよう、しっかり記録していきたいと思います。いつも全力で支えてくださる先生たち成長を見守ってくださっている皆さまコラムを読んでくださっている皆さま今年一年、本当にお世話になり、ありがとうございました。感謝してもしきれません。2歳半から3歳半…これでもか!!というほど涙を流した一年でしたが、私も親として少しでも成長できるよう精進する所存ですので来年も何卒よろしくお願いいたします!皆さま時節柄お忙しいとは存じますが、お体を大切に、どうぞ良いお年をお過ごしください。LITALICO発達ナビ無料会員は発達障害コラムが読み放題!
2020年12月29日発達が気になる子の就園。サポートは受けられる?出典 : 発達が気になる子どもが保育園や幼稚園に入園する際、集団生活についていけるかどうか、お友達と関われるかどうかなど、不安に思うこともあるかもしれません。また、園生活が始まってから、気になる様子が見られ始めるという場合もあります。就園前や就園してから、必要な配慮を依頼することはできるのでしょうか。また、発達が気になる子どものサポート制度はあるのでしょうか。幼稚園や保育園では「障害児保育」を実施していたり、「加配」の先生をつけられたりする場合があります。このコラムでは、そうした制度について解説します。特別な配慮が必要な子どもを受け入れる基準は、自治体や園によってさまざまです。例えば、以下のような基準があります。・障害者手帳の保持者・特別児童扶養手当対象者・医師等による診断を受けていることなど例えば東京都練馬区では、(1)申込みに必要な書類一式、(2)『心身状況表』、(3)『主治医等見解書』、(4)身体障害者手帳、愛の手帳、精神障害者保健福祉手帳等を所持している場合は、障害の程度が分かるページのコピーの提出が必要です。入園に関すること(練馬区)ほかにも市区町村独自の基準を設けているところがあるので、詳細はお住まいの自治体に問い合わせて確認する必要があります。また、園ごとに受け入れ人数が決まっていることも多いです。希望する場合は、申し込み期日などを確認しておきましょう。「加配制度」とは、他児と同じように保育園の生活を送ることが難しい子に大人がつき、生活面や集団参加をサポートしてくれる制度のことです。保護者からの申請によって加配をつけられる園が全体の約4割、申請がなくても保育所独自に加配を行っているケースが2割程度あります。また、私立の園では自治体の補助金等による加配を実施している割合が高くなります。補助金をどのように分配して使用するかは園によって異なるため、私立の園では公立の園と比べ、申請を出しても加配をつけられないケースが多いようです。公立・私立問わず、申請を出しても加配をつけられるかどうか、どのような配慮を受けられるかどうかは園によって異なります。加配を申請する際はまず園に問い合わせて、今まで加配制度を利用した子がいたかどうか、その際はどのような配慮を行なっていたかなど確かめると良いでしょう。保育所における障害児保育に関する研究報告書(みずほ情報総研)埼玉県 私立幼稚園等特別支援教育費補助金加配の先生とは?出典 : 加配の先生とは具体的に、どのような支援をしてくれるのでしょうか。詳しく説明します。加配の先生は配慮の必要な子どもに対して、それぞれのケースにあわせた支援を行います。具体的には、以下のようなサポートがあります。・身辺自立の支援例えば食事でスプーンやフォークをうまく使えない場合や自分でトイレに行けない場合などに、サポートを行います。加配の先生と家庭で連携しながらトイレトレーニングを行い、オムツを卒業できたという声もあります。・お友達との関わりや集団参加をサポートうまく友達と遊ぶことができずトラブルになってしまうときや、集団参加が苦手で周囲の子と同じように行動できないときなど、加配の先生が介入してサポートします。友達と遊ぶときのルールや声かけの仕方など隣について教えることで、少しずつ自分の力で関わったり集団参加できるようになっていけるケースが多くあります。・保護者とのコミュニケーション子どもの発達や家庭での関わりなど、保護者は子育てについてさまざまな不安を抱えていることも多いでしょう。そんなとき、担任の先生のほか、加配の先生に相談できることがあります。客観的なアドバイスを受けられることで保護者が状況を整理できたり、悩みに寄り添ってもらえる安心感があるでしょう。また、多くの自治体では発達支援に理解の深い専門家が施設を巡回しており、加配の先生は専門家の助言にもとづいた支援を行っています。加配の先生は、子どもの数に対してどの程度ついてくれるのでしょうか。半数近くの自治体で、具体的な基準は決まっていません。「障害の程度を問わず一律の配置基準を設けている」という自治体もあれば「障害の程度により基準が異なる」という自治体もあります。障害の程度を問わず一律の基準を設けているところだと、「3人もしくは2人に保育士1人」という基準を定めている自治体の割合が多く、約3割の市区町村では子どもとマンツーマンになるよう基準を定めています。申請方法や費用は?出典 : 公立の園には多くの場合加配制度があり、私立の場合も自治体から補助金を受けて実施している場合があります。自治体によって補助額は異なるため、自治体ごとに確認する必要があります。加配を支援する補助金には、「療育支援加算」と「障害児保育加算」があります。「療育支援加算」は障害児保育を行う園に適用され、「障害児保育加算」は小規模保育、事業所内保育、家庭的保育といった地域型保育を支援します。なお、加配制度を利用するのに保護者の自己負担はありません。加配制度の申請方法は、自治体によって異なります。ここでは一例として、とある自治体における申請方法を記載します。①診察予約②診察・相談・書類申請③書類発行具体的な申請方法については、お住まいの自治体に問い合わせて確認してみてください。小学校でも加配制度を利用できる?出典 : 加配制度を利用して園に通い、卒園後に小学校でも同じようなサポートを受けることはできるのでしょうか。小学校で配慮を受けるには、特別支援学級や特別支援学校に通うという選択や、通常学級に在籍しながら通級や特別支援教室を利用して必要な支援を受けるという選択があります。ほかにも、通常学級で個別のフォローを受けられる場合があり、フォローする大人は「加配」「補助教員」「支援員」「民間ボランティア」など、呼び方や役割が少しずつ異なります。例えば授業に集中しにくい子に付き添って声かけをしたり、友だちとコミュニケーションを取るのが難しい子の仲立ちをしたり、LDのある子に代読や代筆をする、と言った形で、学習や集団生活のサポートを受けることができます。ただし自治体で人員と予算を検討するため、親が加配の希望を伝えても難しい場合があります。逆に親が希望を出さない場合でも、学校判断で申請されることもあります。自治体によって手厚い人員が確保できる場合とそうでない場合があるため、差があるのが現状です。また、放課後や土曜日など家庭保育が難しい場合に子どもを預かる「放課後児童クラブ」においても、厚生労働省の出しているガイドラインで「配慮を要する児童を可能な限り受け入れに努めること」という記載があるものの、加配制度の有無や基準は各自治体に委ねられています。放課後児童クラブ運営指針解説書(厚生労働省)支援をうまく活用して、お子さまの発達をサポートしよう出典 : 配慮の必要な子どもをサポートする制度には、事業所に通って日常生活の自立支援や機能訓練を受けられる「児童発達支援」や、園や学校に支援員が訪問して集団生活への適応をサポートする「保育所等訪問」もあります。医療機関や療育センター、市町村の保健センターなども、園と連携をとって必要な配慮についてアドバイスをしてくれる場合があります。園の外の支援も、うまく利用してみてください。まとめ障害や特性があり特別な配慮が必要な子どもは、加配制度を利用することができます。ただし、利用できる基準や申請方法等は自治体によって大きく異なるため、必ずお住まいの自治体に問い合わせてみてください。まずは、かかりつけ医や療育の先生に相談してみても良いでしょう。児童発達支援や保育所等訪問など他のサービスも利用しながら、お子さまの園・学校生活をサポートしていきましょう。
2020年12月28日発達ナビPLUS会員の”うちの活用術”をお届け!「ほっとして泣いてしまいました…」「目から鱗でした!」「2~3回読み返しました!」などの反響を多数いただいている発達ナビPLUSの個別ケース相談。発達ナビPLUSでは、お子さまやご家庭の個別の状況を踏まえて、個々の困りの原因分析と適切な手立てを回答する個別ケース相談に加え、視聴し放題のオンライン勉強会、子育てヒント動画、ダウンロードし放題の特別支援教材といったサービスが毎月自由に使えます。今回は、発達ナビPLUSを利用中の保護者さま2名それぞれの使い方や使ってみての声をご紹介します。※匿名性を担保するため、一部の内容や流れは改変しておりますのであらかじめご了承ください。オンライン勉強会の動画をパートナーにも見せたことで、子どもへの接し方の共通認識にUpload By 発達ナビ編集部● 佐藤さま(仮名)【お子さま】小学2年生/通級利用/放課後等デイサービス利用【発達ナビPLUS入会当初のお悩み】・宿題に一人で取り組めない・やりたくないことがあると癇癪に・物を投げる、妹への暴言、他害も・親のアドバイスを受け入れない-発達ナビPLUSをご利用いただくきっかけは?夏ごろから、学校への行き渋りが出てきて不登校気味になっていました。家にいても、妹にあたったり、部屋を荒らしたりと…特に宿題など勉強を一人でやらず、教えようとすると対処ができないほど暴れていました。放課後等デイサービスは週1回利用しているのですが、あまり頼るところが分からず…それがきっかけでした。-発達ナビPLUSはどのように活用していますか?最初にオンライン勉強会に参加しました。こちらは、顔出しもないので気軽に参加しやすく、事前に質問を送って当日の講義で答えてくれるのも嬉しかったです。心理士の先生の「癇癪、暴言、自傷、他害との付き合い方・接し方」では、この時期、発達に特性がある子が心と体のバランスを取ることの難しさや、課題の具体的な理由分析、いくつかの対応方法まで学べました。特に良かったのは、パートナーにもオンライン勉強会の過去動画で同じ内容をみてもらったことで、子どもへの対応について共通認識を持てたことです。視聴後に接し方のスタンスを話し合い、夫婦でお互いによくなかったこと、これから実施することを決めてチャンレジしています。参加したことで、学習障害の可能性も感じ、個別ケース相談で相談することにしました。自分たちだけでがんばらない!具体的な提案と寄り添った回答に自信を取り戻せました!Upload By 発達ナビ編集部-個別ケース相談の申し込みはどうでしたか?書くことがそこまで得意ではないのですが、相談フォームに質問項目が整理されていることで、状況を整理する良いきっかけになりました。-専門家からの回答はどうでしたか?まず量にびっくりしました(笑)。思ったより細かい内容で、夫婦で2~3回読み返しました。自分たちがしてきたことで子どものためになっていた対応とその理由も具体的に説明いただき、ほっとして泣いてしまいました…ねぎらいの言葉もありがたかったです。なんというか、優しかったですね。思いがけない子どもの特性など新しい気づきもありました。本人も自覚してない感じで、こっちで気づくきっかけがもらえたのは本当によかったです。できないところばかりに目がいきがちですが、得意なところもあることが分かり、今までの方法では学習を無理強いさせていたかもしれないと気づかされました。子どもの認知の特性と理解のしやすさについて、いくつかの仮説とそれぞれの手立てをいただいたので、より合った方法をこの後の1ヶ月試してみたいです。また、放課後等デイサービスや教育機関への相談の仕方、助けてもらえる福祉・教育の範囲を初めて理解したので、今までより見通しがたって気持ちが楽になりました。抱え込まずに頼れる部分は頼っていこうと思っています。-今後はどのように発達ナビPLUSを活用していきますか?今回は学習について個別ケース相談をしましたが、学習面以外でも色々な分野に関して相談できるとわかったので、来月にきょうだい間のトラブルに関して相談したいと思います。頼れる人がいない…近所からの苦情がこないかおびえる日々Upload By 発達ナビ編集部● 新田さま(仮名)【お子さま】年中/診断なし/児童発達支援利用【発達ナビPLUSに入会当初のお悩み】・こだわりが強い・思い通りにならないと癇癪を起こす・幼稚園で暴れることもある・偏食がひどい-発達ナビPLUSをご利用いただくきっかけは?子どものこだわりが強く、思い通りにならないとすぐに癇癪を起こします。登園してすぐにすべり台で遊ばないと気がすまず、やることの順番が変わると大癇癪。また、その日の予定が少しでも変わったときも泣いて大暴れし、園に行けないこともしばしばあります。偏食もひどく、食べられるものが2~3種類しかないため、毎日の食事作りが苦痛でした。児童発達支援の先生には相談できる時間がなく、話せたとしても立ち話で10分程度。あれもこれも聞ける余裕はありません。頼れる人が他にいればよいのですが、パートナーは単身赴任で家におらず、家のことはすべて自分でやらなければならない状況です。最初は必死にサポートしていましたが、最近は疲れ果ててしまい、子どもが激しく泣いても何もせず立ち尽くしてしまいます。ただ子どもの声でいつかご近所から苦情がくるかもしれないと思いますし、やっぱり何とかしなければとは思うのですが、解決の糸口など見つけるすべもなく…憂鬱でたまりませんでした。そんなときに、見つけたのが発達ナビPLUSでした。心理士の方やOT・STといろいろな専門家の先生方に相談できることが決め手でした。もらった仮説から分かった…癇癪の原因は過敏さだったUpload By 発達ナビ編集部-発達ナビPLUSはどのように活用していますか?元々人と話すのが苦手だったので対面だと聞き忘れてしまったり、言われたことをメモできなかったりしていたので、個別ケース相談をすぐに使わせていただきました。-専門家からの回答はどうでしたか?保護者の私へのいたわりの言葉をかけてくださったことに感謝します。いつも「何とかしなければ」で頭がいっぱいだったのですが「頑張りすぎるくらい頑張っている」という一文に、救われました。児童発達支援以外にも、使える福祉支援が複数あることは知りませんでした。さっそく教えていただいた具体的なサービスについて区役所に利用を問い合わせてみます。アドバイスにあった、癇癪の原因の分析のしかたはとても参考になりました。確かに妹の泣き声や小さい子の声で耳を押さえて辛そうにしています。相手が嫌い、の意思表示かなと思っていたので、苦しさまで想像が及びませんでした。いただいた仮説から、冬服になってから服を着るのを嫌がるのも、感覚の過敏さかもしれないと思い、機嫌の悪い日に着ていた服を交換したら拍子抜けするほどすんなり着替えてくれました。でも本人も何が苦しいのか自覚できてなさそうなので、引き続き様子を見て相談させてください。偏食と予定の見通しの付け方についても、いただいた提案を早速試してみたいと思います。子どもの味方でもありつつ「私のサポーター」としての言葉で返してくださるのが嬉しいです。【無料】体験会で、お得なクーポンGET!Upload By 発達ナビ編集部発達ナビPLUSでは、無料のサービス体験会を随時開催しています。個別ケース相談の回答例や、オンライン勉強会の一部を視聴するなど、詳しくサービスについてご理解いただくことができます。チャットでスタッフに質問することもできます!さらに、オンライン体験会にご参加いただいた方には、初期コンテンツ利用料が【 50%OFF 】のクーポンをプレゼント中!イラスト:かなしろにゃんこ。
2020年12月27日北海道放課後等デイサービスUpload By minami.shiozawaディードジュニア札幌では、「未来につながる成長体験を」をコンセプトに、中学生~18歳前後の発達障害のあるお子さんで自身の特性を生かしたい方、不登校の方などを対象として、就職や進路実現の準備をサポートする放課後等デイサービスです。「生きる力」につながる3つの力、「はたらく」「くらす」「つくる」の力を伸ばす豊富なプログラムがあり、グループ会社でのさまざまな就業体験もできます。挑戦の先には失敗もありますが、失敗しても次に向けて一緒に考えて支援するスタッフがいます。スタッフや仲間、学校や社会とつながりながら、成長し合い、自立をめざせる場です。北海道の放課後等デイサービスをもっと見る福島県放課後等デイサービスUpload By minami.shiozawaユニバーサルプレイス きっずでは、就学児が学校授業終了後や長期休暇中に生活能力の向上のために必要な訓練や、社会との交流の促進など多様なメニューを設け、ご本人の希望を踏まえたサービスを提供しています。家庭や学校をイメージした環境の中で療育をし、お子さん自ら自分で考え行動する主体性・自主性を尊重しながら、見守る支援を大事にしています。またお休みの日には外出やイベント等様々な体験をし、保護者様サポートとして定期的な面談や交流会等を開催しています。福島県の放課後等デイサービスをもっと見るUpload By minami.shiozawaユニバーサルプレイスりとるは、未就学児を対象に、日常生活における基本的動作や知識や技能の習得や、または集団生活への適応のための療育や生活の自立の為の支援を行っています。特別支援学校や保育士等、経験豊富なスタッフが日々自身も勉強しながらお子さまの個性や特性に合わせ、できる事やりたい事を支援する中で、自己肯定感を育みます。事業所のこだわりは、発達期から積極的に色々な事にチャレンジし、就労まで一貫して療育が行えるという「将来を見据えた支援」です。福島県の児童発達支援事業所をもっと見る東京都放課後等デイサービスUpload By minami.shiozawaピースホームタウン駒沢では、運動をメインとし、理学療法士と作業療法士が作成した運動療育のプログラムを用意しています。まずは基礎的な身体作りを行い、脳の発達を促す運動を取り入れることで身体能力や運動神経を向上させることを目指します。また、落ち着きのなさ、動作のぎこちなさなどの発達の遅れの問題に対し、感覚統合の考え方をもとにした運動も取り入れています。その他充実したプログラムでお子さんの「できる!」を増やせるようにスタッフが精いっぱいサポートします。東京都の放課後等デイサービスをもっと見る神奈川県放課後等デイサービスUpload By minami.shiozawaシュウエール 宮前区平第2では小2・小3を中心とした「コミュニケーション能力の向上」と「学習の支援(主に授業の補習)」を、子どもたちの様子を見ながらサポートしています。ソーシャルスキルトレーニングでは、数名のグループを作り、コミュニケーションカードゲーム等で自分の意見を発表します。学習面では毎日少しずつスモールステップで進め、少しでも出来るようになった事をほめて自信につなげてあげる事が大切です。なのでシュウエール 宮前区平第2では、お子さんが学校で習った事の理解度を把握し、つまずいている部分を見極め、前の学年との関連があればそこに戻ってあげるといった工夫を行います。熱心なスタッフがお子さんについて精一杯サポートします。Upload By minami.shiozawaシュウエール等々力緑地は学習塾運営の指導ノウハウを生かし、学習支援を中心に療育を行っている事業所です。障害特性に合わせた、読み聞かせやワーク、語彙力を高めるゲームなど、楽しみながら学習の習慣が身につくよう支援するとともに、学校授業の補習・進学アドバイス等も行います。その他にも、サーキットトレーニングなどの運動や、コミュニケーション能力向上を目指したソーシャルスキルトレーニングなど、様々な療育プログラムを実施し、興味と関心の幅を広げていきます。できる楽しさを大事にしながら、経験豊富なスタッフがお子さんに合わせてサポートします。Upload By minami.shiozawaきっずあいらんど港南台教室では、学校の宿題への取り組み・個別プログラム・運動プログラム等を行っています。運動プログラムでは、「36の動作」を基本に、お子さんの興味・関心を引きながら、バリエーションを豊富にした運動サーキットに挑戦し、今できることを伸ばし、「またやりたい」とより楽しく活動ができるように楽しみながらからだを動かしていきます。お子さんが、幼児から中高生になるまで一貫して療育ができる多機能型施設となっており、一人ひとりの成長を観察して療育方針を決定、社会性や協調性を培っていくことを目的としています。Upload By minami.shiozawa放課後等デイサービス ハミングバード荏田西では、広い庭で野菜やハーブを育てる体験や、生き物を飼育し共存の仕方を学ぶなど、自然や生き物と関わる中で、季節を感じながらゆったり・じっくり自分と向き合う時間を作りつつ、お子さんの感受性やコミュニケース力を身につけられるよう支援しています。他にも学習が不安なお子さんのために、宿題学習を始め、プリント課題にも取り組み、成績向上を目指しサポートしています。セラピードッグと楽しい時間を過ごしながら、経験豊富なスタッフが支援します。神奈川県の放課後等デイサービスをもっと見る神奈川県児童発達支援事業所Upload By minami.shiozawaヨリドコロ横浜妙蓮寺では、「アートデザイン療育」という正解不正解のない色彩をベースとしたカリキュラムを通し、子どもたちの表現力や創造力を養い、無限の可能性を引き出していくサポートをしています。また、毎回のおやつ作りでは、実際に食材に触れ、楽しみながら食材を切ったり、焼いたり飾り付けたりと、食べる事への興味関心を作るきっかけとなっています。お子さんの現状をしっかりと把握したうえで、「現段階でのお子さんの成長にとって何が一番良いのか」をご家族と一緒に追求し、楽しく個性を伸ばせる環境作りを心がけています。神奈川県の児童発達支援事業所をもっと見る埼玉県放課後等デイサービスUpload By minami.shiozawa放課後等デイサービスぱすてるでは、運動療育、買い物体験や調理実習、遠出の外出等、幅広く支援・体験ができる場を提供しています。その中でも最新の支援として、VRを活用した発達支援プログラムがあります。ソーシャルスキルトレーニングをより実践に近い状態で体験することができ、効果的な療育をすることができます。喜びや達成感をみんなで共有できる支援を行い、お子さんの「楽しい!」「またやってみたい!」を大事にしながら子どもたちの可能性を引き出し、将来に繋がるような支援をスタッフ全員で提供していきます。埼玉県の放課後等デイサービスをもっと見る千葉県児童発達支援事業所Upload By minami.shiozawaてらぴあぽけっと柏教室は、2021年2月にオープンする新しい事業所です。ABAを取り入れた個別療育を行っており、お子さんの発達段階に合わせて「たくさん・小さく・確実に」を心掛けています。発達段階に合わせた825項目からなるプログラムから、日々目標達成できるようスモールステップでのプロセスを見つけ、その日一緒になるセラピストがマンツーマンでお子さんの成長を見守ります。小集団活動も取り入れ、教室外・ご家庭でも養育に役立てられるよう、保護者との連携をとりながら、日々研修に励んでいるセラピストがサポーしています。千葉県の児童発達支援事業所をもっと見る大阪府放課後等デイサービスUpload By minami.shiozawa放課後等デイサービスKurumiでは、主に4つのプログラムからお子さんに応じた支援を行っています。学習では宿題を中心にサポート、運動では筋トレ、ストレッチ、生活では制作活動を通して療育を通して見通しを持つことや、集中力、創造力を養います。社会では集団の中で大事になってくるソーシャルスキルトレーニングやジョントレーニング等、ルールや気遣い等を学びます。子ども一人一人の個性やニーズを的確に把握し、主体性と自己肯定感を尊重し、成長や学びにつながる活動から達成感と満足感が得られるような療育に取り組んでいます。大阪府の放課後等デイサービスをもっと見る福岡県放課後等デイサービスUpload By minami.shiozawa療育支援エフ原北教室では、お子さんの将来の可能性を広げ、しっかりとした就労や自立した生活をイメージし学齢期からの積み上げを目的とした療育を行います。具体的には、個別のカリキュラムのもと、テキストやタブレットを使い、将来の就労スキルのベースになる脳機能向上のトレーニングとソーシャルスキルトレーニングを行うことで、学校生活での困りごとや将来の不安を解消していきます。苦労する場面、身に付きにくい能力も熟知した経験豊富なスタッフがお子さんをしっかりとサポートします。福岡県の放課後等デイサービスをもっと見る「もっと施設の情報を詳しく知りたい!」「見学をしてみたい!」と思ったら、WEBからもお問い合わせが可能です。施設情報ページでは、掲載されている施設の情報を地域ごとに検索して見ることができますよ。
2020年12月26日本人の様子に変化はない様だけど…発達障害の長男が、クラス全員の前で障害告知をした…!?私はその情報を長男のクラスメイトのママ友から聞き、驚きました。学校から帰ってきた長男に「(ママ友からの情報だと)脳に病気があるってクラスのみんなに言ったの?」と聞くと、「うん。(話の流れで)仕方なかったんだよ。」と答えました。長男が言うには、授業中にインタビューがあったので答える形で言ったのだそう。このとき私は、「障害の説明は人への伝え方が難しいから、今はお母さんと長男の2人だけの秘密だよと伝えておけばよかった」と後悔をしました。Upload By スガカズ傷ついている訳ではなさそうですが、周りの反応などもっと詳しく知る必要があると思い担任の先生に電話することにしました。電話口の先生に電話した理由を説明すると、「ああ、あのときのことですね」と起こったことを話してくれました。ルールを守って正直に答えた「脳に病気がある」Upload By スガカズ道徳で「隣同士でインタビューし合ってクラスのみんなの前で発表する」という時間がありました。そこで隣の子に「何で長男くんは工作が上手なの?」と質問された様です。インタビューのルールはと言うと…・質問される人は正直に話す・質問する人は、される人が嫌がる質問をしないUpload By スガカズ長男は「ADHDだから工作が好き」という考えから「ボク、脳に病気があるんだ」と答えた様です。質問される人(長男)は正直に話したし、内容が嫌だと感じなかった(障害に対して肯定的だった)のだから、インタビューのルールを守ったということになります。「脳に病気がある」という少し過激な言葉に私は冷や汗をかきましたが…。Upload By スガカズUpload By スガカズ発表の日、「目の力が周りの人より強い」、「工作が好きで気になってすぐに次の行動にうつれない」、他にも「工作をすると頭がスッキリして先生の話が頭に入りやすい。だから、遊んでいる様に見えるけど実は自分なりの勉強方法」だと説明しました。クラスメイトは長男の説明を真面目に聞いてくれていた様です。Upload By スガカズ発表後の学校での様子にクラスメイトのやさしさや本人の成長を感じ…Upload By スガカズ私は先生の話を聞いて、「発表という授業の一環で公表したから、良かったのかもしれないな」と思いました。続けて先生は発表した後の様子についても教えてくれました。・クラスメイトは長男をからかったりしなかった・クラスメイトは長男の行動(授業中の工作)の理由を知って納得してくれた・発表の後、長男からクラスメイトに話しかける回数が増えた・おまけに授業中に工作をする回数が減ったこれには非常に驚きました。今まで人に話しかけることが本当に少なくて、授業中の工作もなかなかやめられなかったのに…。自分の言葉でクラスメイトに説明したという経験が、成功体験につながったのです。繊細な話だから、成功体験が続くとは限らないUpload By スガカズ今回のことは結果オーライでした。また似た様な状況になったとして結果が同じとは限りません。私は先生との電話を切ってから長男に伝えました。・自分の病気(障害)は、場所や言い方で結果(聞いた人の感情)が変わってくる・世の中は色んな立場で色んな考え方の人がいる・今回は良い結果だったけど、次回も同じとは限らない・今はそこまで考えるのは難しいから自分からは言わないようにしよう・特別支援教室や担任の先生は障害を良く知っているし話してもOKと言いました。長男は「わかった」と短く返事をしました。その後小学校生活を送る中で生徒に直接伝えることがなかった様です。その代わり先生とは時々障害について話すことがあった様です。Upload By スガカズ大好きな校長先生とも、自分の障害について話をしたと語ってくれました。この出来事は、将来他のきょうだいに(当事者の次男含む)説明するときの参考になりました。次回は、障害告知してさらにその後(小6)の気持ちの移り変わりや、現在(中1)本人はどう感じているのかお話したいと思います。LITALICO発達ナビ無料会員は発達障害コラムが読み放題!
2020年12月26日子どもが勉強を嫌がるのには理由がある?一緒に目的を整理する勉強を補ってくれる塾ですが、発達障害のある子の場合、自分に合った学習環境・方法を見つけにくいことがあります。まずは何のために塾に通うのか、整理してみるのも一つです。以下は、発達障害の子どもがいるご家庭が塾に通う目的の一例です。・授業に遅れているので、その遅れを取り戻したい・本人に合った勉強方法がわからないので、それを見つけたい・家で集中がなかなかできないので、勉強する習慣を身につけたい・受験の対策をしたい子どもが勉強をしたがらないのは、もしかすると勉強が嫌なだけではないかもしれません。学校で教わった方法がどうしてもしっくりこない、学校ではみんなができているのに自分だけ理解ができず自信を失ってしまった、勉強をする必要がさっぱりわからない、鉛筆の触感が合わない、誘惑が多く集中できない、など嫌だと思う理由があるかもしれません。勉強を嫌がっている場合は、まずは勉強の何が嫌なのか聞いてみても良いかもしれません。20~50名の大人数クラスから、個別指導、家庭教師。どんな学習スタイルが合う?Upload By LITALICOライフ塾によっても学習スタイルはさまざまです。独自の取り組みをしている塾もあるため、あくまでも目安にはなりますが、子どもに合いそうな学習スタイルを考えるときの参考にしてみてください。■集団授業(大人数)1クラス20~50名で、主な目的は受験です。受験合格に必要なペース配分がわかりやすく、周囲と刺激を受け合う・影響を与え合うことができます。■集団授業(小人数)1クラス4~20名で、受験や学校の授業の補習が主な目的です。大人数のクラスに比べると指導に関する個別相談がしやすく、勉強のフォローが手厚いこともあります。■個別指導生徒は1~3人で、個別に対応してくれます。主な目的は受験や学校の授業の補習です。時間割やカリキュラムをオーダーメイドできることもあり、周りのペースを気にすることもありません。合理的配慮は集団に比べれば頼みやすくなりますが、実際の対応は担当スタッフによりさまざまです。■家庭教師主な目的は受験や学校の授業の補習です。家にまで来てくれるため、外出や送迎の必要がありません。合理的配慮を頼みやすく、教師を選べることもあります。■発達支援系発達障害への専門知識を持ったスタッフが対応してくれる可能性が高いです。目的も本人に合った勉強方法を探す、ソーシャルスキルの獲得など、特性への配慮があります。これらはあくまでも一例です。子どもによっても環境や方法には相性があります。実際には、見学や体験をすることで総合的に判断することが大切です。交通手段や週何回通うかも大事さいごに、現実的な交通手段や、週何回行くかといった頻度によっても、塾の選び方は変わります。例えば保護者による送り迎えが必要かどうかです。必要な場合は、保護者もさまざまな予定があるなか、送り迎えの時間を調整する必要があります。保護者の車などで遠くまで通える場合は、立地はそこまで気にしなくても良いかもしれませんが、子どもが一人で徒歩や自転車で通う場合は、家の近くが安心です。定期的に通う場合は、通いやすさも大切です。子どもだけではなく、保護者にとっても無理をしない選択が大切です。監修:髙橋 基(株式会社LITALICOライフライフコンサルタント。元・学習塾の教室長、1000人以上の受験指導経験あり)“うちの子”に合った学習環境の探し方は?ここまで、塾に通う目的や学習スタイルについてご紹介しました。塾だけではなく学校選びについても、現実的な交通手段や相性、教育費などが関わってきます。何を目的に、どんな環境づくりをしていくのか、考えるのは簡単なことではありません。LITALICOライフでは、子どもの特性や保護者の想いに合わせた学校の選び方を、最新の事例をまじえながら勉強会でお伝えしています。勉強会参加後に希望を出すと、後日、個別で相談をすることもできます。家族にとってどのような選択が良いのか、相談経験豊富なスタッフに話しながら一緒に整理していくことができますので、ぜひ勉強会参加後に相談を希望してみてください。私立中学受験の情報や塾選び、いま準備しておきたいことが勉強会でわかる!Upload By LITALICOライフLITALICOライフの保護者さま向け勉強会「中学受験という選択」は、発達障害のある子に合った私立中学やかかる費用について知ることができる勉強会です。進学先が公立中学でいいのか迷っていたり、既に私立受験をすると決めている方にとって、今知りたい情報から将来に繋がる情報まで、ギュっとまとめてお話ししています。【中学受験のこんな情報がわかる!】・中学校の選択肢・私立中学の特長・中学受験のスケジュール・志望校の選び方・塾活用のポイント・私立中学の学費や塾代、ほか受験にかかる費用など一番大切なことは、子どもにとって合う環境を見つけることです。中学受験・塾選びはその一つです。2020年12月現在は「東京版」「神奈川版」となっていますが、全国から参加・相談を希望することができます。【高校受験】が気になる方は…⇒『よくわかる「高校受験」』LITALICOライフは、お子さまとご家族が「自分らしい人生」を歩んでいくために障害分野とファイナンス、その両方の専門家としてライフイベントやライフプランの見直しを相談できるパートナーです。社会資源やサービス・お金の知識といった幅広い内容を身につけることができる勉強会や、専門領域をもつコンサルタントとの個別面談・プランニングを提供しています。ぜひ皆さまにご活用いただきたいと思っています。
2020年12月25日親はもううんざり!同じDVDだけ見る息子Upload By かなしろにゃんこ。わが家の息子リュウ太はADHDと広汎性発達障害があります。好きになったものはマニアックに追い求める特性があり、そのせいでしょうか?幼少期から同じDVDをくり返し毎日見る!というルーティンぶりに母は少し(いや…だいぶ)うんざりしたのでした。歩きはじめて軽くダンスができる程度になった1歳から、大好きな電車の歌と映像がいっぱい入ったDVDを見ては、TVの前でリズムをとって踊っていました。「運動にもなるしね!」と思い、そのDVDをくり返し見せていました。最初の3か月はよかったのですが…………。2年経過した3歳になっても「電車のお歌の見る!」と要求します。「今日は見ません」と拒否すると、この世の終わりかってくらいに「見る――――うぎゃぁぁぁ――――」とエグイ駄々こねが始まるため、「金切り声を聞くぐらいならDVDを見せよう!」と折れるのでした。自分弱っ!Upload By かなしろにゃんこ。私は「エー―――また!?もう聴き飽きたよ~」と違うDVDも用意して、他のものも見ようと促すのですが、ダメでした。違うDVDを見た後に、やはりお気に入りのDVDを見るのです。私の中に同じものをくり返し見たいリピート願望がないので、息子のこの欲求が謎でした。このころはまだ息子が発達障害であると気がついていないので、普通飽きるよね?見飽きてイヤになるよね?と息子の行動を不思議がる程度でした。およそ1000回近い視聴、しかし息子は平気なのです。そのこだわりは小学生になっても、そして大人になっても...?Upload By かなしろにゃんこ。小学生になっても好きな番組の好きな回をくり返し見ていました。「同じものばかり見て飽きないの?」と聞いてみると、「好きだから飽きないよ!何度見ても楽しさは変わらないから」ということです。私の子どもの頃と違ってアニメも映画もたくさんの種類があるから選び放題なのに、もっといろいろな作品に触れてほしいと思ってしまいますが...Upload By かなしろにゃんこ。Upload By かなしろにゃんこ。22歳となった今でも毎日同じ番組を見ます。ここ数年、飛行機事故の原因を究明するメーデーという番組をくり返し見ています。自動車整備士の仕事をしているので、飛行機であっても事故原因が気になるそうで、全シーズン全話を制覇しています。「1回目では専門用語などわからなかったことがあったけれど、2回目、3回目と繰り返すことで理解ができるようになってくるんだよ。それに日課になっちゃってるんだよね」と言います。それは小さかったときに見ていたアニメなども同じようで、見る度に何か発見があるそうです。「冒険して刺激を得るのもイイけど、だいたいは安定した楽しさがほしいんだよね。同じものを見ているときは癒しに近い感覚なんだよね」とも言うリュウ太。安定かー、変わらない安らぎがイイのですね!変わらない安らぎを求める息子、なんと某アイスショップでも!?Upload By かなしろにゃんこ。安定といえば某アイスチェーン店でトリプルアイスフェアをしていた際に、友人は3種類のアイスを楽しむ中、リュウ太だけはそのアイスショップに行く度に絶対頼む好きなフレーバーを3つのっけて味わい、友人はポカーン……だったそうです。「なぜ他の味を楽しまないの?」とリュウ太に聞いたら「他の味はどうでもいい、オレが好きな味だけを3つ食べたかった」と言いました。うーん変わった子、でもコレがリュウ太の普通!こんなところがおもしろい子だと思いました。LITALICO発達ナビ無料会員は発達障害コラムが読み放題!
2020年12月25日「最近、筋肉ついてきたでしょ?」と得意げなコウだけど…?Upload By 丸山さとここのごろ少しだけ”人に見られること”を理解するようになってきたコウは、寝癖を直そうとしたり「どう?筋肉ついてきた?」と力こぶをつくったりしています。「腕や足の形がいいねと褒められたから磨いてた!どう?つるつるでしょ?」とお風呂場で体に磨きをかけるなど、コウなりに美意識が高まっているようです。(脱毛するレベルで磨いていたので、「肌のためにも、磨くのは週に1回やさしくね」と指導し、保湿の仕方を教えました)まだ今は”自分が意識した瞬間だけ”気にしている状態なので、朝に鏡で見た寝癖は直っていても帽子による癖はそのままだったりしています。Upload By 丸山さとこ「僕の指の形ってどう思う?」と聞く一方で絵具などの汚れは落としきれていなかったり、先の欠けた爪がそのままになっていたりと、『そこを気にするのならば、他にも気にするところがあるのでは!?』と感じることもしばしばです。”周りの意見”とどう付き合う?小学5年生として、そろそろ思春期に入る年齢のコウです。周囲の子ども達が”見られる自分”や”身だしなみ”を気にするようになり、コウも指摘を受けることが増えました。Upload By 丸山さとこ寝癖がついていること、肌着や下着がはみ出していることなどの”身だしなみ”の指摘の他、学年があがるにつれてファッションについても「その組み合わせ変だよ」 「今日の上着かっこいいね」など色々なコメントをもらってくるようです。重ね着もシャツインも苦手!感覚過敏なASD息子のために、母が買いそろえているものとは…!?周りの意見を聞く中で、コウも少しずつ「こういうところを人は見ているんだな」ということを学んでいっているようです。今後、人からの意見で自信がつくこともあれば、傷ついたり自信を無くしたりすることもあるだろうと思います。その中で「自分は人からこう見られるんだ」「人から〇〇って見られたいな」と意識することと、「人から□□って見られるけれど僕はこのままでいいな」と判断することのバランスを、彼なりに試行錯誤していってくれるといいなと思っています。Upload By 丸山さとこLITALICO発達ナビ無料会員は発達障害コラムが読み放題!
2020年12月24日思春期の娘。声かけをすると…広汎性発達障害の娘は、小学4年生。思春期真っただ中で、一段と扱いにくくなっています。声をかけても返事をしなかったり、一対一の説明(説得)も真剣に聞いてくれなくなったり…Upload By SAKURA声かけをしても、「わかってる!」の一言。わかっているなら…と声かけをしなかったら、そのまま忘れているパターンばかり…。Upload By SAKURA療育グッズをつくってみても…娘の生活の補助にと、今まで使っていた療育グッズも、効果が薄くなり…Upload By SAKURA新たな困りごとが発生して、新しく療育グッズをつくっても…Upload By SAKURA見てくれないことも多くなりました。「私がもっとこういう言い方をすれば…」「違う療育グッズをつくってみたら…」と、試行錯誤してみても、まったくうまくいかない日々。娘の特性を受け入れていても、きついものはきつい。私が娘と歩んだ療育生活も、もう7年目。これが思春期ゆえの反抗だということも、中には、娘の特性からどうしても難しいということがあることも、私はすべて理解しています。Upload By SAKURAわかっていても、娘とうまくいかないことが、とっても苦しくなってしまいます。私の中の、揺るがない療育の軸。どうしたらいいんだろう・・・そう自分の中で考えていると、私の中で、療育の揺るがない軸になっている強い私が出てきます。Upload By SAKURAそして、「受け入れる」「娘のペースを大事に」「これは特性、個性」という、今までの経験で積み重ねてきた、考え方を出し…最終的に「仕方ない」という言葉を突きつけるのです。強い自分が、時に自分を苦しめる。私は、娘と向き合ってきた時間が長い。娘の特性に対して、「仕方ない」という結論しかないのは、わかっているのです。しかし、娘とのやりとりでうまくいかないことが続いて悩み始めると、この「仕方ない」という言葉が私の思考を覆い、悩むことも、泣き言を言うことさえもできない状況になります。Upload By SAKURA私の中のこの軸は、悪者ではなく、私が娘と共に歩んできた中で培ってきたもの。この軸のおかげで、いろんなことを乗り越えてこられた部分もあります。いつもならこの軸は、頼りになる存在。迷ったとき、「よし!」と思える基盤です。しかし、私自身がそれ以上に弱くなってきたり、娘とうまくいかない状況が辛く、苦しくなったりしてしまうのです。そんなとき、この揺るがない軸は、私の弱音にストップをかけ、モヤモヤしているのに、悩むというところまでいかせてもらえない…。そんな状況が、逆に辛くなり、頭を抱えてしまうことがあります。あえて弱い私を出し、夫に聞いてもらう。そんなとき私は自分の中で弱音を吐かず、あえて口に出し、夫に思いのたけを聞いてもらうことにしています。Upload By SAKURA私自身が十分過ぎるほど理解している、『受け入れる』『仕方ない』『頑張る』という言葉は、言わないで…と前置きをし、娘に対して言えない言葉や、私の中のどす黒い感情を聞いてもらいます。Upload By SAKURA夫は私の話をすべて肯定しながら聞いてくれます。自分の中でストップがかかって、吐けなくなっている弱音を、夫に聞いてもらい、受け入れてもらうと、自然とすっきりすることができます。私は、定期的にこの方法でリフレッシュしています。Upload By SAKURA療育は、山あり谷あり。娘の発達障害を受け入れてる私ですが、娘とぶつかって、泣き言を言いたくなることも、頭を抱えることもあります。きっと、こういうことの繰り返しをしながら、娘と一緒に時を重ねていくのでしょう。Upload By SAKURA弱音は吐きつつ、マイペースに進んで行きたいと思います。LITALICO発達ナビ無料会員は発達障害コラムが読み放題!
2020年12月23日学校に行かない道を選んだけれど不登校生活をはじめたむっくん。家庭の中では少しずつ落ち着きを取り戻し、表情も明るくなっていきました。しかし、私が「一緒に出掛けてみるのもいいかも」と思い、誘ってみると渋い顔...。どうやら周囲から「どうして学校に行かないの?」と聞かれることを想像して怖がり、外出に踏み出せないようでした。Upload By ウチノコそこで、もし聞かれたらどう答えるのかをむっくんと決めることにしました。むっくんと一緒に決めておけば、私が誰かに説明するときも安心できます。そこで、私たちは「行かない理由」「今後への気持ち」「周りにどう接してほしいと思っているか」の3点を説明できるようにしました。また、聞かれることが嫌ならば、出会う可能性の高い人、関わりの深い人にはこちらから先に説明しておけばいいかも!と思いつき、直接伝えることにしました。Upload By ウチノコ周囲へ伝える最初に、4歳の弟に伝えました。むっくんと決めた3点に加えて、弟にも疲れたら保育園を休めるんだよということを伝えました。兄が休んでいることを知ったら、保育園に行かなくなるかもと内心不安でしたが、園が楽しい弟は今のところそういうこともありません。それでも、弟は今後も影響を受けることが多いと考え保育園にも事情を説明し、弟の様子に変化があれば教えてもらえるようお願いしておきました。Upload By ウチノコまた、むっくんには同じ小学校の2年生に「よっちゃん」といういとこのお姉ちゃんが居ます。小さなころからずっと一緒で、登下校も一緒、一番近い存在です。早速伝えてみると・・・Upload By ウチノコUpload By ウチノコUpload By ウチノコよっちゃんをはじめむっくんの友達は、仲の良い子が急に来なくなって、きっと不安や心配を感じていたでしょう。そして、学校へ行かないという「自分と違う選択」を聞くことで、戸惑いや驚き、寂しさ、羨ましさなどさまざまな感情を抱くことも当然だと思います。もし、よっちゃんの「どうして?」という言葉に、私が一方的に説明を続けていたら、よっちゃんの心に芽生えたモヤモヤはむしろ広がるばかりだったかもしれません。伝えるということは、こちら側の事情だけを一方的に説明して理解を求めることではなく、その話を聴いた相手の心にも寄り添う必要があるということを私は教えてもらいました。まず、小学校の先生に「お友達には正直に不登校のことを伝えたい」という私達の思いを伝え、同時に「もし子どもから質問があれば正直に答えていただいてかまいません」ということもお伝えしました。そして、いよいよお友達に「学校に行かないこと」を伝えます。クラスメイト、交流級の仲良し同級生、登校班の上級生・・・反応はさまざまでした。Upload By ウチノコ伝えた後は、その子自身の感情に焦点を当て、傾聴し、気持ちを汲んだり、努力を認める言葉かけを意識したりしました。子ども達の話を聴いていると、むっくんのように休む選択も大変だけれど、学校へ毎日行くこともやっぱり大変で。「みんなとっても頑張っているんだなぁ」と感じました。日々頑張っている子どもたちみんな、たくさん褒めてもらえていたらいいなぁと思っています。Upload By ウチノコ子どもだけではなく、連絡先を知っているクラスメイトやお友達の親御さんには直接お会いしたり、メールなどを使って連絡したりしました。私自身も伝える前は何とも言えない不安があったのですが、えいっ!と伝えてみると、皆さん優しい反応で・・・今も偶然出会えば、「元気にしてる?」とむっくんの頭をなでたり、以前と変わらず接してくださって。その優しさに、私はとても救われています。Upload By ウチノコ伝えたことで得たもの周囲に伝えてから、少しずつ外出できるようになったむっくんですが、調子は上がったり下がったり。相変わらず周囲の目を気にする日もあります。Upload By ウチノコそれでも週に1時間の登校では、クラスの子ども達は今までと変わらず(むしろ前のめりに)接してくれて、友達も偶然道で会えば駆け寄ってきてハイタッチ。温かい言葉をかけてくれた上級生もいました。Upload By ウチノコUpload By ウチノコ不登校開始から2か月たった今は、夕方に公園で下校後の子ども達と野球や鬼ごっこで遊ぶ日もあります。学校に行かなくても、みんなと同じではなくても、友達はむっくんを受け入れてくれる。今のこの経験はむっくんの人生にとって、財産になるとても大切なものだと感じています。当初私も「不登校になれば、友達と縁が切れるかもしれない」と、不安を抱いていました。だけど、学校に行かない現在も変わらず友達はむっくんに成長と変化をもたらしてくれているのです。Upload By ウチノコもし学校に行かない理由や、どう接してほしいと思っているのかを伝えていなければ、お友達もむっくんへの接し方がわからず、疎遠になっていたかもしれません。皆に直接、正直に思いを伝えたことが信頼を生み、今の程よい関係を生むことに繋がったように感じています。成長するということ今、周囲の子ども達は自分とは違う道を歩くむっくんを、その子たちなりに理解し、どう接していくか模索しているように感じています。距離が開いた子もいれば、新しく友達になった子も、距離が近くなった子もいます。むっくんにも、怖がっていた周囲の子からの「どうして?」に理解してもらいやすい伝えかたを模索する様子が見られています。そんな子ども達それぞれが歩み寄り、時に距離をとり「ちょうどいい」を探す姿に、私は頼もしさとほほえましさを感じています。むっくんを見ていると、何を選択をしても、人は常に学び、前へ進んでいくのだなぁと感じます。むっくんには悩みながらも自分の選択に胸を張り、堂々と歩いていってくれると嬉しいなと私は思っています。LITALICO発達ナビ無料会員は発達障害コラムが読み放題!
2020年12月22日ネガティブだった私が変わるきっかけになったのは「ブログ」Upload By ぼさ子わが家の息子ほぺろうは3歳のときに『中度知的障害をあわせ持つ自閉スペクトラム症』と診断を受けました。5歳になった現在も、いまだ発語なし。自分の気持ちを言葉で表現できないため、よく癇癪を起こしがちです。そんなほぺろうを育てる私ですが、最近になって障害児の育児に対し「前向きですね」との声をいただくようになってきました。正直、自分ではとてもそんな風に思っていなかったので意外で驚きました。というのも...昨年までの私は心身ともに疲れ果てていて、ほぺろうの激しい癇癪・先の見えない将来の不安・仲間のいない孤独に押し潰されそうで、常にイライラして悲観ばかりだったからです。あまりのネガティブさに、夫ぺー太も引くくらいでした。Upload By ぼさ子そんな私でしたが、あるとき「こんなに大変な育児なんだから記録してやろうじゃないか」と思い立ち、今年の春からほぺろうの育児を綴ったブログを開始しました。ブログを開始したことで得られた心境の変化「主体的になれた」育児に不安を抱えていた時期、私は検索魔で、自閉症に関する記事だけでは飽き足らず「どうなれば人生幸せなの!?」という疑問に対する答えをネットで見つけようとしたりしていました。もちろん『幸せ』なんて太古の昔から解明されていないものに正しい答えがあるはずもありません。ただその中でも『自分の人生を自分で操作できている実感を持っているか(主体的か)』という言葉が、個人的に「なるほどな~」と思いました。でも当時は「なるほど」と思っただけで、「そんなの、したくてもできないよ!!」という気持ちの方が強かったです。母という立場はどうしても「子ども中心」になりがちですから...。Upload By ぼさ子ところが、ブログを続けていくうちに私の感じ方が少しずつ変化していきました。ほぺろうがどんな困りごとを起こしたり悩みにぶつかっても、「どうやって記録しようかな」と客観的に捉えられるようになってきたのです。Upload By ぼさ子「ほぺろうに振り回される自分」→「ほぺろうを記録する自分」への変化は、「ほぺろうを中心に生きている」→「自分のために生きている」という感覚を持たせてくれました。ほぺろうの物語を綴ることで得られた心境の変化「オンリーワン」かつての私は、ほぺろうに自閉症の診断が出たときに「そのまま」を受け入れることがでいず、ほぺろうを「定型発達の子のように」「みんなと同じ」に近付けようと頭を悩ませていました。「他人と比べない」なんて私には難しくこのままではダメだと焦るばかりでしたが、そんな気持ちもまるごとブログに記録することで「ほぺろうの物語」ができあがっていく感覚になれました。ほぺろうの物語なんだからみんなと同じじゃなくていい。ほぺろうの存在自体が価値あるものと改めて感じ、「オンリーワン」であると気づかされました。そして育児と向き合うことが楽しくなってきたのでした。Upload By ぼさ子苦労も糧になると教えてくれた「人とのつながり」SNSで得られる恩恵「人とのつながり」は周知されていますが、周りにほぺろうみたいな子がいない私にとっては孤独から救ってくれる手段となってくれました。先輩ママさん達の投稿は皆さんそれぞれに苦労されているものでしたが、私に「ひとりじゃないんだ」と思わせてくれるのには充分でした。ふと、私もブログで記録を続けているうちに「私が苦労した困りごとも、もしかしたら誰かの役に立てるかも知れない」と思い始め、読者の方を意識しながら記事を書くようになりました。「自分はなんてダメな母親なんだ」と思ったことも何度もありましたが、もし現在同じく悩んでいる方がいたら「今は辛くても、その苦労がいつか誰かを励ます糧になるよー!」と応援の念を送っています。Upload By ぼさ子でも本当は、読者の方から応援のメッセージをいただけたりと、前向きにさせてくれる力を私の方がもらっています。感謝で頑張れる!ブログを通して、ほぺろうから気づきや発見をもらったひどくネガティブだったときには「私達親子には価値がない...」とまで思い詰めていましたが、ブログを続けていくうちに日々新しい気づきや発見を与えてくれるほぺろうが、私の中で輝いて見えるようになりました。それまでは「障害がなければいいのに...」と思う毎日でしたが、「せっかく障害を持っている」という考え方に変わっていき、ほぺろうの境遇が私の中で“価値“になったのです。「ほぺろうの記録をSNSで発信する」という方法は私にとって、前向きにさせてくれる有効な手段となってくれました。Upload By ぼさ子LITALICO発達ナビ無料会員は発達障害コラムが読み放題!
2020年12月21日ミドルエイジの先輩たちが「自分らしい生き方」に至るまでーー難波寿和さん島根県を拠点に、フリーランスの臨床発達心理士・公認心理師として働く難波寿和さん。子どもから大人まで、発達障害がある人のカウンセリングや療育に携わっています。そんな難波さんは、ASDの当事者でもあります。当事者が当事者を支援する中で感じることについて、難波さんのこれまでの歩みと共にお聞きしました。いい関係を築きたいのに、うまくいかない。「問題児」扱いされた幼少期――難波さんは、「臨床発達心理士」の資格をお持ちですよね。臨床発達心理士の仕事は、どのような内容なのでしょうか?難波寿和さん(以下、難波):臨床発達心理士は、発達心理学をベースに、子どもから大人までの成長・発達をサポートする仕事です。発達障害のある人だけでなく、幅広い人が対象となります。具体的な仕事内容としては、発達障害のあるお子さんの療育に関わったり、大人の発達障害当事者の方のカウンセリングをしたりしています。昨年、新たに国家資格として定められた「公認心理師」の資格も取得しました。Upload By 姫野桂――難波さんは幼い頃、どんな子どもでしたか?難波: 家の中ではやんちゃでしたが、母と離れることへの不安が強かったですね。喘息の症状緩和のために、3歳ぐらいからスイミングに通っていたのですが、そこで母親から強制的に引き剥がされたのが嫌で、母子分離不安になってギャンギャン泣いていました。感覚過敏もあり、母親以外に抱きかかえられると、嫌で噛みついたりもしていましたね。4歳から入った保育園でも、母はいつ迎えに来てくれるのだろうかとずっと不安に感じていました。――お母さんから離れることへの不安は、小学生でも続いたのでしょうか。難波:いえ、小学生からは、学校へ行くことの不安に変わっていったと思います。授業などの細かいスケジュールの変更や、何分後に何が起きるかわからない行事が苦痛でした。先の見通しが立たないので、トイレに行くタイミングがわからず、授業中に漏らしてしまうこともありました。感覚過敏だけでなく、感覚鈍麻もあって、僕は今でも便意がギリギリまでわからないことが多いんです。小学2年生のときに、トイレは休み時間のうちに必ず行っておく、授業中に行きたくなったら「トイレに行きたいです」と言えばどうにかなる、ということに気づき、それでなんとか漏らさずにすむようになりました。――そうだったんですね。他にも、学校生活で何か困ることはありましたか?難波: 落ち着きもなく、忘れ物もひどかったです。ほとんど毎教科で何かしら忘れ物をしていました。授業では、先生の話を記憶しようとした瞬間に、もう次の話に移っているので、なんの話をしているのかが全然わからなくって。1年生の時点で遅れをとっていました。友人関係も、いい関係を築きたいというイメージはありましたが、うまくいきませんでしたね。保護者会が僕の話題でもちきりになるぐらい、問題のある行動をしてしまっていて……。例えば、友人に暴言を吐いたりとか。それでいじめられるようになりました。僕もひどいことを言いたいわけじゃなかったんです。でも、そうしないと友達が自分のほうを向いてくれなかった。学校の先生は、「人の気持ちを考えなさい」と言いましたが、具体的にどうしたらいいかは教えてくれなかったので、どうすることもできませんでした。そのころは、全部人のせいにしていましたね。学校が悪い、先生が悪い、いじめる友達が悪いという考え方でした。――そんなとき、幼少期の難波さんにとって安心できる存在だったお母さんは、どのような対応をされたのでしょうか。難波: 母親は、「とにかく生きとりゃいい」「死ななかったらなんとかなるわ」みたいな考え方で(笑)。具体的な対処法は教えてくれませんでしたが、小学校6年生ぐらいまで、僕が帰ると膝の上で30分ぐらい話を聞いてくれました。「こんなことした」「あんなことされた」と泣きながら話すと、「おう、いけんかったなあ」とただただ慰めて支えてくれたのを覚えています。友達を模倣することでなんとか切り抜けてきた難波:僕、小学校の卒業式のときに、「僕は生まれ変わるんだ」と決めたんですよ。小学生のときの記憶に全部蓋をして、もう何も言わない、何も感じないようにするんだ、と。その決意の通りに中学校では比較的おとなしく過ごし、一緒に遊べる他の小学校出身の友達もできました。その一方で、乱暴に振る舞う人をコミュニケーションのお手本にしてしまうなど、まだまだうまくいかないこともありました。授業は黙って座っていれば問題ないことに気づき、耳も慣れてきて、小学生のころよりは聞けるようになりましたね。塾にも通って、成績は中の下ぐらいまでには、なんとかもちなおして。きちんと出席していたこともあって、推薦入試を受けることができ、全寮制の高校に進学しました。Upload By 姫野桂――寮ということは集団生活になるかと思いますが、その点は苦ではありませんでしたか?難波: むしろ、いろんなモデルがいて、いい模倣の場になりましたね。僕はこれまで、「この人をコピーする」と決めた人の話し方や動き方を模倣して学び、問題行動を修正して切り抜けてきたんです。寮生活では、他の人の掃除や洗濯、勉強の方法を模倣し、学ぶことができました。でも、この学習スタイルには問題があって。理屈がわからないまま覚え、そのまま真似しているから、応用がきかないんです。だから、学校でのテストでは90点取れるのに、模試になると数学2点、のようなことが起きていました(笑)。――応用がきかないという点、すごく共感します。高校生は進路を考える時期でもありますよね。難波さんは「モテたい」という理由で心理職を目指したと小耳に挟みました。難波: そうなんです。当時やっていたドラマを見て、「カウンセラーってモテそうだな」と思った、という不純な動機でした(笑)。一応、他の理由として「自分はなんでこんな変な生き方をしているんだろう?」と思ったこともあります。自分から関わりに行っても、なぜ人が離れていってしまうのか知りたくて、勉強したらわかるかなあと思い、岡山にある大学の心理系学部に進みました。――実際に大学で心理学を勉強してみて、いかがでしたか?難波: 全然楽しくなかったし、「これ、モテるのか!?」と思いました。ユングとかフロイトとか、いろいろ勉強しましたが、もう言葉の意味や解釈がわからないし、なぜそんな心の動きになるのかもわからない。基礎心理学の方面に行こうかとも思いましたが、数学が苦手なので統計学ができず、それもあきらめました。そんなとき出会ったのが、発達障害のある子どもたちでした。大学3年生から4年生ぐらいのころですね。はじめはうまく関わりが持てず、「なんだこの子たちは!」と衝撃を受けました。でも、関わっていくなかで「僕と似ているじゃないか」と感じるようにもなったんです。言うことも聞かないし話も通じない、幼少期の僕にそっくりでした。「自分でも、力になれるのではないか」と感じて。そこから、障害のある人たちを支援する職へ就こうかなと考え始めました。ここだけは、まともな動機でした(笑)。「支援者」というプライドが受診を遅らせた。仕事のつまずきから30歳を過ぎてASD診断を受ける――発達障害のある子どもたちが「自分と似ている」と感じたとのことですが、ご自身が発達障害の診断を受けたのもその時期なのでしょうか。難波:それが、そうではないんです。大学院に入り、障害児教育について研究するにつれて、自分も似ているところがあるぞと思うようにはなりましたが、なかなか受診には至りませんでした。指導教員が主催するペアレント・トレーニング(保護者向けの、子どもとの関わり方を学ぶプログラム)に大学院生たちで参加したときです。振り返りの時間に、他の学生が「あのお母さん、しんどそうだったね」「あの人は、こんな思いを持っているよ」と話していたのですが、僕には全くわかっていなかったんですよ。表情を読んでいなかったし、言葉尻しか掴めず、相手の心情も全然わからなくって。「自分はやっぱり...」と思いました。でも結局、自分は発達障害じゃないという結論にそのときはなったんです。Upload By 姫野桂――どうしてそう思ったのでしょうか?難波: これまで、さまざまな問題行動を模倣で改善してきていたので、自分で直せばなんとかなると思っていたからです。忘れ物があれば忘れないようにする、レポートは期日を決めて出す、片付けが難しいのは片付ける気がないからだ。23歳のときにはそんな風に思っていたので、病院を受診するまでにそこから7年かかりました。――30歳で病院を受診し、ASDと診断されたとのことですが、受診のきっかけは何でしたか?難波: プライベートと仕事での困難が重なり、うつ病になったことがきっかけです。大学院卒業後は、心理士として福祉施設で働いていました。これまで勉強したことを活かせる仕事で、自分に合っていると思いましたし、障害のあるお子さんの支援に関しては保護者の方からも評判がよかったのですが、職員さんとの関係に問題があって。あとから振り返ってみると、自分は書類の不備や忘れ物など日頃のミスが多く、よく指摘されていたんですね。それに、対人関係はどうでもいいと思っていた。そんな中で、会議では自分の思う理想の支援のために「こんなんじゃダメだ」などと強く主張したりしていて...周りからすると、信用するのが難しいですよね。トラブルが多く孤立し、業務を減らされてしまうこともありました。プライベートの人間関係でも悩んでいましたが、それでもなかなか受診しなかったのは、どこまででも改善できるはずだと思っていたのに加え、「支援者」としてのプライドがあったからです。自分のメンタルの管理もできずに人の支援なんてできないと、当時は思っていたので。でも、うつ病になってしまったことで、「これはもう精神科に行かんといけん」と思って、泣きながらようやく病院に行きました。――いざ診断を受けてみて、どんな心境になりましたか?診断が下りて安心したと話す人も多い印象ですが。難波: 「やっぱりな」という思いと、「これからどうしよう」という絶望感の両方がありました。これまで勉強して得た知識から、立て直しは大変だろうと感じ、途方に暮れましたね。当時は障害者差別解消法(2013年)ができる前で、職場等での合理的配慮もなかなか期待できない状況だったので、何も受けられる支援がないと思っていたんです。診断が下りて公私ともに行き詰まった状態になり、もう死のうと思ったこともありました。でも、そこでもう一度自分の人生を振り返ることにしました。1人で記憶の蓋を開けていく中で、これまでの自分の過去と向き合うのが怖くて、自分のことをちゃんと見ていなかったのに気づいたんです。小学校の卒業式で記憶を押し込め、自分の人生をなかったことにしたのもその一つでした。自分では責任を持たず、周りのせいにして問題を放棄していたんですね。そこと向き合いながら、自分はどんなことを辛く感じ、どんな援助が必要なのか、どんな課題があるのかを書き出して、自分ですること・他人に頼ることを分けて整理していきました。そのときに、「やれば普通になれる」という考えはやめ、代わりに「生きやすく、自分なりに生きよう」と思ったんです。仕事はパズルを解くような面白さ。「共感」ができなくても心情は聞き取れるUpload By 姫野桂――そのような経験を経て、いま再び心理士として働いていらっしゃるんですね。心理士の仕事をする上で、ご自身のASD特性がどのように影響するかや、困りごとがあったときの対応方法などについて、お聞きしたいです。難波: 自分のできる方法で自己対処しつつ、自分の特性についてはあらかじめクライエントさんに伝えるようにしています。子どもの療育であっても、発達障害のある大人のカウンセリングであっても、僕は相手に「共感」することってほとんどないんですよ。基本的に共感性がないんです。表情などの視覚的な情報から相手の気持ちを推し量るのも、挑戦はしましたが、自分には無理だとわかりました。それでも、スキルとして話の聴き方や声のかけ方は身につけましたし、耳からの情報なら相手の感情が若干読み取れるので、徹底的に聴いて理解するトレーニングをしました。30歳以降もずっと続けた結果、今はわりとうまくカウンセリングで寄り添えるようになったように思います。そして、僕はクライエントさんやその保護者にも、「発達障害があります」「コミュニケーションに難があります」と開示していますが、それによってカウンセリングをやめていく方はいないですね。僕の本を読んでくださっていて、「知ってますよ」と答える方もいます(笑)。守秘義務等も含む約束事や支援方針について、最初にきちっと話し、了解を得てから仕事に取り組んでいます。――反対に、ご自身も発達障害の当事者であることが役立つこともあるのでしょうか。難波: 忘れ物対策や、怒りの感情のコントロールを支援するときは、すごく役に立っています。また、僕自身が服薬していると話しているので、薬への抵抗感が強い人にも、試してみるという選択肢を増やすことができているかなとは思います。療育を受けているお子さんの保護者さんからすると、僕自身が「こうやって乗り切ってきた大人がいる」という一つの希望にもなるかもしれないですね。――たしかにそうですね。どんなときに仕事のやりがいは感じますか?難波: えーっと、「やりがい」っていうのは正直あまりなくて、基本的にはプレッシャーばかりです。相手の人生を背負っているわけですし、大学院生のときからこの道一本で、他の仕事は多分就けないだろうと思っているので、1回1回が勝負という気持ちでやっています。でも、僕は発達障害や障害のある人たちの療育・カウンセリングに、パズルを解くような楽しさを感じるんです。何か困りごとがあってクライエントさんは来るわけなので、その問題をどうすればその人たちが面白く、楽しくできるか、パズルを解くように考えていく。それで、うまく支援を組み立てて実行できると楽しいんです。そうやって、どんどん来るパズルのピースを解きまくっているような感覚で...。それが、やりがいと言えばやりがいなのかもしれません。できないことはできないから、福祉的な支援を借りる――毎回真剣に仕事に取り組みつつ、そういった楽しさも味わっているのですね。少しプライベートな話になってしまいますが、現在難波さんはご結婚されていて、パートナーの方もASDの診断を受けていると著書で書かれていますよね。パートナーシップに関して意識していることがあればお聞きしたいです。難波:気をつけていることがいくつかあって、一つはギブアンドテイクです。自分がした分の見返りを求めるという姿勢は、経験上ダメになりやすいので(笑)、相手がやってくれたことに関して、自分もできることを探してやろうというスタンスでいます。もう一つは、それぞれの人生がある個人として考えること。彼女には彼女の人生があり、子どもには子どもの人生があって、僕はその人生に一緒にいるだけなので、相手の考えや意見を尊重する。自分は自分で、まだまだうまくできませんが、自分のしたいことを言葉で伝えるようにしています。「察して」は、どちらにとってもやっぱり難しいですね。あとは、できないことはできないので、福祉的な支援を借りることでしょうか(笑)。今は、それぞれが訪問看護、病院、カウンセリングなどから必要な支援を受けています。僕は僕で悩みを話すし、彼女は彼女で話すと思うので、主治医が板挟みにならないよう、主治医はそれぞれ違う人にしています。診断時にプライドを捨てることができたからこそ、今はできないことを「できない」と言って助けてもらったり、適切に声を上げたりすることができていると思います。Upload By 姫野桂――適切に声を上げるというと、なかなか難しいですよね。何かコツはありますか?難波:困りごとに応じて、相談相手を変えることですかね。全て同じところに相談したり、相談先を間違えたりすると、適切な支援が受けにくくなってしまうので。問題が出てきたときに、これは福祉の相談支援専門員の人に相談するのか、それとも主治医か、カウンセラーか、親か...などと、妻と話し合って考えるようにしています。「生きやすく生きること」がゴール――このインタビューの読者には、進路や人間関係で悩みを抱えている人もいるかと思います。そんな人に向けて、何かアドバイスをお願いしたいです。難波:僕がいつも発達障害の当事者さんに言うのは「まあ、ほんとによぉ生きとぉわ!」ということです。みなさんがその場に存在していること自体が、僕にとっては嬉しいんです。苦しさや不安を抱えながら生活している人も多いと思うので、そんなときは、藁にもすがる思いで相談したり、しんどさを打ち明けたりしてもいいんだよ、と伝えたいですね。これから頑張ろうと思っている人たちには、チャレンジをやめないでほしいです。僕も30歳で、他人の感情がわかりにくいと言われるASDの診断が下りましたが、それでも心理士を続けています。僕は周りに「(心理士は)無理じゃない?」と言われ続けてきましたが、結果がどうなるかはわからないことだったとしても、自分がやりたいことには、まずはチャレンジしてほしいなあと思います。あとは、「いい会社」「いい学校」に入ろうとするのではなく、自分が大切にされる場所を選んでもらいたいですね。理想を掲げるのはいいのですが、居場所がないことも実際はあるので...大切にされない思いをしてまでそこに行くというのはちょっとおすすめできません。これは、すでに働いている人たちにも言えることですが、自分の居場所になりそうな場所を考えて動いていってもらえたらいいなと思います。就職しても、進学しても、なんとでもなりますよ。ちょっとでも無理だと思ったら、二次障害になって調子が悪くなる前にさっさと辞めてしまったらいいと思います。人生はいろんな選択肢があって、いろんな生き方ができるから、「こうでなくてはいけない」というものはないと伝えたいです。働くこと、進学することがゴールではなくて、生きやすく生きることがゴールだと思うので。自分なりに納得した生き方をすることを、応援したいと思っています。――では最後に、今後の目標を教えてください。難波:理想としては、当事者ファーストの支援ができたらと思います。日々、困っている人たちの最前線で寄り添いながら、講演会や啓発活動、カウンセリングなどの活動をしていきたいです。「ありえへんことが、ありえる」のがこの発達障害じゃないですか。いろいろな当事者さんが社会に出て行って、「別にいいじゃん」「みんな一生懸命生きてるじゃん」「君は君でいいじゃん」と受け入れられて、生きやすく生きることが社会で実現するような流れになったら、僕の出番はなくなるかなあと思います。僕はこんなぐちゃぐちゃした人生ですが、行き着いたところが心理士なので、なんとかやれるところまでやってみたいなと思っています。あとは、いつかテレビに出てみたいですね(笑)。Upload By 姫野桂終始、穏やかな語り口で、時折冗談も交えてお話をしてくれた難波さん。「仕事にやりがいがない」と言われると、「なぜその仕事を続けているの?」と疑問を持つこともあるかと思いますが、難波さんの場合は、やりがいとはまた違う仕事の面白さを感じているとのことでした。このお話からは、難波さんならではの思考と特性が見えた気がします。難波さんの話すとおり、身を守りつつチャレンジしていく精神を、わたしも持っていたいと思ったインタビューでした。取材・文:姫野桂編集:鈴木悠平・佐藤はるか撮影:鈴木江実子LITALICO発達ナビ無料会員は発達障害コラムが読み放題!
2020年12月20日今回も特技が炸裂するレンジャーたち!前回新しい技『愚行権』を習得したレンジャーたち、今回はみんなで海に出かけるようです。レンジャーたち、海へ行く!Upload By 荒木まち子ブラックが意外な特技を発揮!?Upload By 荒木まち子執筆後記当初の設定ではライフガードTシャツを着ていたイエローでしたが、娘に「お母さんは“海回の基本”がわかっていない!!」と注意され、最終的にラッシュガードとなりました(笑)お知らせLINEスタンプがリリースされました!ご家族、ご友人とのコミュニケーションツールの一つとして楽しんでいただければ幸いです。ちびキャラバージョン[カラフルレンジャー【個性派戦隊ヒーロー】]大人バージョン[個性派戦隊カラフルレンジャー イケメンVer]LITALICO発達ナビ無料会員は発達障害コラムが読み放題!
2020年12月19日子どもを勇気づける「親の失敗体験」出典 : こんにちは。『発達障害&グレーゾーン子育てから生まれた楽々かあさんの伝わる! 声かけ変換』他、著者・楽々かあさんこと、大場美鈴です。子どもが落ち込んでいるときや失敗したとき、親はなんて声をかけていいのか、戸惑ってしまうこともありますよね。かける言葉が見当たらないこともあるし、励ますつもりだったのに、なぜか怒らせてしまう結果になったり…。こんなときには、まずは子ども自身の話を否定せずに「うん、うん」「そっか、そっか」と、最後まで聴いてあげるのがいいと思いますが、それでも気持ちを引きずってしまう場合などに、親ができる"とっておきの秘策"があるんです。それは、親自身の「失敗体験」を話してあげること!特に繊細な子や、失敗体験が多くなりがちな子などの場合、話のタイミングやその子の受け止め方によっては、親の立派な武勇伝や学歴自慢、成功体験などは、かえってプレッシャーになることもありますが、親の失敗体験やしくじりエピソード、黒歴史、短所や欠点についての話なら、ほぼ「ハズレ無し」で、どんな子も勇気づけ、元気にすることができると思います(うちの経験上!)。それでは、恥ずかしながら”うちの実例”エピソードを、いくつか紹介しますね。出典 : まずは、不器用すぎて失敗が多くなりがちな長男を始め、うちの3人の子ども達になぜか大人気で、もはや定番ネタと化した「クッキーがおもちになった話」から。大学時代、学園祭で私が所属していたサークルは毎年喫茶店を出店していたのですが、そこで手作りクッキーを手分けしてつくり、飲み物と一緒に添えて出すことになりました。私は、お菓子づくりだけはどうしても苦手で、それまで一度も成功した試しがありません。不安しかありませんでしたが、材料も受け取ってしまったし、仲間達に負担をかけるわけにも行かず、仕方なくつくる羽目に…。とはいえ、クッキーはごく一般的な、生地を伸ばして型抜きしてシートに並べて焼くだけの、誰にでもできる"ハズ"の簡単なモノ。もちろん私は、我流のアレンジなどは一切加えずに、レシピに書いてある通りに素直につくったつもりでした。ところが、オーブンレンジを開けて出てきたのは、見事に一枚につながった謎の物体…。どうしてこうなるのか。時間もなく、仕方なしに「ソレ」を四角く切り分けて持っていくと、「な、なんだコレは!」と、ざわつく仲間達。そのうちの勇気ある1人が試食して一言…「うん、おもちだね」。結局、心優しい仲間達が、「クッキーだと思わなければ、意外と美味しいかも?」「モチモチ新食感だね」等と笑いながら食べてくれ、その後も何度か飲み会でネタにされたりもしましたが、今では学生時代のいい思い出です。こんな母の失敗体験を、何かある度に「ねえねえ、あの、おもちの話、して〜!」と子ども達にワクワク顔で迫られ、読み聞かせのように何度も繰り返し話しました。わが子がこんなに喜んでくれるなら、「あの時、失敗して良かった」とすら思えてきます。出典 : 子どものゲーム依存などを心配されるご家庭も多いかと思います。うちは基本的には「やるべきことさえやっていれば、ゲーム時間に制限はつけない(ただし、夜9時就寝!)」というルールです。それでも、特に好きなことに熱中しやすい長男は、オンラインゲームにのめり込み過ぎて心配になることも…。でも、ここで正論のお説教をするよりも、私のしくじりエピソードを話すほうが、ずっと説得力が出るんです。実は私、ちょうど今のうちの子達の年頃に、「パズルゲーム中毒」のようになってしまい、ちょっとヤバかった時期があるんです。私は元々パズルが大好きで、小学生の頃はジグソーパズルやルービックキューブなどに、健全な範囲で夢中になっていたのですが、思春期のころは、ちょうどファミコンブーム全盛期。そして、「上から落ちてくるT字やL字のブロックをキッチリ積んでいって、I字ブロックで一気に全消しする」という、例の元祖パズルゲームに私はどハマリして、もう本当に一日中、ぼーっとブロックを積んでは消し、積んでは消し…と、ひたすら繰り返していました。当時の私は、悶々と悩み続ける事も多く、自分で思考を止められずにしんどかったのですが、パズルゲームに無心で没頭している時間だけは、パズルに必要な部分以外の脳をオフにして、ほっとできたんですね。でも、その結果、ゲームをやめたくてもやめられない状態に…。それで結局、学校の成績が下がったり、ついゲームに手が伸びてしまって受験勉強に集中できなかったりもして、いろんなところに影響が出てしまいました。…こんな私の実体験を子ども達に切々と語ると、結構真剣に耳を傾けてくれるんです。やっぱり、経験者のリアルな話は重みが違いますからね。当然、こんな自分のダメっぷりをわが子の前で晒せば、親としての威厳なんて簡単に地に堕ちてしまいます。でも、だからこそ、子どもと同じ目線で語る言葉のほうが、難しい年頃の子達の心にも、ちゃんと届くんじゃないかな、なんて思います。まあ、長男は「でもさ、もし、かあちゃんがゲームに浪費した時間を勉強とかに全フリしてたら、人生の分岐ルートも違って、オレ達も生まれてなかったかもよ。だから、今、オレ達がいるのはテ◯リスのおかげ」なんて、言ってくれたりも…。出典 : そして、次男が小学校時代、体調を崩して学校に行けない日が続いていた時に、本当に役に立ったのが私自身の不登校の経験でした。私は、小学3年生のころ、1ヶ月ほどですが、同じように体調不良がきっかけで急に学校に行けなくなったことがあります。だからこそ、本人は「本当は学校行きたい」と言うけれども、どうしても身体が思うように動かないときの気持ちがよーく分かるので、かつて私の母がそうしてくれたように、無理に行かせたり、説得を試みたりはしませんでした。そして、家でテレビをぼーっと見ながら過ごす次男との母子2人の時間に、当時のいろんな思い出話をしました。例えば…「あの頃、かあちゃんはさ、学校って人が多くて疲れちゃったんだよね。いつもザワザワしてるしさ〜、休み時間はちっとも休めないしさ〜」…なんて切り出すと、我慢強い次男も、「そうそう、そうなんだよ」なんて、少しずつ本音や溜め込んだ不満を話してくれたりも。それから、「こういうとき、かあちゃんのかあちゃんがね、忙しい仕事の合間に『何か食べたいものある?』って聞きに来てくれたのが嬉しかったんだよね。で、〇次郎は今、何か食べたいものある?」…と、懐かしい思い出と共に希望を聞くと、嬉しそうにリクエストしたり…と、普段は兄や妹になんとなく遠慮している次男も、時折こっそり私に甘えてくれるようにもなりました。そうしている間に、本当にゆっくり、ゆっくりと、次男の体調は回復していきました。Upload By 楽々かあさんまた、春のコロナ休校が終わり、学校が再開された直後に、朝「行きたくない」と長女の登校しぶりが続いたときも、私の過去の「ズル休みの経験」が活きました。長女は悪知恵を働かせて、朝の検温を愛犬の脇の下で計って、「37.5度」という、なかなか”いい数字”を出して、得意そうに体温計を見せてきましたが、実は、体温の偽装に関しては私もプロなのです(良い子はマネしないでね)。「かあちゃんも小学生のとき、ズル休みしたくてさ〜…」と、当時、水銀体温計で、「心配されて病院に連れて行かれるほどの高熱ではなく、かつ、親が一応念の為、休ませておこうと思えるラインの、ちょうどいい数字」を出すにはどうしたらいいか、あんな方法やこんな方法で試行錯誤したことを話すと、ちょっと尊敬(?)の眼差しを送ってくれました。それから、運動が苦手だった私が「マラソン大会がイヤ過ぎて、毎年前日にお腹を出して寝た」だとか、「運動会が消えてなくなるように、台風の進路に全身全霊で念を送った」だとか、ちょっとカッコ悪い思い出話を気前よく披露すると、苦手な行事を前に沈んでいた子ども達を笑顔にすることもできました。どんなにネガティブな気持ちだって、身近な人に分かってもらえたり、「自分だけじゃない」と思えたりすることで、気がラクになることも結構あるのではないでしょうか。親の失敗体験は財産!出典 : こうして見ると、私は自分の失敗体験やしくじりエピソード、黒歴史…あるいは短所や欠点なども「あってよかった」と、財産のように思えてきます。ちょっとくらい失敗したって、間違ったって、寄り道したって、結構なんとかなるものだし、少々できないことや苦手なことがあっても、ちゃんと大人になれますから。「失敗のお手本」が目の前にあれば、子どもだって思い切って失敗できるハズ。そして、不思議なことに、子どもに自分の失敗体験を話してみると、なんだか親のほうも元気になるんです。それは、「親だって、完璧じゃなくてもいい」「子どもの前で、立派な親であり続ける必要はない」…と思えると、少しだけ”いい親”のプレッシャーから解放されて、肩の荷を降ろすことができるから…なのかもしれませんね。LITALICO発達ナビ無料会員は発達障害コラムが読み放題!大場美鈴(著),『発達障害&グレーゾーン子育てから生まれた 楽々かあさんの伝わる! 声かけ変換』あさ出版, 2020.6.27
2020年12月18日「気になる」と指摘してしまうミミミミは先生に教えられた「きまり」を守ろうとするあまり、「きまりを守れていない」お友達に「マスクちゃんと付けて!」「絵具持って行かなきゃダメなんだよ!」などと、強い口調で指摘してしまうことがあります。Upload By taekoある日の登校班で、私が目を離している間にミミが同じクラスのA君に指摘していました。A君は、指摘されることが嫌だとミミに直接言ってくれました。ミミは動揺したのか、じっと聞いていました。私はそのとき初めて、A君が毎日のようにミミに指摘されていて嫌な気持ちになっていたと気づき、申し訳ない気持ちに。そして、A君がミミに気持ちを伝えてくれたことをありがたく思いました。少し時間を置き、ミミに「『○○はダメだよ!』と言われると、相手が悲しい気持ちになってしまうよ。思ったときは心の中で言おうね」と伝えました。Upload By taeko2ヶ月ほどたった日の朝、登校班の集合場所から5メートルほど離れたうちのマンションの入り口付近にA君が来てくれていました。少し目を離してふと見ると、ミミとA君とママが話している様子に気づきました。ヒヤヒヤしながらどうしたのかと聞くと、ミミがA君に「こっちまで来られるのが嫌だ」という内容のことを言ったとのこと。青ざめる私...。A君のママは以前のこともあり、「ミミ君に嫌な思いをさせてしまうから、登校班を変更してもらいましょうか」と...。ミミはなぜ、「こっちまで来られるのが嫌だ」なんて言うのだろうか。登校班を変更してもらったほうが良いのか。私は悩みました。Upload By taekoスクールカウンセラーさんに相談するとちょうどスクールカウンセラーさんが小学校にいる日だったので、電話してカウンセラーさんに時間をもらいました。電話で状況を説明すると、登校班を変えるのは良いかもしれないとのこと。同じ班でも隣同士から順番を変えて物理的に関わらないようにするのも良い、とのアドバイス。そういう対応もあるのか...。カウンセラーさんに話を聞いてもらい、モヤモヤした気持ちが落ち着きました。数日後は、定期的(2か月毎)に予約しているもう1人のスクールカウンセラーさんとの面談日。直接対面して同じことを相談しました。「集合場所と違う場所に友達がいたことが、予期しないできごとでイヤだったのかもしれない。ミミの特性ならその可能性はあるかもしれない」との意見。そして、同じように「登校班の列の順番を入れ替えることで、距離的に離れられるため気にならないかもしれない」とも教えてもらいました。クラスは同じでも、教室に入ればたくさん子どもたちがいるから大丈夫だそうです。今後、またミミがA君に指摘しそうなときは注意し、列の並び順を変えてもらおうと思います。Upload By taeko相談できる人や頼れる場所の大切さ2人のスクールカウンセラーさんに相談することで、自分の中で納得することができました。相談できる人がいて、支えてもらえることは、とても心づよくありがたいと思った出来事でした。これからも、スクールカウンセラーさんとは定期的に面談し、ミミの学校での様子を聞いたり、気になることを相談したりしたいと思います。相談できる人や頼れる場所は、親にとっても子どもにとっても、多いほうがきっと良いのだと思います。ミミも、10月から放課後等デイサービスに通い始め、学校以外の居場所ができて良かったのかもしれないと改めて思いました。LITALICO発達ナビ無料会員は発達障害コラムが読み放題!
2020年12月17日新発売の3アイテムをご紹介発達ナビとフェリシモCCPがコラボし、暮らしの中の困りごとをサポートする商品づくり第2弾。 アンケート、オンライン座談会、試作、サンプルモニターを重ね、ついに完成しました!発達ナビユーザーに実施した「みんなのアンケート」から「ほしい商品」の声が多かった6アイテムについて、500人以上の方からアンケート回答をいただき、フェリシモのプランナーが企画開発をすすめてきました。アイテムごとのアンケート結果をもとに作った1stサンプルを、「オンライン座談会」で発達ナビユーザーの皆さんに見ていただきながら、詳しいご意見を伺いました。さらに、修正した2ndサンプルを実際にモニターでお子さんに使っていただいて、使い心地を伺いました。何度も修正を重ねて、やっと完成した商品たちです!その中から今回発売する3アイテムをご紹介します。Upload By 発達ナビ編集部・メッシュで見やすいトート&ランドセルインナー・おうちで集中できるデスクパーテーション・かぎをなくさない!本革リール付きキークリップ「ランドセルの中がぐちゃぐちゃ」「忘れ物が多い」を解決!『メッシュで見やすいトート&ランドセルインナー』子どもが学校から帰ってきたら、いつもプリント類が折れ曲がったり、教科書もめくれていたり、なにが入っているかわからないくらいに「ぐちゃぐちゃ」。気づけば底には細かいゴミが溜まっている。とにかく忘れ物が多い。など、お悩みが多いランドセル事情。Q.このランドセル型リュックインナーで、あればうれしい機能はどれですか?多かった3つの回答はこちら。・忘れ物を防ぐ工夫・プリントをきれいなまま持ち帰れるようなポケットの工夫・中身を出し入れしやすい工夫Q.ランドセル以外に、このようなバッグインナーを入れられたら嬉しいバッグの種類はありますか?「トートバッグ」に入れたいという声が多い結果に。そして、完成したのがこちら!Upload By 発達ナビ編集部お悩み解決のための機能1.色分けされたメッシュポケットで、何が入っているかが見える2.アイコンカードで入れるものの定位置がわかる3.持ち手付き収納で中身がすっきり取り出せる4.忘れ物対策のチェックリスト付き透けるメッシュ素材のポケットは、中に何が入っているかが一目瞭然。手を入れて探さなくても、中が見渡せるのが一番の特徴です。視覚優位なお子さんは、「色」と「入れるもの」がつながりやすい場合もあるため、カラーポケットはそれぞれ違う色にしています。イラストが描き込まれた「アイコンカード」と、必要な持ち物をチェックできる「チェックリスト」がセットできるようになっています。上部には持ち手が付いているので、まるごとするっと取り出せて、家に帰ってからの準備がしやすいようになっています。Upload By 発達ナビ編集部インナーバッグを縦型トートバッグに入れると、お財布やポーチ、折りたたみ傘などを縦に入れられて底に溜まらず取り出しやすい収納にできてすっきり。持ち物の指定席が一目瞭然!底だまりも解決です。発達ナビユーザーの声「ランドセルにぴったりサイズで、ちょうど良い」「自立するところがいい」「素材も丈夫そうで安心」「持ち手があり、このバッグだけを取り出せるのが便利で良い」プランナーの声「ランドセルの中がぐちゃぐちゃにならないように、学校から帰ってから翌日の準備をする時間や、忘れ物対策のために持ち物チェックの習慣を身につけるためのサポートにとてもおすすめです。お子さんの使うランドセルにも、大人が使うトートバッグにも使える優秀なトート&ランドセルインナーバッグになりました。親子そろって活躍すること間違いなしです」Upload By 発達ナビ編集部●毎月1回、3種類の中から、1種類ずつお届けします。(全種類届くと、以降はストップします)※1回だけ、1種類だけの購入も可能です。詳しくは「初めての方へ・お買い物ガイド」をご覧ください。周りが目に入ると気が散って勉強できない!に応えた「集中できるデスクパーテーション」リビングでTVや家族のようすが気になる、まわりの目に入るものに気が散って、勉強に集中できない!という困りごとに応えたアイテムです。「ほんと脱線ばかり。宿題に戻すのが一苦労。気持ちがすぐに違うところへ飛ぶ」などのコメントに共感が集まりました。Q.パーテーションのサイズはどのくらいがよいですか?多かったのは、画用紙より大きい高さ40x幅53cmくらい。「TV画面が見えない高さのものがほしい」「中高生になっても使える大きめのサイズがいい」という声も。Q.パーテーションにほしい機能はありますか?「折りたためて収納や持ち歩きしやすい」「プリントやテキストを見やすく挟めるクリップ」が多く、「内側に付属品やポケットがたくさんあると気が散るので、シンプルなものがいい」という声が多かったです。色については、「明るめの無彩色」「気持ちをいやすパステル系」が多く、オンライン座談会でも「白はまぶしすぎるのでNG」の声が聞かれました。Upload By 発達ナビ編集部PCを使う年齢のお子さまやおとなのためにコードが通るくぼみをつくったのですが、「コード用の穴が反対側なので遠く、使いづらかったです」とのご意見で、くぼみの位置を真ん中に変更。そして、完成したのがこちら!Upload By 発達ナビ編集部お悩み解決のための機能1.TVや向かいの人も気にならない→高さ43cm×幅117cm(広げたサイズ)2.必要な機能だけのシンプルなつくり→ドリルがはさめるクリップと、A4&ミニサイズの透明ポケット3.気が散らない色→落ち着いたパステルカラーxグレー4.収納、移動に便利→コンパクトに4つ折りできる素材は紙芯材に、ナイロン(表)とポリエステル(内側)の生地張りで、軽いのに安定した仕様です。クリップは学習ドリルやテキストも挟めるしっかりした仕様。カラーは、水色、ベージュ、グレーの3色で、内側は落ち着いたグレーでまぶしすぎない中間色に。発達ナビユーザーの声「大きめのサイズだから、ちょうど目線から周囲やテレビが見えなくなるのでよかったです」「家族が他のことをしていても集中できそうです」「子どもが集中できたと喜んで使っています」プランナーの声「大人も在宅ワークに集中できて便利との声も聞かれます。社内のノマドワークにも使えそうですね。発達障害フレンドリーな『デスクパーテーション』は、子どもも大人も集中できる空間づくりにぴったりです」Upload By 発達ナビ編集部●毎月1回、3種類の中から、1種類ずつお届けします。(全種類届くと、以降はストップします)※1回だけ、1種類だけの購入も可能です。詳しくは「初めての方へ・お買い物ガイド」をご覧ください。忘れん坊さん必見!かぎの救世主『本革リール付きキークリップ』注意欠如や多動があるお子さんについて、苦労されている「忘れ物」。特に事前に実施したアンケートでは、「忘れ物が多いうえに、忘れ物をした事自体を忘れてしまうので困ってます」「『失くした!』と言って大騒ぎ」「出掛けるときと帰るときに確認できるような物があればいいのに...」などの声がありました。そのなかでも、「なくすものはかぎ!とにかくいろんなかぎをなくします」「どこにかぎを入れたかを忘れる」「そもそもかぎを持っていくのを忘れる」など、大切なかぎの困りごとが多かったです。どんな風にかぎを持ち運びしていたいかについては、「かばんの見えるところに。でも、かぎの形は見えなくてOK」との回答が多数。防犯意識の観点からも、かぎを持っていることがわかりやすくない方がよさそうです。そこで企画したのが、かぎの定位置を決められる「キークリップ」と、手を放してもなくさない「キーリール」が一緒になった『リール付きキークリップ』です。そして、オンライン座談会での声を活かして、本革仕様で実現しました。なかなか苦戦したのが、クリップの種類。簡単に取り付けられるクリップを選んでいたところ、モニターさんからは「取れてしまいそうで不安」という声が。家族が取り付けてあげることを想定して、外れない!ことを優先したクリップを探したところ、サスペンダークリップがぴったり。少し厚みのある生地でも挟めるので安心です。そして、完成したのがこちら!Upload By 発達ナビ編集部お悩み解決のための機能1.かぎを手放しても元の場所に戻る機能2.かぎをどこにしまったか一目でわかる機能3.外から見てかぎを持っているということがわからない見た目見た目にも品のある本革はさまざまなバッグに合わせられるようにと3色展開にしています。かばんをガサゴソすることなく、いつもの場所にあるので安心です。また、ぐーんと伸びて手を放してもくっついてくるリールは、かぎ穴にかぎを刺しっぱなしに...なんてこともありません。発達ナビユーザーの声「金具が外に出ないのが不意に周りのものを傷つけなさそうでいい!」「外から見てもかぎを持っているように見えなくていい!」「本革だから大人も使えそうでいいな」「発売されたら絶対買います!」プランナーの声「便利で毎日愛用しています。かぎは、大人になってもずっと使うものだからこそ、苦手意識を感じずに日々身に着けられるといいですよね。『なくしてしまった!』なんて失敗体験がなくなれば、きっとお子さんもお出かけがさらに楽しくなるのではないでしょうか」Upload By 発達ナビ編集部●毎月1回、3種類の中から、1種類ずつお届けします。(全種類届くと、以降はストップします)※1回だけ、1種類だけの購入も可能です。詳しくは「初めての方へ・お買い物ガイド」をご覧ください。以上が今回新発売する3アイテムのご紹介です。さらに、2019年度に発達ナビ×フェリシモ第1弾のコラボ企画でみなさまの声を元に作った『メッシュリュックインナー』に、大人っぽいカラーが登場。リュック整理に便利なリュックインナーが、リニューアルしました。リュック内をパッと明るくしてくれるメタリックカラーがポイントです。カラーは、大人っぽく使える〈シルバー〉〈ゴールド〉〈メタリックピンク〉の3種類です。Upload By 発達ナビ編集部大きさの違うポケット部分はすべて違うカラーなので、どこに入れたか視覚的にわかりやすい仕様になっています。ポケット素材は透けるメッシュ素材だから、ポケットの中に何が入っているか一目瞭然。さらに、ポケットに指定席のアイコンカードをセットできたり、チェックリストが付いているので忘れ物を防ぐ工夫がされています。Upload By 発達ナビ編集部●毎月1回、3種類の中から、1種類ずつお届けします。(全種類届くと、以降はストップします)※1回だけ、1種類だけの購入も可能です。詳しくは「初めての方へ・お買い物ガイド」をご覧ください。年1月には、さらに3アイテムを発売予定です。お楽しみに!
2020年12月17日凸庵流自分の考えを言語化するポイント出典 : 私はASDとADHDと診断されている30代の男性です。現在とある企業でプログラマとして仕事をしています。職場では自分の考えを相手が理解できるよう伝えられることや、誰かの困りごとに対して具体的な解決方法を提示できることを高く評価してもらっています。私が自分の考えを言語化するときに意識しているポイントは3つあります。1. まず自分が何を感じてどう考えているのか気づくこと2. 自分が感じていることや考えていることに気づけたら、それを自分が納得できるよう言葉にしてみる3. 自分が納得できた言葉を、相手に伝わるような表現にして伝える自分の考えを言語化するためには、相手に伝わる表現にすることも大事ですし難しいポイントにはなりますが、まずは自分が何を感じてどう考えているのか気づくところから始まると思っています。言い方を変えると、自分の気持ちや考えに気づけないとそれを誰かに伝えることができないということです。...なんて偉そうに書いている私ですが、子どものころは自分の考えを誰かに伝えることはまったくできていませんでしたし、その必要性すらよくわかっていませんでした。それどころか「自分が何に対してどう感じていて、何を考えているのか」ということをあまりよく考えていませんでした。みんな私の気持ちがわかってるから自分から誰かに伝える必要なんかないと本気で思っていた子どものころの私出典 : 私が小学生になったころ、周りのひとたちや両親が、いつも自分がやってほしいと思っていたことをやってくれたり、助けてくれたりすることを、とても不思議に思っていました。私が教科書を忘れてオロオロしていたら隣の席のひとが「教科書忘れたの?みせてあげるよ」と言ってくれたり、台所でうろうろしてたら母が「おなかがすいたの?」と聞いてくれたり。いま思えばASDの特性で、私が他者の気持ちを想像できなかったから不思議に思っただけだったのかもしれません。ですが当時の私は、何も言わずとも、やってほしいことや困っていることに周りの人たちが気づいてくれているということが本当に不思議で、一時期本気で「みんなには私の考えが読めるんだろうな」と思っていたことすらありました。そんな当時の私は「周りのひとたちが自分の気持ちを読んでくれるなら、自分の考えを言葉にしなくてもみんなわかってくれるよね」なんてことを考えていました。自分の考えを誰かに伝えなきゃいけないなんて少しも考えていなかったのです。周りのひとはみんな読心術を使えるエスパーだと思っていた私でしたが、小学校4年のころに不登校になったときの出来事をきっかけに、自分の考えはちゃんと伝えなきゃダメなんだと気づくことになります。私が不登校だったのころの詳しいお話は以前記事にさせていただいたので、そちらをご参照いただけますと幸いです。周りのひとも私の気持ちを読むことができなかったんだ…と気づいた母の一言出典 : 不登校のころに母親と言い争っていたとき、私は「母は私の気持ちをわかってるはずなのになんでこんなことをするの?」と思いながら話していました。そのため、話す内容も母親が私の気持ちや考えをわかっている前提になっていたと思います。そんなある日、どんな話をしていたのかは覚えていないのですが、話しをする中で母親から「そんなの言ってくれなきゃわからないよ!」と言われました。私としては「えっ?そうだったの...?」という驚きがあり、しばらく何も言えませんでした。私がエスパーだと思っていたひとたちの中でも特に自分の気持ちを読んでくれていると思っていた母親が、「言ってくれなきゃわからないよ!」と言うなら、他のひとはもっと自分のことがわからないはずだよな...と、このとき初めて自分の気持ちや考えを伝えることの必要性に気づいたのです。そして、少し落ち着いてきていざ自分の気持ちや考えを伝えようと思ったとき、そもそも自分がどう感じているのかがわからないことに気づきました。そのころの私は内省する時間がとても多かったので自分の考えを持つことはできていたのですが、気持ちや感情については「いい感じ」と「嫌だ」くらいしか意識したことがありませんでした。そのため、他者に伝える必要性に気づいてからも、「これはいいんだけどこれは嫌」というような、つたない言葉で自分の気持ちを伝えていたことを覚えています。自分の考えを自分の言葉で話していた思春期の私出典 : 自分の考えは言葉にしないと誰にも伝わらないことに気づいた私は、もう周りの人たちがエスパーだと思ったりはしませんでした。当時の私は、自分が感じたことや考えていることを自分の言葉で率直に話すようになっていました。その際、自分の考えの参考にするために相手の考えも聞きたかったので「あなたはどう思うの?」とよく人に聞いていました。おそらく相手からは「こいつ、よく議論を吹っかけてくるな」と思われていただろうと思います。なんとか自分の考えを相手に話すことができるようにはなったのですが、その後社会人になり、このコミュニケーションの方法でも問題が起こるようになってきます。そのころの出来事も以前記事にしています。自分の考えを言語化できるようになったいまの私出典 : 社会人になりいろいろな失敗をする中で、自分の考えを相手が理解できるように伝える必要があるんだなと気づきました。そのために、いまの私が自分の考えを誰かに伝えるときには、自分がそう考えた背景や理由を相手に伝えるようにしています。先の記事の例でいうと、上司「凸庵くん、これどうやって実装したらいいと思う?」私「○○のようにするのがいいと思います」上司「どうしてそう思ったの?」私「この方法はこういうデータを取り扱うため、この方法だとこういう理由で他の方法と比べて安全ですし、だいたい1週間くらいで実現できるのでこの方法がいいと思いました」のように話すようにしています。相手に察してもらうのではなく、自分の考えをなるべく誤解を与えないよう伝えることが大事なんだなと思っています。自分の気持ちがわからなくなったときには心地いいなと感じることをやってみる!出典 : 実は最近仕事が忙しかったこともあり、子どものころのように自分の気持ちや考えがわからなくなってしまう日々が続いていました。自分の気持ちや考えがわからないと自分の考えを伝えることもできなくなってしまうため、仕事上でもなかなか苦戦する状況が続いていました。そんな中、自分が心地いいなと思う生活をして「あー、いま自分はすごく気分がいいな」と感じていることに気づいたことで、少しずつまた自分の気持ちがわかるようになってきました。少し具体的な話をすると、私はいつも22時以降にお風呂に入っているのですが、ある日たまたま20時より前にお風呂に入った日があり、そのときとても充実感を感じました。「もうこれで寝るだけだ!」と思えて、すごく自由な気持ちになったのです。それからしばらく20時前にお風呂に入る生活をつづけたところ、だんだん自分の他の気持ちにも気づけるようになっていき、こうして記事をかけるくらい自分のことを言語化できるようになりました。まずは自分の気持ちや考えに気づくことがスタート出典 : 私は自分の考えや気持ちを誰かに伝えるときに一番大事なことは、自分の気持ちを誰かに伝えることに意味や価値があるんだと気づくことだと思っています。そしてその次に大事なことは、自分の気持ちや考えに気づくことだと思っています。発達障害当事者の方の中にはこのどちらか片方、もしくは両方とも苦手な方が多いのではないかと感じています。なのでもしかしたら発達障害当事者の周りの方の中にも、当事者の考えや気持ちがわからないと感じている方もいらっしゃるかもしれません。気持ちや考えがわからない当事者の方に対しては、「この本どうだった?」のようにまず率直に聞いてみるのが良いのではないかと思います。そして、当事者の方の回答に「あー、そうだったんだ!○○くんはこういうのが好きなんだね」のように何かリアクションしてあげることが良いのではないかと思います。というのも、子どものころの自分の気持ちになって考えてみると、自分の気持ちや考えを聞いてもらって、その内容にリアクションしてもらうことで「あれ?これって自分が言わなきゃわからなかったのかな?」とか「今度は自分から言ってみよう」と思うきっかけになるかもしれないなと思ったからです。自分の経験がもとになった内容ですが、私の経験が皆さんやお子さんの生活の役に立てば幸いです。LITALICO発達ナビ無料会員は発達障害コラムが読み放題!
2020年12月16日”お子さまプレート”が食べられない子どもだったコウUpload By 丸山さとこ感覚過敏があるためなのか、コウには”絶対に食べられないもの”がいくつかあります。主に、肉・甘味の強いもの・エビなどが駄目なので、冠婚葬祭の席などでお子さまプレートが出てくると『食べられるのはふりかけご飯とポテトか…』という状態になったりしていました。その一方で”一般的に子どもが嫌がるもの”は大体食べられるため、一見すると問題はないように見えたりもしていました。偏食っぽくない偏食?ニンジン・ピーマン・ホウレンソウ・レタス・ブロッコリーなど野菜全般が好きなコウは「偏食あるの?野菜大好きだよね?」「健康的でいいじゃない!」と言われることが多く、『気にしなくて大丈夫』と励まされることもしばしばでした。Upload By 丸山さとこところが、コウの”食べられない”は徹底したもので、多くの人が想像する「お肉が苦手なんだね」という状況とは違っていました。小指の爪ほどの豚コマもそぼろの1かけらも発見する探知能力は「大したものだな…」と関心するほどの精度を誇り、成長期に必要なタンパク質は満たせそうもありませんでした。幸い、卵・チーズ・ヨーグルトは口にできたため、それらの食品をとるとともに、小学生になってからは麦芽飲料やジュニアプロテインをとるようにしていました。Upload By 丸山さとこ実際に栄養を補う効果がどの程度あったのかは分かりませんが、ココア味の飲料はコウにとってもおいしく飲めるものだったので、小学5年生になった現在でも飲み続けています。無理のない範囲で、たまに挑戦しつつ…学校の給食でも「お肉はちょっと食べられなかった…」と言って帰ってくることがほとんどな彼でしたが、4年生のときに小さな転機が訪れました。Upload By 丸山さとこキャンプで炭火焼肉を食べたことをきっかけに、”オーブンやグリルで調理された(一部の)お肉は少し食べられるようになったのです。また、からあげやミートボールやウインナーなどの既製品のおかず(弁当・冷凍食品)も何品か食べるようになってくれたため、疲れた日の食事の用意がぐっと楽になりました!相変わらず「このお店のハンバーグはOK」「この冷凍からあげは食べられない」などの細かい指定があるコウです。その上、ときには「最近これ食べられなくなった…」と”食べられない肉料理”が増えることもあったりするので、今のところはまだ「お肉を克服してよかったね」という感じではありません。Upload By 丸山さとこ「まぁ…肉を”薬食い”と言って食べていた時代の日本人よりは食べているだろう」くらいの長い目(?)で見ながら、今後もコウの食の変遷を見守っていきたいなと思います。LITALICO発達ナビ無料会員は発達障害コラムが読み放題!
2020年12月15日特別支援教室はどうやったら通えるの?長男の友達からの率直な質問にタジタジ…Upload By スガカズ特別支援教室に通うようになってしばらく経った頃、長男の友達(幼馴染)がわが家に遊びに来ました。友達は私に「特別支援教室ってなに?」「どうやったら通えるの?」「何で途中から通い始めたの?」と私に質問しました。突然の質問に私は戸惑ってしまいました。どうやら長男から「特別支援教室でみんなでゲームをしている」と聞いていた様です。Upload By スガカズ私はこの時、「長男は発達障害があるんだよ」と言うべきではないと思ったので、「友達の作り方を勉強する所」「親が通わせたいと思って学校にお願いする」「学校からOKが出たら通える」と伝えました。友達は「ふーん…うちは(親が)通っちゃダメって言いそうだなぁ。」とひと言。友達とは家族ぐるみの付き合いで、両親には、「長男は発達障害なんだ」と伝えているし特別支援教室について理解しています。定型発達であろう友達が「ボクも通いたい!」と思うのも避けたいので「うーん…そうだね。多分ダメって言うだろうね。」としか言えませんでした。Upload By スガカズ後々考えると、友達が疑問に思うのは当然だと思いました。今まで通っていなかったのに急にクラスメイトとは違う授業に参加する様になったのですから。長男は小2から療育センターに通っていますが、行動や興味に偏りがあります。そのため私は「何で病院に通っているのか」「何でお薬を飲んでいるのか」などの質問を長男からされた事はありません。興味のない事は聞いてこない事が多かったのもあり、小5まで障害告知をしませんでした。ですが、友達からの質問を聞いて、「そろそろ自分の障害について知る時期が来たんだな」と思いました。とは言え、障害告知をする事で「本人が落ち込むかもしれない」「(周囲へ)情報が独り歩きするかもしれない」などの不安があった為、言うタイミングや上手な伝え方について悩みました。障害告知をする日は突然にUpload By スガカズそんなある日、長男が本棚から、かなしろにゃんこ。さんの漫画(うちの子はADHD)を見つけて読んでいました。話すならこのタイミングしかありません!何しろタイミングを間違えるとうまく伝えられない可能性があるのです。Upload By スガカズUpload By スガカズUpload By スガカズ長男は数字や絵を交えて説明すると理解しやすいため、過去に受けたWISC-IVの結果を見せて説明することに。「この凸凹してるのはIQと言って、長男の脳がもっているチカラを表しているよ。」「山ができているのは能力が高いって意味だよ。だけどその分できない事もハッキリしているし、苦労する事も多いよ。」「谷ができている(IQが低い)ところを頑張ることも大事だけど、得意な事を伸ばすと谷(苦手)をカバーできる場合もあるよ」など、出来るだけ本人が理解できそうな言葉で説明しました。Upload By スガカズ説明を聞いた長男は、目をキラキラ輝かせて「工作をやっちゃうのはADHDだからだったのか!」と言っていました。「え?そんな喜ぶことだったのか!」と私は面食らいました。「本人が落ち込むかもしれない」と心配していましたが、単純というか幼いと言うか…。とにかく自分の行動の理由が分かったことに非常にスッキリした様子でした。落ち込む事もなく案外すんなり(というか嬉しそう)障害告知できました。これで一件落着…と思いきや…!クラスメイト全員の前で、「自分の障害」について公表…?ひと安心…もつかの間、クラスメイトのママ(以前デイジー教科書を教えてくれた友達)から後日思いも寄らない話が…。どうやら長男がクラスメイトの皆の前で、自分の障害を公表した様なのです。これには驚きました。さて、どんな状況だったのか、次回のお話で説明しようかと思います。LITALICO発達ナビ無料会員は発達障害コラムが読み放題!
2020年12月13日学びながら社会と繋がり、社会に価値を提供できる人材を育成する小学校に中学校、高校、そして大学。私たちは随分と長い時間を学校で勉強に費やします。しかし、「学校での勉強が今の仕事でどれくらい役立っていますか?」...と聞かれたら、回答につまってしまうという人も多いのではないでしょうか。在学中から社会で活躍できる力を育み、繋がる機会も豊富にある――社会に価値を提供できる人材を育てるために開校した「バンタンテックフォードアカデミー」は、6,000人もの在校生を抱えるバンタングループが新しく設立したIT・プログラミング・情報処理を学ぶ企業法人の専門スクールです。Upload By 発達ナビ編集部このスクールは、学校と社会の垣根を取り払い、校則もありません。授業はオンラインでもオフラインでも受けられる。定期テストもない。遅刻や欠席数にも縛られない。「さまざまな規則で縛ろうとするから合わない生徒が出てきてしまう。環境を整えれば、どんな人にも開かれた場になる」と、同校スクール運営チーフの渡辺氏は言います。今までになかった学校の形をとる、バンタンテックフォードアカデミー。その大きな特徴をまとめてみましょう。1つめが“毎日が社会と連携した「プロジェクト型授業」”。既存の学校のような知識詰め込み型ではなく、企業や地方自治体の課題解決などのプロジェクトを通して、コミュニケーション力や企画・マーケティング力を身につけることができます。2つめが“確実に身につけられる「独自のIT教育」”。企業の新人研修をベースにつくられたカリキュラムの内容は、プログラミングの基礎技術から、webデザイン、スマホアプリ、サーバーなどの最先端のプログラミング技術まで。それぞれのニーズやペースにあわせて学習が可能です。3つめが“最先端のITを学ぶ「CEO/CTO特別授業」”。さまざまな業界のトップから直接最先端のIT活用を学び、ビジネス企画のための発想力などを身につけます。また、さまざまな業界のトップの話を聞くことで、将来の目標を見つけることができるというメリットも。既存の学校にはない、さまざまな特色を持つバンタンテックフォードアカデミーには、中学校を卒業した生徒が通う高等部と高校を卒業した生徒が通う専門部があり、全体で89名の生徒が在籍しています。既存の学校とは違う自由な学校生活。それは学ぶ人を選ばないということバンタンテックフォードアカデミーの強みや生徒への想いなどを、同校スクール運営チーフの渡辺敦司さんにお聞きしました。Upload By 発達ナビ編集部<渡辺敦司さん>大学を卒業後、穀物の国際貿易に9年間携わり、アメリカ駐在経験もあります。アメリカでITの大切さを感じ、独学でプログラミングを習得。教育分野に適性を感じ、IT×教育の分野に参入。既存の学校に問題意識を持っていたことも参入の理由のひとつ――渡辺さん自身はなぜ教育業界に参入されたのですか?渡辺さん:そもそも私自身、既存の学校や教育に大きな疑問を感じていました。私自身の経験ですが小学校、中学校、高校、そして大学と長い時間勉強をしてきたのに、社会に出たときに役立つスキルが身についていないと気づいたんです。そのときに感じた問題意識がそもそもの始まりだったように思います。――このスクールの一番の特徴はどんなところでしょうか?渡辺さん:当校は“世界で一番、社会に近いスクールを創る”というビジョンを掲げているのですが、その言葉の通り、学校と社会の垣根を取り払っています。インターンや業務委託などで、すでに社会と繋がっている生徒もたくさんいますし、会社からの報酬を得ている生徒もいます。一番の特徴は、スクールのなかだけではなく、社会のなかで学び成長する機会を提供しているところです。――高等部の生徒もインターンなどに行くのでしょうか?はい、すでに行っている生徒もいます。また、高等部・専門部という名称はあるものの、授業は高等部も専門部も一緒に行っています。これも社会の環境を意識しているから。仕事をするうえでは、いろんな年齢の人が協働していますよね。だとしたら、スクールも年齢にこだわらずにクラスをつくったほうが良いと考えました。――どのような生徒が在籍しているのでしょうか?渡辺さん:入学当初はエンジニアを目指しているという生徒が多いですね。ですが、エンジニアは向き不向きがありますし、入学して学んでみた後に「これは違うかもしれない」と気づく生徒もいるんです。その場合も、他の分野で活躍できるようなサポートをしています。営業職のインターンをしている生徒もいます。これまではIT業界と呼ばれていましたが、今後ITはすべての業界にまたがる技術になっていくでしょう。ITスキルは、どんな業界であれ自分が望む働き方をするための強みになるはずです。――生徒にはどのように成長していってほしいですか?渡辺さん:これからの時代は、既存のレールに乗っているだけでは生き残れないと思っています。自分のスキルを身につけて、それをどうやって社会への価値にするのか。生徒がそういったことを自分で考えて行動できる人になれるように、私たちも全力でサポートしたいです。Upload By 発達ナビ編集部――自由に学べるスクールだともお聞きしました。渡辺さん:はい。校則もありません。人に迷惑をかけなければ何をやっても良いと考えています。既存の学校は校内やクラス内での相対評価ですが、当校では、社会にどのような価値を与えているかを大切にしています。具体的にいうとインターン先の評価や実際のプロジェクトでどのような働きをしたかです。また授業もオフラインとオンライン両方で行っていて、自分で好きな方を選ぶことができるんです。生徒は「今日は体調が良くないからオンラインにしよう」などうまく使っていますよ。――既存の学校とは何もかもが違いますね。渡辺さん:既存の学校には馴染まなかったという生徒も少なくありません。でも、決してコミュニケーション能力がないとか、いじめを受けていたというわけではないんです。こだわりがあったり、特性のある生徒もいるとは思います。でも、当校の自由ですべてを自分で選び、スタッフや講師が相対評価をしない環境だと、どの生徒もみんな馴染んでいるように見えます。自由だからこそ、学ぶ人を選ばないということを実現できているのかもしれません。渡辺さんは生徒ともフランクに接していました。ときには生徒とビジネスやITについて熱く語り合うこともあるといいます。生徒とスタッフの距離が近いところもバンタンテックフォードアカデミーの大きな特徴のひとつ。さまざまな現場で経験を重ねてきたスタッフとの語らいは、生徒にとって大きな学びとなりそうです。ITに関わる授業はもちろん、さまざまな視点や社会的教養を身につけられる授業も取材では、吉田理穂講師による「アートシンキング」という授業を2コマ見学させていただきました。アートシンキングは、自分なりの視点を増やすことや、社会的教養を身につけることを目的とした授業なのだそう。どの授業もオンライン・オフライン両方で行われているため、この日も教室で授業を受ける生徒、オンラインで授業を受けている生徒が混在していました。Upload By 発達ナビ編集部1コマ目の授業は、福祉とITのコラボレーションについての講義。吉田講師が自身の働いた経験を元に話しをしたり、日本と海外の対比をしたりとさまざまな視点から福祉について語っていたことが印象的でした。2コマ目の授業では、短編映画製作に向けての準備が進行。各自が監督、脚本家、役者...など、やりたい役割を挙げ、それをもとにグルーピングを行っていきます。これから先6回ほどの授業とその他の時間を使って短編映画の製作を進めていくそうです。Upload By 発達ナビ編集部授業は講師が一方的に話すのではなく、対話形式で進んでいきます。授業のなかでは「今はどんな時代か?」という疑問が講師から投げかけられ、生徒が答える時間がありました。Upload By 発達ナビ編集部「夢で溢れている」「スキルをつければ評価してもらえる」「やろうと思えばなんでもできる」など、ポジティブな意見が多数。生徒の未来を切り開くパワーを感じることができました。Upload By 発達ナビ編集部また、授業の投影スライドはslackで共有、グループ分けなどもオンラインツールを活用して行われており、生徒は筆記用具を持たず、パソコンを駆使しているのも印象的でした。生徒にもリスペクトを。いつか一緒に働く仲間になる可能性もあるのだから授業の終了後、講師の吉田氏にもお話を聞きました。Upload By 発達ナビ編集部<吉田理穂講師>大学で芸術を学び、卒業後は出版社や広告代理店勤務。その後IT業界に参入。昨年はイタリアやスイスを訪れ、アーティストや技術者を取り巻く社会について考える機会を持った。――アートシンキングという授業を通じて生徒に伝えたいことはどんなことですか?吉田講師:私自身、現在も開発会社で働いているのですが、エンジニアと接していると社会課題に対する知識が不足していると感じることがあります。生徒には世の中のことを知ったうえで、自分はどう振る舞うのか、あるいはどのように表現するのかを考えられるようになってほしいと思っています。教養や課題意識がベースにあって、そのうえにITのスキルや知識を積み重ねて社会で活躍してほしいですね。――生徒と接して感じることはありますか?吉田講師:“一歩踏み出している生徒”が多いと感じています。自分の道を15歳で決めて、地方から東京に出てきて一人暮らしをしている生徒もいます。自分が中学・高校に通っていた頃はここの生徒のような生徒はいなかったですね。生徒たちはみんな熱い思いを持っているのでそれに応えたいと思います。Upload By 発達ナビ編集部――授業で心がけていることはどんなことでしょうか。吉田講師:自分は中高一貫の進学校で学んでいたのですが、学生だった頃を思い出すと、先生や講師に自分の思いなどを話すことはあまりありませんでした。でも、もっと話す機会があれば良かったなと思うので、生徒との対話はとても大切にしています。私の授業自体は週一回ですが、slackなどオンラインで対話の時間を設けることもあるんです。授業はきっかけであって、授業以外の対話も同様に大切に思っています。――生徒と関わるうえでの今後の抱負をお願いします。吉田講師:みんなきっとIT領域に近いところで働くのだろうなと思います。将来一緒に仕事をするかもしれないですよね。講師と生徒というよりも、後輩を育成するようなつもりで生徒と関わっていきたいです。職場でもそうですが、一緒に働く仲間とは互いにリスペクトしあっています。それと同じように生徒に対してもリスペクトを持って成長を後押ししていきたいです。決して一方的ではない、対話形式授業を進めていた吉田講師の「アートシンキング」。授業中だけではなく、常日頃から生徒との対話を大切にすることで、生徒はさまざまな視点を増やし、社会で活躍するスキルの土台を培っているようでした。これからは一般的なレールに乗れなかった人や、既存の学校に馴染めなかった人たちが活躍する時代最後にお話を伺ったのは、高等部の出島璃空(りく)さん、専門部の上野杏奈(あんな)さんです。――このスクールを選んだ理由を教えてください。出島さん:普通の高校に進学することも考えて受験勉強をしていました。いろいろな学校を見たり、自分のやりたいことを考え始めたときにITと出会ったんです。しっかりとしたスキルを持てればフリーランスやノマドワーカーなど、自由な働き方ができるんじゃないかと思いました。いろいろな企業とも繋がれることに魅力を感じて、バンタンテックフォードアカデミーを選びました。上野さん:私には発達障害者の方の支援をしたいという夢があります。私自身、感覚の過敏さがあったりと、生活の上で大変だと感じる場面があります。特性がある人たちのために何かできることはないか、コミュニケーションが得意でない私でも役立てることはないか――そう考えた時、ITスキルを身につけることが近道になるのではないかと思い至ったのです。Upload By 発達ナビ編集部Upload By 発達ナビ編集部――このスクールで成長したのはどんなところですか?出島さん:プログラミングの話を友達とできるようになったことです。また文化祭ではサイト製作の責任者を任され、責任感がついたと思います。上野さん:プログラミング技術の向上はもちろんなのですが、自分を客観的に見られるようになったことも大きいです。まわりとのディスカッションで授業が進むことも多いので、考えを発言するために自分を見つめ直したりする機会が多かったからだと思います。「アートシンキング」の授業では社会のなかのいろいろな考え方を学んでいるので、自分自身に対する考え方も変わりました。――今後の目標を教えてください。出島さん:インターンでもまだ即戦力にはなれていないので、1日も早く即戦力になれるように頑張って、実績をたくさんつくりたいです。いろいろな企業でインターンをしたり、たくさんの業界の人と出会いながら、自分のやりたいことを定めていければいいなと思っています。Upload By 発達ナビ編集部上野さん:どこに行っても通用する技術を身につけたいです。今考えている企画もあるので、それを成功させたいとも考えています。卒業後は就職しようと思っているので、その段階で「ぜひ来てほしい」と言われるような人材になることが在学中の大きな目標です。発達障害の方が生きやすい社会をつくるというのが一番の夢なので、それを叶えるためにも道なき道を進んで新しい挑戦をしていきたいです。Upload By 発達ナビ編集部バンタンテックフォードアカデミーは、“世界で一番、社会に近いスクールを創る”という言葉の通り、既存の学校とは全く違う、新しい可能性を秘めた学校でした。「自由だからこそ、学ぶ人を選ばない」というスクール運営チーフ・渡辺さんの言葉が多くのことを物語っているように思います。渡辺さんの言葉にはこんな続きがありました。「これからは企業の終身雇用などもなくなり、新しい働き方が主流になります。これまでの一般的なレールがなくなるわけですから、そこに乗れなかった特性のある人たちや既存の学校に馴染めなかった人たちが活躍できる時代がくるということなのではないでしょうか」バンタンテックフォードアカデミーのスタッフの皆さん、そして生徒の皆さんはどんな未来を描くのでしょうか。今後の活躍が楽しみです。
2020年12月12日多動の始まり...?多動を伴う発達障害、自閉症スペクトラム(知的障害あり)と診断されているハルは、とにかく興味先行型で、一瞬の隙をついて消える迷子名人!では、幼少期のハルは、どうだったかというと...?我が家に初めてうまれた赤ちゃん、ハル。両親にとっては初孫でした。数々の感動をもたらし、そして...数々の驚きをもたらしてくれました...(フラグです)。Upload By bethとにかくぽや~っとしていて、それなりには泣くけれど、そんなに手を焼かず...親孝行な赤ちゃんだねぇ~なんて言われておりました...。たまーに笑ったり、でも反応はワンテンポ遅くて、マイペースね~みたいな。みんなを癒してくれました。このころの育児はわりと、ただただ平和だった気がします。産後メンタルの乱高下に振り回されていつも体調が悪かった私をよそに、ハルはやはりぽや~っとしておりました。なんだか可愛すぎて泣けたりもしました。ちなみに私は3姉妹なのですが、2番目の姉がとくに、ハルが生まれる前からとても楽しみにしてくれていました。芸大出身の次姉は、テンションの行き先がぶっとんでいるので、楽しみすぎて私の出産前に自主映画を撮り、ハルが生まれてからは「ハルちゃんのために社会をよくする活動をしたい」と、なんと会社を起こして社長に就任しました。笑特定を避けるため詳しくは割愛しますが、とにかくハルを可愛がってくれる家族のテンションには爆笑しながら感謝しました。Upload By beth毎日もりもり食べて育ったハル。生後4ヵ月になったばかりのころ、数日間うなっていましたが、気づいたら寝返りをマスターしていました。周りの誰もが、はやっっっと言いました。第一子なのでよく分からなかったのですが、へー早いの?くらいに思っていました。今思い返せば、ここからだんだん...多動へのカウントダウンが始まったのでした...(フラグ)。Upload By bethずりばいができるようになったのはそれからすぐ。そこから速攻でハイハイできるようになり近所の児童館では月齢を言うたび驚かれました。おそらくハルの中で(じぶんの意思で進める...)という大革命が起き、毎日脳内ビックバン状態だったと思います。目標の興味のものが見つかったときは制止の声はいっさい耳に入らず突撃。このあたりからだんだん『寝ない子』になっていきました。当時は和室ぐらしだったので興味あるものに、突進してはなぎ倒し、突進してはお茶をこぼし、突進しては玄関の段差に落ちそうになり...ついには生後半年より前に階段を数段よじ登ったため、早い段階でベビーサークルを設置しました。生後6ヶ月でつかまり立ち、7ヶ月の時に立つことができ、9ヶ月で歩きました。感動して大歓声。家族中に報告しました。ですが、ひとときも大人しく座っていることなく縦横無尽に部屋のものをひっくり返すハルと四六時中一緒にいた私は、このころにはもう毎日瀕死で、もうすこしハイハイでいてほしかった...!!!と思ってしまったほどです。成長したわが子にそんなこと思うなんて。まあ無理もなかったのでした。ほんとうに、危険回避で1日が終わりました。コップを倒されるくらいじゃまったく動じなくなりました。座ってその場にあるおもちゃで遊ぶ、なんて場面はめったになく...児童館へ行ったときには本当にびっくりしたものです。えっっっっ!同じくらいの子どもって、座ってママとあそぶの!!!???ハルは児童館内ではトイレが気になり事務所が気になりスタッフルームも気になり、開いていれば入りました。遊ぶための場所で、おもちゃで遊ぶことはなかったです。目標物に向かうときには、高速ハイハイでした。児童館は何部屋もあったので、私は座っていたらすぐ見失います。なので、ママさんと知り合ってゆっくり話す、なんていうことは別世界の話だった気がします。Upload By bethベビーソファに座らせても器用に抜け出し、親子トイレで私が用を足している間にトイレ内のベビーチェアから抜け出し。食事中はベルトを抜けて子ども椅子から抜け出し...ベビーカーも抜け出し...。『縄抜けのおハル』『引田〇功』との通り名がつきました。うちの子は歩かなくて...という心配するお母さんもよく見たので、早く歩きすぎる悩みはなかなか打ち明けづらい雰囲気がありました。Upload By bethUpload By bethと、ここまでの話は今思えば...可愛いほうでした。ほどなくして、お外の世界が大好きなハルは、なんと...。家まで抜け出すようになるとは、思いもしなかったのでした...。Upload By bethLITALICO発達ナビ無料会員は発達障害コラムが読み放題!
2020年12月11日かんしゃく特集!Upload By 荒木まち子小さい時のパニックやかんしゃく、娘もあるあるでした娘が初めて飛行機に乗ったのは2才のときです。目的地に着くまで娘は機内でずっと泣きっぱなしでした。隣の席の人に迷惑がかかると思い、シートベルト着用サインが消えている間、私は人がいない一番後ろの通路わきのスペースに立って大泣きし続ける娘を抱っこしていました。(地獄のような2時間でした。)2度目の搭乗のときには、当時の娘のブームだったシールブックと大量のシールを用意しました。途中でシールブックの貼るスペースがなくなってしまいましたが、飲み物の紙コップに貼ったりしてやりすごし、最後まで座席に座っていられました。その後、帰省等で母子2人で飛行機に乗るときは事前予約はあえてせず、空いている時期、時間帯を狙って空港に行き、その場でチケットを買うなどして“娘のタイミング(機嫌)に合わせた移動”をするようにしました。また、可能な限り座席(当然エコノミー)に個別のモニターが付いている機種(航空会社)を選び、機内では子ども向け番組を視聴させました。そうしているうちに娘は飛行機が好きになっていきました。小さなころには避けて通れない予防接種も、娘は大の苦手でした。注射を目の前に大泣きし、医師から「こんな状態では注射はできません。お帰りください」と言われたことも...切ない思い出です。耳鼻科では、毎度汗だくで羽交い絞めにしてなんとか治療を受けていました。歩けるようになった後も私は娘をよくベビーカーに乗せて買い物をしていました。娘は大柄な子だったので、漫画『光とともに』の表紙のような状態でした。また買い物中に飽きて騒いだりしないように、お口の中で長い間楽しめる「酢コンブ」をよくしゃぶらせていました(健康的!)飲食禁止のバスや電車では手作り絵本で時間を潰しました。今はスマホで絵本や動画などが見られて便利ですね。一番困っていたのは...当時のかんしゃく中で私が一番困っていたのは娘が『順番待ち』ができないことでした。公園での遊具の順番待ちや児童館などでのおもちゃの貸し借りのときに娘はしょっちゅうかんしゃくを起こしていました。それを裏付ける記録が幾つか残っています。「じゅんばん!じゅんばん!」が娘の口癖⁉療育センターでの親子グループ療育のプログラム修了後から小学校に入学するまでの間、娘は療育センターから紹介された大学の研究室で親子分離の療育と親同伴のグループセッションを受けていました。当時私は“療育”という言葉を知らなかったのでそこを「子育ての悩みを相談できる場所」「親子で楽しく体を動かせる場所」として利用していました。幼稚園入園前の母子分離プログラムの時の様子を研究室の先生はこのように記しています。“のりちゃんは友達におもちゃを貸して欲しいときに「じゅんばん!じゅんばん!」と言います。これはお母さんがのりちゃんに「順番ね」という言葉を頻繁に使っているためと思われます。”確かに娘は小さいころ「じゅんばん!じゅんばん!」とよく言っていました。でもその言い方では相手に“物を貸してほしい”とか“順番を変わってほしい”という気持ちは伝わりません。当時の私は娘に“順番を守ること”を教えるのに必死だったのでしょう。しかし娘には“周りに自分の意思や気持ちを伝える方法”をもっと具体的に教えることが必要だったのです。「こういう時は『貸して』とか『代わって』って言うんだよ」と。3年の歳月をかけて幼稚園在園中に通っていた月2回の親同伴のグループセッション時に、先生方とのやり取り(振り返り)で使用していた連絡帳にも『順番』にまつわる記録が残っています。【連絡帳やり取り(抜粋)】<年少の5月某日>親より―サーキットの時の順番待ちの間、つねられたりTシャツを引っ張られたりして困りました。先生より―待ち時間の過ごし方も工夫していけると良いですね。<年少の6月某日>親より―順番待ちがやはり問題。音楽に合わせて歌を歌ってごまかしてみましたが、Tシャツが引っ張られてノビノビになってしまいました。A先生より―待つこと、見ることは少しずつ声掛けをしたり共感をしたりして慣れて行ってください。B先生より―待つのにお母様がいろいろと苦労し、工夫されているのを感じました。経験していきましょうね。<年少の6月某日>親より―久しぶりに大暴れでした。まさかここまで暴れるとは。泣くだけでなく「~しない!」「~いや!」と言えるだけ進歩でしょうか?途中で帰りたくなりました。でも本人は「帰らない!」と言っていました。疲れました。こんな日もあるんですね...。他のお子さんにも迷惑を掛けてしまいました。次回からもこんなだったらどうしよう。A先生より―タイミングと気分の問題だと思います。お母様はお疲れだったと思いますがこういう経験(気分を戻して乗り越える)も大切なのでこれからも頑張ってください。B先生より―お母様は大変ですけれど、ある意味みんなに絶対見てもらえるという場での発散(ガス抜き?)だったんでしょうね。C先生より―これからもいろいろな所でこのようなことは起こると思います。大変ですがやっていきましょう!<年少の7月某日>親より―待ち時間、ひたすらお友達の名前や様子を実況中継して何とかやり過ごしました。A先生より―待ち時間も色んな工夫で待てるのはすごい!べたべた甘えん坊の時間になっても良いので色々な方法を見つけてください。B先生より―待ち時間の工夫ありがとうございます。技術も大切ですがお母様と楽しくすることを大切にしたいと思いますので、少しの間は膝の上でも結構です。C先生より―前回のことがあるのでお母様が全力でお子さんに関わっていられる様子が良く分かりました。ご苦労様です。<年少の7月某日>親より―待ち時間、何度もトイレに入ったり、おもちゃで遊んだり「疲れた。休憩」と言って立ち歩いたり、どうしたら時間を潰せるか“本人なりに”考えたようです。A先生より―待ち時間はのりちゃんにとってもお母様にとっても課題ですね。一度うろうろすることを許すと次に止めることが難しくなります。なるべく椅子に座るかお母様の膝の上で過ごせると良いのですが…がんばってみましょう。B先生より―待つこと、見ることは難しい課題ですが、親子で気兼ねなくその課題に取り組むことができる場ですのでゆっくりトライしてください。継続は力なりです。1回ずつのお母様の努力は必ず実を結びます。C先生より―待つことと自分がすることと大きく違いますが、少しずつ待ち方を工夫していってください。生活の中のいろいろな場面に繋がっていきます<年少の9月某日>親より―最近イヤイヤが治まっているせいか、順番待ちが上手にできました。A先生より―かなり上手に座っていることができました。いっぱい褒めてあげてくださいね。B先生より―椅子に座っていなくても「名前を呼ぶよ」と言うと椅子に戻れました。落ち着いていたように思います。C先生より―順番待ち拍手ですね!<年中の5月某日>親より―何でも自分でやりたい時期らしいです。できた時の達成感を知ったようです。A先生より―すっかりおねえちゃんになりましたね。できたことの達成感を味わえることもすごいことだと思います。できた時に一緒に喜び合いたくさん褒めてあげてください。B先生より―達成感を知ったというのは素晴らしいですね。できた!という思いとお母さんに褒められる喜びと両方で本人の自信につながっていると思います。私一人では無理だった娘はこのグループセッションに3年間通いました。年長になるころにはすっかり慣れて「次は何日?」と私に聞くほど楽しんでいました。徐々に『順番待ち』を学んだ娘。でも実のところ『娘が“待つこと”を学んだ』というより、療育を通じてプロの先生方に見守られ、励まされながら『親が子どもへの接し方を学んだ』というほうが正しいかもしれません。私一人ではうまくやっていけなかったと思います。療育は子どもに無理やり何かの技能を身につけさせたり、大人にとって都合の良いおりこうさんにしたりするためのものではありません。それは私が通っていたこグループセッションの『目標』をみても明らかです。〇子どもと一緒に体を動かす楽しさを感じる〇子どもの苦手なことをどう対処するか考える〇お互いの子どもの成長も喜び合うお子さんの日々の困りごとや子育ての苦労を少しでも減らすためにも保護者には身近な相談先を見つけ、どんどんプロを頼って欲しいと思っています。LITALICO発達ナビ無料会員は発達障害コラムが読み放題!
2020年12月10日小学4年生…思春期真っただ中?広汎性発達障害の娘は、9歳(小学4年生)。4年生になってからは、思春期だと感じることが増えました。返事をしなかったり…不機嫌な表情をしたり…。Upload By SAKURA私にも身に覚えがあることだったので、その態度に込められた感情は、なんとなくわかりました。娘は、やることが多い状況も苦手なため、スケジュールが立て込んでいるときは、疲れているのだと理解していました。Upload By SAKURA少し距離をとることもしてみましたが、まだまだ声かけなしでは、動けない娘の特性上、どうしても、最低限の声かけは必要。私はいろいろ考えすぎてしまったことで、娘に声かけや注意をするときに、どういうふうに言えばいいかや、距離感に迷うようになっていきました。いってらっしゃいの声かけに、無反応。そんな迷い迷いの日々を送っていた、ある朝のことです。私はいつものように娘を学校に送って行き、見送るときに「いってらっしゃい」と声をかけました。Upload By SAKURAしかし、娘は無言のまま学校の門へ入っていきました。いつもなら、「いってきます」という言葉が返ってきていたのに…。私の声が、聞こえなかったのかな?私はその場で娘に声をかけることはせず、そのまま見送りました。Upload By SAKURA「いってきますは?」と言いたいけれど…その翌日、学校へ送ったとき、私は昨日より大きな声で、顔をのぞき込むように「いってらっしゃい」と言いました。私は娘としっかり目が合ったと思ったのですが…Upload By SAKURA娘は何も言わず、また門へと入っていきました。「いってきます」が返せないぐらい疲れている…?何か不安がある…?これも思春期だから?言葉を返さなかった娘がどういう感情なのか気になりましたが、娘と揉めるのが嫌だったので、何も聞くことができませんでした。娘のためにならない?夫の言葉で、気がついたこと。その日の夜。子どもたちが寝た後、夫に昨日と今日の娘の様子を話しました。Upload By SAKURA私は娘と朝からぶつからないように自分なりに気をつかったと思っていたのですが、夫の言葉から、結果的には娘が損してしまうと気がつきました。Upload By SAKURA娘には、聞こえていなかった!翌日、私は朝、家を出るときに、娘に話をしました。Upload By SAKURAなんと、娘は私の「いってらっしゃい」が、聞こえていないようでした。おそらく、娘に直接聞かなかったらわからなかったでしょう。「そうか、なるほど!わかった!」と言って、私はそのまま車に乗り込みました。車の中で、私にはある考えが浮かんでいました。言う前に予告してみたら…学校へ着き、いつも通り、門の前に来たとき…Upload By SAKURA娘は、元気に門へ入っていきました。私は朝の会話から、このまま私が「いってらっしゃい」と言っても、また聞こえず、『いってきます』は返ってこないかもしれない…と思いました。もし『いってきます』が返ってこなかったとき、「今、ママ…いってきますって言ったんだけど…」と言っても、娘は『いってきます』を言わなかった自分を確認できません。Upload By SAKURAいってらっしゃいを言う前に、「今から言うよ」と予告をした方が、意識は向くし、娘にとっては成功体験になります。その方が翌日からのやりとりにいい影響を与えると思ったのです。親として、言わなければいけないこと。それから、朝の「いってらっしゃい」に娘は100%返してくれるようになりました。いろいろ考えて「言わないほうがいいかな…」と気づかったことでも、親としては言わなければいけないこともあります。もちろん、なんでもかんでも指摘してしまっては娘も疲れてしまいますが、娘の将来にとって、とても大事なこともあります。思春期真っただ中である娘の状況を考えつつ、言い方を考えて上手く伝えなければならないな~と、改めて考えさせられました。LITALICO発達ナビ無料会員は発達障害コラムが読み放題!
2020年12月09日家事に子育てに自分の仕事に、頭がパンク寸前だったUpload By かなしろにゃんこ。発達障害がある子どもを持つと、危険な遊びをする子どもを見張ることや、宿題をなかなかやらない子を促すこと、しつこさの特性から就寝前の本読みが1冊で終わらないことなど...何かと子育てに時間をとられてしまいます。中でも明日の学校の準備を促して子どもと一緒に準備をするときは苦痛です。ダラダラとヤル気のない子を励ましながら教科書やノートを選ぶのを見守るのはハッキリ言って憂鬱な時間です。夕飯の片づけをしなくちゃ、学校から持ち帰ったお知らせを確認しなくちゃと親はやることがいっぱいで頭の中がゴチャゴチャ。パンク寸前なんてこともしょっちゅう。夜になってから「図工で牛乳パック使う」と息子に言われたときなんか、「前日に言われても困る~」と慌てて牛乳を買いに行き…そんな急な用事も度々発生します。仕事をしていたので、急ぎの仕事に対応する日は深夜2時に寝るなんてことが続き、完全に寝不足で精神状態も不安定になっていきました。忙しいときに限って、問題は起こるのです...Upload By かなしろにゃんこ。日々の疲れで体調がボロボロなときに限って、学校で息子のケンカ問題が発生。担任の先生との面談などもあり、今後の息子の育て方、指導方針をどうするか悩み、心に張った糸がブツン!と切れて「もうイヤ――――!!!消えてしまいたい!!!」と思うことがありました。そんな状態のときは、学校でイヤなことがあった息子のグチを受け止めることも励ますこともできなくなってしまいます。「お母さん忙しいからグチばかり言わないで!」とか「自分でもどうしたらいいか考えてみようよ」と子どものSOSにキツク返してしまったり無理を言ってしまったりします。こうなると親子関係はギクシャクしていって親子でイライラしっぱなし。話しかけるときもお互い思いやりのない言葉を投げてしまい、親子ケンカへと発展します。Upload By かなしろにゃんこ。このままではダメだ!イライラしてばかりの自分を振り返ってみるとあるとき、こんなんじゃいけない!なんでイライラしてしまうんだろう!?と思い、心の中を整理してみよう!と一日の行動を書き出してみました。書き出して初めて、一日中家事、育児、仕事ばかりで、ほっと一息入れる時間を持っていないことに気づきました。これでは人はダメになるよね…だって笑ったり、何かに感動して涙したり、ポジティブな思考をする時間がないものね…。Upload By かなしろにゃんこ。そこで、育児や仕事はやらずに過ごすことは難しいけれど、せめて家事に優先順位をつけて、やらなくてもいい家事をつくろう!と考えました。週に2回夕飯をつくらない日をつくろう!掃除の回数を減らして、代わりに大掃除は家事代行に頼んでしっかり掃除してもらおう!と、家事を減らすことにしました。母親で妻であっても”家事をする人”ではないですから、すべて自分で抱え込むこともないのです。一生懸命やろう!とすればするほどうまくいかないことが起こるときは「休みなさい」の合図だと思うことにしました。『夕飯つくりません宣言』で心に余裕が!?Upload By かなしろにゃんこ。Upload By かなしろにゃんこ。家事を減らしたら、「今日は夕飯の支度をしなくていい」などと思えて、朝から心に余裕が持てるようになりました。息子と向き合える心の余裕も出て、仕事にも焦らず向き合えるように。仕事も疲れすぎたら減らすことにしたら、追われるプレッシャーを感じることがなくなって、息子と楽しくドラマを観る時間もできました。この「親子でドラマを観る時間」をとったことで、思春期で親子関係が多少ギクシャクしているときにも、好きなドラマの話で繋がって関係を修復することができたように思います。主婦には100の家事があるといいますが、一人の人間が一日にできることって限りがありますよね。家事のこだわりをなくして、緊急性がないものはやらないという決まりをつくりました。物をどんどん捨てて断捨離が進めば掃除もしやすくなるように、家事をどんどん減らして行動も断捨離です。Upload By かなしろにゃんこ。現在も仕事が忙しい日は家族に「今日は夕飯つくりません」とLINEで宣言をすると心が落ち着くので続けています。落ち着くと気分が良くなって、結局夕飯がつくれちゃうこともあります。気まぐれですね(笑)家事代行さんに頼むと本当に楽です!普段気になっているけれどなかなか掃除ができない部分をキレイにしてもらえるだけで、気分がよくなります。そういう私も以前、副業で家事代行をしたことがあります!利用者側の気持ちも、キレイにしてあげよう!という家事代行さんの気持ちも分かるんです。多少汚れているお部屋のほうが「やるぞ!」という気持ちになります。(笑)こうした生活の中で、ごくごく当たり前のことですが家族と笑える時間をつくることで何か問題があったときに乗り越える力に繋がると感じたのでした。LITALICO発達ナビ無料会員は発達障害コラムが読み放題!
2020年12月08日行動は似ている私とコウ。でも、結果に違いが…?Upload By 丸山さとこADHD・ASDである息子のコウは、子どものころの私と同じく”片付けられない子ども”です。物の管理が雑で、用が済んだらその辺に放置するところはかつての私とよく似ています。「凸凹の数値が似ているから、やることも似ているのかな?」と言うコウですが、性格はあまり似ていない私とコウだからなのか、私とは違うところも色々とあるようです。同じ「片付けられない」子どもではあるけれど…前回のコラムで書いたように「母の言う通りに収納するとどこに何があるか分からない」と感じていた子どものころの私は、自分の思うように置くのであれば”どこに何があるのか”は分かるため、困ることはありませんでした。Upload By 丸山さとこ置いた場所の記憶があるというよりは、「大体この辺りを探せばある」ということを経験則で分かっていただけなのですが、当時の私にとっては「下手にしまうとなくす。しまわなければなくさない」ということがハッキリしていました。そのため、母が言うような”収納するタイプの片付け”に対してはメリットが見いだせなかったのです。一方、コウの場合は「自分の思うままに物を扱う」となくし、「母(私)の言う通りに物を扱う」となくさないため、私の言う通りに片付けた方がメリットは高い状態です。そのことはコウ本人もよく知っています。Upload By 丸山さとこただ、それ以上に片付けをする面倒さや作業を中断することへの拒否感が大きく、”用があるもの以外は意識が向かない”特性もあって、片付けをすることは中々難しいようです。(私がコウに言うことは主に「出したらしまう・使ったら戻す」の2つで、どこにどう収納するかは相談しつつコウが決めています)「作業を中断するのが嫌だったり、用が済んだものを忘れてしまったりするのなら、割り切って定期的な片付けをするのはどう?」と勧めてはみるものの、言われたときにしぶしぶ片付ける状況から抜け出せないでいます。「分かってる」けど「できない」片付けの壁!「今1つあるだけでも『面倒だな』と思うことを溜め込むと、5とか10とかの面倒になってやってくるよ。1つでも苦戦する相手が束になってかかってきたら、そりゃ大変だろうと思うよ」Upload By 丸山さとこ…とコウには言ってはみるものの、私だって「ジョギングとかジムに行くとか大変でしょ?隙間時間にこまめな運動をしたり、ながら運動を取り入れたりしなよ」と言われたとしたら、納得はしてもやる気は出ないだろうな~と思います。しかも、コウの場合は見落としや記憶のすり替えも多いため、私のコートのように”確実に物を管理できた経験”をしない限り、難しいかもしれないなと思っています。コウは、片付けに関して分かっていることやできていることもたくさんあります。・「掃除機をかけたいから片付けて」と言われれば片付けられる・片付いた部屋の状態を快適であると感じられる・どこに片付ければ良いのかは記憶できている・管理できる物の量には上限があることは理解できているという状態で、それでも片付けられないのが現在のコウです。であれば、親の私としては「サポートしつつ時期を待つ」のが、コウの片付けに対して”私ができること”なのかな?と思うこのごろです。Upload By 丸山さとこコウにとっての”1着のコート”が何なのかは分かりませんが、彼にもそんなきっかけがあれば嬉しいなと思いつつ、今日も「床を見てー」「上着が落ちてるよー」と言っている私でした。LITALICO発達ナビ無料会員は発達障害コラムが読み放題!
2020年12月07日1歳半の健診では…出典 : 子どもたちは、1歳半~2歳の間に市町村の行う1歳半健診を受けることになっています。「スクスクと育っているだろうか」「発達について何か指摘されたらどうしよう」と不安に感じる方もいるかもしれませんね。母子手帳には、・「ママ」「ブーブー」など意味のある言葉をいくつか話しますか・うしろから名前を呼んだとき、振り向きますかというチェックリストがあることに気づいた方がいらっしゃると思います。言葉を話すかどうかのチェック項目が含まれるため、保護者の方は子どもの「発語」に注目されるかもしれません。でも人とのコミュニケーションに必要なのは「発語の力(言葉を発する力)」だけではありません。実際に1歳半健診では、保健師さんとのやり取りを通して、話し言葉や話し言葉以外の手段で「伝える」力や「わかる」力、人と「関わる」力の育ちなどをチェックし、気になる行動や反応がないかどうかを観察します。これらの力を含め、コミュニケーションの発達を総合的にみていくことが大切です。では、「コミュニケーションの力」とはどういうものなのでしょうか。また、その力はどのように育っていくのでしょうか。話し言葉を習得しつつある段階の子どもにとって、コミュニケーションと言葉を育むために大切な3つの力があります。このコラムでは、その土台となる3つの力をそれぞれご紹介します。基礎となるポイントを知り、子どもとの日々のやりとりに役立てていただけたらと思います。でも、ただでさえ大変な子育てです。保護者だけで頑張るのでは、疲れ果ててしまいます。健診などで「様子をみましょう」と言われたり「発達の遅れ」を指摘されたりしたら、自治体の子育て支援センターなどに相談して、いろんな人の助けを求めることも忘れないでくださいね。赤ちゃんのコミュニケーションと言葉の発達出典 : そもそもコミュニケーションや言葉はどのように育まれるのでしょう。ここでは、乳幼児期の子どもたちのコミュニケーションと言葉の育ちについてご紹介します。生まれたばかりの赤ちゃんは、おっぱいを飲むことや息をすることが大切な仕事です。舌やのどは、まだしゃべるためのつくりにはなっていませんし、脳の発達も未熟ですから、主に泣き声しか出せません。オムツが濡れて嫌だったり困ったりしたとき泣いて声を出すと、誰かがそばにきて助けてくれるという経験をかさね、困ったときや何か伝えたいときに声を出して伝えようとする気持ちを育んでいきます。3~4か月ごろになってくると、赤ちゃんは機嫌のいいときの声と、悪いときの声がだんだん分かれてくるようになります。周りの人があやすと笑うようになり、笑わせたいからあやすようになるという関係がうまれてきます。「あーあー」「ばぶばぶ」など、2つ以上の音を発する喃語を話し始めるのはこのころです。喃語が意味のある言葉へとつながっていくためには、子どもの発する声に対して周りの人が子の思いを推測し「楽しいね」「気持ちいいね」と応えるなどのやりとりが必要となります。保護者や周りの人とのやり取りのなかで、赤ちゃんの言葉を発する準備が整ってくるのです。人に関心を持ち、子どもから保護者に近づき催促するようなしぐさをしたり、声をだしたりしはじめます。そして、保護者の声色や表情などをまねし始めるようになります。保護者が料理をしているのをじっと観察してしゃもじで遊ぼうとしたり、お化粧道具で顔を塗りたくったりもするようになります。まねすることは、なにかを学ぶことにつながります。言葉も、誰かの話を聞いてまねしながら学んでいきますから、まねっこはとても大切な遊びのひとつです。行きたい方向や、取ってほしいものに、指差しをするようになります。「あっちへ行きたい」と子どもが考えたときに指差しで教えてくれたり、取ってほしいおもちゃを指差しして要求したりすることで気持ちを伝えはじめます。そして、「見て」「一緒に遊ぼう」と物を持ってきたり物をさしだしたりしはじめます。また、話しかけられていることがわかりはじめ、名前を呼ぶと振り向く、「お人形はどこ?」などの質問に反応する、「ちょうだい」に対して物を渡すなどができるようになってきます。多くの赤ちゃんは、1歳ごろになると「ママ」「ワンワン」など、意味のある言葉がいくつか話せるようになってきます。独り言のようにつぶやくだけでなく、見てほしい・何かを取ってほしいという気持ちで「ママ」と言ったり、嬉しい気持ちを共有したい・怖いから助けてほしいという気持ちで「ワンワン」と言ったりする様子もみられはじめます。1歳半~2歳くらいには、「ママねんね」「ワンワンいた」など単語と単語のふたつをくっつけて話す2語文が話せるようになります。繰り返しお伝えしますが、言葉の発達には個人差があります。この時期に話さないからといって、必ずしも発達が遅れているということではありません。このように、赤ちゃんは成長する中で言葉に繋がるコミュニケーションの力を少しずつ獲得していきます。コミュニケーションに関する気になる行動出典 : 一歳半健診などは、赤ちゃんの様子を客観的にみてもらえる貴重な機会ですが、健診の機会に限らず、日ごろの赤ちゃんとの関わりの中でも、コミュニケーション面で気になるポイントがある方もいらっしゃるかもしれません。赤ちゃんと周りの人とのコミュニケーションと言葉について、気になることのチェックリストをご紹介します。気になる項目があって心配な場合には、ひとりで抱え込まずに早めに支援センターや保育園・幼稚園などに相談しましょう。また、このコラムも参考にしていただき、子どもとの関わり方の工夫も取り入れてくださいね。・話しかけても目が合いづらい・名前を呼んでも、振り向くなどの反応がない・「ちょうだい」と言っても、手に持っているおもちゃを渡さない・気持ちが通わないように感じるときがある・他の子どもに興味がない・バイバイなどの真似をしない(手のひらを自分に向けてバイバイする)・言葉が遅いと思う(ワンワン、ママなど意味のある単語が少ししか出ない)・言葉が出ていたのに、1歳半から2歳前後のころに言葉が出なくなった(折れ線現象)・見て欲しいものがあるとき、それを見せに持ってこない・何か欲しいものがあるとき、指をさして要求しない・何かに興味を持ったとき、指をさして伝えようとしない・大人が離れたところにあるおもちゃを指さしても、その方向を見ない歳からの発達が気になる赤ちゃんにやってあげたいことコミュニケーションと言葉を育む大切な3つのポイントそれでは、コミュニケーションの力を育み、言葉にもつながる力を育てるには、どうしたらよいのでしょうか。コミュニケーションと言葉には、以下の3つの力が関わっていて、これらの力を育てることがとても大切です。1.「わかる」力:情報をキャッチする力・見て・聞いて・体験して「わかる」力2.「伝える」力:情報を伝える力・言葉や言葉以外の手段を使って表現する力3.人と「関わる」力:人と一緒に過ごしたい、わかりたい、伝えたいと思えるモチベーションの源コミュニケーションの力を育むために...1〜2歳の時期大切にしたい関わり方出典 : ここからは、1~2歳の時期に人と「関わる力」、「わかる力」、「伝える力」の3つの力を育む関わり方について紹介します。人と関わる力を育てることは、もっと人と一緒に過ごしたい、わかりたい、伝えたいという気持ちの源となり、コミュニケーションと言葉の土台となります。子どもの段階ごとに詳しく見ていきましょう。【ステップ1:子どもの世界に入れてもらおう】ステップ1は、人とあまり関わろうとしない、遊びを独り占めしたい・邪魔されたくない子に向けた関わり方です。この段階では、子どもに「この人といると心地良いな、もっと一緒にいたいな」と思ってもらうことを目標にします。まずは、子どもの世界に入れてもらうことを目指します。そのためには、子どもが注目しているものや、取り組んでいることに対して・子どもが嫌がらない程度に近づいて・声をかけ過ぎず・干渉し過ぎず・一緒にゆったりと過ごすことに気をつけてみてください。子どもの目線に合わせて同じものを見たり、子どもと同じタイミングで同じ遊びをしたりしながら、距離を縮めてみましょう。少しずつ子どもの世界に入れてもらうことで、同じ空間にほかの人がいても「大丈夫」「安心だ、心地が良い」と気づいてもらうことから始めましょう。【ステップ2:子どもの見ているもの・聞いているもの・感じていること・動きにコメントしてみよう】子どもが身近な大人と一緒の空間で過ごせるようになったら、ステップ2を試してみます。子どもが見たり聞いたり感じたりしていることを、一緒に体験している人がいることに気付いてもらえるよう関わり、子どもが関心を向けていることについて言葉をかけましょう。・世話をしながら話しかける:オムツをはかせながら「はい、オムツがはけました」「気持ちいいね」・子どもの興味関心に合わせて言葉をかける:おもちゃの車を走らせながら「パトカーがくるよ」、青いブロックを積みながら「青いブロックだね」など・子どもの気持ちを推測し、代弁する:「できた」「やったー!」・子どもの身体の動きに合わせて声をかける、オノマトペなどで実況する:「お口、あーん」「ごっくん」など・子どもの出す声や行動をそのまままねる:子どもがジャンプしたらジャンプする、「あ!」と言ったら「あ!」と言う・大人が自分の行動や気持ちを口に出して言う:「あぁ、おいしい!」「かばんはどこかな?」このとき、かける言葉を無理にまねさせる必要はなく、子どもの耳にしっかりと入れてあげるよう意識しましょう。【ステップ3:子どもが「思いが叶った」「気持ちを満たしてもらえた」と思えるよう関わろう】子どもが身近な人と一緒に過ごす中で、「気持ちを満たしてもらえた」と感じられるよう関わってみましょう。人と関わることで、嬉しいことが起こった、思いが叶った、不快な気持ちが軽減した、不安が和らいだという体験を積み重ねることが大切です。できる範囲で、お互いがより安心して気持ちよく過ごすためにはどうしたら良いのか、一緒に探りましょう。【ステップ4:子どもにもっと期待してワクワクしてもらえるような関わりをしよう】ステップ3までで、子どもは人との関わりが「悪くない」「むしろ心地良い、気持ちが満たされるかもしれない」と思える体験を重ねてきました。ステップ4では、子どもにもっとワクワクと期待してもらえるように関わることで、身近な人にさらに意識や関心を向けてもらうことが目標です。・体を使ったふれあい遊び・繰り返し遊び:いないいないばあ、シャボン玉あそび、かくれんぼなど・動きに合わせてオノマトペを使って大げさに声をかける・子どもが興味を持ってくれるような仕掛け:眼鏡をさかさまにかけてみる、わざと失敗するチャップリンやMr.ビーンなど、主人公がしゃべらなくても笑わせてくれる映画があります。こうしたコメディ映画などで、大げさな動き・表情、追いかけたり追いかけられたりといった流れを参考にしてみるのもよいかもしれません。子どもがワクワクする関わり合いや繰り返し遊びの中で、時々パターンやタイミングをずらして、子どもが「あれ?」と思わず相手に注目したり、期待してじっと待ったりする機会をつくってみましょう。やりとりを楽しむ中で、子どもの「もっとやってほしい」という気持ちや行動を引き出すことで、相手の言葉や行動に注目する力や、思いを伝えたいと思える気持ちを育むことを目指します。発達障害のある子どもと周囲との関係性を支援する: コミュニケーション支援のための6つのポイントと5つのフォーカス関わり合いの中で、わかる力を育んでいきましょう。わかる力は、情報をキャッチする力ともいえます。「わかる」とは聞いてわかる力だけでなく、見てわかる力・体験してわかる力も含まれます。ここでは2つのステップに分けて、わかる力を育む関わり方を紹介します。いずれの関わりでも大切なことは、「一緒に楽しく行うこと」です。【ステップ1:聞こえてくる音や言葉へ耳を傾けることを楽しむ】わかる・理解する力を育む第一歩として、周囲の音や言葉へ興味を持ち、楽しく耳を傾けることから始めます。聴力は備わっているものの、周囲の音にあまり興味を示さない、言葉がけが耳に入りづらい場合があります。まずは楽しく音のありかを探したり、音や言葉に耳を澄ましたりする機会をつくりましょう。その際には、以下のポイントに注意してみてください。・できるだけ気が散らない静かな環境で関わる・ものを操作する音や、電話やチャイム・飛行機の音に耳を澄ましてみたり、楽器や歌を楽しんだり、関わり合い遊びの中で言葉かけをすることで、さまざまな音や言葉に親しむ・子どもの正面で、ものを見せたり身体に触れたりしてから声をかけるなど、注意をひきつけてから言葉をかける・子どもが何気なく音や言葉を聞いている様子が見られたら「リンリンと音がするね」「楽しいね」「よく聞いているね」と声をかける・お話を聞いている様子が見られたら「聞いてくれてありがとう」と、注目したり耳を傾けたりしてくれて嬉しい気持ちを伝える言葉の発達に遅れのあるお子さんの多くは、注意を向けるべき音や言葉に耳を傾けることが苦手です。そのため、指摘されたり叱られたりする場面が増え、そのことでますます苦手意識を高める場合もあります。まずは、「お菓子を食べよう」や「お外に行こう」など、楽しい声かけに耳を傾けることから試してみると良いかもしれません。このような関わりを通じて、お子さんが周囲の音や言葉に耳を傾けやすい関わり方や工夫を見出すとともに、「相手に注目したり耳を傾けたりすると楽しいことが起こるんだな」と思える経験を積み重ねましょう。【ステップ2:見たり、聞いたり、体験してわかることを増やす】ステップ2では子ども自身が見たり聞いたり体験することで興味関心を広げ、わかることが増えることを目指します。「わかる」ことを増やす手がかりは、以下のようなものがあげられます。・その場所に行く・体験して「わかる」:プールに入ってようやく「水遊びをするんだな」ということがわかる、身体介助をされ座ってようやく「座る」ということがわかる・繰り返し習慣化しているものは「わかりやすい」:玄関に行くと「靴を履く」ことがわかる、朝起きると「トイレに行く」ことがわかっている・周囲の人の動きを見て「わかる」:お母さんが脱衣所に行くときは「お風呂に入る」とわかる、、保育園のお友達が一斉に部屋を出ると「移動する時間だ」とわかる・実物を見ると、次に起こること・何をすべきかが「わかる」:プールバッグを見ると「プールに行く」ことがわかる、車の鍵を見せられると「車に乗る」ことがわかる・写真やイラスト・文字を見ると「わかる」:靴の写真を見ると「靴を脱ぐ」ことがわかる、“おしまい!"と描かれたイラストや文字を示されると「おもちゃを片付ける」ことがわかる・身振り手振りやジェスチャーをすると「わかる」:バイバイと手を振ると「部屋を出る」とわかる、ちょうだいのジェスチャーをされると物を渡す・言葉を聞くと「わかる」さまざまな方法や手掛かりを用いて「わかる」ことが大切です。わかることが増えることは、身の回りのことを理解し安心して生活することや、語彙を広げ「伝える」力を育むことにも繋がります。お子さんが「わかる」方法で、身の回りのことを伝えましょう。伝える力とは、話し言葉や話し言葉以外の手段を使って思いを表現する力、情報を伝える力ともいえます。【ステップ1:子どもの伝えたいことは何か、身近な大人が推測する】「伝える」力を育む準備として、何が不快なのか、どうなると安心なのか、本当は何がしたいのかを、人と関わる中でお子さん自身が知っていくことが必要です。発達段階によっては、お子さん自身何が不快なのか、どうしたいのか、具体的にどう振る舞えば良いのかが、よくわかっていないことがあります。その場合、やむを得ずパニックや癇癪を起すことがあり、本人も周囲の人もどうしてよいか分からないことがあります。このような場合、まずは子どもの現在の気持ちを探り、「伝えたいこと」を推測、代弁してあげることから始めます。【ステップ2:表現手段を紹介し、一緒に練習してみよう】欲しいものやしたいことがある、一緒にやって欲しい・見て欲しいことがある、嫌で避けたいことがあるなど、子どもが何か訴えたい様子が見られたら、それを表現したり相手に伝えたりするための手段を紹介しましょう。そしてもし可能であれば、一緒に練習してみましょう。言葉で表現することが難しそうであれば、言葉以外の、例えば以下の手段も試してみましょう。モデルを見せてあげたり、嫌がらない範囲で子どもの身体や手を取って手助けしたりしながら一緒に行ってみてください。・相手に向かっていく、肩をトントンとたたく、行動で示す・クレーンする、手を引いて連れていく・実物・写真・絵を持っていく・絵や文字を書いて示す・身振り手振り、ジェスチャー、うなずき・首ふりで示す・手さしや指さしで指し示す・視線や表情、態度で表す・発声や言葉で伝える・選択肢から選び取る大切なのは、お子さんが無理なく、楽に使える手段を用いることです。話し言葉だけにとらわれすぎず、相手に思いが伝わるさまざまな方法を紹介し「思いを伝える手段を増やしていく」という姿勢でのぞみましょう。そうすることで、子ども自身が「気持ちを汲み取ってもらえてホッとした」「伝わって嬉しかった」と感じられる機会を増やし、“もっと落ち着いて思いを伝えたい”と思う気持ちを育みます。練習のポイントは、うまくいかない困った場面で始めないこと、比較的穏やかに過ごせる時間や、身近な人と楽しく遊んでいるときに行うということです。日々の生活の中で、子どもが自然と思いを表現する様子が見られたら、見逃さず褒めてあげたり「いいね!」と注目やサインを送ってあげたりすることも大切です。どんな手段であっても、落ち着いて思いを伝えられる機会が増えることは、癇癪やパニックを起こさずに済む時間を増やすことにも繋がります。まとめ出典 : このコラムでは、コミュニケーションに関わる3つの土台、人と「関わる力」、「わかる力」、「伝える力」を育むための工夫を紹介しました。どんな子どもも、その子のペースで成長しています。ご紹介した3つの力のうち、既にできているところを見つけたらすかさず褒め、お互いに無理なくできそうなところから少しずつチャレンジしてみてください。ポイントは、「一緒に楽しもうとすること」です。実践してみて「うまくいかない」「疲れてしまった」「つらい」と感じたときは、どうか一人で悩まずに発達支援センターなどに相談してください。いろいろな人に子どもの成長を支援してもらい、見守ってもらいながら、ゆっくりと取り組んでみてくださいね。LITALICO発達ナビ無料会員は発達障害コラムが読み放題!
2020年12月06日