子育て情報『身体への自傷から言葉による自傷へ、自閉症の息子の自傷行為は形を変えて――心の安定のためにできること』

2022年3月1日 06:15

身体への自傷から言葉による自傷へ、自閉症の息子の自傷行為は形を変えて――心の安定のためにできること


21歳になった息子の様子

現在、自閉症(自閉スペクトラム症)のある息子は21歳になりました。

以前は多かった腕を噛むなどの自傷や、パソコンのマウスを思い切り叩きつけるなど物に当たり散らすこともたまにありますが、そうしたことは減ってきました。

身体への自傷から言葉による自傷へ、自閉症の息子の自傷行為は形を変えて――心の安定のためにできることの画像

Upload By 立石美津子

自分自身を傷つけるという行為は、形を変えながらも今も続いているのではないかと感じています。


幼児、小学生のころの自傷

身体への自傷が最も激しかったのは幼児期です。息子は6歳になるまで言葉が出なかったので、思い通りにならないとき自分の身体を傷つけるしか、方法を知らなかったのではないかと思います。


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例えば

・自分の頭を叩く
・腕を思い切り噛む
・(普段は適切な量を口に入れることができるのにもかかわらず)入りきらない量の食べ物を口に押し込む
・壁に頭を打ちつける
・顔を叩く

ただ、「これ以上やると痛いぞ」のギリギリのところまでのラインでやっているように見えました。ですから、大けがをするようなことはありませんでした。


言葉で自分を傷つけている?

言葉がでるようになってからは、自分の身体を傷つけるだけでなく、言葉によって自分を傷つけるようになってきました。

例えば、気持ちと反対のことを叫び、そして癇癪をおこすのです。

「もう、帰る!」と家に居ながら叫ぶ。(←どこに帰る?)
「入院する」(←入院したくない)
「注射する」(←注射したくない)
「家出してやる」(←家出したくない)
「死んでやる」(←死にたくない)
「9時58分に寝る!」(←毎日必ず10時に寝るこだわりがあるのに、僅かに時間をずらして叫ぶ)


心にもない言葉を言うときの対応法

これらの言葉は、実は息子の心にもないこと、望んでいないことだろうとわかるので、息子の言った言葉をオウム返ししながら、共感の形をとるようにしています。

息子「もう、帰る!」と家に居ながら叫ぶ。
私「もう、帰りたくなっちゃたんだね」
息子「入院する」
私「入院したくなっちゃったんだね」

息子「注射する」
私「注射したくなっちゃったんだね」

息子「家出してやる」
私「家出したくなっちゃったんだね」

息子「死んでやる」
私「死にたい気持ちになっちゃったんだね」

息子「9時58分に寝る!」
私「9時58分に寝たくなったんだね」

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