子育て情報『心豊かな生活を送るための土台づくり。わが子の試行錯誤を支え「折れない心」を育む【青年期編】――相模女子大学教授・日戸由刈先生から』

2022年2月15日 14:15

心豊かな生活を送るための土台づくり。わが子の試行錯誤を支え「折れない心」を育む【青年期編】――相模女子大学教授・日戸由刈先生から


青年期の子どもとの関わり

私は、発達が気になる子どもたちの幼児期や学齢期の心理的支援の仕事に長年携わってきています。たくさんのご本人・ご家族との関わりから教わった、ライフステージを通じて大切にしたいことの中から、今回は青年期について、ご家族に知っておいてほしいことをお伝えします。

「青年期」とは、何歳ごろからを指すのでしょう?中学生?高校生?それとも、もっと大人になってから?発達心理学における青年期の定義は、研究者によって多少異なりますが、だいたい中学生以上を指すことが多いようです。

とはいえ、人は突然青年期になるわけではありません。小学校の半ばごろから、ゆっくりと時間をかけて青年期に移行していきます。身体つきが少しずつ変化するだけでなく、心も変化します。幼少期の子どもは、「みんなが自分をどう見ているか」「こんなことをしたら、周りはどう思うか」ということをあまり意識していません。しかし小学校の半ばから、子どもは「周りの目」をだんだんと意識し始めます。
そして、同世代の仲間と自分を比べて、できていないことを気にしたり、自分だけが目立って注目されると不安を覚えたりします。

周りの目を気にするようになると、子どもによっては「いつまでもお母さんに甘えていると知られたら、恥ずかしい」と思う場合もあります。いつかは親から自立する、という気持ちが強い子ほど、親に甘えることをカッコ悪いと思うのかもしれません。そして、家庭ではまだまだ親に甘えているのに、家の外では親から距離をとろうとしたりします。ついこの前まで一緒に手をつないで歩いていたのに、急に拒否したりするのです。

子どもによっては、親が自分の部屋に入ってきて、掃除をしたり物を動かしたりすることを、極端に嫌がるようになります。親からすれば「散らかっているから、ちょっと片づけてあげよう」という親切心でやっているのに、子どもから乱暴な言葉で反発されると「二度とやってやるもんか」という気持ちになりますよね。

こんなふうに、子どもが親から距離をとろうとすることを「親離れ」と言います。
親離れの始まりでは、多くの親は戸惑うものです。赤ちゃんのころからずっと世話をしてきたわが子に対して「あれ?」「いつもと違う」と感じ、急に大人びて見えたり、なかには「最近、自分の言うことを聞かない」と苛立ちを覚えたりする場合もあります。こうした親御さんのちょっとした心の変化、違和感は、「子離れ」

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