初めての行事、運動会に参加。「参加させてよかった」と思ったけれど...Upload By かさはらあやこ先日、幼稚園に入園して初めての運動会がありました。(今年は小規模なもの。)ただただ園庭を走り回る息子と、追う先生をハラハラしながら眺めていただけでしたが、それでも息子が行事に参加できていることが嬉しく、日々のサポートを感じ、涙ぐむ場面もありました。なにより息子がとても楽しそうで、参加させてよかったと感じました。それから、遠足や焼き芋パーティーなどの行事が続き、あることが気になりはじめます。少しずつ荒れ始めた息子。ある日事件が起きてUpload By かさはらあやこ…………最近、荒れてる?秋になってから睡眠が乱れたり、突然泣き出したりと不安定な部分が増え、癇癪の質が変わったような気がする…と思っていた矢先、事件は起きました。焼き芋パーティーで焼き芋を一本ぺろりと食べたと連絡帳に書いてあったことに嬉しくなった私は、「いっちゃん、焼き芋食べられたんだね!すごいね!」と声をかけました。その瞬間...ギギギギギ!スパーン!ぐいーーー!!顔を引っ掻かれ、頭を叩いてから髪の毛を引っ張られ、私は呆然としました。幼稚園でもやっているかもしれない、やっていたらどうしよう。不安になり先生に報告したところ…数日前から先生を噛んだり、お友達の髪を引っ張ったりしていたことが判明したのです。療育の先生「いっちゃんは自分の世界で楽しんでいる」穏やかだった息子が家族以外の人間に手を出した。ショックと不安でいっぱいになりました。すぐに療育の先生に相談し、幼稚園へ様子を見に行ってもらい、息子の様子を確認した先生はこう言いました。「いっちゃんは自分の世界で楽しんでいるから、それを乱されると、ストレスを感じるのかもしれない。」〝自分の世界で楽しんでいる〟その言葉をきっかけに、こんなことを考えました。Upload By かさはらあやこUpload By かさはらあやこUpload By かさはらあやこUpload By かさはらあやこUpload By かさはらあやこ息子は卵の殻のようなものの中にいて中から外はみえない殻の中は今までみたことのあるものや聞いたことのある音が流れ息子の好きなことで満たされていてとても心地がいいたまに嫌なことを思い出して卵の中が恐怖でいっぱいになることもある小窓があってその小窓から自分の好きな時に周りの世界をみることはできる殻はそうやって得た外の世界の情報が増えて成長とともにゆっくり、少しずつ大きくなる外から勝手に小窓を開けて情報を流し込んだり卵を揺すって外の世界のことを伝えようとしたら殻は大きくなろうとするけれどきっと痛みが伴うしぎゅうぎゅうになって苦しくなってしまったりヒビが入って壊れてしまうかもしれない外が見えないのに地震みたいに揺すられる恐怖は計り知れない息子にかかっていた負担に気づいて、わが家が下した決断はUpload By かさはらあやこ息子にとってイレギュラーなこと(行事)は刺激であり、刺激はもちろん成長にも繋がるが、それ以上に負担をかけてしまうことにもなる。6月に入園してから現在までに、コップやフォークを使えるようになったりなど、できることが急激に増えたちいさな息子の心にはどれだけの負担がかかっていたのだろう。何かができるようになったことを喜んでいたのは周囲の大人で、息子はただ自分で見聞きしたことを模倣して楽しんでいるだけ。本当の意味でそれができるようになったわけではない。無理をさせすぎた結果、荒れてしまったのではないだろうか。療育の先生に相談し、話し合いの結果、イレギュラーなことを減らし、安定した園生活を送る方が、今の息子にとってはよいだろうということになり、行事の晴れ姿を見たいという自分のエゴは捨て、今後行われる小さな行事から大きな行事まで、参加させるのを一旦やめるという判断に至りました。過度な成長を望むのではなく、息子にとって安心できる場所で、穏やかな日々を積み重ねることが大切だということに改めて気づかされた出来事でした。これからは無理をさせずに、息子のペースに合わせてゆっくりと成長を見守っていきたいと思います。
2020年11月26日年々難易度の上がる、娘の疑問への説明。広汎性発達障害の娘は、9歳(小学4年生)です。わが家では、娘に対して、物事の理屈や、意味を説明することが、よくあります。小さいころは、娘が知っている少ない数の言葉で説明することが難しかったのですが…Upload By SAKURA小学生になってからは、学年が上がっていくたび、質問の内容も、説明の難易度も上がっていき…Upload By SAKURA頭をフル回転させねば、説明しきれないことが、増えていきました。ごはんが遅かった娘が、言った言葉。引っかかったけれど…娘はごはんを早く食べるのが苦手。私たちは、娘のやる気を出させようと、娘の食事のときに、30分以内に食べ終わったら、ゲームをしていいという約束をしています。ある日、娘が約束した時間までに、ごはんを食べ終わらなかったときのこと…。Upload By SAKURA私はすぐ、その言い方が引っかかりました。しかし、娘の言った言葉に対して、私の引っかかりを、どんなふうに話せばいいか…考えがまったくまとまりませんでした。動いた夫!私も絵でサポート!どう話していいか、考えがまったく浮かばなかった私が固まってしまったとき、夫が話し始めました。Upload By SAKURA何も発言できなかった私は、せめて手助けを…と、白い紙を手に取り、会話を聞きながら夫の話を図にして、2人ところに持っていきました。Upload By SAKURAなぜ、嫌な感じに聞こえる?夫の上手な説明。Upload By SAKURA娘への説明はわが家では、必要不可欠。しかし、すべてを私一人で対応することはできません。いつもは私がメインで娘の対応をしていますが、実は説明も説得も夫の方が上手。しかし、普段夫は私のやり方を優先してくれ、特別前に出ることはありません。夫は、私の脳が思考停止になりつつあるときに、私の様子を見てそれを察し、進んで説明をかって出てくれます。私は、夫の気づかいと、行動力と、説明力のおかげで、年々難易度が上がっている娘への説明を、なんとか乗り越えられています。娘への説明も、夫婦二人三脚。夫も同じ気持ちなようで…Upload By SAKURAこういうことを2人で対応するたび、子育て、療育というのは2人で乗り越えるものだと強く感じ、夫がいつも協力的であることに、感謝しています。これから、娘が中学生…高校生と、進級するたび、言葉を駆使してしなければいけない、大変な説明もあるでしょう。引き続き、夫と二人三脚で頑張っていきたいと思います。
2020年11月25日ミドルエイジの先輩たちが「自分らしい生き方」に至るまでーー高梨健太郎さん都内で会社員として働く、高梨健太郎さん。働く中でのつまずきをきっかけに、ADHD(注意欠如・多動性障害)の診断を受けました。現在ではご自身の経験を活かして、就労支援のトレーナーや、タスク管理支援ツール「タスクペディア」の企画・発案といった活動もされています。今年の4月、仕事をやりやすくするための秘訣をまとめた『要領が良くないと思い込んでいる人のための仕事術図鑑』(サンクチュアリ出版)も上梓しました。現在はいい環境で働けていると語る高梨さんですが、今の働き方にたどり着くまでには、紆余曲折があったと言います。会社員として働きつつ、「タスク管理」をテーマに就労支援も――(名刺を交換して)会社の管理部門と広報部門、リワークトレーナー、タスク管理支援ツール「タスクペディア」の広報…。高梨さんは今、4つの名刺を持って活動しているのですね。高梨健太郎さん(以下、高梨):はい。障害者雇用枠で入社した会社で、今は一般枠の社員として週5日働いています。広報部門と管理部門の業務を週4日。残り1日は、会社の業務の一環で「EXP立川」という就労移行支援事業所に行き、タスク管理に関する就労支援のプログラムをしています。わたしのタスク管理方法を元に、プログラマーの友人が開発してくれた「タスクペディア」は、EXP立川を運営する社会福祉法人SHIPから、無料でリリースされているクラウドツールです。自分が担当するプログラムでも、使っています。タスクペディア公式Upload By 姫野桂――高梨さんも診断されているADHDには、忘れ物をしやすかったり、優先順位を決めるのが苦手だったりといった、まさにタスク管理術を役立てられそうな症状もあるかと思います。高梨さんの場合は、どんな症状がありますか?高梨:段取りをつけることや整理整頓が苦手だったり、物事を忘れやすかったりします。多動性や衝動性よりも、不注意の割合が大きいですかね。会社の代表電話をとるような、誰からかかってきて、どこにつなげばいいかをすぐに考える必要があるものも、混乱してしまうので苦手です。また、叱責されると、しばらくの間、頭が真っ白になってしまうことがあります。だから、今の会社の入社面接で「配慮してほしいことはなんですか?」と聞かれた際には、「怒るのではなく、提案という形で改善点を教えてほしい」と伝えたりもしました。症状は出ていたが自覚はなく、「天真爛漫」な子ども時代――これまでお話いただいたような症状は、昔からありましたか?どんな子ども時代を送ったのでしょうか。高梨:今思えば、子どものころから症状はありました。小学1年生ぐらいのときには、とにかく片付けができなくて。学校の夏休みの前って、机の中身を空にしたり、朝顔の植木鉢を持ち帰ったりするじゃないですか。あれが嫌で仕方ありませんでした(笑)。他の子たちは毎日少しずつ持ち帰っていたのですが、わたしは最終日まで全然持ち帰らなかったので、大荷物で。それを見越していたのか、親から「とにかくなんでも全部入れて帰ってきなさい」と、ものすごく大きい袋を渡されたことがありました。当時の自分は、素直に「うん、わかったー!」と荷物を詰め込んで持ち帰り、褒めてもらっていましたね。自分の中ではすごく楽しい、笑える思い出として印象に残っています。とにかく不器用で、人より行動が遅く、必ず1回は失敗するような子どもだったのですが…親の理解があったんでしょうね。あまり怒られることがなかったからか、「天真爛漫」と言われるような性格でした。この「できなさ」は何なのか?行き当たった「発達障害」という言葉――小さいころから発達障害の特性は出ていたものの、それにひどく悩まされることはなかったのですね。高梨:はい。本格的に困り始めたのは、20代後半になってからです。大学を卒業後、司法書士を目指して勉強する中で、実務経験を積もうと司法書士事務所でアルバイトを始めたのですが、面白いくらい仕事ができなかったんです(笑)。Upload By 姫野桂――具体的には、どのような業務を担当していたのでしょうか?高梨:「補助者」というポジションで、事務作業や法務局へ書類を持っていくおつかいなどをしていました。仕事としては簡単ですが、責任重大な内容ですね。うまくできないながらも数ヶ月働いていたある日、所長である司法書士の先生にクビを言い渡されてしまって。職場に迷惑をかけているのはわかっていましたが、人並み程度だと思っていたので、ものすごくショックでした。――高梨さんからすると、本当に突然の出来事ですものね。衝撃は大きそうです。高梨:それでも、回復はなかなか早かったんです。落ち込みはしましたが、「こんなこともあるだろう」ぐらいに捉えていたので、次のアルバイトを始めました。今度は不動産会社でのアルバイトだったのですが、またしても仕事がうまくいかず、ミスばかり。そのときに、「あれ、何かおかしいな」と思い始めました。そんなときに、不意に「死にたい」という言葉がこぼれてしまったことがあって。「今、自分なんて言った⁉」と驚き、メンタルがすごく落ち込んでいるんだなあと気づきました。もともと、一部の人間関係でやりづらい状況だったこともあり、そのアルバイトは辞めさせてもらいました。――自分の特性に関わることでそこまで落ち込んだのは、初めてだったのですね。そこから、どのようにして診断を受けるに至ったのでしょうか?高梨:「何かおかしいかも」と思ってからは、自分が一体何者なのか、どういう状態なのかが知りたくて、「仕事できない」や「仕事忘れるミス」といったワードで検索していました。そこでようやく「発達障害」という言葉にたどり着いたんです。そこから、都内の精神保健福祉センターや、発達障害専門の支援機関に行って相談し、紹介してもらったクリニックで、晴れてADHDの診断をもらいました(笑)。30歳手前のことですね。期待に応えたいと頑張りすぎてしまい、二度の休職Upload By 姫野桂――診断を受けたときの心境を教えてください。高梨:自分の努力不足ではなかったのだと、それはもう安心しました。でも、職場での経験から、完全に自信を失ってもいました。あるとき、喫茶店でアイスコーヒーを頼んだら、ちゃんとアイスコーヒーが出てくることにすごく感動しちゃったんですよ。オーダーを間違いなく取り、厨房に伝え、作られたコーヒーを正しい席に運ぶ……。そういう、一般的にはできて当たり前だと思われているようなことが、きちんとおこなわれている。当時の自分には、そんなこととてもできる気がしなかったんです。それでも、自分で仕事をして収入を得ていきたいと悩んでいたときに、クリニックのソーシャルワーカーさんと話す機会がありました。そこで初めて、障害者雇用や合理的配慮というものを知り、障害があっても安心して働ける場所があるとわかって。「ああ、自分でも働けるかもしれない」と、すごく嬉しかったというか…安堵したのを覚えています。――ソーシャルワーカーさんと話したことで、障害者雇用という選択肢が見つかったのですね。その後、IT企業の総務として、障害者雇用で入社したとのことですが、実際に合理的配慮は受けられたと感じますか?高梨:とくに最初のほうは、配慮があったと思います。具体的には二つあり、一つは苦手な電話対応を、最初の3ヶ月はしなくてもいいように調整してもらえたこと。もう一つは、同じ部署の先輩社員が、関わり方を考えてくれたように感じたことです。先輩の机には、「精神障害の人と働く方法」といった内容の本が置いてあったんですよ。「ああ、この人は勉強してくれているのだな」と、すごく嬉しかったです。やりとりをするときにも、言い回しを工夫してくれているように感じました。その会社には5年勤めましたが、だんだんと1人あたりの仕事が多くなり…。結果として、十分な合理的配慮を受けるのが難しい状況になりました。実は、途中で障害者手帳の更新を忘れ、雇用枠も障害者雇用から一般雇用に切り替えることになったのですが、「こんな自分を採用してくれたのだから、頑張って働いて恩返ししなくては」という思いで、わたしもすごく頑張ってしまって。毎日終電帰りのようなときもありました。Upload By 姫野桂――それは、心身ともにすごくハードそうですね…。高梨:気持ちではまだ頑張れると思っていましたが、4年目後半ぐらいには体が追いつかなくなりましたね。アルコールに弱いのに毎日お酒を飲んだり、乗り換えが嫌で、電車で600円のところをタクシーで12,000円払って帰ったりするようになってしまい、ある日「ああ、もうこれはダメだ」と思って休職。その後そのまま退職しました。退職後は、半年で障害者雇用と一般雇用、合わせて250社程度の採用試験を受けまして。有名な不動産会社の一般雇用で、クローズ(障害を伝えずに就職すること)で入社することを決めました。――半年で250社ですか!最終的に一般雇用を選んだのは、何か理由があったのでしょうか?高梨:そもそも内定をいただいた企業が一般雇用のみだったのですが、妻との結婚を、その時点で決めていたからというのもあります。妻も働いていましたし、わたしがADHDだということは伝えていたので、障害者雇用について何か言われたわけではありません。ただ、出産や育児などでもし私だけの給料で生活することになったら、比較的給料が低い障害者雇用では難しいのではないかと思ったんですよ。――経済的な面での判断もあったのですね。クローズで働くとなると、特性由来で苦手なことについて、理由を説明するのが難しく、大変なこともありそうです。高梨:そうなんです。しかも、主任という立場を任せていただいたので、「主任なのに、なんでできないんだろう」と周りから思われているのではないかと苦しくなり…。1社目と同じような流れで、また休職してしまいました。4ヶ月後、復職したときには、自分にほとほと愛想が尽きていました。でも、今思えば、それが転機になったような気もしているんです。できない自分も受け入れた先に、タスク管理術があった高梨:自分で言うのもなんですが、わたしは勉強が得意で、偏差値の高い大学を卒業しました。そこでの優秀な同期たちがどんどん出世していくのを見て、自分も同じはずだとこれまでは思っていたんですね。だから、失敗することがあっても「そんなはずはない」「自分はできる」と考えていたのですが…。2回の休職を経て、「いや、やっぱり自分ダメなんじゃない⁉️」と思い始めたんです。できるはずだと思って頑張っては、しんどい思いをするのを繰り返して、やっとできない自分も受け入れられたんだと思います。それと同時に考えたのが、忘れたりミスをしたりするなら、そうじゃない自分になろうとあがくのではなく、忘れない・ミスが起きない環境をつくることで、このままの自分でなんとかやれないか、ということです。――自分を変えるのではなく、周りの環境を整える。発想の転換があったんですね。高梨:そうなんです。復職直後は時間の余裕もあったので、勉強も兼ねて、自分ができないことをカバーする仕組みをExcelでつくっていきました。例えば、段取りがその場でうまく組めないのなら、あらかじめ組んでおいて、実行するときにチェックすればいいようにする。先送りするなら、やることを細かい手順に分けて、全てに締め切りを入れ、「今日はこれだけやればいい」とハードルを下げるようにする。いつも仕事のことを考えてしまうなら、自分と相手、どちらが作業中なのかわかるようにしておいて、自分が担当でない期間は安心して忘れられるようにする。そんなことを考えながら、どういう仕事があって、いつ発生して、いつ締切で、次に何をやるのか、見るだけですぐに状況がわかる表をつくりました。Upload By 姫野桂Upload By 姫野桂――たしかに、ここまで可視化すると、頭の中を整理できそうです。高梨:作成当時、我ながら傑作だと思いました(笑)。そして、同じようなことをしている人がいないか検索してみたところ、初めて「タスク管理」という言葉に行き着きました。そのとき、わたしはすごく希望を感じたんです。自分の特性をカバーできる方法論を突き詰めていったら、仕事ができると言われるビジネスパーソンが活用する「GTD(Getting Things Done)」という手法とそっくりだった。ADHDのわたしも、自分がエリートだと思っていたビジネスパーソンも、仕事を効率化する上でやっていることは一緒なんだ、と。このときの表を改善して、クラウド上で使えるようにしたのが、タスクペディアです。Upload By 姫野桂高梨:タスクペディアは、誰でも無料で、パソコンからもスマートフォンからも使えるように開発してもらいました。Excelだと、使える環境が限られるじゃないですか。必要な人が気軽に使えて、仕事がうまくいったとか、仕事が見つかったという話が聞ければ嬉しいなと思って、クラウド化してもらい、2018年にリリースしました。――そのような背景でタスクペディアはつくられていたのですね。タスク管理ができるようになってから、仕事のしやすさは変わりましたか?高梨:それはもう、劇的に変わりました。ただ、自分にとってのタスク管理の目的は、仕事ができるようになることそのものではありません。タスク管理をして、無理なく仕事を進められるようになった結果として、落ち着いて仕事ができるようになる。その気持ちの安定が、自分にとっては目的だったのかなあと思います。挫折経験もむしろアリ。背伸びはせず、考え方を変えてみるUpload By 姫野桂――2社目への復職後、転職を経て、現在の職場は3社目ですよね。今の高梨さんからは、とても充実した日々を送られている印象を受けます。高梨:たしかに、幸せだなと感じることは多いです。途中でまたしても障害者手帳の更新を忘れてしまい(笑)、障害者雇用から一般雇用への変更はありましたが、現職は勤続6年目になりました。すごくいい環境で働かせてもらえていると感じます。わたしの感覚では、自分の特性を受け入れて、苦手なことをカバーできたら、その時点ですごく幸せだと思うんですよ。そのタイミングで、自分の強みにも目を向けやすくなりますし。それに加えて自分は今、これまでの経験すべてを、人に役立つ活動へと還元できているように感じるんです。就労移行支援事業所でのプログラムもそうですし、本の出版もそうです。無料でおこなっている活動もありますが、それが巡り巡って勤め先の新たな仕事につながり、会社の利益に貢献できたりもします。このような活動は、すべて自分のしくじり、もっと言うならばADHDの特性が元になっているんですよね。そう考えると、挫折体験って普通はあまりしたくないものかもしれませんが、得るものもあるんじゃないかと思えます。――特性についてのポジティブな捉え方も発見されたのですね。高梨さんは、仕事で苦手と向き合いながら、ご自身の特性を受け入れていったかと思います。自分の特性や診断に悩む子どもたちに、何か伝えたいことはありますか?高梨:そうですね…。「背伸びしなくていいんじゃないかな」と伝えたいです。苦手なことについて、ある程度の努力でカバーできるのならカバーしたほうがいいという考え方もあるとは思うのですが、どうしてもカバーが難しかったり、努力すればできるけれど、代わりに体を壊してしまったりする場合もあると思うんです。そんなときは、別の考え方をする手もあります。背伸びせずに、「あ、これできないんだ」と、自分を少し離れたところから見て、「じゃあ、どうする?」と、直接カバーする以外の対策を練るだとか。自分1人で対策を考えていると、できない自分を認めたくない気持ちも襲ってくるかもしれないので、客観的に見てくれる、頼れる存在がいるとすごくいいですよね。わたしも、妻や家族、担当医や支援機関の方など、たくさんの人に話を聞きました。似たような悩みを持つ同志と、ファミレスで9時間ぐらい話して、励まし合っていたこともあります。苦手なことに対して、自分だけで・直接取り組む以外の方法も、ぜひ試してみてほしいですね。Upload By 姫野桂仕事を始めてから発達障害の特性に悩まされ、一時は休職し、転職も複数回経験した高梨さん。「できなさ」にふさぎ込むのでなく、そんな自分も受け入れて発想を転換し、苦手をカバーする方法を身につけました。高梨さんの場合は、タスク管理術を身に付けたことで自分らしさを取り戻したのではないか――彼の笑顔を見て、そう感じました。何かにつまずいた際は、どうすれば自分らしくいられるか、自分のよさを発揮できるかを考えてみると、少し違う見方ができるようになりそうです。取材・文:姫野桂編集:鈴木悠平・佐藤はるか撮影:鈴木江実子
2020年11月25日子どもが生まれて変わった意識。それは”挨拶”育児をするということだけでも子どもに接する大変さがありますが、社会の中で生きていく限り「周囲の目」も気になるもの。ましてや障害児の育児ともなると、それが大きなストレスになったりします。ほぺろうの癇癪がピークだったころ、どんなに対策しても効果がなかったこともあり「ご近所からどう見られているか」も私の頭を悩ませる要因の1つでした。Upload By ぼさ子子どもを授かる前、もともと社交的でないこともあって「ご近所付き合いは首を突っ込まないことが親切。無干渉がモットー」と思っていた私達夫婦。だけど、ほぺろうが生まれた途端にその考え方はガラリと変わりました。私達が意識したのは「人にきちんと挨拶すること」。Upload By ぼさ子Upload By ぼさ子苦労しているという事実は変わらないのに対応1つで誤解されるのは悲しいですし、親の印象が少しでも良くなれば、それがわが子を守ることに繋がると思ったのです。「たまたま会ったら...」くらいではありましたが、普段の「おはようございます」「こんにちは」を、こちらの様子を伝えるツールとして相手に安心感を持ってもらうために欠かしませんでした。通報されてもおかしくないレベル。それでも見守ってくれたご近所さん達現住所に引っ越してきたとき、ほぺろうは3歳。自閉症の診断は出ていませんでしたが、すでに癇癪が激しい時期でした。引っ越しのご挨拶のときにご近所さん一軒一軒に「息子の泣き声が激しめです。ご心配掛けることもあるかもしれません。気になることがあれば遠慮なく教えてください...」と伝えたことを覚えています。「何も言われてないと、泣き声が聞こえたときに気になっちゃうよね。最初に伝えておけばご近所さんのストレスが少しでも減るかな...」と思ったのと、自分も早めにカミングアウトした方がラクになれるかもしれないという気がしたのです。Upload By ぼさ子寝ているとき以外は一日中泣き暴れていたほぺろう。事情を知らない人から見たら「騒音」や「虐待の疑い」で、それこそ「いつ通報されてもおかしくない」レベルでした。ご近所に住む方々にご迷惑をかけていたのは間違いないです。(実際に最近「あの時は泣き声がすごかったもんね~」と言われました)それでも「泣き声のことなんて気にしなくて大丈夫だよ!」と温かく見守ってくださったのは、私達家族が「怪しい者ではない」と思っていただけたからという気がします。Upload By ぼさ子自閉症の診断を受けた後ほぺろうが自閉症の診断を受けたことも、ご近所の方々に説明しました。自閉症という診断名を聞かされても、当事者ではない方々にとっては「?」だと思うので、「理解してほしいとまでは望まない。他の子と違う困りごとがあるとだけ伝われば儲けもの」くらいの気持ちで簡単に。「自閉症、知ってるよ~。確かに特徴が当てはまるね」とか「自閉症って??」など反応はさまざまですが、診断名があるおかげで「そういう理由がある」と思ってもらえたと感じます。Upload By ぼさ子やがて、嬉しい変化も...事情を知ってくださっているからか、その後もご近所の方々には優しい言葉を掛けてもらえたり、困ったときは手を差し伸べてくださったり...と親子共々お世話になっています。また、普段から挨拶をしているからか、ほぺろうの成長に気付いてもらえたり、人見知りだったほぺろうがいつの間にかご近所さんに懐いていたり...親としてはありがたい変化もあります。Upload By ぼさ子Upload By ぼさ子療育と同じくらい大切。”居場所”をつくることほぺろうの癇癪が激しいと、後ろめたくて周囲と疎遠になってしまいがちです。私はいまだに、ほぺろう連れでの集会やイベントは癇癪が怖くて尻込みしてしまうのですが、それでも「大丈夫だよ。ほぺろう君連れておいで!」と声をかけていただけたりします。”挨拶”という何のひねりもないことですが、これを大切にしていたから周りの方々に助けてもらえるようになったのかな...?と勝手に思っています。いろいろな癇癪対策をやってみても効果が出ず、「ほぺろう自身がすぐに成長するのはチョット無理だな...」と落ち込むこともありましたが、今振り返ると「ほぺろうを成長させることだけが、生きる手段ではない」と気づかされました。ほぺろうがありのままでも生きやすい環境があれば、それ以上に素晴らしいことはないのかもしれません。Upload By ぼさ子※発達ナビに無料会員登録をしていただくと、他の【かんしゃく特集】記事もお楽しみいただけるようになります。
2020年11月24日床に寝そべり、協調性ゼロだった保育園時代Upload By かなしろにゃんこ。ADHDと軽度の広汎性発達障害がある息子のリュウ太が保育園のころと学童期は、保育士や先生から日中の様子を聞くと、多くはケンカや揉めごとの報告で、聞くたびに「あちゃー」と情けない気持ちになっていました。保育園のころ、好きなオモチャを他の子に取られて遊べない日は調子が出なくて、オモチャを巡ってケンカをしていました。お友達をオモチャで殴りましたとか、外遊びでは滑り台を階段から登らず滑る方から登ってルールを守りませんなど、悪い報告が多かったのです。日中の子どもの様子を影からこっそり見てみませんか?と先生に促されて、黒幕の影から子どもたちにバレないように覗くということをしたことがあります。Upload By かなしろにゃんこ。先生のピアノ伴奏に合わせてみんなで簡単な楽器演奏をする時間に、リュウ太は一人で床に寝そべってミニカーで遊んでいました。この覗きによってリュウ太は集団行動が取れない、協調性ゼロの問題児だったことを知ったのです!うわーん(泣)就学してからもすぐに、教室で座っていられない、ノートや教科書を準備せずに授業がはじまっても工作やお絵かきを続行するなど、自由な振舞いが目立っていました。トホホ……。就学後も集団のルールが守れない状態は続き...Upload By かなしろにゃんこ。勉強を無理に強制すると、工作やお絵かきを邪魔されたとパニックになります。先生は発達障害がある子の指導に慣れている方だったので、学校生活に馴染めないリュウ太をある程度自由にさせてくれていて、クールダウンスペースもつくるなど、息子の気持ちに寄り添った対応をしてくれて、ルールを守れないことも大目に見てくれました。リュウ太がアルバイトをはじめた16歳のころ、息子に「リュウ太はルールに従えなかったのに、働けるようになるまでに成長して良かった~」と話していたときに、「なんで昔はルールを守ることができなかったの?」と聞いてみたんです。ルールを守る同級生たちを見て「それ、本心でやってんの!?」Upload By かなしろにゃんこ。「保育園のときはいろいろルールがあるって気にしてなかったから、実はよく知らなかったんだよね。自分がやりたいことを今やりたいから、できないと体の中にストレスがドンドン溜まっていっちゃうから、気持ち悪くなっちゃうんだよ。だからルールよりも自分が大事!」とリュウ太は言います。「小学校に入ってからは、なんでルールに従わなくちゃいけないんだろう?って思った。ルールって誰かがつくったもので、人の気持ちをムシした規則じゃん。みんなは真面目に従っていてエライな~っていうよりも、先生の指示に反発もなくってマジ?それ本心でやってんの?って思った。」Upload By かなしろにゃんこ。Upload By かなしろにゃんこ。自分を大事に生きていたリュウ太の考えに、思わずナットクみんながやるからやるとか、一人だけ目立つのがイヤだから合わせるとかバカバカしいことにこだわっていないで、やりたくなければやらなくていい!勉強とかやらなきゃいけないこともあるけれど、いやいややるならやらない方がマシ!という持論なんだそうです。それに、指示されると余計にやりたくなくなる!とも言います。指示の言い方に悪意を感じると絶対に従いたくなくなる、従うくらいなら戦う!なんだとか。私が「明日の時間割準備しなさいよッ」って半分怒りながら言うと絶対やらなかったのは、そういうことか!と気がつき、トホホ…。リュウ太が言うことをまとめると...人間は我慢が多すぎる。人からどう思われるか気にしたり、一日24時間の中で自分らしく生きている時間が少ないよね、日本人は特に我慢ばかりしている気がするから、もっと自由な感覚を持ったほうがいい。ということでした。なるほどね~、リュウ太はいつでも自然体で生きていたんだとわかりました。自分を大事にすることを忘れていた私。うん、なんとなくわかる。ルールって秩序を保つのに大事だったりもするけど、確かに従いたくないものも中にはある!大人は我慢して従っちゃうけど…そうやってルールに縛られて自分らしさをなくしていたな~。って気づかされました。Upload By かなしろにゃんこ。こんなことを言っていたリュウ太ですが、今では自分も我慢しながら生きる大人の一人として就労先のルールを守って働いています。幼児期や学童期にルールに従えない子でも、遅れてルールを守れるようになることがあると分かりました。徐々に「そのくらいは付き合ってやるか、ルールを守ってもいいよ!」という気持ちになるんだそうです。あくまでも「やってもいいけど」という上からの気持ちだそうです。何様?笑
2020年11月23日埼玉県放課後等デイサービスUpload By 発達ナビ施設情報放課後等デイサービスすくすくすてっぷ朝霞店では、2つを療育方針で支援を行っています。ひとつ目は「子どもの成長」です。さまざまなプログラムからお子さまの興味関心を広げ、得意なことを伸ばすことで、将来の仕事にもつながるよう成長を促します。ふたつ目は「地域の理解」です。年に2回の大きなイベントを開催し、お子様の活躍を披露する場を設けると共に、地域の方々との関わりを持つ機会を増やしています。お子さまがいろいろなことにチャレンジできる環境を整え、保護者様の意見も取り入れながら、知識経験豊富なスタッフがサポートします。埼玉県の放課後等デイサービスをもっと見る埼玉県児童発達支援事業所Upload By 発達ナビ施設情報こぱんはうすさくら川口戸塚教室では、ひとつのプログラムの中に多数の目標を設定し、お子さまのニーズに合わせた療育に取り組んでいます。お子さまの発達段階はアセスメントツールを用いて正確に把握し、スモールステップで支援していくことで、社会生活能力の獲得を目指します。スタッフは経験豊富でチームワークも抜群、研修等には日々積極的に参加しているそう。お子さま一人ひとりの才能を輝かせられるような場所を目指し、スタッフが細かくサポートしています。埼玉県の児童発達支援事業所をもっと見る大阪府放課後等デイサービスUpload By 発達ナビ施設情報就労準備型放課後等デイサービスBe Smile Mastersでは、ソーシャルスキルトレーニングやビジネスマナー、パソコンスキルや学習等を通して、将来の就労という課題に早いうちから意識を向けていただく事で、社会生活への移行を実現することを目的として支援を行っています。また、不登校のお子さまへの配慮にも力を入れていて、生活リズムを整えたり、学習支援を行ったりしているそう。社会経験豊富であったり、教員資格のあるスタッフが、お子さまの状況を確認・理解しながら支援するとともに、個性も伸ばしていけるよう、日々サポートしています。大阪府の放課後等デイサービスをもっと見る神奈川県幼児教室・学習塾Upload By 発達ナビ施設情報LITALICOジュニア幼児教室・学習塾武蔵小杉教室は12月1日に新しくオープン予定の教室です。言葉の遅れや学習やコミュニケーションのつまずき、集団行動などの困りごとを中心に一人ひとりの特性やスキル、好き興味関心、困りやその背景などを専門的に分析し、お子さまへの直接授業だけでなく、ご家庭でも成長を促すためのご家族さまへのサポートやレクチャーも行います。教室スタッフは、日常場面での生活のしやすさやスキルの発揮を見据えた、総合的かつオーダーメイドのサービスを提供し、お子さまの成長をサポートしたいと考えているそう。園・学校、家庭でのご様子を適宜面談等でヒアリングしながら、それぞれの場面で、お子さまの「できた」を拡げられるよう、保護者と密に連携しています。神奈川県のその他発達施設をもっと見る「もっと施設の情報を詳しく知りたい!」「見学をしてみたい!」と思ったら、WEBからもお問い合わせが可能です。施設情報ページでは、掲載されている施設の情報を地域ごとに検索して見ることができますよ。
2020年11月22日週1回、特別支援教室で指導を受けているミミASDのミミは週に1回、特別支援教室で2コマ指導を受けています。特別支援教室の先生からの「連携ノート」には、授業の内容が毎回びっしり書き込まれていて、熱心な先生でありがたいです。帰宅したミミにどんなことをしたのか聞くと、「折り紙をした」「楽しかった」と言うので、楽しめているんだと思っていました。Upload By taeko3回目の日の夕方、特別支援教室の先生から電話がきました。ミミがかたくなに特別支援教室へ行くのを嫌がり、通常学級の自分のイスから離れようとせず、先生に「来ないで!!」と言ったそう…。Upload By taeko先生がなんとかなだめて「少しだけ特別支援教室へ行き、2コマ目は通常学級に戻ろう」という約束で移動できたそうです。先生が「なぜ行きたくないの?」とミミに理由を聞くと、「(通常学級の)お友達と離れるのがイヤ。どうして行かないといけないの?」と答えたそう。電話で先生と話しているうちに、事前の説明が十分ではなかったと気付きました。確かに、「○曜日に2時間ここで勉強するんだよ」ぐらいにしか伝えていませんでした。ミミは普段「学校が楽しい」と言っていたので、すっかり安心してしまっていました。ミミにとって、慣れてきた通常学級の教室から1人だけ別室へ行くのは嫌なことだし、理由もよく分かっていなかったのでしょう。もっとしっかり説明してあげればよかったと後悔。特別支援教室の説明が子ども向けに書いてあるプリントを見せながら、自分の気持ちやお友達との関わり方、学校や世の中のきまりごとを特別に教えてくれる場所であることをミミに話しました。「ミミは〜が苦手だから行く」といったマイナスに感じる言葉は避けました。Upload By taeko後日、校長先生や特別支援教室の先生などが方針を相談してくださり、ミミが嫌がったら無理に特別支援教室へ行かせずに通常学級で見守ることなどが決まりました。そして翌週も、特別支援教室の先生が電話でミミの様子を教えてくれました。ミミは特別支援教室に行けたけれど、やる気はなし。先生が用意したおもちゃにも興味を示さなかったそう…。帰宅したミミに「今日は、どんなことをしたの?」と聞くと、「折り紙」と少しだけ話してくれました。「そっか、がんばったね。でも、行きたくなかったら行かなくてもいいんだよ」と伝えました。さらに翌週の朝も、「行きたくなかったら行かなくていいよ」と伝えました。夕方ミミに楽しかったか聞くと、「うん」。どんな勉強したのかは「忘れちゃった」とのこと。私は行けたことを褒めて、深くは追及しませんでした。Upload By taeko後日、特別支援教室の先生と初めての面談。ミミの様子を詳しく教えてもらいました。前回はミミが自分から特別支援教室に向かい、ノックして名前と勉強をしに来たことを元気な声で言えたと聞き、びっくり!「人が変わったようです!」と先生も驚いていました。ほっとしたのも束の間…順調に行けるようになって3回目の夕方、担任の先生から電話が。その日は、ミミが楽しみにしていた日直当番。特別支援教室の日と重なってしまったため日直を翌日にずらすことを聞いたミミはやる気が下がってしまい、特別支援教室に行くのをまた嫌がったそう。急な予定変更は、これからもたくさんあるでしょう。ミミにとって、よい経験なのだと思います。これからも波があると思いますが、優しい先生方に助けてもらいながら見守っていきたいと思います。Upload By taeko
2020年11月21日刺激がなさ過ぎて気が散る!?一筋縄ではいかない環境調整Upload By 丸山さとこ私と息子はADHDです。集中する先を意識的に選んだり、丁度良いレベルで集中したりすることが苦手です。気が散りやすい反面過集中も起きやすいため環境調整が必要なのですが、”静かで視覚刺激も少ない環境”であれば上手くいくかというと、案外そうでもなかったりします。私もコウも”強すぎない快適な刺激”があることで集中しやすくなる傾向があります。「集中できるように」と刺激を排除し過ぎることで、かえって集中力が発揮できなくなるのです。Upload By 丸山さとこ音楽や独り言など、”一見よそごとにしか見えない何か”を取り入れることで作業が捗ったりするのが不思議です。それでいて、集中が深まっていく過程では急に「微細な刺激が邪魔だな」と感じるときもあり、そういうときには”静かな環境で黙って集中”することになります。微細な刺激は集中の導火線みたいなものなのかもしれません。導火線の段階で作業が終わることもあれば、深い集中という”集中力の爆発”まで至ることもあるのかな?と思います。人それぞれな環境調整。コウの場合は…?”強く興味を引き過ぎない刺激”が集中に対して有効な一方、強く興味をひくものは、やはり集中の妨げになります。ゲーム機・読みかけの本・タブレット端末などは、”目につかない・手が届かない”場所に置くようにしています。Upload By 丸山さとこ「ADHDのある孫みたい」加齢で集中力がダウンしたと言う母の言葉に一瞬ナットク…でも息子コウとは違う?起こりがちなパターンに対してはそれぞれに対応方法を考えます。例えば、コウは学校から借りてきた本に夢中になって宿題や支度を後回しにしがちなので、「宿題や支度が終わるまで本はランドセルの中」というルールをつくったりして対応しています。私が家事などで長時間リビングダイニングを離れるときにも集中が乱れがちなので、宿題などを行っている際はできる範囲で同じ空間にいるようにしています。(同じ部屋でゲームをしたりしていても、コンディションが悪くなければ気にならないようです)Upload By 丸山さとこコウが好む状況を私なりに分析してみると、どうやら彼は自分とは関係のない作業をしている人がいて、なおかつその人が「あまり動かないで同じ場所に座っている」状況で落ち着いて宿題などができるようです。「カフェや図書館で作業をするとはかどる」と言う人は珍しくありません。そう考えると、案外、コウの持つ環境の好み自体は珍しいことではないのかもしれません。(隣でゲームをしていてOKなのは、少し珍しいのではないかと思いますが)将来的にはカフェや図書館などで勉強をするのが向いているかもしれないということで、最近は「それらの場所を静かに利用するために、独り言は段々と頭の中で行えるようになるといいかもしれないね」と提案しています。Upload By 丸山さとこ「音読を黙読に変えていくようなものだと思う。だから、それができたコウなら、いつかできるようになると思うよ。お母さんは、静かにしているときでも頭の中では結構おしゃべりだったりするよ」と言うと、「そうなんだ…全然分からない!」とコウは目を丸くしていました。今は主に薬と母親のサポートを受けている彼が、成長にしたがって”自分のコンディションやそれにあった環境”を色々と覚えて、便利に選べるようになるといいなと願っています。
2020年11月19日「私を育てるのは、大変?」娘から突然質問されて...広汎性発達障害の娘(小学4年生)は、自分が小さいころの話を聞くのが好きです。小さいとき、なかなかしゃべらなかったことや、表情がなかったこと…療育に通った話も、娘が聞いてくることは、何でも話すようにしています。ある日、娘と小さいときの話をしていた時のこと…Upload By SAKURA「私を育てるのは、大変だった?」と聞いてきました。これまでのことを思い出してみても、娘の子育ては正直言って、大変でした。でも、ただひたすら大変で、辛かったわけではありません。そこには楽しさもありました。Upload By SAKURA一筋縄ではいかない娘の子育ては、大変でしたが、その一つひとつ勉強になることばかり。発達障害に無知だった私は、娘のおかげで、発達障害についても学ぶことができました。"娘がどうしたらできるようになるか"を考えるのは何だかんだで楽しいし、それを解決できる療育グッズをつくれたとき、大きな達成感もありました。ずっとできなかったことが、長い時間をかけてできるようになったときの感動は、娘以外の子育てでは味わえなかったと思います。娘の子育ては、まとめると「大変で、楽しい」のです。娘から見た、ママは…そんな風に見えていたの!?話し終えると、娘は私に、予想していなかったことを言いました。Upload By SAKURAまさかわが子にこのセリフを言われると思わず、思わず吹き出してしまいました。「子育てに苦労してなさそう」は、他の人から言われると、ちょっと複雑な気持ちになるセリフ。しかし、わが子に言われると、不思議と嫌ではありません。私は終始ニコニコして菩薩のように、子育てしてきたわけではありません。むしろその逆。Upload By SAKURA娘のパニックの対応ができず、一緒にパニックになったこともあるし…娘との話し合いの中で伝えたいことをわかってもらえなくて、泣いたこともありました。もしかしたら娘には、そんな記憶はないのかもしれません。でも、親が苦労して大変な思いをしていた記憶なんて、できればない方がいい。親が笑っていた記憶だけ残ってくれているなら、万々歳ではないでしょうか(笑)私はそう感じました。Upload By SAKURA「育ててくれてありがとう」と、普通結婚式で言われるであろうセリフを、9歳の娘から言われたことも、予想外でした。私の子育ては、まだまだ続きます。引き続き、娘に「子育てに苦労してなさそうなママ」と思ってもらいながら、頑張りたいと思います(笑)
2020年11月18日出典 : こんにちは。『発達障害&グレーゾーン子育てから生まれた楽々かあさんの伝わる! 声かけ変換』他、著者・楽々かあさんこと、大場美鈴です。「ちょっと待って」「ちゃんとやって」「キチンとして」…日常生活や、学校生活の中でよく使われる言葉ではありますが、小さな子だけでなく、こんなアバウトであいまいな表現が、イメージしにくくてピンと来ない子、イマイチ伝わりにくい子は案外多いんじゃないでしょうか。だって、「ちょっと」や「ちゃんと」って、目には見えませんからね。でも、”超・具体的に”、声かけを翻訳するだけで、どんな子にもガゼン、伝わりやすくなると思いますよ。そこで今回は、家庭でも園・学校でも即!使える、あいまい言葉の「声かけ変換」のコツを直伝します。「ちょっと」「もうすぐ」「だいたい」は、具体的な時間や目安を出典 : あいまいな言葉を子どもに伝わるように翻訳するコツは、「見えないものを具体的にイメージし、それを相手と共有できるようにすること」です。通常、「時間」や「相手の気持ち」などは、目には見えませんし、「適量」や「適度」などは、その人によって感覚が違います。更に「適切な行動」などになると、その人の主観や価値観次第でも変化するのではないでしょうか。そこを、人生経験の少ない小さな子や、空気を読むのが苦手な合理的なタイプの子などに、「察して、推し量るべし」と求めるのは、少々ハードルが高いことだと思います。そこで、子どもが経験値を積むまでは、こちらと同じイメージを共有できるように、具体的な数字・目安・行動などで伝えることで、分かってくれること、実行できることも結構多いんですよ。まずは、「ちょっと」「もうすぐ」など、時間に関する基本の伝え方から。Upload By 楽々かあさん例えば、お出かけ前に「早く、早く!」なんて、何度も子どもに急かされると、こちらにも都合があるので「ちょっと待って」と、連発したくなりますが…「ちょっと」とは、あとどれぐらいの時間なのかが分かるように、「あと3分待って」「9時45分になったら、出かけよう」など、具体的な数字を入れて伝えると納得しやすいでしょう。この時、まだ時計が読めない小さな子や、なかなか時間を意識しにくい子などは、スマホのゲージ付きのタイマーアプリや砂時計など、「時間が見えるようになっているもの」を併用して見せるとGood!また、ハッキリとした時間が伝えにくい場合には、「かあちゃんが、この洗濯物をたたみ終わるまで待って」など、具体的な行動などで区切りや目安を伝えてあげると納得できることも。運が良ければ、お子さんが一緒にお手伝いしてくれるかもしれませんしね。Upload By 楽々かあさん子どもは待つのが苦手なことが多いもの。ましてや、楽しみなことが目の前にあったら、「ワクワクし過ぎて、待ちきれない!」のは尚更でしょう。また、いつまで待てばいいのか分からなくて不安になったり、漠然と待っているとどうしたらいいのか戸惑ったりすることも。そんな時に、「もうすぐだから」と、大人がうまいことお茶を濁そうと思っても、子どものほうは、なかなか納得してくれないこともあります。例えば、人気のお店や映画などの長蛇の列に並んでいる時には、「あと、〇人だよ」「今、◯番目だよ」など、時間同様、人数や回数などの具体的な数字を伝えて、「ゴールが見える」ようにすると安心できるかもしれません(事前予約や座席指定をしたり、空いている時間帯や場所を選んだりするのも、お互いに疲れないための賢いテです)。この時、整理券や番号札などがあると、なお分かりやすいのですが、お店で配ってない場合はメモ帳などに番号を書いて渡してあげると、落ち着けることもあります。小さな子には、指で見せてあげるだけでも違うと思いますよ。また、「〇〇して待ってようか?」など、具体的な待ち方を提案したり、予めゲーム機やマンガなど、その子の好きなものを持参したりなどして、待ち時間に「何をして待てばいいのか」がハッキリしていると、結構気長に待てることも(大人だって、応接室でお茶菓子を出されたら、多少の時間は大丈夫ですよね)。そして、大人と子どもの時間感覚は違うので、「冬休みまで、もうすぐだから」など、大人にとっては数週間後の話も「もうすぐ」かもしれませんが、子どもにとってはとてつもなく先の話に感じられることも。こんな時は、一緒にカレンダーを毎日斜線で消していったり、メモ帳パッドで日めくりカウントダウンを作ってあげたりするのもいいかもしれません。出典 : 例えば、子どもが宿題などで、些細なことにこだわって、なかなか自分で今やっていることを終われないときに、親が助け舟を出すつもりで「だいだいでOK」なんて言ってあげても、真面目で完璧主義タイプの子などは納得できないことも。そんなときには、「だいたい」とは、何%くらいのことなのか、ひとまずの目安を具体的な数字で伝えてあげるだけでも、気持ちに区切りをつけやすくなるでしょう(時間に余裕のある時には、本人が納得できるまでトコトンやらせてあげるのも、いいと思います)。この時、ワークなどの課題に1ページずつふせんを貼って「今日は、ふせん◯枚取れれば大丈夫」とか、優先順位をつけた一覧表を作って「最低限ココまでできれば、十分だよ」などと、ひとまずの合格ラインを引いてあげると、安心できる子もいるでしょう。また、宿題などで、完璧さを求め過ぎてなかなか終わらず、子ども本人も悩んでいる場合などは、あえて「字を雑に書く練習」をしてみたり、「ココだけは完璧に」「ココからは、"できれば"でOK」など、時間をかけて一緒に「妥協ラインを引く練習」をしていくと、その子も少しラクになれるかもしれません。「ちゃんと」「しっかり」「キチンと」とは、どんな行動なのかを「ちゃんと」「しっかり」「キチンと」などの言葉も、その人それぞれの主観や価値観次第で、「どの程度が合格ラインなのか」が変わってきますし、どんなことをすれば「ちゃんと」になるのか、「具体的な行動」をなかなか明確にイメージできない子もいます。ここは、どんな行動をすればいいのか、何ができていればいいのか、こちらが想定している「ちゃんと」の「中身」まで取り出して、具体的に翻訳して伝えると動きやすくなるでしょう。出典 : 「もう!男子〜、ちゃんと掃除やって!」…なんて、学校の掃除の時間の班行動などで、しっかりさんタイプの子が大変そうにしているときもあるでしょう。みんなで何かをする場面で、単独行動を取りがちな子や、他人事のようにぼんやりしちゃう子などには、「誰が、どこからどこまで、何をやればいいのか」それぞれの子の担当する範囲や役割を明確にして、具体的な行動で「個別に」お願いすると、自分から"ちゃんと”動いてくれるかもしれません。とはいえ、最初から、ここまで子ども同士に期待するのはハードルが高いので、まずは周りの大人が声かけのお手本を見せてあげると、しっかりさんも助かるんじゃないでしょうか。大人が目の前で繰り返し声かけのお手本を見せていると、自然と子ども達がマネしてくれること、いつの間にか身に着けてくれることも、多いと思いますよ。出典 : 大人が子どもに対して「しっかりしている」と感じるとき、その子は自分で判断して、「自分が何をしたらいいのかが分かり、それを実行できている」ことが多いのではないでしょうか。逆に言えば、「やるべきこと」を把握し、それを実行できれば、どんな子も”しっかり”できるかもしれませんね。つまり、子どもに”しっかり”やって欲しいときには、「今やること」「次にやること」「何と何ができればいいか」等を確認できる声かけなどをするといいでしょう。この時、一緒に「やることリスト」に書き出したり、計画表を作ったり、ふせんなどを使って物事の優先順位づけをしたり…と、頭の中の整理整頓ができるようにすると、先のことを見通して動くことが苦手な子でも、実行力がUPすると思います。こうして、最初は大人の声かけで促されつつも、「有言実行できた」経験値を貯めていくと、次第に自分で判断し、"しっかり”できるようになってくるでしょう。Upload By 楽々かあさん例えば、子どもの服装や姿勢をだらしないと感じて、大人が「キチンとして」と、注意したとしても…子ども本人が、周りからどう見られるのかをあんまり意識していない場合、「キチンと」しないといけない場面でも、その場に合った適切な服装や行動ができないこともあります。でも、その子に悪気はなく、単に知らない・気づいていないだけのことも多いので、「どういった服装や行動をすれば、キチンと見えるのか」を、具体的に伝えればOK!その際、写真・動画や、大人や友達などが目の前で”キチンと”している具体的な「実例」を見せるのも、分かりやすくていいと思います。また、既に「キチンとする」とは、どうしたらいいのかは(知識として)知っているけど、”今がそのタイミング”だと気づいてないこともあります。この場合は、「周りの人の服装を見てごらん」「ここでは、どうすればいいと思う?」等と、周りに気づかせたり、適切な行動を思い出せる声かけをしたりすると、”キチンと”してくれるでしょう(まあ、その子が「シャツをインするのはダサいから、絶対ヤダ」等と、強固な意思を持って”あえて”そうしている場合は、この限りではありません)。このように、見えない空気が見えるように、あいまいな言葉を「超・具体的に」翻訳する声かけを意識すると、”ちゃんと”分かってくれること、”しっかり”"キチンと”できることだって多いんです。できるようになってきたら、あいまい言葉にも慣れるように…出典 : …とはいえ、周りの人達みんながいつもそんな風に、親切に丁寧に言ってくれるわけではありませんよね。そこで、「超・具体的に」翻訳する声かけで、子どもが「どうしたらいいのか」だんだん分かってきたら…あえて「ちょっと」「だいたい」「ちゃんと」などをフツーに使ってみて、あいまいな言葉の表現にも、徐々に慣らしていくといいでしょう。そして、実際にそれができたら、「そうそう、それくらいが”だいたい”」とフィードバックしたり、うまくできなかったら、「もう”ちょっと”こうしてくれる?」等と微調整したりして、あいまいな言葉のイメージを子どもと共有できるようにするとGood!こうして、少しずつ手を離していくと、少々空気を読むのが苦手な子でも、だんだんと「通訳なしでも大丈夫」になっていくと思いますよ。大場美鈴(著),『発達障害&グレーゾーン子育てから生まれた 楽々かあさんの伝わる! 声かけ変換』あさ出版, 2020.6.27
2020年11月17日ご家族の悩みや不安の解消をサポート「発達ナビPLUS」とは?Upload By 発達ナビ編集部「発達ナビPLUS」は、発達が気になるお子さまの保護者さま向け子育てサポートサービスです。「うちの子の困った行動の原因が分からない…」「どう対応すればいいか分からない…」「子どものことで頼りになる相談先がない…」など、子育てにおける不安やストレスを抱えている保護者さまを、精神科医・小児科医・公認心理師・作業療法士・言語聴覚士など、発達支援にかかわる専門家チームがオンラインでサポートします。具体的には、以下の4つのサービスを提供しています。・毎月専門家に相談できる「個別ケース相談」・さまざまなテーマで毎週開催「オンライン勉強会」・すぐに実践できるヒントがたくさん「子育てヒント動画」・教材・支援ツールが7,000点以上「特別支援の教材」【個別ケース相談】毎月専門家に相談できる!Upload By 発達ナビ編集部\【個別ケース相談】の特徴/✔ 毎月1ケース2往復の相談が可能✔ すべての相談を発達支援の専門家がケース検討✔ 個別の状況を踏まえた平均約3,300字の回答が届く✔ 毎月1ケース2往復の相談が可能発達が気になるお子さまの子育てについて、頼りになる相談先が身近になく、おひとりで奮闘されている保護者さまも多くいらっしゃいます。発達ナビPLUSでは、毎月安定して専門家に相談できる体制を整えています。✔ すべての相談を発達支援の専門家がケース検討すべてのご相談に対し、適切な分野の専門家がケース検討を行います。相談フォームにご記載いただいた内容から拝察されるお子さまの困った行動の背景や原因を分析し、分析に基づいた適切な手立てをご提案します。✔ 個別の状況を踏まえた平均約3,300字の回答が届く回答文字数に制限はなく、ご相談内容に対して必要な分だけ回答をお送りしています。原因分析の考え方や手立てについて、保護者さまでも分かりやすいように詳しく解説します。平均で、1通あたり約3,300文字の回答をお送りしています。【オンライン勉強会】さまざまなテーマで発達支援の専門家が登壇!Upload By 発達ナビ編集部\「オンライン勉強会」の特徴/✔ 精神科医・小児科医・公認心理師・作業療法士・言語聴覚士が登壇✔ 過去1年分の録画動画をいつでも視聴し放題✔ 細分化されたテーマ設定で踏み込んだ内容までカバー✔ 精神科医・小児科医・公認心理師・作業療法士・言語聴覚士が登壇医師の先生方を含めた支援経験豊富な専門家陣が、毎月さまざまなテーマで登壇します。講師に対してチャットで質問することもできます。✔ 過去1年分の録画動画をいつでも視聴し放題「日程が合わない」「急用が入った」など、興味がある勉強会に参加できない場合もご安心ください。実施する勉強会は録画し、サイトにアップしていますので、お時間があるときに自由に視聴ができます。過去1年分の動画が見られるため、過去開催のものもチェックできます。✔ 細分化されたテーマ設定で踏み込んだ内容までカバー毎週開催しているからこそ、単発のイベント等では扱えないような、細いテーマ設定で踏み込んだ内容までカバーしています。発達支援の理論から具体的な支援方法の実践まで、保護者さまにも分かりやすいように専門家が解説しています。短時間で見れる【子育てヒント動画】や便利な【特別支援の教材】も!Upload By 発達ナビ編集部さらに、日々の子育てに役立つヒントをご紹介している短い動画集「子育てヒント動画」の視聴や、全国の支援の現場で活用されている教材サイトから「特別支援の教材」を自由にダウンロードして活用することもきます。【無料】サービスのオンライン体験で\お得なクーポンGET!/「発達ナビPLUSちょっと興味あるけど、よくわからない…」という保護者さま向けに、【無料】のオンライン体験会を随時開催しています。個別ケース相談の回答例や、オンライン勉強会の一部を視聴するなど、詳しくサービスについてご理解いただくことができます。さらに、オンライン体験会にご参加いただいた方には、初期コンテンツ利用料が50%OFFになるクーポンをプレゼント中!
2020年11月17日未就学の娘、コト子との日々をお届けします!Upload By koto初めまして。現在、未就学の娘(コト子)を育てているkotoです。コト子は、得意なことと苦手なことの高低差が激しい自閉症スペクトラムです。注意欠如多動性障害でもあり、破天荒な毎日を過ごしています。私がコト子の異変に気づいたのは出産直後。まだ入院中のときでした。母乳拒否、触るだけでギャン泣き…。コト子の健康状態は良好だったので、周りのお母さん達と比べ、自分のお世話が下手なせいだと思っていました。Upload By koto抱っこすら拒否するコト子に「何かが違う」とモヤモヤして...そこから1年近く、ずっと『何かが違う。赤ちゃんとはこんなに大変なのか?』とモヤモヤする日々。目は合わない、呼んでも振り返らない。起きているときは、ほぼ怒っているか泣いているコト子…。抱っこしてあやそうにも、抱っこ拒否。唯一泣き止んでくれるベビーカーに乗せて、ほぼ立ち止まらずに朝から歩き続ける毎日。人との交流もできなくなり、とにかく1日を終わらせるのに必死でした。Upload By kotoいつか私の方を向いてくれたら...1歳から療育園へそんな日々が続く中、買い物に出かけた先でふと、他のお母さんの様子が目に入りました。片手で赤ちゃんを抱っこしながら買い物をしていたそのお母さん。片手に抱かれた赤ちゃんは、しっかりとお母さんにしがみついていたのです。コト子は抱っこすら拒否するのに...そのときに強く感じたのが「私はこの子に必要とされていない」ということでした。そこから、コト子のためにやれることをやって、いつか私のほうを向いてくれたら...という思いで、1歳になってすぐ療育園に通い始めたのです。そこは朝からお弁当を持って通園し、午後まで親子で集団活動を行う園でした。困り感のタイプは違えど、こんなに沢山の仲間がいる!と、勇気付けられたのを覚えています。親子で色んな経験をして、いつの間にか、私に触られても怒らなくなったコト子。4年経った今では、当時の困り感が嘘のようです。ただ、やはり何も困り事が無くなる訳ではなく…。次から次へと、新たな課題が出てきます。でも、1人で悩んでいたころとは違い、今では園の先生達や、理解ある人達がいます。Upload By koto同じ悩みを抱く人との繋がりが、心の拠り所に普段はSNSでコト子との日々を発信しているのですが、SNSで発信しようと思った理由はシンプルです。コト子が赤ちゃんのころ、インスタで必死に『同じ様なタイプの子』を探していました。でも、どこを探してもニコニコの赤ちゃん達と、キラキラした素敵なお母さん達が多くて...写真からも、穏やかな雰囲気が流れていました。激しく落ち込んだ私は、SNSを避けるようにさえなっていました。更に困り感の強い時期を経て、少しSNSを見る余裕ができたときに気づいたのが、『もしかしたら、今まさにあのころの私の様な子育てを、検索している人がいるかも』ということ。そんな人たちの力になればとそう思って、少しずつ投稿していきました。SNSは、医師やペアレントトレーニングの先生の勧めでもありました。同じような悩みを持つ人達との交流や、情報交換がしたいと相談していたからです。地域にそういった人達の集まりを見つけられなかった私は、SNSで沢山の人達と繋がることができました。私は療育のプロでもなく、今でも子育ては分からないことだらけです。でも、同じように頑張っている人達がいる。同じように心が折れそうな人達がいる。感情のジェットコースターのような日々でも、深夜でも、誰かがいつもそこにいてくれる。少しでも、誰かのためになれば、と思って始めた投稿ですが、私の心の拠り所にもなっています。発達ナビのコラムでも同じように、情報や交流を求めている方々とつながっていけたらと思い、コト子との生活をお届けしていきます。まだまだ手探りの毎日ですが、よろしくお願いします。
2020年11月16日最難関私大に進学はしたけれど……私は、中高一貫の私立進学校から、いわゆる最難関私大へ進学しました。学歴カーストの中、いじめとは無縁に過ごすことができた中高6年間については、以前のコラムでもご紹介した通りです。過酷な受験勉強を経て大学に進学した春。私は、大学受験で無理しすぎたせいで心身ともに燃え尽きていて、「もう一生勉強したくない」みたいな気分になっていました。当時は精神科とつながっていませんでしたが、今思えばすでに離人感や抑うつなどの二次障害が出ていて、「毎日を寝て起きるだけで精一杯」という感じでした。履修登録はてんやわんやでした。それまで受動的に授業を受けるだけだった私にはカルチャーショックでしたし、ほかの学生とコミュニケーションをとりながら情報を集めなければいけなかったからです。履修登録の疲れもさめやらぬ中で授業が始まります。そこで私は自分が文学にまったく興味を抱けないことに気づいて、愕然としました。私が進んだのは、小説家になりたいと志向する人が多く在籍するコース。過労で倒れてまで入った最難関大での四年間を棒に振るかもと怖くなりました。今思えば私は、「義子ちゃんは小説家になるのよね、なるのよね、なるのよね?」という母の気持ちにおもねって進路を選択していたのです。自分の興味に正直になって理系の大学に進めばよかった、と後悔しました。センター試験では理系の難関大に受かっていて、あとは得意な小論文を書けば受かるところでしたが、辞退してしまっていたのです。服装や化粧に対する強迫観念に苦しむように思い返してみると、服装や化粧といった容姿や身支度に関することについて、母との間で葛藤を抱えて育ったのが私でした。小学生のころまでは、母の好みのお嬢様風のピンクのフリフリの服や、祖母の手編みのセーター(上質のウールなのよと言い聞かせられましたが、感覚過敏の私には苦痛でした)などを着せられてとても嫌でした。一人だけ流行に沿っていないうえ、ほかの子のものより上質なこともわかるので、学校でいじめられるという理由もありました。皆と同じ量販店の服やキャラものの服が着たいと言うと、母は「こっちのデパートのものやおばあちゃんの手作りのほうが品質もいいし素敵なんだからこっちを着なさい」と言います。母は、私が思春期に入って自分の好きなように化粧したり服を選んだりしようとするとだんだんうるさく口を出すようになりました。髪をブラウンに染めたら「あなたは肌が白くてきれいなんだから髪なんか染めたら台なし」、エスニックな格好をしていたら「そういう服はお母さん好きじゃないわ、もっとお嬢様らしいフワッとしたものを着たら」など。母に気に入られる格好をしたい、でも若い女性として、人から今どきのお洒落で可愛い女の子と思ってもらいたい。そういった葛藤にさらされ、答えが見つからない中で、私はだんだん身支度にやたらと時間をかけるようになっていきました。「こんな服・顔ではだめだ。人に笑われる、人に不快感を与える」という考えで頭がいっぱいになるのです。クローゼットからあふれるほどに服があるのに、「着られる服がない」。母から「お母さんの思い出の服だから」「とても上質なものだから」と押しつけられたお下がりがクローゼットの大半を占め、そのほかは私が試行錯誤しながらこづかいで買い集めた服でした。ストレスからか顔中にニキビができていて、それをどう隠すかにも腐心しました。私は、もともと昼夜逆転傾向だったことに加え、身支度に3,4時間かけるようになりました。家を出られるようになったころには夕方で、結局出かけるのを諦める、ということが続き、不登校気味になりました。当時、これが強迫性障害だなどとは思いもしませんでしたが、最近になって強迫性障害が専門の先生にかかるようになり、これが「整理整頓強迫」という、少しマイナーな症状だと知りました。整理整頓強迫は、自分の身の回りのものごとが思ったとおりに仕上がらないと繰り返しやり直してしまうものです。当時の私が強迫性障害が専門の精神科医にかかっていたら診断が出ていたと思います。身支度に関する整理整頓強迫には、醜形恐怖や対人恐怖といった、「人からどう見られるか」に強い不安を抱く恐怖症が関わっているそうなのですが、私にはまさに、こうした醜形恐怖や対人恐怖がありました。上に書いた「こんな服・顔ではだめだ。人に笑われる、人に不快感を与える」という考えがそうです。母はそんな私を、無遠慮に批判したりからかったりするようになりました。「ファッションショーじゃないんだから」「ナルシスくんみたい。よっぽど自分の顔が好きなのね」とか。私は「自分は実際にはまったく逆の理由で身支度にかけているのだ」「半分ぐらいはあなたのせいだ」と母に伝えたかったですが、どうせ通じないだろうと考え、諦めたまま過ごしていたのです。家からなかなか出られない私と、喜ぶ母。「こんな時間が永遠に続けばいいのに」そんなふうにして大学に行けずに苦しんでいていた私ですが、私の心中をそっちのけにして、母はあからさまに喜んでいました。学校に行けずにいる私をつかまえては、嬉しそうにテーブルに両肘でほおづえをついて、いろいろな話に半日付き合わせるのです。そしてある日母は、うっとりと目を潤ませて「なんて幸せなの、こんな日が永遠に続けばいいのに。ねえ、ずっと一緒に暮らそうよ…」と言いました。私はその瞬間、母に対して強い嫌悪感と絶望を抱きました。「この人は母親なのに、娘には娘の人生があると理解していない」と感じたのです。どうやらいろいろな生きづらさを抱えてきたらしい母にとって、「最難関私大の文学部に進み、将来が小説家として有望な娘を持つ自分」の姿は、自分の夢が叶ったような幸福感をもたらすものだったようです。(彼女が「あなたに小説家になるように望んだのは、小説家が自分の夢だったけどなれなかったから」と告白し、まったく悪びれずにテヘッと笑ったのは、私が30になるころでした)同時に、学歴の面で彼女を超えてしまい、彼女よりも若く、自由な時代に生きる私に、彼女は嫉妬も覚えていたのかもしれません。だから自分の支配下に戻したくて、私の容姿をあれこれコントロールしようとしたのだと思います。つまり、母が私に対して発していたメッセージは、以下のようなダブルバインドです。「有能で美しく、親の私のトロフィーであれ、私の夢を叶えろ。でも私のプライドが傷つかないように、親の私より有能だったり、美しく幸せであったりしてはいけない」親の幸せのために、自分は不可能を可能にしなければならない…私が深く動揺し、心を病んだのも当然だったと思います。この年、私は秋口に同級生の男性とつきあうようになります。この男性はまもなくデートDV傾向を示すようになりました。私は彼と別れようとしましたが、彼は暴力と脅しで私を支配します。家に帰ろうとすると彼は私を脇に抱え、無理やり引きずって自分の下宿に連れ帰ろうとしたり、駅前で大声でわめいたりするので、当時は彼に従わざるをえませんでした。彼は離れているときは何十回も電話をかけてきたり、夜中でも応答することを求めます。要求に応えないと暴力をふるうのです。夜中でも男性と電話している私のことを、「男にうつつを抜かしている」と判断した母は、ここに書けないほどひどい言葉で私を批判するようになりました。そして、彼女も私に何十回でも電話をかけてくるようになります。私は、ストーカー(男性)と家庭内ストーカー(男性に嫉妬する母)との間でぎゅうぎゅうと両腕を引っ張られてちぎれそうかのような状態になっていました。感覚過敏を抱えて1時間以上の道のりを騒がしい都内まで通う体力的負担もあいまって、私はますます家に帰りたくなくなります。この後の展開は次の記事でお伝えします。
2020年11月15日はじめまして、ハル11歳ですUpload By bethハルは多動を伴う発達障害、自閉症スペクトラム(知的障害あり)と診断されています。療育手帳は2度。これから母である私ベスが、そんなおもしろ子どもハルの世界をご紹介していきます。Upload By bethUpload By beth2秒前に話しかけてきていたのに、もう振り向くといないです。さながら忍者のようです。とにかく興味先行型というか、なにかに気を取られればそちらに行かずに済みません。警察に捜索願を出したことも過去10回以上...。あれ...もっとかな...記憶が(白目)。ですが本人の頭の中にはしっかりと地図が入っているようで、うろたえることなく1人で過ごし、気が済んで戻ってくることも。慌てていないため、周囲の方々に「迷子」と思っていただけないのですよね。「多動で迷子になる」ピークは、3歳〜8歳ごろ。高いところ(大木のてっぺんや電話ボックスの上)にいるハルを見つけては、降ろしていました。最近は落ち着いたのか、はたまた自重が重くなったからか笑、高いところに登ることは減りました。Upload By beth感受性が豊かなほうで、自然の中で四季を感じたり生き物を愛でたりしています。気候の良い日は本当に日向ぼっこをしている野生動物のように気持ちよさそう~にしているので、そんな過ごし方をハルに教わったりしています。とてもファンタジーな世界で生きているようで、トトロやラピュタの世界にいたり、アンパンマンの世界にいたりするようです。満月をとってくれと頼まれたことも笑。Upload By beth家族の紹介も少しだけ。弟イツは理系で独自の考えがあったり、小学生らしいあほな部分もあったりするおもしろ子ども。妹ぴっぴは真面目なタイプで、小柄ながらいつも筋トレをしている天真爛漫な女の子です。パパは冷静沈着ローテンション、でもいつもふざけています。替え歌やマニアックなモノマネの研究に勤しんでいます。たまに真剣な相談をすると、1番欲しい言葉をくれます。私ベスは、まあまあぽんこつ人間です...。なんでもおもしろがれる才能はあると自負します。Upload By bethただいまと同時に「いっちゃんは!?」と探し、弟イツとハグ。イツもハルが大好きなようで2人は兄妹愛がでっかいです。そしてパパの帰宅時には、いつも感動の再会のようなテンションで『無事でよかった!?』と言います。でもそうだよね。ほんとみんないつも無事で帰ってきてくれるのは当たり前ではない、尊いことだよね。よかった。ハルありがと!Upload By beth私やパパのメンタルが落ち込んでしまうような日は、必ずといっていいほどハルもメンタルがくずれてしまいます(離れた場所にいても)。なにかをキャッチしてしまうのかもしれません。ハルのすごいなぁと思うところは、そんなちょっとした第六感?みたいなところです。自分で植えたみかんの種の発芽の日を当てたり、近所のカメの冬眠が明けた日を知っていたようにその日に会いにいったり。いろいろなエピソードがあります。思春期にさしかかってきたハルと一緒にUpload By bethハルは現在11歳。少し思春期にさしかかってきたのか、パニックになってしまう頻度が増えて手を焼く日もあります。どうやら、ハル自身が納得いかないと感じられることが増えたのかなと思います。小さな頃は淡々とスケジュールに沿っていたので楽ではあったけれど、いまのこの変化も成長だと思ったりします(思えない日もあります...!)いままでも、これからも。ハルはハルのまま、ハルの世界の日々を素敵なまま重ねていって欲しいです。もちろん弟妹たちも。そして、完璧な良いママにはなれないけれど、私も私のまま一緒に暮らしていきます。
2020年11月14日特別支援学級、実際はどんなところ?「特別支援学級」とは、障害のある子ども一人ひとりに応じた教育を行うために小・中学校に設置されているクラスです。最大8名の少人数クラスで、子どもの発達や障害の程度に応じた指導を受けることができます。(呼び名は特別支援学級やなかよし学級など、さまざまです)■特別支援学級のメリット・手厚い指導を受けられる可能性が高い・発達や障害に応じたカリキュラムが受けられる可能性が高い■特別支援学級のデメリット・集団行動を学びにくい・通常学級と学習カリキュラムが異なるため、学習の差が出やすい学級の選択は、お子さまの発達や特性に合わせて考えることが大切です。しかし、特別支援学級は全ての小学校・中学校に設置されているわけではなく、なかには遠くの学区に通学しなくてはならないケースもあります。指導内容や体制についても、学校ごとにばらつきがあるのが現状です。子どもが特別支援学級に在籍している、または在籍を検討している方は下記のようなことで悩まれることが多いようです。【子どもが特別支援学級に在籍している、検討している方の悩みごと】・学区をまたいででも在籍するべき?・指導・学習内容を具体的に知りたい・サポートや要望(合理的配慮)はどこまで求めていいの?・友だちづくりや、人間関係を学ぶことはできる?・内申がつかないと聞いたけど、卒業後の進路はどうなる?実際のところ、どうなのでしょうか。特に中学校卒業後の進路は、義務教育が中学校までのため、自ら選んでいく必要があります。特別支援学校と高等学校の進学率、半々にUpload By LITALICOライフ小学校に入るとき、「手厚い学級が良い」と思い特別支援学級を選択。そのまま中学校も特別支援学級…と進んでいくと、高校進学を考える時期に、内申がなく高校受験が難しくなる…という話があります。すべてがそうではありませんが、実際にそういった経験をした方もいるようです。実際のところ、特別支援学級に在籍した子どもの中学卒業後の進路は、どうなのでしょうか?上の図は文部科学省の「学校基本調査」より、中学校が特別支援学級だった子どもの卒業後の進路をまとめたものです。ここから、この10年間で卒業後の進路が大きく変化したことがわかります。10年前の2010年は、7割の子どもが特別支援学校に進んでいました。高等学校に進む子どもは約2割と、少数派でした。しかし2019年になると、特別支援学校に進む子どもと高等学校に進む子どもは、約5割ずつと半々になりました。高等学校に進学する特別支援学級の子どもは、この10年間で約2倍になりました。中学卒業後の選択肢は広がってきています。高卒の資格をとれる通信制高校も増えてきています。10年前と比べて選択肢が増えてきているからこそ、お子さまの将来の可能性も視野に入れながら、最新の情報をもとに学級選択をすることが大切です。文部科学省「学校基本調査 /卒業後の状況調査 中学校」令和元年度版、平成22年度版とはいえ、うちの子の場合は?最新の情報が得られる勉強会も活用してここまで、特別支援学級にまつわるよく耳にするお悩みや、実際の数字データをご紹介しました。しかし、特別支援学級の体制や選択できる進路は、住んでいる自治体やご家庭によってさまざまです。お子さまの特性や好み・考え方もそれぞれです。進学予定校の特別支援学級の現状や、お子さまとの相性など、実際の見聞も参考にしながら考えていきたいところです。将来の可能性もふまえた総合的な判断について、相談しながら整理するのも一つの方法です。そこで、LITALICOライフでは、特別支援学級についての情報や、卒業後の進路の選択肢まで、最新の情報がわかる勉強会を開催します。また、勉強会参加後に希望を出すと、後日、個別相談をすることもできるので、「わが子の場合は?」についての疑問や不安もご家族だけで抱え込まずにすみます。就学時の学級選択、進路相談、お子さまの将来の自立まで、相談経験豊富なスタッフがおりますので、ぜひ勉強会後にお申し込みを検討してみてください。特別支援学級卒業後の情報や、いま準備しておきたいことが勉強会でわかる!Upload By LITALICOライフLITALICOライフの保護者さま向け勉強会「支援級卒業後の進路(全国版)」は、特別支援学級に在籍する方の卒業後の進路の選択肢について、広く知ることができる勉強会です。子どもが特別支援学級に在籍している、または在籍を検討している方にとって、今知りたい情報から将来に繋がる情報まで、ギュっとまとめてお話ししています。【特別支援学級 卒業後のこんな情報がわかる!】・高校進学に内申点が必要か・公立高校での特別支援教育の取組み・通信制高校/サポート校とは・高等専修学校とは・特別支援学校 高等部とは・進路選択するときに手帳が必要か・高校卒業後の生活に関して(仕事やお金)【通級】が気になる方は…⇒無料勉強会『「通級」の活用と進路の選択肢』LITALICOライフは、お子さまとご家族が「自分らしい人生」を歩んでいくために障害分野とファイナンス、その両方の専門家としてライフイベントやライフプランの見直しを相談できるパートナーです。社会資源やサービス・お金の知識といった幅広い内容を身につけることができる勉強会や、専門領域をもつコンサルタントとの個別面談・プランニングを提供しています。ぜひ皆さまにご活用いただきたいと思っています。
2020年11月13日教授に相談できなくて…卒論が書けず引きこもりに三重県出身の戸田さん。三兄弟の末っ子として生まれ、義務教育から高校卒業後、一年間の浪人を経て近畿大学農学部(奈良市)へと進学した。つまずいたのは、卒業間近の論文執筆時だった。「卒業論文がありまして、その作成がうまくいかなかったっていうか……考察とかそういう部分がうまく文章が書けなくて。そこから引きこもりになりました」(戸田さん)Upload By 桑山 知之“情報を整理する”ということができなかった。奈良県内の病院の精神科を受診すると、適応障害と診断された。周囲のサポートもあり、なんとか大学は卒業できたものの、その後は実家近くの病院のデイケアに通いながら、自宅療養生活を送った。「先生に頼りにいくという力がなかったんです。当時卒論を担当していた教授は別に怖い方ではなかったんですが、普段誰かを頼ったりしていなかったので……」(戸田さん)思い返せば「小さな頃から誰かを頼ることが苦手だった」と話す戸田さん。小学3年のころにてんかんを発症したこと、中学時代にロボコンに出場したこと、高校で吹奏楽部に所属していたこと以外、学生時代の記憶はほとんどない。戸田さん曰く「事実は覚えているが、感情は覚えていない」らしい。Upload By 桑山 知之過去に認定されていた発達障害24歳で再診断「発達障害はグラデーション状に広がっている」と言われるように、それが生活に支障が出ない人も少なくない。実は戸田さんが小学校低学年のころ、発達障害だと診断されていた。しかし、戸田さんや両親は特段気に掛けていなかった。しかし、大学卒業間近でつまずいた戸田さん。両親と同居しながら、以前の診断時に受診していた海南病院(愛知県弥富市)の精神科が運営しているデイケア施設「ネバーランド」に通った。改めて発達障害の診断を受けたのは、24歳のころだった。Upload By 桑山 知之「担当者と問答したり、数学の問題とかパズルのテストもやりました。結果は広汎性発達障害という名前がつきました。大まかに言うと、人の言っていることを理解するのが苦手なのと、優先順位をつけるのが苦手なのと、物事を文章化するのが苦手という3つが症状ですね」(戸田さん)自らの特性について話す様子は淡々としていて、どこか晴れやかな表情をしている。「自分はこういうのが苦手なのでサポートをお願いします、っていうスタンスが取れるようになりましたね」。戸田さんは、診断によって自己理解が深まったと胸を張っていた。Upload By 桑山 知之大学時代に出会った唯一無二の友人今でも支えに近大では「メダカの学校同好会」に入っていた戸田さん。「メダカの住み良い環境を作り出そうというコンセプト」だそうで、ビオトープ班に所属していたという。「ペットだと飼い殺しにしてしまいそうな感じがするので、飼うのは向いてないかなと(笑)。メダカの学校同好会では生物の調査をしたり、小規模ですが生物が入りやすいように溜池を作ったりもしました。楽しかったですね」(戸田さん)当時付き合いがあっても卒業するとほとんど縁が切れてしまったが、今でも唯一連絡を取っているのが同好会の友人。もう8年ほどの仲で、彼は宮城県仙台市で仕事をしているが、今年の頭には熱海へ旅行に行った。ゲームやアニメなど、彼をきっかけに戸田さんも趣味が広がったといい、現在の戸田さんにとって一番の支えになっていると話す。「定期的に向こうから今夜スカイプどう?みたいな感じで、複数人でオンラインゲームで遊んだり。パソコンのシューティングゲームもそうですし、今やっているオンラインのゲーム『World of Warships』もそうですし、最近アニメで定期的に毎クール観ようと思ったのも、その友人が絡んでいますし。今の趣味すべてに友人がどこかしら関わっている気がします」(戸田さん)Upload By 桑山 知之就労移行利用し就職上司「僕らが一番苦手なことができる子」厚生労働省が委託する機関で、各地域に「若者サポートステーション」というものがある。働く意向のある若者と向き合い、職場定着するまでを全面的に支援する機関で、49歳までの就労意欲のある人が対象だ。戸田さんは若者サポートステーションでパソコンについての訓練を受け、その後LITALICOワークスの就労移行を利用。現在、ネッツトヨタ愛知のデジタル推進部に所属し、各販売店で働くスタッフのサポート業務を行う。もう働き始めて2年目だ。「彼と面接したときに一番感じたのが、僕らって物を売る会社なので、対面のコミュニケーションが主になるんですよ。でも彼は逆で、文字のコミュニケーションができる子。僕らが一番苦手なことができる子だろうなって。だからすごく助かっていますよ」(戸田さんの上司)Upload By 桑山 知之「今までの人生においても、対面のコミュニケーションよりも文字情報のコミュニケーションの方が大半占めていますからね。小学校のときは2ちゃんねるをやっていましたし、中高はオンラインゲームでチャット、大学のときはTwitter。弊社ではMicrosoft Teams越しでやり取りすることが多いので、すごく質問しやすいんです」(戸田さん)大学時代につまずいたあの経験を二度としない。情報を整理するのが苦手だという自覚から、メモ帳はジャンルごとに7種類に分けて工夫するほどの徹底ぶり。新型コロナウイルスの影響でオンラインでの業務がより増えたが、自分にとってはむしろ心地いいという。今では文字でのコミュニケーションを主に置き、ストレスなく仕事に励んでいる。「僕はすごく恵まれてます」。戸田さんは、前を向いて笑っていた。Upload By 桑山 知之平成元年愛知県名古屋市生まれ。慶應義塾大学経済学部在学中からフリーライターとして活動。2013年に東海テレビ入社後、東京支社営業部を経て、報道部で記者/ディレクター。2018年から公共キャンペーンのプロデューサーとして「いま、テレビの現場から。」や「見えない障害と生きる。」、「この距離を忘れない。」といったドキュメンタリーCMを制作。主な受賞歴は、日本民間放送連盟賞CM部門最優秀賞、ACC TOKYO CREATIVITY AWARDSゴールド、JAA広告賞 消費者が選んだ広告コンクール経済産業大臣賞、ギャラクシー賞CM部門優秀賞など。CM内楽曲GOMESS『COMMON』は各サブスクで配信中取材・文:桑山知之取材協力:若者支援ネットワーク研究会in東海
2020年11月13日個性炸裂で手強いレンジャーたち!さらなる『必殺技』を求めて...!?レンジャーから送られた衣装を返しに行きますが、レンジャーたちのペースに完全に飲まれるマジョリティ隊。レンジャーの手強さを痛感します。『ケンポウ』の達人に技を習うことになったレンジャー!『ケンポウ』って...Upload By 荒木まち子武術じゃなかった...!?習得した技は『愚行権』Upload By 荒木まち子執筆後記愚行権 (ぐこうけん)・・・たとえ他の人から「愚かでつむじ曲りの過ちだ」と評価・判断される行為であっても、個人の領域に関する限り誰にも邪魔されない自由のこと。皆さんも「明日はお休みだから今日は夜更かししちゃおう♡」とか「頑張ったから自分にご褒美♪」など、少なからず経験がありますよね?私に愚行権について教えて下さった方は“普段とても頑張っているのが前提として「愚行権」があると思っています。その人なりの頑張りで良いと思います。「愚行権」だけが一人歩きするとまた違うのかなと思います。”っと仰っていました。ほんとうにその通りだと思います。(愚行権については今後も描いていきます。)次回はガラッと変わって海回です(笑)荒木まち子
2020年11月12日小さなころと比べて、だいぶ落ち着いてきた癇癪2歳から始まった娘の癇癪でしたが、2歳…3歳…4歳と、成長と共に少しずつ落ち着く傾向にありました。小学1年生になるころには、癇癪を起こすペースは、2週間に1回ぐらいになっていきました。でも、完全に癇癪が落ち着くことはなく…精神的に不安になる時期(進学や進級時)には一時的に激しくなることもあり、ゲームの時間や約束をしっかり守れるようになって、すっかり安心しきっていると…Upload By SAKURA突然、癇癪を起こしていました。そんな時は娘に対して「今まで大丈夫だったでしょ!?」という言葉は言わないように心がけ、今の娘の心境の変化や体調が影響していると捉えて、受け止めるようにしていました。Upload By SAKURA小学生になると…もう大丈夫になったと思っていた部分で、小さいときのように癇癪を起こすということは、小学4年生になった今も時々あります。しかし、昔と違うのは、話し合いができることです。小さいころ(2~5歳)の癇癪は、自分の気持ちを言葉にできないということもあって、そもそも原因を探るまでにとても時間がかかっていました。そして、原因がわかっても説得というものが通じず、交渉することも難しく、落ち着くまで見守るだけ…という感じでした。しかし小学生になってからは、何が嫌だったのか、納得いかないのかを話してくれるようになり、私たち親の対処が早くなりました。そして理解力が上がって、提案もできるようになったことで、以前より冷静な話し合いにもっていきやすくなりました。Upload By SAKURA娘に聞かれた「大人は、なんで泣かないの?」の問いに...最近では、それが駄目だと理屈でわかっていても、感情がついていかないという自己分析もできるようになってきました。Upload By SAKURAそんな理解からか、『なぜ大人(私たち親)は、泣きわめかないか』が気になってきたようで、ある日、「どうして大人は…パパとママは我慢できるの?」と聞かれました。しっかりとした質問内容にちょっと驚きつつ、私はこう答えました。Upload By SAKURA嫌なことは、言っていい!私は、娘の癇癪をゼロにしようという思いは、正直ありません。癇癪は心の叫びだと思っているので、家の中では出してもらってかまわないと思っています。それに向き合うことで、私たちは娘の叫びを聞くことができるし、自分をそこまで押し殺す必要はないと思っています。その思いは主人も同じようで…Upload By SAKURAただ、家の外や他人にぶつけてしまうと、トラブルになります。家での癇癪、そしてそこでする話し合いは、将来的に外で出してしまわないための練習なのです。娘の個性を受け止めつつ、大人になったときに出ないようにする…それは私の中にある、娘に関して数ある目標の1つになっています。
2020年11月11日専修学校最後の年、周りはどんどん内定をもらっていくけれど...?Upload By かなしろにゃんこ。ADHDがある息子リュウ太が専修学校に通っていた最後の年、20歳ときのことでした。専修学校では来年度就職希望の学生向けに就活サポート授業というのがあって、ビジネスマナーやソーシャルスキル検定の授業、面接の練習時間などがありました。卒業する者の大半が就職を希望して就活をし、ほとんどの人が就職していくような学校でした。夏季に学校を通して企業面接や企業実習をスタートさせ、うまくマッチングしたら改めて面接試験を受けて内定が決まるという流れで、自動車整備の学校ですから多くの人が自動車関連の会社に就職していきます。少子化問題や後継者不足、人手不足の業界ということもあって就職率は99%です。秋にはほとんどの人の内定が決まり、後は卒業後に受ける整備士国家試験の勉強に打ち込むだけ。なのに息子のリュウ太は一向に就活をしようとしませんでした。先生からの電話で発覚!リュウ太の「就職はしません」宣言Upload By かなしろにゃんこ。「就活はどうするの?」と聞かれても、「まだ学校や企業側が始まってない」とか「今考えてる」とか、ウソをついてはのらりくらりとかわしていたリュウ太でしたが...実は、学校の先生に「就職はしません!絵の専門学校に行く予定です」と報告していたのでした。秋のある日、学校をさぼっていたリュウ太のことを心配して先生が連絡をくれたことで分かった事実でした。勝手に決めちゃってまったくもう、プンプン!息子の将来はどうなることやらと心配しました。息子は絵を描くことが趣味で、中学生のころから同じ趣味の仲間と繋がりたいという思いもあり、絵の専門学校に行きたがっていました。Upload By かなしろにゃんこ。専修学校でせっかく自動車整備の技術を学んだのに、就職しないなんて意味がないじゃないのーーーー!と呆れてしまいましたが、就活をどうするか⁉親子で話し合ったときに息子から「就職をしたくない理由」が他にもあることを教えてもらいました。ネットを開くと毎日目に入ってくる、働く人たちの不幸なニュースを見て、リストラやパワハラ自殺、過労死などを知れば知るほど社会に出ることへの希望が持てなくなったというのです。上司の命令に逆らうといじめられる、契約を超えるようなみなし残業を要求される!などなど、息子の社会へのイメージが強烈にダークだったのです。確かに親は子どもに多少は「社会は甘くないぞ!」と言ったりするかもしれませんが、そんなに強烈な闇を教えたりはしません。ネットに流れる情報の悪い部分だけにフォーカスして受け取ってしまっていたようでした。そんなの社会人になれば当たり前!という思いを、グッとこらえてUpload By かなしろにゃんこ。「就職しても、どうせ安い給料で一生こき使われる、そんなのイヤだ!整備士になるのがイヤなわけじゃなくって、自由な時間が持てなくなって絵が描けなくなるのがイヤなんだよっ」とやっと本音を吐き出すようになりました。そんなの社会人になったら当たり前じゃない?社会に出たらみんなそんなもんなのよ、ツライことも飲み込んでいくのよ!と言いたいけれど、発達障害がある子は心が育つのに時間がかかるから3割幼く見積もって計算するお約束を思い出しました。体は大人でも心はまだ成熟していない子どもの部分があり、働くってどういうことか、イマイチわかっていないのです。本人が言うには「社会人の心構えとか理解できないし、わかりたくもない」のだそうです。もうすぐ成人式を迎えるという時期でしたが、「わお、正直だし尖がってますな!まだ反抗期なのかしら?笑」と思ったのでした。何度か話し合いましたが、リュウ太自身に就活するヤル気が見えてこなくて、親がお尻を叩いても無理な気がしたんです。卒業3か月前の年末に「じゃぁいいよ就職しなくても」と伝えたら、すごくホッとした顔をしたのでした。Upload By かなしろにゃんこ。高いお金を払って学校に通わせたのに車業界に就職しないなんて残念で親は複雑な思いですけど、ヤル気がないのに就活しても面接官に見破られてしまって採用されないでしょうし、アルバイトでも社会で数年揉まれて「やっぱり就職したほうが生きやすい!」と気がついたときにやり直せばいいと思いました。失敗してすぐに軌道修正するのは得意のようなので、迷いながら未来の進路を探っていけばいいのかな?と捉えるようにしました。ADHDがある人は狩人特性といいますから、自分がコレだ!と思う目標が見つかると猪突猛進して努力します。でも目指す目標が大きくて手が届かないとわかると、ターゲットを変更して次の目標を探すことが得意だったりもします。子どもの頃には多動や衝動性が障害だったことでも社会に出ると、障害ではなく能力に変わることもありますから、就職だけにこだわらずに能力を発揮できる分野があるのではないか?とも考えました。就職して安定した社会人生活をスタートしてくれたら安心なんですけど、親が思うようにはいかない!ということも覚悟しました。これまでも周りの子と肩を並べて歩んでほしいと、リュウ太ができないことも無理をさせてきました。でも、できないことがあるから発達障害なんだから、できるようになるまで(本人が就職したいと思うまで)成長するのを待つしかないと思ったのでした。その後リュウ太は学校をズル休みしすぎて単位が取れておらず卒業が危ないという状態に陥り...だははは!就活どころではないじゃないのっ(笑)結局、卒業後に就活することになったのでした。♪ちゃんちゃん♩ADHDリュウ太の人生はいつもギリギリの綱渡り的なところがあります、予測不能で危うい道なんですよね、トホホ(涙)初めての就活での失敗談もいつかお話したいと思います。
2020年11月10日支援の空白期間娘には小学校1年生から4年生までの間、『支援の空白期間(支援を受けていなかった期間)』がありました。主な理由は・小学校入学と同時に引越しをしたため、それまでの受けていた療育機関からの引継ぎが上手く機能しなかった・下の子の妊娠、出産で親が思うように動けなかった・療育センターに相談しても「様子見しましょう」と言われ、療育プログラムを受けられなかった・受動型だったため、学校での本人の困り感が見過ごされていたなどでした。その間、学校の授業で必要な縄跳びや鉄棒などの練習や、定規やコンパスの練習や工夫は家で試行錯誤しながら行っていました。『読める』けれど『書けない』高学年になると、娘は漢字テストを苦痛に感じるようになりました。小さい頃から本を読むことが大好きで、多くの知識を本から吸収してきた娘でしたが、“読む”ことはできても、何度練習してもどうしても“書く”ことができない漢字が徐々に増えきたのです。娘のクラスでは国語の授業時に毎回漢字の20問テストがありました。それは“黒板に先生が書いた問題(ひらがな)を、無地の紙に漢字で書く”という形式のテストで、板書が苦手な娘には二重の苦しみでした。また、学期ごとに50問の漢字テストがあり、こちらは一定の得点が取れるまで再テストを受け続けることになっていました。娘は懸命に書き取りの練習するのですが、どれだけ練習しても書くことができない(または少しの期間は覚えていられるけれどちょっと時間がたつと見事に忘れてしまう)漢字がいくつもあり、何度も再テストを受けました。Upload By 荒木まち子練習すれば練習するほど間違えてしまう傾向さえあり…これは漢字に限ったことではありませんでした。アルファベットのbとd、pとqはほぼ100%間違えましたし、記号や図形なども家で練習しても“書けば書くほど形が崩れていく”こともしばしばありました。Upload By 荒木まち子精神的に追い詰められる娘。親子関係もギスギスし始めて...担任の先生からは「お母さん、家庭での学習をもっとさせてください」と言われました。娘は毎日遅くまで漢字の練習をしましたが、どうしても覚えることができず、精神的に追い詰められていきました。親子関係もギスギスし始め、家庭での工夫やサポートに限界を感じた私は、民間の支援先を探しました。専門家のサポートに救われる幸いにも娘は5年生の時にプロの支援者に出会い、SSTやビジョントレーニングを受けることができました。トレーニングを受けることで魔法のようにすべての問題が解決するわけではありません。でもプロフェッショナルの支援者に出会ったおかげで、親や学校の先生が娘の障害を理解し、適切な接し方やアプローチの方法、日々の生活の工夫などについての知識を持つことができたことで、私達親子の生活に一筋の光が差したことは確かです。専門家のアドバイスのもと、何度もくじけそうになりつつも学校に理解と協力をお願いし、授業毎の漢字20問テストは無地だった解答用紙→問題番号と罫線付きの解答用紙にする(クラス全体で変更)など、本人の負担を軽減する対策をとってもらうことができました。中学校への引継ぎがスムーズに娘がこの時期に受けていた専門家の指導や病院での視覚認知機能の検査結果は、その後の中学進学時の引継ぎの際にとても役に立ちました。娘に適したフォントの大きさも把握できていたので、定期テストの問題用紙や解答用紙の大きさを娘に適したサイズに拡大してもらうなどの配慮を受けることができました。Upload By 荒木まち子この時期の娘は、周りの友達と違うことをとても嫌がっていましたが、このテスト用紙の拡大については「すごく見やすい!」と喜んでいました。親子で話し合ってみると良いかも!Upload By 荒木まち子これは娘が小学生の時にビジョントレーニング指導を受けていた先生がつくってくださった『計算用のマス目プリント』です。娘が一番見やすいサイズになっていて、筆算の時に数字を重ねて書いてしまうことによる計算ミスを防ぐことができました。担任の先生に許可をもらい『マイ計算用紙』として学校にも持参していました。学生の期間は特に“できないことを必死に努力する”よりも、ちよっとした“工夫”や“配慮”で本人の負担を減らすことができるなら、その方が良いと私は思っています。高学年以上になると支援やサポートの内容や程度は親が勝手に決めるのではなく、本人の希望を聞くことが大切になってきます。見やすいと感じる文字のサイズや字体の種類、色などもそれぞれ違うので、例えば親子で“フォント”について話をしてみる機会などをつくってみると、意外なこともわかって楽しいかもしれません。ちなみに現在わが家は、私のプチ老眼の進行によって、娘と私の『見やすい文字サイズ』がシンクロしつつあります(笑)
2020年11月09日みんなはどうしてる?進路を考えるときに読みたいコラムをまとめました小学校への入学や、中学校・高校への進学は、お子さんの学びや生活に関しての大きな決断をするタイミングですよね。就学相談や進路指導など相談できる機会はあっても、わが子にとってどのような選択がよいのか、どう判断したらよいのか...悩みも多いかと思います。発達ナビユーザーに行った「どんなコラムが読みたい?読みたいテーマを教えて」アンケートでも、「進路選び」についてのコラムが読みたいとの声を多くいただきました。そこで、連載ライターによる「進路」に関するコラムをまとめてご紹介します。Upload By 発達ナビ編集部【小学校】特別支援学校?通常学級・特別支援学級・通級指導?就学先をどう決めた?面談や見学を通して、どんな環境がわが子に合うのかをじっくり検討したウチノコ家。むっくん本人の気持ちも確認して、決定した就学先は...複数の小学校を見学して、クラスの人数や雰囲気などを見ながら、わが子に合う環境をイメージ。希望を提出したのは、年長の9月でした。先輩ママや家族、主治医の意見も参考に、通常学級に入学したSAKURAさん家のあーさん。最初は順調だったけれど、学習面も友達関係も少しずつ課題が見えてきて...本人にとってよりよい環境をなんども検討し、2年生からは「特別支援学級」に転籍することに。【中学校】より子どもにあった環境を考えたい。私立受験も選択肢?娘が5年生のときに考え始めた進路。小学校では通常学級に在籍しているけれど、中学校は?特別支援学級、通級指導教室、私立中学など、選択肢にあがった先をそれぞれ見学することに。小学校時代から高等部進学に至るまで、全7話の連載。まずは第1話から読んでみてください。小学校では周囲と馴染めず、いじめも経験した宇樹さん。私立中学に進学すると取り巻く環境が一変して...6年生になってから私立中学を受験することに決めた、スガカズ家の長男。どの学校がいいか、メリットとデメリットを整理しながら親子二人三脚で学校選びをしていきました。【高等学校】子どもの気持ちも尊重して選びたい、中学卒業後の進路さまざまな選択肢を検討した上で、通常学級に入学した荒木家の娘は、中学2年生で特別支援学級に転籍することに。高校選びも早くから動き出していたけれど、中学生活を経て気づいた大切なことは...受験勉強になかなか身が入らなかった中学3年生のリュウ太くんが、「行きたい学校があるから」とパンフレットを持ってきたのは『専修学校』でした。不登校の娘が、パンフレットをみて「見学に行きたい」と言った通信制高校の技能連携校。見学に行き、付設するフリースクールに週に1回通い始めて...
2020年11月08日老化による認知機能の低下と、発達凸凹は似ている?Upload By 丸山さとこ私もコウも一般的に”集中力に欠ける”もしくは”好きなことにだけ集中する”と言われるタイプです。宿題など、気が乗らない作業をするときには終始気が散っている状態になります。一方、私の母は”必要な作業であれば集中してさっさと終わらせる”タイプだったのですが、そんな彼女も「集中力が落ちてきたのを感じる。年ね…」と言うようになりました。母は、先日電話をした際にも「(集中力がない)コウの気持ちが分かるなぁ。年をとると、皆ADHDのようになっていく」と言っていました。「そうかもね。お客さんからも似たような話を聞くことがあるよ」と相槌を打った後で、「…ん?そうかな?」と少し首を傾げました。母のそれとコウのそれは、少し違うような気がしたのです。”集中力がない”と言われるのに”過集中”する人たち母の老化と、コウや私のADHDの要素は、行動自体は似ているなと思います。母が言うように、”集中力に欠け・記憶がすり替わり・うっかりミスが起きる”点はかなり近いものがあります。Upload By 丸山さとこけれど、私はコウを見ていて集中力がないとは感じません。趣味に没頭する時は過集中になることも多く、苦手な宿題であってもコウが乗っていればすごい速さで終わらせることもあります。私自身も過集中が起こりやすい方です。作業に夢中になりすぎて休息や水分補給を忘れ、体調を崩すことすらあります。私は仕事でご年配の方からお話を伺うことが多いのですが、そこで言われている”集中力がない”状態とは、”集中しようとしているが上手く集中できない”もしくは”集中するための気力体力がない”状態なのではないかと思います。Upload By 丸山さとこ一方、コウが”集中力がない”と指摘されるときの様子を見ていると、集中力がないというよりも”気が散っている”状態なのかな?という印象です。集中力を向ける方向を意識的に選ぶことが難しいようなのです。もしもご年配の方が”集中するための力が低下した状態”になっているのだとしたら、コウの場合は”集中をコントロールする力がない状態”なのかもしれません。環境調整や薬でサポートしつつ…母に上記の考えを伝えると、「分かる!」と頷いていました。「確かに、コウもさとこも集中力あるよね。気が散る要素を減らすと上手くいきやすいのも分かる。私は、気力体力の衰えから来てる感じあるわ…」とのこと。Upload By 丸山さとこ母の場合は、集中を向ける先をコントロールする方法は既に分かっていても、それを実行する力が衰えてきているということなのかもしれません。コウの場合は、集中する力そのものはあってもコントロールする力が弱いということで、そこを環境調整や薬の服用などで補いつつ、練習(療育)をしていくことが大切ということなのかな…?と、改めて思いました。
2020年11月07日育児に疲れたときは、レスパイト(一時的休息)をとることが大切出典 : 「レスパイト」とは英語で、「小休止」「息抜き」「休息」といった意味を表す言葉です。誰かをケアする立場である介護者や保護者が、介護や育児で疲れたときに一時的に休息をとることは「レスパイト」と呼ばれ、ケアする人たちの権利であるとされています。休みなく続く育児で疲れてしまったときやワンオペ育児で余裕がないとき、保護者が休息をとり、リフレッシュすることは非常に大切です。保護者が自分自身をケアして心に余裕を持つことは、子どもにとってもプラスになるはずです。この記事では、発達障害のある子どもを育てる保護者が休みたいときに利用できる、レスパイトサービスを紹介します。発達障害のある子どもの育児で利用できる、レスパイトサービスは?出典 : 発達障害がある子どもの育児で使えるレスパイトサービスには、障害者総合支援法や児童福祉法に基づいたものが複数あります。育児における困りごとや状況に応じて、利用しやすいものを探してみてください。障害者総合支援法に基づいた「障害福祉サービス」で、国が障害区分等により利用対象者を定めています。障害のある人を自宅で介護する人が病気などの場合、障害者支援施設や児童福祉施設等へ短期間入所し、入浴、排せつ及び食事の介護など、必要な支援を受けることができます。宿泊を伴って最大で連続30日間利用することができ、介護者の病気や体調不良のほか、出張や旅行、休息をとりたいなどの理由で利用が可能です。障害福祉サービスについて(厚生労働省)障害者総合支援法のうち「地域生活支援事業」に含まれており、市区町村が地域の実態にあわせた基準を設けて運営しています。障害のある人の家族の一時的な休息のため、障害者支援施設や児童福祉施設等で障害のある人の日中活動の場を確保し、預かりのサービスを提供します。宿泊を伴わない支援となります。障害者総合支援法に基づいた「障害福祉サービス」で、国が障害区分等により利用対象者を定めています。自宅において、入浴・排せつ・食事など家事や生活等に関する介護や相談・その他の生活全般にわたる支援を受けられます。利用対象は、国の定める障害支援区分に則って定められています。障害福祉サービスについて(厚生労働省)児童福祉法に基づいた通所支援サービスで、障害のある子どもが利用できます。児童発達支援は未就学の子ども、放課後等デイサービスは就学児童(小学生・中学生・高校生)を対象としています。児童発達支援・放課後等デイサービスでは、各事業所によってそのサービス内容が異なります。習い事や療育に特化した支援を行う場合もありますが、保育園や学童保育のように子どもたちが日中の時間や放課後を過ごす、預かり型の支援を行う事業所もあります。障害者総合支援法のうち「地域生活支援事業」に含まれており、市区町村が地域の実態にあわせた基準を設けて運営しています。移動が困難な人が、ガイドヘルパーによる外出の支援を受けられます。冠婚葬祭や投票、文化的活動などの社会生活を送る上で欠かすことのできない外出や、イベントへの参加や観劇など余暇活動などの社会参加のために利用することができるとされています。市区町村によっては、通学や通園の移動支援を行う場合もあります。また、類似サービスとして「同行援護」「行動援護」があります。利用対象や内容が市区町村により異なる移動支援に対し、同行援護と行動援護は、全国どの市区町村でも同じ基準が適用されます。同行援護は視覚障害のある人を対象としており、行動援護は重度の知的障害、精神障害のある人を対象としています。児童福祉法に基づき市区町村が主体となって行っている、未就学児向けの支援サービスです。保護者が子どもを見ることが一時的に困難になった家庭のために、保育所、幼稚園、認定子ども園、地域子育て支援拠点などが一時的に子どもを預かります。別名「一時保育」ともいいます。一時預かりのスタイルは主に以下の3つにわけられます。①幼稚園・保育所に通っていない子どものための「一般型」子どもが保育所、幼稚園、認定こども園等に通っていない場合に利用することができる②幼稚園に在籍する子どものための「幼稚園型」普段の幼稚園の教育時間の前後、または春休みや夏休みなどの長期間の休業日に幼稚園等において一時的に預かってもらうことができる③ 保育施設の一般利用に空きがあるときに利用可能な「余裕活用型」利用している子どもの数が定員に達していない保育施設で保育が行われ、預かる子どもの人数は、定員の範囲内で行うようにと取り決められているレスパイトサービスの利用方法は?どんな人が利用できるの?出典 : 障害者や障害児を対象とした福祉サービスを利用するには、受給者証の申請が必要です。申請窓口や手続きは、そのサービスの根拠法によって異なります。なお障害者総合支援法や児童福祉法における「障害者」「障害児」の規定には特に障害者手帳の所持が条件となっていないため、サービスの利用にあたり手帳の有無は問われません。ただし、医師の診断書により障害があることを確認するケースはあります。ショートステイや居宅介護は障害者総合支援法の「自立支援給付」に含まれ、利用するサービス費用の一部を行政が障害のある方へ個別に給付するものです。そのため、国が障害区分等により利用対象者を定めています。1. 市区町村の障害福祉担当窓口へ申請申請の際には、状況に応じて障害者基礎年金1級の受給の有無や介護保険申請の状況などを聞かれる場合があります。2. 障害者支援区分認定調査市区町村の認定調査員による面接が行われ、全国共通の質問票から心身の状況に関する80項目と状況の調査が行われます。詳しくは次のリンクをご覧ください。障害者総合支援法における「障害支援区分」の概要(厚生労働省)3.一次判定認定調査の結果に基づき、コンピューター判定が行われます。4.二次判定一次判定の結果と状況調査、医師意見書などを踏まえ、市区町村が主催する、支援区分や特別な支給決定を審議する「審査会」で二次判定が行われます。5.障害区分認定二次判定の結果に基づき、非該当、区分1~6の全7段階で支援区分認定が行われます。各サービスの区分ごとのサービス量は上記のリンクを参考にしてみてください。6.サービス利用意向の聴取・サービス等利用計画案の提出支援区分の認定と並行して、市区町村から福祉サービスの利用等に関する計画(サービス等利用計画、または障害児支援利用計画と呼びます)の案を提出するように求められます。サービス等利用計画案、障害児支援利用計画案は市区両村から指定された特定相談支援事業者、障害児相談支援事業所が作成しますが、申請者自身による作成(セルフプラン)も可能です。7.支給決定支援区分や本人の状況、家族・家庭の状況、現在の困りごとや将来に向けた希望、福祉サービスの利用意向、サービス等利用計画案などを踏まえてサービスが支給決定され、受給者証が申請者に通知されます。8.サービス担当者会議申請した方が利用する全サービスの担当者(サービス管理責任者)が出席し、利用する方に適したサービス提供のあり方や、事業所ごとに作成する「個別支援計画」の方向性などについて話し合われます。9.支給決定時のサービス等利用計画の作成市区町村の支給決定やサービス担当者会議での案協議をもとに、最終的なサービス等利用計画を作成します。(セルフプランの場合には、8・9が省略されることがあります)10.サービスの契約・利用開始申請した方はサービスを提供する事業所と利用契約を結び、サービスの利用を開始します。サービスの量や内容については、サービス利用開始後であっても必要に応じて見直すことができます。※費用について※利用者負担は、原則として「1割」です。ただし、世帯ごとの前年の収入に応じて負担額の月額上限が定められているため、その金額以上の自己負担は生じないことになっています。利用月額が0円に免除される場合もあります。特に、生活保護を受けている世帯や住民税が非課税の世帯については、利用者負担はありません。障害者総合支援法における「障害支援区分」の概要(厚生労働省)移動支援・日中一時支援は障害者総合支援法のうち「地域生活支援事業」に含まれ、市区町村が地域の実態にあわせた基準を設けて運営しています。具体的な利用手続きは市区町村やサービスによって異なるため、申請窓口で必要書類や手続きについて確認しておくと良いでしょう。1. 市区町村の障害福祉担当窓口へ申請この際、具体的な手続きや必要書類について確認しておきましょう。2.利用手続き具体的な手続きは、市区町村やサービスごとに異なります。3.支給決定市区町村からサービスを受けるに適当だと判断されると、受給者証が申請者に通知されます。4.サービスの契約・利用開始サービスを提供する事業所と利用契約を結び、サービスの利用を開始します。サービスの量や内容については、サービス利用開始後であっても必要に応じて見直すことができます。※費用について※利用にかかる料金は、自治体により異なります。障害福祉サービスの利用者負担区分により、サービスの1割負担が基本となります。世帯の収入の状況によっては負担のない場合もあります。詳しくは市区町村の福祉担当窓口へお問い合わせください。児童発達支援・放課後等デイサービスは、児童福祉法に基づいた「障害児通所支援」に含まれます。1.福祉窓口に相談児童相談所・障害児相談支援事業所や、市区町村の福祉担当窓口などに相談します。利用したいサービスや子どもの状況を聞かれることが多いので、母子手帳を持参したり、過去に子どもの発達について相談した履歴や発達検査の受検歴があれば、その時の状況や結果なども伝えたりするとよいでしょう。2.施設見学&相談実際に利用したい事業所に行き、見学します。その際に利用についても具体的に相談しましょう。利用したいサービスが決まったら、相談支援事業所で受給申請に必要な障害児支援利用計画案を作成してもらうか、セルフプランで作成します。3.障害児通所給付費支給申請をする受給者証取得のため市区町村の福祉担当窓口に障害児通所給付費支給申請をします。必要な書類は市区町村によって異なりますので、事前によく確認しておきましょう。4.調査・審査受給者証を発給するための利用要件を満たしているかどうかや、子どもに必要だと考えられる適切なサービスの量(日数)について、市区町村の支給担当窓口によって検討されます。面接調査や訪問調査で、状況や利用意向の聞き取りやアセスメントを行う自治体もあります。5.支給決定支給が決定したら、受給者証が交付されます。受給者証には受けられるサービスの量についても記載されています。交付を受けたら障害児支援利用計画を作成します。相談支援事業所が受給者証の給付決定内容に基づき、利用を希望する事業所と連絡し調整して作成してくれます。6.サービスの契約・利用開始受給者証と障害児支援利用計画(もしくはセルフプラン)を持って利用する事業所に行き、サービスを受ける契約手続きをします。※費用について※放課後等デイサービスは障害児通所給付費の対象となるサービスです。受給者証を取得することで国と自治体から利用料の9割が給付され、1割の自己負担でサービスが受けられます。利用した日数に応じた1割負担分の利用料を支払いますが、前年度の所得によりひと月に保護者が負担する額の上限が決められているので、利用する日数が多くても下記の金額以上の負担は発生しません。また、自治体によっては独自の助成金がある場合もありますので、問い合わせてみましょう。【児童発達支援・放課後等デイ】障害児支援利用計画って?作成の依頼先やセルフプランも紹介一時預かり事業の利用対象子育て家庭の保護者が以下の理由で利用することができ、理由によって利用できる日数は異なります。・保護者の育児にともなう心理的、肉体的な負担を軽減したいとき・保護者の就労支援・病気・出産・看護・冠婚葬祭などの場合また、施設での一時預かりを実施するのが難しい場合、子どもの自宅に直接職員が訪問をする「居宅訪問型」を選択できる場合もあります。ただし、以下の3つの要件のうちのどれかを満たしている必要があります。・子どもに障害、疾病等があり、集団保育が著しく困難であると認められる・ひとり親家庭などで、保護者が一時的に夜間、および深夜の就労を行っている・離島その他の地域において、保護者が一時的に就労を行っている利用対象は基本的に就学前の子どもですが、自治体や各施設によって預けることのできる月齢が異なります。一時預かり事業の利用方法一時預かりの申し込みを行いたいときには、直接各施設にお問い合わせの上で申し込みを行う場合と、まれに市役所の窓口で申し込みを行う場合の2つがあります。直接施設へ申し込むときには、一時預かりのための登録を行う必要があります。一時預かりのサービスの利用の際には利用登録と申請書の提出が求められます。市役所の窓口で申し込みを行うときには、窓口にて案内される申請書に必要事項を記入し、申し込みを行います。※費用について※一時預かりにかかる費用は自治体や実施施設によって異なります。料金が1時間単位で決められている場合もあれば、半日・1日単位で決められている場合もあります。だいたい、1日あたりに換算すると1,500円から5,000円くらいの幅の中で料金が定められていることが多いようです。まとめ発達障害のある子どもの保護者のなかには、「育児で疲れても、頼れる人が少ない」「子どもを預けることに罪悪感がある」と考えている方もいるかもしれません。育児に忙しい保護者が休息をとることは、保護者自身にとってはもちろん、子どもにとっても大切なことです。育児による心身の疲労を一人で溜め込むのではなく、サービスを利用して休息をとることを検討してみてください。
2020年11月05日チャートで自分のストレスタイプを探り、ケア方法が学べるーー『イラスト版13歳からのメンタルケア心と体がらくになる46のセルフマネジメント』子どもから大人へと成長し始める10代の心の中には、たくさんの悩みがあります。そのストレスの方向性を、「緊張のケア」、「不集中のケア」など8つの項目に分け、なぜそんな気持ちになるのか、またどう対処したらいいのかのケアについて、わかりやすく書かれているのが『イラスト版13歳からのメンタルケア心と体がらくになる46のセルフマネジメント』です。本書には、自分のストレスがどこにあるのかをチャート式でチェックできるページがあり、このチャートで、自分に必要なケアを確認することができます。そして、次のページからはケア別に1項目ずつ、気持ちの詳細をセリフの入った1コママンガと文章で示してあるので、自分の気持ちに近いものを一目で探せる工夫がされています。大人が読んでも役に立つことがたくさん登場する本書。10代の頃から「大人」の世界で生きている、今の子どもたち。大人は、自分の10代の投影だけではサポートしきれないことがたくさんあります。親子それぞれが読んで、支え合うことができる、そんな1冊です。海外事例や豊富な実践例も掲載ーー『学びをめぐる多様性と授業・学校づくり』『学びをめぐる多様性と授業・学校づくり』は、「学びをめぐる多様性」とはどういうことかをふまえ、変わりつつある社会の中で、日本における未来の教育や発達障害のある子どものためのインクルーシブ教育はどうあるべきかを考え、形にしていく手段を教えてくれる1冊です。3部構成となっており、「インクルーシブ教育」とはそもそもどういったものなのか、という基本的な部分から、欧米の実際の事例まで、幅広く知ることができます。社会のありさま、人々を取り巻く環境は間違いなく変わってきています。これからも変わっていくでしょう。その変化の中にあって、日本の「学びの多様性」そして「インクルーシブ教育」について原点回帰してみる。本書はその一助となり、未来の「インクルーシブ教育」を形づくっていく術になるでしょう。教育にかかわる、保護者の方、先生たちにおすすめの一冊です。結婚・恋愛、薬物療法まで幅広く分かる!ーー『大人の発達障害の理解と支援』本書は、発達障害・特別支援教育の理解と実践について、ひとつのテーマを深く掘り下げて解説するシリーズ「発達障害・特別支援がわかるシリーズ」のうちの1冊であり、「発達障害のある大人」に焦点を当てて、発達障害のある大人の置かれる現状の解説から、就労・生活支援、「親亡き後」、薬物療法、女性へのサポートまでと、大人の発達障害を包括的に解説した一冊です。「発達障害」という言葉が少しずつ知られるようになり、ここ数年「大人の発達障害」も注目されるようになってきました。しかし「発達障害のある大人」が抱える困難さへの理解やその支援は、まだまだ不十分です。発達障害のある大人への支援は、就労支援だけに注目が集まりがちです。しかし実際には、就労後の職場での支援や、生活の支援、余暇への支援など包括的なサポートが重要です。本書は、幸せに暮らしていくための必要な支援が幅広く解説されていることから、家族や職場に発達障害のある大人がいる人、職場、福祉施設など、さまざまな場所できっと参考になる一冊です。科学的な分析から、具体的な支援法まで幅広く網羅!ーー『保護者の声に寄り添い、学ぶ 吃音のある子どもと家族の支援:暮らしから社会へつなげるために』吃音の研究と支援に情熱を注ぐ専門家2名によって執筆された『吃音のある子どもと家族の支援』。科学的な吃音の基礎知識、陥りがちなNG対応例や、本人の意識の持ち方、周囲への理解・啓発の働きかけ方を、当事者や家族への徹底した「共感」と「傾聴」を軸に、丁寧に解説しています。また、本書には吃音に関するリアルな声も収録されています。吃音当事者である子ども、大人の体験談や、吃音がある子どもをもつ保護者のエピソードから、当事者や支援者の悩みを知ることができ、また言語聴覚士や教員による支援の事例も紹介されているため、実践的な吃音がある子どもへの支援法を学ぶこともできます。吃音があるお子さんをサポートする保護者の方や、支援員の方にぜひ読んでいただきたい一冊です。
2020年11月04日4歳になると娘は、簡単な会話が成立するようになっていきました。言葉でコミュニケーションをとることができるようになり、どんなことが嫌か、どうすればいいかなども、会話から聞き取ることができるようになり、泣いた時の対処もどんどん楽になっていきました。しかし、癇癪自体がなくなることはありませんでした。友達と参加したイベント先でのこと。娘4歳のある日…私は友人に誘われ、娘と、あるイベントに参加しました。そのイベントでは入場時に、子どもたちだけに抽選券が配られました。そして、イベントの最後に子どもたちが集められ、抽選会が行われました。Upload By SAKURA娘も抽選券を握りしめ、やる気満々でお友達と一緒に、最前列を確保。司会者がくじを引き、当たりの番号が読み上げられていきます。隣に座ったお友達は早々に当たり、商品を手にして嬉しそうにお母さんのところへかけていきました。娘はそれを見つめていました。「ハズレもあるよ」と伝えてみたけれど…この抽選は、全員が当たるわけではありません。ひたすら呼ばれるのを待つ娘を見て、私に不安が募りました。もし…もし最後まで番号が呼ばれなかったら…癇癪を起こしてしまうかもしれない。私は、慌てて娘のそばに駆け寄り、全員が当たるわけじゃないと、伝えました。Upload By SAKURAしかし、娘は私の話を一切聞かず、その視線は番号を読み上げる人に集中していました。私は、当たることを祈りつつ抽選会を見守りました。当たらないまま終わった抽選会。娘は…結局、娘の番号は最後まで呼ばれませんでした。抽選会が終わったとわかった瞬間、娘は癇癪を起こし、泣き出しました。Upload By SAKURAこうなると、何と声をかけても無駄なのです。普段大人しいだけに、周りの人は何事かと、注目。一瞬で凍りつくその場の空気と、突き刺さる視線。私は、娘を抱え、逃げるようにその場を去りました。帰宅後、娘の様子を見て思いついたのは…娘は家に着いても泣き止みませんでした。泣き続ける娘を見ていて、その手に抽選券が握りしめられているのに気がつきました。Upload By SAKURAその姿を見て、「当たった体験をしてもらいたい!」と思った私は、お家で抽選会をやってみようと提案しました。Upload By SAKURA娘は涙しながら、「いいよ」と言ってくれました。慌てて家にあるお菓子をラッピングし、「参加者は娘一人、商品はたった一つ!」の抽選会をしました。Upload By SAKURAやらせ感は満載(笑)でしたが、娘はとても喜んでくれました。癇癪を見越して、事前に確認。これ以降、くじや抽選に関しては、当たらないことがあるということを事前に話し、「当たらなくても大丈夫?それでもやる?」と、確認したうえで参加するようになりました。Upload By SAKURAもちろん、事前に説明をしたら負けをすんなり受け入れられるようになった訳ではありませんでした。ゲームや勝負に負けて泣くことは、小学校1年生頃まではよくありましたし、「負けることもあるよ?」と確認すると「じゃあやらない」と避け、学校に事情を説明して、見学させてもらうこともありました。Upload By SAKURAしかし、成長と共に、負けることもあるということも少しずつわかってきて、「悔しいけれど仕方がない…次は勝つぞ!」という考え方や、負けても「まあいいや!」と受け入れることができるようになっていきました。
2020年11月04日読み書きに困難あり。毎日の宿題は親子で我慢くらべUpload By スガカズ次男は読み書きに対して特に困難があります。また、勉強に限らず本人が嫌だと思ったことへは基本的にしたくない性分です。小学校に入学して始めの頃は、私が次男に音読に取り組んでもらうタイミングを見計らったり、1行目は私が読むなどして何とかきっかけを作れていました。ですがいつまでも私が関わり続けるのも限界があるし、自主的に行動する機会をつくれていないと感じていました。小3になる頃、音読に関してこの様な困難さがありました。・自ら教科書を開く気分にならない・国語の教科書は単元ごとに、音読する量が違う・読み間違い、読み飛ばししがち・勉強した内容(特に漢字)が定着しづらい他にも、学校で配られる音読カードのチェック欄で「自分を(△〇◎などで)評価される」のを嫌っているといった理由もあります。頑張ったのだから全部〇という風にすると、「こんなもんでいいんだ」と本人が思う様になりそうだと感じる場面が多く、「今日は声がネズミさん(5段階でいうと1段階)だから、声の大きさは△」といった風に正直に書いていたので、次男はいい気がしなかったと思います。(読み間違いや読み飛ばしに関しては特性なので○にしていました。)ママ友に教えてもらった「デイジー」という支援ツールUpload By スガカズ特別支援教室のママ友とランチをしていたときに、「マルチメディアデイジー教科書」というツールを教えてもらいました。公益財団法人日本障害者リハビリテーション協会から提供されている、パソコンやタブレット端末で利用できる図書の一つです。子どもが通う学校の教科書(出版社)のデジタルデータ(保護者が申請して承認を得てからダウンロードが可能)にルビ振りや音声読み上げ、さらには読み上げている部分が色分けされているなど、かなり配慮されたツールです。もともと視覚障害者向けにつくられた様なのですが、発達障害のお子さんにも有効であると言われています。マルチメディアデイジー教科書について実際に利用してみると、次男の行動に変化が!Upload By スガカズ「マルチメディアデイジー教科書」をネットに紹介されている手順に従ってダウンロード。本人に使い方を簡単に説明しました。普段は自ら教科書を開く気分にならない次男ですが、タブレットに目を輝かせながら音読していました。Upload By スガカズ利用するうちにたくさんの効果を感じました。・楽しく音読(読書)ができる・音声の情報で記憶力が鍛えられる・褒めるきっかけになるタブレットなどの身近なデバイスで、さらに目や耳の情報が入りやすく読みへの困難さが軽くなっていることを実感しました。「やらせる音読」から、「すすんでやる音読」に変わりました。Upload By スガカズさらに利用していくことで、・授業に関する親子の会話が増えるという利点も感じました。音読をしているとき、あるいはする前に、自分が授業で学んだ知識を共有してくれることも。今までは、勉強が苦手な次男に授業の内容を聞いてもあまり良い反応はなかったのですが、自然に学校での授業の様子を話してくれるので、親子の会話の幅が広がったと感じました。現在はLDはあるものの、自ら教科書を開くことが多いため、困ったときに利用させていただいている状態です。これも「マルチメディアデイジー教科書」を利用した効果なのかもしれません。国語に限らず小学生だと算数、理科、社会にも対応しているので、家庭学習で、授業の振り返りをしやすいと感じています。
2020年11月03日発達障害当事者のホンネと、悩んでいる人に伝えたいこと「女性の発達障害鼎談企画」に集まっていただいた姫野桂さん、宇樹義子さん、鈴木希望さんは、成人してから診断を受け、それぞれ発達障害に関する情報発信をされています。第2弾コラムでは、「学生時代の友達関係」や「SNSとの付き合い方」についてお話しいただいたことをご紹介します。Upload By 発達ナビ編集部ーー学生時代の友達関係について教えてください姫野さん:女の子は小学3年ごろから群れたがるようになりますよね。実際に私の学校もそうだったんですが、話をうまく合わせられないし、本当になじむことができなかったですね...!宇樹さん:うんうん、群れるタイプの子たちとは合わなかったですね。姫野さん:どうして、みんなで行動するんだろう?みんなで同じものを選ぶんだろう?と思っていました。鈴木さん:なぜ?ですよね笑。宇樹さん:大人の、とりあえずビール!全員ビール!みたいな笑。姫野さん:オシャレに目覚めて髪をお団子にして行った時も、女の子の集団からコソコソコソ言われて、なぜか私が先生に怒られるという…。「そういうハデな格好してくるからでしょ」みたいなことを言われて、トラウマになっています。ーー今、友達関係で悩んでいる子たちに、アドバイスはありますか?宇樹さん:そうですね、私の学校には群れるだけじゃなくて、積極的に自分たち以外を排除しようとするタイプもいたんですが、そういう子たちとはできるだけ適度な距離を保つようにしていました。小学校のころだとなかなか難しいと思いますが、「この人たちと合わないだけ」「彼らが正しいのではなくて、違うだけ」「向こうの方が数が多いだけ」と考えて、学校以外の居場所をつくるように頭を切り替えるのがいいのかなと思います。鈴木さん:本当にそうですね。私は小学校のころにいじめられたり、誰もかばってくれなかったりということがありました。中学生ぐらいから精神的にきつかったからか、てんかん発作が増えたり体調を崩したりして、あんまり学校に行けなくなって。勉強にもついていけなくなってしまいました。当時を振り返って思うのは、「みんなと仲良くしなくちゃ」と無理しなくていいんですよね。必要最低限の挨拶はして、あとは近づかないようにするという。宇樹さんと同じで、人生は学校だけではないと思うので。年齢によっては学校の世界がすべてになってしまいがちですけど、そんなことは全然ないんですよね。Upload By 発達ナビ編集部発達ナビ 女性・女の子の発達障害(3)学生時代の友達関係ーーSNS疲れの経験はありますか?宇樹さん:SNS疲れ、ありますね。だから、通知はほぼ切ってます。姫野さん:私も宇樹さんと同じで、通知は切っています!宇樹さん:あとは、タイムラインをムダに眺めない!1日に3回ぐらい見るタイミングを決めて、それ以外は見ないようにしています。特にTwitterは刺激にあふれているので、すぐに疲れてしまうんです。姫野さん:感情が揺さぶられてしまいますよね。鈴木さん:そうですよね。いろいろなものが流れてきて、ADHDのある私は刺激されてすごくおもしろいんですが、引っ張られないように気を付けています。あと、SNSに書いていることを読んで、あたかも私のことを全部わかったように接してくる人がいると、すごく疲れてしまいますね。SNSに自分のすべてを書いているわけではないのに…。姫野さん:わかります…。あとは、フォロワー数が増えるとメッセージが埋もれてしまって、必要な返信をしていなくて気まずくなってしまったこともありました。ーー通知を切る、タイムラインを見過ぎない、他に何か付き合い方のコツはありますか?宇樹さん:リアルの人間関係と一緒で、SNSも適度な距離が大事だと思います。姫野さん:距離感ですよね…!10年ぐらい前、本当にSNS中毒になったことがありました。ちょうど会社で事務職の仕事をしていた時期なんですが、とんでもなく向いてなかったんですよね。算数LDなのに経理業務もあって。会議用資料の準備を依頼されても、コピーが曲がっていたりサイズが違ったりで。よく3年間やってたなと思うんですけど、そうすると家に帰ってきてからずーっとSNS。ある日、このままではダメだなと思って、1週間SNSを禁止して、小説を書き上げたんです。それを文学賞に応募したら最終選考まで残ることができて、それが今の仕事につながっています。こんな過去の経験もあって、SNSとは自分の距離感で付き合っていけたらと思っています。鈴木さん:たしかに。あとは、SNSに過度な期待を持たない方がいいのかなと思っています。SNSならなんでもできる、なんでも与えてもらえると思ってのめりこんでしまうと、トラブルにも巻き込まれてしまうのかなと。姫野さん:本当ですね。最近は知らない人が投稿している、ネイルやメイクの動画を見るのが平和で楽しいです笑。鈴木さん:私も情報収集はしつつ、あとはヤギの動画に癒されていますね笑。Upload By 発達ナビ編集部・LITALICO発達ナビ 女性・女の子の発達障害(4)SNSいかがでしたか。友達関係もSNSも、無理をしないで適度な距離を保つことが大事というお話が印象的でした。次回は、「身だしなみ」と「母親との関係」についてお届けします。お楽しみに!宇樹義子さん発達障害当事者ライター・著者。「ため込み症者家族の会(HRAJ)」運営。高機能自閉症と複雑性PTSDを抱える。30歳で発達障害を自覚するも、心身の調子が悪すぎて支援を求める力も出なかったが、幸運にも現在の夫に助け出される。その後発達障害の診断を受け、さまざまな支援を受けながら徐々に回復、在宅でライター活動を開始。著書に『#発達系女子の明るい人生計画』(河出書房新社)。鈴木希望さん1975年新潟県生まれのコピーライター。側頭葉てんかんと自閉症スペクトラム障害、注意欠如多動性障害、算数障害の当事者で、軽度の相貌失認持ち。2009年生まれ、自閉症スペクトラム障害を持つ息子と二人暮らし。食い意地の張った料理好き。カレー大學認定カレー伝道師。姫野桂さんフリーライター。1987年生まれ。宮崎市出身。大学卒業後は一般企業に就職。25歳のときにライターに転身。現在は週刊誌やウェブなどで執筆中。専門は性、社会問題、生きづらさ。猫が好き過ぎて愛玩動物飼養管理士2級を取得。著書に『私たちは生きづらさを抱えている発達障害じゃない人に伝えたい当事者の本音』(イースト・プレス)、『発達障害グレーゾーン』(扶桑社新書)、『「発達障害かも?」という人のための「生きづらさ」解消ライフハック』(ディスカヴァー21)。
2020年11月02日むっくんの癇癪・パニックむっくんの癇癪・パニックは2歳頃から始まり、現在も続いています。むっくんはパニックになると暴言や暴力が始まり、私の心もかき乱されるので、冷静な対応が難しい!と日々悪戦苦闘しています。最近は、むっくんのこと、私自身のことを切り分けていく必要性を感じています。それでも、年齢と共に暴力は減ってきており、最近では暴力だけはコントロールしようと、必死で自分と戦う様子も見られるようになりました。攻撃対象も誰彼構わずだったものが、最近は外では我慢して、帰宅後に私をターゲットにストレスをパニックとして吐き出す形に変化してきています。パニックをその場でどう落ち着けるか、というマニュアルはなんとなくできてきたのですが、将来を見据えて自己コントロール力をつけることに関しては、むっくんの成長にまかせるしかないというのがわが家の現状です。Upload By ウチノコどうしてパニックを起こすの?パニックを起こす理由は人によってさまざまだと思いますが、むっくんの場合、大きな要因は感情のコントロールが苦手なことと、「他者への恐怖感」からくる「疲れ」だと考えています。むっくんは感覚や周囲の雰囲気、人の持つ感情などに敏感で恐怖を抱く傾向があります。特に対人コミュニケーションが苦手なむっくんにとって、他者からの予測不可能な刺激は恐ろしく、対応に大きなエネルギーを使っている様子。結果、疲れによりいつもはできる、感情コントロールしながら人と関わることが難しくなります。すると、まるでヤマアラシのように全身から棘を出し攻撃を開始。相手を戸惑わせ退けて自分を護ります。きっかけはさまざまですが、パニックの底には「自分を護りたい欲求」があるように感じています。Upload By ウチノコパニック後のようすパニックを起こした後はすっきりして穏やかになることもあります。むっくんにとってパニックや癇癪は、どう表現するのか解らない心の苦しさを発散する効果があるようにも感じています。ぶつけられる方はたまったものではないのだけど…ただ、穏やかな時を知っていると、「普段はあれだけのエネルギーを自分で律しているのだな…」と、その苦労を感じる瞬間でもあります。Upload By ウチノコパニックをしばしばおこすむっくんですが、パニック後には「周りに酷いことをしてしまった」と理解しています。聞き分けの良い子でいようとする時もあり、周囲の反応を気にしている様子がうかがえ、パニックはむっくんにとっても好ましい発散方法ではないのだとも感じています。穏やかに戻ったむっくんとパニックについて話すこともありますが、別人なんですよね・・・。穏やかむっくんは、話すまでもなく自分の行いが好ましくないことも理解しているし、どうしたらよかったのかも理解している。更にパニックを起こしている自分に対し、恥ずかしいという感情まで持っている。こんなむっくんですが、パニックを起こすと人格が変わるので、いつもの倫理観は吹き飛んでしまうのです。Upload By ウチノコパニックを起こしているむっくんのことを、穏やかなむっくんに話しても別人に説教しているようでしっくりこない。そう思っていたらむっくんが面白いことを言いました。「あれは『ビックバンむっくん』だから・・・」むっくんの自分研究5、6歳ごろから、癇癪やパニックを起こしている自分を「ビックバンむっくん」と呼び、通常の自分と分けて考えるようになったむっくん。この頃から「自分研究してみようか!」と私が呼びかけ、むっくんが自分のパニックについて客観的に考えることを促しています。Upload By ウチノコ「ビックバンむっくん」という別人格の行いについて話し合うことで、私もむっくんも敵対するのではなく、共同研究者のような気持ちでパニックと向き合えることも増えました。自分を客観視しつつ、自己理解を深めていく。時間はかかりますがこのやり方こそ、将来のむっくんを助けうる力になるのでは?と期待しています。Upload By ウチノコUpload By ウチノコ癇癪・パニックを肯定し共に生きる覚悟むっくんのパニックは、私に対する暴言や暴力で現れます。先日は夕方に「買い物に行きたいのだけど、一緒に来る?待ってる?」と聞いただけで始まり(行きたいか行きたくないか、自分の気持ちがわからず表現できなかったから)これは私の予告不足の影響なのですが、そんな時はさすがに心が折れます。暴言や暴力で負の感情をぶつけられると、腹は立つわ、悲しいわ、「なんでこんな目にあわないといけないの?」と、私まで怒りに支配され、言い争ったり取っ組み合いになる日もあります。「私は子どものころ我慢したのに…自由で羨ましい!」と嫉妬してしまい、引きこもって泣いて過ごす日もあります。しかし、視点を変えてみるとパニックはむっくんに、どうして自分はこうなんだろう、嫌われてしまう、見捨てられるという恐怖を生み出します。むっくんが叩いているのは私なのか、むっくん自身なのか。どこか自傷行為のように感じることもあり、彼の苦しみに切なくなる日もあります。Upload By ウチノコだけど、その場しのぎの対応でその瞬間はおさめることができても、本当の意味で私にむっくんを救うことはできません。感情のコントロールはむっくんがこれからも自分で向き合っていかないといけない課題だからです。この先も自分と向き合い、理解し、自分自身の好ましくないと感じている面も、否定するだけではなく、時に受け入れ、時に工夫し、折り合いをつけながら生きていく先に、幸せがあるのだと私は考えています。そのために今、私にできることは何なのか。これからも考え続けていきたいです。
2020年10月31日発達障害のある息子と一度は家族を捨てた父の共同生活を描いた映画「靴ひも」Upload By 発達ナビニュース母の突然の死により同じ屋根の下で暮らすことになった父と発達障害の息子の生活が描かれた映画が、10月17日より公開されています。明るく誰に対してもフレンドリーな一方で、発達障害があり、生活習慣へのこだわりが強く、苦手なことも多いガディ。そんなガディに対して、どう接したらいいかわからず、戸惑う父のルーベン。そんな約30年ぶりの共同生活は、せつなくも愉快な発見の連続。タイトルにもなっており、重要な場面で登場する「靴ひも」にも注目です。本作の監督を務めたのは、イスラエルの映画・テレビドラマ界で長年活躍するヤコブ・ゴールドヴァッサー。イスラエルで報道された実在の父子の臓器移植にまつわるエピソードをもとに、これまでにありそうでなかったユニークな親子ドラマをつくり上げました。ゴールドワッサー監督自身も、障害を持つ息子の父親であり、テーマが身近であるだけに困難な挑戦だったが、映画を通して人々の障害に対する意識を変えたいという情熱が制作の原動力になったと語っています。【公開予定】10月17日(土)より、シアター・イメージフォーラム ほか全国順次ロードショー中知りたい!聴きたい!障がい児者のきょうだい座談会Upload By 発達ナビニュースぜんち共済株式会社が主催する、障がいや慢性疾患、難病などのある人の兄弟姉妹”きょうだい”に関するセミナーが開催されます。セミナーでは、“きょうだい”の立場であり、きょうだいのグループを運営する4名が登壇して、それぞれの体験談や思い、家族との関係から、結婚や「親なきあと」まで、これまでのこと、今のこと、そして、これからのことを語ります。障がいのある方のご家族(親・祖父母、きょうだい他)、支援者の方、関心のある方は、どなたでもご参加ください。セミナー後のアンケート回答者には、「当日の資料」、「当日皆様よりいただいた質問への回答集」が送られる予定です。(※当日、ご都合により、視聴できない方にもお送りします。)【日時】2020年11月14日(土)10:00-11:45【申し込み期間】2020年10月10日(土)~11月13日(金)【参加費用】無料ココ・ファーム・ワイナリーが「第37回どこでも収穫祭」を開催!Upload By 発達ナビニュース栃木県足利市に位置する、ココ・ファーム・ワイナリーは、知的障がいのある人たちが、いきいきと作業する醸造所です。人と自然に寄り添い続けることで、上質なワインを造り出します。そのワインは、2000年、2008年の主要7ヶ国首脳会議でも使用されました。そんなココ・ファーム・ワイナリーが「第37回どこでも収穫祭」を開催します。ココ・ファーム・ワイナリーの収穫祭は、1984年からはじまり今年37回目。例年と違い、葡萄畑に集まらず、密集・密閉・密接を避け、9月1日から12月31日で開催中です。古澤巖や坂田明COCODAなどスペシャルゲストによる演奏を中心とした“オンライン収穫祭”はパソコンやスマートフォンからご覧いただけます。参加するには、ワインやグラスがセットになった「収穫祭セット」を事前に購入することが必要です。収穫祭セットを購入すると抽選でワインなどが当たるチャンスも!お家で職場で山で浜辺で・・・おひとりでも、ご家族や仲間と一緒にも・・・どこでもいつでもだれでも楽しむことができる「第37回どこでも収穫祭」です。【日時】オンライン収穫祭2020年11月14日(土)12:00~14:00YouTube配信※アーカイブ配信:2020年12月31日(木)まで【参加方法】オンラインサイトで販売されている、A~Eのどこでも収穫祭セットいずれかの購入が必要です。収穫祭セットに含まれる、収穫祭カードからオンライン収穫祭を視聴できます。11月14日(土)の配信日に視聴ご希望の方は、11月3日(火)までにどこでも収穫祭セットをご購入いただく必要があります。「LITALICO発達ナビPLUS」が無料オンライン体験会開催中!Upload By 発達ナビニュースLITALICO発達ナビPLUSでは現在、ご自宅でカンタンにサービスを体験できる、無料オンライン体験会を開催中です。進級・進路の悩み、癇癪(かんしゃく)、他害、コミュニケーションの難しさなど、さまざまな 困りごと に対して「発達ナビPLUSでどうサポートできるのか」を質疑応答が可能なオンラインのサービス体験会で説明しています。体験会はビデオチャットで開催され、参加者の顔出しはありません。スタッフの画面を共有する形でのご紹介となるため、画面操作はスタッフが行います。オンライン体験会参加者さま限定で、オンライン体験会の参加後にお申し込みをされた場合、初期コンテンツ利用料が50%OFFという特典もあります。【所要時間】1時間程度【参加方法】お申し込み後、担当スタッフよりビデオチャットでの参加方法をご案内します【開催日時】▼未就学児・11/1(日) 10:30-11:30・11/3(火・祝) 13:00-14:00・11/4(水) 11:00-12:00・11/8(日) 15:00-16:00・11/10(火) 11:00-12:00・11/14(土) 10:30-11:30・11/19(木) 11:00-12:00▼小学生・11/1(日) 13:00-14:00・11/3(火・祝) 10:30-11:30・11/5(木) 11:00-12:00・11/8(日) 13:00-14:00・11/11(水) 11:00-12:00・11/14(土) 13:00-14:00・11/20(金) 11:00-12:00▼中高生・11/14(土) 15:00-16:00
2020年10月30日長男の物を投げる、蹴るが始まったのは小学1年ごろからでした長男シュウは3歳で自閉症と診断され、なかなか言葉が出ませんでした。そのため言葉で気持ちが伝えられないもどかしさがあるためか、時折火がついたように泣き出していました。これも一種のかんしゃくかもしれません。けれど、6歳を過ぎるとぽつりぽつりと単語が出るように。それは嬉しいことでしたが、しかし、今度は泣くのではなく、かんしゃくを起こして物を投げる行為が増えていきました。Upload By シュウママ理由は全くわかりません。どうしたの?やめなさい!と叱っても聞く耳持ちません。突然キレるシュウに私はどうしたものか…頭を抱えていました。かんしゃくがひどくなった小学2~3年頃、小児精神科医に相談する小学2~3年生くらいになると、言葉数が増えていきました。自分の感情も少し表現することができていたので、かんしゃくを起こした理由もわかるようになりました。たとえば、「テレビない~!」だと「見たいテレビが休止になったんだな」というような感じです。ほかにも、「学校ない~」だと、「学校にいきたくないんだな」ということがわかります。Upload By シュウママしかし、ただ理由がわかったとしても、突然やってくるかんしゃくは防ぎようがありません。たとえば、見たいテレビが休止になったとき、「特番が放送されているから、いつも見ているアニメはお休みだよ」と説明しても効果はありません。かんしゃくを起こしている間は話が耳に入らないのです。こんな状況に、さすがにどう対応してよいのか私も困り果てて、かかりつけの小児精神科に相談に行ったのでした。先生に、シュウのかんしゃくでとても困っていると話すと「それは一番多い相談ですね」とうんうん頷かれました。そして、「衝動を抑えるのは難しいですね。とりあえずかんしゃくが起きることを前提で対処されたらいいかもしれません」とのこと。「シュウくんに投げられても大丈夫なもの、ボールとかプラスチックのものを箱に入れておいて、かんしゃくを起こしそうになったら、それを使うように促すんです。」Upload By シュウママこの話をきいたとき、私は「かんしゃくの根本的な解決は難しいんだな」と思いましたが、先生は「そのうち、自分で怒りを鎮める方法を覚えていくと思います。階段の下にうずくまって落ち着く子、布団をかぶって頭の中の嵐を鎮める子、いろいろなやり方で乗り越えていきますよ」そうおっしゃいました。言葉の発達によりかんしゃくも収まってきたけれど、5年生頃からまたひどくなって先生の教えてくれた投げてもいい箱を置く方法は効果がありました。テレビを叩いたり、スマホを投げられたりするよりは、こちらのストレスもたまりません。ただ、それも長くは続きませんでした。小学5年生くらいになると体も大きくなっていきます。すると、壁をけったりするようになりました。次第に、シュウは箱の中のものを投げても、イライラが解消されなくなっていきました。あるとき、お気に入りの服が洗濯中で別の服を着せたときでした。「服ない!」と言ってシュウが怒りはじめました。なだめようとするとシュウは椅子の上に置いてあるひざ掛けの毛布を取ってきました。えっ?と不思議に思っているとなんと毛布を噛んだのです。Upload By シュウママ見ていると噛みながら一生懸命怒りを我慢してるようでした。それはシュウが唯一自分で習得した心を落ち着かせる方法だったと思います。先生と相談しながら…衝動を抑えるのではなくけれど小学6年の今でも、かんしゃくはまだおさまっていません。毛布を噛んでかっとなった気分を静めようとしてはいますが、やはりこらえきれず壁をけって穴をあけたりしています。学校やデイサービスでは全くそういったことはなく、かんしゃくは家でのみ起こるので、やはり家だと甘えが出ているのかもしれません。現在はエビリファイという気分の高まりや興奮を静める薬を服用していますが沸点まで怒りが簡単に到達してしまうので、まだまだかんしゃくとは長くつきあうことになりそうです。Upload By シュウママ月に1回、先生と話しあいながら、効果的な方法を模索しています。
2020年10月30日