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“精力的”という言葉では、今の彼女の勢いは表現できないのではないか?根本宗子のことを形容しようとすると、そんなことすら思わせる。彼女のホームグラウンドである「月刊『根本宗子』」、その最新公演『今、出来る、精一杯。』が、12月13日(金)に東京・新国立劇場 中劇場で開幕する。近年はプロデュース公演でも活躍中の根本だが、「月刊『根本宗子』」は根本が主宰する劇団で、今年旗揚げ10周年を迎える。しかし、他劇団の10年に比べ、彼女のその期間はずいぶんと濃密だ。劇団公演やその派生ユニット、実験公演の作・演出をすべて根本が務め、その数はなんと40作近い。2019年を軽く振り返ってみただけでもプロデュース公演の作・演出を2本、10月には「別冊『根本宗子』」名義で福原充則の名戯曲『墓場、女子高生』を上演。その一方で毎月トークイベントも開催している。ある意味、“満を持しての”劇団公演と言えるかもしれない。この『今、出来る、精一杯。』はこれまでも2013年、15年と劇団の節目に上演されてきた、劇団の代表作といえる存在。こう聞くと「プロデュース公演で注目されてきたところだし、劇団公演は過去の自信作にしたんだな」と思うかもしれないが、そんな分かりやすい作戦は取らないのが彼女のすごさ。代表作を音楽劇としてリメイク、しかも音楽を手がけるのは、今作に俳優としても出演する清竜人!この人もシンガーソングライターとしてデビューしたと思ったら“一夫多妻制アイドル”を手がたりとトリッキーな活動で知られた存在だけに、当然過去作とは違った感触のものになるはず。もともと音楽を使用した舞台作品では定評のある根本だけに、そのあたりも期待できそうだ。今作に出てくるのはとあるスーパーのバックヤードと、男がヒモ状態の同棲カップル。登場人物たちは決して清廉潔白ではなく、弱い部分やダメな部分、ずるい部分や欲望、そんな負の側面を皆抱えている。エンタテインメントとしてそんなドロドロした部分を描き出しつつも、どこか生きていることを肯定されたような、そんな気分にさせてくれるのが根本作品。今観ておくべき作り手の作品で2019年を締めくくる、そんな年末もいいではないか。12月19日(木)まで。文:川口有紀
2019年12月10日「ぴあ」調査による2019年12月6日、7日公開のぴあ映画初日満足度ランキングは『ルパン三世THE FIRST』が第1位になった。本作は山崎貴監督が監督と脚本を務めた、シリーズ初の3DCGアニメーション映画。ルパン一世が唯一盗み出すことに失敗した因縁のお宝“ブレッソンダイアリー”の奪取に挑むルパン三世と一味の活躍が描かれる。上映後の出口調査では「ルパン復活!って感じで楽しかったし、謎ときがおもしろかった」(40代)、「アクションがカッコイイ!CGはリアルで自分がルパンと同じ世界にいるような感じがした」(19歳)、「臨場感があるので、ルパンなんだけどちょっとルパンじゃないみたいで、観ているこっちがルパン大丈夫かな?ってソワソワヒヤヒヤした」(24歳)、「ストーリーは王道だったけれど、いつもとは少し違った展開があったり、各々が能力を発揮する姿が観られてよかった」(51歳)、「ピンチから抜け出すところは感動した。女の子が元気で努力しててカッコイイなあと思った。元気が出た!」(12歳)などの声があがり、小学生から60代までの幅広い層から高い満足度を集めた。また中には「子供が観たがっていたので一緒に来ました。すごく懐かしかったです。時代設定が70~80年代で自分の世代だったから、当時の事件とリンクして楽しかった」(52歳)、「CGは自然だし、ルパンがすぐそこにいて生きてるって感じでよかった!ルパンは徐々に変わってるから今のルパンという感じでまったく違和感がなかったし、続きがあるなら観たい!」(40代)と話す人もいた。1位『ルパン三世THE FIRST』91.5点2位『ゴーストマスター』90.7点3位『午前0時、キスしに来てよ』90.5点4位『ラスト・クリスマス』86.7点5位『“隠れビッチ”やってました。』85.4点6位『私のちいさなお葬式』85.3点7位『ジョン・デロリアン』81.5点(本ランキングは、12/6(金)、12/7(土)に公開された新作映画10本を対象に、ぴあ編集部による映画館前での出口調査によるもの)
2019年12月09日12月7日、8日の全国映画動員ランキングは、ベスト10に新作が2本ランクインするも『アナと雪の女王2』(全国382館)が公開3週目も首位を守った。山崎貴監督が手がけたフルCGアニメーション『ルパン三世THE FIRST』(全国349館)は初登場2位に。みきもと凜の人気少女マンガを片寄涼太と橋本環奈の主演で映画化した『午前0時、キスしに来てよ』(全国255館)は初登場3位になった。公開5週目の『映画 すみっコぐらし とびだす絵本とひみつのコ』(全国126館)は先週2位から4位に。公開3週目の『決算!忠臣蔵』(全国338館)は先週3位から5位になった。そのほか公開7週目の『冴えない彼女の育てかた Fine』(全国121館)は先週と変わらず9位に。公開10週目の『ジョーカー』(全国258館)は初めてベスト10から外れ11位になった。次週は『ある女優の不在』『映画 ひつじのショーン UFOフィーバー!』『映画 妖怪学園Y 猫はHEROになれるか』『カツベン!』『屍人荘の殺人』『ジュマンジ/ネクスト・レベル』『ぼくらの7日間戦争』などが封切られる。全国映画動員ランキングトップ10(興行通信社調べ)1位『アナと雪の女王2』2位『ルパン三世THE FIRST』3位『午前0時、キスしに来てよ』4位『映画 すみっコぐらし とびだす絵本とひみつのコ』5位『決算!忠臣蔵』6位『ターミネーター:ニュー・フェイト』7位『ドクター・スリープ』8位『IT/イット THE END “それ”が見えたら、終わり。』9位『冴えない彼女の育てかた Fine』10位『シティーハンター THE MOVIE 史上最香のミッション』
2019年12月09日放送映画批評家協会賞のノミネーションが発表になった。最多ノミネーションを受けたのは、マーティン・スコセッシの『アイリッシュマン』で、14部門。次に多かったのはクエンティン・タランティーノの『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』だった。作品部門の候補は、この2作品のほかに、『ジョーカー』『1917 命をかけた伝令』『フォードVSフェラーリ』『ジョジョ・ラビット』『パラサイト半地下の家族』『マリッジ・ストーリー』『Uncut Gems』『Little Women』。監督部門は、このふたりのほか、サム・メンデス(『1917』)、ノア・バームバック(『マリッジ…』)、グレタ・ガーウィグ(『Little Women』)、ボン・ジュノ(『パラサイト』)、ジョシュ&ベニー・サフディ(『Uncut Gems』)。主演男優部門は、アントニオ・バンデラス(『Pain and Glory』)、ロバート・デ・ニーロ(『アイリッシュマン』)、レオナルド・ディカプリオ(『ワンス…』)、アダム・ドライバー(『マリッジ…』)、ホアキン・フェニックス(『ジョーカー』)、エディ・マーフィ(『ルディ・レイ・ムーア』)、アダム・サンドラー(『Uncut Gems』)。主演女優部門はレネ・ゼルウェガー(『ジュディ 虹の彼方に』)、スカーレット・ヨハンソン(『マリッジ…』)、シャーリーズ・セロン(『スキャンダル』)、ルピタ・ニョンゴ(『アス』)、シアーシャ・ローナン(『Little Women』)、シンシア・エリヴォ(『Harriet』)、オークワフィナ(『The Farewell』)。受賞発表は2020年1月12日。文=猿渡由紀Netflixオリジナル映画『アイリッシュマン』配信中
2019年12月09日LDHに所属するアーティストや俳優、モデルなど総勢34名が出演する朗読劇『BOOK ACT』が、来年2月5日(水)から東京・日本青年館ホール、18日(火)から兵庫・兵庫県立芸術文化センターで開催されることが決定。あわせて、脚本と演出を務める鈴木おさむ、EXILEのNAOTO、GENERATIONSの小森隼のコメントが公開された。本公演は、オリジナルストーリーの『ヒーローよ安らかに眠れ』『もう一度君と踊りたい』、鈴木の小説が原作の『芸人交換日記』の3つの作品を、期間ごとに上演するもの。日替わりでキャストを組み替えながら、全17公演を予定している。今回発表されたキャストには、EXILEをはじめ、GENERATIONSやTHE RAMPAGE、FANTASTICSといったJr.EXILE世代のメンバー、さらにはE-girlsや劇団EXILEなど、グループやジャンルの垣根を超えた豪華な面々が集結。まさにLDHのオールスターキャストによる公演となる。4人の男とひとりの女の人間模様を描いた『ヒーローよ安らかに眠れ』には、EXILEの黒木啓司、NAOTO、白濱亜嵐、関口メンディーに加え、モデルの佐田真由美や俳優の天野浩成、勝矢が出演。また本作の劇中歌には、EXILEのATSUSHIが今回のために書き下ろしたオリジナルソングが起用される。『もう一度君と踊りたい』には、GENERATIONSの佐野玲於のほか、THE RAMAPGEやFANTASTICSのメンバーが出演。トップダンサーを目指す若者たちの葛藤や絆、友情を描いた感動ストーリーだ。GENERATIONSの数原龍友が劇中歌を務める。GENERATIONSの小森と中務裕太が出演する『芸人交換日記』では、E-girls、劇団EXILEのメンバーやDream Shizukaが共演。2013年に内村光良監督により映画化もされた名作を、LDHアーティストと俳優陣が入り乱れ演じる。過去にも、総合エンタテインメントプロジェクト『HiGH&LOW』シリーズや『PRINCE OF LEGEND』シリーズで、多数のLDHアーティストや俳優らがドラマや映画に出演。絶大なインパクトで話題を集めてきた。来年はLDHの6年に一度の総合エンタテインメントの祭典『LDH PERFECT YEAR 2020』も開催。舞台を朗読劇に代え、“LDH流エンタテインメント”で新たな形の朗読劇を仕掛ける。チケット販売は、12月13日(金)からオフィシャルファンクラブ『EXILE TRIBE FAMILY』『E.G.F.C.』『We are D.I』で先行販売がスタート。一般販売は2020年1月18日(土)より開始される。あわせて、脚本と演出を担当する鈴木、NAOTO、小森らのコメントが公開された。■鈴木おさむ(脚本・演出)ただの朗読劇ではなく、読み手が必ず心を震わせながら読みすすめる、『BOOK ACT』。普段はなかなか見ることのできない、LDHの人たちがさまざまな組み合わせでチームを作る。すべての作品を通して新たなエンタテインメントをお見せできると思います。このために書き下ろす『ヒーローよ安らかに眠れ』は、みなさんと“考える”大人な物語。なにが正解か?この選択は間違っているのか?ヒーローたちの選択に、きっと、熱い涙を流していただけるはずです。そして、『芸人交換日記』は、1月に小森隼×芸人さんで上演しますが、ここでは、LDHの所属メンバー同士で、やることにより、新たな熱量と爆発が起きると思っています!■NAOTO(EXILE)この度『LDH PERFECT YEAR2020』の中の演目のひとつでもある『BOOK ACT』に出演させて頂くこととなりました。EXILE TRIBEの面々やLDH所属の役者、アーティストが織りなすさまざまなドラマを是非直接感じに来て頂けたら嬉しいです。個人的にも久しぶりの朗読劇でもありEXILE TRIBEメンバーと同じ舞台に立つのはなかなかないチャンスですので楽しみにしております!■小森隼(GENERATIONS)今回の『BOOK ACT』は、LDHキャストオンリーで繰り広げられるのですが、今までに無かったような組み合わせでの朗読劇が観れるのが、何よりの見どころだと思います。そして同じ演目でも配役が変わることによって、舞台の色が変わっていくと思います。自分の演目でさえ客席から観たいくらい、全部の組み合わせが楽しみです。毎公演、新しい形でチャレンジし続けているLDHの朗読劇ですが、今回の『BOOK ACT』は今までにない公演数、そしてキャストで繰り広げられます。僕自身も未知の部分への挑戦もあり、凄くワクワクしています。■公演概要・タイトル『BOOK ACT』:『もう一度君と踊りたい』『芸人交換日記』『ヒーローよ安らかに眠れ』・日程東京公演:2020年2月5日(水)~2月16日(日)兵庫公演:2020年2月18日(火)~2月23日(日・祝)・会場東京公演:日本青年館ホール兵庫公演:兵庫県立芸術文化センター 中ホール
2019年12月09日「ロシア・ピアニズム」という言葉を聞いたことがおありだろうか?ロシアの2大音楽院(モスクワ音楽院とサンクトペテルブルク音楽院)を創設したアントン&ニコライ・ルビンシテインからチャイコフスキーへと継承された偉大なるロシアの音楽教育の中でも、特に際立つ個性を発揮してきたピアノ教育。それを称した「ロシア・ピアニズム」は、旧ソ連が生み出したリヒテルやギレリスの登場によって西欧諸国のピアニストたちを圧倒したことが思い出される。そのリヒテルにも薫陶を受けたピアニスト、エリソ・ヴィルサラーゼの来日公演が開催される。同時代を生きた作曲家プロコフィエフのほか、チャイコフスキーとシューマンが並べられたプログラムは、まさにリヒテルを始めとしたロシア・ピアニズムの継承者たちが好んで演奏してきた名曲ばかり。これを70代後半の円熟期にさしかかったヴィルサラーゼがいったいどのように聴かせてくれるのだろう。明確なタッチとメロディラインを浮き彫りにするテクニックを信条とする伝統の技とはいったいどのようなものなのか。様々な思いが交錯するステージが目前だ。●公演概要1月13日(月・祝)神奈川県立音楽堂(木のホール)1月15日(水)青山音楽記念館(バロックザール)1月17日(金)浜離宮朝日ホール●エリソ・ヴィルサラーゼ(ピアノ)グルジア(現ジョージア)の首都ティフリス(トビリシ)生まれ。代々グルジアの芸術文化に深いかかわりを持つ家系に生まれ育つ。ピアノの手ほどきを、祖母のアナスターシャ・ヴィルサラーゼ教授から受けた後、モスクワへ移り、ゲンリフ・ネイガウスおよびヤコフ・ザークに師事。20歳で、チャイコフスキー・コンクール3位入賞を果たし、24歳の時にシューマン国際コンクールで優勝。モーツァルト、ベートーヴェン、ショパンなど、18世紀および19世紀後期の作品に対し深い愛着を持ち、とりわけシューマンの作品の最も優れた解釈を行う現代の演奏家のひとりとして、高い評価を得ている。また、現代の作曲家を含む、ロシア音楽の幅広いレパートリーを持ち、旧ソ連の権威ある芸術賞を多数受賞している。ヨーロッパの主要音楽都市にて定期的にリサイタルを行うほか、ナタリア・グートマンとのデュオ・リサイタルも各地で展開している。室内楽およびサンクトペテルブルグ・フィル、ロイヤル・フィル等のオーケストラとの共演では、北米、日本、ヨーロッパで大規模なツアーを行う他、各地の一流オーケストラと定期的に共演している。今までにルドルフ・バルシャイ、キリル・コンドラシン、リッカルド・ムーティ、クルト・ザンデルリング、ヴォルフガング・サヴァリッシュ、エフゲニー・スヴェトラーノフ、ユーリー・テミルカーノフなど、多くの著名指揮者と共演。2017-18シーズンはミラノ、パリ、モスクワなどにおけるリサイタル、室内楽活動とともに、ロンドンのフィルハーモニア管、サンクト・フィルなどとの共演が予定されている。優れた教育者としても知られており、モスクワ音楽院およびミュンヘン音楽大学の常任教授を務めるほか、主要な国際音楽コンクールの審査員にしばしば招かれている。ライヴ・クラシックス・レーベルからは多くの録音をリリースしている。
2019年12月09日おとな向け映画ガイド今週のオススメはこの4作品。ぴあ編集部 坂口英明19/12/9(月)イラストレーション:高松啓二この週末に公開の作品は22本(ライブビューイングを除く)。全国のシネコンで拡大上映されるのが『映画 妖怪学園Y 猫はHEROになれるか』『ジュマンジ/ネクスト・レベル』『屍人荘の殺人』『カツベン!』『映画 ひつじのショーン UFOフィーバー!』5本。ミニシアターや一部シネコンなどで上映される作品が17本です。この中から、おとなの映画ファンにオススメしたい4作品をご紹介します。『カツベン!』活動写真と呼ばれた無声映画に、芝居がかった解説をつけて上映する、この日本オリジナルスタイルから生まれたスターが活動弁士、略して「カツベン」です。いまもその芸を受け継ぐ弁士がいますし、坂本頼光のようにお笑いライブで活躍する人もいて、ひそかな人気になっています。それはさておき。その活動弁士を主人公に、無声映画黄金時代の大正から昭和初期の映画館を舞台にした極上のドタバタコメディに仕立てたのは『Shall we ダンス?』の才人、周防正行監督です。とても凝っています。劇中で使われる無声映画をまず、オリジナルで製作するところから始まり、撮影場所も、全国の古い芝居小屋、映画館、日光江戸村、東映の京都撮影所など、らしく見える場所を探しまわったそうです。中心になったロケ地は福島市にある旧廣瀬座という、国の指定重要文化財の劇場です。カツベンがどう演じられていたか、欠かせなかったという楽隊がどこに配置され、どんな風に演奏したか。この辺りの再現には力が入っています。サイレント映画の上映なのに、まるで寄席か大衆演劇のような話芸あり、ヴォードヴィルのようなライブありと、音に溢れていたのです。活動弁士を目指す染谷俊太郎役に成田凌、女優志望の栗原梅子役に黒島結菜、この若いふたりを中心に、周防組らしく芸達者が顔をそろえています。カツベンの先輩弁士に永瀬正敏、高良健吾。竹中直人と渡辺えりは映画館の気のいい館主夫婦。そのライバル館の社長で悪玉が小日向文世など、名前を挙げるとキリがないですが、特に徳井優、田口浩正、正名僕蔵の楽士三人組がてんやわんやの狂言回しふうな役割で、大笑い。スラップスティック・コメディっぽいといいますか、アクションで楽しませてくれる、最近には珍しい映画です。『シュヴァルの理想宮 ある郵便配達員の夢』ガウディのサグラダ・ファミリア、アンコールワット遺跡など、写真で見るだけでも、ただひたすら感嘆し、凄い!とうなるしかない建造物があります。この映画にでてくる、フランスの片田舎に建つ「宮殿」にも驚きます。シュヴァルという郵便配達員が、33年かけ、たった一人で手造りした理想宮です。実際にあった話で、この建造物はその後きちんと修復管理され、いまもフランス南東部の小さな村にあり、観光名所になっているのだそうです。郵便配達で1日32キロ歩き、仕事を終えてから10時間が宮殿作り。配達の途中も、理想宮のことを考え、路傍でみつけた石を拾い、これはあそこに使おうとか……。19世紀の終わりから、世紀をまたぎ、第1次大戦もほぼ無縁に、1920年代の半ばまでこつこつと作り続けたのです。実直を絵に書いたような彼が、なぜこういうことを始め、何をめざしたのか。きっかけは、娘に喜んでほしい、娘を驚かせたい、という不器用な男の愛の表現だったのですが。しかし、それにしては抽象的でぶっとんだ着想というか想像力の産物です。ジャック・ガンブランという役者が演じるシュヴァルは、日本でいうとまるで若い頃の笠智衆のようなたたずまい。彼をあたたかく見守り、ともに人生を歩んだ妻フィロメーヌ役のレティシア・カスタの、複雑な表情が印象的です。『再会の夏』フランスの忠犬物語。予告を観たときからうるっときましたが、もうこの黒いワンちゃんがけなげで……。第1次世界大戦後、レジオンドヌール勲章まで受勲した戦争の英雄ジャックが、軍を侮辱したと逮捕、収監されます。弁明を拒絶した彼を尋問するため、軍判事の少佐が留置所を訪れると、その中庭で何かを訴えるように、吠え続ける一匹の黒い犬がいたのです……。第1次大戦では、多くの動物たちが戦場で、地雷処理や攻撃などに参加したといいます。そんな史実もふまえたジャン=クリストフ・リュファンの、仏ゴンクール賞受賞小説を映画化した作品です。監督は86歳の名匠ジャン・ベッケル。軍に忠誠を尽くしてきた、退役間近のランティエ少佐を演じるのはフランソワ・クリュゼ。『最強のふたり』の名優です。かたくなに口を閉ざすジャックに向き合い、彼と暮らしていた女性を訪ね、彼が栄誉を捨ててまでして守ろうとしたのは何だったのか、を探っていきます。この少佐の存在が、心温まる映画、を支えています。もちろん、ボースロン犬(ドーベルマンの一種)、イェーガー君の活躍も特筆ものです。『つつんで、ひらいて』本の装幀、手がけた数は1万5千冊という、この世界の第一人者、装幀家・菊地信義さんを描いたドキュメンタリーです。大江健三郎、吉本隆明など文芸書が多い菊地さんの仕事。一冊一冊、どんなカバーをつけるか、どんな書体でタイトルを表現するか。タイトルがプリントされた紙を、くしゃくしゃにまるめ、それを広げ、またくしゃくしゃにし、広げて、コピーを取る。 文字がかすれた感じになって。うん、これでできた、とうなづく。文字を切り取り、レイアウト通りに貼り込む。それで実際のカバーのように本を包んで、眺めてみる。映画のこのタイトルは、そんな菊地さんの仕事ぶりそのままです。それから、文字を、例えば0.5ミリ右に、とか動かして調整する。もちろん最後はパソコンでの作業になり、そちらは助手の方がやられるので、菊地さんのデスクは筆記具とカッター、のりの手仕事道具のみ置かれています。芸術家でもデザイナーでもなく、本の職人さんです。お弟子さんにあたる、若い装幀家・水戸部功さんの「パソコンでスケッチしている感覚」という、パソコンで完結する仕事の仕方とは好対照です。ものを「こしらえる」ことを、神田生まれの菊地さんの祖母は「こさえる」といっていたそうです。「デザインってそういうことです。“こさえる”なんですよ」と菊地さん。原稿を読み込み、あらゆる手法を試み、著者のイメージを羽ばたかせる装幀。小説家・古井由吉さんによれば「自己模倣したくない、ということでしょう。常に何かちがう」。こういう時代だからこそ、手に取りたくなる、開いてページを繰ってみたくなる本はあります。そんな本と出会いたい、本好きの皆さんにオススメの映画です。是枝裕和さん率いる映像クリエーター集団「分福」の製作、監督は劇映画『夜明け』でデビューした広瀬奈々子さん。首都圏は、12/14(土)から渋谷・シアター・イメージフォーラムで公開。中部は、名古屋シネマテークで近日公開。関西は、1/11(土)から第七藝術劇場で公開。
2019年12月09日2010年に結成し、代表・シライケイタのもとオリジナル作品を作り続ける劇団「温泉ドラゴン」。その第14回目公演となる新作『五稜郭残党伝』が12月11日(水)に東京・サンモールスタジオで開幕する。「国家」「人種」「差別」「侵略」。歴史問題を積極的に手がけてきた温泉ドラゴンが、今回は直木賞作家・佐々木譲の同名小説をシライの脚本・演出で舞台化する。物語の舞台は幕末、戊辰戦争末期の五稜郭。陥落前夜、自由を求めて脱出した旧幕府軍の凄腕狙撃兵・蘇武と名木野が主人公だ。アイヌの土地を蹂躪する新政府の画策を知り、義憤に燃えるふたり。しかしその背後に、新政府軍残党狩り部隊の足音が迫る……。劇中に登場するアイヌ民族の女性役を、イランの児童養護施設で過ごしたサヘル・ローズが演じることも見どころのひとつだ。磨かれたアナウンス技術で、テレビ番組の司会やコメンテーターを明るくこなす彼女。戊辰戦争で行われていた侵略・侮辱的な行為が、過去の出来事としてだけではなく、現在も世界のどこかで起きていることであると、サヘルの演技が知らせてくれる。2019年の東京、1868年の北海道、そしてサヘルが経験した1980年代のイラン。さらには、私たちの未来をも接続する試みだ。戊辰戦争を舞台に、日本人がアイヌ民族に強いてきた歴史を描き出すことで、今なお残る差別意識や歴史修正主義に警鐘を鳴らす今回の公演。社会問題は他人事だと視界を仕切ってしまう前に、これからの私たちと子供たちに直結する風景として、しっかりと見届けたい。12月19日(木)まで。文:小川志津子
2019年12月09日1966年に別役実らと早稲田小劇場を立ち上げて60年代の小劇場運動を牽引し、1976年には拠点を富山県利賀村に移して劇団名をSCOT(Suzuki Company of Toga)と改称、80歳を迎えた今もなお精力的に活動している鈴木忠志。その名を世界に轟かすこの演出家が2007年、全三幕から成る三島由紀夫の名作戯曲から第二幕のみを取り上げて初演した『サド侯爵夫人(第二幕)』が、12月13日(金)から23日(土)まで東京・吉祥寺シアターで上演される。利賀村と武蔵野市が姉妹都市であることからSCOT作品を頻繁に上演している同劇場に、2017年に鈴木による新演出バージョンとして登場して好評を博した舞台だ。三島による『サド侯爵夫人』は、“サディズム”の語源ともなっている実在の小説家サドを巡る、妻のルネ夫人ら6人の女たちのドラマ。鈴木は三島の書いた言葉は変えないまま、美空ひばりの演歌を流すなどの三島の指示通りではない演出によって、三島がルネ夫人に託した芸術家としての思いを浮かび上がらせる。初日と楽日以外は鈴木によるトーク付きの上演となっているほか、中日には演劇評論家・渡辺保と鈴木が観客からの質疑にも応じる「対話」(チケット代は“ご随意に”とのこと)もあり、あわせて楽しみたい。文:町田麻子
2019年12月09日INCOGNITO(インコグニート)が本日12月9日、梅田クラブクアトロで「40th Anniversary Celebration」の公演2日目を行う。ロンドン経由のジャズが90年代の日本で大きな人気となった。アシッドジャズと呼ばれた、このムーブメントの中心となったアーティストのひとつがINCOGNITOだ。彼らが今年、3年ぶりに結成に40周年を記念した新作『Tomorrow’s New Dream』をリリース。日本人ダンサーとのコラボレーション動画も複数アップロードされ話題を集めている。そして昨日、来日ツアー「40th Anniversary Celebration」をスタートさせた。本日の大阪公演は日程2日目。彼らのダンサブルなサウンドに身を委ねてみてはいかがだろう。■公演情報『40th Anniversary Celebration』日時:12月9日開場18:30/開演19:30会場:梅田クラブクアトロ
2019年12月09日万博記念公園で「Wonder Experienceイルミナイト万博 2019」が開催される。プロジェクションアートとイルミネーションで空間を彩る冬の恒例イベントだ。イベントでは100万枚のデジタル画像が毎秒変化するプロジェクションアート「デジタル掛け軸」とイルミネーションで幻想的な空間が出現。太陽の塔の裏側(お祭り広場)ではプロジェクションアートを、正面からはイルミネーションを楽しむことができる。また、同会場では全国から人気のラーメン店40店が集結する「ラーメンEXPO 2019 in 万博公園」も開催。「第2回 さばEXPO」「第3回 ギョーザEXPO」「ロハスフェスタ蚤の市」「おでかけ!よしもと漫才劇場」などのイベントも予定されている。自然文化園への入園料は必要だが、イベントの観覧は無料。Wonder Experienceイルミナイト万博 201912月6日(金)から8日(日)まで12月13日(金)から15日(日)まで12月20日(金)から22日(日)まで12月24日(火)から29日(日)まで※雨天決行・荒天中止各日 日没から21時(入園は20時30分まで)太陽の広場、お祭り広場 ほか観覧無料(別途自然文化園入園料が必要)
2019年12月08日藤井聡太七段と都成竜馬六段の対局する「将棋プレミアムフェスin名古屋」がヒルトン名古屋の扇の間で開催される。当日は第69期 大阪王将杯 王将戦 挑戦者決定リーグ戦でA級棋士たちと対局を続けている藤井七段と、女性ファンも多い実力派棋士・都成竜馬六段が登場。“師匠やお客様からの注文将棋”や、詰将棋対決・クイズ大会、抽選会、記念撮影など様々なイベントが予定されており、これまでとは少し違った対局模様を楽しめる。なお、当日は杉本昌隆八段が解説を、谷口由紀女流二段が聞き手を務める。将棋プレミアムフェスin名古屋201912月8日(日)ヒルトン名古屋 扇の間開場 14時開始 15時終了 19時(予定)
2019年12月08日日本とハンガリーの外交関係解説150周年を記念した展覧会、『ブダペスト—ヨーロッパとハンガリーの美術400年』が、国立新美術館にて開幕。2020年3月16日(月)まで開催されている。ハンガリーの首都ブダペストは、ドナウ川沿いに壮麗な建物が立ち並び、その美しさは「ドナウの真珠」と称えられるほど。そんなブダペストが誇る2大美術館が、ブダペスト国立西洋美術館とハンガリー・ナショナル・ギャラリーだ。同展は、25年ぶりに両館の所蔵品をまとまった形で紹介するもの。16世紀ルネサンスから20世紀初頭のアヴァンギャルドまで、約400年にわたるヨーロッパとハンガリーの絵画、素描、彫刻の名品130点を一堂に集結。「ルネサンスから18世紀まで」と「19世紀・20世紀初頭」の2部構成で、時代順・テーマ別に名品の数々が展示される。前半「ルネサンスから18世紀まで」では、北方ルネサンスの巨匠ルカス・クラーナハ(父)から、ティツィアーノ、エル・グレコ、ティエポロなどを紹介。ブダペスト—ヨーロッパとハンガリーの美術400年()
2019年12月08日『近キョリ恋愛』『きょうのキラ君』などで知られる漫画家・みきもと凜による同名漫画を、片寄涼太(GENERATIONS from EXILE TRIBE)と橋本環奈のダブル主演で実写化した『午前0時、キスしに来てよ』が現在公開中。国民的スーパースターと、ごく普通の女子高生の恋愛模様をきらびやかに描いた作品だ。女子高生の花澤日奈々(橋本)は、優等生。その真面目すぎる性格は誰もが認めているが、本当は王子様と恋に落ちるおとぎ話のような恋愛に憧れる、夢見がちな女子高生なのだ。そんな彼女の前に、国民的スーパースター・綾瀬楓(片寄)が現れる。彼は日奈々の高校に、映画の撮影のためにやってきたのだ。運命の出会いを果たしたふたりは互いに惹かれ合い、芸能人と一般人の、誰にも知られてはいけない秘密の恋がスタートする……。国民的スターの楓役を演じる片寄といえば、今年はドラマ『3年A組-今から皆さんは、人質です-』に、映画『PRINCE OF LEGEND』、初めて声優を務めた劇場アニメ『きみと、波にのれたら』と、絶好調。活動ジャンルを自由に横断し、いま着実に力をつけてきている若手俳優のひとりだ。彼の活動の主軸がGENERATIONS from EXILE TRIBEであることもあって、“スター”という意味では本作で演じるキャラクターと片寄は重なっている。そんな片寄演じる楓に恋をする、夢見がちな女子高生に扮する橋本。彼女もまた、『十二人の死にたい子どもたち』『キングダム』『かぐや様は告らせたい〜天才たちの恋愛頭脳戦〜』と出演映画が公開され、昨年に引き続き今年も絶好調だ。順調にキャリアを積み上げている彼女が演じる“夢見がちな女子高生”に注目したい。そのほか、日奈々への想いを密かに募らせる幼馴染みの浜辺彰役に眞栄田郷敦が扮する。さらに、八木アリサ、岡崎紗絵、鈴木勝大ら今後が楽しみな若手俳優がずらりと並ぶ。そして監督を務めるのは、『四月は君の嘘』『ひるなかの流星』の新城毅彦。これまでにもこの手のティーン層向けの少女漫画の実写化で手腕を発揮してきた監督なだけに、今回も期待して良さそうだ。誰もが一度は憧れる、おとぎ話のような“あり得ない恋”。ワクワク、ドキドキ、そしてハラハラな展開の連続に、いよいよ冬めいてきた日本の震える寒さの中でも、心だけはホットになれること間違いなしだ。『午前0時、キスしに来てよ』全国公開中
2019年12月08日ケチで意地悪な金貸しスクルージが、クリスマスの精霊が見せる過去・現在・未来によって自身の生き方を見つめ直す様を描く、イギリスの文豪ディケンズの小説『クリスマス・キャロル』。この名作をミュージカル映画化した『スクルージ』(1970年)が、同じレスリー・ブリカッスの脚本・音楽により舞台化され、日本では1994年に初演された『スクルージ ~クリスマス・キャロル~』が、本日12月8日に東京・日生劇場で6度目の再演の幕を開ける。名曲の数々とにぎやかな演出(井上尊晶)に彩られた、クリスマスにぴったりの心温まるファンタジーだ。スクルージ役を務めるのは今回も、初演以来たびたび同役を演じ、当たり役のひとつとしている市村正親。意地悪な中にもかわいらしさが見える市村スクルージは初演から評判だったが、「だんだんスクルージの年齢に近づいてきて、メイク時間も最近では少なくなっております」と本人が語るとおり、今回はより真実味を増した演技が期待できそうだ。また、四半世紀を超える『スクルージ』の歴史の中でも、日生劇場での上演は今回が初めて。「日生劇場の怪人と言われる市村にとってはベストの劇場」との言葉に、期待はさらに高まる。あわせて注目したいのは、スクルージが営む高利貸し屋で事務員として働くボブ・クラチットを、今をときめく武田真治が演じること。今回が3度目の登板となるが、“筋肉キャラ”で彼の魅力に開眼した新規ファンにとっては、貧しいながらも幸せに暮らしているお父さんという役どころは新鮮に映ることだろう。ほかにも田代万里生、実咲凜音、今井清隆といった実力派キャストが集結、多くの子役たちと共にクリスマスイブの奇跡を描き出す。12月25日(水)まで。文:町田麻子
2019年12月08日12月4日(土)に横浜で一夜限りのスペシャルイベント「YOKOHAMAミッドナイトHARBAR2019」が開催される。夜の横浜ハーバーエリアを満喫できるイベントが開催され、一部のレストランやイルミネーションは営業時間を24時まで延長する。本イベントは、イルミネーションや美しいロケーションが多い横浜の夜をこれまで以上に楽しむために開催される一夜限りの催し。みなとみらいの街並みを船上から一望できる「マリーンルージュ」では特別便を運航。船内で料理やお酒を楽しめるだけでなく、船内で人気アーティストのライブも開催される。また、新港地区を巡る「ル・グラン・ブルー」も深夜に2便を運航する。また、横浜の人気スポットを走る「ミッドナイト・オープントップバス」も登場。大観覧車コスモロック21はこの日に限り、深夜営業を実施し、様々な場所にあるイルミネーション&Xmasツリーも24時まで点灯時間を延長する。YOKOHAMAミッドナイトHARBAR201912月14日(土) 21時から24時まで※ラストオーダーや受付終了時間は店舗・施設により異なります横浜ハーバーエリア各所
2019年12月07日今年4月にKAAT 神奈川芸術劇場の芸術参与に就任した長塚圭史が、同劇場で手がける最新演出作『常陸坊海尊(ひたちぼうかいそん)』が本日12月7日より開幕する。この作品は、蜷川幸雄の演出で繰り返し上演された『近松心中物語』の劇作家・秋元松代の代表作で、1964年の発表当時、演劇界に衝撃を与えた戯曲として知られている。1997年には蜷川演出で上演されているが、長塚が「恥ずかしながら今回初めて読んだ」と明かすように、観たこと、読んだことがある人は多くはないかもしれない。タイトルの“常陸坊海尊”とは、歌舞伎の『勧進帳』にも登場する伝説の人物。源義経の忠臣として武蔵坊弁慶らと共に都落ちに同行するが、義経最期の場である衣川の戦いを目前に主を見捨てて逃亡。その後、不老不死の身となり、自らの罪を懺悔して、源平合戦の次第を琵琶法師となって人々に語り聞かせたとされている。秋元はこの伝説を背景に人間の“生”や“性”、そして格差や差別といった問題を描いている。物語は戦時中、少年・啓太と豊が東京から疎開先にやってきたことから始まる。ある日ふたりは、常陸坊海尊の妻と名乗るおばばと暮らす美しい少女・雪乃と出会う。その後、烈しくなる戦争で両親を失った少年たちは雪乃に魅かれていくが、啓太は母への恋しさから、おばばに母の姿を重ねていく。そして、16年後、成人した豊は、疎開先で消息を絶った啓太と再会するが……。海尊の妻と称すおばば役は、蜷川版にも同役で出演した白石加代子。その白石も「一筋縄ではいかない作品」と言うが、長塚との信頼関係から今回、自ら出演を希望している。また、おばばの孫で、その魔性で男たちを翻弄する雪乃には中村ゆり。そして疎開児童の啓太に平埜生成、豊に尾上寛之。ほか個性豊かな実力派キャストに加え、音楽は、ソロプロジェクトFPM(ファンタスティック・プラスチック・マシーン)をはじめ、DJ、プロデューサーとして国内外で活躍する田中知之が担当。田中が舞台音楽を手がけることにも期待が集まる。「生半可な劇ではない。しかし、険しい道の先にはきっと眩い光があるという確信に突き動かされる。これは現在の私たちの社会に痛烈に響く現代劇です」と話す長塚。初演から半世紀余を経た名作は、演劇界にふたたび衝撃を与えるか。12月22日(日)までKAAT 神奈川芸術劇場 ホール、1月11日(土)・12日(日)に兵庫県立芸術文化センター 阪急 中ホール、1月16日(木)に岩手県民会館 大ホール、1月25日(土)に新潟市民芸術文化会館 劇場にて上演。文:伊藤由紀子
2019年12月07日社会派作品から『おっさんずラブ』まで、硬軟自在の存在感を見せる眞島秀和。ダメ男にベタボレのヒロインを演じた映画『愛がなんだ』で、鮮烈な印象を残した女優・岸井ゆきの。このふたりが夫婦役を演じる舞台『月の獣』が本日12月7日より東京・紀伊國屋ホールで開幕する。アメリカの劇作家・リチャード・カリノスキーが、第1次世界大戦中に起きたアルメニア人迫害の実話に基づいて描いた本作。1995年の初演から20カ国以上で上演されてきた物語だ。演出は、2015年の日本初演時にも演出を手がけた栗山民也。共演に、百戦錬磨のベテラン・久保酎吉と、2006年生まれの有望株・升水柚希が名を連ねる。物語の舞台は、第1次世界大戦の終戦から3年が経った1921年、アメリカ・ミルウォーキー。生まれ育ったオスマン帝国(現在のトルコ)による迫害で家族を失い、アメリカへと亡命したアルメニア人の青年・アラム(眞島)は、同じアルメニア人の孤児・セタ(岸井)を写真だけで選び、結婚する。理想の家族像をセタに強制するアラムと、それに応えられないセタ。そんなふたりの前に、ひとりの少年(升水)が現れる。孤児である彼との出会いにより、アラムの「家族」に対する思いが紐解かれていく……。身をよじるほど悲しい過去があるからこそ、愛に飢え、それをうまく求められない。欲しくて欲しくて強要すればするほど、それは遠のく。そんな人生を生きていた者たちが、互いの悲しみを知り、やがて「家族」になっていく。そのグラデーションは決してたやすくない。けれど、決して、ありえないファンタジーではない。2019年の孤独を生きる観客の胸に突き刺さる一作だ。12月23日(月)まで紀伊國屋ホール、12月25日(水)に新潟市民芸術文化会館、12月28日(土)・29日(日)に兵庫県立芸術文化センター 阪急 中ホールにて上演。文:小川志津子
2019年12月07日フランスの女優、サラ・ベルナールの世界を多面的に紹介する展覧会『パリ世紀末ベル・エポックに咲いた華サラ・ベルナールの世界展』が、12月7日(土)〜2020年1月31日(金)まで渋谷区立松濤美術館にて開催される。サラ・ベルーナル(1844〜1923)は、19世紀半ばから20世紀初頭にかけて活動したフランス出身の女優。1862年に国立劇場コメディ=フランセーズでデビューし、ヴィクトール・ユゴーの戯曲などで演技を高く評価され、国際的にも人気を博した女優として知られている。サラ・ベルナールが他の女優と一線を画すのは、その活躍が女優業に留まらなかったところだ。自らの一座を立ち上げて劇場経営に携わったほか、著作の出版や、彫刻作品の制作を行うなど、生涯にわたって多彩な才能を開花させた。また、サラは同時代のアーティストたちにインスピレーションを与えるミューズでもあった。当時無名だった画家のアルフォンス・ミュシャや、新進気鋭の宝飾デザイナーのルネ・ラリックらのパトロンとなり、自身の公演ポスターや装飾品の制作を依頼。のちにアール・ヌーヴォーの旗手となるアーティストたちが大成する素地を作っただけでなく、そのデザイン成立にも深く関わったという。同展では、そんなサラの人生を、当時の貴重な写真や肖像画、舞台衣装や装飾品のほか、ミュシャやラリックの作品を通して紹介。「ベル・エポック(良き時代/美しき時代)」と呼ばれる華やかな時代の中、新しい芸術と社会を切り拓いたサラ・ベルナールの知られざる世界を存分に堪能できる。【開催情報】『パリ世紀末ベル・エポックに咲いた華サラ・ベルナールの世界展』12月7日(土)〜2020年1月31日(金)まで渋谷区立松濤美術館にて開催【関連リンク】 渋谷区立松濤美術館( /target=) C.W.ダウニー《街着姿のサラ・ベルナール》1902年個人蔵ルイーズ・アベマ《サラ・ベルナール》1909年エタンプ市美術館蔵デザイン:アルフォンス・ミュシャ/制作:ルネ・ラリック《舞台用冠ユリ》1895年箱根ラリック美術館蔵アルフレッド・クラレー《白粉「ディアファーヌ」》1890年頃ダニエル・ラドゥイユ・コレクションアルフォンス・ミュシャ《ジスモンダアメリカツアー版》 1895年リボリアンティークス蔵ジャック・ドゥーセ《イブニングドレス》19世紀末個人蔵
2019年12月07日Mrs. GREEN APPLEが本日12月7日に「Mrs. GREEN APPLE ARENA TOUR / エデンの園」の初日公演を行う。Mrs. GREEN APPLEは、大森元貴(Gt/Vo)、若井滉斗(Gt)、山中綾華(Dr)、藤澤涼架(Key)、髙野清宗(Ba)からなる5人組バンド。2013年に結成し、2015年7月にミニアルバム『Variety』でメジャーデビューを果たして以降、10代、20代を中心に人気を集めている。今年10月に新アルバム『Attitude』をリリースし、11月には台湾で海外単独公演も開催した。その彼らによる初の東名阪アリーナツアーが「Mrs. GREEN APPLE ARENA TOUR / エデンの園」だ。一般発売とともにすぐにソールドアウトとなり、追加公演が決定するほどの人気ぶりを見せている。セットリストは前述の最新アルバムを踏襲したものになるのだろうか。いずれにせよ、最新型の彼らを目撃する機会は逃さないでほしい。■公演情報「Mrs. GREEN APPLE ARENA TOUR / エデンの園」12月7日(土)横浜アリーナ開場17:00/開演18:0012月8日(日)横浜アリーナ開場15:00/開演16:002020年1月23日(木)ドルフィンズアリーナ(愛知県体育館)2020年2月10日(月)大阪城ホール2020年2月11日(火・祝)大阪城ホール2020年2月15日(土)東京 国立代々木競技場第一体育館2020年2月16日(日)東京 国立代々木競技場第一体育館
2019年12月07日冬のお台場を彩る「お台場レインボー花火」が今年も12月7日、14日、21日、28日の土曜日に開催される。この時期は空気が澄み、夜空や夜景が美しく見えるため、お台場には多くの人が集まるが、そのムードをさらに盛り上げるのが「お台場レインボー花火」だ。開催は12月の各土曜の19時から約5分間で、お台場「自由の女神」沖から花火を打ち上げる。周辺はアクアシティやダイバーシティ、デックス東京ビーチなどイルミネーションや食事、ショッピングを楽しめる施設も多く、花火を楽しむ前後の時間も、お台場エリアでゆっくりと過ごすことができる。お台場レインボー花火201912月7日、14日、21日、28日(全4回・いずれも土曜日)19時から約5分間※雨天決行(荒天中止、順延なし)
2019年12月07日なぜ“アナ雪”はこんなにも成功したのか? 多くの人が、物語やキャラクターの魅力、作品が扱うテーマと同時に“音楽”をその理由に挙げるのではないだろうか? 本シリーズは数々の名曲を生み出し、それらのいくつかは早くも“スタンダード”と呼んでいいほど様々な人にカバーされ、子どもたちが楽しく歌っている動画がネットにアップされ続けている。これらの楽曲を生み出したのは、ロバート・ロペスとクリステン・アンダーソン=ロペスのコンビ。夫婦でもあるふたりは“ソングライター”として本作に参加しているが、映画には“ストーリー”の欄にも名前が登場する。なぜ、本作はソングライターがストーリーづくりに参加するのか? 来日したロペス夫妻がその“秘密”を教えてくれた。.dcinemaWrap__link { margin-top: 16px; padding: 0 20px;}.dcinemaWrap__link__btn { width: 48%; display: inline-block; margin: 0px calc(1% - 1px); border: 1px solid rgb(0, 112, 192); border-radius: 5px; background-color: rgb(0, 112, 192); box-sizing: border-box;}.dcinemaWrap__link__btn.btn__grayOut { background-color: #777; border: 1px solid #777;}.dcinemaWrap__link__btn p { font-size: 1.4rem; background-color: rgb(0, 112, 192); padding: 6px 0; text-align: center; margin-top: 0;}.dcinemaWrap__link__btn.btn__grayOut p { background-color: #777;}.dcinemaWrap__link__btn p a { color: white !important; display: block; width:100%; height: 100%;}.md-gallery__thumbnail:first-child:nth-last-child(2):before, .md-gallery__thumbnail:first-child:nth-last-child(2) ~ .md-gallery__thumbnail:before {padding-top: 66%;}“歌う”ことは“物語る”こと。ロペス夫妻が語る。導入 ()第1回 ()第2回 ()第3回 ()第4回 ()第5回第6回 ()
2019年12月06日ニューヨークのメトロポリタン歌劇場(MET)をはじめとする世界最高峰のオペラハウスを席巻するスーパー・テノール。それがフローレスだ。正確なリズムと超人的な技巧、さらには恵まれた容姿も相まって向かうところ敵なし。「100年に1人のテノール」というやや大げさなキャッチコピーにも納得せざるを得ない凄みがある。その彼の来日公演が開催されるとなれば、これは気になる。プログラムには、得意のロッシーニやドニゼッティを筆頭に、ヴェルディやレハール、更にはビゼーやプッチーニのオペラ・アリアがずらりと並び、フローレスの真価を堪能するにはうってつけの時間が楽しめそうだ。声は人それぞれが天から授かった宝物。それをどう使うのかは本人次第だ。天性の美声に磨きをかけたフローレスの天駆ける超高音を耳にすれば、彼が歌手になってくれたことにきっと感謝したくなるだろう。まさに今が旬の圧倒的な歌声を聴き逃がすことなかれ。そのためにも来日公演を前にして、彼が風邪など引かないことを切に祈りたい。●公演概要12月10日(火)東京オペラシティコンサートホール:タケミツメモリアル12月14日(土)サントリーホール 大ホール●ファン・ディエゴ・フローレスJuan Diego Florez「100年に一人のテノール」といわれるオペラ界のビッグ・スター」「銀色の輝きを帯びたやわらかさを伴い、並はずれて美しいだけでなく、時に想像しうるかぎり最も美しい楽器のように響く」(伊「ムジカ」誌)。だが、フローレスの強みはそれだけではない。正確なリズムのもと、声を転がし跳躍させる超人的技巧を軽々とこなす一方、レガートの旋律は感情が深くこめられながら洗練を極めている。だから、難しすぎて埋もれていたオペラの数々も、フローレスが歌うことで日の目をみた。そればかりか、メットやウィーン国立歌劇場、スカラ座など最高峰のオペラハウスが、まさにフローレスのために無名のオペラを上演するリスクをあえて負い、結果的に大成功を収めてきた。1974年、ペルーのリマに生まれたフローレスは、生地の国立音楽院をへて1993年からフィラデルフィアのカーティス音楽院で学び、いまペーザロのロッシーニ・オペラフェスティヴァル(ROF)の総裁兼芸術監督である往年の名テノール、エルネスト・パラシオに師事。1996年、代役でROFにデビューしてセンセーショナルな成功を収めると、短期間で一気にオペラ界の頂点に登りつめた。日本でも、ボローニャ歌劇場公演の『セビリャの理髪師』でのめくるめく超絶技巧、『連隊の娘』での煌めく超高音などで、圧倒的な印象を残している。世界が「100年に一人」と認めたテノールは一番脂がのった年齢に達し、見事に熟した声で『ルチア』や『ウェルテル』など劇的な作品にも挑戦、大喝采を浴びている。その一方で、2018年夏にはROFで『リッチャルドとゾライデ』という難曲に挑み、だれにも真似できない超人的技巧を軽々と披露して、満場の大喝采を浴びた。こうして高みに登りつめたいま、待ち望まれた13年ぶりの来日が実現する。香原斗志(オペラ評論家)公式HP
2019年12月06日12月2日・3日のプレビュー公演を経て、12月7日(土)より東京・新国立劇場 小劇場で上演される『タージマハルの衛兵』。3本連続上演シリーズ「ことぜん」の第3弾となる今作は、成河と亀田佳明の二人芝居だ。同劇場の演劇芸術監督であり今作の演出を務める小川絵梨子に話を聞いた。アメリカの劇作家ラジヴ・ジョセフによる今作は、1600年代、タージマハル建設中のムガル帝国が舞台。その建設現場で夜通し警備をする、幼なじみのふたりの衛兵を描く。「話としてはとても寓話的。だからこそキャッチーな物語のうえに、大きなテーマを描くことができるんですよね。舞台は17世紀ですが、登場人物の言葉遣いは現代の言語で書かれている。だから日本語に訳しても、“ルールにのっとって生きていくかいかないか”というような、現代人の葛藤に近いものが見えるんです」この戯曲を翻訳したのは20代のイギリス演劇研究家であり、シェイクスピア翻訳者・小田島雄志の孫でもある小田島創志。「小田島さんには新国立劇場でいくつか下訳(完成前の草案としての翻訳)をやっていただいているんです。私が翻訳を務めた『かもめ』でもお願いをしていて、それがすごく読みやすかった。若い方にやっていただけるのは劇場としてもありがたいので、今回お願いしました」その翻訳を元に、成河、亀田佳明と共に読み合わせや稽古を通じてテキストを練っていった。オファーの段階ではどちらがどの役か、決まっていない状態だったという。「実は稽古前の読み合わせの何回目かで“こちらかな”と決まっていたんです。それをおふたりに伝えようとしたら“まだ言わなくていい”と言われて(笑)。役者さんって面白いなあと思いました」舞台上に立っているのは終始たったふたり。しかも警備のシーンではふたりともほぼ動くことなく、お互いの顔も見ずに演技をしなければならない。「私も稽古を始めて気づいたんですが、役者さんって動くことによってセリフが体に入る面もあるんですよね。それが動けないのは不安になるし怖いことだとおっしゃっていました。でもおふたりとも本当にすばらしい役者さんで、頼らせていただいています。演出をしているときには“今これを言うべきかな”とか“どういう言い方をすれば伝わるだろう”と悩むときもあるのですが、おふたりは遠慮なしに伝えても受け止めてくださるのが本当にありがたい」ふたりが動かない警備のシーンと、思いがけない展開が起こるシーンとが入り混じる。その変化を表現するため、テクニカルな演出が取り入れられる予定だという。「私は普段、水を使ったり舞台が動いたりといった機構を使うことがあまり多くないんです。ただ今回は外のシーンと内側のシーンを行ったり来たりする部分について、美術の二村周作さんが素敵なアイデアをくださった。その他照明、音響のみなさんも含めてスタッフの力を借りて、舞台の機構も含めて観る方が飽きない作品になると思います」「ことぜん」シリーズの掉尾を飾る今作。「個人」と「全体」について考えるという大きなテーマを持ちつつも、作品自体は演劇の面白さに満ちている。「『ことぜん』というと難しそうと思うかもしれませんが、作品自体はまったく難しいものではないので。気楽に観ていただければ、ストーリーが立ち上がってくるはずです。一緒に旅を楽しんでくださればと思います」12月23日(月)まで。取材・文:釣木文恵
2019年12月06日舞台『おそ松さん on STAGE 〜SIX MEN’S SHOW TIME 3〜』の囲み取材が、舞浜アンフィシアターにて行われ、メインキャスト12名が登壇した。本作は TVアニメ『おそ松さん』を実写化した舞台となり、今回で3度目の上演となる。これまでの公演のチケットはすべて即完売しており、12月8日(日)の千秋楽公演ではライブビューイングも予定されている。6つ子・おそ松役の高崎翔太は見どころを聞かれると、本作から登場する新キャラクター・橋本にゃー(高石あかり演)の名前を挙げ、「見どころはにゃーちゃん!アイドルみたいにかわいくて、いつもそれだけをモチベーションに頑張っています(笑)」とまさかの発言。6つ子・カラ松役の柏木佑介が「今回も体を張っています!そこまで露出するんだっていうシーンがたくさんあります(笑)」とファンの期待を煽ると、すかさず高崎も「今回はカラ松の主役感に注目してください!」と同調。6つ子・チョロ松役の植田圭輔は「今回は舞浜アンフィシアターという大きい劇場になっています。この公演をやるのにふさわしくない劇場だなと(笑)。アンフィシアターの無駄遣いを精一杯させていただいております」と会場を笑わせつつ、「チケットは完売しているんですが、千秋楽公演はライブビューイングもございますので!」とアピールした。6つ子・一松役の北村諒は「喜劇から引き続き、今回も6つ子のお父さん、お母さんも出てきますし、トータル的に底上げされている公演だなと。そして今回は1月から12月の1年を通してのおそ松さんを描いているので、季節感を感じながら楽しんでいただければと」と語る。6つ子・十四松役の小澤廉は「トッティ(トド松)役のタロちゃん(赤澤)の成長具合が著しいです。あと、プロジェクションマッピングがあるので舞台も華やかになっていますし、僕たち6つ子のテンポのいいコントも見どころです」と笑顔を見せた。6つ子・トド松役の赤澤遼太郎は見どころをチームワークとし、「場当たりと呼ばれるリハーサルも楽しいぐらいなので、お客様にも目の当たりにしてほしいです。どうぞ、舞浜にある“夢の家”にお越しください!」と、東京ディズニーリゾートが近くにあることにちなんだコメントをし、他のキャスト陣からも拍手が沸き起こる。F6・おそ松役の井澤勇貴は「今回は第1弾、第2弾に比べると稽古期間が短かったんですが、やっぱりこれまでの経験の成果が出ているのか、全員、振り覚えが早いし、振りの表現力も非常に伸びていて、いい成長をみんなに見せられているんじゃないかな」と、稽古期間を振り返った。F6・カラ松役の和田雅成は「第1弾、第2弾をやって、僕らはライブツアーがあって、6つ子は喜劇をやっていて、今回、この第3弾でまた12人でやれるというのが嬉しい」と、再び全員揃って公演を行うことに言及。F6・チョロ松役の小野健斗は、公演中の裏話として「井澤さんが先日27歳の誕生日を迎えまして、昨日、6人でご飯を食べに行きました」と報告。さらに、「僕、夢の国のチケットを6枚持っているんです。だから、この6人でいつか行きたいなと思っています!」と夢を語る一幕も。F6はライブ公演もやっていることから、他のキャストよりも歌とダンスを覚えるのが大変だと語る、F6・一松役の安里勇哉は「今回の新曲では、お客さんとのコールアンドレスポンスもあります。稽古場では6つ子や他のキャストがお客さん役をやってくれて、声出しをしてくれていました。尼崎公演を経て、舞浜公演はさらに盛り上がっていけると思いますし、セカンドライブツアーも発表されたので頑張っていきたい」と目を輝かせた。F6・十四松役の和合真一は「ライブビューイングは全国66館でやるそうです。これはたまたまらしいです!ブラッシュアップしたおそ松さんを全国にお届けしたい」とコメントし、F6・トド松役の中山優貴は、先日の尼崎公演で発表されたF6のセカンドツアーについて「発表されたときのみなさんの歓声が忘れられない。6つ子のみんなに負けないように頑張りたい」と意気込んだ。東京公演は12月8日(日)まで、舞浜アンフィシアターで上演。千秋楽公演はライブビューイングも決定している。取材・文/榎本 麻紀恵
2019年12月06日11月30日(土)、東京のアニメイト池袋店にて『ビルド NEWWORLD 仮面ライダーグリス』のBlu-ray&DVD発売記念イベントが開催。本作の主演で猿渡一海/仮面ライダーグリスを演じた武田航平と、ヒロイン・石動美空役の高田夏帆がトークイベントと握手会を行い、訪れたファンを沸かせた。ステージに登場した武田は、「仮面ライダーグリス / 猿渡一海、そして彼氏役の武田航平です。……役?役?彼氏役?」と高田にアピール。すると高田は、「役!」とバッサリ。続けて、「石動美空役、高田夏帆です。彼女役です!」と「役」を強調して挨拶し、「役を強調しないで!(笑)」と、『仮面ライダービルド』劇中さながらに振られる武田の姿に笑いが起こった。のっけから仲の良い掛け合いを見せ客席を温めた二人に、さっそくMCからDVD&Blu-rayの発売日を迎えての心境について質問が。「映画の上映からあっという間だったね?」と話す高田に、武田は「家でも見れるし、何回もみられるのがうれしいですね」とコメントした。『ビルド』の放送から2年経っての今作の発売ということで「こんなにたくさん人が来てくれるなんて思ってなくて。30人くらいかな、と」とおどけた武田に、高田が「それはひどすぎ!(笑)」と怒ると、すかさず「夏帆ちゃん、髪切った?」と武田。それを聞いた高田は、「航平さんは、会った瞬間に髪切った?かわいいね!って言ってくれたんですよ!テンションぶち上げ!!」と満遍の笑みを見せた。本作の話題に戻り、高田はクランクインの日に雪が降ったことから「これは、グリスブリザードだ!」と盛り上がったことを明かし、さらに本編を全部見返してから『グリス』を見て欲しいとオススメの楽しみ方を提案した。また、何度でも見て欲しいシーンとして武田は美空の告白シーンを挙げ、「髪切った状態で、また告白されてもいいんですけどね」と話すと「新撮してもいいですよね」とMCもノリノリ。それを聞いた高田は「私の告白シーンなら、別でお金を。有料コンテンツで」と笑いを誘った。その後、特典として収録されているメイキングに話が及び、武田が「俺が水着を着てサングラスつけて、ブーツをはいてるやつは入ってなかったでしょ?」と客席に確認しつつ、衣装さんが上着を用意し忘れたことで、その格好で移動することになったと明かす。「本当は栄信(赤羽役)たちが芝居してる後ろのカメラの遠くの方で、ゴルゴ13みたいに構えてっていうのをやりたかったけど、そこに行くまでにバレちゃうから諦めたんだけど……」と続けると、「何やってるんですか」と高田も爆笑。現場にいた人だけが見たレアな姿ということで、「やっぱりあの写真上げなきゃダメだな!栄信が撮ってると思う。あいつ好きなんだよ、俺の裸撮るの(笑)」と、武田から爆弾発言(?)も飛び出した。栄信と共に三羽ガラスとして青羽を演じた芹澤興人、黄羽を演じた吉村卓也と武田の旅の模様が収録されたTTFC(東映特撮ファンクラブ)の撮影で、吉村にドッキリをした話題が飛び出したり、本作のメガホンを取った中澤祥次郎監督は、グリス登場回や一海と美空の関係を撮ってきた監督ということで、安心して撮影に臨んだという話も盛り上がった。さらに、今だから言える話として、共演者へのクレームを尋ねられると、武田は『ビルド』主演の犬飼貴丈が二役で演じる佐藤太郎の「夜は焼肉っしょ!」というセリフについて、「俺、貴丈にけっこう焼肉奢らされてるですよ。俺に言ってるのかな?って(笑)」と話し、航平さんへのメッセージと称して、「犬飼が吉村に生意気なことを言わせてるんですよ。それでまた焼肉に行くことになって……。何回奢らなきゃいけないんだよ」とこぼした。「これずっと続いてくんだよ。永遠に。剣星さんと俺はおごりおじさんだから」と、仮面ライダーローグ/氷室幻徳を演じた水上剣星の名前を出して自虐しつつ、「かわいい妹たち弟たちみたいなもんだから、おじさんたち頑張っちゃうんだよね」と優しさをのぞかせた。また、犬飼演じる天才物理学者の桐生戦兎が様々なアイテムを作り出すことから、なんでも作ってもらえるとしたら何が欲しいか、というテーマでは、最近一人暮らしを始めたという高田が「初めての一人暮らし、23歳冬。寒い。電気カーペットが欲しいです」とコメント。すると武田は「俺が買うんだろ!そういう流れじゃん!!お財布俳優って呼んでくれ(笑)」と半ばやけに。高田が「これ書いておいてください!」と記者にアピールすると、武田は「次の回までの間にポチりますよ」と、約束を交わした。映像特典では、キャスト&スタッフによるオーディオコメンタリーや『仮面ライダークローズ』公開時に行われたイベント「武田航平ナイト」が収録されていることにも触れられ、自分の名前がついたイベントということで、武田は「若干いじられてるのかなって思うんですけど」と不満を漏らしつつ、「ありがたいことだと思いますし、機会があればまたやらせてください」とファンの期待を煽った。最後に、高田は「イベントに出させてもらった史上、一番ゆるくリラックスしてできた気がします。DVD、とにかく楽しんでください。本編を見てから見るとますます愛おしくなると思うので、全部を愛して欲しいと思います」とコメント。武田は「仮面ライダービルドのチームを代表してきてるって感じでやらせていただきました。これで最後のイベントになりますって言われたんですけど、なかなか仮面ライダーとしてのイベントはないかもしれないけど、こうして作品として残していただけたので、『グリス』だけじゃなく『クローズ』もあります。全部一緒に保存してとっておいていただけたらうれしいです。まだまだ楽しむ方法はあると思いますし、小説も出ますし。これからも僕たちのことをよろしくお願いします。そして、仮面ライダーは今放送しているのもありますし、どんどん盛り上げて、世界に通用するコンテンツとして、みんなで胸張って大切に思ってくれたらうれしいです」と締めくくった。撮影/井嶋輝文取材・文/大谷和美
2019年12月06日ディズニーの『ライオン・キング』『アラジン』のクリエイターらが、世界的名作冒険小説を実写映画化した、ハリソン・フォード主演最新作『野性の呼び声』の日本公開が、2020年2月28日(金)に決定。それにあわせ、日本版ポスターと予告映像が公開された。『野性の呼び声』は、ジャック・ロンドンの冒険小説を基に、地図にない地を目指し旅する男ソーントンと奇跡の名犬バックの出会い、そして言葉の壁を超えた友情と冒険を描く感動のアドベンチャー作品だ。予告編では、地上最後の秘境アラスカでたった独り未開の地を求め旅する、ハリソン・フォード演じるソーントンと、温暖なカリフォルニアでペットとして育ち、数奇な運命によってアラスカで犬ぞりを引くことになる奇跡の名犬バックの出会いが映し出される。そして、友情で結ばれ“最強の相棒”となったふたりが、さらなる未開の地を求め、“最高の冒険”へと旅立つ姿が切り取られている。また、同時に公開されたポスターでは、数奇な運命に導かれ出会ったふたりが、荒れる川の 船上で先だけを見据える勇敢な姿が描かれた、男と犬の絆を感じるビジュアルとなっている。本作の監督は、ディズニー・アニメーションで『ライオン・キング』『アラジン』『美女と野獣』など様々な名作を生み出してきたクリエイター、クリス・サンダース。自身の監督作『リロ・アンド・スティッチ』では、愛を知らないエイリアンと両親を亡くした女の子の友情の物語を、『ヒックとドラゴン』では弱気なバイキングの少年と伝説のドラゴンの友情の物語によって、言葉の壁を超えた絆を描いてきた。実写デビュー作となる本作でも、 人類未踏の地に挑戦する男と犬の、壮大な冒険と深い絆を描き出してくれそうだ。『野性の呼び声』2020年2月28日(金)公開
2019年12月06日1967年に漫画アクションにて連載がスタートしてから、50年以上経っても人気作品であり続けている『ルパン三世』。アルセーヌ・ルパンの孫という設定で、あらゆるお宝を華麗に盗み出すルパン三世をはじめ、天才ガンマン・次元大介、斬鉄剣の使い手・石川五ェ門、類稀なる美貌を持つ謎の美女・峰不二子、そしてルパン逮捕を狙う、インターポールの銭形警部など、個性豊かなキャラクターが活躍する、痛快なエンタテインメント作品だ。今回の映画『ルパン三世 THE FIRST』は、ルパン史上初となる、フルCGアニメーションを駆使した一作。『ALWAYS 三丁目の夕日』や、『SPACE BATTLESHIP ヤマト』『STAND BY ME ドラえもん』『ドラゴンクエスト ユア・ストーリー』などなど、数々の日本の有名コンテンツを新たな解釈で映像化してきた山崎貴が監督を務める。ゲスト声優も豪華だ。ヒロインのレティシア役に広瀬すず、秘密組織の研究者ランベール役に吉田鋼太郎、そして、ランベールに指示を出す謎の男・ゲラルト役を藤原竜也が演じる。今回、ルパンが狙うのは、20世紀最高の考古学者ブレッソンが遺した、“ブレッソンダイアリー”。そこに隠された謎を解いたものは莫大な富を手にすることができるとされ、かのルパン一世でさえも盗み出すことに失敗したといわれる最高難度の秘宝だ。ルパン一世からの因縁、そして初のCGアニメへの挑戦。本作のタイトル“THE FIRST”には、原点を思い出し、新たな原点となるという想いが込められているようだ。本作を原点に、3DCGで表現されたルパンが定番になっていくかどうかは、観客のジャッジにかかっているだろう。『ルパン三世 THE FIRST』公開中
2019年12月06日神戸の冬の風物詩「神戸ルミナリエ」が今年も開幕する。冬の澄んだ空気に輝く光を眺めながら震災の記憶を語り継ぐ重要なイベントだ。神戸ルミナリエは1995年から続くイベント。阪神・淡路大震災で被害にあわれた方の鎮魂と追悼、そして街の復興を祈念してスタートし、毎年多くの人が会場を訪れて、イルミネーションに魅了されるだけでなく、震災や家族、かつてあった街の姿に想いをはせる。今年も仲町通りには光の回廊作品“ガレリア”が展示され、東遊園地にはさまざまな作品が登場。会場では催しの継続のために1人100円の募金も行われている。なお、会場は混雑が予想されており、観覧は元町から三宮方向への一方通行になる。神戸ルミナリエ12月6日(金)から15日(日)まで月~木曜18時頃から21時30分まで金曜18時頃から22時まで土曜17時頃から22時分まで日曜17時頃から21時30分まで入場無料(会場募金 1人100円)
2019年12月06日西日本最大級のモーターイベント「第11回大阪モーターショー」が本日から9日(月)までインテックス大阪で開催される。大阪モーターショーは1999年に第1回が開催され、今年で11回目を迎える関西の自動車ファン、モーターファン恒例のイベント。今年も国産車、輸入車、二輪車など様々な車両が展示されるほか、レーシングドライバーや豪華ゲストを招いたトークイベントや音楽ライブも開催。12月7日(土)は“レディースDAY”と題して様々なイベントや企画、プレゼントが予定されている。また、今年はプロレス界のカリスマにして超人気選手、蝶野正洋がスペシャルサポーターに就任。会場では限定グッズが発売されるほか、2ショット撮影会も開催される。第11回 大阪モーターショー12月6日(金)から9日(月)までインテックス大阪開催時間平日10時から17時土日9時30分から18時最終入場は閉館30分前まで。大人1700円大学・専門学生1500円大学生・専門学校生以下は要学生証提示。高校生以下は無料。障害者手帳をお持ちの方はご本人と付添1名まで無料。期間中1枚につき1名1回のみ有効。www.osaka-motorshow.com/()
2019年12月06日