ぴあがお届けする新着記事一覧 (865/897)
カリフォルニアで猛威をふるっている山火事の影響を受けて、現地時間28日に予定されていた『ターミネーター:ニュー・フェイト』のプレミアが中止になった。プレミアが行われるはずだったチャイニーズ・シアターのあるハリウッドまでは火の手が及んでいないが、業界人が多く住むブレントウッド地区を含むL.A.の北西部では、緊急避難命令が出ている。『ターミネーター:ニュー・フェイト』に出演するアーノルド・シュワルツェネッガーも避難した。パラマウント・ピクチャーズは、プレミアパーティで提供するはずだった食事を、赤十字に寄付すると発表している。『ターミネーター:ニュー・フェイト』11月8日(金)より全国公開文=猿渡由紀
2019年10月29日“20世紀最大のクラシックイベント”と謳われた「三大テノール」の1人ホセ・カレーラスが来日する。一斉を風靡した3人のうち、パヴァロッティはすでに鬼籍に入り、ドミンゴも指揮活動に比重を移しつつある現在、第一線のテノール歌手として活躍する唯一の存在がカレーラスだ。スペインのバルセロナに生まれたカレーラスは、1958年に子役として大劇場でデビューをはたしているだけに、そのキャリアの長さは驚異的だ。すでに60年以上に渡ってステージに立ち続け、途中、白血病に倒れるというアクシデントもありながらそれを克服して更に前へと進んだ精神力と体力は半端ではない。リサイタルのレパートリーは、バロックから現代音楽やミュージカル・ナンバーなどなど600曲以上と幅広い。今回のステージではその中から何が選ばれるのか想像するのも楽しい限りだ。今や伝説の域に入りつつあるスーパー・テノールの歌声に浸る幸福な時間を味わいたい。●公演概要11月2日(土)サントリーホール大ホール11月10日(日)堺市民芸術文化ホール(フェニーチェ堺)大ホール●ホセ・カレーラス〈テノール〉 Jose Carreras, Tenorオペラと共にリサイタル活動にも意欲的で、ニューヨークのカーネギー・ホール、エイヴリー・フィッシャー・ホール、ロンドンのロイヤル・フェスティバル・ホール、バービカン・ホール、ロイヤル・アルバート・ホール、パリのサル・プレイエル、ウィーンのムジークフェラインザール、コンツェルトハウス、ベルリンのフィルハーモニーザール、東京のサントリーホール、NHKホール、ザルツブルクの祝祭大劇場、ミュンヘンのヘルクレスザール、バルセロナのカタロニア音楽堂、マドリードの王立劇場、ローマのアカデミア・サンタ・チェチーリア等、世界的な舞台で美声を聴かせ、リサイタルのレパートリーはバロックから現代音楽まで600曲以上の幅広いジャンルを誇っている。レコーディングは150以上に及び、オペラ全曲では50作品、オラトリオ、ポピュラーとクラシックのリサイタル盤が傑出している。また世界中のゴールド及びプラチナ・ディスクを数多く受賞している。テレビ、映画、ビデオ等映像のオペラ・シーンにも登場、《ラ・ボエーム》、《十字軍のロンバルディア人》、《アンドレア・シェニエ》、《トゥーランドット》、《カルメン》、ヴェルディの《レクイエム》、《ドン・カルロ》、《運命の力》、《スティッフェリオ》、《フェドーラ》、《イェルサレム》等の作品で主役を演じた。数々の国際的な栄誉に浴しており、米国テレビ芸術科学アカデミーのエミー賞、パリ・アカデミーのディスク大賞、ルイジ・イッリカ賞、1991年グラミー賞、コヴェント・ガーデン王立歌劇場での《スティッフェリオ》の演技に対するサー・ロウレンス・オリヴィエ賞、ウィーン国立歌劇場の終身名誉会員及び宮廷歌手の称号、ロンドン王立音楽院の名誉会員、ニューヨーク・スパニッシュ・インスティテュートのゴールド・メダル、ウィーン市のゴールド・メダル、スペイン王寄贈の芸術メダル、バルセロナ市及びカタルーニャ自治政府のゴールド・メダル、1991年度プリンス・オブ・アストゥーリアス賞、フランス共和国芸術勲章、イタリア共和国上級騎士大勲章、オーストリア共和国大勲章等を授与されたほかユネスコ親善大使に選ばれ、1996年にはアルバート・シュヴァイツァー賞を授与されている。また、バルセロナ大学、英国ラフバラ及びシェフィールド大学、モスクワのメレデレイェフ大学、もっとも最近ではエディンバラのネイピア大学の名誉博士号を授与されており、欧州医学会議の名誉会員、欧州腫瘍医学会議の名誉後援者、白血病支援団体の名誉会員に名を連ねている。カタロニア臓器移植財団ゴールド・メダル、オランダのスティッチティング・デイ・バイ・デイ財団のダイアモンド・チューリップ賞、バイエルン州政府名誉メダル、聖ボニファティウス病院研究財団1996年度国際賞を授与されている。またフリアン・ガヤーレ国際歌唱コンクール及びロンドン・アーツ・オーケストラの名誉会長に就任している。2000年11月3日、メンズ・ワールド・デイの第1回ソーシャル・アウォードを授与された。映画“RomanzaFinal”ではフリアン・ガヤーレを演じた。またカレーラスのビデオ『ライフ・ストーリー』は1993年度のエミー賞を受賞している。1992年にはバルセロナ・オリンピックの音楽監督を務めた。1990年ローマ、1994年ロサンゼルス、1998年パリ、2002年横浜でプラシド・ドミンゴと故ルチアーノ・パヴァロッティと共に「三大テノールの競演」を開催、全世界の20億以上の観衆を魅了した。この特別なイベントはオペラ界に空前の衝撃を与えた。1988年以来、カレーラスは音楽家としての活動と共に『ホセ・カレーラス国際白血病財団』の活動に全精力と情熱を捧げている。この財団はバルセロナで設立され、スイス、ドイツに支部を置いている。ホセ・カレーラスが重要なライフ・ワークのひとつとしているのが、今年30年を迎えたこの財団の活動である。
2019年10月29日世代を超えて愛され続ける名作を、ディズニーが実写映画化し、大ヒットを記録した『アラジン』が、MovieNEX(4,200円+税)が発売中、デジタル配信中だ。この度、MovieNEXで楽しめるボーナス・コンテンツの中から、特殊な撮影と編集が施された、アラジンが街中を駆け抜ける『一足お先に』のシーンの舞台裏を、監督のガイ・リッチーが解説するボーナス映像が公開された。公開された映像では、『一足お先に』のシーンがどのように作られたのか、その意外な方法が明かされている。本作の監督を務めた、リッチーの作品といえば、流れるようにスピーディなカメラワークや、センスが光るスタイリッシュな演出が魅力のひとつ。本作でもその特徴的な技術を様々なシーンに取り入れている。とくに、アラジンがアグラバーの街を傭兵に追われながら歌うシーンは、36コマのスローモーションと、18コマのファストモーション(いわゆる早回し)が効果的に使用され、“ガイ・リッチーらしさ”が存分に発揮されている。そして、よりアクションシーンに新鮮味をもたせるため、狭い路地や屋根の上を走ったり飛んだり、縦横無尽に走り抜けるアラジン役のメナ・マスードのウエストにはGoProカメラが装着。アラジン目線からの映像を加えることで、より臨場感も演出されている。リッチーは、マスードが歌うこの曲は、映像完成後に収録されたといい、その録音方法も特殊であると解説。通常再生すると早回しになるスローモーションでは“速く”、遅くなるファストモーションでは“遅く”、テンポを変えて録音したと振り返り、その様子をリッチー自らが再現している。マスードは、そんなリッチーの撮影方法や演出に、「監督とディズニー映画は相性がいい」と太鼓判を押す。そんなリッチー監督の特徴が凝縮された『アラジン』を、MovieNEXで本編と一緒に楽しんでほしい。『アラジン』デジタル配信中MovieNEX(4,200円+税)発売中実写版とアニメーション版の両方を豪華デジパック仕様に収めたセット商品『アラジン MovieNEXコレクション(期間限定)』(8,000円+税)、アニメーション版をより高画質・高音質で楽しめる『アラジン 4K UHD』(5,800円+税)同時発売
2019年10月29日ホラー小説の巨匠スティーヴン・キングが、2013年に発表した『シャイニング』の続編小説を基に、ユアン・マクレガーが幼い頃壮絶な惨劇を生き延びて大人になったダニーを演じる映画『ドクター・スリープ』が、11月29日(金)に日本公開される。この度、ダニーを演じたマクレガーのコメントが到着。40年前の惨劇のトラウマを抱えたダニーが、『ドクター・スリープ』でトラウマを克服しようと葛藤する役どころや、少女アブラとの“新たな出会い”、ジャック・ニコルソンの有名なシーンについて語った。「演じる僕の立場から言うと、ダニーがどん底のところから始まるところがすごく好きだ。彼はボロボロの状態で、人生で最悪の時にいるんだよ」と、マクレガーは幼少期のトラウマを抱えて成長し、人を避けるように暮らしているダニーの役柄に惹かれたと語る。「彼はどん底からから立ち直ろうとしている。そんな中彼は、自分の持つ特別な力“シャイニング”を他人の手助けをするために使おうと考える」という。ホスピスで働き始めたダニーは、シャイニングで人々を安らかに見送ることから、「ドクター・スリープ」と呼ばれるようになる。自分を取り戻し始めた彼は、特別な力で児童連続失踪事件を目撃した少女アブラと出会い、人生が大きく動き出す。(c)2019 Warner Bros. Ent. All Right Reserved40年間引きずっているトラウマを克服しようとするダニーについて、「彼を苦しめる“呪われたホテル”の悪魔は、いわばメタファーだ。僕らを恐れさせるものは、自分の中にある。自分が嫌う自分の部分なんだよ。自分が過去にやったこと、恥だと思っていること。そういうものを、人はできるだけ見ないようにするものだ。取り払うには向き合って、時間をかけるしかない。そうやって取り除いてしまえば、もうずっと抱えていなくていいんだ」と、自分自身から逃げるように引っ越したダニーの心の内側を推察し、役作りを進めたという。そして、『シャイニング』でダニーの父を演じたジャック・ニコルソンが“破壊されたドア”越しに覗き込む有名な「あのシーン」と同じ構図で撮影した場面について、「注意深くやらないとなと思っていた。あのシーンは本当に有名だけど、それを実際にやる僕としては、あまり重い意味を持たせたくなかった。当時ダニーはそこにいなかったから、僕はあのシーンをあくまで普通にやろうとした」と、クールな演技を心掛けたことを告白している。『ドクター・スリープ』11月29日(金)全国ロードショー
2019年10月29日毎年秋に池袋周辺で開催されること4年目、今年は「出会う。変わる。世界。」をテーマに国内外の多彩な舞台芸術作品を上演中の東京芸術祭。本日10月29日より東京芸術劇場で開催される、東京芸術祭ワールドコンペティション2019は、そんな今年のテーマを象徴する新たな取り組みだ。芸術祭総合ディレクターの宮城聰とコンペティションディレクターの横山義志曰く、「“優れた作品”って、どういうことなのか」を「観客のみなさんと一緒に考え」、「舞台芸術を評価する“尺度”を新たに生み出して」いく試みとのこと。次代を担う世界の表現者たちの作品を、審査員長のジュリエット・ビノシュ、副審査員長の夏木マリをはじめとする審査員が公開で審査する。対象となるのは、中国の戴陳連による影絵芝居『紫気東来ービッグ・ナッシング』、オーストラリアのシドニー・チェンバー・オペラによる言葉のないオペラ『ハウリング・ガールズ』、スペインのエル・コンデ・デ・トリフィエルによる演劇『可能性は風景の前で姿を消す』、ブルキナファソのシャルル・ノムウェンデ・ティアンドルベオゴによるフィジカル・シアター『たびたび罪を犯しました』、チリのボノボによる演劇『汝、愛せよ』、そして日本のdracomによる演劇『ソコナイ図』の6作品。各公演は有料だが、それぞれの推薦人によるプレゼンテーション及びトーク、そして審査会と授賞式には無料かつ予約なしで入場できる。新たな“尺度”が生まれる瞬間に立ち会ってみるのも一興だ。文:町田麻子
2019年10月29日小泉八雲の作品集『怪談』の短編5編をもとにした『奇ッ怪~小泉八雲から聞いた話』(2009年)、柳田国男が岩手県遠野地方の伝承をまとめた説話がモチーフの『遠野物語・奇ッ怪 其ノ参』(2016年)など、これまで数年おきに上演されてきた劇作家・演出家の前川知大と世田谷パブリックシアターとの共作シリーズ。本日より幕を開ける最新作『終わりのない』は、古代ギリシャの長編叙事詩 『オデュッセイア』を原典とした物語だ。前川といえば、普通の人々のなにげない生活にふと顔をのぞかせる異世界を通して、“目には見えないが、確かにそこにある(いる)何か”を描き出す作品群で知られる。その“何か”を言葉にしたのが、八雲のいう「怪談」であり、柳田にとっての「伝承」であり、あるいは紀元前から語り継がれてきた「叙事詩」なのだろう。東洋哲学やアニミズムを思わせる前川の視点は、映画やコミックの孫引きであふれた、ちまたの「オカルトもの」や「SFもの」とはハッキリと一線を画して小気味いい。前川の舞台を観ているうちに陥る、遠い記憶を呼び覚まされるような感覚。そして私たちもまた、連綿と続く歴史のかけらだということに気づくのだ。「『わたしたちは何故ここにいるのだろう?』『いつの間にこんなところまで来てしまったのだろう?』という個人の旅を人類の旅と重ね、望郷の念をもって描いていく」と前川が語る通り、歴史と神話、人間と神々が地続きで描かれている世界観を下敷きに綴られる本作。キャストは、NHK連続テレビ小説『なつぞら』の小畑雪次郎役で注目を集めた山田裕貴と、ドラマ『あなたの番です』の尾野幹葉役で印象を残した奈緒が、前川作品に初参加。ナイロン100℃の村岡希美、前川主宰の劇団イキウメから安井順平や浜田信也らが出演し、本シリーズには欠かせない仲村トオルも出演。舞台という生の空間で、“目に見えない何か”を立ち上がらせる。11月17日(日)まで世田谷パブリックシアターで上演の後、11月23日(土)・24日(日)に兵庫県立芸術文化センター 阪急 中ホール、11月30日(土)に新潟市民芸術文化会館 劇場、12月4日(水)に宮崎・メディキット県民文化センター 演劇ホールにて上演される。文:佐藤さくら
2019年10月29日三代目 J SOUL BROTHERS from EXILE TRIBEの今市隆二(RYUJI IMAICHI)が、明日10月30日にシングル『RILY』をリリースする。三代目 J SOUL BROTHERS from EXILE TRIBEのメンバーやソロ歌手としてだけでなく、映画『その瞬間、僕は泣きたくなった-CINEMA FIGHTERS project-』の一篇、『On The Way』では初の俳優にもチャレンジしている今市隆二。ソロ活動としては、2018年に配信シングル『ONE DAY』『Angel』『Thank you』『Alter Ego』、1stアルバム『LIGHT>DARKNESS』をリリース。それら発売にともなうソロツアーも成功させた。彼の第5弾シングルにして、初のCDリリース作品が『RILY』だ。タイトル曲は遅めなテンポのファンキーな仕上がり。すでに公開されているミュージックビデオは、今市の野性的で艶っぽい魅力が音と映像で表現されている。カップリングには前述の短編映画『On The Way』の主題歌『Church by the sea』『夜明け前』『これが運命なら』も収録されており、お得な内容。ぜひ手に取ってチェックしてほしい。■リリース情報RYUJI IMAICHI『RILY』10月30日発売収録曲:RILYChurch by the seaRILY(Instrumental)Church by the sea (Instrumental)- Bonus track -夜明け前これが運命なら夜明け前(Instrumental)これが運命なら(Instrumental)■公開情報『その瞬間、僕は泣きたくなった-CINEMA FIGHTERS project-』11月8日(金)より、TOHOシネマズ 日本橋ほか全国公開『Beautiful』出演:AKIRA(EXILE)、蓮佛美沙子監督:三池崇史主題歌:『Beautiful』 Crystal Kay『海風』出演:小林直己、秋山菜津子監督:行定勲主題歌:『海風』Leola『On The Way』出演:今市隆二、パコ・ニコラス監督:松永大司主題歌:『Church by the sea』 RYUJI IMAICHI『GHOSTING』出演:佐野玲於、畑芽育監督:洞内広樹主題歌:『ラストラブ』LISA『魔女に焦がれて』出演:佐藤大樹、久保田紗友監督:井上博貴主題歌:『ライラック』琉衣エグゼクティブプロデューサー:EXILE HIRO企画・プロデュース:別所哲也コンセプトプロデューサー:小竹正人製作:LDH JAPAN制作:パシフィックボイス配給:LDH PICTURES(c)2019 CINEMA FIGHTERS project
2019年10月29日第32回東京国際映画祭が10月28日、東京・六本木ヒルズで開幕。オープニングを飾る『男はつらいよ お帰り 寅さん』の山田洋次監督、倍賞千恵子、吉岡秀隆、後藤久美子、前田吟、夏木マリ、浅丘ルリ子をはじめ、フェスティバル・ミューズの広瀬アリス、特別招待作品部門に出品されるNetflix作品『アースクエイクバード』の主演を務めるアリシア・ヴィキャンデル、『ひとよ』から白石和彌監督、佐藤健、鈴木亮平、松岡茉優ら豪華な顔ぶれがレッドカーペットを闊歩した。最新作27本が揃った特別招待作品部門に加えて、「コンペティション」「アジアの未来」「日本映画スプラッシュ」(以上コンペティティブ)、「Japan Now」「ワールド・フォーカス Powered by Aniplex Inc.」といったショーケース、「CROSSCUT ASIA #06 ファンタスティック!東南アジア」などのクローズアップ企画と多彩な10 の主要部門によって構成されている。期間中には約180本の映画が上映される予定だ。コンペティション部門の国際審査委員長を務めるのは、中国を代表する女優でハリウッドでの活躍もめざましいチャン・ツィイー。加えて、ビル・ガーバー(プロデューサー)、ジュリー・ガイエ(女優/プロデューサー)、マイケル・ノアー(監督)、廣木隆一(監督)という幅広いジャンルの映画人が、出品された全14作品の審査にあたる。日本映画では、稲垣吾郎主演の『ばるぼら』(手塚眞監督)、足立紳監督の『喜劇 愛妻物語』の2作品が選出されており、最高賞にあたる東京グランプリを競う。昨年に引き続き、「Expansive映画を観る喜びの共有」「Empowering映画人たちの交流の促進」「Enlightening映画の未来の開拓」という3つのビジョンを掲げた東京国際映画祭。この夏、チェアマンに就任した安藤裕康氏は「新たな時代にふさわしい映画祭として、更に発展していけるよう頑張りたいと考えている。世界中の映画人が集い、お客様と一緒に優れた作品を鑑賞し合いながら、共感を育み、絆を深めていく。そんな場にしたいと願っています」と意気込みを語っている。取材・文・写真:内田 涼■第32回東京国際映画祭開催概要期間:10月28 日から11月5日(9日間)会場:六本木ヒルズ、EXシアター六本木、東京ミッドタウン日比谷、日比谷ステップ広場ほか都内の各劇場及び施設・ホールを使用
2019年10月28日「ぴあ」調査による2019年10月25日、26日公開のぴあ映画初日満足度ランキングは、人気TVアニメの劇場版『冴えない彼女の育てかた Fine』(通称:冴えカノ)が第1位になった。原作は丸戸史明のライトノベルシリーズで、TVアニメは2014年に第1期、2017年に第2期が放送された。丸戸史明はTV版に引き続き劇場版の脚本も手がけており、同人ゲーム制作に取り組む高校生の安芸倫也と、彼を支えるヒロイン加藤恵、澤村・スペンサー・英梨々、霞ヶ丘詩羽が織りなす青春模様が描かれる。劇場には原作やTV版のファンが多く来場。観客からは「めちゃめちゃ泣けた」「ヒロイン3人の性格とか、ちゃんと恋愛していく姿が2時間にしっかり描かれていてよかった」「原作通りだし、作品的にネタが盛りだくさんで笑えるシーンも多くて、原作やTVアニメを見ていた人からしたら望み通りの内容だったと思う」などの声があがり高い満足度をつける人が続出。中には「アニメと違って感情豊かなキャラがいて、冴えないヒロインが冴えてるヒロインになった。自分もあんな奥さんがほしい!」「小説、アニメとずっと応援してきた。映画は作画のクオリティーが格段に上がっていて驚いた。今まで好きだったキャラクターの新しい魅力を発見できた」など劇場版ならではの見どころを熱く語る人も。一方でTVアニメは観ていなかったと話す観客からは「ベタなラブストーリーを変化球なしの王道で描くというのが刺さった。この作品だけで1から10を語っているので、前提を知らなくてもこの映画だけで十分楽しめた」という感想もあった。1位『冴えない彼女の育てかた Fine』93.0点2位『Thunderbolt Fantasy 西幽げん歌』92.7点3位『T-34 レジェンド・オブ・ウォー』90.7点4位『風水師 王の運命を決めた男』90.2点5位『キミだけにモテたいんだ。』85.3点6位『ロボット2.0』84.8点7位『キング』83.8点8位『108~海馬五郎の復讐と冒険~』83.6点9位『ジェミニマン』82.1点10位『ゴッホとヘレーネの森 クレラー=ミュラー美術館の至宝』81.1点(本ランキングは、10/25(金)、26(土)に公開された新作映画10本を対象に、ぴあ編集部による映画館前での出口調査によるもの)
2019年10月28日10月26日、27日の全国映画動員ランキングは、公開4週目の『ジョーカー』(全国327館)が首位を守った。公開2週目の『マレフィセント2』(全国370館)も先週と変わらず2位をキープ。公開2週目の『世界から希望が消えたなら。』(全国222館)は先週4位から3位に順位を上げた。ウィル・スミスとアン・リー監督によるSFアクション大作『ジェミニマン』(全国354館)は初登場4位に。丸戸史明の小説を原作にしたTVアニメの劇場版『冴えない彼女の育てかた Fine』(全国121館)は初登場5位になった。そのほか、公開3週目の『イエスタデイ』(全国106館)が先週8位と変わらず。次週は『IT/イット THE END “それ”が見えたら、終わり。』『最初の晩餐』『NO SMOKING』『ブラック校則』『閉鎖病棟ーそれぞれの朝ー』『マチネの終わりに』などが封切られる。全国映画動員ランキングトップ10(興行通信社調べ)1位『ジョーカー』2位『マレフィセント2』3位『世界から希望が消えたなら。』4位『ジェミニマン』5位『冴えない彼女の育てかた Fine』6位『映画スター☆トゥインクルプリキュア 星のうたに想いをこめて』7位『最高の人生の見つけ方』8位『イエスタデイ』9位『記憶にございません!』10位『空の青さを知る人よ』
2019年10月28日クエンティン・タランティーノ監督の『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』はコメディか?毎年恒例となったゴールデン・グローブの部門分け論争が、今年も繰り返されそうだ。ゴールデン・グローブを主催するHFPAが部門分けの認定をするのは来月になるが、『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』を配給するソニー・ピクチャーズは、今作をコメディまたはミュージカル部門で申請。フォックス・サーチライトも、ホロコーストを扱う『ジョジョ・ラビット』を、コメディまたはミュージカル部門で申請した。やや疑問を感じるこれらの選択を行うのは、ドラマ部門よりも勝てる確率が高いと見るからだ。過去にはリドリー・スコットの『オデッセイ』がコメディ部門で受賞している。文=猿渡由紀『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』全国公開中
2019年10月28日12月に来日公演を予定しているピアニスト、ヴィキングル・オラフソンが、クラシック音楽界のオスカーとも呼ばれる英グラモフォン・アワードの「アーティスト・オブ・ザ・イヤー」を受賞した。同賞は、世界中の音楽ファンによる一般投票によって選出され、毎年大きな注目を集めている。歴代の受賞者には、ピエール・ブーレーズ、マルタ・アルゲリッチ、リッカルド・シャイー、グスターボ・ドゥダメル、パーヴォ・ヤルヴィなどの錚々たるアーティストが名を連ねる。12月の来日公演がますます楽しみになるビッグニュースだ。●公演概要12月4日(水)紀尾井ホール12月6日(金)電気文化会館 ザ・コンサートホール12月7日(土)あいおいニッセイ同和損保ザ・フェニックスホール詳細は、 ●ヴィキングル・オラフソン(ピアニスト)(C)Ari Magg1984年アイスランド生まれ。2008年にジュリアード音楽院でロバート・マクドナルドのクラスを卒業。ジュリアード・オーケストラ、アイスランド交響楽団などと共演。オックスフォード大学とレイキャヴィーク大学で音楽のマスタークラスの指導者として迎えられるだけでなく、クラシック音楽に新しい扉を開くことを目的とした学生のためのアウトリーチ・リサイタルも開いている。5つのピアノ協奏曲を初演。彼はまた、音楽を広めるためにメディアに出演し、アイスランド放送のための約10本のテレビシリーズ「音楽エピソード」の制作も行った。2012年にはレイキャヴィク・ミッドサマー音楽祭を創設して芸術監督を務める。また、2015年からはスウェーデンのヴィンターフェスト音楽祭の芸術監督に就任した。アイスランド音楽賞、アメリカン・スカンジナビア社会文化賞、ジュリアード・バルトーク・コンクール賞、ロータリー財団文化賞など、多くの賞を受賞。庄司紗矢香やビョークらとも共演し、アイスランドに新風を吹き込む若き音楽家。彼は伝統的なコンサート・ピアニストであると同時に、ビョークやオーラヴル・アルナルズ等コンテンポラリー・コンポーザーたちともコラボレーションを行い新たな世界を切り拓いている。CD『バッハ・ワークス&リワークス』UCCG-1865/6発売日:12月4日定価:¥3,500(税抜価格)+税
2019年10月28日PR(#)『連続ドラマW 蝶の力学 殺人分析班』特設サイト特設サイト()大ヒットクライムサスペンス『殺人分析班』シリーズ待望の第3弾、『蝶の力学』がベールを脱ぐ!2015年の『石の繭』、2016年の『水晶の鼓動』に続き、大ヒットクライムサスペンス『殺人分析班』シリーズに待望の第3弾が誕生!木村文乃が主人公の女性刑事・如月塔子を演じ、好評を博してきた本シリーズの第3弾『蝶の力学』では、シリーズ史上最も難解な猟奇殺人事件が発生。塔子をはじめとする“殺人分析班”の面々が、事件の裏に潜む人間ドラマに迫っていく。第3弾から観ても十分楽しめる構成となっているが、シリーズの全貌を知っておけばスリルと感動が増すのは間違いなし!記念すべき第3弾をより深く理解し、登場人物たちの活躍を堪能するため、シリーズの魅力を改めてチェックしていこう。『蝶の力学』放送記念!シリーズ第1弾『石の繭』一挙見上映会レポート ()殺人分析班VS猟奇殺人犯!『殺人分析班』シリーズの軌跡ミステリー作家・麻見和史の人気小説を原作にした『殺人分析班』シリーズ。“殺人分析班”こと警視庁捜査一課十一係と猟奇殺人犯の息詰まる攻防をスリリングかつ丁寧に描いてきた本シリーズは、第1弾『石の繭』の放送開始と同時に高い評価を獲得。第2弾となる『水晶の鼓動』、さらには殺人犯側のドラマにスポットを当てたドラマオリジナルストーリーのスピンオフ『悪の波動』も制作された。シリーズ第一の魅力は何と言っても、解決不可能と思える奇怪な事件から始まるところ。『石の繭』ではセメントで塗り固められた死体が発見され、捜査員たちは犯人の意図を探るべく奮闘することに。続く『水晶の鼓動』では深紅に染まった部屋での猟奇殺人事件と、それらに呼応するかのように起こる爆破事件に翻弄される。二転三転する怒涛の展開、巧妙に張り巡らされた伏線、犯罪捜査のリアルを捉えた描写、その先にある驚愕の真実こそがシリーズの持ち味。一度見始めたら目の離せない作品世界が、そこに広がっている。関連特集『殺人分析班』最新シリーズ『蝶の力学』放送記念!『石の繭』全5話一挙放送『連続ドラマW石の繭殺人分析班』(全5話)11月9日(土)深夜0:00~[第1話無料放送]『殺人分析班』最新シリーズ『蝶の力学』放送記念!『水晶の鼓動』全5話一挙放送『連続ドラマW水晶の鼓動殺人分析班」(全5話)11月10日(日)夜6:00~[第1話無料放送]Text:渡邉ひかる
2019年10月28日アメリカ映画界を代表するプロデューサーのひとり、ジェリー・ブラッカイマーが念願のプロジェクト『ジェミニマン』をついに完成させた。彼はこれまでも若い才能を積極的に起用したり、テーマパークのライドの世界観を映画化するなど、数々の挑戦をしてきたが、本作も彼のチャレンジ精神が発揮された作品になった。『トップガン』『アルマゲドン』『パイレーツ・オブ・カリビアン』などの大ヒット作を数多く手がける一方で、ケイト・ブランシェット主演の『ヴェロニカ・ゲリン』や感動作『タイタンズを忘れない』なども製作するブラッカイマーは、映画だけでなくドラマ『CSI:科学捜査班』なども担当。つねに複数の企画を動かしているが、長年に渡って実現を模索してきたのが『ジェミニマン』だ。本作の主人公は政府に雇われているスゴ腕の殺し屋で、ベテランの彼は引退を表明するが、結果として彼は政府から追われる身となる。彼を仕留めるために送り込まれたのは、主人公のクローン。主人公と彼の若いころソックリの殺し屋の対決が描かれるため、完成した作品ではウィル・スミスが主人公を演じ、“ジュニア”と呼ばれる主人公のクローンは、スミスの演技を基にすべてがデジタルで描かれた。「この作品は実現するまでに長い時間がかったのですが、実はプロジェクトを休止していた時期もあるんです」とブラッカイマーは振り返る。「ある時期に“ジュニア”の映像を試作したことがありましたが、当時のデジタル技術では私たちが納得いくものはできませんでした。そこでテクノロジーが脚本に追いつくのを待つことにしたわけです。2年ほど前、スクリーンでアン・リーが監督した映画『ライフ・オブ・パイ』に出てくるトラを観て、いまならば再びプロジェクトを前に進めることができると思いました」世の中には“映画プロデューサー”を名乗る人物はたくさんいるが、その業務内容は驚くほどに異なっている。単純に資金を出しただけ人、原作者の血縁者で名義だけ貸したような人、撮影現場を円滑にまわすことだけに特化した人も“映画プロデューサー”だったりする。しかし、ブラッカイマーの仕事は映画づくり全般をカバーしている。「そうですね。映画製作の全工程に関わっていますし、それこそが私の仕事だと考えています。小説や記事やアイデアの断片を発見して原案をつくり、脚本家を連れてきて、資金を調達し、監督を見つけて、スタッフと俳優を選び、映画が完成するのを見守って、公開して得た収入を出資者に戻す……とは言え、私の仕事は“自分の観たい映画をつくる”こと。これ以外の仕事のやり方をよく知らないのです(笑)」本作は全編がハイフレームレートで撮影され(多くの映画は1秒間に24コマで撮影されているが、本作は120コマ/秒で3D撮影され、いくつかの劇場では60コマ/秒で3D上映される)、ジュニアの表現は最新鋭のデジタル技術が投入されている。つまり、他の映画よりも予算がかかる。しかし、ブラッカイマーはあえてこの手法に挑み、アクション満載の本作をアカデミー賞監督のアン・リーに託した。「私は才能のある人を見つけるのが得意なんですよ(笑)。映画づくりの才能というのは時代や状況によって左右されるものではなく普遍的なものです。私は常にたくさんの映画を観て、たくさんの俳優や監督たちに会うようにしています。経験による部分もあるでしょう。でも大事なのは、プロジェクトと監督の相性です。監督それぞれ個性が違いますからね。たとえば間もなく公開になる『バッドボーイズ』の新作を監督したのは、低予算映画しか撮ったことのない若いふたりの監督です。しかし、彼らは素晴らしい才能を持っていました。一方で『ジェミニマン』にはアン・リーの才能が不可欠でした。違いは……アン・リーほどの巨匠になると忙しくしているので時間を確保するのが大変だということでしょうか(笑)」ブラッカイマーは、後に“破壊大帝”と呼ばれるマイケル・ベイを映画の世界に引き込み、ノルウェーで活動していたヨアヒム・ローニングとエスペン・サンドベリに『パイレーツ…』の新作を任せるなど大胆なチャレンジを数多く成功させてきた。巨匠監督とタッグを組み、最新の映像技術で描く『ジェミニマン』も、そんな彼の“挑戦”のひとつだ。「私はいつも観客のみなさんに楽しんでもらえる映画をつくっていきたいと思っています。完成した映画が公開されて、劇場の一番うしろでみなさんが映画を観ている姿を眺める瞬間が一番ワクワクします」ちなみに彼の活動は今後も衰えることはないようで、先ほど話の出た『バッドボーイズ』の新作や『トップガン マーヴェリック』、メル・ギブソン監督の名作リメイク『ワイルド・バンチ』など新作が続々と控えている。「いま引退しても十分に暮らしていける状況にはあるのですが(笑)、観客の方に喜んでもらえることが人生で最も大切なことですから、これからも映画を作り続けたいと思っています。また、お会いしましょう! 意外とインターバルを置かずに再会できると思いますよ」『ジェミニマン』公開中
2019年10月28日入江悠監督が完全オリジナルで作り上げたサスペンス大作に、大沢たかおをはじめとした超豪華キャストが集結した『AI崩壊』が、2020年1月31日(金)より全国公開される。この度、AIが人間の生きる価値を選別し殺戮を開始する衝撃の最新予告と本ポスターが決定。合わせて、主題歌が AI (アイ)が本作のために書き下ろした『僕らを待つ場所』に決定した。舞台は10年後の日本。大沢たかお演じる天才科学者の桐生浩介が、亡き妻・望のために開発した医療AI“のぞみ”は、国民の個人データを完全に掌握し、欠かせない存在となっていた。そんな中、突如のぞみが暴走を開始。なんとAIが生きる価値の無い人間を選別して殺戮を開始す るという事態が発生する。日本中がパニックに陥る中、AIを暴走させたテロリストの容疑者と断定されたのは、のぞみを開発した張本人、桐生だった。天才科学者から一転、容疑者となった桐生の決死の逃亡劇が始まっていく。この度公開されたのは、出演陣が映る本ポスターと、大沢が絶叫するシーンが印象的な最新予告映像。さらに映像の中ではAI (アイ)が本作のために描き下ろした楽曲『僕らを待つ場所』もあわせて披露されている。本作品の企画・プロデューサーの北島直明は AI(アイ)への楽曲オファーについて、「AIがテーマの映画だから AI(アイ)さんにオファーしたわけではありません(笑)。本作はソウルフルなシンガー、AI(アイ)さんが持つ人間のエネルギーこそが、この映画のテーマです。AIが突きつける大きな問題提起をきちんと受け止めてくれる、AI(アイ)さんの愛があふれる力強い歌声が絶対に必要でした」と語る。いち早く主題歌を聞いた主演の大沢たかおは「この映画の主人公が、家族を思う気持ちはもちろん、生きていく中で、家族や、恋人、友人など、人と人とのすべてのつながりへの深い愛と尊敬など感じられる曲だと思いました。優しくも力強さのある AI(アイ)さんの人間味溢れる歌声と、人の温もりを感じるようなメロディー、歌詞にもぜひ注目してください。『AI崩壊』という映画が最後になにを伝えたいのか……主題歌も含め、映画を楽しんでいただけると思います」と明かした。AI(アイ)はこの曲を歌うときに「今まで一番泣いたかも(笑)」と語り、 なかなかレコーディングが進まなかったそう。そして、「今まで歌った中で一番シンプルな音の曲だと思います。映画のイメージとはあえて逆に、機械的な音を避けました。でも温かく生の声を伝えたかった」と心境を語る一方で、「『AI崩壊』というタイトルに私が歌うっていうのは笑いました」と、自らの名前が含まれる映画タイトルの主題歌を担当することに笑みを浮かべた。『AI崩壊』2020年1月31日(金)より全国公開
2019年10月28日Ms.OOJAが本日10月28日、ビルボードライブ東京で「Ms.OOJA Birthday Billboard Live」を行う。今年8月に7thアルバム『SHINE』をリリースした、Ms.OOJA。彼女はちょうど全国ワンマンホールツアー「Ms.OOJA LIVE TOUR 2019 SHINE」を終えたばかり。東京公演では小渕健太郎(コブクロ)を客演に迎えるなど、最高のパフォーマンスで観客を盛り上げた。それを経た今夜のライブ。1st、2ndの2ステージ制でのパフォーマンスとなり、ライブハウスやホールでの公演とは違う質感の公演になると予想される。このプレミアムな夜をお見逃しなく。少し大人な料理と音楽でMs.OOJAの誕生日を祝おう。■公演情報「Ms.OOJA Birthday Billboard Live」日時:10月28日(月)1stステージ開場17:30/開演18:302ndステージ開場20:30/開演21:30場所:ビルボードライブ東京
2019年10月28日おとな向け映画ガイド今週のオススメはこの5作品。ぴあ編集部 坂口英明19/10/28(月)イラストレーション:高松啓二この週末に公開の作品は28本。今週もとても多い本数です。全国100スクリーン以上で拡大上映されるのは『IT/イット THE END “それ”が見えたら、終わり。』『閉鎖病棟ーそれぞれの朝ー』『マチネの終わりに』の3本。ミニシアターや一部シネコンなどで上映される作品が25本です。この中から厳選して、おとなの映画ファンにオススメしたい5作をご紹介します。『NO SMOKING』日本の音楽界を代表するひとり、細野晴臣さんのデビュー50周年記念ドキュメンタリーです。超貴重な映像を交えながら、細野さんが気さくにご自身を語る、トークライブのような映画です。この人、お話が面白いのです。そのうえサービス精神旺盛で、茶目っ気たっぷりのエンターテイナー。突然、ホッピングとか、火星歩行ダンスなんかやりだしちゃいますし。タイトルもシャレ。タバコをひっきりなしに吸っています。1947年、戦後すぐの生まれ。少年時代の思い出から始まり、音楽に熱中した高校、大学時代。小坂忠とエイプリル・フールを結成し、デビューしたいきさつ。大瀧詠一・松本隆・鈴木茂との伝説のはっぴいえんどはどんなふうにして生まれたか。ソロになってトロピカル・ダンディー、横尾忠則がきっかけになったインドとの出会い、そしてYMO、アイドルへの楽曲提供、YENレーベル……。軽やかに、何事も面白がって生きてきた。そうしたら自然に人が集まって、ムーブメントが起きていった、そんな半生を、少し照れながら話します。彼を敬愛する星野源がリスペクト感のあるトーンでナレーションを担当しています。1976年横浜中華街の同發新館で行われたライブ映像、それを星野源と再現した40年後のコンサート。小山田圭吾、高橋幸宏、そして飛び入りで坂本龍一が加わった2018年のワールドツアーのロンドン公演は貴重です。2005年、狭山で行われたフェスも収められています。雨上がりの会場、MCのあと、ギタ一1本で歌いだします。「昔のメロディ、口ずさみ……」から始まるあの名曲『ろっかばいまいべいびい』です。しみじみとしていて。ちょっと泣けます。『最初の晩餐』家族といっても連れ子あり同士の再婚となれば、食事も異文化の衝突です。65歳になる直前に父がなくなり、その通夜振舞で、母が用意したのは、そんな家族の食の歴史の再現。最初に出てきたのは、ふたつの家族が一緒になった夜の、ちょっと風変わりな目玉焼き。それがこの一家の「最初の晩餐」でした。東京でカメラマンをしている染谷将太と、もう結婚をして子供もいる戸田恵梨香が父の連れ子。染谷の視点で思い出が語られます。物静かな父を演じるのは永瀬正敏。母役は斉藤由貴です。父は名の知れた登山家だったのですが、再婚と同時に家族のために山をあきらめ工場勤めに。味噌汁の味から家族のギャップがはじまり、秋刀魚の骨の話で母娘がうちとけあう……。ある理由で家族を離れた母の連れ子が登場するのは、通夜の終盤です。窪塚洋介が演じています。家族の秘密が徐々に明かされていきます。親族や弔問客が話す小さなエピソードから、まるで複雑な結び目をほどくかのように、父の家族への思いが明らかになっていきます。そんな食事と家族の物語は、常盤司郎監督のオリジナル。父親の思い出をたぐりよせて作ったといいます。「最後」の晩餐のシーンは、自分の父親のことを思い出し、ジーンときました。食のことは、家族の記憶につながります。『閉鎖病棟ーそれぞれの朝ー』「笑わない」笑福亭鶴瓶主演映画です。微笑むくらいはあったと思いますが、映画を観終わって残る印象は、沈痛な影を持った悩める男、です。あのあふれんばかりの笑顔は封印されています。鶴瓶さん主演としては『ディア・ドクター』(2009年)から10年、今回も演技賞候補まちがいなしでしょう。冒頭はショッキングな死刑執行シーン。かわって、看護師長の小林聡美が、ひとつひとつ鍵を開けて病棟に入るシーンに続きます。「閉鎖病棟」、つまり精神科の隔離病棟です。さまざまな理由で、ここに入れられたり、または自分から望んで入院した患者さんたちがいます。鶴瓶が演じるのは初老の元死刑囚。死刑執行されたにもかかわらず奇跡的に一命をとりとめ、再執行されずに、精神病院をたらい回しにされたのです。彼と、幻聴に悩まされる元サラリーマン役の綾野剛、家族のDVから逃れて入院した女子高生役、小松菜奈がドラマの中心です。患者さんたちの日常は、もちろん多少異形な感じはしますが、いたって平和で、のどかなものです。ある事件がおきるまでは……。監督は『愛を乞うひと』の平山秀幸。帚木蓬生による山本周五郎賞受賞の同名の小説が原作です。救いようのない話の連続ですが、小さな希望の灯がともる結末。サブタイトルの「それぞれの朝」、しっくりきます。『キューブリックに愛された男』『キューブリックに魅せられた男』『2001年宇宙の旅』のスタンリー・キューブリック。天才映画監督です。作品はほとんどが映画史に残る名作。常に完璧を追い求め、細部にもこだわり抜く芸術至上主義者で、独裁的。行動には狂気をはらみ、逸話に事欠きません。その伝説、神話に新たに加わったのが、この2本のドキュメンタリー。キューブリックを支えたふたりにスポットをあてた作品です。このふたりがいなかったら、キューブリック映画の何本かは世に出なかったかもしれません。全然無関係に作られた2本を、セットにして一挙公開するのは日本の配給会社のアイデアです。キューブリックのお抱え運転手のはずが、あらゆる私的な用まで任されるようになったエミリオ・ダレッサンドロ。その半生を描いたのが『キューブリックに愛された男』。原題は『S is for STANLEY』、SはスタンリーのS、メモの最後に書かれていた名前の略からつけられています。キューブリックは日常のこまごまとしたことを、メモや、時には電話で彼に依頼したのです。エミリオはスタンリーにとって便利な人、というだけでなく、心の支えでもあり、いなくては困る存在です。やめて引退生活に入ろうとする彼を思いとどまらせるために、キューブリックが次々と考えだすやり方がほほえましいというか、悪魔的です。『キューブリックに魅せられた男』のレオン・ヴィターリは、悲劇としかいいようがない、もう完全にキューブリックに振り回された人生です。『バリー・リンドン』で役者として出演し、その映画作りに魅せられたレオンは、キューブリックのスタッフの道を選びます。実はそのまま進めば、人気役者というコースにのっていたのですが…。役者のオーディション、教育係など、これまでの経験を生かすだけでなく、クリエイティブに関する総プロデューサーの役割も担うことになります。10分おきに、キューブリックから電話がきます。メモも運転手のエミリオ以上にとんできます。キューブリック没後も過去作のDVD化、ブルーレイ、デジタル化……すべてに関わっていくのですが……。げっそりやせた彼の顔がすべてを物語っています。2本を通して観ると、キューブリックはやはり、この人のためならと思わせるに足る魅力の持ち主だったと痛感します。にしてもすごすぎる献身!東京は11/1(金)からヒューマントラストシネマ有楽町ほかで公開。名古屋は11/9(金)から名古屋シネマテークで公開。関西は11/15(金)からシネ・リーブル梅田ほかで公開。
2019年10月28日日本最大級の映画の祭典「東京国際映画祭」がいよいよ28日(月)に開幕する。世界が注目する超大作から、厳選されたコンペティション作品、日本から世界に羽ばたくアニメーション、特撮作品など多種多様な映画を上映。屋外イベントなども予定されており、あらゆる角度から映画を楽しむことができる9日間になりそうだ。東京国際映画祭は1985年に誕生し、今年で32回目を迎える日本で唯一の国際映画製作者連盟公認の国際映画祭だ。毎年、オープニングには会場にレッドカーペットが設置され、豪華ゲストが来場して映画祭を盛り上げる。さらに近年はアニメーション、特撮作品の特集や屋外イベントにも力を入れており、熱心な映画ファンも、たまに映画を観る人も会場に行けば楽しみが見つかるイベントといっていいだろう。毎年、本映画祭は最も力を入れている“ハズせない作品”をオープニング、そして新たに始まったGALAスクリーニングに選出している。今年の幕開けを飾るのは、日本映画を代表する人気シリーズの最新作『男はつらいよお帰り 寅さん』に決定。GALAスクリーニングには周防正行監督が“活動弁士”をテーマに描く最新作『カツベン!』が選ばれた。どちらも海外の映画界では生み出すことのできない題材を扱っており、東京の映画祭の“顔役”として世界の映画ファンを出迎える。その他、話題作が集まる“特別招待作品”部門、注目作や新鋭の作品が集結する“日本映画スプラッシュ”部門、日本映画の最新の姿を一望できる“Japan Now”など気になるプログラムが盛りだくさん。すでに公開されている作品もあるが、大きなスクリーンで作品を楽しめる貴重な機会だ。また、本映画祭は歴史に残るクラシック作品の紹介も継続して行っており、今年は黒澤明監督の『羅生門』、衣笠貞之助監督の『地獄門』、そして溝口健二監督の『赤線地帯』がいずれもデジタル修復版で上映。いずれも世界中の観客を魅了し続けてきた名作中の名作。絶対にハズせない3作と言っていいだろう。まだ日本で誰も観ていない映画の中から傑作を見つけ出したい観客は“コンペティション”部門と、“アジアの未来”部門に足を運ぶことをお勧めする。どちらもプログラミングディレクターが世界中から選んだ秀作が揃っており、公式サイトの紹介文を頼りに自分だけの“ハズせない作品”を見つけ出すのは映画祭の醍醐味のひとつだ。そして11月2日(土)には秋の恒例イベントだった東京ファンタが“シン・ファンタ”の名前で復活! 『ヘレディタリー/継承』のアリ・アスター監督の最新作『ミッドサマー』など映画ファン垂涎の“濃い”作品群をオールナイトで上映。眠気とスクリーンからやってくる強烈な刺激の両方を味わいながら朝を迎える“ファンタ体験”を再び味わえる貴重な一夜になることは間違いない。映画祭ではチケットをもっていなくても参加できる屋外上映や無料のイベントも開催。いつもは家で映画を観ている人も、この時期はみんなで集まって一緒にスクリーンを見つめたり、語り合える。そんな仕掛けが各所で用意されている。すでにチケットが売れ切れている上映回もあるが、各作品の上映当日0時から公式サイトで500円の学生チケットを発売。回によっては決済が完了しなかった席を再販売することもあるため、公式サイトをこまめにチェックしながら予定を立てると、より多くの作品を楽しめそうだ。第32回東京国際映画祭10月28日(月)から11月5日(火)まで六本木ヒルズ、EXシアター六本木、東京ミッドタウン日比谷 日比谷ステップ広場ほか
2019年10月27日最近のリメイク版『ライオン・キング』で、本物と見紛うほどリアルな動物たちのCGアニメーションが話題となったが、本作『ジェミニマン』では、CGのみを使用して、これまでにない細部にこだわったリアリティで、演技をする人間ひとりのビジュアルを完成させてしまった。本作では、ウィル・スミスが演じる主人公と、若き日のウィル・スミスのように見えるキャラクターが激突するという内容。そんな“若いスミス”を作り上げたのは、ハリウッド大作映画を数多く手がけ、最新鋭の技術を誇るWETAデジタル。さらに、次世代のフォーマットである「3D+ in HFR」(3Dと、動画のコマ数が多いハイ・フレーム・レートを併用)にて撮影されていることも話題になっている(「3D+ in HFR」版は、設備が対応する一部の映画館にて楽しめる)。主人公は、史上最強と名高いスナイパー、ヘンリー。あるミッションを遂行中に、彼は自分の若い頃そっくりの人物に襲撃される。その正体は、ある陰謀のもとに作られたクローンだった。いったい、なぜヘンリーのクローンが開発されたのか、謎を追うヘンリーは、衝撃的な事実に直面する。監督を務めたのは、台湾出身のアン・リー監督。『ブロークバック・マウンテン』『ライフ・オブ・パイ トラと漂流した227日』で、アカデミー賞監督賞に輝いている。それだけに、本作は最新の映像やアクションだけでなく、その裏にある人間ドラマや、隠された奥深いテーマにも注目したい。『ジェミニマン』公開中
2019年10月27日サンボマスターが10月27日、新木場STUDIO COASTで「サンボマスター デカスロン ~強敵と書いて友と呼ぶ~」をスタートさせる。この夏は「ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2019」や「KOYABU SONIC 2019」などの大きなフェスにも出演し、フロアを熱狂させてきたサンボマスター。彼らは昨年リリースしたドラマ『チア☆ダン』主題歌の『輝きだして走ってく』以来、新作の発表はないもののライブ活動に重心を置いて精力的に活動している。「サンボマスター デカスロン ~強敵と書いて友と呼ぶ~」は追加公演を含め、全国11都市をまわる2マンツアー。対バンは初日にFear,and Loathing in Las Vegas、金沢・打首獄門同好会、福岡・MONGOL800、岡山・BiSH、大阪・My Hair is Bad、札幌・yonige、仙台・SUPER BEAVER、高松・ACIDMAN、名古屋・銀杏BOYZ、千秋楽の郡山・岡崎体育と豪華な名前が並んだ。さらに10月31日には、「特別追加公演デカスロン ~先輩と書いてTOと呼ぶ~」の開催も決定しており、こちらには奥田民生が登場する。またタイトルにデカスロン(十種競技)とあるように、各公演に「100m走編」「走り幅跳び編」などと競技名も記載されている。これが何を表しているのかは、ぜひ現場で確認してほしい。■公演情報「サンボマスター デカスロン ~強敵と書いて友と呼ぶ~」日時:10月27日(日)開場16:00/開演17:00場所:新木場STUDIO COASTゲスト:Fear,and Loathing in Las Vegas11月3日(日)石川・金沢EIGHT HALLゲスト:打首獄門同好会11月9日(土)福岡・LOGOSゲスト:MONGOL80011月10日(日)岡山・CRAZYMAMA KINGDOMゲスト:BiSH11月17日(日)大阪・なんばHATCHゲスト:My Hair is Bad11月22日(金)北海道・サッポロファクトリーホールゲスト:yonige11月24日(日)宮城・SENDAI GIGSゲスト:SUPER BEAVER11月29日(金)香川・高松MONSTERゲスト:ACIDMAN12月1日(日)愛知・DIAMOND HALLゲスト:銀杏BOYZ12月7日(土)福島・郡山HIP SHOT JAPANゲスト:岡崎体育「特別追加公演デカスロン ~先輩と書いてTOと呼ぶ~」2019年10月31日(木)兵庫・チキンジョージゲスト:奥田民生
2019年10月27日木村文乃主演で人気を博したクライムサスペンスシリーズ『殺人分析班』第3弾『連続ドラマW 蝶の力学 殺人分析班』放送を記念したシリーズ第1弾『石の繭』一挙上映会&トークショーが26日、神楽座にて行われ、法政大学文学部心理学科教授・越智啓太氏とシリーズ監督の内片輝が登壇。作品の魅力を大いに語り合った。本シリーズは、麻見和史の『蝶の力学 警視庁殺人分析班』を原作に、主人公・如月塔子を木村文乃、先輩刑事・鷹野英昭を青木崇高が演じドラマ化。第3弾『連続ドラマW 蝶の力学 殺人分析班』では、原作のなかでも最もミステリー要素が強く難解な事件が描かれる。2015年に放送された『石の繭』、2016年の『水晶の鼓動』に続き第3弾となる『蝶の力学』。内片監督は、つい先日撮影が終了したことを報告すると「『水晶の鼓動』から丸3年が空いたのですが、本作では、『石の繭』で警視庁捜査一課十一係に新人で入ってきた塔子の成長がしっかり描かれています。お客さんも彼女の成長を楽しいでいただければ」と視聴ポイントを指南する。警視庁の科捜研研究員として勤務した経験を持ち、本作の犯罪心理監修を担当した越智氏は「このシリーズは非常にリアリティがあります」と語ると「刑事ドラマって結構『嘘でしょ』ってところがあるのですが、この作品は警察官の動きやセリフがばっちり決まっている。(捜査一課係長・早瀬泰之役の)渡辺いっけいさんの『帳場が立つから泊りの準備をしとけ』なんてセリフもすごくリアルです。普通、リアリティを追求するとフィクションとして面白くなくなってしまうのですが、この作品は面白い」とシリーズの出来に太鼓判を押す。この日は原作者の麻見氏も会場に訪れていたが、越智氏の評価に笑顔を見せていた。映像化する際、内片監督は「ストーリーのベースとなる麻見先生が書かれている猟奇的な事件が映像になったとき『そんなことないやろう!』と思われないように演出しました」と注力した部分を述べると、越智氏も「普通、劇場型犯罪というものは、捕まりやすいというリスクがあるためやらないのですが、劇中ではしっかりと劇場型犯罪をやる理由が描かれている」と内片監督の意識した部分が映像に表現されていると絶賛していた。さらに越智氏は「以前の警察は女性警官はほとんどが交通課に配属されていましたが、1990年ぐらいから、殺人や強盗などの強行犯係に配属される女性も増えてきました。最初は木村さん演じる塔子のようにおどおどしていたのですが、経験を重ねて目つきが変わっていく。そのあたりもリアリティがあるし、青木さん演じる鷹野のような、格好つける先輩もいるんですよね」とフィクションであるが、実際の警察の時代の変化などもよくとらえているとポイントを挙げていた。内片監督は「『石の繭』から数年経ち、さまざまな部分でパワーアップしています」と作品をアピールすると、越智氏も「日本の犯罪警察ドラマ史上に残るシリーズだと思います」とあと押ししていた。『連続ドラマW 蝶の力学 殺人分析班』11月17日(日)よりスタート(全6話/第1話無料放送)毎週日曜夜10時よりWOWOWプライムにて放送
2019年10月26日17世紀バロック絵画の開拓者として活躍した画家カラヴァッジョを紹介する展覧会『カラヴァッジョ展』が、名古屋市美術館で本日10月26日から12月15日(日)まで開催される。劇的かつ生々しい表現で、宗教画や神話の世界を描いた、イタリアの巨匠カラヴァッジョ。その38年間の人生で残した作品は非常に少なく、また、イタリア国外への貸出は非常に厳しいとされている。今回の展覧会では、そのうち約10点(帰属作品を含む)と同時代の画家たちの作品約30点が展示される。3章で構成される会場は、カラヴァッジョの人生そのものを表しているといえよう。第1章では、1600年前後のローマで活躍した、青年期のカラヴァッジョと同時代の画家たちの作品が並ぶ。続く第2章では、カラヴァッジョと17世紀のナポリの画壇を紹介。光と闇の表現を体感できるだろう。そして第3章では、晩年のカラヴァッジョと彼に影響を受けた画家たちの作品を見ることができる。中でも、カラヴァッジョの晩年の作品で、名古屋市美術館のみの公開となる《ゴリアテの首を持つダヴィデ》は旧約聖書を元にした絵画。写実的でありながらドラマティックに描かれている。カラヴァッジョを大きく取り上げた展覧会は、日本で3度目、東海地方では18年ぶり、名古屋では初となる。カラヴァッジョの斬新な画風は、同時代の画家に多大な影響を与え、レンブラントやラ・トゥールが登場する下地をつくったともいえる。栄光と狂乱に満ちた、カラヴァッジョの激動の画家人生を本展でたどってみてはいかがだろうか。【関連リンク】 展覧会特設サイト( )ミケランジェロ・メリージ・ダ・カラヴァッジョ《リュート弾き》1596-97年頃 個人蔵ミケランジェロ・メリージ・ダ・カラヴァッジョ《メドゥーサの盾(第一ヴァージョン)》1596-98年頃 個人蔵ミケランジェロ・メリージ・ダ・カラヴァッジョ《法悦のマグダラのマリア》1606年 個人蔵ミケランジェロ・メリージ・ダ・カラヴァッジョ《洗礼者聖ヨハネ》1609-10年 ローマ、ボルゲーゼ美術館蔵(c) Ministero per i beni e le attività culturali – Galleria Borghese
2019年10月26日Official髭男dismが本日26日、千葉・市川市文化会館 大ホールで「Official髭男dism Tour 19/20 - Hall Travelers -」の公演初日を行う。突如としてシーンに登場し、リスナーの心をつかんだOfficial髭男dism。現在もメジャー1stアルバム『Teaveler』がオリコン週間アルバムランキングで1位を獲得するなど、話題に事欠かない。来年は自身初のアリーナツアー「Official髭男dism Tour 2020 – Arena Travelers –」が全国10か所18公演で開催される予定だ。その彼らがスタートさせるホールツアーが「Official髭男dism Tour 19/20 - Hall Travelers -」。本日の公演を起点に全国24カ所で29公演が行われる。今夜はアルバム発売に伴うツアーとなり、新曲を中心としたセットリストになるだろう。確かな演奏力にも定評がある彼らの熱いパフォーマンスに期待したい。■公演情報「Official髭男dism Tour 19/20 - Hall Travelers -」日時:10月26日(土)17:00開場/18:00開演千葉・市川市文化会館 大ホール
2019年10月26日ハリウッドの第一線で活躍し続ける名優レオナルド・ディカプリオを製作に迎え、『キングスマン』シリーズで一躍人気俳優となったタロン・エガートンが主演を務めたアクションエンタテインメント『フッド:ザ・ビギニング』が公開中。この度、“カーチェイス”さながらの馬を使った追走劇が収められた大迫力の本編映像が公開された。これまでケヴィン・コスナーやラッセル・クロウなど、錚々たるハリウッド俳優が主演し実写映画化されてきたロビン・フッド。本作『フッド:ザ・ビギニング』で描かれるロビン・フッドは、これまで描かれてきたストーリーとは異なり、伝説のヒーローであるロビン・フッドがいかにして生まれたのかを描く前日譚だ。表の顔は領主、裏の顔はフードをかぶった盗賊というふたつの顔を持ったヒーローが、敵も味方も鮮やかに大胆に欺く姿が時代を超えてスタイリッシュに描かれている。公開された映像に収められているのは、執拗に迫る敵の追っ手から逃れるため、馬に乗った状態で街中を駆け抜けるエガートン演じるフッドの姿。大きな馬を巧みに操り、狭い階段を走り抜ける大迫力のシーンとなっている。本作のセカンドユニットを率いたアクションディレクターのサイモン・クレーンは、「現代的なカーチェイスのスリルやアドレナリンやニアミスを、馬や馬車を使って表現するのが面白かった。『ベン・ハー』と『ワイルド・スピード』を足した感じだ。ロビンとジョンは建物の間を疾走し、横滑りするように角を曲がり、炎から逃れる。これまでの映画では見たこともないね」 と語っており、まさに新たな伝説の始まりを象徴づける印象的な映像に仕上がっている。フッドの師であるジョン役を演じたジェイミー・フォックスは、「今までとは違うものを期待してほしい。今の時代を感じさせる最高の映画だ。驚異的なスピードで飛んでいく弓矢や、カーチェイスさながらの馬での追走劇といった現代的な要素がすごく気に入っている」と胸を張る。その驚くべき身体能力をもって、弓だけでなく、“ホース・チェイス”まで見事にやってのけたエガートンも「この作品のロビン・フッドには、今の世界とのつながりをものすごく感じる」と明かしている。ロビンのことを、これまでと同じような物語の主人公としてではなく、自分の魂と葛藤し、自分自身が予想もしなかった情熱とスキルを見出してゆく男として演じたと言う。『フッド:ザ・ビギニング』公開中
2019年10月25日ドイツの名門、ハンブルク州立歌劇場の専属オーケストラであるハンブルク・フィルハーモニー管弦楽団が、音楽総監督ケント・ナガノに率いられて来日する。歌劇場の創設は1687年にまでさかのぼり、1828年にはオーケストラの定期公演がスタートしたというのだから歴史の深さは半端ではない。過去には大作曲家にして指揮者としても活躍したグスタフ・マーラーが首席指揮者を努め、フルトヴェングラーやワルターといった20世紀を代表する伝説の指揮者たちが指揮台に立つという名門中の名門だ。プログラムには、来年生誕250年を迎えるベートーヴェンの「エグモント 序曲」のほか、オーケストラとの縁も深いマーラーの「交響曲第5番」が披露されるのだから楽しみだ。そして注目は、リストの「ピアノ協奏曲第1番」のソリストを務める辻井伸行だろう。長い史を誇る名門との共演によって辻井の感性がどのような化学変化を起こすのか興味津々。ライブならではの感動体験がそこにある。(c)FelixBroede●公演概要10月31日(木)サントリーホール(A)11月02日(土)愛知県芸術劇場コンサートホール(A)11月04日(月・休)フェスティバルホール(A)11月05日(火)文京シビックホール(B)11月06日(水)高崎芸術劇場大劇場(B)<プログラムA>ベートーヴェン:「エグモント」序曲リスト:ピアノ協奏曲 第1番[ピアノ:辻井伸行]マーラー:交響曲第5番<プログラムB>ヴィトマン:オーケストラのための演奏会用序曲《コン・ブリオ》ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第5番《皇帝》[ピアノ:辻井伸行]ブラームス:交響曲第1番●ケント・ナガノ(指揮)Kent Nagano, conductor明快で優雅、そして知性あふれる指揮で、オペラと管弦楽の両方で極めて高い評価を受けるカリフォルニア生まれの日系三世指揮者。ウィーン・フィル、ベルリン・フィル、シカゴ響といった世界の一流オーケストラに定期的に客演するほか、これまでにリヨン国立歌劇場、バイエルン州立歌劇場、ハレ管、ベルリン・ドイツ響の音楽監督を務め、現在は、ハンブルク市音楽総監督およびハンブルク州立歌劇場とハンブルク・フィルの首席指揮者を務め、モントリオール響音楽監督、イェーテボリ響首席客演指揮者を兼任している。●辻井伸行(ピアノ)Nobuyuki Tsujii, piano(c)Yuji_Hori2009年6月に米国テキサス州フォートワースで行われた第13回ヴァン・クライバーン国際ピアノ・コンクールで日本人として初優勝して以来、国際的に活躍している。カーネギーホール、ウィーン楽友協会、ベルリンのフィルハーモニー等で演奏会を定期的に行い、ロンドンの「プロムス」やサンクトペテルブルクの白夜の星音楽祭等の世界的な音楽祭にも数多く出演している。エイベックス・クラシックスより継続的にCDを発表し、2度の日本ゴールドディスク大賞を受賞。作曲家としても注目され、映画《神様のカルテ》で「第21回日本映画批評家大賞」受賞。
2019年10月25日東京都庭園美術館では『アジアのイメージ:日本美術の「東洋憧憬」』が、2020年1月13日(月・祝)まで開催されている。1910年〜60年頃、日本の知識人、美術愛好家、美術作家たちがアジアの古典美術に憧れた時期があった。朝鮮半島や中国では鉄道敷設、革命、発掘調査などによって、大量の古美術品が出土。日本に流入したそれらのアジア古美術を初めて目にした芸術家たちは、その「新しい」古美術の力強さや美しさに魅了されたという。同展は、こうした背景のもとに生み出された工芸品や絵画と、その発想の源となった古美術品など約100点を、3章構成で紹介する。第1章「アジアへの再帰」では、絵画に現れたアジアのイメージに注目。杉山寧による雲岡石窟の優しく微笑む石仏画や、安井曾太郎などによるチャイナドレスをまとった婦人画をはじめ、岸田劉生、前田青邨、バーナード・リーチによる静物画が並ぶ。第2章「古典復興」では、アジア古美術に影響を受けた工芸品を取り上げる。古代中国の青銅器である鳥型祭器からインスパイアされた香取秀眞の《鳩香炉》、李朝の白磁に描かれた即興性ある絵柄に心打たれた河井寛次郎、唐三彩において自然に流れ落ちる釉薬の美しさに魅了された石黒宗麿の陶芸など、古美術がもっている即興性や自然性をあえて意識的につくりだすことで完成させた作品が紹介される。こうしたアジアの憧憬は、1960年代ごろに表舞台からフェードアウトしたというが、今を生きるアーティストたちにアジアはどのように映るのだろうか。展覧会の最後を飾る第3章「幻想のアジア」では、3名の現代作家がアジアのイメージを表現。古代青銅器の地紋から着想を得て伝説上の霊獣を描いた岡村桂三郎の絵画作品、アジアを大きく意識した田中信行による漆芸のオブジェ、70年代の日米繊維交渉をテーマにした山縣良和によるデザインを発表する。作家たちによるアジアへの憧れと尊敬、そして新たな創造力を、多様な作品から感じとってほしい。【開催情報】『アジアのイメージ:日本美術の「東洋憧憬」』2020年1月13日(月・祝)まで東京都庭園美術館にて開催【関連リンク】 東京都庭園美術館()《染付魚藻文壺》 元時代14世紀東京国立博物館所蔵Image:TNM Image Archives《白釉鉄絵束蓮文瓶》 金時代東京国立博物館所蔵Image:TNM Image Archives《鴟鴞尊》 商後期泉屋博古館所蔵※会期後半(12月12日)より展示香取秀眞《鳩香炉》 1949年千葉県立美術館所蔵飯塚琅玕齋《花籃》 1936年頃 斎藤正光氏所蔵 (c)T.MINAMOTO安井曾太郎《金蓉》 1934年 東京国立近代美術館所蔵
2019年10月25日“グロテスクさと美しさの融合”と評される独特の舞踊言語でコンテンポラリー・ダンス界を牽引するフィンランドの振付家テロ・サーリネンと、伝統的な韓国舞踊を紹介するとともに現代的要素を加えた作品にも取り組んでいる韓国国立舞踊団。そんな二者が2014年に組んでソウルで初演し、以降世界各地で上演され続けている話題作『VORTEX(渦動)』を、KAAT 神奈川芸術劇場が初めて日本に招聘する。昨年度よりKAATが展開している、“アジアの身体”にフィーチャーしたダンスシリーズの一環だ。サーリネンは舞踊団からの呼びかけを受け、北欧と韓国の文化・伝統が出会い、組み合わされ、時には激しく衝突するようなイメージを持って振付を施したという。タイトルが意味するのはそんな両者の“渦”であり、またソロからデュエット、群舞へと多彩に変化していく踊りの“渦”でもある。その“渦”が観る者をも巻き込むスリリングな舞台と評判の『VORTEX』は、本日10月25日から27日(日)までKAAT 神奈川芸術劇場 ホールでの上演(25日は貸切公演)。チャン・ヨンギュ率いる音楽バンド「Be-Being」によるライブ演奏にも注目だ。文:町田麻子
2019年10月25日「ボロフェスタ2019」が本日10月25日から3日間に渡って開催される。「ボロフェスタ」は2002年より続く、京都の音楽イベント。毎回、知名度の有無やジャンルに関係なく主催者が「観たい! 呼びたい!」と思うアーティストをブッキングしている。100名以上のボランティア・スタッフと主催者が一緒になり、会場設営から一切のイベント運営までを行う、典型的なインディーフェスだ。今年のテーマは「SNSには気をつけよう」。今この場所に鳴っている音楽を感じるためのイベントを目指す。出演者はZAZEN BOYS、Tempalay、君島大空、YAKUSHIMA TREASURE(水曜日のカンパネラ x オオルタイチ)、セン・モリモト、BiSHら多彩な顔触れが並んでいる。他のどこにもないオリジナルなフェスをぜひ体験してほしい。■公演情報「ボロフェスタ2019」<昼の部>(会場:京都KBSホール)10月25日(金)開場17:00/開演17:55出演:YAKUSHIMA TREASURE(水曜日のカンパネラ x オオルタイチ)/TENDOUJI/夜の本気ダンス/DENIMS/君島大空/Ghost like girlfriend/the engy/Mom/羊文学/No Buses/さとうもか/リクオ/踊る!ディスコ室町/Daijiro Nakagawa(from JYOCHO)/ULTRA CUB10月26日(土)開場11:00/開演11:55出演:BiSH/ZAZEN BOYS/eastern youth/Hump Back/Tempalay/セン・モリモト/メシアと人人/Age Factory/ハルカミライ/NABOWA/toconoma/柴田聡子inFIRE/ゆーきゃん/クリトリック・リス/ワンダフルボーイズ/空きっ腹に酒/竹内アンナ/徳利/folk enough/ボギー/DJ後藤まりこ/Johnnivan/突然少年/キーマカリーズとチチワシネマ/浪漫革命/soratobiwo/Gue/nishikeke/ツチヤチカら/河内宙夢/ASAYAKE 0110月27日(日) 開場11:00/開演11:25出演:Homecomings Chamber Set/でんぱ組.inc/カネコアヤノ/KID FRESINO/Limited Express (has gone?) /GEZAN/Have a Nice Day!/シャムキャッツ/フィロソフィーのダンス/オメでたい頭でなにより/超能力戦士ドリアン/BiS/愛はズボーン/teto/ハンブレッダーズ/ズーカラデル/Acidy Peeping Tom (From Taiwan) /Hi,how are you? /金佑龍/xiangyu/YOLZ IN THE SKY/チーターズマニア/ELEKIBASS/Sawa Angstrom/ときめき☆ジャンボジャンボ/NaNoMoRaL/Ribet towns/the seadays<夜の部>会場:京都METRO10月26日(土) 開場&開演21:30出演:LEARNERS/NOT WONK/Dos Monos/in the blue shirt/HALFBY/OUTATBERO/台風クラブ/THE FULL TEENZ/FEELIN’FELLOWS DJs/クリトリック・リス/mogran’BAR
2019年10月25日『パルパライソの長い坂を下る話』(2017年)で岸田國士戯曲賞を獲得した神里雄大。彼が率いる岡崎藝術座が、受賞後第1作となる新作『ニオノウミにて』を1月11日(土)から19日(日)まで横浜・STスポットで上演する。ペルー共和国で生まれた神里は、「移動」や「越境」をする人々をテーマにし、実際にさまざまな場所へと出かけ、話を聞くことから作品づくりをはじめる。前作『パルパライソ〜』は、アルゼンチンに約1年間滞在してつくられ、アルゼンチンやブラジルの俳優たちをキャステイングした全編スペイン語の作品だった。今作のタイトルにある「ニオノウミ」とは、琵琶湖のこと。神里自身が実際に琵琶湖で釣りをし、外来魚問題に触れ、そしてその問題に対するさまざまな立場の人の話を聞いてつくられた作品だ。作品のサイトでは、「飲み屋で出会った釣り好きのオッチャン」の話として、前回の東京オリンピックの頃、ブルーギルが日本に持ち込まれた話などが語られている。また、琵琶湖に浮かぶ小さな島を舞台にした能「竹生島」も参考にしたという。今作に際し、「俳優経験不問」で出演者を募集していた神里。結果、浦田すみれ、重実紗果という俳優、ダンサーに加え、舞台映像を担当しつつ俳優としては初舞台となる嶋田好孝がキャスティングされた。元号が変わり、東京オリンピックを控えるこの時期に、そして台風で治水がかつてなく注目されたこのタイミングで、日本でもっとも大きな湖の物語が語られようとしている。文:釣木文恵
2019年10月25日