チケットぴあがお届けする新着記事一覧 (3/342)
2013年に放送を開始し、毎週MCの徳光和夫とゲスト歌手がトークを交えて昭和歌謡の名曲を紹介していく人気音楽番組「徳光和夫の名曲にっぽん」。放送10周年を記念し、創業150周年となる明治座とコラボレーションし、番組のコンセプトはそのままに、「徳光和夫の名曲にっぽん」コンサートが実現した。初日に先駆け取材会が行われ、徳光和夫、また由紀さおり、小林幸子、市川由紀乃、辰巳ゆうと、ベイビーブー、おかゆが登壇した。誰もが知る名MCとしてテレビを中心に活躍する徳光は、「舞台に立って視聴率100%で仕事をすることはほとんどなかった」と振り返りながら「ようやく今落ち着いてきたかなという感じでございます。改めて歌手の皆さんが一か月公演をされるというその凄さを一日だけではございますけれども実感させていただきました」と話した。また日替わりのスペシャルゲストとして出演する由紀は、「150 年という歴史の中で今日また明治座の舞台に立たせていただいて大変光栄なことでございます。この後は若い世代の皆さんにうまく繋いでいけるように、そんな歌い手人生を送れたらいいなと舞台で歌いながら感じさせていただきました」とコメント。また同じくスペシャルゲストとして出演する小林は番組が10年続いていることに「凄いなあと思います」と話し、「いつも徳光さんに司会をしていただく時、心配事もなんにもなく全部上手くいくんですよ。そうですよね?皆さんね?」と登壇者に同意を求める一面も、「私はこの劇場は何度も座長公演やらせていただいていますけど、全く今までとは違う内容で本当に楽しかったです。ありがとうございました」と話した。最後に意気込みを聞かれると、徳光は「今が出発点でありますんで、なんと 7 日間かけてですね、登頂なのかあるいは折り返し地点を過ぎてマラソンなのかわかりませんけれども、さっきおかゆが言いましたようにゴールインを目指しまして本当に頑張ってみようかと」と話した。母親が歌舞伎好きで明治座の話をよく聞いていたこと、また小学生の頃、近くに明治座の社長が住んでいたことも「なんとなく頭にいれながら(笑)」としつつ、「よし7日間頑張ってみよう!という風に思っております」と結んだ。公演は11月20日(月)まで、東京・明治座にて。各公演出演者が異なるため、公式HP等でご確認を。チケットぴあでは公演前日まで購入できる当日引換券を販売中。
2023年11月17日いよいよ今週の土曜日に開催が迫った「ベリーグッドマン結成10周年 × 阪神甲子園球場100周年記念事業 ベリーグッドマン ~甲子園 LIVE 2023~」。完売御礼となっていた公演だが、好評につき機材席解放に伴う指定席の追加販売が決定した。ベリーグッドマン チケット情報チケットは、11月16日(木)18:00より販売される。甲子園ライブの全容は、オフィシャルHPやSNSで徐々に明らかになっており、当日は甲子園駅に巨大なフォトスポットが登場したり、8月にクラウン徳間ミュージックショップ限定で販売されたベストアルバム『GOOD GOOD GOOD』豪華盤が現地で購入できたりする。昨年の11月、阪神甲子園球場で行われた記者発表にて開催が発表されたベリーグッドマンの甲子園ライブ。今年は47都道府県ツアーも行い、阪神甲子園球場100周年記念事業アンバサダー(アーティスト)としても活躍し、ベリグ史上最大キャパ・目標と掲げていた甲子園球場に向けてパワーアップしたベリーグッドマンをぜひ見届けて欲しい。
2023年11月16日11月15日(水)初日の新国立劇場のヴェルディ《シモン・ボッカネグラ》(新制作)。開幕直前、ゲネプロを取材した。新国立劇場オペラ「シモン・ボッカネグラ」のチケット情報はこちらその音楽の素晴らしさを多くの識者たちが特筆するのは伊達ではない。オーケストラの短い導入部。穏やかで慈しみ深い音の海がいきなり心を摑む。全編を濃厚に彩る管弦楽は大野和士指揮の東京フィル。低声歌手たちが活躍する作品だ。題名役シモンのロベルト・フロンターリ(バリトン)は貫禄。派手なアリアはないが、迫真の声の演技で、愛と平和に生きるがゆえの英雄の孤独を描き出す。政敵フィエスコのリッカルド・ザネッラート(バス)、悪役パオロのシモーネ・アルベルギーニ(バス・バリトン)。個性の異なる低音の魅力が満開で、なんとも渋いかっこよさ。主役級唯一の女声はイリーナ・ルング(ソプラノ)。新国立劇場でも《椿姫》や《ルチア》を演じているが、今回は華やかなレッジェーロより、リリコの豊かでこまやかな表情が、シモンの娘アメーリアの優しく強い心の表現にフィットしていた。第1幕で父シモンと再会する二重唱のドラマは圧巻。そのアメーリアの恋人ガブリエーレ役のルチアーノ・ガンチ(テノール)は、コロナ禍の2021年に《ドン・カルロ》《蝶々夫人》がキャンセルだったので、待ちに待った新国立劇場初登場。トゥッティでも突き抜けてくる輝かしい声は、いまが旬のテノールのポテンシャルをまざまざと見せつけて爽快だった。演出はエクサン・プロヴァンス音楽祭総監督のピエール・オーディ。著名な現代美術家アニッシュ・カプーアとのタッグが生んだ舞台は、(プロローグを除いて)逆さに吊るした火山の下で展開する。これは古代ギリシャの哲学者エンペドクレスに触発されたものという。エトナ火山のほとりで孤独に死と向き合い、ついには火口に身を投げたその生涯を、シモンの孤独に重ね合わせた(オーディはさらに、火口は女性性の象徴でもあると語っている)。舞台はその火山が放つ赤と黒、そして物語の舞台であるジェノヴァ国旗の赤と白が象徴的に支配する。プロローグで黒く這いずり回る民衆や、第1幕フィナーレで白と黒に分かれた同じ顔のクローン議員たちがショッキング。ラストの不吉な黒い余韻も印象的だ。新国立劇場では初上演の演目。「満を持して」の充実の出来栄え!公演は11月26日(日)まで。(宮本明)
2023年11月16日舞台を中心に活躍する俳優たちの役を背負わない『素』の魅力に迫るイベント「劇団ココロゴス 第3回公演」が、来年1月27日(土)に開催される。このイベントでは、架空の劇団「ココロゴス」の主宰に扮したMCである富田翔と、そこへ“入団オーディション”にやってきた劇団員候補としてのゲストが、シチュエーションに沿った即興劇を演じながら、与えられたミッションに挑んでいく。実は、その裏でプロフェッショナル心理カウンセラーが、その一挙手一投足をモニタリングしており、演技中の振る舞いを分析することで、俳優本人の深層心理をお客様の前で丸裸にしていくという、新感覚イベントとなっている。「第3回公演」のゲストは、ストレートプレイ、ミュージカルを問わず、数々の舞台に出演しながら、アーティスト活動もしている上田堪大と、ミュージカル『刀剣乱舞』等への出演のほか、イケメン役者育成ゲーム『A3!(エースリー)』で声優としても活躍する小西成弥。2人は「あんさんぶるスターズ!オン・ステージ」などで共演し、プライベートでも親交が深いというが、アドリブの即興劇の中でもその仲の良さが発揮されるのか、注目したい。【イベント概要】◆開催日時2024年1月27日(土)〈第1部〉開場 12:45/開演 13:30〈第2部〉開場 16:15/開演 17:00◆会場雷5656会館 ときわホール(東京都台東区浅草3-6-1 5F)◆出演上田堪大、小西成弥〈劇団員候補(ゲスト)〉富田翔〈劇団主宰(MC)〉浮世満理子〈プロフェッショナル心理カウンセラー〉◆チケット詳細各公演チケット 7,000円(税込)各公演チケット+公演DVD付き 13,000円(税込)※公演DVDは完全受注生産※第1部・第2部の両公演に加え、特典映像を収録した2枚組※特典内容は【即興劇の振り返りコメンタリー】&【音声あり楽屋打ち合わせ映像】※発送は、5月頃を予定(予告なく変更になる場合がございます)〈チケット受付〉先行抽選:11/18(土)10:00~12/3(日)23:59一般発売:12/23(土)10:00~各回開演の1時間前まで◆ぴあグッズオンラインショップDVD単品販売:11/18(土)10:00~2/3(土)23:59
2023年11月15日スタジオジブリ作品『思い出のマーニー』をはじめ数多くの映画音楽を作曲、竹内まりやが2019年のNHK紅白歌合戦で披露した『いのちの歌』や工藤静香の『勇者の旗』などへの楽曲提供ほか、幅広く活躍している作曲家・ピアニストの村松崇継。今回、3年ぶりとなるソロコンサート『Piano Sings 2023』を開催する。村松崇継(p) チケット情報手掛ける楽曲は、映画やドラマ、舞台の音楽、さらにジャンルもポップスから演歌まで多岐に渡り、オファーが途切れることはない。作品や歌手に寄り添い、その魅力を輝かせる仕事の中で、年に1度、自分自身を見つめるコンサート。自ら提供した『彼方の光』を歌う、天使の歌声で知られるボーイソプラノユニットLIBERAの来日公演に出演した翌日、ソロコンサートへの思いを語った。始まりは映画音楽だった。クラシックを学んでいた大学在学中に自ら売り込み、2001年に天海祐希主演の『狗神』の音楽を担当したのが初仕事。「その後は来たお仕事をやっていったら、どんどん広がっていったんです」。敷居が高いと思っていたポップスは竹内まりやに背中を押され、縁がないだろうと思っていた大好きな演歌や歌謡曲は山内惠介の歌謡曲の話が来て『こころ万華鏡』が生まれた。「オファーはご縁ですね」。作曲家でピアニストの村松は自らを「僕が作ったオリジナルを、自分の手で奏でるアーティスト」と言う。彼の楽曲は優しく温かく、透き通ったメロディが心に染みる。「みんなの心に響くいい曲を作ることが大前提で、それを自分の演奏するピアノで癒しや希望や元気を伝えるコンサートをしたいんです。今回は、いろいろあるけど、みんなで頑張って行こうねっていうのがテーマ」。コンサートは観客と対話しながら展開する。村松のコンサートは通常ではありえないほどMCが多い。「めちゃくちゃしゃべります。1曲終わったら『どうだった?』って聞いたり(笑)」。これも大きな楽しみのひとつだ。「僕も1年に1度、みんなと会うことでパワーをもらい、癒されて疲れが取れるんです(笑)」。即興コーナーもあり、観客が開演前に書いたリクエスト曲を弾いて3曲をプレゼントする。歌は歌わないが、思いはピアノとおしゃべりで伝える。「曲でみんなをハッピーにする、エンタメな感じです」。村松は大阪を「ホーム」と呼ぶ。「アットホームなファミリー感がすごくあって、気取らなくていい。カッコ悪いところを出してもOKみたいなところがあるから、大阪公演ではほんとの自分が出せるんです。だからもう一回、大阪の地で自分のコンサートをやりたいと思って企画しました」。公演は、12月15日(金)東大阪市文化創造館 ジャトーハーモニー 小ホールにて。チケットは発売中。取材・文:高橋晴代
2023年11月15日Hip Hopを軸に自由自在なフロウやリリシストとして注目を集めるラッパー空音が、待望のNew EPをリリース。2022年12月にDigital Single「Circle6」をリリース以降、2023年4月放送NHK Eテレ「虹クロ」オープニングテーマで未発表であった「Rough Sketch」など未発表新曲が収録された今作は、リリシストとして自身のキャリアで感じたパッションや、ルーツであるローカルへの想いをクオリティーの高いフロウで探究した内容に。「Circle6」を手がけたYohey Tsukasakiが全曲サウンドプロデュースを手がけ、普遍的なHip Hopへの大きな敬意に満ちたトラックはどこか懐かしくもありながら新しさも持ち合わせており、空音の世界をより昇華した作品に仕上がっている。空音 2MAN LIVE TOUR 2023『Life Teller』チケット情報リリースに先駆けて2MAN LIVE TOUR 2023『Life Teller』を開催する。大阪公演は11月25日(土)梅田BananaHall、東京公演は12月6日(水)UNITにて。チケットは発売中!
2023年11月14日オリジナル脚本で描くダークホラーファンタジー、「Grave Keepers」が、11月9日(木)から開幕した。脚本・演出は、7月に上演された「ケイ×ヤク」でも注目を集める川名幸宏。キャストには石川凌雅、松島勇之介、櫻井圭登、新谷聖司ら2.5次元舞台を中心に活躍中の若手俳優が集い、兄弟役を演じる。物語の舞台は、魔術の伝承が色濃く残る中世ヨーロッパ風の街。ここで暮らすグレイブ家の5兄弟(ジョージ、エドガー、アラン、オリバー、トミー)は、先祖代々の墓守の仕事に従事している。両親が他界し身寄りはなく、街の住民からは気味悪がって避けられる日々。それでも5人は互いの存在を支えに、身を寄せ合って生きていた。だがある日、次男のエドガーが突如として謎の死を遂げ、その日を境にグレイブ家には奇怪な現象が次々起きることとなる。三男・アランは戸惑いながらもエドガーの死の真相を解明しようとするが、兄弟たちの心は疑心暗鬼に苛まれ、事態は思いもよらぬ方向へと発展していく……。魔女狩りの歴史をも彷彿とさせるダークファンタジーでありながら、息の合った俳優陣によるテンポの良い掛け合いなど思わず笑みがこぼれるシーンも。ストーリーの良さはもちろん、ゴシックの醍醐味を存分に味わえる衣装や歌・ダンス、照明×小道具による絶妙な光の演出、またフレッシュなキャストたちが演じる登場人物の個性も魅力的だ。長男・ジョージ(松島勇之介)は生真面目な頑固者。厳格なあまり融通がきかない一面もあるが、どこか応援したくなるひたむきさを持っている。三男・アラン(石川凌雅)は正義感が強く明るい性格。ときに空回りもするが、持ち前の心の熱さ・強さで事態を前に押し進めていく。四男・オリバー(櫻井圭登)は引っ込み思案で怖がり屋。植物を愛する大人しい少年で、ハプニングには弱いが、その実誰にも負けない芯の強さを秘めている。五男・トミー(新谷聖司)は末っ子気質のムードメイカー。太陽のような明るさを放つ天真爛漫な性格だが、人の気持ちに敏感な繊細さも垣間見える。4者4様の兄弟の姿に、各キャストの表現力が光る。サプライズ演出も含め、エンタメ要素が盛り沢山の今作。ダークファンタジーやゴシックな世界観が好きな人にぜひお薦めしたい一作だ。上演は11月9日(木)~19日(日)まで、東京・Mixalive TOKYO 6F Theater Mixaにて。取材・文:豊島オリカ
2023年11月13日『春蝶・一之輔の“春一番”』が、2024年3月9日(土)に神戸朝日ホールで開催される。「春蝶・一之輔の“春一番” 」 チケット情報上方落語から桂春蝶、江戸落語から春風亭一之輔という、東西で人気・実力ともに高いふたりが、「今、1番聴いてほしい」お薦めの噺家として、桂九ノ一と春風亭一花を招いて開催する4人の落語会となる。演目は、後日発表されるのでお楽しみに。チケットは、11月20日(月)23:59までオフィシャル先行(抽選)を受付中。桂春蝶コメント『春蝶・吉弥と一之輔 三人噺』のスピンオフ企画として、僕と一之輔君、それぞれ推しの若手を紹介する会です。僕の推しの桂九ノ一くんは、間といい、声の出し方といい、本人の持つリズムといい、上方落語界でも「めっちゃいい!」と評判です。当日は、東と西の落語を交互に聞いてもらいます。東と西のコントラストをご堪能ください!春風亭一之輔コメント僕の推しの春風亭一花さんは妹弟子で、二ツ目ですが、性別を感じさせない落語をします。ボーイッシュでもなく、女性的な感じでもなく、一花さんを通して落語の登場人物が自然に会話をしているような、落語本来の面白みを感じさせてくれる若い噺家さんです。今回は4人全員がメインの四人会。寄席ならではの団体芸もお楽しみください。
2023年11月13日“観るもの全てが恋に落ちる”極上のミュージカル映画『ラ・ラ・ランド』。2017年に日本で公開され、アカデミー賞(R)6部門、ゴールデングローブ賞(R)7部門、グラミー賞(R)2部門など数々の賞を総なめにし、日本中に興奮と熱狂を巻き起こした作品が、シネマ・コンサートで再び日本に還ってくる!「ラ・ラ・ランド シネマ・コンサート 2024」 チケット情報『ラ・ラ・ランド』のシネマ・コンサートは、オリジナルのミュージカル映画を、大スクリーンでの映画全編上映とオーケストラ+ジャズバンドによる生演奏の音楽で体感できる、新感覚のハイブリッド・コンサート。2017年、18年、21年と日本でも開催し、大好評を博した人気プログラムだ。歌・音楽・ダンス・物語...、すべてが圧巻のミュージカル大作、甘く切ない恋の物語を大スクリーンで!一度聞いたら耳から離れないメロディアスな楽曲を。生演奏で堪能できる魔法のような映画体験"シネマ・コンサート"で、『ラ・ラ・ランド』の世界を体感していただきたい。また今回の公演は、作曲者・ジャスティン・ハーウィッツが来日、自らタクトをとり、国内屈指の名門オーケストラ、東京フィルハーモニー交響楽団にジャズ・アンサンブルが加わった演奏陣を指揮する。『ラ・ラ・ランド シネマ・コンサート2024』は、2月8日(木)から13日(火)の間、名古屋・東京・大阪・福岡で開催。チケットは、11月16日(木)23:59まで先行先着プリセールを実施中。極上の興奮体験、そして感動体験を、ぜひ会場でお楽しみください。
2023年11月13日5人組バンド浪漫革命が12月17日(日)に大阪・味園 ユニバースで開催する主催フェス『NEW ISLAND FESTIVAL』に、小林私、東京初期衝動、Helsinki Lambda Clubの3組がゲスト出演することが決定した。浪漫革命「NEW ISLAND FESTIVAL」チケット情報解禁に合わせてチケット最速先行受付を開始。受付は11月20日(月)23:59まで。現在ワンマンツアー「躍進Ⅲ」を行っている浪漫革命の2023年の締めくくりとなる忘年会イベントに是非注目してほしい。
2023年11月10日善雄善雄が主宰するザ・プレイボーイズの新作『ハロー、妖怪探偵社』が間もなく開幕。そこで作・演出の善雄と、出演者のひとりである橘花梨に話を訊いた。自身の創作について、「人間の本質を描きたい」と切り出した善雄。さらに「不思議なものと相対した時に、人間の本質って出るような気がしていて。そのために今回は妖怪を題材に、そしてもっといい未来にしていくためにはどうしたらいいのか、といったことまで描けたらと考えています」と、本作の構想を明かす。橘は脚本を読んだ印象について、「優しい物語だと思いました」と語り、演じる【よーこ】についても、「人の心理的な部分を理解出来る、気持ちを汲み取れるような人物なんですよね。つまり相手の心情がわかりつつ、誰に対しても明るく接することが出来る、そんな優しさも持っていて。とても魅力的なキャラクターだと思いますし、物語の中で救いのある人物になっていったらいいなと思います」と続ける。物語の舞台は、よーこも入り浸る探偵社。年中閑古鳥の鳴いている状態だが、そこにひとりの大学生がある依頼を持ち込んで……というもの。取材日はまだ稽古開始から3日ほどと日が浅かったが、「手応えしか感じていません」と善雄。「俳優の皆さんが本当に上手な方ばかりで、僕の提案をすぐに受け入れ、やってみせてくれるんです。さらに俳優さん側からもいろいろ意見を出してくれて」と声を弾ませると、橘は「探偵社の4人は、いかに脚本からはみ出してなにが出来るかってことばかり考えていて……」と苦笑い。だが善雄は「いやいやめちゃくちゃありがたいですよ」と続け、「せっかく集団創作しているので、僕の頭の中だけにとどまらず、皆さんに大暴れしていただきたいと思っています」と笑う。そして本作の大きなカギになりそうなのが、橘も言っていた“優しい物語”だ。「嫌な気持ちとか、悲しい気持ちにはならないと思うので、ぜひ気軽に観に来て欲しいです」とは橘。さらに善雄もこう語る。「劇中でも触れるのですが、本作のひとつのテーマとして、『ホモ・サピエンスは虚構を共有することで今の発展がある』という学説があります。そういう意味でこの作品は、僕が信じたい、こういう未来にもいつか辿り着けるかもしれないといった、本当に優しいフィクションを提示したいと思っていて。そんな物語を、この座組、そしてもちろん劇場に足を運んでくださった観客の皆さんと、共有出来たら嬉しいなと思います」『ハロー、妖怪探偵社』は11月22日(水)から28日(火)まで下北沢小劇場B1にて上演。チケット販売中。取材・文:野上瑠美子〈アフターイベント情報〉11月24日(金)19時「ゲーム王は俺だ!」登壇:善雄善雄、キャスト全員11月26日(日)18時「アフタートーク」ゲスト:こだま(エッセイスト・作家)登壇:善雄善雄、結城洋平
2023年11月10日国内外で注目を集める尺八演奏家・藤原道山と、ウィーン・フィルのコンサートマスターを務めるフォルクハルト・シュトイデが率いるシュトイデ・トリオが待望の再共演。福岡シンフォニーホールにて、福岡では9年ぶり、全国で福岡のみという唯一無二のアンサンブルを披露する。「藤原道山&シュトイデ・トリオ」のチケット情報はこちら「日本の伝統芸能ということで、少し敷居が高いと思われがちな尺八をもっと多くの人に聴いて欲しい」という思いと、「もっといろんな音楽を知りたい」という自身の興味から、伝統音楽の演奏活動や研究とともに、マリンバ奏者SINSKEとのデュオ、妹尾武(ピアノ)、古川展生(チェロ)との『KOBUDO-古武道-』、尺八アンサンブル『風雅竹韻』などのユニット活動、映画音楽、舞台音楽、音楽監修、執筆など国内外を問わず多岐にわたる活動を行なってきた藤原道山。シュトイデとは、2009年にシュトイデ弦楽四重奏団の来日時に共演したのをきっかけに、共演を重ね、彼らとウィーンでレコーディングした楽曲を収録した『FESTA』を2011年にリリース。以降、数年ごとに公演を行なってきた。本公演では、藤原道山による『アメイジンググレイス』、シュトイデ・トリオによるシューベルトの『弦楽三重奏曲第1番 変ロ長調D171』をはじめ、藤原道山&シュトイデ・トリオで『MINORI』(藤原道山作曲)、ルーマニア民族舞曲(バルトーク作曲)、『La Festa』(大島ミチル作曲)他を演奏予定。「洋楽器、和楽器の違いはあれど、音楽家として五線譜という共通言語を通して会話している感じ。数年ぶりの演奏でも、そのブランクを忘れるくらい違和感がないんです。今回の楽曲は公演用にリアレンジされたもの。ですから、以前リリースしたアルバムともまた違う響きになると思います」と語る。「尺八は、竹そのものを素材にしていることから、1本1本が非常に個性的で、音色も吹く時の感覚も違う」という藤原の尺八コレクションはなんと約50本。キーチェンジの役割も兼ねるとのことで、公演では、10本ほどの尺八を曲に合わせて使い分ける。「いろいろな音が出せるため、一緒に演奏する楽器をリスペクトし、融合したいときは近づき、際立たせたいときは離すこともできる」という「尺八」の多彩な音色と弦楽器の調べが融合する極上のアンサンブル、『藤原道山&シュトイデ・トリオ』をこの機会にぜひ味わってみたい。公演は11月27日(月)福岡シンフォニーホール。チケットは発売中
2023年11月10日創立135周年を迎える世界最高峰のオーケストラのひとつ「ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団」の来日記者会見が開催。指揮者のファビオ・ルイージ、同楽団のマネージング・ディレクターのドミニク・ウィンターリングが出席した。ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団のチケット情報はこちら今回の来日公演は神奈川公演を皮切りに、愛知公演、京都公演と続き、11月7日と9日に東京公演が行われる。プログラムは2種類が用意されており【プログラムA】ではウェーバーのオペラ「オベロン」序曲、リストのピアノ協奏曲第2番イ長調、チャイコフスキーの交響曲第5番ホ短調 op.64を、一方の【プログラムB】ではビゼーの交響曲第1番 ハ長調、ドヴォルザーク:交響曲第9番 ホ短調 op.95「新世界より」が演奏される。ファビオ・ルイージは、ピアニストのイェフィム・ブロンフマンを迎えてのリストのピアノ協奏曲第2番に触れ「1988年に私が彼と初めて共演した際の思い出深い曲であり、日本のみなさんにお届けできるのを嬉しく思います。当時はお互いに若かったですが、彼は既にロシアピアニズムを代表するピアニストで、卓越した技術を持っていました。リストのピアノ協奏曲第2番はオーケストラとの掛け合いが難しい曲ですが、深く理解し合いながら作り上げていくことができました」と当時をふり返りつつ、感慨深げに語る。これまで幾度となくコンセルトヘボウで指揮棒を振ってきたが、その音のキャラクターについてルイージは「特徴的な音色、その音質を保ちつつ、革新し続けている稀有なオーケストラであり、気品にあふれた音楽的なアプローチは常に革新的なものがあり、共演できることはこの上ない喜びです」と称える。2027年より同楽団の首席指揮者をフィンランド出身の27歳の俊英クラウス・マケラが務めることが決まっているが、ウィンターリング氏は団員の投票でマケラの就任が決まったことを明かし「若いながらも卓越した音楽性と自信に満ち溢れています」と期待を口にする。ちなみにマケラがコンセルトヘボウで初めて指揮棒を振ったのは、コロナ禍のさなか、ルイージの代役としてであり、奇妙な縁で両者を結び付けることになったルイージは「このプロジェクトに私も携わることができて嬉しいです(笑)」とユーモアたっぷりに語り、以前からよく知るというマケラについて「彼の世代を代表する才能あふれる指揮者であり、楽しみです」と笑顔を見せていた。■日本ツアー日程[東京公演]2023/11/9(木) 19:00開演文京シビックホール 大ホール※公演終了11/3(金・祝)ミューザ川崎シンフォニーホール11/4(土)愛知県芸術劇場 コンサートホール11/5(日)京都コンサートホール 大ホール11/7(火)サントリーホール 大ホールイェフィム・ブロンフマン(ピアノ) 出演日:11/4(土)・5(日)・7(火)公演
2023年11月08日村上春樹の傑作長編をかつてない形で舞台化し、20年の初演時に大きな話題を呼んだ『ねじまき鳥クロニクル』。その待望の再演が、11月7日(火)、東京芸術劇場プレイハウスで幕を開けた。それに先駆け行われた公開ゲネプロ、およびキャスト取材会の模様をレポートする。突如飼い猫が姿を消し、謎の女からの電話ののち、妻のクミコも姿を消した。岡田トオルは、クミコの兄・綿谷ノボルが彼女の失踪に関わっていると確信。隣家の涸れ井戸の底へと降りて行くのだが……。演出・振付・美術を手がけるのは、世界的に活躍するインバル・ピント。脚本・演出のアミール・クリガーと共に、膨大な文字で編み上げられた『ねじまき鳥クロニクル』という小説を、総合芸術という形で見事舞台上に現出させている。役者の身体はもちろん、歌、美術、照明、そして大友良英による音楽(しかも生演奏である)のすべてが観る者の五感に直接訴えかけ、言葉以上に雄弁に語り出す。主人公の岡田トオルを演じるのは、初演と同じく成河と渡辺大知。ふたりでひとりを演じるという難役に再び挑むことになったわけだが、成河は「複雑なものを複雑なまま見せるってことですよね。ただそれを言語化してしまうと非常に説教臭くなるけれども、インバルの視覚的なイメージで、複雑性を体験出来るようになっている。だから僕はただただ複雑なものなんだと思いながらやっています」と語る。また渡辺は「演劇というものの固定概念を壊してくれるような、すごくワクワク出来る舞台だという自信があります。なにか刺激が欲しい人にはぜひ観て欲しいです」とアピールした。トオルと不思議な縁で結ばれる高校生の笠原メイ役には、こちらも続投となる門脇麦。彼女が「ねじまき鳥さん」と呼ぶトオル宛の手紙を読むシーンは、本作の中でも異色のかわいらしさがあり、強い印象を残す。そんな門脇にとって唯一残念なことが、「自分が出ているシーンは見られないこと」だと明かし、「いろいろ考えずに楽しんでください。もし話がわからなくても、見たことのないシーン、びっくりするくらい美しいシーンがたくさんあるので、それだけでいいと思います」と自信に満ちた表情で言い切った。門脇の言葉は決して過大ではなく、目の前に広がるシーンはどれも美しい。前出したようにそれを形作る要素はさまざまだが、中でも最大の賛辞を、“特に踊る”にキャスティングされた8人の素晴らしいダンサー陣に贈りたい。取材・文:野上瑠美子
2023年11月08日11月3日(金・祝)から有楽町よみうりホールにて、とびきりポップな青春ミュージカル『スライス・オブ・サタデーナイト』が開幕した。主演を務めるのは河下楽(AmBitious)。これまでにも主演舞台の経験はあるが、ミュージカルは初挑戦となる。30曲を超えるロックナンバーを生バンドが演奏する、底抜けに明るくてパワフルなゲネプロの様子をレポートする。1960年代イギリスの、とある地方都市。土曜日の夜がやってくると、地元の人気店「CLUB A Go-Go」に若者たちが集い、一夜のボーイミーツガールがはじまる。運命の相手を心待ちにしたティーンエイジャーたちが、店内で赤裸々な恋愛模様を繰り広げるストーリーだ。河下が演じる17歳の主人公リックは恋愛に奥手で、気になる女の子であるシャロン(熊谷彩春)になかなか声をかけることができない。河下は他の共演者から「素顔と役の境界線が見えない」と言われるほど、無邪気で愛嬌のあるリックを素直に演じている。やがてリックとシャロンが心をかよわせるデュエット曲では、運命の相手を見つけた二人のときめきが溢れており、観客をあたたかい気持ちにさせてくれる。そんな初々しい二人とは対照的に、他のカップルたちはセックスにドラッグにと問題が続出する。昨今のコンプラ重視の風潮はどこ吹く風とばかりに、思春期の暴走をかなり攻めた演出で笑いに変えている。ツイッギー風のレトロ可愛い衣装やヘアセットも見どころだ。ゲネプロ後の会見では、河下が「見に来てくださるお客様を絶対に後悔させない自信があります!」と意気込みを語った。写真撮影では、登壇したキャストみんなで河下をギュッと抱きしめるように集合し、カンパニーの誰からも愛される河下のキャラクターが垣間見えた。劇中でキャストが客席に降りてくるシーンが多く、観客にも大いに参加してもらう演出となっている。約30年前の上演時にリックを演じ、本公演で若者たちを見守るクラブオーナーのエリック役を演じている川平慈英が「あなたが私たちのメンバーになっているかもしれません。遠慮することなく、日頃のストレスを全部出し切ってほしい」と言うように、「CLUB A Go-Go」のにぎやかなサタデーナイトを楽しんでほしい。東京公演は11月3日(金・祝)~19日(日)、有楽町よみうりホールにて。取材・文:北島あや
2023年11月07日今夏、『FUJI ROCK FESTIVAL’23』WHITE STAGEでの熱狂的なパフォーマンスを筆頭に、全国各地のフェスやイベントに多数出演したドミコ。彼らのおよそ2年ぶりとなる新作EPを引っ提げたツアー「ドミコ ワンマンツアー2023、その2"肴"(あて)」が、10月19日、愛知・名古屋 BOTTOM LINEにて開幕し、ライブ写真が到着した。ドミコチケット情報メンバー2人だけで作り上げる骨太でグルーヴィなライブ・パフォーマンスは健在。本ツアーは全9公演、ファイナルは12月13日(水)東京ZEPP SHINJUKUにて開催される。チケットは発売中。
2023年11月07日cinema staffが、2024年2月より、恵比寿リキッドルームにて8週連続で主催ライブ「two strike to(2) night~バトル・オブ・リキッドルーム’2024~」を開催する。cinema staffチケット情報ソールドアウトしたデビュー15周年記念ツアーファイナルZepp Shinjuku公演のステージにて明かされた「バトル・オブ・リキッドルーム」。1~7週目は、ゲストを迎えての対バン形式、そして8週目のファイナル編は「マスター・オブ・リキッドルーム」と題し、ワンマンライブを行う。11月12日(日)23:59まで、全公演のオフィシャル1次先行受付中。先行特典として各公演限定の特典「ライブフォトステッカー」がついてくるほか、全8公演来場される方にはスペシャル特典Takeshi Yao監修によるフォトブック『Our 8 days war』が用意されるとのこと。各公演のゲストは後日発表となる。公式のアナウンスを楽しみに待とう。またcinema staffの地元、岐阜県にて毎年行われている主催フェス『OOPARTS 2024』が来年4月13日(土)・14日(日)に2DAYSで開催されることも合わせて発表された。こちらも出演者や本年好評だったフードエリアなど詳細は現時点では非公開だが、続報が待たれるところだ。■cinema staff presents “two strike to(2) night~バトル・オブ・リキッドルーム’2024~”2024年2月2日(金) DAY1 GUEST:TBA2024年2月9日(金) DAY2 GUEST:TBA2024年2月16日(金) DAY3 GUEST:TBA2024年2月25日(金) DAY4 GUEST:TBA2024年3月1日(金) DAY5 GUEST:TBA2024年3月8日(金) DAY6 GUEST:TBA2024年3月15日(金) DAY7 GUEST:TBA■cinema staff presents “two strike to(2) night~マスター・オブ・リキッドルーム’2024~”2024年3月24日(日) ONEMAN■『OOPARTS 2024』2024年4月13日(土)・14日(日)
2023年11月06日2016年結成から現在まで、止まることなくハイセンスなエレクトロ×ロックミュージックを届けてきたRainscopeが一度歩みを止めて充電期間に入る。Rainscopeチケット情報本年は5月より3ヶ月連続で配信リリースを行い、リリースイベント、MINAMI WHEELの出演と精力的に活動してきた。“Chapter 1”と今回の単独公演を銘打った彼ら彼女らが、また“Chapter 2”をスタートさせることができる日を、12月12日(火)の単独公演の終幕前だが、既に待ち望んでいる。尚、11月3日(金・祝)から11月12日(日)の間に販売される先行販売チケットには、メンバーのサイン入りアーティスト写真ポストカードが特典として付いていくるので、是非ともこの機会の購入をお薦めしたい。
2023年11月03日アジア各国や欧米でのツアーも重ね、全世界的に高い評価を得ている台湾出身のスリーピース・バンド、Elephant Gym。日本では昨年、フジロックフェスティバル’22での演奏が話題となり、その後のツアーも追加公演までソールドアウト、大盛況となった。『Elephant Gym The“WORLD”Tour』チケット情報本年は1st EP「BALANCE」をリリースして10周年となり、日本を含む全世界18カ国40都市を回る第一弾のワールドツアーが発表されたばかり。そんな世界を股にかけて活動するバンドらしく、その名も「WORLD」と冠したフルアルバムのリリースが決定した。12月14日(木)に配信リリース、12月20日(水)に日本限定盤のCD+DVDがリリースされる。本作の「WORLD」というタイトルは、バンドが世界的に活動するということのみならず、様々なジャンルや境界線を越えていったことも示している。国境、人種、国籍、性別、音楽的ジャンルなどの限界を越えていかんとする想いが込められている。そんな本作には、多種多様な世界のアーティストをフィーチャリング。日本からはTENDREが作詞・歌唱する「Feather」や、メンバーが多大な影響を受けた東京事変のベーシスト・亀田誠治をフィーチャリングしたダブルベースの楽曲「Name」が収録される。その他にも、台湾から近年頭角を現しているR&Bシンガー・?te(Whyte)やYILE LIN(林以樂)、インド系カナダ人・Shashaa Tirupatiなどが参加している。そして、昨年のフジロックでも披露し、大きな反響を巻き起こしたホーンセクションとの楽曲も収録。Elephant Gymの出身地、台湾高雄市のブラスバンドを従えて、10周年のリリースらしいバンドの既発代表曲のオーケストラアレンジを、3曲新録している。日本国内流通は、台湾盤CDと日本限定のライブDVDをセットにした数量限定盤で販売される。DVDは、全5曲のミニライブDVDで、2022年11月に恵比寿リキッドルームで開催された前回のツアー「DREAMS in Japan Tour」の模様を収録。ホーンセクションに小西遼率いる象眠舎をゲストに迎えた日本公演のチケットは一般発売中。ぜひアルバムとツアー、共にチェックしてみてほしい。
2023年11月02日柴咲コウ音楽活動20周年を締めくくり、2023年7月より芸能活動25周年を迎える作品として企画された『柴咲コウ ACTOR’S THE BEST ~Melodies of Screens~』が、11月29日(水)にリリースされる。柴咲コウ チケット情報本作品は、これまで俳優として映画「バトル・ロワイアル」や「世界の中心で、愛をさけぶ」、TBSドラマ「オレンジデイズ」や「GOOD LUCK!!」、フジテレビドラマ「Dr. コトー診療所」、大河ドラマ「おんな城主 直虎」など、数々の名作の主演・ヒロインを演じてきた柴咲コウが、その主題歌や挿入歌を自らの歌声でカバー。さらに自身が歌ってきた主題歌や挿入歌も織り交ぜ、柴咲コウにしか成し得ない、まさに自身の集大成となる記念アルバムとなっている。また、本作を記念して作られた【Premium Box盤】には、最新撮り下ろし『ACTOR’S THE BEST フォトカード<10枚セット>、大人気フィギュアブランドbrokkerとのコラボ第2弾『ACTOR’S THE BEST×brokker ZERO コラボフィギュア<6体セット>』が同梱。柴咲コウがこれまでに演じてきた数々の名作映画・ドラマの役柄を再現したミニフィギュアは必見だ!さらに約4年半ぶりとなる待望のツアー『柴咲コウ CONCERT TOUR 2023 ACTOR’S THE BEST』の開催も決定!神奈川・ハーモニーホール座間を皮切りに、北海道、京都、福岡、東京、静岡をまわる全国6都市7公演のツアーとなる。是非チェックを!チケットは発売中。
2023年11月01日12月23日(土)から2024年2月25日(日)まで、大阪中之島美術館にて『決定版! 女性画家たちの大阪』が開催される。決定版!女性画家たちの大阪/【開幕記念「桂三扇・露の紫 女性噺家の落語会」】イベント参加券付きチケット情報約100年前の大阪では多くの女性日本画家が活躍した。大正元年(1912)に島成園(しま せいえん)が20歳で文展に入選すると、その成功に触発された木谷千種(きたに ちぐさ)や生田花朝(いくた かちょう)なども官展に入選を重ねる。また、美人画や歴史風俗画に加えて、江戸時代から大阪に興隆した南画(文人画)の分野においても、河邊青蘭(かわべ せいらん)や融紅鸞(とおる こうらん)などが実力を発揮。成功を収めた女性画家は、自らの画業を追求するにとどまらず、後進の女性を育成するため画塾を開く。門下生たちも師に続いて公募展や塾展に挑み、大阪の女性画家の裾野はさらに広がった。当時の美術界は、東京と京都がその中枢を担い、制作者は男性が大多数を占めていたが、女性日本画家の活躍において大阪は他都市と遜色なく、その存在は近代大阪の文化における大きな特色のひとつとなった。本展では、「島成園と浪華の女性画家」展(2006年)の開催を端緒とする調査研究に、近年の新たな成果を加えて、全国的にも注目を集めた50名を超える近代大阪の女性日本画家の活動を約150点の作品と関連資料で紹介する。開催初日の12月23日(土)、開幕記念として女流の噺家、桂三扇、露の紫による落語イベントが開催される。高座で個性を発揮する女性噺家を通じて、当時の女性画家たちの生き方にも思いを馳せてほしい。チケットは発売中。■桂三扇演目:「相部屋(桂三枝作)」<コメント>男性の多い職場では、女性同志の結束は固いです。未婚既婚上司同僚部下と立場は違えど、みんな寄ればかしましく…女の悩みなど笑い飛ばして乗り越えていきたい!働く女性にこの落語でエールをおくります。■露の紫演目:「転宅」<コメント>当時女性が一人で生き抜くのは大変で、正直、職も少なく男性に何らかで頼らざるを得なかったと思います。しかし、自分の意思もあったはず。可愛げがあって、でもこれは譲らないという強さを持った女性。そういうところを見て楽しんで頂きたいです。
2023年11月01日混声コーラスグループ「フォレスタ」が2023年12月13日(水)、文京シビックホール(東京都文京区)でコンサートを開く。音大卒メンバーのみで編成された混声コーラスグループで、BS日テレ『BS日本・こころの歌』(毎週月曜夜8時)の出演などで知られているフォレスタ 。童謡唱歌をはじめ、歌謡曲、洋楽、オペラなどジャンルや世代を超えた幅広い楽曲をレパートリーとして、全国各地でコンサートを行っているが、毎年12月に恒例となっている、BS日テレとサンライズプロモーション東京共催による東京公演を、今年は事前に募集したリクエスト曲を中心に選曲した“リクエストスペシャル”として初開催する。コンサートについて、大野隆は「本格的なリクエストは初の試みです。これまではフォレスタと演出家主導でお届けしてきましたが、今回はファンやお客様が選んでくださった曲が中心ということで、みなさん主導のコンサート。ご自分の青春時代の曲や思い入れのある曲が必ずあると思うので、ぜひご自分の“こころの歌”を見つけに来ていただければ」。幅広い楽曲をレパートリーとしているフォレスタらしく、集まったリクエストも多種多様だったそう。澤田薫は「僕が全然知らない曲も入っていたら楽しいな。初めての試みということで、すでにワクワクしています。テレビで我々のことをご存知の方も多いと思いますが、このコンサートではまた違ったフォレスタの一面をご覧いただけるのでは」といい、三宅里菜も「リストを眺めて、どの曲が歌えるのか、どの曲をメンバーに歌ってほしいか、予想をするのが楽しいです」。セットリストは当日までのお楽しみとしておこう。12月の公演ということで一年を振り返ってもらうと、財木麗子は「新型コロナウイルス感染症が5類に移行されてからも、自分たちがやりたいことはどこまでお客様に受け入れてもらえるのか。試行錯誤の1年でした。『幸せなら手をたたこう』をあるコンサートで歌ったとき、お客様が手拍子をして、メンバーが客席に降りて......幸せな瞬間が戻ってきた、少し前進したなと感じたことを覚えています」。最後に、観客に対して大野は「リクエストスペシャルということで、皆さんが聴きたいと思ってくださる曲ばかりで、珠玉のコンサートになるはず。心潤う時間をお過ごしいただけるようメンバー一同心を込めて歌わせていただきますので、ぜひいらしてください」と語った。取材・文:五月女菜穂
2023年11月01日上野を舞台に2024年3月15日(金)から開催される「東京・春・音楽祭 2024」概要発表が10月30日に行なわれた。「東京・春・音楽祭 2024」公演情報はこちら桜咲く春の上野を舞台にした国内最大級のクラシック音楽の祭典として2005年にスタートした音楽祭も来年の開催でちょうど20周年を迎えることになり、メインビジュアルのデザインも一新。市松模様に「祭」という字が入った新たなデザインがお披露目された。20周年ということで各プログラムもスケールアップ。これまでオペラ公演(演奏会形式)は2作が基本だったが、来年は倍となる4演目が上演される。音楽祭の“顔”とも言える「ワーグナー・シリーズ」では念願の「トリスタンとイゾルデ」がマレク・ヤノフスキ指揮/NHK交響楽団により行われ、ついに主要オペラ10演目がコンプリートされる。「プッチーニ・シリーズ」ではピエール・ジョルジョ・モランディ指揮/東京交響楽団で「ラ・ボエーム」が、さらに巨匠リッカルド・ムーティを迎えた東京春祭オーケストラによる「アイーダ」、そして2005年の第1回でも取り上げられたシュトラウスの「エレクトラ」がセバスティアン・ヴァイグレ指揮/読売日本交響楽団により上演される。20周年記念公演としては、ヤノフスキ×N響によるワーグナー「ニーベルングの指環」ガラ・コンサートが開催。さらに東京春祭としては11年ぶりとなるバレエ公演も開催され、上野水香を迎え「東京バレエ団 上野水香オン・ステージ」としてラヴェルの「ボレロ」をはじめとする演目が上演される。他にも国内外の一流アーティストによる演奏会が目白押し! オーストリアの至宝と称されるピアニストのルドルフ・ブッフビンダーを迎えてのベートーヴェンのピアノ・ソナタ全曲演奏(全7回)に、生誕150年を迎えるシェーンベルクの特集公演ではディオティマ弦楽四重奏団の安達真理らの競演、さらに20世紀を代表する音楽家のひとりであり、東京春祭ともゆかりの深いピエール・ブーレーズ(2016年逝去)が創設した「アンサンブル・アンテルコンタンポラン」が東京春祭に初めて出演する。開園150周年を迎えた上野恩賜公園内に点在する美術館や博物館の展示室などで行われるミュージアム・コンサート、子どもがクラシックに触れ合う貴重な機会となる「東京春祭 for Kids」などの東京春祭ならではの個性豊かな人気企画も充実。これまでの20年の確かな積み重ねを踏まえつつ、新たな未来へと踏み出す多彩なラインナップとなっている。「東京・春・音楽祭 2024」は2024年3月15日(金)から4月21日(日)まで開催。取材・文・写真:黒豆直樹
2023年10月31日歌手・作曲家・作詞家・音楽プロデューサーとして活躍し、YouTube登録者数は165万人を突破。国内外から人気を集めているReolが、10月18日に発売された3rdフルアルバム『BLACK BOX』を携えて、「black」と「pure」ふたつのツアーを開催する。自身最長のツアーとなり、「black」は“完全ネタバレ厳禁の黒箱。秘密主義者様推奨。”、「pure」は“都度ネタバレ上等の白箱。変化と進化を愉しめるお客様推奨。”という、ふたつのコンセプトで公演が分かれている。Reolチケット情報Reolはツアー開催にあたり「わたしにも未だ何が起こるかわかりません。箱の中身がなんなのか、その開梱作業を皆様と一緒に見届けたいと思います」とコメント。ぜひその目で見届けてほしい。「black」は11月18日(土)の大阪・フェスティバルホール公演を皮切りに全6公演、「PURE」は12月2日(土)大分・T.O.P.S BittsHALLを皮切りに全11公演行われる。チケットは発売中。
2023年10月30日ハンブレッダーズが2024年3月24日(日)に大阪城ホールにて「ハンブレッダーズ ワンマンライブ 放課後Jタイム ~15th Special~」を開催することが決定した。これは10月29日に大阪城音楽堂で行われた、ツアー「秋のグーパンまつり 2023」初日公演のアンコールにて発表されたもの。大阪のバンドであるハンブレッダーズにとって縁の深い会場である大阪城音楽堂での初ワンマンで、バンド初のアリーナワンマンライブが告知されるメモリアルな瞬間となった。ハンブレッダーズ チケット情報今年の10月31日でバンド結成丸14年を迎えるハンブレッダーズ。来年2024年を“結成15周年イヤー”として、さまざまな試みも予定しているので、続報もぜひ楽しみにしていてほしい。「ハンブレッダーズ ワンマンライブ 放課後Jタイム ~15th Special~」のチケットは、オフィシャルファンクラブ「帰宅部」部員向け先行、オフィシャルサイト先行を受付中。
2023年10月30日昨年大好評だった『万博花火プロジェクト 万博夜空がアートになる日』が、11月25日(土)万博記念公園 東の広場にて、今年も開催される。太陽の塔がそびえ立つ万博記念公園を舞台に、夜空をキャンバスとした、花火と音楽の新感賞アートプロジェクト。1/100秒でプログラミングされた、音楽とシンクロした60分間の花火ショーとなっている。『万博花火プロジェクト 万博夜空がアートになる日2023』 チケット情報このたび、本会場に加え、サテライト会場のチケット販売開始が決定した。サテライト会場は、「ららぽーとEXPOCITY 立体駐車場」と「OSAKA WHEEL」。両会場とも本会場とリンクして、同じ音楽を聴きながら花火を楽しむことができる。「ららぽーとEXPOCITY 立体駐車場」はゆったりと楽しめ、「OSAKA WHEEL」は、万博記念公園内にそびえ立つ高さ日本一の大観覧車で周回しながら、様々なアングルやスケールが存分に堪能できる。チケットは、10月28日(土)10:00より発売開始。また、本会場においては、全席指定で、「ダイナミックシート」「パノラマシート」などのほかに、専用のフードコートや送迎シャトルバス、トイレなど限定ホスピタリティが受けられる「VIPシート」を設置。こちらのチケットは発売中。
2023年10月27日KAAT神奈川芸術劇場プロデュースによる舞台『SHELL』の稽古が進んでいる。初日まで約3週間というタイミングで実施された稽古取材会では、石井杏奈、秋田汐梨をはじめとする俳優たちの、若々しいエネルギーをほとばしらせる姿が強い印象を残した。長塚圭史芸術監督によって掲げられたKAAT2023-2024メインシーズンのシーズンタイトル「貌(かたち)」のもとに実現したのは、作・倉持裕、演出・杉原邦生という注目の初タッグだ。年齢も性別も違ういくつもの人生を、いくつもの顔をもって同時に生きる特異な人々が登場する摩訶不思議な世界を描くというこの作品。倉持と杉原という二つの才能がかけ合わさって、さて、どんな世界が生み出されるのか──。この日公開された稽古は、冒頭から第3場まで。一人、また一人と現れて無造作に置かれた学校椅子に座っていく俳優たち。一人ひとりがその個性をもって、このドラマの担い手であることを表明しているかのようで、ワクワクさせられる。教室での“告白”、突然学校に来なくなった松田先生のことや、この学校の問題について話し合う生徒たちの姿、突然鳴り響く非常ベルの音は、まさに“青春ファンタジー”の始まりらしい甘酸っぱい雰囲気だが、盲目の女性と隣人とのぎくしゃくしたやりとり、ビルから突然落ちてくるマネキン──と、観客に物語の焦点を探らせる時間は実にスリリング。落ちてきたマネキンを手にしたのは、岡田義徳演じる中年男の高木。その場に居合わせた未羽(秋田)には、それが友人の希穂(石井)に見えた。そうしていよいよドラマが動き出し──と思った瞬間、なだれ込むようにして始まるオープニングシーン。観る者を物語の世界へと引き込む、杉原ならではの迫力ある場面だ。音楽を手がけるのは、20歳の新進気鋭の若手音楽家・原口沙輔。その躍動感あふれるサウンドが、心地よく響く。「若き俳優たちの溢れるエネルギーと瞬発力、少しだけ先輩な俳優たちの豊かな発想と安定感、そして、スタッフたちの惜しみない情熱と技術により稽古場は躍動し続け、日々がアッという間に過ぎていきます」とコメントを寄せた杉原。彼のもと、若い俳優たちが生き生きと力を発揮する、魅力的な舞台が期待される。公演は11月11日(土)から26日(日)、KAAT神奈川芸術劇場 ホールにて。チケットは発売中。取材・文:加藤智子
2023年10月27日卓越した発想力で知られ国内外で愛された画家、安野光雅さん(1926~2020)。その原画を集めた「安野光雅展」が大阪・あべのハルカス美術館で開催中です。安野さんの遊び心がつまった会場の様子を紹介します。安野光雅展 チケット情報【第1章ふしぎの世界】最初に目に入るのは、絵本デビュー作『ふしぎなえ』。のぼってものぼっても元の階に戻ってしまう階段、歩いていたら天地が逆になる迷路。「あれ?」という驚きに満ちた安野ワールドの始まりです。こちらは『ふしぎなさーかす』の最初の絵。真夜中、サーカスの幕が上がりました。最後の絵との違いを確かめてみましょう。うっそうと茂る樹木の様子が描かれた『もりのえほん』。目を凝らして絵を見つめると、だんだん動物たちの形が見えてきます。複製画の撮影スポットも人気です。【第2章科学のおはなし】空想も含め、自分の頭で考えることを大事にした安野さん。『天動説の絵本―てんがうごいていたころのはなし―』は、地球が宇宙の中心と信じられていた時代の人々の考えとその変化が描かれます。紙が茶色く染まり、シワまで付いているのは、古いお話にふさわしく、と考えた安野さんの演出です。【第3章空想と旅の風景】青い服の旅人に導かれ、世界各国を巡る『旅の絵本』シリーズ。本展では『旅の絵本Ⅵデンマーク編』を取り上げます。アンデルセンの故郷や首都コペンハーゲンなど、俯瞰(ふかん)で描かれた美しい風景。よく見ると「人魚姫」や「マッチ売りの少女」など、アンデルセン童話のシーンがちりばめられているのに気づきます。旅人がどこにいるかも探してみてください。【第4章物語の世界】中国の古典に題材を取った『繪本三國志』。4年をかけ1万kmを旅した中国取材をもとにした壮大な歴史絵巻です。安野さんのこだわりで、現地の画材や土も使って描かれました。絵に押された、個性あふれる落款には、安野さんの思いも隠れています。【第5章懐かしの風景】故郷・津和野で過ごした頃の遊びや生活を描いた『昔の子どもたち』は、津和野弁でつづられたユーモアあふれる文章も魅力です。恩師・藤本先生の注意書き(赤字)は、なんと、先生のふりをした安野さんの「ごっこ遊び」とか。絵を追うほどに、そして、見つめれば見つめるほど発見がある安野さんの原画。お子さまはもちろん、かつて子どもだった大人の方も楽しめます。会場で自分なりの「安野さん」を見つけてみませんか。
2023年10月27日『ジャングル・ブック』の物語はアニメーション映画などでご存じの方も多いはず。この舞台はその原作となる児童小説の作者であり、ノーベル文学賞を受賞したイギリス人作家、ラドヤード・キプリングの一編の詩『My Boy Jack』から創作された家族の物語だ。第一次世界大戦を背景に、国家のためと固い信念のもとに息子を戦地に送り出した父ラドヤード、まだ幼い息子を危険な目にあわせたくない母キャリー、父親の期待を背負って軍人となる息子ジャック、そして弟ジャックの決断に心を痛める姉エルシー。演出の上村聡史は、家族愛のもとに引き出される衝突、怒り、悲しみ、悔恨といった激情を緻密にすくい上げ、深い余韻をもたらす上質の会話劇に仕立て上げた。「My Boy Jack」チケット情報父の力によって入隊を果たし、戦線へと送られるジャック。不安に苛まれながら彼の帰還を待つキャリーとエルシー、そしてラドヤードは、突撃命令が下った後のジャックの消息を追い求めていく。何より感銘を受けたのは、劇世界への集中を途切らせない俳優陣の確かな表現力だ。ラドヤード役の眞島秀和は、紳士的でソフトな物腰に作家らしき品性が漂い、自己中心的で横暴な振る舞いにも、時代に操られた虚しさが滲む。ジャックやエルシーとなにげない会話を交わすシーンは微笑ましさと物悲しさが交錯し、不器用な愛情があたたかくも切ない。倉科カナは、持ち前の瑞々しいイメージから“息子を戦地に送る母親”役は課題が大きいかと思いきや、ドレス姿のたおやかさ、艶のある低音の声が非常に魅力的で、仕草の端々から母の無償の愛と嘆きが立ちのぼる。二幕、夫へ向けて抑え続けた感情がほとばしるシーンでの、キャリーの悲壮な叫びに心震わされた。前田旺志郎は、家族思いの心優しい息子と、過酷な戦場で必死に指揮をとる上官、それぞれのジャックをひたむきに体現。少年のあどけなさが印象に残るがゆえに、キプリング家の人々に共鳴し、彼の消息を胸を締め付けられる思いで追ってしまう。エルシー役の夏子は、その立ち姿の美しさと明瞭かつ涼やかな声が、深い悲しみの展開において救いの光になっていた。父親を問い詰める真っ直ぐな正義感、家族を勇気づける朗らかな振る舞いが健気で愛おしい。家族4人の見事なコンビネーションのみならず、佐川和正、土屋佑壱、小林大介の巧者三人の表現にも感嘆。それぞれが兵士ほか二役を担い、卓越した技量でドラマを盛り立てる。特に二幕、兵士役の佐川がジャックの消息を語るシーンでは、その圧巻の演技を客席中が息を詰めて見守っていた。ジャックがこぼした「本当の自分になりたい」の一言が胸に重く響く。時代や国、著名作家の逸話といった枠を取っ払い、シンプルに湧き上がるのは戦争という理不尽への怒りと、家族を思う気持ちの尊さだ。さまざまな思考を促す佳品、その豊かな余韻をぜひ多くの人に体感してもらいたい。同時に、その素晴らしさを届けてくれる表現者たちの“生の力”に圧倒されてほしい。文:上野紀子
2023年10月26日舞台『ロスメルスホルム』は、ノルウェーの劇作家ヘンリック・イプセンの名作のひとつである。「近代演劇の父」と称されるイプセンが描く複雑な人間模様を、主演・森田剛とヒロイン・三浦透子にて上演する。本番を目前に控えて、役者たちの張りつめた空気が伝わってくる舞台稽古の様子を取材した。物語は “ロスメルスホルム”と呼ばれる屋敷の中ではじまる。歴史と伝統を重んじるロスメル家の主人ヨハネス・ロスメル(森田剛)は、亡き妻の話し相手だったレベッカ(三浦透子)に影響され、新しい政治思想に傾倒しはじめていた。名家の重責に縛られて生きてきたロスメルにとって、進歩的な考えを持つレベッカは自由そのもの。二人が古い体質から解放への一歩を踏み出しかけたとき、保守派と進歩派それぞれの政治思惑がロスメル家に渦巻くようになる。それは次第にロスメルとレベッカの関係にも影を落とし、妻の自殺の原因がレベッカにあると明かされる。物語が進むにつれて人間の本質が晒されていく、開いてしまったパンドラの箱の深淵を覗き込むような、息詰まる展開だ。レベッカ役の三浦が薄暗い舞台に入ってくると、この謎めいたヒロインの鋭い視線に威圧される。前半の抑制された表情から一転、制御不能な嵐のようにセリフが続く後半では、胸を搔きむしるように感情をあらわにする姿に引き込まれる。本番の幕が開き、さらにセリフに磨きがかかるのかと思うと、そら恐ろしい。森田は名家の当主でありながら迷子の子供のようでもある二面性を静かに演じ分ける。内省と熱狂の間を行き来する、ロスメルの良くも悪くも影響されやすい純真さが印象的だ。「罪悪感」「欲求」「信仰」といった哲学的なセリフも、役者の口を通すと人間味をもって伝わってくる。ロスメルの義兄で保守派のクロル教授を浅野雅博、進歩派を主導するモルテンスゴールを谷田歩、傍観者的な立場で見つめる家政婦のヘルセットを梅沢昌代が盤石に演じ、舞台を支える。自由主義者ブレンデル役の櫻井章喜がひとり奔放に動き回り、停滞するロスメル家に流れをつくっている。初共演だという森田と三浦の掛け合いは、舞台ならではの生々しさで迫ってくる。愛の本質に辿り着いたロスメルとレベッカの結末を、ぜひ劇場で確かめてほしい。公演は10月・11月にかけて愛知・福岡・兵庫をまわり、東京公演は11月15日(水)~26日(日)新国立劇場 小ホールにて。取材・文:北島あや【公演スケジュール】愛知公演10月28日(土)~29日(日)穂の国とよはし芸術劇場プラット福岡公演11月3日(金)~5日(日)キャナルシティ劇場兵庫公演11月10日(金)~12日(日)兵庫県立芸術文化センター 阪急 中ホール東京公演11月15日(水)~26日(日)新国立劇場 小劇場
2023年10月25日