チケットぴあがお届けする新着記事一覧 (49/342)
新橋演舞場、大阪松竹座にて上演される、『喜劇 老後の資金がありません』。垣谷美雨の小説を原作に、平凡な主婦に襲い掛かる仕送り、年金、葬式資金と、誰にも覚えがある「老後の資金」問題を、脚色・演出にマギー、主演に渡辺えり、高畑淳子を迎え、喜劇として描き出す。渡辺が演じるのは主婦の後藤篤子。夫は家計に無頓着、姑へは仕送りがあり、さらに長女の派手婚と、様々な問題が降りかかる自身の役について、普通の人などいないとしながらも「地味な、目立たない、普通の人になりますね」と話す。「派遣の契約社員として働く中で、娘が派手婚を決めて、急に出ていくお金が増え、自分を犠牲にして夫や娘のために尽くしてしまう。家計をやっていくというのは難しいんだな、というのを再認識させられる」と、自身の役を現代社会が抱える延長にいる人物と捉えたコメント。高畑演じるのは、夫と小さなベーカリーを営む神田サツキ。「基本たくましそうな人に見えるけど、そういう自分になりたかったというセリフがあって」と高畑が語る通り、年金を当てにしていたが姑が認知症になり……とサツキもまた問題を抱える役だ。お互いの色々な作品を観ていたというが、意外にも二人は舞台初共演。しかし、老後資金問題について「話題になった当時、周りの演劇人で2000万の貯蓄がある人なんていなかった」と渡辺が話せば、「貯金額を言わなきゃいけないみたい……」と高畑が返し、二人で笑う姿は息ぴったり。劇団3〇〇の女優と仲が良く、渡辺について「天才だ」と長らく聞いていたという高畑は「やっぱり話がすごく面白くって」と渡辺について語る。「私は稽古自体をやるというよりも、余計なことを考えたり喋ったりすることで作品の根っこが深くなると思うタイプ。こういう考え方もあるんだとか、そういう時間がふんだんに持てることが楽しみですよね(高畑)」と話すと、渡辺も「いろんな話をしながらやっていけるだろうということは、楽しみでしょうがないです」と初共演に期待を寄せた。「老後の資金がないことを、暗く演じても仕方がないので、明るくやりたい。こんな時代だからこそ、楽しいお芝居を、力をあわせてがんばって行きたいと思います」と意気込んだ渡辺。誰にも降りかかる問題を解く本作、喜劇だからこそのパワーをぜひ劇場で感じてほしい。公演は8月13日(金)8月26日(木)まで東京・新橋演舞場、 9月1日(水)~ 9月15日(水)まで大阪・大阪松竹座にて。チケットは発売中。
2021年08月18日渡辺えり、高畑淳子のダブル主演の「喜劇 老後の資金がありません」が8月13日、東京・新橋演舞場にて開幕した。本作は、垣谷美雨による大ベストセラー小説「老後の資金がありません」をマギーの脚色・演出で、初の舞台化となる。初日前会見では渡辺、高畑が登壇。渡辺は「コロナ禍で色々大変な世の中ですが、歌って陽気にがんばっておりますので、ご声援の程どうぞよろしくお願いいたします」と挨拶。続く高畑も「できる限りの力を出して努めさせていただきたいと思います。その力が不安定な状態ではございますが(笑)」と話し、笑いを誘った。今回は「喜劇」だが、劇中に歌やダンスのシーンが盛りこまれ、物語が進んでいく。歌、ダンスについて「えりさん、とても歌が上手いですよ。『天使にラブ・ソングを…』という感じです(高畑)」「ダンスは複雑な振り付けがあるのですが、66歳で私たちよくやっていますよ!(渡辺)」と話すが、さらに高畑にはラップという大きな見どころが。ラップについて、本当に毎晩夢に見る、という高畑に、渡辺は「お上手ですよ。私が感動したのは『もう一回お願いします!』と必ず率先して稽古をするんですよ、18歳の新人みたいに」と話す。高畑は「お客様はお金を払っていらしてくださるわけですから。でもラップは難しい、10回に1回くらい間違えるんですよ、本当に頑張らないと」と意気込んだ。「老後の資金」をテーマに、誰にでも訪れる介護、葬式、子どもの結婚、雇用、年金と、様々な問題に普通の主婦が四苦八苦する姿を描く本作。ゲネプロでは一幕が披露された。結婚が決まった娘の派手婚にかかる費用を計算し、夫・章(羽場裕一)のいう通り援助していったら老後の資金がなくなることに篤子(渡辺えり)が叫ぶと、「老後の資金がありません」と歌い上げる歌唱シーンに突入。篤子の息子・勇人役・原嘉孝、篤子とサツキ(高畑淳子)が火曜生花教室の先生 城ケ崎役・松本幸大もジャニーズならではの華やかなダンスで場を盛り上げ、様々なシーンで活躍。またベーカリーを営むサツキの夫でパン職人の克也役・宇梶剛士のダンスにも注目だ。誰にでも起こりえる問題だからこそ、立ち向かっていく篤子、サツキの姿に勇気をもらえる本作。笑って泣ける喜劇は、ぜひ劇場で。公演は8月26日(木)まで東京・新橋演舞場にて、また9月1日(水)~9月15日(水)まで大阪・大阪松竹座にて上演。チケットは発売中。
2021年08月18日紅ゆずるが主演するブロードウェイ・ミュージカル「エニシング・ゴーズ」が8月11日、東京・明治座にて開幕した。豪華客船を舞台に、様々な立場の人々がそれぞれの思惑があるがゆえにトラブルを引き起こし、巻き込まれていく、トニー賞3部門を獲得したミュージカル・コメディの傑作。明治座では劇場創立以来初のブロードウェイ・ミュージカル作品の上演となる。舞台は1930年代半ばのニューヨーク。ナイトクラブの大スター、リノ・スウィーニー。そして一筋縄ではいかない登場人物たちが、偶然か必然か、ロンドン行きの豪華客船S・S・アメリカ号に乗り合わせたことから物語が進んでいく。ナイトクラブの大スター・リノを演じるのは、元宝塚歌劇団・星組トップスターで、退団後初のミュージカル出演となる紅ゆずる。豪華客船でトラブルや思惑に巻き込まれながら、それすらも笑い飛ばすパワフルなリノを、軽快に演じている。リノに猛アタックされながらも、自身は社交界の華・ホープが愛しているビリー役には大野拓朗、エリートのはずなのになんだか情けないビリーだが、愛嬌たっぷりなのは大野ならでは。そして陣内孝則演じるギャング・ムーンフェイスと、平野綾演じるその情婦・アーマ。ふたりが乗船したことで、またトラブルに繋がっていくわけだが、ヒールのはずがどこか憎めないキャラクターの二人が引き起こすドタバタが、タイトルでもある「エニシング・ゴーズ」=なんでもあり!な本作をより一層盛り上げている。演出・原田諒(宝塚歌劇団)の手腕で、歌・ダンスはもちろん、各場面が一層ショーアップされた本作。主題歌「エニシング・ゴーズ」では、キャストが集合。タップダンスで盛り上がる大ナンバーは圧巻だ。さらに松井るみが手掛けた、舞台美術は、盆が回るごとに船室、デッキ、さらには客室と、まるで乗船したような気持ちで楽しむことができる。舞台となった1930年頃は大恐慌からようやく落ち着きを取り戻した時期。当時の時代も求めた明るいミュージカル・コメディをぜひ劇場で体感してほしい。公演は8月29日まで、東京・明治座にて。その後は、愛知・御園座、大阪・新歌舞伎座、福岡・博多座を回る。チケットぴあでは東京公演は公演前日17時まで購入できる当日引換券を発売中。愛知、大阪、福岡公演はチケット一般発売中。
2021年08月17日有澤樟太郎と山下容莉枝による二人芝居「息子の証明」のライブ配信が決定した。本作は、タカハ劇団の主宰で舞台「魔法使いの嫁」(脚本・演出)、ドラマ『ここは今から倫理です。』(脚本)などを手掛けた高羽彩が脚色・演出を務め、ドラマ『科捜研の女』(脚本)、映画『魔進戦隊キラメイジャーVSリュウソウジャー』(脚本)の下亜友美が脚本を務める演劇作品。目には見えない“家族の絆”を描いた物語を紡ぐ。出演は、ミュージカル「17 AGAIN」スタン役やミュージカル「刀剣乱舞」和泉守兼定役など、様々な作品で印象を残した有澤樟太郎と、ドラマ・舞台、数々の作品で存在感を放つ演技派女優・山下容莉枝。二人は今作で母子を演じ、濃厚な会話劇、二人芝居に挑む。本公演は8月25日(水)~29日(日)まで東京(銀座)・博品館劇場にて上演されるが、うち8月29日(日)12:00/16:00開演の2公演をイープラスのライブ配信サービス『Streaming +』と、チケットぴあのライブ配信サービス『PIA LIVE STREAM』にてライブ配信。それぞれの公演にアーカイヴ配信特典映像がつく視聴チケットは現在発売中だ。また、公演終了後に行われるアフタートークの追加開催も決定。8月28日(土)17:00の終演後に、出演の有澤と脚本の下との対談を実施する。ここでしか聞けないトークをぜひ聞いてほしい。二人芝居「息子の証明」脚色・演出:高羽彩脚本:下亜友美出演:有澤樟太郎、山下容莉枝会場:博品館劇場(東京都中央区銀座 8-8-11)日程:8月25日(水) 19:008月26日(木) 15:00★/19:00★8月27日(金) 19:00★8月28日(土) 13:00 / 17:00★8月29日(日) 12:00(S)/ 16:00(S)★アフタートーク付 (S)ライブ配信あり※開場は開演45分前より
2021年08月17日才気あふれる若きピアニストたちが出演する「第39回 横浜市招待国際ピアノ演奏会」が11月6日(土)、神奈川県立音楽堂にて開催される。世界中から将来を嘱望される才能を発掘し、広く紹介することを目的に1982年より開催されている「横浜市招待国際ピアノ演奏会」。今年も世界の名だたるコンクールで優勝・入賞を果たした4人のピアニストを紹介する。登場するのは、桑原志織、ケイト・リウ、ダニエル・チョバヌ、ジャン・チャクムル。難関として知られるルービンシュタイン国際ピアノコンクールで今年5月に第2位を受賞した桑原は、ブゾーニ編曲によるバッハの〈シャコンヌ〉を披露する。また、ショパン・コンクール第3位のリウはショパン《バラード第1番》と、定評のある選曲を。チョバヌは《展覧会の絵》、チャクムルは《クライスレリアーナ》と、様々な楽想を持つ大曲を選曲。それぞれの持ち味を生かしたプログラムを披露する。なおチョバヌはヤマハ独自の高精度デジタル制御システムによって繊細な鍵盤タッチやペダルの動きを極めて正確に再現できる自動演奏機能を搭載したハイブリッドピアノ「Disklavier™」を使用し、リモートで出演するとのことだ。横浜みなとみらいホールは大規模改修工事による休館中のため、1982年から1997年まで主会場だった県立音楽堂で今年は開催される。24年ぶりに古巣での開催となる「横浜市招待国際ピアノ演奏会」で世界から注目されるピアニストたちの演奏に酔いしれよう。第39回 横浜市招待国際ピアノ演奏会日時:2021年11月6日(土) 開場 15:30 開演 16:00会場:神奈川県立音楽堂出演:桑原志織(日本)、ケイト・リウ(アメリカ)、ダニエル・チョバヌ*(ルーマニア)、ジャン・チャクムル(トルコ)*DisklavierTMによるリモート出演
2021年08月16日垣谷美雨のベストセラー小説を舞台化した『喜劇 老後の資金がありません』が、同い年の実力派ベテラン女優、渡辺えりと高畑淳子の舞台初共演で9月1日(水)より大阪松竹座で上演される。脚本・演出には『喜劇 有頂天団地』などでコメディに定評のあるマギー。老後の資金問題が次々と降りかかる平凡な主婦たちの生活を軸に、笑いと涙と希望の物語が歌や踊りを盛り込んで描かれる。稽古の真っ最中(取材時)の渡辺、高畑が来阪、まるで漫才さながらの掛け合いに笑いのあふれる会見で、作品の魅力と意気込みを語った。「喜劇 老後の資金がありません」チケット情報「高畑さんとは初めてですが、思わず笑ってしまうぐらいおもしろい方」と渡辺が言えば、「えりさんは、世の中にこんなにおもしろい人がいるか、という人」と高畑が言い、「稽古は大変だけどとても楽しい」と笑い合う。渡辺の役柄は、見栄っ張りな夫と娘・息子と4人家族の主婦・後藤篤子。「おとなしく謙虚で、はっきりものが言えない人」。契約社員として働きながらコツコツ貯めた老後の資金が、娘の派手婚、舅の葬儀とお墓の費用などでどんどん減り、さらに夫も自分も無職に。「もう八方ふさがりの役です」。高畑は、夫と小さなパン屋を営む神田サツキ。「ざっくばらんな倹約家。私もものすごく倹約家です」。姑の介護と年金問題に加え、大きなベーカリーの出店で経営難に。篤子とサツキは同世代で30年来の友人、月1回の生け花教室で会う時間だけが互いのストレス発散の場だ。「妙齢の女性の友情も描かれていて、私はそこがすごく好き」と高畑。見どころは、「2幕の登場で歌う私とえりさんの歌のシーン! えりさんの歌、この体から声が出るのですごい」と高畑が語れば、渡辺も「高畑さんの見事なラップシーンも。声がでかくてパワフル。100万回ぐらい練習したよね」と返す。深刻なテーマの中、歌と踊りは登場人物の本音を表現するなど「原作を3倍楽しめる効果があると思う」と渡辺。「よくこの2匹を舞台に乗せたなって感じですね。企画に乾杯!」と言う高畑は、吉村大阪府知事のファン。「お忙しいでしょうが、ぜひ劇場に来ていただきたいな」とラブコールも。「主婦の気持ちが具体的に書かれていて画期的、50代から70代の女性たちがとても感情移入しやすい作品です。手放しでおもしろく観れて、励みになると思う」(渡辺)。そして「演劇は、生きる勇気を与えてくれる薬」と声をそろえるふたり。「1回観るだけで1か月温泉で静養したぐらいの効能はあると思う。ワクチンより効くかもしれません(笑)」(渡辺)。現在、8月26日(木)まで東京・新橋演舞場にて上演中。大阪公演は9月1日(水)から15日(水)まで、大阪松竹座にて。チケット発売中。取材・文:高橋晴代
2021年08月16日10月1日(金)~10月31日(日)の期間、横浜を舞台としたオルガン・フェスティバルが開催。「パイプオルガンと横浜の街 2021」と題して、市内のコンサートホールや教会などでイベントやコンサートが行われる。1871年に日本で初めてパイプオルガンが建造された横浜。19世紀末には国産のオルガン製作所(西川風琴製造所)が創業するなど、横浜はオルガンに深いゆかりがあり、今も市内のコンサートホールやミッションスクール、教会などの施設で、製作された国も大きさも音色もそれぞれに違う個性あふれるパイプオルガンに出会うことができる。こうした歴史的背景を持つ横浜で今秋、3回目となるオルガン・フェスティバルを開催。イベントの幕開けとなる横浜開港記念会館で開催のオープニング・レクチャーでは、フェリス女学院大学名誉教授の秋岡陽氏がパイプオルガンと横浜の歴史を紐解く。その後は、神奈川県民ホールにて、今年4月に神奈川県民ホールオルガンアドバイザーに就任した中田恵子のオルガン・リサイタルを皮切りに、日本の名だたるホール・オルガニスト経験者のジャン=フィリップ・メルカールト、近藤岳、梅干野安未といったオルガンの名手たちが登場し、ソロ演奏を披露。また、昨年12月まで横浜みなとみらいホールのホール・オルガニストを務めた三浦はつみが移動可能な小型パイプオルガン、“ポジティフオルガン”と声楽や古楽器とのアンサンブル公演に出演する。個性豊かなオルガンと彼らのコラボレーションを楽しんでほしい。各公演によって受付開始日・申込先・料金が異なるので、詳細は横浜みなとみらいホール公式サイトの公演情報をチェックしよう。パイプオルガンと横浜の街 2021会場:横浜開港記念会館、神奈川県民ホール(小ホール)、紅葉坂教会横浜ユニオン教会、カトリック山手教会、関東学院小学校(礼拝堂)期間2021年10月1日(金)~10月31日(日)
2021年08月16日名作『ピーターパン』の小説版をウェンディの視点から翻案。『ウェンディ&ピーターパン』として上演された舞台は、目の肥えたロンドンの観客たちを魅了した。そしてついに日本版の上演が決定。ロンドン版同様、演出をジョナサン・マンビィが担う。そこでタイトルロールのウェンディを演じる、黒木華に話を訊いた。演出のマンビィとの舞台づくりは、16年の『るつぼ』で経験済みの黒木。当時を振り返る口調は、マンビィへの厚い信頼に溢れている。「すごく丁寧で、役者それぞれのいいところを見つけて、引き出してくれる。物語が広がっていく感じが、とても楽しくて。当時からまた一緒にやりたいですねと話していたので、ジョナサンにとってとても大事なこの作品で、再びご一緒出来ることが本当に嬉しいです」黒木演じるウェンディが、ダーリング家の長女であることは原作と変わりない。しかしその描かれ方は大きく異なる。「稽古をしている中でウェンディは、家族に大きな影響を与える存在だと感じています。壊れかけた家族を自分がなんとかしないといけないと思っている。ネバーランドに行き、その問題をどう打開していくのか。それがこのウェンディを演じる上でのテーマだと思っています」そんなウェンディにとってピーターパンとは、どういった存在なのだろうか。「ウェンディの想像の中の登場人物なのかなと思います。だからピーターは、ウェンディが理想とする、魅力的な男の子なのかなと。ロストボーイズたちに『お母さんになって』と言われた時に、『(私がお母さんなら)あなたはお父さんになってくれるでしょ?』と駆け引きしたり。そのやり取りがすごくかわいらしく、面白いなと思いました」作家のエラ・ヒクソンが本作を書き上げたのは28歳の時。そんな若い視点が、この古典とも言える名作に、新たな疑問を投げかけている。「女性の社会的な立場や成長に、作家のエラさんが注目されているのを感じます。ある男の子が恋に落ちる瞬間、相手の女の子がアイロンがけをしている姿が目に浮かぶ、というシーンがあるのですが、そのことに疑問を持たない方もいるわけですよね。女性がアイロンがけをするものだと。またウェンディのお母さんは、母親であると同時に、自分が社会の中でどう生きていくか模索する姿が描かれています。そういったところがこれまでの『ピーターパン』にはない、興味深い点だと思います」取材・文:野上瑠美子
2021年08月16日室龍太主演の舞台『コムサdeマンボ!』が、8月22日(日)まで東京・銀座 博品館劇場で上演中だ。「コムサdeマンボ!」チケット情報本作はバラエティ番組の裏側をのぞき見できるバックステージコメディ。2019年の舞台『どれミゼラブル!』の2年後を描いた続編だが、前作を見逃していても大丈夫。笑いに特化した構成で、ほぼすべての会話にボケやツッコミが盛り込まれる。筋書き以上に小ボケの応酬で場を和ませるのだ。コロナ禍の上演でもあり、劇場にいる間だけでも気楽に芝居の世界に遊んでほしいとの思いがヒシヒシと伝わる。素顔が垣間見える日替わりの即興劇シーンや、プロローグとエンディングには公演グッズのライトを振って参加できるライブ仕様の演出も。観客の笑い声が入ってこそ完成される“楽しんだもん勝ち”の舞台となっている。前作では芸人兼見習い放送作家だった主人公のコムサ真二(室龍太)。今作ではバラエティ番組「まかないマンボ!」の作家として働いていた。その日、スタッフルームに今晩放送予定の番組データが全滅したとの一報が入る。プロデューサーや総合演出らは大慌て。真二も売れないミュージカル俳優の市河マサチカ、売れないアクション俳優のジャッキ・チェーンら前作からの愉快な仲間たちを巻き込み、代替え案を練ることに。果たして無事オンエアとなるのか!?自然体の大阪弁でツッコミに徹する室龍太。座長がどんな些細なダジャレにも素早く反応するから、キャストらも安心して小ボケを連発する。室と対となり歌やダンスも披露する古謝那伊留(関西ジャニーズJr.)はネットに強いZ世代のAD役。川久保拓司は横文字を多用するお調子者のプロデューサー、六角慎司は職人気質の熱い総合演出、酒井敏也はエキセントリックな大御所作家と、いずれも分かりやすく誇張された役作りが楽しい。即興劇でははんにゃの金田哲がお笑い芸人としての本領発揮、石垣佑磨は持ち前の芝居心でコミカルだけでなくシリアスなドラマパートも支える。唯一の女性キャストの田中真琴が演じる乙女心にも注目だ。主演の室は「やっぱり最大の笑いのポイントは即興劇。日によってテーマが違うのが見どころです。皆で作った作品で、金・銀・銅と3種類のメダルを取りたい。ひとりでも多くの方に観ていただきたいですし、感染予防対策をしっかりしながら、ゴン攻めで頑張ります!」とアピール。大阪公演を経て、現在は8月22日(日)まで東京・銀座 博品館劇場で上演中。8月24日(火)・25日(水)京都劇場にて上演。チケット発売中。取材・文:石橋法子
2021年08月16日柔軟な表現力と、それを可能にする巧みな技術。彼女の歌を聴くといつも幸福な気持ちになる。ソプラノの森麻季がライフワークとして取り組むリサイタル・シリーズ「愛と平和への祈りを込めて」が今年も9月に行われる[9月12日(日)東京オペラシティコンサートホール]。2001年9月、ワシントン・ナショナル・オペラ《ホフマン物語》にオランピア役で出演しているとき、米国同時多発テロに遭遇した。数年後、広島の原爆記念公演で歌った舞台上で、抑えきれずにさまざまな思いが込み上げてくるのを経験して、節目ごとに祈りの気持ちと向き合うこの企画を準備。スタートしたのは、はからずも2011年、東日本大震災の半年後の9月だった。「今年で11回目。その間も毎年のように、どこかで災害があったり、海外では戦争が起こったり。それなのに私たちは忙しい毎日の中で、それに向き合う機会がなかなかありません。音楽を通して、つらい体験をされた方々に思いを馳せ、一緒に前を向いて生きる気持ちになれるような、一人ひとりが平和に感謝する2時間にしていただければと願っています」今回はアニヴァーサリー・イヤーの作曲家を軸に据え、ロシア音楽も初めて集中的に取り上げる。「このリサイタルは毎回、新しいことに挑戦する緊張感もあって、私自身の1年の節目になっています。今回もほとんどが初めて取り組む作品ばかり。ツェムリンスキー(生誕100年)の《トスカーナ地方の民謡によるワルツの歌》は、コンサートではあまり演奏されないけれど、とても素敵な歌です。ロシアの音楽は憂いや悲しみがあって、日本人の琴線に触れる魅力があります。あえてヴォカリーズを2曲。有名なラフマニノフの《ヴォカリーズ》とグリエールの《コロラトゥーラ・ソプラノのための協奏曲》。グリエールは一度聴いてすっかり惚れ込んでしまいました。旋律だけで聴く方それぞれの情景を浮かべながら、ロシアの音楽の魅力を楽しんでもらえたらと思います。でもこのプログラム、聴いているぶんには素敵なのですが、全部を歌い切るのはかなり大変なんです(笑)」コンサートには「虹の彼方に」という副題が付けられている。「虹は幸運の印。アメイジング・グレイスからストラヴィンスキーまで、虹のように色とりどりのキャラクターの曲を楽しんでいただけると思います」雨が降るから虹が出る。彼女の歌が美しい祈りの虹を架けてくれるはずだ。(宮本明)
2021年08月13日みためはそれほどでもないけれど、内容は充実、いや、濃厚と言ってもいいかもしれない。ショーソンと水野修孝、どちらも交響曲。どういうつながりか、山田和樹さんがどう考えているのかわからない。わたしは、といえば、19世紀と20世紀、それぞれの世紀を俯瞰し総括するような作品がならべられている、とみている。正確には、1890年と2003年の完成だが、100年ほどの差。ショーソンはヴァーグナーに心酔したフランス・ヴァグネリアン。おなじシンフォニストでも、たとえば1824年、1860年の生まれのブルックナー、マーラーと対比すると、ショーソンは1855年生まれ、後者にちかい。強引な言いかたになるが、フランスに翻訳されたヴァーグナーの一例として、ブルックナーやマーラーに親しんでいるひとにこそ、たのしんでいただけるのではないか。ショーソンがドイツ系のシンフォニーをフランスへ翻訳したとすれば、水野修孝は、ヨーロッパ/アメリカ由来のさまざまな音楽を、この列島で消化=昇華した作曲家。無調と調性、ヴァイタリティと叙情、リズムとメロディ、さまざまなコントラストが文字どおり「交響」し、コンサートホールという公共の場にひびく。初演されてからほぼ20年。20世紀の「現代音楽」とはまたべつのフェイズにある《第4番》は、ロゴスとパトス、みごとに釣りあい、綜合され、どこに耳をかたむけたらいいのか迷わせない。第1楽章の緩急のコントラスト、第2楽章の緻密な線のからみ、第3楽章のおもわず口ずさんでしまうようなメロディー、第4楽章のクラブ・ミュージックのような4つ打ち−−−−異なった楽章が、モティーフの共通性から導きだされ、また、シンフォニー=複数の声を綜合する、の理念が、ショーソンと世紀をこえて、つながる。とくに、第3楽章のメロディーの叙情性は特記すべきもの。一度耳にされたら、水野修孝《交響曲第4番》として記憶されよう。第4楽章のグルーヴは、安直なオーケストラ版クラブ・ミュージックをせせら笑う。それに、だ。昨今のオーケストラ曲が、ともすれば、どれも映画やTVの劇伴みたいにひびいてしまうのとは一線を劃した構築性、いや、硬派なものを持っているのはいくら強調してもしすぎることはない。現在、音楽は、サブスクやDLで、気にいったところだけ聴くのがあたりまえになりつつある。好きなように聴けばいい、と聴き手の自由が強調される。まとまって聴く、とか、この順番で、というようなのは押しつけだと言うことさえある。だが、複数の異なったものがひとつになって、語られることがある。順番にたどることで浮かびあがってくるものがある。つくりての身勝手さのおしつけではなく作法がある。シンフォニー=交響曲は作法に則っている。そうしたひとつのながれ、構成によって聴かれて、じぶんのなかにコスモロジーが生まれる。19世紀末と21世紀初頭の2つの「交響曲」は、こうしたことも伝えてくれるはずだ。文:小沼純一
2021年08月12日アメリカの劇作家テレサ・レベックが書いた3人芝居『UNDERSTUDY/アンダースタディ』が2021年8月、東京芸術劇場シアターウエストで日本初演される。深作健太が演出を担当し、ふぉ〜ゆ〜の福田悠太、和田琢磨、谷村美月と注目の若手俳優3人が出演する。「外国の戯曲をやるのも、東京芸術劇場の舞台に立つのも初めて。この年になっても、初めてがいっぱい詰まった作品で、最初にお話をいただいたときは嬉しかったですね」。そう出演にあたっての思いを話す、和田琢磨(35)。ミュージカル『テニスの王子様』や舞台『刀剣乱舞』など、主に2.5次元舞台で活躍してきた和田だが、ここ数年で映像やストレートプレイなどにも精力的に出演し、幅を広げている。「2.5次元、テレビドラマ、海外の戯曲と、ここまで幅広いジャンルを行き来している俳優はあまりいないと思うので、その点は自分も自信を持ってやっていきたいです。ジャンルは違えど、根底にあるのはお芝居。それはどこの現場でも変わらないので、全部身にしていきたいなと思います」今回の『UNDERSTUDY』の舞台は、ブロードウェイで上演中のカフカ原作舞台の劇場。この芝居の代役として参加するハリー(福田)、本役で出演する予定の中堅映画スターのジェイク(和田)、舞台監督のロクサーヌ(谷村)が登場し、それぞれが抱える三者三様の思惑や不安、そしてカフカに対する敬意や演劇に対する思いが描かれている作品だ。和田は「すごく緻密に作らないといけないなと。何か1つでも間違えたら、すべてが崩れていってしまいそうな、脆さがある。そういう意味では、楽しみではあるけれど、怖さも感じています」と話す。自身が演じるジェイク役については「人たらしで、空回りしている様子が一生懸命に見えたり、可愛く見えたりする」と分析していて、「お会いしたことはないけど、若い頃のトム・クルーズみたいなイメージです」と笑う。7月まで、舞台『首切り王子と愚かな女』に出演し、井上芳雄、伊藤沙莉、若村麻由美ら錚々たるメンバーと共演していた。「最初の立ち稽古から、みなさんパーフェクトで。初球から160キロの外角低めみたいな感じ(笑)。活躍されている方は、初回から100%で稽古に臨むんだと改めて気づかされて、たくさん刺激をもらいました」。『首切り〜』の本番が終わったら、すぐに『UNDERSTUDY』の稽古が始まるが、「今ある、いいエネルギーをそのまま生かしていけたら。忙しい夏になりそうです」と気合い十分に語っていた。東京公演は8月18日(水)から29日(日)。大阪公演は9月11日(土)、松下IMPホール。取材・文:五月女菜穂
2021年08月12日ミューザ川崎シンフォニーホール(川崎市幸区)と川崎市が2005年より毎年開催しているクラシック音楽祭「フェスタサマーミューザ KAWASAKI」は、8月9日(月・振休)の東京交響楽団フィナーレコンサートをもって閉幕した。当初は全座席を使用予定だったが、8月2日の緊急事態宣言以降は、客席の収容人数を50%に制限して開催し、19日間20公演でのべ1万7000人を超えるお客様が来場。また、昨年に引き続きインターネットによる映像配信を実施し、全国の皆様に本音楽祭を届けた。川崎市フランチャイズオーケストラ東京交響楽団をはじめとした首都圏のオーケストラ、さらに地方都市からオーケストラ・アンサンブル金沢(石川県)、京都市交響楽団(京都府)も参加し、連日のオーケストラの競演に大いに沸き立った。このほか市内2つの音楽大学や、多彩なジャンルの公演も華を添えた。最終日の「東京交響楽団フィナーレコンサート」では、川崎市内の特別支援学校の生徒たちと日英の音楽家が協働して作曲した「かわさき組曲」が世界初演され、大きな感動を呼んだ。昨年に引き続き実施したコンサートの映像配信は、会場に行かなければ味わえないものであったコンサートの体験を身近なものにした。今年は全公演のオンライン鑑賞券を有料販売とし、8月9日の音楽祭終了時点で約5800枚が販売された。オンライン鑑賞券は引き続き、8月30日まで販売。8月31日まで鑑賞できる。■フェスタサマーミューザ KAWASAKI 2021 開催概要・イベント名称:フェスタサマーミューザKAWASAKI2021・会期:2021年7月22日(木・祝)~8月9日(月・振)・会場:ミューザ川崎シンフォニーホール・公演数:全20公演・主催:川崎市、ミューザ川崎シンフォニーホール(川崎市文化財団グループ)・後援:川崎市教育委員会、公益社団法人日本オーケストラ連盟、J-WAVE、OTTAVA・映像・音響制作:YouClassics・協力:株式会社東京 MDE、エヌ・ティ・ティ・スマートコネクト株式会社・助成:文化庁文化芸術振興補助金(劇場・音楽堂等機能強化推進事業)|独立行政法人日本芸術文化振興会、コンテンツグローバル需要創出促進事業補助金
2021年08月12日俳優の佐々木蔵之介が主宰する演劇ユニット「Team申」の第5回本公演『君子無朋~中国史上最も孤独な「暴君」雍正帝』がこの夏、京都で上演される。全国ツアーの合間を縫って佐々木が来阪、合同取材会で見どころを語った。『君子無朋~中国史上最も孤独な「暴君」雍正帝』チケット情報清の第五代皇帝、雍正帝をめぐる物語。テレビドキュメンタリー番組のロケでその存在を知ったという佐々木は、企画書にあった「一国の頂点にありながら、大臣や高官をすっ飛ばし、223の地方末端役人と直接手紙で1日20時間、罵詈雑言のパワハラ指示を出し続け過労死した、中国歴代200人の皇帝の中でも究極の独裁君主」の足跡を現地で辿るにつれ、手紙を介したこの言葉の応酬こそ「演劇的に絶対に面白くなる」と確信。瞬く間に規格外の個性とその生涯に魅了された。「雍正帝は45歳で皇帝になるまで仕事もせずに本だけ読んでいる“超ニート”。ただ、世界中の本や歴史に学び、ものすごい知識量があった。これが皇帝の仕事に活かされた。勤勉でひたすら現場の人間と手紙でやり取りする。4時から24時までずっと“テレワーク”。赤ペン先生ですよね。それも一律に厳しいのではなく、一人一人の個性も考えた上でのことだった。結局厳しくも優しく彼が人を信じて育てたことが、後世にも活かされてくる。暴君にして独裁。でもこれは、ものの見方だと思う」。7月の東京を皮切りに、仙台、広島と公演を重ね「見応えある言葉のバトルを楽しんでいただけている」と手応えを感じている。同時に「300年前の中国の話が、図らずもいまの話になった」とも。「こういう人がいたらいいなと、彼を通してひとつのリーダー論みたいなものを見れたなと思います。危機に面した雍正帝はこの国の未来をどうするかを考える。そこで『君子に友などいらない。自分には民と国しかない』と、すべてを断ち切って独裁者となるべく自らを追い込んでいく。彼の覚悟には学ぶべきところがある。今のEUと同じ面積である広大な国をたった一人で治める桁違いの責任感。ひとりの人間でありながらも、自分は天の子だと言い切っている彼のつらさや孤独とか。演じてみないと思いもつかなかったものを経験させていただいています」。なぜ皇帝になれたのか?物語には謎解きの面白さもある。「本来継ぐであろう王子とか、頭のいい人、戦争が得意な人も他にいた。誰も彼が皇帝になるとは思っていなかった。その謎が解き明かされていく。お客さんも見事にオセロを返してくれた、と思うみたいです」。最後に、中国の歴史ものと聞いて及び腰の人には「知識ゼロでいい」と言い切る。「とりあえず前半はずっと笑ってもらいながらお芝居は続きます。一緒に芝居を楽しんでいただければ」と笑顔で語った。京都公演は8月17日(火)から29日(日)まで、京都府立文化芸術会館にて。チケット発売中。取材・文:石橋法子
2021年08月11日手づくりの祭典「クリーマクラフトパーティ2021(ポートメッセなごや)」が名古屋に初上陸!日本各地で活躍する全国3,000名のクリエイターが集合し、アクセサリーやバッグなどのファッションアイテムからインテリア、キッチン、アート、器、手工芸品などの作品が展示販売される"マーケットエリア"や、伝統工芸士や人気クリエイターによるもの作りが体験できる"ワークショップエリア"、手作りにこだわった焼き菓子やパン、ジャムなどを販売する"フードエリア"まで、たっぷりお楽しみいただけます。久しぶりの大規模なクラフトイベントであり、名古屋で初となる本イベント開催を、この場に集うすべてのみなさまと思いっきり楽しみたい、そんな思いを込めた2021年の開催テーマは“PLAY”。イベント当日は会場にて「名古屋」をテーマにしたクリエイター作品の展示コーナーや、みんなで「巨大しゃちほこ」を作るフリーワークショップも登場。ここにしかない出会いや体験をお楽しみに。名称:Creema Craft Party 2021(クリーマクラフトパーティ2021)日時:2021年9月11日(土)・12日(日)各日10:00~18:00場所:ポートメッセなごや 第3展示館名古屋市港区金城ふ頭2-2入場料:前売券 800円(1日券)/当日券 1,000円(1日券) ※小学生以下は無料チケットは好評発売中。
2021年08月11日戦乱の世に終止符を打ち、265年にもわたる天下泰平の世の礎を築いた徳川家康。家康を祀る国宝・久能山東照宮(静岡市駿河区)には歴代将軍ゆかりの宝物500件2000点余りが収蔵されている。その中から選りすぐりの名宝150件を紹介するのが、特別展「徳川家康と歴代将軍~国宝・久能山東照宮の名宝~」だ。「質・量ともに久能山東照宮の宝物展の中で最大規模」という本展覧会の見どころをご紹介!久能山東照宮の創建にまつわる品々の中でひと際目を引くのが、二代将軍秀忠が本殿完成時に奉納した国宝の太刀「真恒(さねつね)」(平安時代末期)。刃長90㎝もある身幅の広い豪壮な造りで、まるで銀の砂子をちりばめたようなきめ細かい鍛え肌(きたえはだ)も美しい。家康が枕刀として愛用していた太刀切付銘「ソハヤノツルキ/ウツスナリ」(無銘 三池光世作)は、ご神体同然とされる久能山東照宮随一の重宝。三池(福岡県大牟田市)の刀工・光世により鎌倉時代に作られた刀で、今回は里帰り展示となる。先まで身幅が広い独特の形状は、三池ものの典型だ。その他、歴代将軍から奉納された12振りの刀剣(うち10振りが重要文化財に指定)が、見事な刀装とともにずらりと並ぶ。家康から慶喜まで、15代の歴代将軍の甲冑全20領が一堂に会しているのも圧巻。関ケ原の戦いで着用した「歯朶具足(しだぐそく)」など家康の甲冑3領は、戦場で大将の所在を知らせるための巨大な金扇馬標(きんせんうまじるし)と共に展示。二代将軍秀忠から十五代将軍慶喜までの歴代将軍の甲冑17領は、広い展示空間に勢ぞろいしている。各時代最高の技術や、甲冑の変遷を見ることができるのはもちろん、並べて見ることで「家康は恰幅が良かった」「八代将軍吉宗は、頭も足も巨大だった」など、在りし日の将軍たちの体格を想像できるのも面白い。「徳川家康関係資料」として重要文化財に指定されている家康公の愛用品の中には、スペイン国王から贈られた国内最古の洋時計(1573年製、1581年改造)や、日本で一番古いとされる鉛筆(メキシコ産、16世紀末期~17世紀初期)など、海外との平和交流にも尽力してきた家康ならではの品々も。NHK大河ドラマ「青天を衝け」で再び注目が集まる最後の将軍慶喜の書画やカメラなども興味深い。期間中、福岡市博物館1階グランドホールに刀剣男士「ソハヤノツルキ」「日光一文字」「へし切長谷部」「日本号」の等身大パネルと描き下ろしイラストが登場(写真撮影可)。展覧会出口物販コーナーではオリジナルコラボグッズも多数販売されている。本展は9月5日(日)まで福岡市博物館にて開催中。人気ゲーム「刀剣乱舞-ONLINE-」とのコラボチケット(特別展と企画展「天下取りと黒田孝高・長政」の共通券)も好評だ。チケットは発売中。
2021年08月11日ミュージカル『ストーリー・オブ・マイ・ライフ』が12月13日(月)~12月25日(土)まで東京・よみうり大手町ホールにて上演される。この度、2019年の初演ペアである田代万里生と平方元基に加え、新ペア太田基裕と牧島輝の出演が決定し、それぞれのメインビジュアルが公開された。日本初演時、ミュージカル界で活躍を続ける田代万里生と平方元基が、役柄を入れ替えての相互上演で話題となったミュージカル『ストーリー・オブ・マイ・ライフ』。今冬、新しいペアである太田基裕と牧島輝を迎え、クリスマスシーズンに合わせ上演される。メインビジュアルは田代&平方のハートフルさ、太田&牧島のクールさがそれぞれ際だつ出来栄えだ。アルヴィン役の太田は、「2度とない時に心から感謝しながら、劇場でお待ちしております」と観客へメッセージ。トーマス役の牧島は、「ペアである太田さんはとても頼れる方なので、時には頼って、時には頼ってもらえるように楽しみながら2人の世界を作りたいと思います」とコメントを寄せた。なお本公演のツアー公演はなく、チケットは今秋発売予定。■公演情報ミュージカル『ストーリー・オブ・マイ・ライフ』12月13日(月)~12月25日(土)上演※諸般の事情により当初の発表より初日の日程が変更になりました。何卒ご了承下さい。会場:よみうり大手町ホール
2021年08月11日10月10日(日)、兵庫・神戸国際会館こくさいホールにてライブイベント『STAY ROCK!』が開催される。出演アーティストは、ザ・クロマニヨンズ、THE COLLECTORS、My Hair is Bad。夢のような3組のロックバンドが神戸に集い、まだまだロックはここにある、元気でいることを発信する!「STAY ROCK!」チケット情報チケットは9月4日(土)10:00より一般発売開始。一般発売に先駆け、8月10日(火)18:00から16日(月)23:59まで、オフィシャル先行(抽選)を実施。
2021年08月10日1992年に大ヒットを記録した映画『ボディガード』を舞台化。2019年の英国キャスト来日公演に続き、翌年には待望の日本キャスト公演が実現した。しかしコロナ禍の影響でそのほとんどの上演が中止。念願の再演を前に、新たにレイチェル・マロン役に決まったMayJ.に話を訊いた。シンガーソングライターとして活躍し、2014年の映画『アナと雪の女王』の日本語版主題歌を担当したことで、一気に注目を集めたMay J.。昨年は「ブロードウェイ・ミュージカル『ウエスト・サイド・ストーリー』Season2」で初舞台、新たな境地を開いた。「これまで“May J.”としてしか舞台に立ったことがなかったので、そうじゃない瞬間というのがとても新鮮でした。なぜ彼女がこの言葉を発したのか?セリフの一つひとつに理由があり、それを考えることは、歌詞を解釈していく作業とどこか似ていて……。自分なりのストーリーを作って演じることを意識しましたし、またそれがとても楽しかったんです」そんなMay J.の次なる挑戦は、名作『ボディガード』のヒロイン役。長年色褪せない本作の魅力を、彼女はこう語る。「やっぱり音楽の魅力は大きいと思います。個人的にもとても好きで、繰り返しサウンドトラックを聴いていたくらい。そして何よりホイットニー・ヒューストン!演じているというよりかは、彼女自身が光っているような感じがして。彼女の魅力が存分に詰まった作品だと思います」同じアーティストとしてMay J.は、ホイットニーの歌声のどんなところに惹かれ、またそんな彼女の楽曲を表現するに当たり、どんなことを大切にしていきたいと思っているのだろうか。「パワフルな中にも繊細さがあるところ。そして感情をむき出しにして歌う、訴えかけるようにして歌うからこそ、しっかりメッセージが届くんだなと。まさに歌うために生まれてきた人ですよね。これまではホイットニーの曲として聴いていましたが、今回は自分の役の立場や、この曲でどういったストーリーを伝えなければいけないのか。それらを意識しつつ、しっかり歌えたらいいなと思います」まだまだ収束の見えないコロナ禍。だからこそ、エンターテインメントの重要性を感じる場面は多い。「舞台って夢の世界だと思うんです。まるでアトラクションに乗ったような感覚で日常を忘れられますし、この舞台がそういう時間になればいいなと。そしてお客さまにポジティブなパワーを届けられるよう、私も精一杯頑張りたいなと思います」取材・文:野上瑠美子
2021年08月10日毎年豪華アーティストの出演で盛り上がる『テレビ朝日ドリームフェスティバル』。3日目となる9月26日(日)は、番組「関ジャム 完全燃 SHOW」とのコラボイベント「関ジャム FES」を実施致します。また関ジャム FES出演アーティストも発表!関ジャニ∞と出演アーティストによる特別なライブパフォーマンスをお見逃しなく!<日程・場所>◆9/23(木・祝)【開場 14:00 開演 15:00】◆9/25(土)【開場 14:00 開演 15:00】◆9/26(日)【開場 14:00 開演 15:00】幕張メッセ 国際展示場1・2・3ホール(千葉)<出演アーティスト>◆9/23(木・祝)B’z、THE ORAL CIGARETTES、SHISHAMO、DISH//、Dragon Ash、BREAKERZ◆9/25(土)あいみょん、マカロニえんぴつ、MAN WITH A MISSION、緑黄色社会、レキシand more...!◆9/26(日)【関ジャム FES】関ジャニ∞、石崎ひゅーい、打首獄門同好会、関ジャムスペシャルバンド 、東京スカパラダイスオーケストラand more...!<チケット情報>全席指定:13,000円(税込)
2021年08月09日ジャニーズきってのダンサーで俳優の屋良朝幸が主演するミュージカル『ドッグファイト』が装いも新たに、4年ぶり3度目の再演が決定した。映画を原作に2012年オフ・ブロードウェイで舞台化。ベトナム戦争に従軍する海兵隊員たちの愛と成長を描く、ほろ苦い青春ラブストーリーだ。作詞・作曲は映画『ラ・ラ・ランド』などでアカデミー賞に輝き、ミュージカル『ディア・エヴァン・ハンセン』でトニー賞を受賞した黄金コンビ、ベンジ・パセック&ジャスティン・ポール。2015年の日本版初演を観劇した作家の二人から「グレイト!」とお墨付きをもらった屋良が、合同取材会で意気込みを語った。ミュージカル「ドッグファイト」チケット情報初演から主演を務める屋良は「日本版には唯一無二の魅力がある」と自信を見せる。「これだけダンスで魅せる『ドッグファイト』は、世界中どこにもない。初演を観た作家のお二人もそこを喜んでくれて、客席ですごく盛り上がってくれた。自分がダンスを突き詰めて来たからこそできた表現だったので、光栄でした」。今回の役作りでは、アメリカ海兵隊員らしい肉体改造に挑む。「やはり見た目も大事だなと。半年前からトレーニングを始めて体重を5、6キロ増やしました。筋肉が付くと踊れなくなるという話も聞きますが、実際はものすごくキレがある」。今作では、屋良以外のキャストを一新。「共演経験のある方も多く、皆さんどういう役作りをしてくるのか楽しみ」と期待を寄せる。後輩の今江大地(関西ジャニーズjr.)とは交流もあり「僕の振付もよく踊ってくれている。今作を通して今江君いいよね、と言ってもらえたら嬉しい」。初共演の小川優(ジャニーズjr.)とは「稽古で人柄を知っていければ」と話す。ジャニーズ事務所に入所して四半世紀が過ぎた。コロナ禍の自粛期間中は、自分が何者なのかを見つめ直す時間にもなったと振り返る。「エンターテイナーの見せ方のひとつとしてミュージカルに出演したり、振付けやライブもする。ダンスという武器はあるけど、未だに軸を探している感じ。でも10代の頃からアンダーグラウンドなダンスや新しいことをやりたいという反骨心は曲げずに、今でも持ち続けている。そこは良かったなと。ここまで来たら、自分のエンターテインメントの芯を作って、天国のジャニーさんにも『まだバカな事やってるよ』と自信を持って言いたい」と信念を語る。心機一転、主演作からまた次なる一歩を踏み出す。「振付やセットもガラッと変わるので、一度見たことがある方も新しい気持ちで見てもらえると思います」と笑顔でアピールした。公演は9月17日(金)から10月4日(月)まで東京・シアタークリエ、10月6日(水)愛知・日本特殊陶業市民会館ビレッジホール、10月21日(木)から24日(日)まで、大阪・梅田芸術劇場シアター・ドラマシティにて。東京・愛知公演はチケット発売中。大阪公演は8月21日(土)一般発売。チケットぴあでは8月20日(金)23:59まで先着先行を受付中。取材・文:石橋法子
2021年08月07日ヨーロッパで大人気のファンタジー、子どものためのオペラ《ゴールド!》~少年ヤーコプとふしぎな魚のものがたり(レオナルド・エヴァース作曲)が8月12日(木)・13日(金)に上演される(東京芸術劇場シアターイースト)。東京都と都響主催のサラダ音楽祭の一環。2012年にオランダで初演された作品で、これが日本初演。貧しいヤーコプが不思議な魚を助けたことから始まるさまざまな奇跡と「幸福」をめぐる家族の物語。原作はグリム童話の『漁師とおかみさん』で、主人公の漁師が男の子に替えられている。演出と日本語訳を手がけるのはドイツを拠点に活躍する演出家・菅尾友。「ドイツでは本当にどこに行っても上演されているという感じで、多くの劇場がそれぞれ独自のプロダクションを作っています。頻繁に取り上げられるだけあって、よくできているんです。オペラの入口として非常にわかりやすいうえに、いろいろ考える契機になる深い作品だと思います」というように、「考える」がポイント。優しくてわかりやすいことはもちろん大事だけれど、必要なのは子どもたちがそこから何を感じるか。「この作品は自分に何を問いかけているのだろう?」と考えるところまで広がってほしいのだと語る。「もっとオペラを見てみたい、また劇場へ行ってみたいと思ってくれるのが、僕としては一番うれしいこと。子どもたちだけでなく、一緒に見る大人も楽しめるように作りたいですね」《ゴールド!》では、客席が参加する場面もあって、会場は一体となって盛り上がる。「会場の子どもたちが波の音を作ることが、楽譜に指定されています。ただ、実際にどんな音をどうやって出すかは上演する側にまかされているので、いろいろ工夫したいと思っています」出演者はソプラノの柳原由香と打楽器の池上英樹の二人だけ。「柳原さんはオペラ歌手なのですが、ドイツでは演劇の公演にも出ているぐらい、演技力も非常に素晴らしい方で、この作品に適役です」オペラはけっして古くないと力を込める。「じつはオペラには新しい作品がどんどん生まれています。新しい、すごく生きた表現が試されているジャンルなんですね。その『いま』の作品に肌で触れていただくチャンス。ぜひご覧ください」夏休みの旅行はまだ計画しづらい状況だけれども、《ゴールド!》は、本当の幸福というものについて、一緒に考える機会を与えてくれる、絶好の家族イベントになりそうだ。(宮本明)■子どものためのオペラ『ゴールド!』~少年ヤーコプとふしぎな魚のものがたり8月12日(木)・13日(金) 東京芸術劇場シアターイースト※チケットは予定枚数終了■音楽祭メインコンサート8月13日(金) 東京芸術劇場コンサートホール子供のためのオペラ『ゴールド!』のチケットは予定枚数終了。音楽祭メインコンサートはチケットぴあにて8月11日(水)18時まで販売中。
2021年08月06日株式会社キューブに所属する若手俳優陣のサポーターズクラブC.I.A.のメンバーが一堂に会する夏のイベント「『超 MISSION IN SUMMER 2021』〜天下分け目の品川大合戦!統一するのは俺達だ!(仮)〜」が2021年9月4日(土)、品川インターシティホールで開催される。今年は「超」をテーマに活動しているC.I.A.だが、今回のイベントはどんな展開を見せるのか。金井成大、井阪郁巳、金井丈留の3人に意気込みを聞いた。これまでは運動会や6時間の生配信を行なってきたが、今回は、《合戦》をモチーフに、メンバーを出身地ごとに「東軍」と「西軍」に分けて戦うという。「合戦と言う以上、勝ちたいですね。関西の『俺らおもろいで』というプライドを叩きのめしたいです」と早くも闘志を燃やすのは、岩手県出身の成大。それに対して、「関西魂は持っているんですけど、僕は奈良出身なので……」と控えめに答える井阪だが、「今の時期にお客さんの前で生でできるイベントも少ないので、お客さんに喜んでもらえるよう、とにかく熱いバトルを戦いたいです」とも話した。第33回ジュノン・スーパーボーイ・コンテストで明色美顔ボーイ賞受賞し、今年5月からキューブに所属した丈留は、今回が初イベント。「先輩方の姿を間近に見て、どんどん吸収して、成長していきたいなと思います」と初々しい。ちなみに今回のイベントでは、新曲も披露される予定で、「今までにないような、切ない系」(成大)「口ずさみたくなる曲」(丈留)、「お祭りっぽい、高ぶる曲」(井阪)だという。本番まで楽しみにしていよう。今年は「超」をテーマに掲げて、活動してきたC.I.A.。上半期の手応えを尋ねると、成大は「新たなことにチャレンジする年だった。下半期にすでに決まっている仕事も、チャレンジングなことばかり。固くなりすぎず、楽しみたい」。井阪は、レギュラー番組で仕事運が好調と言われた上、デビュー10周年を迎える節目であることを挙げ「このままの勢いでいきたい。よりたくさんの人に知ってもらって、C.I.A.を盛り上げる一員としても頑張りたい」と話す。また、丈留は「自分の中で頑張らなくてはいけないことや楽しいことが見えてきました」。最後に改めて今回のイベントの意気込みとC.I.A.の展望を聞いた。井阪はテーマである「超」とかけて、「超チャレンジしまくっているので、超たくさんの人に知ってもらえるように、僕らも超魅力的になっていくので、超応援よろしくお願いします」。丈留は「堂々としている先輩たちの姿が格好いいなと思うので、自分も負けないぐらいに頑張っていきたいと思います」。成大は「C.I.A.が結成されてから3年経ったのが信じられない」と話しつつ、「俳優以外の活動もやってみようということが最初の狙いだったが、僕らにとってもホームになってきたし、応援してくださる皆さんへも俳優以外の違う部分を見せられる場所にはなっているはず。今後もさらに発展させていきたい」と締め括った。取材・文:五月女菜穂
2021年08月06日9月25日(土)・26日(日)の2日間、大阪・泉南りんくう公園にて開催される『GREENROOM BEACH』。「GREENROOM BEACH」チケット情報海風が心地よいビーチで、アーティストが奏でる音楽やビーチマーケット・ビーチフードを楽しんで、海の大切さ、素晴らしさを体感することができるビーチミュージックフェスティバルだ。このたび、最終出演アーティストとして、2日目の26日(日)に、clammbon、ビッケブランカ、ReNの3組が発表された!2DAYS TICKETと25日(土)の1DAY TICKET(一般/KIDS)はソールドアウト!26日(日)の1DAY TICKETは発売中。
2021年08月06日ピアソラ生誕100年記念企画 リシャール・ガリアーノ 日本ツアー2021 東京公演が、11月30日(火)、東京オペラシティコンサートホールにて開催される。クラシックの名門レーベル、ドイツ・グラモフォンと専属契約(これまで4枚のアルバムを発表)を結ぶ唯一のアコーディオン・バンドネオン奏者として、クラシック、ジャズ、タンゴ、シャンソンといったジャンルの枠を超えて活躍し、音楽界から高い評価を集めているリシャール・ガリアーノ。1983年、ガリアーノは「タンゴの革命児」アストル・ピアソラと劇的な出会いをはたし、「私が新しいタンゴを創ったように、君も新しいミュゼットを創るんだ」という彼の言葉に後押しされ、フランスの心とも言われる大衆音楽「ミュゼット」にジャズ、タンゴ、ブラジル音楽、ラテンなどの要素を大胆に取り入れた「ニュー・ミュゼット」の確立に心血を注いだ。その深い親交はピアソラが亡くなる1992年まで続いたという。2021年、アストル・ピアソラが生誕100周年を迎える記念すべき年に、 ガリアーノの3年ぶりの来日が決定。さらにステージには、旧知の仲であるジャズ・ヴァイオリニストの寺井尚子、アコーディオニストのcobaも登場する。ピアソラ・メモリアル・アンサンブルとともに「リベルタンゴ」、「オブリビオン」、「アディオス・ノニーノ」、「ブエノスアイレスの四季」などを演奏する予定だ。一夜限りのスペシャルステージに期待がかかる。チケット先行は9月1日(水) 昼12:00より、チケットぴあにていち早プレリザーブが受付開始。一般発売は9月25日(土)10:00より。
2021年08月06日豪華客船内で巻き起こるとびきり陽気なドタバタ騒ぎを、ジャズのメロディーと華やかなダンスで魅せるブロードウェイ・ミュージカル『エニシング・ゴーズ』。作詞・作曲を手掛ける名匠コール・ポーター最大のヒット作との呼び声が高い傑作コメディだ。演出に宝塚歌劇団の座付き作家・原田諒を迎え、元星組トップスターの紅ゆずるが主演を務める。大阪公演に向けた取材会で紅は「『めっちゃ面白かった!』と、ひと時現実を忘れられるのがエンタテインメントの良さ。地元大阪ではひと暴れしたいですね」とユーモアたっぷりに意気込みを語った。ブロードウェイ・ミュージカル「エニシング・ゴーズ」チケット情報ナイトクラブの大スター、リノ・スウィーニー(紅ゆずる)はウォール街で働くビジネスマン、ビリー(大野拓朗)に首ったけ。一方のビリーは社交界の華、ホープ(愛加あゆ)にゾッコン。そのホープは母親のイヴァンジェリン(一路真輝)に連れられ、英国紳士オークリー卿(廣瀬友祐)と船上で結婚式を挙げるためリノと同じ豪華客船に乗り込んでくる。偶然にも上司のホイットニー社長(市川猿弥)を見送るため港に来ていたビリーはそのことを知り、慌てて乗船。神父に変装した指名手配犯のギャング、ムーンフェイス(陣内孝則)と情婦のアーマ(平野綾)などワケありな乗客を巻き込みながら、何でもあり(エニシング・ゴーズ)な船旅の幕が開く。物語の根底にある“人を思いやる心”が大阪と似ていると語る紅。「一回喋ったら友達、みたいな心の近さとか、諦めないしつこさとか。心と心の交流がドラマを生み出していくのだと思います」。演じるリノは世話好きで豪快な女性だ。「みんなが大惨事!となっている時も、『しょうがなくない?』と言える心の余裕や器の大きさをすごく感じます。一言で周囲を納得させてしまう説得力や存在感が必要だなと」。そこは組を率いた経験が大いに生かされる。反面、男役の癖がついつい出てしまうことも。「男性とのデュエット場面で、毎回相手をリードしてしまったり、無意識に肩で風切って歩いてしまうんです」と苦笑。さらに本作では「メロディーや音階が複雑で難しい」歌唱や、衣裳の着こなしでも女性らしさを追求する。「今までに観たことのない紅ゆずるになると思います。ファンの方が観たら、ビックリするかもしれないですね」。良いものを目指し、演出家からの要望も尽きないが「やりがいがある」と闘志を燃やす。大恐慌から少し落ち着きを取り戻した1934年に初演、同時代を生きる人々から圧倒的な支持を得た本作。「しんどい時代にこそ喜劇が求められるんだなと。人間の強さを象徴的に表すような作品だと思います。心の底から笑って『観に来て良かった』と思っていただけたらうれしいです。期待してお待ちいただきたいです」。公演は8月11日(水)から29日(日)まで東京・明治座、その後、愛知、大阪、福岡を巡演。大阪公演は9月17日(金)から26日(日)まで新歌舞伎座にて。チケット発売中。取材・文:石橋法子
2021年08月06日20世紀最高峰の物理学者とたたえられるアルバート・アインシュタイン(1879~1955年)。彼の発見した歴史的な科学理論やその天才肌のキャラクターまでも知ることができる『アインシュタイン展』が、7月17日に大阪でスタートした。ノーベル賞受賞100年記念 「アインシュタイン展」チケット情報20世紀前半に『相対性理論』『ブラウン運動』の理論などを提唱し、1921年には『光電効果』の理論的解明によってノーベル物理学賞を受賞したアインシュタイン。2021年はその受賞から100年記念にあたり、本展ではアトラクションなどで分かりやすく科学に触れられる内容が話題に。先立って行われた内覧会より、3つの章で構成されたその内容を解説しよう。まず第1章では、アインシュタイン本人が投稿したようなSNS風に綴られたヒストリーで、彼の人間味あふれる姿にスポットを当てる。また、1922年に来日した際のエピソードも、ヘブライ大学などが所蔵する写真や直筆原稿を通して紹介する。続いては、アインシュタインが発表した4つの歴史的論文を体験型の展示を通して学べる第2章へ。予測できない不思議な動きである『ブラウン運動』(この説を証明した論文が『原子の存在の証明』)を体感できる『光のランダムウォーク』や、自転車をこぎミッションをクリアする『爆弾解除!光速サイクリング』では『特殊相対性理論』が自然と理解できる仕掛けに。他にも『光量子仮説』や最も有名な『一般相対性理論』についてのゲームや漫画を使ってのパネルで、楽しみながら知識を深めることができる。そして最終章では、天才・アインシュタインの予想をもはるかに超える、現代技術や最先端の研究についても提示。また、核兵器廃絶と科学の平和利用を訴えた『ラッセル=アインシュタイン宣言』の原文(複製)などを通し、彼の平和主義者としての活動についても知ることができる。アインシュタインの頭の中をのぞくような数多の展示で、科学の世界がより色づいて見えることだろう。ノーベル賞受賞100年記念『アインシュタイン展』は10月10日(日)まで、大阪市立自然史博物館 ネイチャーホール(花と緑と自然の情報センター2階)にて開催中。会期中は、『情熱大陸』などでおなじみのナレーター・窪田等による音声ガイドも貸出実施(別途600円)。取材・文:後藤愛
2021年08月05日イギリスで大ヒットし、ウエストエンドでロングラン上演を続けるミュージカル『ジェイミー』が日本に初上陸する。実話を元に、ドラァグクイーンになることを夢見るゲイの高校生ジェイミーが、さまざまな問題や困難を乗り越えていく姿をポップミュージックで綴る。ジェイミーをダブルキャストで演じる森崎ウィンに話を聞いた。ミュージカル「ジェイミー」チケット情報現在、舞台の稽古真っただ中。「演出を手掛けるジェフリー・ペイジさんは、ジェイミーがゲイだからこうして、というのはまったくないんです。あくまでも一人の人間としての描き方で、型にはめない。『僕は指揮者だから、指揮者はバイオリニストに弾き方は教えない。持ってきたものに対して全体のバランスをとるから』と。僕もプロとして彼に提示できるものをすべて持っていきたいです」と気を引き締める。ジェイミーはイギリスの公営住宅に母親と住み、子どものころから母親の服を着、靴を履いて遊んでいた。父親は家を出て行ってしまったが、母親から真っ赤なハイヒールをプレゼントされたことをきっかけに、夢に向かって突き進むことを決心する。ミュージカルの元となったジェイミーの姿は、英BBCのドキュメンタリー番組で放映され、森崎はその本人と対談する機会があった。「ジェイミーはいろんなエピソードを笑って話してくれましたが、いじめられていたこともあり、相当傷ついてきたんだなと目を見ていたら想像がつきました。僕は自分なりのジェイミーを作りますが、彼から得たものを化学反応として気持ちで発せられたらと思います」。ほかにも届けたい思いがある。「恐怖心を解いて、自分らしく自由になること。ジェイミーご本人も『何でもいいのよ、どんな服でも自分が自信をもって着れば、すごく素晴らしくなるから』と言っていました。観客が自分らしくいられる、背中を押すような作品にしたいです」。映画やドラマでも活躍中の森崎。2018年公開のスティーブン・スピルバーグ監督の映画『レディ・プレイヤー1』では、オーディションを勝ち抜きハリウッドデビューを果たした。「この世界にいていいんだと言われた気がした。向いているのかなと悩むより、まずは努力しよう」と考えるようになったという。大きいミュージカルは今作で2本目だが、来年は『ピピン』の主演にも抜擢され、大役が続く。「いつか海外公演もやりたいですし、ブロードウェイにも立ってみたいですね、人生一度きりですから。早く自由に行動できる社会に戻ってほしいですが、ジェフリーは『コロナは言い訳。それでもできることはある』と。まずは『ジェイミー』の日本初演で、こんなにいい作品を作ったんだと自分たちを認め合えるカンパニーにして、自信を持ってみなさんに届けたいです」。公演は8月8日(日)から29日(日)まで東京建物Brillia HALL、9月4日(土)から12日(日)まで大阪・新歌舞伎座、9月25日(土)・26日(日)愛知県芸術劇場 大ホールにて。チケット発売中。取材・文:米満ゆう子
2021年08月05日森雪之丞、河原雅彦、亀田誠治という強力なスタッフ陣で贈る、ロック☆オペラ『ザ・パンデモニアム・ロック・ショー~The Pandemonium Rock Show~』。9月の開幕を前に、キャストのひとりの水田航生に話を訊いた。今回と同じく、森が作・作詞・楽曲プロデュースを手がけた『怪人と探偵』(2019)にも参加している水田。森作品の魅力を、こう語る。「口語的ではないというか、詩的な言葉選びがとても新鮮だと思いました。作品として魅力的なのはもちろん、雪之丞さんご本人のお話がとにかく面白いんですよ。当時から雪之丞さんのロック愛は感じていましたが、それが今回もプロット段階から至るところに散りばめられていて!ただ僕は昭和ロックサウンドについてまだまだ勉強不足で、ト書きのひと言からしてわからない(笑)。なのでこれからいろいろ下調べをして、当時のミュージックシーンについて深掘りしていけたらなと思います」1966年から80年代を舞台に、昭和ロックサウンドを巡る若者たちの葛藤や成長を描き出す本作。水田は、中山優馬演じる楠瀬涼とともに、ロックバンド「THE REASON」を結成する山下勝也を演じる。「山下はバンドのリーダーで、ギタリストという役どころです。普段僕は完全に弟分キャラなんですが(笑)、今回は稽古の段階からリーダーらしく、頼りがいのある男にならないとなと思っていて。さらに客観的な目もありつつ、ロックに熱い。そんなリーダー像を意識していきたいですね」演出を手がけるのは、近年引く手あまたの河原。「河原さんの作品はいろいろ観させていただいてますが、繊細な部分はもちろんありながら、どちらかと言えば豪快なイメージの方が僕は強いです。あといつも笑っていらっしゃるイメージ。稽古場では怖いらしいですけど……。ただ僕は喧嘩上等でいく予定なので!あっ、もちろん喧嘩がしたいわけではなく(笑)、自分が腑に落ちないことを、いい子ぶって『わかりました』とは言いたくないというか。お互いに納得いくまで話し合いたいですし、そういう関係性を河原さんともつくっていけたらなと思います」さらに音楽の亀田が、公演の全楽曲を書き下ろす。「亀田さんの音楽、もう間違いないですよね(笑)。以前『カノジョは嘘を愛しすぎてる』という映画に出演した時、亀田さんが音楽プロデューサーをされていたのですが、デモの1曲目を聞いた瞬間衝撃が走って!本作の楽曲も必ずや素晴らしいものになると思うので、今から本当に楽しみです」取材・文:野上瑠美子
2021年08月03日ドラァグクイーンを夢見る男子高校生を主人公にした、話題のミュージカル『ジェイミー』。2週間後に開幕が迫った7月下旬、「バンドリハーサルのぞき見会」がオンライン配信された。演劇関係者でもなかなか立ち会えないバンドリハーサル。気になるその中身とは?『ジェイミー』の音楽世界を彩るミュージシャンは、音楽監督・ピアノ・コンダクターを兼任する前嶋康明を筆頭に全部で13人。自己紹介を終えると、さっそくリハーサルがスタートした。M1の『誰も知らない』は、オープニングにふさわしく、本作への期待感をグッと高めてくれるナンバー。曲名にもなっている「誰も知らない」というコーラス部分は、一度聴いたら必ずや口ずさみたくなるフレーズだ。演奏が終わるとテナーサックスの竹村から、「“タラタッ、タラタ”にするか、“タタタン、タタタン”にするか」と前嶋に質問が。前嶋は後者を選択しつつ、「そうなんだよ」と納得の表情。竹村の「いいね、有意義な時間」とのやり取りに、チームの雰囲気のよさが滲む。続いてM2『頭の中の壁』。悲しい思い出を抱えつつも、前を向き、壁を越えていこうとするジェイミーの心の移り変わりを、見事にメロディで表現した一曲だ。M3の『スポットライト』は、ジェイミーの親友プリティがメインのナンバー。優しく、そして力強くジェイミーの背中を押すプリティだが、その美しく伸びやかな旋律は、聴く人すべての応援歌になるだろう。M4『伝説のロコシャネル』は、これまでの楽曲から一転。ジェイミーをドラァグクイーンの世界へと導くロコシャネルの半生が、ムーディなメロディに乗って語られる。特に冒頭のシンバルとトランペットが印象的。M5『もし昔の私に会えたなら』はジェイミーの母親マーガレットのソロ。一音一音をたっぷりと響かせるスローバラードで、マーガレットの後悔や悲哀を秘めつつ、その根底にあるのはジェイミーへの愛だと感じさせる切ないナンバーだ。M6『芸術』はジェイミーや生徒たちによるアップテンポなナンバー。リズムで聴かせつつ、カットインする重厚なギターサウンドがカッコいい。そして最後はM18『アンコール』。こちらはぜひ劇場でご確認を…。『ジェイミー』の楽曲について前嶋はこう語る。「ポップスを下敷きにした数あるミュージカルの中でも、この作品の楽曲はすごく覚えやすい。どの曲もスッと入ってくるので、ぜひラフな感じで楽しんで欲しいです」取材・文:野上瑠美子
2021年08月02日