チケットぴあがお届けする新着記事一覧 (77/342)
新作落語のカリスマ、三遊亭円丈の「実験落語neo」第16弾が上演に。円丈の薫陶を受けてきた林家彦いちが出演し円丈と共に高座を務めるほか、彦いち曰く「カタルシスの塊」な円丈の名作『グリコ少年』の1980年のお宝映像も上映、円丈と彦いちによる振り返りトークを行う。【チケット情報はこちら】「円丈師匠は僕にとって、20代の不安な時期に判子を押してくれ、創作落語の指針となってくれた方です」と彦いちは言う。「初めてきちんとお話ししたのは、ネタ合評会の時。僕は『横隔膜万歳』というネタを考えたのですが、他の師匠が物語の運び方などを助言くださる中、円丈師匠は『君、横隔膜、外したいの?』『外したいならやったほうが良いよ』と。で、落語協会の2階で外す練習をしたんです。『3回撫でてみよう』『右回りだよ』なんてやっていたら、入ろうとした事務員さんがそっと扉を締めるのが見えて(笑)。僕が横隔膜の左のほうに手を当てて『うっ』と言ったところ『それでいいんだよ!』。外れた、という落語ができました」彦いちが、主人公が轢き逃げに夢中になるというブラックな噺『最終宣告』を作った折には、円丈から喫茶店に呼ばれたという。「『そういう感覚を大事にしなさい』と言われ、以後、作るネタは全部聴いてくださいました。否定されたことは一度もありません。突然、長い手紙をいただいたこともありますね。”君と僕は友達だ”で始まり、宇宙の話で終わっていました。それは宇宙であり君である、と。嬉しかったですね。どうご恩返しできるか考えていたら『僕ではなく後輩にしてあげて』と。この世界で一番大事なことを教わりました」円丈による新作落語の実験会「応用落語」「第二次実験落語」「落語ジャンクション」に参加してきた彦いち。彼が三遊亭白鳥、春風亭昇太、柳家喬太郎と結成した話芸集団SWAもその延長線上に生まれたものだ。新作落語のパイオニアである円丈を、彦いちは砂漠にラスベガスを作ったベンジャミン・シーゲルのあだ名にちなんで「一人バグジー」と呼ぶ。「師匠は、何もない荒野を切り開いた方。その下に水脈はあったにしても、それまでの創作落語とは一線を画すものを生み出し、落語というものに自由をもたらしたんです。第一次実験落語の頃は、客席の後ろから落語をしたり、懐からザリガニを出して噺に登場させたり、お客を川の両端に座らせて弟子のらん丈兄さんに川を流れながら落語をやらせたり、色々な実験をなさったそうです」今年は彦いちにとって、芸歴30年、50歳の節目。「後戻りはできないですよね。今、(若手噺家がエントリーして創作落語のネタおろしをする企画)『しゃべっちゃいなよ』を隔月でやっているのですが、苦しいけれど毎回、自分もネタおろししています。円丈師匠は戦っている背中を僕に沢山見せてくれた。僕もそれを受け継いでいきたいですね」『実験落語neo~あの頃のシブヤ炎上~』は12/20(金)CBGKシブゲキ!!にて。当日券は17:50より劇場前で先着順販売予定。取材・文:高橋彩子
2019年12月17日津軽三味線に新しい風を起こし、独自の道を切り開いてきた吉田兄弟が、2019年にデビュー20周年を迎えた。これまでの思いや新作、2020年2月に開催する『吉田兄弟 20周年記念~スペシャルコンサート』について、ふたりが語った。「吉田兄弟」チケット情報1999年にデビューして以来、その驚異的なテクニックや、口ずさめるようなフレーズ、多彩なアーティストとのコラボレーションなどで多くのファンを獲得してきた。「2003年に全米デビューし、いろんな国でプロモーションしてつくづく感じたのは、津軽三味線だけでは限界がある。日本のいろんなアーティストとセッションやコラボをして、その力や可能性を見せていかないと。それを実行し、やっとここまで来たという思いです」と弟の吉田健一。兄の良一郎も「20年前だったら、津軽三味線とJ-POP・ROCKが一緒に演奏するなんて考えられなかった。でも、この20年で変わり、和と洋楽器が垣根を超えてコラボできるように。世界中にこんな音楽はないですよね。“どう、すごいでしょ津軽三味線!”というのを見せられたと思います」と力を込める。そのふたりの思いを結集させたニューアルバム『THE YOSHIDA BROTHERS』(2020年1月8日発売)は、2000年から現在まで、吉田兄弟がさまざまなアーティストとコラボした楽曲や新曲が入る。ヲタ芸のグループGinyuforcEと共演した『雷-IKAZUCHI-』は疾走感あふれ、「ヲタ芸が踊りやすいスピードで作り、速さは吉田兄弟史上マックス。あれ以上は速く弾けない(笑)」と健一。「まさかヲタ芸とコラボするとは(笑)。演奏中、後ろで彼らが踊っていてすごく面白かった」と良一郎もうなずく。一転して、オーケストラと共演した『ファビア・サントコフスキー:2つの三味線のための協奏曲』は、自然の中を津軽三味線が旅するという曲。三味線のために協奏曲が書かれたのは世界初で、譜面に基づきながらもふたりの即興演奏が入る。三味線で蝉や風の音などを表し神秘的だ。「コンサートで演奏中、指揮者の大野和士さんも乗ってきて、どれが指揮の合図だか分からなくなって(笑)。途中でロストしましたが、無事に弾き終えた。かつてない大挑戦になりました」と声を揃える。ほかには来年公開のアニメ『ジビエート』のオープニングテーマ曲など、聴き応えのある作品に仕上がった。20周年を迎えるコンサートはギターや尺八、太鼓などを交えた約10人編成。「僕らの集大成でありますが、未来を感じさせるものにしたい。20周年でもここからもう一度始まる、1年生の気持ち」と健一。「津軽三味線はお年寄りだけがやる楽器ではなく、20年かかって若者や海外の人が演奏するカッコいい楽器になった。もう一歩、僕らで進めたいです」と良一郎。新1年生が奏でる音にじっくりと耳を澄ませたい。公演は2月1日(土)・2日(日)、NHK大阪ホールにて。チケット発売中。取材・文:米満ゆうこ
2019年12月17日夏川りみが、デビュー20周年を記念して1月11日(土)、NHK大阪ホールで「20th Anniversary Tour 2019 『みーふぁいゆー』 ファイナル」を開催する。タイトルは“ありがとう”という意味。「111と並ぶおめでたい日に、感謝を込めてみんなで楽しくお祭り騒ぎをしたい」という夏川に思いを聞いた。「夏川りみ」チケット情報今年8月、「愛」をテーマにした5年ぶりの新アルバム『美らさ愛さ(ちゅらさかなさ)』をリリース。同名曲では、ウチナーグチ(沖縄の方言)は話せないが、「島の美しさを表現するには方言のほうがしっくりくる」と、夏川が方言の専門家とやりとりしながら歌詞を手掛けた。歌の最後には琉歌(沖縄諸島などに伝わる短詩形の歌)が入り、切なく幻想的だ。「琉歌は泣きとも言われるんですが、本当に難しくて。方言を含め20周年記念のいい経験になりました」。また、激しいエレキギターのイントロが印象的な『マモリウタ』では、「『歌でしか言えずごめんね』というフレーズが自分らしくとても気に入っているんです。最後には『わたしの歌であればいい』と結び、ファンにはひとりじゃないよと伝えたい」という。ほかにも、フォークの曲調に初挑戦した軽快な『愛ならそこにあるでしょう』など、今の夏川を表現した選りすぐりの9曲が収められている。夏川の人生を変えたのは大ヒット曲『涙そうそう』だ。2000年、この曲を作曲したBEGINがテレビで歌っているのを見て、“一目惚れ”。メロディ、歌詞ともに衝撃的だったという。「その頃は何をやってもうまくいかなくて、毎晩飲み歩いていたのですが、あの晩、飲みに行かなくて家にいて本当に良かったなと(笑)。あのタイミングじゃなければ、出会えなかった」と振り返る。「大切な曲だから」と夏川が歌うのを渋るBEGINを「どうしても私が歌いたい」と説得し、ヒットになるなんて考えもしなかったという。「今でもコンサートで歌うたびに、客席で泣いている人が目に入る。それを見ると、私ももらい泣きしてグググッとくるので、客席を見ないようにして歌っています。歌は私の感情ではなく、お客さんの色に染めてほしい。初めて出会った衝撃と感謝の気持ちを忘れないので、毎回、新鮮な気持ちで歌えるんです。この曲がなかったら今の私はなかった」と言い切る。コンサートでは新曲を中心に沖縄の民謡など、観客と一緒に踊れるような曲も披露する。20周年を迎え「私の歌を生で聴いたことがない人は多いし、まだまだです」と謙虚。最後に「ヒットに恵まれず、歌でやっていくのは無理かもと思った時期があった。でも、どんなにつらい時でも、飲んでカラオケで歌っていると『イェーイ!』と楽しくなれる(笑)。私も歌に助けてもらっているんです」と朗らかに笑った。公演は1月11日(土)、NHK大阪ホールにて。チケット発売中。取材・文:米満ゆうこ
2019年12月17日韓国、台湾でも記録的ヒットを飛ばした日本発のミュージカル『デスノート』がオール新キャストで上演される。主演の夜神月(やがみライト)役は村井良大と甲斐翔真のダブルキャスト。丁寧な語り口と柔らかな物腰に、隠しきれない人の良さがにじむ村井に、狂気をはらむライト役への意気込みを訊いた。「デスノート THE MUSICAL」チケット情報デスノートに名前を書かれた人間は40秒で死ぬ――。成績優秀な高校生・夜神月は死神リュークが落としたデスノートを拾ったことから、「自分こそが神に選ばれ、犯罪者のいない世界を創る“新世界の神(=キラ)”だ」と確信、犯罪者の粛清を始める。ネット上でキラへの称賛が高まる中、警察は謎の名探偵L(エル)と秘密裏に捜査を開始する。その頃、アイドルの弥海砂(ミサミサ)もまた、新たなデスノートを手にしていた…。「最近、自分が思う自分と周りが思う自分が変わってきている」と村井。「ライト役ももっとカッコいい人がやる印象があったので、正直驚きました。自分の市場価値はどうなっているんだ、と(笑)。ざわざわした輪郭がどんな風にまとまるんだろうかとか。役者としての幅を広げる意味では、予想外の役をいただけるのはうれしいこと。できると選んでいただけたことも勲章ですし、その気持ちにお応えしたい」。ミュージカル版のライトは「普通の青年であること」がポイントと見る。「演出の栗山民也さんはお芝居というものを非常に生っぽく作られる方という印象で、ライトにも身近な雰囲気があるからこそ、最後はちょっと痛い感情になるというか。栗山さんの『いやいや、普通の人間ですから』というのが強く現れている気がして面白いなと。正直ライトに共感する部分はありますね。彼の言動は間違っていない。ただ、正解でもないのが良くないんだけど。強大な力を持った人間がどう変わっていくのか、丁寧に演じたいと思います」。作品を彩る楽曲は、「その曲を聞けば役柄の人間性が分かる」ほどドラマチックで雄弁だ。「ライトで言えば彼の中の弱さや神のような傲慢さ、うごめく感情が楽曲に現れている。同時にエルの世界観もミサミサの気持ちも分かるから、いろんな人に共感できる。その“答えのなさ”がこの物語の魅力だと思います」。原作ファンには、舞台ならではの魅力もアピールする。「ミュージカルってどこか現実を飛び越えるようなぶっ飛んだ瞬間がある。漫画や映画もいいけど『これもありだな!』と思ってもらえるものを作りたい。舞台の楽しさに気付かせてくれる作品だと思います」。公演は1月20日(月)から2月9日(日)まで東京・東京建物Brillia HALL、2月29日(土)から3月1日(日)まで大阪・梅田芸術劇場メインホールにて上演。他、静岡、福岡公演あり。取材・文:石橋法子
2019年12月17日12月13日(金)、東京国際フォーラム・ホールCにてミュージカル『サタデー・ナイト・フィーバー』の日本公演が遂に開幕!直前に行われたゲネプロのカーテンコールには、公式サポーターのDJ KOOとアン ミカも登場。主演のリチャード・ウィンザー、ヒロインのオリヴィア・ファインズらに混ざって、観劇の興奮を熱いダンスで爆発させた。ミュージカル「サタデー・ナイト・フィーバー」 のチケット情報公演後の記者会見に現れたDJ KOOは「いや~、もう踊っちゃったよ」と照れくさそうにポロリ。アン ミカも「あぁ~、すごい経験させていただいた~」とため息交じりで心境を語った。さて、改めてミュージカル『サタデー・ナイト・フィーバー』とは、70年代にディスコブームを巻き起こした同名映画のミュージカル版。今回上演されるのは、2018年に開幕した英国ツアーからの流れで初上陸した最新版だ。主演のトニー・マネロ役にはマシュー・ボーン版『白鳥の湖』で主演を果たしたリチャード・ウィンザー。ヒロインのステファニー役には、舞台『雨に唄えば』で注目のオリヴィア・ファインズが務める。熱気あふれるダンスシーンをふんだんに盛り込んだ第一幕。ドラマティックな展開にホロリと胸がうずく第2幕。どちらも映画の名シーンを忠実に再現してあり、サポーターの両名も感動と興奮をあらわに。カーテンコールでは観客も一緒にディスコダンスを踊れるというイキな計らいに乗っかって、ふたりも熱いダンスを披露したというわけだ。「もうね、興奮がそのままカーテンコールで出ちゃったよ。見てて踊りたくなるし、自然に体が動いちゃうもん」(DJ KOO)「手をグルグル回したりだとかお子さんもできる踊りなので、みんなで踊って欲しいですね!」(アン ミカ)内容に関しても絶賛が止まらない。「映画をリアルタイムで観た世代にとっては忠実さに感動。シリアスな場面、身近な生活の場面、非日常的なことも含めて、生で観られたのが嬉しい!」(DJ KOO)「贅沢ですよね~! 目の前で観たことで、日本でもアメリカでも悩んでいることは同じなんだと実感しました。職場の問題、地域格差、青年の葛藤とか。その中にディスコという存在があって、自分の居場所があるという話は時代を超えて共感できます!」(アン ミカ)最後にふたりは、家族とのプライベート観劇の予定があることも打ち明けた。公演は12月29日(日)まで。チケットは発売中。取材・文:浅水 美保
2019年12月16日12月15日に、千葉県・市川市文化会館 大ホールにて音楽劇「ロード・エルメロイII世の事件簿 -case. 剥離城アドラ-」のプレビュー公演が上演された。12月19日(木)からは、東京・なかのZERO 大ホールを皮切りに本公演がスタートする。音楽劇「ロード・エルメロイII世の事件簿-case.剥離城アドラ-」のチケット情報本作は今年TVアニメ化もされ話題を呼んだ、三田 誠による小説『ロード・エルメロイII世の事件簿』が原作。その第一巻である『case.剥離城アドラ』を舞台化したものだ。ロード・エルメロイⅡ世(松下優也)とその内弟子・グレイ(青野紗穂)は、ある招待状を頼りに “剥離城アドラ”へ赴く。そこには、城の持ち主であるゲリュオン・アッシュボーンの遺産相続のために、名だたる魔術師たちが集められていた。ロード・エルメロイⅡ世をはじめとする魔術師たちは、遺産相続のため招待状の謎を解くことになるのだが、その謎解きこそ、彼らに待ち受ける事件のはじまりだった。事件が進んでいく様子は、ステージ中央で厳かな雰囲気を放つ“剥離城アドラ”のセットを軸に、城に集まった魔術師たちの視点にも切り替わりながら展開していく。ひとりひとりにしっかりフォーカスしながら、次は何が起こるかわからない“ハラハラ感”と、衝撃の展開の数々はミステリーならでは。本作を描く上で欠かせない魔術は、プロジェクションマッピングのほかに、キャストたちによるイリュージョンでも表現されている。登場人物たちの手に一瞬にして花が現れたり、水がスモークに変わったりと、本当に目の前で魔術が使われているかのような感覚に。魔術を表現するために様々な仕掛けが組み込まれ、ひと時も目が離せない。さらに音楽面にも注目したい。和田俊輔が手がける荘厳で神秘さも感じさせる楽曲の数々と、その楽曲に乗る松下や青野らキャストたちの伸びやかで力強い歌声は聴いていて心地よく、一気に物語の世界に引き込まれる。目で見て耳で感じる、壮麗で幻想的な魔術の世界はぜひ劇場で体感してほしい。音楽劇「ロード・エルメロイII世の事件簿 -case. 剥離城アドラ-」は、12月19日(木)から本公演がスタート。東京は、なかのZERO 大ホールにて12月23日(月)まで。大阪はサンケイホールブリーゼにて12月26日(木)から28日(土)。福岡は久留米シティプラザ ザ・グランドホールにて2020年1月11日(土)・12日(日)。2020年1月17日(金)から19日(日)には新宿文化センター 大ホールにて上演される。取材・文:渡邉千智
2019年12月16日学ラン姿でコンテンポラリーダンスや楽器演奏、コント、人形劇などを展開するダンス集団のコンドルズが、コンドルズ大阪限定 クリスマス会×忘年会公演2019『SMILE』を開催する。主宰の近藤良平に話を聞いた。コンドルズ大阪限定 クリスマス会×忘年会公演2019「SMILE」チケット情報結成23年を迎えた今、メンバーは30代から50代までの19人。昨年から、スピーディーでキレのある若手ダンサーを前に出した踊りが多くなってきた。世代交代に一抹の寂しさを感じないかと聞くと、「まったくないですね(笑)。僕も50代だけど、おじさんメンバーが出るときには『一丁やってやるか』と、若手に負けじとする気合が入るんです。長年のメンバーでダラダラとなりかけた時期もあったけど、若手を活躍させると全体が締まってきた。おじさんたちは物忘れが多くなってきたけど(笑)、相互作用で頑張っています」と飄々と語る。近藤ら本職のダンサー以外は、会社の社長やバーのマスターなど個性派が揃う。「先月の兵庫公演では、鎌倉道彦君がふんどし一丁になって、ダンスを交えて神戸タワーに行くシーンがあったんですが、今回はその“超大阪版”をやります(笑)」。また、個性的な風貌ながら実は大学の准教授で、その摩訶不思議なダンスで観客の笑いを誘う石渕聡が中心となるダンスを構成中で、稽古場では「石渕さんを若者が支えまくっている状態(笑)」だという。さらに、体重120キロの巨漢をいかしたオクダサトシの踊りも面白い。「世界各国を回っていて、どの国でもオクダさんは大人気でズルいんですよ(笑)。でも、南アフリカだけは彼よりもふくよかな女性が多くて、あまりウケなかった(笑)」。そんな濃い面々がコンドルズを支えてきた。人形劇や映像など笑えるシーンが多いが、ほかのダンスはもちろん、近藤が最後に見せるソロも格好よくて圧巻。「19年前のニューヨーク公演で初めてソロを踊った時に、『いろんなことをやっても、君のソロでコンドルズのやりたいことがまとまる。絶対にソロはやったほうがいい』と現地のプロデューサーに言われたのが始まりです」。静寂に包まれ、近藤の吐く息や身体を動かす音が場を支配する。「武士が全員、刀に手をかけているけれど誰も動かないみたいな、緊張した研ぎ澄まされた瞬間。僕にとっても贅沢な時間です」。今年で18回目を迎える年末の大阪公演。「毎年、大阪で踊り納めができるのは本当にうれしい。メンバーによる恒例の大喜利もやりますし、タイトル通り、笑顔の未来へという意味を込めたい」。それぞれが好きなことをして生き、踊り続けるコンドルズ。その捉われない自由な姿はうらやましくすらある。年末は彼らと共に楽しい締め括りを。コンドルズ大阪限定 クリスマス会×忘年会公演2019『SMILE』は、12月21日(土)・22日(日)、グランフロント大阪 北館4階 ナレッジシアターにて上演。チケット発売中。取材・文:米満ゆうこ
2019年12月16日リーディングシェイクスピア「ロミオとジュリエット」が12月17日(火)より22日(日)まで東京・サンシャイン劇場にて上演される。「ロミオとジュリエット」は言わずとしれた劇作家ウィリアム・シェイクスピアの名作戯曲。その作品を第一線で活躍中の人気声優が回替わりで出演し、リーディング形式で上演する。本作の構成、演出を担当する深作健太、また一部の出演者から本公演に対する意気込みを聞いた。リーディングシェイクスピア「ロミオとジュリエット」のチケット情報<構成・演出 深作健太>活躍する素敵な声優さん達と、朗読劇を御一緒するようになって三年目。一月の『ハムレット』に続き、十二月はいよいよ『ロミジュリ』です。この公演で、初めてシェイクスピアに触れる、そんなお客様も多いかと思います。いま世界中で〈格差〉が意識され、国境の〈壁〉が甦ろうとしている時代。遠い海の向こうの物語としてではなく、僕たち自身の物語として、心の〈壁〉を壊し、〈橋〉を架ける、そんな公演になればと思います。<田中美海>切なくも激しいロミジュリの朗読を演じることができてとても嬉しいです。非常に劇的なお話しなので台詞の言い回しなど、情熱に溢れる舞台に出来たらいいなと思います。動きもかなり多くなるということで、頑張ります…!<中島ヨシキ>誰もが知る名作が、朗読という表現でどう生まれ変わるのか、とても楽しみです。ロミオを演じられることもなかなかない機会だと思うので、噛み締めながら大切に演じさせていただきます。<夏川椎菜>憧れのジュリエット……!演じられることがとても幸せです。普段は声のみでお届けする朗読劇ですが、今回は動きもたくさんついていて、感情の動きや、行動の動機が想像しやすくなっていると思います!多くの人に知られているロミオとジュリエットだからこそ、深作さんの解釈や演出を再現できるように努めていけたらなと思いますし、その中に自分なりのジュリエットの解釈も盛り込んで演じていければと思います。<野上翔>恐らく「名前を聞いたことがない」という方がいらっしゃらないであろう世界的な名作に、今回朗読劇という形で参加させていただけて大変光栄です。皆様の心に残る朗読劇になるよう誠心誠意努めてまいります。<八代拓>僕は以前からシェイクスピアの朗読劇をしてみたいと思っていましたので、今回の公演に出演できて本当に嬉しいです。言わずと知れた名作、たくさんの方が演じられてきたロミオという役、自分の中でしっかりと向き合いながら朗読劇を作っていけたらなと思っています。是非たくさんの方に聴きにきていただけたら嬉しいです!
2019年12月16日これまでアメリカ、イギリス、そして2019年1月に待望の日本初演が行われ、大盛況を博した「ディズニー・ブロードウェイ・ヒッツ」。ブロードウェイの豪華キャストが来日し、ディズニーの名曲の数々を披露するスペシャルコンサートを2020年1月に東京国際フォーラム ホールAにて再演する。「ディズニー・ブロードウェイ・ヒッツ」のチケット情報この度、再演のセットリストに「アナと雪の女王」メドレーが世界初披露されることが決定。2014年に公開され大ヒットを記録した映画『アナと雪の女王』は2018年3月に舞台化。ブロードウェイのセントジェームス劇場で初演し、最新鋭のプロジェクションマッピングとLEDパネルで雪と氷の世界を見事再現して話題をさらった。舞台は現在もロングラン上演を続け、2020年9月には日本でも上演が決定。続編映画『アナと雪の女王2』も大ヒット上映中と、“アナ雪”旋風を再び巻き起こす中、今回の公演のためにメドレーナンバーが新たにフルオーケストラバージョンとしてアレンジされ、世界初披露となる。メドレーは、映画『アナと雪の女王』でおなじみの「生まれてはじめて(For the first time in forever)」、「とびら開けて(Love is an open door)」、「雪だるまつくろう(Do you want to build a snowman)」、「あこがれの夏(In summer)」に加え、ミュージカル版オリジナル曲「What do you know about love? 」を含む、全5曲で構成されるビッグナンバー。また、公演内では、「Let it go~ありのままで~」の披露も予定。そのほか『美女と野獣』『ライオンキング』『アラジン』の楽曲など、ブロードウェイ進出25周年を迎えたディズニー・オン・ブロードウェイの楽曲盛りだくさんでお送りするコンサート。ディズニー・ミュージカル作品で本役を演じてきたキャスト達が、披露する歌声は圧巻。ゲストは、ミュージカル俳優・海宝直人。ホストは、ハリー杉山でお届け。公演は1/30(木)・31(金)東京国際フォーラム ホールAにて。チケット発売中。また、クリスマス期間のみ購入できる【選べる♪クリスマスプレゼント付きチケット】も受付中。
2019年12月13日「ブロードウェイ クリスマス・ワンダーランド2019」が、12月14日(土)に渋谷ヒカリエ11階・東急シアターオーブにて開幕。女優、フィギュアスケーターとしても活躍する本田望結が応援サポーター、ゲストスケーターを務める。開幕に向けて12日、プレスコール、囲み取材が行われた。「ブロードウェイ クリスマス・ワンダーランド2019」のチケット情報本作は巨大ツリーやステンドグラスが輝くクリスマスタウンや氷の世界を舞台に繰り広げられるクリスマスショー。本田が応援サポーターを務めるのは、今年で4年目。本田は「今年の開催が決まる前から来年どうしようという風に考えていたので、今年も開催できてうれしい」と目を輝かせた。クリスマス当日を含む4日間の公演では本田もゲストスケーターとして大ヒット中のディズニー映画『アナと雪の女王2』より『Into the Unknown』を披露する。本田はこの楽曲の衣装、振付、演出も担当。アナをイメージした紫のマントの衣装を脱ぎ捨てエルサをイメージした純白の衣装に早変わりをする演出は「とても難しかったが今日が一番うまくできた」と満足気。この1人2役のようなステージには本田のこだわりが詰まっており、衣装については「今日家を出る10分前に家に届きました。短い期間で私のわがままを全部聞いてくれました」と話す。「アナと雪の女王」といえば姉妹愛の物語。「年齢を重ねれば重ねるほど感じる姉妹の絆や家族の思いをここで発揮できれば」と語った。さらに、同じく女優、フィギュアスケーターとして活躍する妹の本田紗来については「今までは片思いだったが最近は紗来も自分の事が好きなのではないかと思う事が増えました。昨日の夜、一緒に朝ごはんを食べようという約束をしたら今朝妹が起こしてくれました」と心温まるエピソードを披露した。最後に本田は「クリスマス・ワンダーランドというショーは本当に楽しいです。見てきっと笑顔になって帰ってくださると思うので皆さんぜひ足を運んできてくれたらうれしいです。私も劇場で待っています」と締めくくった。クリスマス・ワンダーランドは12月14日(土)より25日(水)まで、シアターオーブにて開幕。チケットはぴあにて発売中。取材・文:佐々木翠(ブレーンシップ)
2019年12月13日12月10日、ASKAが自身初となるバンド×ストリングスのツアー「ASKA premium ensemble concert -higher ground-」の初日公演を開催!“higher ground”のタイトルどおりさらなる高みを求め、ASKAがポップス&ロック、クラシック、それぞれのジャンルの精鋭たちを引き連れ、京都コンサートホールに降り立った。「ASKA premium ensemble concert -higher ground-」のチケット情報ツアー第一夜となる本公演からチケットはソールドアウト。次々と新しい音楽を創り出しているASKAが今回初の試みとして挑んだのは、ASKAのホームグラウンドであるバンドサウンドと弦楽アンサンブル(ストリングス)の融合。その初のステージをひと目見ようと、豪華なホールをびっしりと埋めつくす大勢の観客が集まり、開演前から期待感を募らせた心地よい緊張感が漂った。そしていよいよ関西を代表するクラシックホールの大舞台に、総勢15名のビルボードクラシックスストリングス、続いてASKAバンドの7人の盟友たち、そして最後にASKAが登場。一気に会場のボルテージは上昇。それを加速させるかのごとく楽曲が次々と繰り拡げられる。伸びやかな歌声やパワフルなビートに弦楽の響きが見事に融合し、稀代のメロディメーカー・ASKAの紡ぐ旋律が鮮やかに耳に残る。今ツアーのタイトル曲「higher ground」では、ストリングスとバンドが重なる厚みあるサウンドによって、誰もが頷くように曲に没入する。躍動感あふれる新曲「歌になりたい」では、歌詞同様に、壮大な世界観で大会場を包み込んでくれた。バンドとストリングスの圧倒的な音像が見事に融合、有機的なひとつの音楽の波となって繰り広げられるパフォーマンスは、これまでのASKAのライブにも例を見ないスタイル、まさに誰も体験したことのない新しいASKAサウンドがここに誕生した。総勢23人のメンバーが舞台上で一体となって繰り広げれるパフォーマンスと、最後の最後まで観客を魅了するASKAの歌声に会場の熱はピークに達し、全員が心を通わせた感動のラストシーンとなった。「higher ground」「歌になりたい」「はじまりはいつも雨」など全23曲を披露。1年前の12月10日にも京都でコンサートをしたことに運命を感じるといったエピソードなども聞かせてくれた。初日から大成功を収めた今ツアーは、来年3月20日までの計14公演が予定され、全会場で募った熊本地震義援金を最終公演地の熊本へ届ける。あわせて行われる5会場での「有料公開リハーサル」(チケットの売上全額を熊本市へ寄付)のチケットはツアー開始に先立ち発売されたが、ものの数分で完売。また各地で完売公演も続出しており、チケットは残りわずか。2月11日には東京追加公演も決定している。特別公演の日に、ニューアルバムの発売も決定したASKA。常に新しい音楽の可能性を求め進化を続けるASKAのステージをその目と耳で確かめてほしい。取材・文:服田昌子
2019年12月13日2020年4月16日(木)から7月5日(日)まで、東京都美術館(東京・上野公園)にて企画展「ボストン美術館展 芸術×力」が開催される。記者発表会には、オフィシャルサポーターに就任した俳優・要潤が登壇した。「ボストン美術館展 芸術×力」のチケット情報ボストン美術館は2020年に設立150周年を迎える。古代から現代、アジアやヨーロッパ、アメリカまで地域や時代を問わず収蔵作品は50万点近くにおよび、百科事典的な幅の広さと質の高さで知られている。本展は、その収蔵作品群から「芸術と力」に焦点をあてている。エジプトのファラオやヨーロッパの王侯貴族といった権力者が、権力を誇示するためにつくらせた彫像や肖像画などを通じ、芸術作品が古来から担ってきた社会的役割をあらわにする。およそ60点が展示され、その半数以上が日本初公開だ。注目作品は、ボストン美術館が誇る日本美術コレクションの中でも傑出した存在と名高い《吉備大臣入唐絵巻》と《平治物語絵巻》の二大絵巻だ。いずれも「日本に残っていれば国宝に指定されていた」と称されるほどの傑作であり、揃って展示されるのは貴重な機会である。また、江戸時代の文人大名・増山雪斎の代表作《孔雀図》は、ボストン美術館でもほぼ展示されたことがない作品。本展のために約1年をかけて修復を行い、初めて日本へ里帰りを果たす。オフィシャルサポーターの要潤は、「ボストン美術館の150年の歴史にサポーターとして携わることができて大変光栄です」と喜びを語った。楽しみな作品は《孔雀図》で、「孔雀の羽から全体の色使いまで、すべてをじっくり見たい」そうだ。今回の企画展のテーマ「芸術×力」になぞらえて最近力を入れていることを問われると、油絵を始めたという。家族や友人などの人物画から動物、風景画など様々なジャンルに挑戦していることを明かした。12月24日(火)まで期間限定で販売価格2,000円(税込)、1人あたり1,000円で入場可能になる「最速割ペアチケット」が発売中。そのほか、音声ガイドを務める声優・鈴村健一と櫻井孝宏による限定シークレットトラックを収録したスペシャル音声ガイド付チケット、5月12日(火)、6月6日(土)に実施される夜間内覧会に参加できるプレミアムナイトチケットが順次発売される。取材・文:松﨑優美子(ブレーンシップ)
2019年12月13日12月25日(水)から2度目となるジャパン・ツアーを開催するJBJ95のふたり。デュオとして韓国でデビューしてから1年を経て行うツアーは『JBJ95 2nd CONCERT [CELEBRITY PARTY 2019] in JAPAN』と銘打ち、各会場で異なるテーマや”ドレスコード”があるという。「JBJ95」のチケット情報「ドレスコードがあるからといって派手にする必要はないですよ。ワンポイントでもシンプルにかわいくなります。もちろんキラキラしたのもいいですけど、会場まで来るのに恥ずかしいかなと思って(笑)」(サンギュン)「どこから来たのかわかるような服装とか面白いかもしれないですよね!地元の民族衣装とか、群馬の方だったら[I LOVE群馬]みたいなTシャツとか、『あっ!●●から来たんだ』ってすぐ解るような……つっこみどころ満載の服装で来てくれたら嬉しいです!」(健太)ファンも全力で一緒に楽しめるのが、JB95ライブ―――そこで、95のライブを楽しむための5ヵ条を訊いてみた。「まず、“ひとりで来るべし”っていったらおかしいですけど、ひとりで来ても楽しめます!そして“隣の席の人と友達になるべし”」(健太)「“楽しくなったら一緒に歌う”も。公演を邪魔するくらいの大きな声で(笑)! あと、家に帰るころには皆さんにフレンドシップが生まれてるといいなと思います」(サンギュン)「僕、いつも言っているんです、『隣の人と握手してください』みたいなコーナー作ろうか、と。SNSのIDを交換させるっていう、嫌でも(笑)。でも、本当にそれで仲良くなったと感謝して頂いたことがあるので間違ってはいないかな、と。あと、“カッコいい!ていっぱい言うこと”!」(健太)「僕は最近『やばっ』がいいです、(日本語で)“サンちゃん、やばっ”って言ってほしいです」(サンギュン)「5つになってるのかな?(笑)。それから、お伝えしたいことがあって。公演ごとにテーマがあって、そのテーマに合った曲をやるのでセットリストも毎回違うんです。新曲のステージも楽しみにしていてください」(健太)公演は、2019年12月25(水)グランキューブ大阪 メインホール、26日(木)名古屋市公会堂、28日(土)大宮ソニックシティ 大ホールにて。チケットぴあにて発売中!PHOTO:KIM DAUN(STUDIO DAUN)TEXT:「K-POPぴあ編集部」
2019年12月12日平成3年に哲学者の梅原猛と市川猿翁(当時は三代目猿之助)が創り上げた伝説のスーパー歌舞伎『オグリ』。その伝説の作品が、スーパー歌舞伎II(セカンド)『新版 オグリ』として生まれ変わる。来年の博多座(福岡)、南座(京都)公演に向けた取材会に市川猿之助(四代目)と中村隼人が出席し、意気込みを語った。【チケット情報はこちら】猿之助は、遠方地域から来場する観客にも配慮しつつ、東京公演よりも「時間を短縮します」と宣言。と言っても、もちろん無理やり削るわけではなく「(東京で)2か月やって、ここはいらない、ここは増やしたいというところが見えてきました。初演は“あれもやりたい”“これもやりたい”といろいろ詰め込むけど、今度は凝縮していきます」とより洗練した『オグリ』を見せるべく意気込む。束縛を嫌い、心のままに生きる小栗判官が、地獄や現世を渡り歩くさまを描く本作。伯父の手による、もはや“伝説”と化している舞台と比較されることになるが猿之助は「こだわりは“前作にとらわれないこと”。過去って美化されがちだけど、“昔はよかった”という言葉は気にしないように」と独自の世界の構築に自信をのぞかせる。猿之助、隼人が小栗判官と遊行上人を交互に演じるが、互いの小栗判官の印象を尋ねると、猿之助は「等身大の飛ぶ鳥を落とす勢いのある若さが(役と)重なる」と隼人を称賛。一方、隼人は「猿之助兄さんの小栗判官を見て、自分にはまだまだ及ばないと感じるのは、人々の心を煽り立て、幸福をかき乱し、リーダーシップをとって、考えの違う人も変えてしまうようなところにあるんだと思います」と、そのカリスマ性を改めて感じている様子。物語について、隼人が作品中でスマホが出てくることに触れ「誹謗中傷をする人たちって相手がどうなるかって考えずにやることが多いですよね。これは現代のネット社会を描いているのかなと。直接手を下さなくてもそうなるツールを持っている事に、何かを感じてもらえたら」と語る。一方、猿之助は「この作品では、本当に今の生き方でいいんですか? あなたは今、本当に幸せ?と問いかけている」と語った。取材会では猿之助が、九州から来た記者に博多のなじみの店の名をあげつつ「いま、街の賑わいはどうですか?」と逆質問するひと幕も。「(自身の公演をいい流れに)つなげられたら」と語るなど、自身の公演や歌舞伎だけにとらわれず、福岡、そして九州のエンターテイメント全体を盛り上げていこうとする強い気持ちを感じさせた。福岡公演は、2月4日(火)から25日(火) まで博多座で上演。チケット発売は12月14日(土)、プレリザーブは12月12日(木)11:00まで受付中。その他、京都公演は12月13日(金)発売。
2019年12月11日音楽劇「ロード・エルメロイⅡ世の事件簿 -case. 剥離城アドラ-」のプレビュー公演が12月15日(日)に上演され、本公演が12月19日(木)に開幕する。三田誠の同名小説『ロード・エルメロイⅡ世の事件簿』の初舞台化となる本作。総合演出をウォーリー木下、脚本を斎藤栄作、演出を元吉庸泰、音楽を和田俊輔が手掛ける。魔術の世界を舞台に、松下優也が演じるロード・エルメロイII世と青野紗穂が演じる内弟子グレイがさまざまな事件に立ち向かう物語。その稽古場に潜入した。【チケット情報はこちら】この日、稽古が行われていたのは、ロード・エルメロイII世とグレイ、ハイネ・イスタリ(百名ヒロキ)や時任次郎坊清玄(木戸邑弥)、フリューガー(松田慎也)らが、化野菱理(壮一帆)に食堂に招かれ一堂に会するというシーン。多くのキャラクターが登場する場面だが、芝居が開始してすぐに一人ひとりの個性が伝わってくる。あちこちで会話が繰り広げられる賑やかなシーンであったが、その中で紛れるように行われるシリアスなやり取りに自然と目がいくように、元吉が丁寧に演出をつけていく。続いて行われたのは、ハイネと謎の獣が激しく戦うアクションシーン。息がピッタリ合わなければ危険が伴いそうな場面だが、見ていて気持ちがいいほど鮮やかな仕上がり。百名をはじめとするキャストたちの身体能力の高さが感じられる。また、和田による音楽も印象的で、キャストがズラリと顔を揃えて歌うシーンも迫力満点だ。稽古場には大掛かりなセットが建てられており、それを移動したり回転したりすることで、さまざまなシーンが作り上げられる。この日は披露はなかったが、公演では、映像はもちろん、マジックやさまざまな方法で魔術を表現するという。チームワークが大切な芝居になりそうだが、稽古場は笑顔が多く、稽古の合間でもそれぞれが掛け合いの練習をしていたり、アクションの確認をしていたりと活気ある雰囲気。どんな舞台になるのか楽しみになる稽古場だった。プレビュー公演は12月15日(日)に千葉・市川市文化会館 大ホールにて上演、本公演は12月19日(木)から東京、大阪、福岡を巡演し、2020年1月17日(金)から19日(日)まで東京・新宿文化センター 大ホールにて上演。取材・文・撮影:中川 實穗
2019年12月11日水夏希と新納慎也が出演するストーリー・コンサート『クララ-愛の物語-』が、12月12日(木)に東京・よみうり大手町ホールにて開催される。水夏希に話を聞いた。【チケット情報はこちら】本作は、作曲家のロベルト・シューマンとヨハネス・ブラームス、そして彼らを愛し支えたクララ・シューマンの物語を、“生演奏”と“朗読”で構成するかつてないスタイルの公演。構成・演出を読売日本交響楽団のチェリスト・渡部玄一が手掛け、水がクララ、新納がシューマンとブラームスの二役を演じる。作品について「これは本当にノンフィクションなのか?と思うくらい、3人の人間模様がドラマチックに絡み合っていて驚きます」と明かした水。水が演じるクララは、シューマンの妻としてピアニストとして支える女性。結婚後、シューマンは名声を手に入れるが、疲労から心を病んでしまう。そんなある日、そんなふたりの元にブラームスが現れ、弟子としてシューマンを支えるが、心の病がひそかに肥大していたシューマンは自殺未遂を起こしてしまう。療養施設に腫瘍されるシューマン。そんな中でクララとブラームスの距離は縮まり――というノンフィクションが描かれる。「クララは10歳から76歳で亡くなるまで描かれるのでギュッと凝縮した人生になりますが、その中で本当にいろいろな出来事があるので。時間の経過も含め丁寧に演じたいです」。相手役の新納とは初共演。「1度読み合わせをしましたが、新納さんは幅がある役者さんだと感じています。クララはブラームスの中にシューマンを見ていただろうし、ブラームス自身もはシューマンの音楽を絶対に継承すると思っていたはず。そんな魂の繋がったふたりを、新納さんがひとりで演じることは素敵だなと感じました」作曲家の物語だからこそ活きる、朗読+クラシック演奏という構成。「朗読劇のいいところは、言葉から想像が広がるところだと思いますが、さらに今回はストーリーに合わせたシューマンとブラームスの楽曲が演奏される。そこで彼らの心の言葉が表現されて、より深みが増すんじゃないかな。一気に聴けるからこそ感じられるふたりの楽曲の違いも面白いです」「読み合わせは1度。演奏とも1度合わせるだけ」という朗読劇ならではの稽古スタイル。「今はクララとブラームスの間で交わされた手紙を読むなど、できる限りのことをしています。こうやって積み重ねたものが当日スパークするのが楽しみです」と、水自身も本番に期待しているそう。「最後は温かな気持ちになるはず」(水)という本作は、12月12日(木)に東京・よみうり大手町ホールにて。取材・文:中川 實穗
2019年12月11日眞島秀和と岸井ゆきのが夫婦役を演じる舞台「月の獣」が12月7日東京・紀伊國屋ホールにて開幕した。リチャード・カリノスキーの作品でも最も有名な本戯曲は、第一次世界大戦中に起きたアルメニア人迫害を受けたふたりの男女について描かれ、フランス演劇界で最も権威ある演劇賞、モリエール賞を2001年に受賞。演出は栗山民也が手がける。【チケット情報はこちら】眞島が演じるのは、オスマン帝国(現・トルコ)からの迫害により家族を失ったアルメニア人の青年・アラム。アメリカへ亡命したアラムが、写真だけで選んだ、岸井演じる同じアルメニア人の少女、セタをアメリカへ呼び寄せることから物語ははじまる。それぞれ心に癒えない傷を抱えたまま、夫婦となったふたり。眞島は、その過去から家族に執着する青年を感情豊かに表現。怒り、悲しみを爆発させる痛々しい姿から、仕事での成功をセタに報告する明るい演技まで、感情の起伏にも不器用な男を丁寧に演じた。またもうひとりの主人公ともなるセタを演じる岸井は、アメリカに到着時は15歳の少女という彼女ならではの配役。歴史に翻弄された暗い記憶を持つ難しい役どころながら、少女から女性へと自身も苦しみながら成長をしていく熱演をした。そしてアラム、セタの元に現れ、ふたりの関係も変えていく孤児の少年・ヴィンセント役を演じたのは升水柚希。孤児ながら明るく振舞うヴィンセントに、ペースを崩されるアラムに、思わず劇場に笑いが起こるシーンも。夫婦にとって救いともなる少年を瑞々しく表現。また久保酎吉演じる老紳士は、「二人の証人」という印象的な言葉から物語をはじめるストーリーテラー。感情をぶつける3人と違い、アルメニア人迫害という実際にあった歴史と、アラム、セタ、そしてヴィンセントの物語を繋ぐ、作品の水先案内人を落ち着いた語りで務めた。自身の理想と現実に苦しむアラム、そしてまだ少女のセタがアラムに突きつけられる理想に、ふたりが常にぶつかりあって、関係を模索していく姿は痛々しい。しかしふたりがお互いの思いをぶつけ合い、掴み取った最後に見える希望を、ぜひ劇場で確認してほしい。公演は12月23日(月)まで東京・紀伊國屋ホールにて。また12月25日(水)にはりゅーとぴあ 新潟市民芸術文化会館・劇場にて、12月28日(土)・29日(日)には兵庫・兵庫県立芸術文化センター 阪急 中ホールを巡演する。
2019年12月11日来春で35年目を迎える丸美屋ミュージカル『アニー』の制作発表が、12月9日に東京都内で行われた。【チケット情報はこちら】世界大恐慌を迎えた1933年のニューヨークを舞台に、11歳の孤児アニーの明るく前向きな姿が大人たちを励ます本作。1976年にアメリカで初演され、トニー賞7部門を受賞した。日本では1986年の上演以来、累計181万6,000人を動員。山田和也を演出に迎えた2017年に翻訳台本・振付・舞台美術・衣装などが一新され、現在もブラッシュアップが続いている。会見には、オーディションでアニー役に選ばれた小学4年生の荒井美虹と小学5年生の德山しずく、そしてこのほど出演が明らかになったウォーバックス役の藤本隆宏、ハニガン役のマルシア、グレース役の蒼乃夕妃、ルースター役の栗山航、リリー役の河西智美が舞台衣装で登壇し、演出の山田も出席した。大きなタイトルのミュージカルに初出演となる荒井は「観てくださったお客様の心に残るアニーを演じていきたいです!」と意気込む。一方、3度目のオーディション挑戦でタイトルロールを射止めた德山は「観客の皆さんに笑顔を届けられるよう、私の演技でアニーの気持ちを伝えられたら」とまっすぐに回答した。なお、今回はミュージカル『アニー』の初代演出を務めた篠崎光正がゲストとして参加。当時の日本テレビ社長から「局の“良心”をつくって欲しい」と依頼され、スタッフ・キャスト全員参加の合宿を含む7か月半もの稽古を通じて作品づくりに取り組んだエピソードを披露した。これを受けた山田は「頭の下がる思い」と身を引き締め、「肝に銘じてお言葉に恥じない公演にします」と誓ってみせる。4回連続でウォーバックスを演じる藤本も「歴史を守り続けてくださった方がいるからこそ、私は今この場に立っている」と続き、「これから50年・100年と続けていけるように演じなければ」と抱負を述べた。2017年以来、2度目のハニガン役となるマルシアは「(孤児につらく当たるハニガンを)私がテンション高く演じるほど、主役のアニーが活きたの」と過去公演を振り返り、「前回は100Vだったエネルギーを今回は1,000Vに上げて、彼女たちに向き合うわよ!」と宣言し、荒井と德山の顔を覗き込んだ。公演は、2020年4月25日(土)から5月11日(月)まで東京・新国立劇場 中劇場にて。その後、8・9月に大阪・愛知・群馬・富山と巡演する。チケットの一般発売は12月14日(土)10:00にスタートする。取材・文:岡山朋代
2019年12月11日篠井英介と陰山泰が、琵琶と雅楽の楽器を使った「琵琶絵巻 朗読楽『天守物語』」を来年2月、東京・府中の森芸術劇場で上演する。過去3度の公演を行なってきたが、そもそもなぜ琵琶? なぜ『天守物語』なのか。40年来の“盟友”である篠井と陰山に話を聞いた。【チケット情報はこちら】陰山が自ら演出も務める本作だが、企画の始まりは琵琶奏者・友吉鶴心(ともよし・かくしん)との出会い。ふたりを引き合わせた友人の葬儀で、陰山が読む弔辞に合わせて友吉が琵琶を演奏するという「めったにない不思議な経験」(陰山)をした。そこで意気投合し、機会があれば一緒に何か出来ないかという話から行き着いたのが、篠井を加えての『天守物語』の朗読劇だった。琵琶と古来からの楽器を使う雅楽に、100年前に書かれた泉鏡花の戯曲という組み合わせは、一見、堅苦しく格式ばったものにも感じるが、陰山は「クラシックな楽器ですが、実は奏者の感性がすごく出るんです。僕らの感性と交わって“ライヴ”になっている」と語る。その言葉を受け篠井も「(共演する)雅楽の稲葉明徳さんも非常に多芸多才な方で、笙や篳篥(ひちりき)といった古典楽器から太鼓にパーカッションまでこなされて、音の世界に尋常じゃない広がりがあるんです」と力を込め、この公演を「朗読と音楽のセッション」と表現。「毎回、同じことをしてくれと言ってもできないし、センスと息で合わせながらやっています。非常にジャジーですね。『あぁ、今日はここでベベンっと入れてきたか。じゃあこっちはこうしてやろう!』という感じでこちらも楽しんでます」と笑顔で語る。『天守物語』は、白鷺城(姫路城)の最上階で“異界”の者たちを統べる富姫と人間の図書之助の恋を描いた物語。陰山は「非常によくできたSF」と本作を評す。「彫師の桃六という男が“馬鹿な奴らども、勝手に戦争してろ!”と言うんですけど、そこに泉鏡花の表現者としての魂を感じます。琵琶や雅楽の音と言葉によって想像をかき立てる、非常に朗読劇に合う作品だなと思います」篠井は以前富姫を演じた経験から「富姫というのは女形にふさわしい役で、僕らが若い頃は玉三郎さんの専売特許でしたからね。それをやらせていただけるというのは巡り合わせなのかなと、その時は一世一代の覚悟で臨みましたが、またこういう形でやらせてもらえるのが嬉しいし、どれだけやっても飽きることのないお役ですね」と語る。2人は共に80年代の小劇場ブームを体験した盟友でもある。共演は決して多くないが「あの熱狂の時代、苦楽を共にした同志」と陰山が言えば、篠井も「安心感が違います。感覚を共有しているからこそ、のびのびやらせてもらえる」と全幅の信頼を寄せる。若き注目株の小川ゲンを加え、3人の朗読と琵琶と雅楽の魅惑的な音色が混じり合い、どのような“和”のSFファンタジーが浮かび上がるのか?公演は2月24日(月・祝)、東京・府中の森芸術劇場にて上演。取材・文:黒豆直樹
2019年12月11日クリスマス・イヴの夢の物語を描く、バレエ『くるみ割り人形』の季節がやってきた。独特の発想と美しさで人気の新国立劇場バレエ団『くるみ割り人形』について、同団トップダンサー、小野絢子・福岡雄大ふたりのプリンシパルにインタビュー、その魅力や見どころを聞いた。【チケット情報はこちら】「主人公クララに親近感をもって観ていたのを覚えています。一緒に冒険する感覚が楽しかったですね」と、子供の頃を振り返る小野。福岡も「チャイコフスキーの三大バレエのなかでも、等身大の人たちの人間的で温かみのある作品。音楽と踊りが一体化した時の化学反応を楽しんでいただきたいです」と話す。この傑作が誕生したのは、1892年。初演から120年以上を経たいまも、これに新たな演出・振付をほどこした様々なヴァージョンが上演されている。新国立劇場が上演しているのは、2017年に初演されたウエイン・イーグリング振付の版。「アイデアがいっぱい詰まっていて、彼の子供時代のおもちゃ箱ってこんな感じだったのかなと思えるような舞台です。振付は総じてアクロバティック!息を呑むようなリフトがたくさん出てきて、目が離せなくなると思います」(福岡)、「気球に乗って旅に出る、というのも、ほかでは見られないアイデア。新国立劇場ならではの大掛かりな装置は、優秀なスタッフあってこそ実現します。迫力の舞台を楽しんでいただきたいです」(小野)とも。福岡が演じるのはドロッセルマイヤーの甥、くるみ割り人形、王子と三役だ。「クララはドロッセルマイヤーの甥にほのかな恋心を抱いているんです。夢の世界に入ったクララは、第1幕の終盤、雪の場面で彼とパ・ド・ドゥを踊り、第2幕のクライマックスではこんぺい糖の精となって、王子と華やかなグラン・パ・ド・ドゥを踊ります。主役ふたりの踊りの大きな見せ場ですね」(小野)。さらに、次々と披露される各国の踊りや、オレンジ色のポピーのイメージが鮮烈な花のワルツも、見応えたっぷりだ。初演以来、回を重ねて上演することで、「最近、クララの兄・フリッツの演技を見ていて、もしかしたら『くるみ割り人形』は、クララだけでなく、フリッツの夢でもあるのかもしれないな、と気づきました。年齢、性別を問わず、存分に楽しめるバレエだと感じています」という福岡。小野も、「年々、バレエ団の皆から支えられていることをより強く実感します。皆と一緒に、毎回1度きりの舞台と思って取り組みたい」と意欲を見せた。公演は新国立劇場オペラパレスにて、12月14日(土)から22日(日)まで全8公演。小野、福岡はこのうち2公演で登場するほか、22日(日)13時開演のぴあスペシャルデー公演でも主演する。チケットは発売中。取材・文:加藤智子
2019年12月10日シリーズ2作目となる『Starry☆Sky on STAGE』SEASON2~星雪譚ホシノユキタン~ が1月15日(水)より東京・紀伊國屋サザンシアターTAKASHIMAYAにて上演される。土萌羊役の坪倉康晴、青空颯斗役の二平壮悟、不知火一樹役の杉江優篤に話を聞いた。【チケット情報はこちら】「Starry☆Sky」は、honeybeeによるドラマCD、乙女ゲームなどからなる女性向けメディアミックス作品シリーズで、天文に関する知識を教える『星月学園(せいげつがくえん)』を舞台に、唯一の女子生徒・月子が主人公となり、十三星座の性格特徴を持つ男性キャラクター達との恋愛を描く作品。今年7月に初舞台化され、今作が第二弾となる。総合監修は松崎史也。前作の好評を受けての第二弾。初演から引き続き出演する杉江は「前作を必ず超えなければいけない。新しいキャストと新しい作品をつくるつもりで臨みたいです」と意気込む。そこに新たに参加するのは、今年5月に初舞台を踏んだばかりの坪倉。「役を引き継いで演じるのでプレッシャーもありますが、初演で土萌羊を演じた糸川耀士郎さんから“この座組は温かいから安心して”と言われました。稽古に入るのを楽しみにしています!」とフレッシュに語る。同じく今作から出演する二平は「原作「Starry☆Sky」は高校時代から知っていたので、そんな作品で演じられるのが嬉しいです。僕は乙女ゲーム原作の舞台に出たいと思っていました。乙女ゲームに登場するようなキラキラした人に憧れがあったので」と楽しみにしている様子。自身の役について坪倉は「僕が演じる土萌羊は言いたいことは素直に言うキャラクター。月子に真っ直ぐなところが魅力だと思うので、そこは大切に演じたいです」、二平は「僕が演じる青空颯斗は、自分の感情を表に出さないキャラクター。だけど今作は冬組がメインのストーリーということもあって感情が動くところを見せられると思うので、そこをどう演じるられるか楽しみです」、杉江は「僕が演じる不知火一樹はおちゃらけてる部分もあるけどまっすぐで、みんなを引っ張っていくような人。舞台でしかない役同士の関係性も見せられる役柄なので、そこは丁寧に深めたいと思います」とそれぞれ語る。公演は前・後編に分けて上演され、前半の日程(星公演)では冬の学園行事に向けて登場人物たちが奮闘する芝居中心のステージ。後半の日程(雪公演)は、その学園行事がメインのエンターテインメントショーステージが上演される。「これは僕たちにとっても挑戦です。後半のショーステージは、お客様と一緒に空間を作り上げられたらと思います!」(杉江)公演は1月15日(水)から26日(日)まで東京・紀伊國屋サザンシアターTAKASHIMAYAにて。取材・文:中川實穗
2019年12月10日冬の大阪には、ライトアップやグルメなど見どころがいっぱい。そんな大阪観光をお得に楽しんでみてはいかがだろうか。いま観光客から人気を集めているのが「大阪周遊パス」。1日2700円で、主な大阪市内の電車・シティバスが乗り放題になるというお得なパス。さらにうれしいのが、40か所以上もの観光スポットが無料で入場できるところ。国内はもちろん、訪日客の間でも定番になりつつある大阪観光のマストアイテムを使って楽しむおすすめ観光スポットを紹介してみよう。大阪周遊パスチケット情報12月の大阪観光で一押しなのがキタエリア。まずは、梅田スカイビル空中庭園展望台から、大阪の街並みを一望してみてはいかがだろうか。通常料金1500円のところが、18:00までの入場で無料に。タイミングを計って入場すれば、大阪の街に沈んでいく夕陽を眺めることも十分にできる。同じ梅田スカイビルにあるのが、タワーウエスト27階の絹谷幸二 天空美術館(通常:1000円)。絵の中に飛び込む世界初の3D映像体験などが人気の最新型ミュージアムで、カフェやミュージアムショップも併設されている。金・土・祝前日は、開館時間が20:00までとなっているので、夜景を楽しみたい方にもおすすめ。ライトアップされた大阪の街を一望できるのが、HEP FIVE観覧車(通常:600円)。きらめく高層ビル群の夜景を楽しむ約15分間の空中散歩が体験できる。観覧車内は冷暖房完備なので冬でも安心。晴れた日中には、明石海峡大橋や生駒山まで一望できる絶景ビューポイントになっている。以上の紹介した観光スポットがすべて無料で利用できる「大阪周遊パス」。もちろん、この他にも多くの無料観光スポットがあるので、ぜひ詳細な情報をチェックしていただきたい。【大阪周遊パス】観光スポット約40か所の施設入場券+1日または2日間乗り放題乗車券のセット。本券は引換券となります。新大阪観光案内所(新大阪)・大阪観光案内所(梅田)・難波観光案内所(なんば)にて、大阪周遊パスとお引換えの上ご利用ください。【選べる2種類のパス】■大阪周遊パス1日券2700円(利用できる路線は、Osaka Metro・大阪シティバスのほか、私鉄各線の市内エリア。)■大阪周遊パス2日券3600円(Osaka Metro・大阪シティバスのみ有効。他の鉄道路線は使用できません。)
2019年12月09日12月13日(金)に開幕するミュージカル「サタデー・ナイト・フィーバー」特別番組の放送が、12月13日(金)に決定した。【チケット情報はこちら】1977年に公開されたジョン・トラボルタ主演の不朽の名作映画「サタデー・ナイト・フィーバー」は70年代のディスコブームを象徴する作品。そして、映画公開40周年を記念してイギリスで作られたミュージカル版は、音楽とダンスがゴージャスに蘇り、ステージはまるでディスコそのもの。番組ではその魅力を公式サポーターのDJ KOOとアン ミカがたっぷりと伝える。映画「サタデー・ナイト・フィーバー」が公開された頃(アメリカ1977年、日本1978年公開)ディスコDJとしてデビューし、ディスコ全盛時代の象徴とも言えるレジェンドで、現在も第一線で活躍中のDJ KOOと、舞台鑑賞が趣味で、好きな作品は何度も観るというトップモデルのアン ミカ。ふたりが語る作品の魅力とは。そしてアン ミカが「骨が良い!」と大絶賛する主演ダンサーのリチャード・ウィンザーのダンスについても熱く語る。11月に開催されたイベントでは、アン ミカとリチャードの情熱ペアダンスを披露し、会場は大フィーバー。その様子も紹介されるので、必見だ。公演のチケットはぴあにて発売中。■番組タイトル:ミュージカル「サタデー・ナイト・フィーバー」開幕記念SP!DJ KOO&アン ミカのフィーバー講座予定放送時間:12/13(金)27:05~27:35 フジテレビ (関東ローカル)※見逃し配信あり(詳細は後日発表。)<ミュージカル「サタデー・ナイト・フィーバー」>12月13日(金)~29日(金)全22回会場:東京国際フォーラム・ホールC(有楽町)上演時間:約2時間30 分予定(休憩20 分含む)開場は各開演時間の30分前※生演奏/英語上演/日本語字幕あり主催:フジテレビジョン/キョードー東京/朝日新聞社演出:ビル・ケンライト振付:ビル・ディーマー出演:リチャード・ウィンザー 他
2019年12月09日米ソ冷戦下の時代に、国家の重責を担うチェス世界王者らの愛と苦悩を描いた緊迫の『CHESS THE MUSICAL』が日英豪華キャストにより上演決定。先行のABBA作曲のコンセプトアルバムのヒットを受け、1986年初演。多彩で雄弁な楽曲に音楽ファンから先に人気に火がついた伝説的ミュージカルだ。演出・振付を手がけるニック・ウィンストンが、初演版台本をもとに新演出に挑む。「CHESS THE MUSICAL」チケット情報出演には、英国から映画『レ・ミゼラブル』エポニーヌ役の歌姫サマンサ・バークス、英国ミュージカル界No.1美男子の呼び声高い新星ルーク・ウォルシュが初来日。主演には『レ・ミゼラブル』『オペラ座の怪人』ほか代表作多数の世界的ミュージカルスター、ラミン・カリムルーを迎える。ラミンが演じるのはソ連のチェス王者、アナトリー。世界選手権の会場で米国の対戦相手フレディ(ルーク・ウォルシュ)のセコンドとして出会ったフローレンス(サマンサ・バークス)と惹かれ合う役どころ。祖国に妻子を残すアナトリーだが、彼女と生きる道を選択して…。「アナトリーはただチェスが大好きで普通の暮らしがしたかったのに、政治に利用されてしまう。僕自身、政治的に混乱期にあったイランに生まれ、カナダ、イギリスと渡り過ごしてきました。“ずっと故郷を探し続けている”という意味では彼と重なる部分もあり、共感します」。宿命を背負い、何度も選択を迫られるアナトリー。まだ模索中と前置きしつつ、最後の決断についてこう話す。「彼は有言実行の男ですし、あの決断も彼の中では正しいことをしたと思っている。それはハッピーエンドであり、アンハッピーエンドであるかもしれない。どんな関係性においても、そんな瞬間はありますよね」。主人公のみならず、登場人物それぞれのドラマが描かれた物語は「『レ・ミゼラブル』のような面白さ」。多彩な楽曲にも触れ、「史上最上級のスコア(楽曲)だ」と絶賛する。「『The Deal』や『Where I Want to Be』も好きですし、『Endgame』も美しいシーンでのナンバーです。フローレンスと出会う『Mountain Duet』も、口説かれるかもしれないとソワソワするフローレンスの仕草が可愛い。アナトリーの違う一面が見られるのもいいですね」。日本で活動すると「次々やりたいことが浮かぶ」と笑うラミン。まずは年明けのミュージカル『CHESS』で、世界基準の歌声を響かせる。「これまで聴いた中でも、最高の楽曲に感動すると思う。絶対楽しい作品になるので是非お越しください」。公演は1月25日(土)から28日(火)まで大阪・梅田芸術劇場メインホール、2月1日(土)から9日(日)まで東京国際フォーラム ホールCにて上演。チケット発売中。取材・文:石橋法子
2019年12月09日2月8日(土)に北海道・札幌文化芸術劇場 hitaruにて「第71回さっぽろ雪まつり12thK-POP FESTIVAL2020」の開催が決定した。【チケット情報はこちら】毎年、世界3大雪まつりとして人気を博している「さっぽろ雪まつり」を、韓国最高のHOTなK-POPアーティストを招聘し、12年連続で大いに盛り上げてきた伝統ある冬の音楽祭「第71回さっぽろ雪まつり12thK-POP FESTIVAL2020」。今年は9月に札幌に初登場し、大旋風を巻き起こしたキム・ジェファン、NATURE、そしてグローバルオーディションリアリティ番組「TO BE WORLD KLASS」を通じ12/6に、最終デビューメンバー10人が選抜された、日本初上陸となる2020年初旬デビュー予定の超大型新人TOO(Ten Oriented Orchestra)の3組が出演する。第71回さっぽろ雪まつり12thK-POP FESTIVAL20202月8日(土)【1】開場12:30/開演13:30【2】開場17:30/開演18:30
2019年12月09日KAAT神奈川芸術劇場プロデュース『常陸坊海尊』が、12月7日に同劇場ホールにて開幕した。【チケット情報はこちら】『近松心中物語』で知られる劇作家・秋元松代が1964年に発表した戯曲を、KAATの芸術参与に就任した長塚圭史が演出する本作。主君・源義経を裏切って逃亡した自らの罪を償うため、不老不死の琵琶法師となってその武勇を伝え歩いた──とされている常陸坊海尊の伝説を背景に、戦争で生じた格差や差別に苦しむ弱者の“生”が描かれる。物語は、東京の少年・啓太と豊が東北の疎開先へやって来たことから始まる。2人は海尊の妻と称するイタコのおばば(白石加代子)に出会い、その孫娘・雪乃(中村ゆり)の美しさに惹かれていく。両親を亡くした啓太はおばばに母の姿を重ねて依存し、やがて消息不明に。16年後、東京で成人した豊(尾上寛之)がかつての疎開先で再会したのは、雪乃によって魂を抜かれ、廃人同然の姿に変わり果てた啓太(平埜生成)だった──。疎開児や彼らを引率する教員の視点を通じて、おばば・雪乃をはじめ、東北の雪国に暮らす人々の奇妙な風習が淡々と綴られる1・2幕に対して、3幕は因縁の再会によって物語が加速する。それらを彩る堀尾幸男のシンプルな舞台美術は、静謐さを湛えながらも饒舌だ。白石は、老女ながら山伏の男ですら狂わせる魅力を持ったおばばに1997年以来の再挑戦。時に妖艶に、ユーモアを交えながら役を立ち上げる。特に、啓太に甘く囁きかける媚態は見どころのひとつ。中村は、サディスティックな魅力で啓太と豊を翻弄し、少女時代と成長して巫女になった雪乃を見事に演じ分けた。3幕のみの登場ながらも、平埜は存在感を見せる。「生きながら死に腐れる」現状に絶望する啓太が、海尊との交感によって生気を取り戻すラストは圧巻だ。同じ疎開児ながら、啓太と異なり平穏な人生を歩む豊を演じた尾上も、雪乃との再会で彼女に抗いようもなく惹かれてしまう感情を切々と表現した。上演時間は、190分(休憩含む3幕)ほど。神奈川公演は12月22日まで。その後、2020年1月11日(土)・12日(日)に兵庫・兵庫県立芸術文化センター 阪急中ホール、16日(木)に岩手・岩手県民会館 大ホール、25日(土)に新潟・りゅーとぴあ 新潟市民芸術文化会館 劇場と巡演する。チケット発売中。取材・文:岡山朋代
2019年12月09日映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー」の公開35周年記念し「バック・トゥ・ザ・フューチャー」inコンサートが、4月29日(水・祝)に東京国際フォーラム・ホールA、5月1日(金) に大阪国際会議場(グランキューブ大阪)にて、開催することが決定した。【チケット情報はこちら】「バック・トゥ・ザ・フューチャー」inコンサートは、1985年製作の「バック・トゥ・ザ・フューチャー」の1作目をノーカットで舞台上の大スクリーンで上映。そして全編のサウンドトラック部分を映画に合わせてオーケストラが生演奏するシネマ・オーケストラ・コンサート(シネオケ(R)※注釈)となる。2015年5月の世界初演後、米・ハリウッドボール、ロンドン・アルバートホールをはじめ世界中で上演され、日本では2015年に東京と大阪、今年4月に東京で、総勢21,000人を動員した大ヒット公演。このコンサートのために、「バック・トゥ・ザ・フューチャー」の音楽を担当したアラン・シルヴェストリが元々のオーケストラスコアに加えて、新たに約15分のスコアを作曲した。映画の始まりからワクワクする音楽的演出が施されており、80名のフルオーケストラが迫力の生演奏で、観客をタイムトラベルへ誘う。さらに、映画公開35周年をお祝いして、コンサート当日、会場に映画に登場した『デロリアン』のレプリカ展示も決定。1950年代(70年前!) or 1980年代(40年前!)のファッションでコンサートに参加して、「バック・トゥ・ザ・フューチャー」の世界を思う存分楽しんで。チケットぴあでは2020年1月21日(火)11:00より先着先行を受付開始する。<公開35周年記念「バック・トゥ・ザ・フューチャー」 in コンサート>◇東京公演会場:東京国際フォーラム・ホールA日時:4月29日(水・祝)14:00開演(13:00開場)◇大阪公演会場:大阪国際会議場(グランキューブ大阪)メインホール日時:5月1日(金)19:00開演(18:00開場)※英語上映・日本語字幕あり※上演時間:約2時間30分予定(休憩1回含む)【出演】指揮:ニコラス・バック管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団(東京公演)/大阪交響楽団(大阪公演)
2019年12月09日12月14日(土)大阪・ESAKAMUSEにて『PIA LIVE IDOL MUSICChristmas Eve×10!(クリスマス イブ×10)』を開催。『PIA LIVE IDOL MUSIC』チケット情報ライブアイドルとはライブハウス等を中心に音楽シーンで活動するアイドルの総称。名だたる会場でワンマンライブを開催し、チケットを完売させるほどのグループも多く存在する。今回8組のグループが出演する。東京を拠点に活動するグループが3組出演。完全セルフプロデュースユニット「ゑんら」。その名には煙のように変幻自在で枠にとらわれないとの思いが込められている。2019年3月には渋谷・www xで一周年記念単独ライブが開催された。2013年11月、EMI・YUZU・KARIN・BUCHOの4人で結成。 以来一度もメンバー変更もなく6周年を迎えたラウドロックアイドル「DESURABBITS」。2019年は“DESURABBITS「兎革命!」”を掲げ、さらなる飛躍を目指す。THISTIME RECORDSより、群雄割拠のアイドル界にぬるっとふわっと登場したさとり世代の申し子「さとりモンスター」。楽曲提供にはcinema staff 三島想平(『英雄讃歌』)、アルカラ 稲村太佑(『さよならと小指』)、さらにサウンドプロデューサーに竹内亮太郎という豪華な顔ぶれを迎える注目のグループ。西日本からは5組が出演。地元関西からは「カラフルスクリーム」「KissBeeWEST」「NEO BREAK」「W.(ダブルヴィー)」が出演。「カラフルスクリーム」は楽曲制作集団「North Sound」が手がけるカラフルなサウンドが特徴なグループで、現在全国ワンマンツアーを開催中。来年1月にBIGCATでのツアーファイナルを控えている。「KissBeeWEST」はサマーソニック出演、なんばHatchでの2年連続ワンマンライブに加え、大阪城音楽堂で無料のチャリティーフェスを開催するなど話題が尽きない。「NEO BREAK」は6人組アクロバティックユニット。関西アイドルリーグ第2節優勝の大阪アイドルグループ。ハイクオリティなダンス、歌、アクロバットを駆使したパフォーマンスは必見!「W.(ダブルヴィー)」は3月に大阪・BIGCAT、8月に梅田クラブクアトロでワンマンライブを行った、関西に旋風を巻き起こすこと間違いなしの是非とも注目していきたいグループ。そして、九州は福岡より「くるーず~CRUiSE!」が参加。客船をモチーフにしたライブではメンバーが乗務員となり、パワフルなダンスとフレッシュな歌声で魅了。現在人気上昇中のアイドルユニット。はじめて観る人たちでも十二分に楽しめる『PIA LIVE IDOL MUSIC』。個性溢れるライブアイドルサウンドを是非とも体感してほしい。チケットは発売中。
2019年12月06日日本を代表するチェリスト・長谷川陽子が2020年、精力的に新たな試みにチャレンジする。2月21日(金)に東京オペラシティコンサートホールにて、バンドネオン奏者の三浦一馬、ギタリストの大萩康司とのトリオによる「情熱と哀愁のリベルタンゴ」を開催。それに先立つ1月10日(金)には、同会場のホワイエにて0歳児を育児中の保護者を対象にしたコンサート「0歳児とおでかけ応援プロジェクト」を実施する。【チケット情報はこちら】「情熱と哀愁のリベルタンゴ」は、ピアソラの「リベルタンゴ」、ハチャトゥリアンの「剣の舞」をはじめ「踊りや歌に関する曲を選んだ」と“情熱”を前面に出した曲目になっており「私自身の気質としてもラテンの血わき肉おどるようなノリがあるので(笑)、熱いコンサートになります!」と力強く語る長谷川。三浦、大萩それぞれとの共演経験はあるが、3人が揃うのは初めて。「バンドネオンの特徴は、情感に訴える哀愁を帯びた音色。タンゴのイメージが強いけど、実はオルガンの要素が強いんです。この分厚く奥行きのある音に対し、チェロがどう舞い踊れるのか? 非常にスリリングです」と三浦のバンドネオンとの共演への期待を膨らませる。一方、ギターについては「数年前に福田進一さんとデュオCDを作って以来、ギターに魅了されました。ギターは弓で弾くチェロと違って、弾いた瞬間から音が消えていく儚さと美しさがある」とその魅力を熱く語り「それぞれの楽器によって私もチェロの弾き方、音の立ち上がりを変えていきます。信頼する2人との共演ですが、私にとっても挑戦になると思います!」と未知なるチャレンジへの意気込みを口にする。「0歳児と――」は、授乳やオムツ交換、ベビーカーでの移動などの苦労を懸念し、外出を躊躇してしまいがちな育児中の保護者に本格クラシックを楽しんでもらえるよう、2000円のチケット1枚で“0歳児”と保護者の大人2名が入場できる。託児室に預けるのではなく赤ちゃんと同じ空間でコンサートを楽しめる企画だ。自身も子育て経験があり「子どもが0歳の時はテーブルにマットを敷いて寝かせて練習していた」という長谷川。家族や周囲のサポートを受けながら演奏会も行なっていたと明かし、恩返しの思いも込めて参加を快諾したという。曲目はバッハの無伴奏チェロ組曲、武満徹の「翼」などで、あくまでも大人向けのクラシック演奏会となっており「赤ちゃんを育てていても、時に自分の時間を楽しんでいいし、明日への糧になれば。子育てを“希望”にしたい」と意気込みを口にした。チケットは両公演とも発売中。取材・文・撮影:黒豆直樹
2019年12月06日師走のクラシック音楽の風物詩といえばまずは「第九」が思い浮かぶ。でもクリスマスは《メサイア》のシーズンでもある。東京でも、東京芸術大学や立教大学、東京女子大学など、60年から70年近い歴史を持つ《メサイア》演奏会が少なくない。そんななか、2001年に始まったのが、サントリーホールのバッハ・コレギウム・ジャパン(BCJ)の《メサイア》。今年で19年目。すでに新たな伝統だ。【チケット情報はこちら】「うれしいことですね。僕らが普段バッハを演奏していることは知らずに、毎年これだけを聴きに来るというお客様もいらっしゃいます(笑)」(BCJ音楽監督・鈴木雅明)バッハと同年生まれのヘンデルのオラトリオの代表作。その魅力は「わかりやすさ」だと語る。「非常にまとまりがあって、音楽的にも楽しめる。バッハみたいに複雑な対位法などはありませんから。バッハと同じぐらいの作曲技術はあったと思いますけど、難解なことは避けている。とても巧みで上手いんですね。けっして浅薄ではないですが娯楽的でわかりやすい。その意味では、すでにかなり(次の古典主義の時代の)啓蒙主義的な傾向にあるんですよ」「メサイア」は救世主のこと。イエスの生誕から受難、復活までを描く。「歌詞は聖書の言葉だけを使っているので、キリスト教の音楽であることは間違いありません。しかしバッハのカンタータや受難曲とはちがって、教会の典礼のための音楽ではなく、あくまで劇場用、演奏会のための作品なんですね。オペラにも似たストーリー性があるのもわかりやすさにつながっていると思います」一部をカットして演奏することも多いが、BCJは常に全曲演奏で、2時間40分ほど。「音楽も歌詞もつながりがあってできているので、カットすべきところがないんです。ヘンデルの他のオラトリオは平気で4時間を超えますから、それに比べたら非常にコンパクトだと言えます(笑)」ヘンデルが演奏のたび、おもに歌手の都合に合わせてさまざまな編曲を施したために多くの異版が存在する。BCJも19年の間にさまざまな版で演奏してきたが、あまりそこにこだわる必要はないと説く。「毎年議論はするのですが、ヘンデルが実際にどのように演奏したかがわからないので、どうやっても正統的な演奏にはならないんです。海外で、全部の版を演奏するというプロジェクトもあるらしいですが、そこにこだわり過ぎてはいけないと思います」つまり、妙に「通」を気取ることなく、ヘンデルの音楽の美しさを素直にじっくり味わうのが正しい楽しみ方のようだ。「実際《メサイア》は、〈ハレルヤ〉などのブリリアントな面だけでなく、じつは非常にしっとりとした部分が多いんですよ。クリスマスはパーティも楽しいですが、そんな美しい旋律、しかもシンプルでわかりやすい音楽を一緒に味わうのも、クリスマスのよい経験になると思います」取材・文:宮本明
2019年12月06日