アメリカ文学界のアウトサイダー、パトリシア・ハイスミスの知られざる素顔を紐解くドキュメンタリー『パトリシア・ハイスミスに恋して』の日本公開を記念し、新宿シネマカリテにて杉田協士(映画監督)と月永理絵(ライター/編集者)によるトークイベントが行われ、作品の見どころを掘り下げた。杉田監督は、『春原さんのうた』が国内外で注目を集め、最新作『彼方のうた』が第80回ヴェネチア国際映画祭ヴェニス・デイズ部門、第36回東京国際映画祭Nippon Cinema Now部門にて上映されたばかり。映画ライター、編集者として数多くの映画作品の映画評、解説を手掛ける月永氏とともに、『太陽がいっぱい』『キャロル』『見知らぬ乗客』『アメリカの友人』など映画史に残る名作の原作の数々を生み出した、パトリシア・ハイスミスの素顔を掘り下げた本作の魅力を語った。『春原さんのうた』杉田協士監督「嘘がない、誠実な作り」まず、本作の感想を聞かれると月永氏は「ハイスミスを知るための入門書のような映画だと思いました。ハイスミスという人の世界に入っていくための扉を開けてもらったような印象を受けました」とコメント。杉田監督は「自分がとても好きな映画の原作の人ということで多少知っている程度だったのですが、今日スクリーンで本作を改めて観てとても感動しました」と語り、「走っている車の中から撮られた(ハイスミスが実際に暮らした)ペンシルバニアの道や家々などの風景が心に残りました。それはエヴァ(・ヴィティヤ)監督がもう会うことのできないハイスミスのことを本当に思って、あの場所に行ってカメラを置いたんじゃないか。部屋の中で時計の針の音だけ聞こえたり…今はもう会えない人を思うことしかできないということに嘘がない、誠実な作りだなと感じました」と監督の視点から本作の魅力を掘り下げた。また月永氏は、本作に出演する証言者について「ハイスミスと恋に落ちた女性たちを中心に、良い笑顔で、親密さを込めてハイスミスとの思い出を語るかつての恋人の女性たちという映し方をしているドキュメンタリーで感動しました」と話すと、杉田監督も「隠さずに話しているのが良いですよね」と共感。さらに月永氏が「ハイスミスの作風は殺人を扱っていたりとか、常に暗いムードが漂っていて、後年は閉じこもって暮らしていたり、そういう話を聞いていたので、彼女のドキュメンタリーを作るとなるともしかしたらもっと暗い部分を暴いていくような映画にもなり得たかもしれないなと思うのですが、この作品は彼女を愛した人たちの言葉によって、彼女の光の部分を見つめようとする映画だと捉えました」とコメント。すると、杉田監督も「ハイスミスが晩年にスイスに移り住んだ家は要塞のようだったと紹介されていますが、そのあとに彼女が書斎で執筆しているモノクロ写真が出てくるんです。戸が開け放たれていて、陽が差している部屋で彼女は執筆していたというのもきちんと残しているんですよね」と続ける。本作に織り交ぜられるハイスミスが過ごした家や街の様子などを映したアーカイブ映像についても「名もなき良い作り手が撮った映像!」と絶賛した。杉田監督、月永氏のお気に入りのハイスミスの映画化作品とは――最後にハイスミスの映画化作品についての話題となると、杉田監督はハリウッドでヘイズ・コード(厳しい自主検閲)が施行されていた時代にどのように同性愛が描かれてきたかを紐解く『セルロイド・クローゼット』(95)というドキュメンタリーの中で『見知らぬ乗客』(51)が登場しない点に言及し、「ハイスミスがレズビアンであることは暗黙の了解だったと語られることがありますが、当時どこまで、もしくはどの界隈の人まで認知されていたのかは未知かもしれないと思いました」とコメント。月永氏も「確かに同性愛的な関係性はハイスミスの小説にはしばしば描かれていて、映画化する監督たちはどこまで意識していたのか改めて観直してみたくなりました」と同意する。また、一番観たくなった映画化作品に月永氏は『見知らぬ乗客』と、ラストシーンが衝撃的だったというクロード・シャブロル監督の『ふくろうの叫び』(87)を挙げると、杉田監督は「実はヴィム・ヴェンダース監督が一番最初に映画化したくて打診した作品が『ふくろうの叫び』だったらしいんですよ」と逸話を披露。しかし、すでに権利が売られていたために落ち込んでいたところ、それを聞きつけたハイスミスが直接ヴェンダース監督を呼び寄せ、出版前の「リプリーズ・ゲーム」を渡したことで『アメリカの友人』(77)が制作された、という知られざるエピソードも語り注目を集めた。来年1月5日より公開の杉田監督の最新作『彼方のうた』にも『アメリカの友人』に影響を受けたシーンが登場するという。好きな作品に『キャロル』(15)を挙げた監督は、「『キャロル』のスタッフ全員がハイスミスのことを思っているのかなっていうくらい、凄いんですよ」と語る。さらに『セルロイド・クローゼット』と同様、カーター・バーウェルが手掛けた『キャロル』の音楽や、映画史に残る名シーンであるキャロルとテレーズの出会いのシーンを細かく分析し、月永氏も「この映画を観て『キャロル』がハッピーエンドで終わるということがどれくらい大事で、革命的だったのかということがよくわかって感動しました」と語り、トークを締めくくった。『パトリシア・ハイスミスに恋して』は新宿シネマカリテ、Bunkamuraル・シネマ 渋谷宮下、アップリンク吉祥寺ほか全国にて順次公開中。(シネマカフェ編集部)■関連作品:パトリシア・ハイスミスに恋して 2023年11月3日より新宿シネマカリテ、Bunkamuraル・シネマ 渋谷宮下、アップリンク吉祥寺ほか全国順次公開© 2022 Ensemble Film / Lichtblick Film
2023年11月09日『太陽がいっぱい』『キャロル』などを生んだ作家の知られざる素顔に迫る映画『パトリシア・ハイスミスに恋して』。パトリシア・ハイスミスはアルフレッド・ヒッチコックからルネ・クレマン、クロード・シャブロル、アンソニー・ミンゲラ、トッド・ヘインズといった映画監督たちが原作の映画化を切望してきた作家。文章を読んで広がる映像のイメージの魅力もさることながら、時には同時代の社会的モラルについて考えさせる物語がファンを魅了する。名匠ヴィム・ヴェンダース監督もその1人であり、彼の最新作となる『PERFECT DAYS』と『パトリシア・ハイスミスに恋して』から、両者をつなぐ2つの本編映像が解禁となった。まず、『パトリシア・ハイスミスに恋して』からは、本編中に引用されるヴィム・ヴェンダース監督による『アメリカの友人』(77)のワンシーンが解禁。『太陽がいっぱい』の原作である「トム・リプリー」シリーズの第3弾として発表された「アメリカの友人」の映画化では、主人公リプリーを『イージー・ライダー』のデニス・ホッパー、額縁職人ヨナタンを『ベルリン・天使の詩』のブルーノ・ガンツが演じている。デニス・ホッパーはテンガロンハットをかぶったリプリーを演じ、その意外性と共に話題となった。20作品以上の小説のほとんど全てが映画化されているハイスミス原作映画のなかでもファンの多い作品であり、アラン・ドロン主演の『太陽がいっぱい』(60)や、ケイト・ブランシェット主演の『キャロル』(15)を凌いでベストに挙げる評者もいるという。そして、もう1つは、第36回東京国際映画祭のオープニングで上映された『PERFECT DAYS』のワンシーン。第76回カンヌ国際映画祭で最優秀男優賞(役所広司)とエキュメニカル審査員賞を受賞し、第96回米国アカデミー賞国際長編部門の日本代表にも選ばれた本作にも、実はパトリシア・ハイスミスの小説が登場している。解禁された本編映像では、役所さん演じるトイレ清掃員の平山が休日に古書店を訪れ、ハイスミスの短編集「11の物語」を手に取る場面が切り取られている。古書店主の女性が「パトリシア・ハイスミスは不安を描く天才だと思うわ。恐怖と不安が別のものだって彼女から教わったの」と平山に語るシーンも、ハイスミス作品の熱心な読者には味わい深いセリフ。『PERFECT DAYS』ではまた、平山の日常に「ある思いがけない出来事」が起こると、観客が平山に抱く謎を代弁するかのように、平山の周りの登場人物が彼に様々な問いを投げかける。『パトリシア・ハイスミスに恋して』を通じてハイスミスの人生に触れた後で観ると、ヴェンダースがここでハイスミスの小説を登場させた意図に気づくことができるかもしれない。『パトリシア・ハイスミスに恋して』は新宿シネマカリテ、Bunkamuraル・シネマ 渋谷宮下、アップリンク吉祥寺ほか全国にて順次公開。『PERFECT DAYS』は12月22日(金)よりTOHOシネマズ シャンテほか全国にて公開。(シネマカフェ編集部)■関連作品:パトリシア・ハイスミスに恋して 2023年11月3日より新宿シネマカリテ、Bunkamuraル・シネマ 渋谷宮下、アップリンク吉祥寺ほか全国順次公開© 2022 Ensemble Film / Lichtblick FilmPERFECT DAYS 2023年12月22日よりTOHOシネマズ シャンテほか全国にて公開© 2023 MASTER MIND Ltd.
2023年11月08日レズビアンであることを隠しながら活動を続けたアメリカの作家パトリシア・ハイスミスの知られざる素顔に迫るドキュメンタリー『パトリシア・ハイスミスに恋して』が、ついに公開。本作を手掛けた、スイスの映画監督エヴァ・ヴィティヤ監督が、犯罪小説の裏に隠されたハイスミスの素顔について語る特別インタビューが到着した。日本でも近年、トッド・ヘインズ監督による映画『キャロル』(15)が大ヒットした一方、原作者のパトリシア・ハイスミスその人についてはあまり知られていない。ハイスミスの世界的な評価について監督は、「ヨーロッパでは有名ではあるのですが、あくまでも犯罪小説の作家として有名です。彼女はフランスで長い間暮らしていたので、彼女の作品が最も読まれているのはフランスです」と話す。「それは出版社との関係も作用していると思います」と明かし、「例えばドイツやフランスでは彼女と長年の付き合いのある出版社がいくつかあったのですが、アメリカでは頻繁に出版社が変わっていて、彼女を理解して長期的にサポートしようとした会社はありませんでした」と、アメリカ文学界のアウトサイダーとしてのハイスミスの作家人生を解説。もともとハイスミスのファンだったという監督だが、本作のリサーチを重ねるなかでハイスミス作品に対する印象も変化したと語る。「ハイスミスの人生を深く知ることで、より小説への理解が深まりました。彼女の小説は『罪』がテーマになっていますが、それは実は彼女のセクシュアリティからくる罪の意識というものが大きく影響していると私は思っています。メディアは彼女の人格と彼女の作品を直接結びつけて、彼女を残酷な人間とみなすことが多かったのですが、実際は人格ではなく彼女の抱える問題が背景となって、それが極端で残酷な行動となって表れているのです」と、作家として大きな成功を収めながらも、レズビアンであることを隠すしかないまま活動を続けたハイスミスの苦悩を考察する。さらに、監督はお気に入りのハイスミス作品に「愛しすぎた男」を挙げ、「これは彼女の日記にも通じますが、書くことと愛の関係性がよく表れていると思います。本作で彼女の小説ではなく日記を中心に取り上げたのは、日記には彼女の生活の断片的な感覚や感情というようなものが何の制限もなく自由に書かれているからなのです」と語った。本作から浮かび上がるのは、クールな仮面の下に隠された、惚れっぽく、傷つきやすく、どうしようもなく愛を求め続けた女性の姿。「日本ではまだ知られていないハイスミスの一面を新しく知ることができると思います。私自身もこの映画を撮るまで知らなかった姿を知ることができました。また本作を機にハイスミスの作品も改めて読んでみてほしいです」と、ヴィティヤ監督は日本の観客にメッセージを送った。『パトリシア・ハイスミスに恋して』は11月3日(金・祝)より新宿シネマカリテ、Bunkamuraル・シネマ 渋谷宮下、アップリンク吉祥寺ほか全国にて順次公開。(シネマカフェ編集部)■関連作品:パトリシア・ハイスミスに恋して 2023年11月3日より新宿シネマカリテ、Bunkamuraル・シネマ 渋谷宮下、アップリンク吉祥寺ほか全国順次公開© 2022 Ensemble Film / Lichtblick Film
2023年11月04日『太陽がいっぱい』『キャロル』『アメリカの友人』を生んだ名作家に迫る『パトリシア・ハイスミスに恋して』より本編映像が解禁された。アメリカの作家パトリシア・ハイスミスの、生誕100周年を経て発表された秘密の日記やノート、貴重な本人映像やインタビュー音声、元恋人たちや家族によるインタビュー映像を通して、人気作家の知られざる人生を追うドキュメンタリー。この度解禁された本編映像では、1950年代当時のレズビアンにとってバイブルであり、ハイスミスの自伝的要素のある名作「キャロル」(52/初版の題名は「The Price of Salt」)の誕生秘話が紐解かれている。映像は、ハイスミスの元恋人であり、レズビアン・パルプ・フィクションと呼ばれるジャンルを確立した小説家のマリジェーン・ミーカーが当時のレズビアン・カルチャーを解説。ハイスミス自身の貴重なアーカイブ音声を引用しながら、トッド・ヘインズによる映画化作品『キャロル』(15)の名シーンに、小説の一節を読み上げるグウェンドリン・クリスティー(「ゲーム・オブ・スローンズ」シリーズ)のナレーションが重なる。「キャロル」は1950年代で初めてハッピーエンドを迎えたレズビアン小説であったが、ハイスミスはクレア・モーガンという偽名で出版しなければならず、90年になって初めてハイスミス名義で再版された。2021年になってようやく発表されたハイスミスの膨大な日記やノートの引用や、元々ハイスミスのファンだったために本作の出演が実現したというグウェンドリン・クリスティーによるナレーションも見どころだ。また本作について各界著名人から、「矛盾だらけの世界で小説の中だけが、彼女の永遠だったのかもしれない」(玉城ティナ)、「この映画を観て、さらに『キャロル』という物語のことを深く愛した」(児玉美月/映画文筆家)、「強く愛を求め、たくさんの恋をしながらも、孤独でなくては書いて=生きていけない創作者の業に胸を抉られた」(小説家・王谷晶)といった絶賛コメントが寄せられている。『パトリシア・ハイスミスに恋して』は11月3日(金・祝)より新宿シネマカリテ、Bunkamura ル・シネマ 渋谷宮下、アップリンク吉祥寺ほか全国にて順次公開。(シネマカフェ編集部)■関連作品:パトリシア・ハイスミスに恋して 2023年11月3日より新宿シネマカリテ、Bunkamuraル・シネマ 渋谷宮下、アップリンク吉祥寺ほか全国順次公開© 2022 Ensemble Film / Lichtblick Film
2023年10月27日作家パトリシア・ハイスミスの素顔に迫るドキュメンタリー『パトリシア・ハイスミスに恋して』の公開記念トークイベントが10月25日、都内で行われ、翻訳家の柿沼瑛子氏が出席。コラムニストの山崎まどか氏を聞き手に、ハイスミスにまつわる秘話を語った。欧米ではアガサ・クリスティーと並ぶ人気を誇る、サスペンス・ミステリー作家、パトリシア・ハイスミス(1921-1995)。多くの著書が映画化もされたが、中でも当時偽名で発表した『キャロル』は自伝的小説であり、1950年代のアメリカでハッピーエンドを迎えた初のレズビアン小説だった。しかし、ハイスミス自身は、女性たちとの旺盛な恋愛活動を家族や世間に隠す二重生活を余儀なくされていた。『キャロル』や『水の墓碑銘』といったハイスミスの著作を翻訳されてきた柿沼氏。この日は、晩年のハイスミスと、映画版『キャロル』の脚本を手がけたフィリス・ナジーとの深い関わりについて、「生前から火葬に興味があり、火葬場の取材をすることになったハイスミスを、アテンドしたのが若き日のフィリス・ナジーだったんです」とエピソードを紹介。当初、ハイスミスは、ナジーと言葉を交わすことはほとんどなかったといい、ナジー本人も「嫌われているんじゃないか」と不安に思ったのだとか。ところが、取材のアテンドを終えると、ハイスミスから感謝の手紙が届いたといい、脚本家志望のナジーを大いに励ましたそうだ。「いつか私の小説を脚本化していいわよとも言っていたそうで、それが結実したのが映画版『キャロル』だった。ぜひ、ハイスミスにも観てほしかった」(柿沼さん)小説『キャロル』は1952年、クレア・モーガン名義で“The Price Of Salt”の題名で発表された、後の90年にハイスミス名義にて『キャロル』に改題された。自身の性的指向が反映された同作の逸話に、柿沼さんは「ハイスミスは、小説のジャンルも自分自身のこともカテゴライズされることを嫌っていた」とその背景を説明していた。ハイスミスの生涯を、生誕100周年を経て発表された秘密の日記やノート、貴重な本人映像やインタビュー音声、家族による証言、そしてアルフレッド・ヒッチコック(『見知らぬ乗客』)やトッド・ヘインズ(『キャロル』)、ヴィム・ヴェンダース(『アメリカの友人』)らによる映画化作品の抜粋映像を織り交ぜながら、彼女の謎に包まれた人生と著作に新たな光を当てるドキュメンタリー。さらにウルリケ・オッティンガー『アル中女の肖像』(79)の主演・衣装で知られるタベア・ブルーメンシャインや、作家のマリジェーン・ミーカーなど、ハイスミスの元恋人たちによる貴重なインタビューは、多くの女性から愛されたハイスミスの謎に包まれた魅力を紐解くと同時に、当時のレズビアンカルチャーを知る貴重な証言となっている。監督・脚本はドキュメンタリー監督、脚本家として活躍するスイスの映画監督、エヴァ・ヴィティヤ。『パトリシア・ハイスミスに恋して』は11月3日(金・祝)より新宿シネマカリテ、Bunkamuraル・シネマ 渋谷宮下、アップリンク吉祥寺ほか全国にて順次公開。(シネマカフェ編集部)■関連作品:パトリシア・ハイスミスに恋して 2023年11月3日より新宿シネマカリテ、Bunkamuraル・シネマ 渋谷宮下、アップリンク吉祥寺ほか全国順次公開© 2022 Ensemble Film / Lichtblick Film
2023年10月26日『太陽がいっぱい』や『キャロル』などの原作者の素顔に迫るドキュメンタリー『パトリシア・ハイスミスに恋して』から、若かりし日のハイスミスのカットやハイスミスの元恋人たちの場面写真9点が解禁となった。本作は、アメリカの人気作家パトリシア・ハイスミスの生誕100周年を経て発表された秘密の日記やノート、貴重な本人映像やインタビュー音声、元恋人たちや家族によるインタビュー映像を通して、彼女の人生と著作に新たな光を当てるドキュメンタリー。この度、解禁となった場面写真から、長編デビュー小説「見知らぬ乗客」(50)が翌年ヒッチコック監督により映画化されるなど、若くしてキャリアの成功を手にした裏で、当時深くアンダーグラウンドに潜っていたLGBTQ+コミュニティで多くの女性たちから愛されたハイスミスの知られざる素顔を垣間見ることができる。また、人気作家として名を馳せ、魅力あふれる若かりし日のハイスミスの写真をはじめ、本作に大きな貢献を果たしたハイスミスの元恋人たちによる貴重なインタビュー写真が到着。はじめに登場するマリジェーン・ミーカーは、ハイスミスと同様アメリカの作家。ジャンルごとに様々なペンネームを使い分け、「Spring Fire」(52)でレズビアン・パルプ・フィクションと呼ばれるジャンルを確立した一方、推理小説や犯罪小説でも成功を収めた。ミーカーはノンフィクションの回想録「Highsmith:A Romance of the 1950s」でハイスミスとの日々を綴っている。マリジェーン・ミーカー次に登場するフランス人の元英語教師、翻訳家のモニーク・ビュフェは1978年にハイスミスと出会い、恋愛関係に。ハイスミスは「リプリーをまねた少年」(80)の中でモニークに献辞を捧げており、ハイスミスが亡くなるまで友好的な関係を保ち続けた。モニーク・ビュフェさらに70~80年代にかけて、西ベルリンの映画・アートシーンで活躍し、ウルリケ・オッティンガー監督『アル中女の肖像』(79)の主演・衣装デザイナーなどで知られるタベア・ブルーメンシャインの貴重な証言も収録。タベア・ブルーメンシャイン日本でも「ウルリケ・オッティンガーベルリン三部作」より『アル中女の肖像』『タブロイド紙が映したドリアン・グレイ』(84)が8月19日より劇場初公開されるなど、世界的に再注目が高まるタベア・ブルーメンシャイン。彼女が2020年に亡くなる直前に本作に語った、ハイスミスとの知られざる愛の軌跡も劇中には収められている。ハイスミスの生まれ故郷であるテキサス州からハイスミスの親戚のインタビューも収録、ハイスミスのアイデンティティの葛藤や長年にわたる母親との確執、孤独を浮かび上がらせる。『パトリシア・ハイスミスに恋して』は11月3日(金・祝)より新宿シネマカリテ、Bunkamuraル・シネマ 渋谷宮下、アップリンク吉祥寺ほか全国にて順次公開。(シネマカフェ編集部)■関連作品:パトリシア・ハイスミスに恋して 2023年11月3日より新宿シネマカリテ、Bunkamuraル・シネマ 渋谷宮下、アップリンク吉祥寺ほか全国順次公開© 2022 Ensemble Film / Lichtblick Film
2023年09月17日『太陽がいっぱい』『見知らぬ乗客』そして『キャロル』の原作者として知られる作家パトリシア・ハイスミスの知られざる素顔に迫るドキュメンタリー『Loving Highsmith』(原題)が邦題『パトリシア・ハイスミスに恋して』として11月3日(金・祝)より公開決定、日本版ポスタービジュアルと予告編が解禁された。欧米ではアガサ・クリスティーと並ぶ人気を誇る、サスペンス・ミステリー作家、パトリシア・ハイスミス(1921-1995)。トルーマン・カポーティに才能を認められ、『見知らぬ乗客』(51)、『太陽がいっぱい』(60)、『アメリカの友人』(77)、『キャロル』(15)などの映画史に残る名作の原作の数々を生みだした。中でも、当時偽名で発表した『キャロル』は自伝的小説であり、1950年代のアメリカでハッピーエンドを迎えた初のレズビアン小説だった。しかし、ハイスミス自身は、女性たちとの旺盛な恋愛活動を家族や世間に隠す二重生活を余儀なくされていた。本作は、ハイスミスの生涯を、生誕100周年を経て発表された秘密の日記やノート、貴重な本人映像やインタビュー音声、家族による証言、そしてアルフレッド・ヒッチコックやトッド・ヘインズ、ヴィム・ヴェンダースらによる映画化作品の抜粋映像を織り交ぜながら、彼女の謎に包まれた人生と著作に新たな光を当てるドキュメンタリー。さらに8月19日(金)より公開中のウルリケ・オッティンガー『アル中女の肖像』(79)の主演・衣装で知られるタベア・ブルーメンシャインや、作家のマリジェーン・ミーカーなど、ハイスミスの元恋人たちによる貴重なインタビューは、多くの女性から愛されたハイスミスの謎に包まれた魅力を紐解くと同時に、当時のレズビアンカルチャーを知る貴重な証言となっている。監督・脚本はドキュメンタリー監督、脚本家として活躍するスイスの映画監督、エヴァ・ヴィティヤ。「未発表の日記を読み始めるうちに、彼女自身に恋をしてしまった」と監督が語るように、本作はハイスミスの生誕100周年である2021年に刊行された、彼女の恋愛生活を赤裸々に綴った日記を基に制作されている。ナレーションを担当するのは、大ヒットドラマシリーズ「ゲーム・オブ・スローンズ」、Netflixドラマシリーズ「ウェンズデー」で知られるグウェンドリン・クリスティー。そしてフランスのギタリスト、ノエル・アクショテが書き下ろし、ビル・フリゼールとメアリー・ハルヴォーソンが演奏に参加した楽曲に導かれ、現代ますます再評価の高まる女性作家の仮面の下に隠された、惚れっぽく、傷つきやすく、愛を渇望し続けた、知られざる素顔が明かされる。予告編映像は、グウェンドリンが朗読するハイスミスの日記の一節から幕を開け、彼女の日記やノートの一部、そして元恋人のマリジェーン・ミーカーやモニーク・ビュフェ、家族の貴重なインタビュー映像を垣間見ることができる。日本版ポスタービジュアルでは、多くの女性たちから愛された若かりし日のハイスミスの姿に、彼女の作家人生を表現する「彼女が望んだもうひとつの人生は小説の中にあった」というキャッチコピー、そして彼女が愛した猫やカタツムリなどのモチーフに彩られている。『パトリシア・ハイスミスに恋して』は11月3日(金・祝)より新宿シネマカリテ、Bunkamuraル・シネマ 渋谷宮下、アップリンク吉祥寺ほか全国にて順次公開。(シネマカフェ編集部)
2023年08月27日三浦春馬の主演のミュージカル『ホイッスル・ダウン・ザ・ウィンド ~汚れなき瞳~』全公演が中止になった。『オペラ座の怪人』手掛けたロイド=ウェバーの傑作が日本初演へ『ホイッスル・ダウン・ザ・ウィンド ~汚れなき瞳~』は、『オペラ座の怪人』や『キャッツ』など数々の傑作を生み出したミュージカル界の巨匠アンドリュー・ロイド=ウェバーと、ミートローフやセリーヌ・ディオンなどにヒット曲を提供したソングライター、ジム・スタインマンがタッグを組んだミュージカル。同名小説を原作に、映画化もされた本作は、『Whistle Down the Wind』としてウェストエンドにて上演され、1,000回以上ものロングランを記録。今回、白井晃を演出に迎えて日本初演となる。三浦春馬×生田絵梨花(乃木坂46)が共演主演は、ミュージカル『キンキーブーツ』のドラァグクイーン役で第24回読売演劇大賞の杉村春子賞を受賞し、映画『アイネクライネナハトムジーク』でも主演を務める三浦春馬。脱獄犯である「男(ザ・マン)」役を演じる。また、「男(ザ・マン)」をイエス・キリストの生まれ変わりだと信じる無垢な少女・スワロー役を、第44回菊田一夫演劇賞も受賞した乃木坂46の生田絵梨花が演じる。さらに、スワローの幼馴染であり彼女に思いを寄せるエイモス役は、平間壮一と東啓介のダブルキャスト。そのエイモスのガールフレンド・キャンディ役には、ミュージカル初挑戦となる鈴木瑛美子が、そしてダブルキャストとしてMARIA-Eが加わる。また実力派ミュージカル俳優の福井晶一がスワローの父親ブーン役を務めるほか、矢田悠祐、藤田玲、安崎求らが出演する。ストーリー時は1959年ルイジアナ。脱獄した一人の「男(ザ・マン)」が納屋に身を潜める。その「男(ザ・マン)」をイエス・キリストの生まれ変わりだと思い込む少女、スワロー。彼女は母親を亡くし、父親のブーンと幼い妹や弟たちと暮らしていた。母を亡くした悲しみに沈むスワローが望むクリスマスプレゼントは、「死んだお母さんにもう一度会う」こと。その願いを打ち明けられた「男(ザ・マン)」は、汚れなき瞳を持つスワローに自分の本性を打ち明けることができず、キリストとして過ごす事になる。一方、スワローの幼馴染であるエイモスとそのガールフレンド・キャンディは閉鎖的な街を抜け出し、新しい人生を送ろうと企てる。しかし、スワローに思いを寄せ助けようとするエイモスを見て、キャンディは嫉妬し、スワローを罠にはめる。スワローは「男(ザ・マン)」がキリストでないことに気づき始めるが、2人は次第に街の人々との対立に巻き込まれ......。詳細ミュージカル『ホイッスル・ダウン・ザ・ウィンド ~汚れなき瞳~』<全公演中止>場所:日生劇場住所:東京都千代田区有楽町1-1-1出演:三浦春馬、生田絵梨花(乃木坂46)、平間壮一、東啓介、鈴木瑛美子、MARIA-E、福井晶一、矢田悠祐、藤田玲、安崎求、高原碧那、谷岡杏春、井伊巧、岡本拓真 ほか脚本・作曲・オーケストレーション:アンドリュー・ロイド=ウェバー作詞:ジム・スタインマン(ミートローフ)脚本:パトリシア・ノップ オーケストレーション:デヴィッド・カレン演出:白井晃■チケット販売一般前売開始:2019年12月14日(土)料金:S席 13,500円 / A席 9,000円 / B席 4,500円※価格はすべて税込取扱:チケットぴあ、e+(イープラス)、CNプレイガイド、セブンチケット、Yahoo!チケット・電話予約:東宝テレザーブ(TEL:03-3201-7777、9:30〜17:30)、帝国劇場窓口販売(10:00〜18:00)、日生劇場窓口販売(10:00〜18:00、第一土日は休業、なお公演のある日は除く)※2019年12月15日(日)以降に、残席がある場合にのみ取り扱い・先行抽選エントリー期間:2019年11月26日(火)〜11月29日(金)※「東宝ナビザーブ」に要登録先行先着販売:12月8日(日) 10:00〜※12月14日(土) 10:00以降は、会員登録なしで購入可■全国ツアースケジュール<中止>富山日程:2020年4月4日(土)〜5日(日)会場:オーバードホール住所:富山県富山市牛島町9-28<中止>福岡日程:2020年4月10日(金)〜12日(日)会場:北九州芸術劇場住所:福岡県北九州市小倉北区室町1丁目1-1-11<中止>愛知日程:2020年4月17日(金)〜19日(日)会場:愛知県芸術劇場大ホール住所:愛知県名古屋市東桜1丁目13-2<中止>大阪日程:2020年4月23日(木)~30日(木)会場:梅田芸術劇場メインホール住所:大阪府大阪市北区茶屋町19-1■中止に伴うチケット払い戻しについて詳しくは、主催の東宝株式会社のオフィシャルサイトを確認。また、該当公演回のチケット料金払戻し方法に関しては、東宝株式会社にて決定次第、同じく同社オフィシャルサイトで発表。公式サイト:問い合わせ先:東宝株式会社 帝国劇場内日生公演係 03-3213-7221【問い合わせ先】帝国劇場内日生公演係TEL:03-3213-7221
2019年04月11日MCM(エムシーエム)が、2018年8月29日(水)より大阪・阪急うめだ店にオープンする。MCM阪急うめだ店は、ブランド初となる関西地区の常設ショップ。オープン時は、音楽とムーブメントがテーマの2018年秋冬コレクションをはじめ、ブランド定番の“ヴィセトスモノグラム”のアイテムを用意する。また、オープンを記念して、MCMを象徴するトップハンドルのパトリシアサッチェルの新色・ホッパーグリーンなどが先行販売アイテムとして登場。さらに、自分の好みに合わせてパーツをカスタマイズできる「メイド・トゥー・オーダー(MTO)」サービスもスタートする。なお、阪急うめだ本店1階のプロモーションスペース12では、オープン日の8月29日(水)から9月4日(火)までの期間、オープンを記念したポップアップストアがオープンされる。【詳細】MCM阪急うめだ店オープン日:2018年8月29日(水)場所:阪急うめだ本店1階 ハンドバッグギャラリー住所:大阪府大阪市北区角田町8-7TEL:06-6313-7906
2018年08月30日テレビドラマ「セックス・アンド・ザ・シティ(Sex and the City)」や映画『プラダを着た悪魔』のスタイリスト、パトリシア・フィールドの収蔵作品を集めた特別展示「パトリシア・フィールド アートコレクション」 が、20017年7月1日(土)から11月19日(日)まで開催される。会場は、山梨県の中村キース・ヘリング美術館。テレビドラマ「セックス・アンド・ザ・シティ」は、サラ・ジェシカ・パーカー演じるキャリー・ブラッドショーと、友人たちシャーロット・ヨーク、ミランダ・ホップス、サマンサ・ジョーンズの4名をメインキャストに揃えたドラマ。彼女たちの恋にまつわるエピソードが、多くの女性の心を掴み話題を呼んだ。またストーリーだけでなく、色鮮やかなファッションも「セックス・アンド・ザ・シティ」の見所。その衣装を手掛けていたのが、パトリシア・フィールドだ。独自の感性から生まれる装いは、色鮮やかで斬新。様々なテイストがミックスされ、キャリーが日本の着物を纏って登場するシーンもあった。このように、ファッション界で注目を集めるパトリシア・フィールドだが、彼女はアートの面でも力を発揮している。絵画、写真、ポスター、彫刻、版画によるアート作品が壁を覆う、ブティック『パトリシア・フィールド』を展開。ブティックには、世界中のファッショニスタが足を運び、常連の中にはマドンナ、デボラ・ハリー、ジャン=ミシェル・バスキアといった著名なメンバーも。展示されていたのは、ほとんどが無名アーティストの作品だったが、煌びやかな衣装と並ぶとパワーのある空間が出来上がっていた。この『パトリシア・フィールド』は、惜しまれつつも2016年春に閉店。『パトリシア・フィールド』所蔵作品、またオフィス、倉庫や自宅に保管されていた収蔵品300点の中から、主要作品190点が中村キース・ヘリング美術館に収蔵されることになり、今回特別展示「パトリシア・フィールド アートコレクション」の開催が実現した。【イベント詳細】特別展示「パトリシア・フィールド アートコレクション」開催期間:20017年7月1日(土)~11月19日(日)会場:中村キース・ヘリング美術館住所:山梨県北杜市小淵沢町10249-7TEL:0551-36-8712
2017年06月30日『エデンより彼方に』などで数々の賞に輝き、『メイズ・ランナー』でもキーパーソンを演じたパトリシア・クラークソンと、『ガンジー』から『ナイトミュージアム/エジプト王の秘密』まで第一線で活躍するベン・キングズレー。2人のベテランが共演を果たした2014年トロント国際映画際「観客賞」次点作品が、『しあわせへのまわり道』として日本で公開されることが決まった。ニューヨークの売れっ子書評家ウェンディ(パトリシア・クラークソン)の順風満帆の人生は、突如崩壊した。長年連れ添った夫が結婚生活を見切り、浮気相手のもとへ去ってしまったのだ。どん底の悲しみの中で“車を運転できない”現実に直面したウェンディは、インド人タクシー運転手ダルワーン(ベン・キングズレー)のレッスンを受けることに。伝統を重んじる堅物だが、人種も宗教も文化も正反対のダルワーンとの出会いは、ウェンディの心の針路を変え、未来に踏み出す勇気を与えることに…。『エデンより彼方に』『エイプリルの七面鳥』、『カイロ・タイム~異邦人~』などで知られる名女優パトリシア・クラークソンが、「ニューヨーカー」誌に掲載されたエッセイにほれ込んで映画化に漕ぎ着けたという本作。夫が浮気相手のもとへ去り、悲しみのどん底で人生の分岐点に立たされたヒロインが、傷つきながらもありのままの自分と向き合い、新たな人生へと再出発する姿をユーモラスに映し出す。彼女のドライブレッスンの相手を務めるのは、大ベテランのベン・キングズレー。酸いも甘いも経験してきた大人の女性の本音と、小粋なユーモアにあふれたハートフルな物語を描き出すのは、『エレジー』でも2人と組んだ、『死ぬまでにしたい10のこと』『あなたになら言える秘密のこと』のスペインの女流監督イサベル・コイシェ。まわり道の末、人生の再出発を決める大人の物語は、夏の終わりに爽やかな感動を与えてくれそうだ。『しあわせへのまわり道』は8月28日(金)よりTOHOシネマズ日本橋、TOHOシネマズ六本木ヒルズほかにて全国公開。(text:cinemacafe.net)
2015年06月17日クロックス・ジャパンが、『セックス・アンド・ザ・シティ』の衣装を手掛けたファッション界のカリスマ、パトリシア・フィールドとのコラボレーションモデルを7月中旬より順次発売する。ニューヨーク出身のパトリシア・フィールドは、衣装デザイナーでスタイリスト。『セックス・アンド・ザ・シティ』のTVシリーズで衣装を担当し、02年にエミー賞を受賞。07年のアカデミー賞では、映画『プラダを着た悪魔』で衣装デザイン賞にノミネートされた。同コラボレーションでは、パトリシア・フィールドらしい原色を多用したビビッドな色使いの大胆なグラフィックを制作。その個性的なデザインが、ファーストモデルの「クラシック」(5,900円)、カジュアルフラットシューズ「キャップトゥ フラット」(6,900円)、フリップスタイルの「リアリーセクシィ フリップ」(4,900円)の3モデルにあしらわれた。7月中旬よりクロックスの直営店、公式オンラインショップ、一部のクロックス取り扱い店舗にて順次販売される。
2015年06月11日第87回アカデミー賞授賞式が23日、アメリカ・ロサンゼルスのドルビー・シアターで開催され、『6才のボクが、大人になるまで。』のパトリシア・アークエットが助演女優賞を受賞した。『6才のボクが、大人になるまで。』は、6歳の少年メイソンとその家族の変遷の物語を、同じ主要キャストで12年に渡り撮り続けたドラマ。パトリシア・アークエットは、少年から青年へと成長していくメイソンの母親を演じた。パトリシア・アークエットは授賞式の檀上で、アカデミー賞に関わる人やほかのノミニーをはじめ、キャスト、クルー、イーサン・ホークら映画の中の家族、リンクレイター監督、友人、両親、ボランティアの人たちに、感謝の気持ちを伝えた。そして、「途上国への支援をしている方や、子供を産んだことのある母親のみなさん、世界の市民…ほかの人たちの人道の権利のためにみんな立ち上がってきました」と続け、「賃金の平等を、女性にも平等の権利を与えるべき時が来ています。アメリカでも平等の権利を女性に与えるべきです」と訴えると、会場から大きな拍手が沸き起こった。『生中継! 第87回アカデミー賞授賞式』は現在、WOWOWプライムにて放送中。字幕版は同日21時より放送。(c)2014 boyhood inc./ifc productions i, L.L.c. aLL rights reserved.
2015年02月23日第87回アカデミー賞授賞式が2月23日(日本時間)、米ロサンゼルスのドルビー・シアターで行われ、『6才のボクが、大人になるまで。』のパトリシア・アークエットが「助演女優賞」を受賞した。初ノミネートで、初受賞を果たした。リチャード・リンクレイターが12年間という歳月をかけて、ある少年とその家族の移ろいを同じキャストで撮影し続けた野心的なヒューマンドラマ。パトリシアは二人の子どもを育てるシングルマザーを演じた。離婚や再婚相手のDVといった苦境から子どもたちを守ろうと奮闘し、愛情を注ぐ母親。それでも、子どもたちは成長とともに自分の世界を見つけ、巣立っていく…。そんな現実と向き合い、大学進学が決まった18歳の息子を前に「これで終わりだなんて。もっと何かあると思っていたのに」とこぼすシーンは多くの女性の心を震わせただけでなく、世代を問わずすべての観客に“母親の愛情”を再認識させた。今年の助演女優賞はパトリシアを筆頭に、ローラ・ダーン(『Wild』)、キーラ・ナイトレイ(『イミテーション・ゲームエニグマと天才数学者の秘密』)、エマ・ストーン(『バードマンあるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』)、メリル・ストリープ(『イントゥ・ザ・ウッズ』)という新旧の実力派が候補に名を連ねていたが、前哨戦である各映画賞レースで先頭を走ってきたパトリシアが順当にオスカーを手にした。姉は女優のロザンナ・アークエット。兄弟や父親も俳優という芸能一家に育った。ブレイクのきっかけは日本でも大ヒットを記録した『トゥルーロマンス』で、彼女が演じた自由奔放なヒロインは当時の若者に鮮烈なイメージを残した。その後はティム・バートン(『エド・ウッド』)、デヴィッド・リンチ(『ロスト・ハイウェイ』)、ミシェル・ゴンドリー(『ヒューマン・ネイチュア』)など個性豊かな監督とタッグを組んだ他、など。2005年よりテレビシリーズ『ミディアム 霊能者アリソン・デュボア』に主演し、エミー賞を獲得している。(text:cinemacafe.net)
2015年02月23日