俳優の平間壮一が、演劇集団・キャラメルボックスの代表作『無伴奏ソナタ』の初ミュージカル作品で主演することが決定した。7月26日から8月4日まで東京・サンシャイン劇場、8月10日から11日まで大阪・森ノ宮ピロティホールで開催される。2012年に初演された舞台『無伴奏ソナタ』は、全国10ヵ所、延べ5万人以上を動員。原作は、『ネビュラ賞』や『ヒューゴー賞』を受賞したアメリカの作家、オースン・スコット・カードの短編小説。人間の職業が幼児期のテストで決まる時代を舞台に、音楽の天才として見出されたクリスチャン・ハロルドセンの壮絶な人生が描かれている。ミュージカルの脚本・演出・作詞は成井豊、音楽は杉本雄治が手掛けた。音楽の天才として見出された主人公のクリスチャン・ハロルドセンを平間が演じる。また、クリスチャンの生活を監視するウォッチャー役には、舞台版『無伴奏ソナタ』でクリスチャン役を演じた多田直人(キャラメルボックス)。このほか、ドラマや舞台と活躍の場を広げる大東立樹(ギレルモ役ほか)、『レ・ミゼラブル』のコゼット役を最年少で演じた熊谷彩春(リンダ役ほか)、コンサートや演劇の企画・脚本・演出も手掛ける藤岡正明(ジョー役ほか)、元宝塚歌劇団月組トップスターの霧矢大夢(オリビア役ほか)が出演する。成井は、「(舞台公演)3回目の時、プロデューサーから『これ、ミュージカルにしたら、おもしろくなりますよね』と言われて、ハッとしました。なぜ自分で思いつかなかったのかと悔しく思いました。それから6年、ようやく夢がかなう日が来ました」と喜ぶ。幼児期に神童と認定された主人公を演じる平間は、「長い人生、最後に何を思いたいか、幸せかどうかは重要なのか。そんなことを1回目読み終わったあとに、僕は思いました。稽古を重ねてどう感じるようになるか、『無伴奏ソナタ』をよろしくお願いします」とアピールする。一方、舞台版でクリスチャン役を演じたことのある多田は、「この作品が無ければ、今の私はいません。そんな思い出深い作品にまた帰ってこられるなん。しかもミュージカルになっちゃうなんて! この作品に相応しい、大きな挑戦です」と胸を弾ませる。また、本作でギター演奏に初挑戦した大東は、「私自身も“音楽の歴史”を学び、より深みを出せるように演じたいと思います。本番に向け、日々の練習に励みたいと思います」と意気込む。
2024年02月28日演劇集団キャラメルボックスの代表作『無伴奏ソナタ』初のミュージカル化が決定。2024年7月26日(金) から8月4日(日) に東京・サンシャイン劇場、8月10日(土)・11日(日・祝) に大阪・森ノ宮ピロティホールで上演されることが発表された。2012年に舞台作品として演劇集団キャラメルボックスが初演し、これまでに全国10カ所、延べ5万人以上を動員している『無伴奏ソナタ』。原作は『エンダーのゲーム』でネビュラ賞とヒューゴー賞をダブル受賞したアメリカの作家、オースン・スコット・カードの短編小説で、すべての人間の職業が幼児期のテストで決定される時代を舞台に、音楽の天才として見出された男、クリスチャン・ハロルドセンの壮絶な人生を描く。ミュージカル版の脚本・演出・作詞を務めるのは、舞台版も手がけている成井豊で、わずか30ページほどの原作を2幕のミュージカルに仕立てあげる。音楽は、元ピアノロックバンドWEAVERのボーカルで、現在はソロプロジェクトONCEとして活動している杉本雄治が務める。出演者は、音楽の天才として見いだされるクリスチャン役で平間壮一、クリスチャンの生活を監視するウォッチャー役で、舞台版『無伴奏ソナタ』でクリスチャンを演じた多田直人(キャラメルボックス)、ギレルモ役ほかで大東立樹、リンダ役ほかで熊谷彩春、ジョー役ほかで藤岡正明、オリビア役ほかで霧矢大夢が名を連ねている。■脚本・演出・作詞:成井豊 コメント『無伴奏ソナタ』はもともとストレート・プレイで、過去に3回上演しています。その3回目の時、プロデューサーから、「これ、ミュージカルにしたら、おもしろくなりますよね」と言われて、ハッとしました。なぜ自分で思いつかなかったのかと悔しく思いました。音楽の天才が音楽を禁止される物語。テーマはまさに音楽。これをミュージカルにしない手はない!それから6年、名作ミュージカルを産み出し続けているアミューズのお力をお借りし、ようやく夢がかなう日が来ました。主演の平間さんをはじめとした素晴らしいキャストと、音楽の杉本さんと共に、全力で挑みます。頑張ります!■音楽:杉本雄治 コメントお誘いを受けたのがコロナ禍真っ只中の2022年夏。僕自身もコロナを患い、後遺症と闘う日々の中、このストーリーを読み、勝手ながらもどこか自分を投影し感銘を受けたのを今でも覚えています。今まで当たり前のものとしていた大切なものを奪われていく瞬間。その痛みに心打たれるとともに、今自分にある人生と改めて向き合わせてくれる、大きな力を秘めた作品だと感じました。この作品のファンの方々、そしてこれからこの作品に出会う全ての方に愛される作品になるよう、最高の音楽で彩れればと思います。どうか期待ください!■平間壮一 コメントシアワセってなんだろう、ツライがあるからシアワセなのか?シアワセを与えられ続けてシアワセと感じるのか?人は欲深くて沢山を欲しがる変化を欲しがる長い人生、最後に何を思いたいかシアワセかどうかは重要なのか。そんな事を1回目読み終わったあとに僕は思いました。稽古を重ねてどう感じるようになるか、『無伴奏ソナタ』よろしくお願いします。■多田直人 コメント『無伴奏ソナタ』は過去3度、劇団で上演されました。3度とも、クリスチャンを演じました。秘密にしておこうかな、と思ったけど、どうせバレるので自分で言っておきます。おかげで、たくさんの経験を得ることができました。この作品が無ければ、今の私はいません。そんな思い出深い作品にまた帰ってこられるなんて!しかもミュージカルになっちゃうなんて!この作品に相応しい、大きな挑戦です。ご期待ください。■大東立樹 コメントギレルモはクリスチャンに再び音楽を思い出させるきっかけを与える素敵な役だと感じております。私自身も「音楽の歴史」を学び、より深みを出せるように演じたいと思います。また、観にきてくださるお客様にも音楽の楽しさを知っていただけるよう精進いたします。今回はギター演奏に初挑戦します。本番に向け、日々の練習に励みたいと思います。■熊谷彩春 コメント初めてこの作品を拝見したとき、他者によって管理された機械的な近未来の物語の中で、関わり合う登場人物たちの人間臭さに、胸を打たれました。そんな素敵な作品の1ピースになれること、リンダというチャーミングでコミカルな役に挑戦させていただけること、心から嬉しく感じています。ミュージカル化にあたって、歌やダンスも加わるということで、どのような化学反応が起きるのか、今からとても楽しみです。■藤岡正明 コメントこの度、『無伴奏ソナタ』に出演させていただくことになりました、藤岡正明です。「音楽を聴くことを、一切禁じられた音楽の天才」。タイトルの『無伴奏ソナタ』は、バッハの『無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ』から名付けられたことは明白でしょう。このバッハの美しい名曲から、僕は「孤独」を感じました。『無伴奏ソナタ』において、クリスチャンの「孤独」の歯車として、丁寧に稽古に取り組んで、初日を迎えたいと思います。これはあくまでも僕の勝手な印象ですので、話半分に聞いていただけたら幸いです(笑)。■霧矢大夢 コメント現実とSFの狭間の様な、不思議な感覚になる物語です。私は「メイカー」の世話をする、家政婦オリビア役。政府に雇われた厳格な家政婦と思いきや、意外に情に脆い部分があります。架空世界の物語ではありますが、登場人物はとても人間臭く、親近感もあります。ミュージカルとして生まれ変わり、より登場人物達が立体的に浮き上がりそうですね。2017年『スキップ』以来、久々にご一緒させて頂く成井さん、平間くん始め出演者の皆さまとのコラボレーションもとても楽しみです。<公演情報>『無伴奏ソナタ -The Musical-』原作:オースン・スコット・カード翻訳:金子司脚本・演出・作詞:成井豊音楽:杉本雄治【出演】平間壮一 多田直人(キャラメルボックス) 大東立樹 熊谷彩春 / 藤岡正明畑中智行(キャラメルボックス) 原田樹里(キャラメルボックス) 染谷洸太 西野誠 町屋美咲 / 霧矢大夢東京公演:2024年7月26日(金) ~8月4日(日) サンシャイン劇場大阪公演:2024年8月10日(土)・11日(日・祝) 森ノ宮ピロティホール公式サイト:
2024年02月27日Broadway Musical『IN THE HEIGHTS イン・ザ・ハイツ』が、2024年9月から10月にかけて東京・京都・名古屋・神奈川で上演されることが決定した。世界中で最もチケットが取れないミュージカルと言われる『ハミルトン』を生んだブロ-ドウェイの異端児リン=マニュエル・ミランダの処女作であり、傑作と呼ばれる本作。日本では2014年に日本版が初演され、日本人では表現が難しいとされたラップ部分をKREVAが日本語表現に替え、ヒップホップを本分とするDef TechのMicroをウスナビ役に迎え、日本人に届く日本語歌詞へと作り上げた。また7年後の2021年には新キャストで再演されている。日本では3度目の上演となる2024年版には、雑貨店を営みながらドミニカへの想いを募らせているウスナビ役でDef TechのMicroと平間壮一が、21年版に続きWキャストで出演するほか、タクシー会社で働くベニー役を松下優也、ベニーが恋心を抱いているニーナ役をsara、奥手のウスナビが心を寄せながらもなかなか近づけないヴァネッサ役を豊原江理佳、ウスナビの店で働くソニー役を有馬爽人が務める。演出・振付は14年版・21年版と同じくTETSUHARUが手がける。■Micro(Def Tech)コメント2014年初のミュージカルの舞台、初演では右も左もわからないまま僕には"必死"の2文字しかなかった。悔しくも、2021年の再演の際は、新型コロナウィルスによる緊急事態宣言を受け、大千穐楽目前に3公演を残して中止となってしまいました。ウスナビを演じさせていただくのはこれで3度めの正直。僕の中でウスナビはどんどん育っています。全身全霊、持てる力の限り、千秋楽まで歌って踊って演じ切ります!我こそが"I’m ウスナビ"の精神で!■平間壮一 コメント『イン・ザ・ハイツ』帰ってきました!自分自身もすごい嬉しいですし皆さんにも喜んでもらえてたら大変嬉しいです!キャストも新たにまた新しい空気をお届けできたらなと思います!前回終わってからKREVAさんに会うこともできて、アドバイスもらったので再挑戦だ!!■松下優也 コメント2014年の初演以来の出演となります、ベニー役の松下優也です。2021年の再演、そして映画を見たときに改めてこの作品の持つ音楽の力を感じました。観客の皆さんが一緒になって歌い、踊りだすようなエネルギッシュで、よりパワーアップした『イン・ザ・ハイツ』をお届けします!個性豊かなキャスト、そして素敵なクリエイターの皆さんとご一緒するのが今からとても楽しみです。2024年版のNew『イン・ザ・ハイツ』をぜひお楽しみに!■sara コメント初めて『イン・ザ・ハイツ』という作品に出逢った時、大好きなリン=マニュエル・ミランダさんの遊び心いっぱいの音楽、全身が熱くなるようなダンスのエネルギーに魅了され、それ以来憧れの作品になりました。こうしてご縁を頂いて『イン・ザ・ハイツ』カンパニーの一員としてお客様にこの作品をお届けできることを、本当に嬉しく思います!!自分の道を探しながら等身大で生きるニーナを、誠心誠意演じたいと思います。劇場でお待ちしております。■豊原江理佳 コメント2008年にブロードウェイでこの作品に出会いました。当時自分のルーツに悩み、模索していた時に出会った『イン・ザ・ハイツ』。自分の故郷、ホームとは何か?心にじんわりと優しく響く物語のメッセージと、熱いラテンの音楽に心奪われたのを昨日のことのように覚えています。私自身ドミニカ共和国出身で、いつかこの作品に携わりたいと常に夢見ていましたので、ひとつ夢が叶った気持ちです。暖かい気持ちになってもらえるような作品作りを頑張りますので、ぜひ楽しみにしていてください!■有馬爽人 コメント皆さんこんにちは!ブロードウェイミュージカル『イン・ザ・ハイツ』に出演致します、ソニー役の有馬爽人(ありま さやと)です!僕自身、この作品を観させて頂いた際は、自然と身体が踊ってしまう程、全ての楽曲がすごく魅力的で言葉1つ1つが心に沁みる楽曲で、何度もリピートしてしまう、中毒性に満ち溢れた楽曲が魅力的な作品だと思いました。これから、ソニーとしてこの世界で生きられる事を嬉しく思うのと、皆さんにとってかけがえのない作品になれたらなと思います。是非、この世界観を共に肌で感じて、一緒に歌い、踊りましょう!<公演情報>Broadway Musical 『IN THE HEIGHTS イン・ザ・ハイツ』Broadway Musical 『IN THE HEIGHTS イン・ザ・ハイツ』ティザービジュアル原案・作詞・作曲:リン=マニュエル・ミランダ脚本:キアラ・アレグリア・ウデス演出・振付:TETSUHARU翻訳・訳詞:吉川徹歌詞:KREVA音楽監督:岩崎廉【出演】ウスナビ:Micro [Def Tech]/平間壮一(Wキャスト)ベニー:松下優也ニーナ:saraヴァネッサ:豊原江理佳ソニー:有馬爽人ダニエラ:エリアンナカーラ:ダンドイ舞莉花ピラグア屋:MARUグラフィティ・ピート:KAITAケヴィン・ロザリオ:戸井勝海カミラ・ロザリオ:彩吹真央アブエラ・クラウディア:田中利花ほか【公演時期】2024年9月~10月【会場】東京公演:天王洲 銀河劇場京都公演:京都劇場名古屋公演:Niterra日本特殊陶業市民会館 ビレッジホール神奈川公演:大和市文化創造拠点シリウス 1階芸術文化ホール メインホール公式サイト:
2024年02月07日植原卓也、平間壮一、水田航生が出演するミュージカル『ミア・ファミリア』が11月24日、東京芸術劇場シアターウエストにて開幕した。2013年に韓国で初演された、韓国小劇場ミュージカルの人気作で、日本ではこれが初演。植原、平間、水田はそれぞれミュージカルや舞台で大活躍中、ユニット「3LDK」としてもタッグを組み人気を博しているが、芝居での共演はこれが初となる。物語は禁酒法時代のニューヨーク、イタリア人労働者たちの潜り酒場「アポロニア」が舞台。マフィアのボスが一帯を買い占めてしまったため、翌日には閉店が決まっている店で、たったふたり残ったボードヴィル俳優リチャード(平間壮一)とオスカー(水田航生)が最後の公演準備をしている。そこへマフィアの手下、スティーヴィー(植原卓也)が押しかけてきて、ボスの上院議員当選祝いをこの店でやる、ついてはボスの自伝『ミア・ファミリア』を上演しろと言ってきて……。閉店を控えたバーで起きた騒動と人間模様に加え、リチャード&オスカーがもともと上演しようとしていた『ブルックリン・ブリッジの伝説』、スティーヴィーが持ち込んできた『ミア・ファミリア』という2本の劇中劇が並行して綴られていく。たった3人のキャストは目まぐるしく役を変え、芝居に歌にダンスに女装に客席降りにと八面六臂の活躍。俳優たちが汗をかきかき大奮闘する中で、彼らの素の魅力も見えてくる。笑いをたっぷりまぶしながらもキャラクターの心情を切々と歌い上げるナンバーもあり、しかしあくまでも賑やかに――“韓国小劇場ミュージカル”の王道のようなミュージカルだ。しかも、演じる3人がなんとも可愛い。スティーヴィー役の植原はクールで隙のない立ち姿がマフィアらしい凄みを醸しだしながらも、時折みせるお茶目な行動がチャーミング。リチャードの平間は店と芝居を愛し、行き詰った状況をどうにかしたいと思っている真摯さがぴったり、ただしギャンブル好きだというダメポイントの抜け感もイイ。水田は、実は翌日に結婚式を控えていてアポロニア最後の公演どころではないオスカーを、調子の良い軽さと仕事を切り捨てきれない情の深さで絶妙に演じている。3人ともなんてピッタリで、“愛すべきヤツら”なんだろう! 日本公演前に韓国での上演を観た日本スタッフが「当て書きではないか」と口を揃えて言った、というのもさもありなん。初日前の会見では、役にピッタリと言われることに「自覚はあまりない」と笑う3人だったが、平間が「3LDKというユニットがあって、この作品があって、ちょうど良かったと言ったら言い方が変かもしれませんが……。長年一緒にやってきた仲間がここにいて、自然と深まっていったものを作品に乗せていける」と語るように、“3人だからこそ”の部分は確実にある様子。植原も「子どもの頃から知っているので、ふたりがとんでもない役者さんになっていてびっくりしています。『そういう風に役を作り上げていくんだな』とか、一つひとつに感動した」、水田も「普段なら『今このタイミングではなく後で伝えよう』と思うことも、気になった時にポンと言えたりした。安心しかなかったし、負の感情が生まれない稽古場でした。また色々な経験を積んだふたりの姿を見て、刺激を受けました」と話していた。最後まで息をつかせない物語に、妙に耳に残るユニークな楽曲で、一瞬も飽きる暇のないスピーディなミュージカル。さらにカーテンコールは、まるで3LDKのライブかと見紛うほどの楽しいノリで盛り上がること間違いなし。何より、3人が心から楽しそうなのがいい。公演は同劇場にて12月3日(日)まで上演したのち、12月23日(土)・24日(日)には大阪・梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティでも上演される。チケットは発売中。取材・文・撮影:平野祥恵<公演情報>ミュージカル『ミア・ファミリア』Original Production by MJStarfish【出演】植原卓也平間壮一水田航生【スタッフ】脚本・作詞:イ・ヒジュン作曲:パク・ヒョンスク訳詞:森雪之丞日本版脚本・演出:安倍康律【東京公演】2023年11月24日(金) ~12月3日(日)会場:東京芸術劇場シアターウエスト【大阪公演】2023年12月23日(土)・24日(日)会場:梅田芸術劇場シアター・ドラマシティチケット情報:公式サイト:
2023年11月27日韓国で2013年に初演され、以来繰り返し再演されてきただけでなく中国でも上演歴のあるミュージカル『ミア・ファミリア』が、本日11月24日(金)に東京芸術劇場シアターウエストにて日本初演の幕を開ける。大恐慌時代のニューヨークを舞台に、ボードビルを楽しむ酒場「アポロニアイン&バー」で働くリチャードとオスカーが、突然やってきたマフィアの手下スティーヴィーに迫られ、彼のボスの自伝「ミア・ファミリア」を上演することになる物語。リチャード、オスカー、スティーヴィー役の俳優が、劇中劇に登場する役もすべて3人で演じ分ける趣向のノンストップコメディだ。日本版の注目ポイントはなんと言っても、舞台俳優としてそれぞれに活躍する傍ら、3人組ユニット「3LDK」としても活動する植原卓也、平間壮一、水田航生が初めてミュージカルの舞台で共演することだろう。中高生だった頃から同じ事務所に所属し、2012年に事務所が開催したライブで初めて3人によるユニットナンバーを披露。そこでの人気をきっかけにインターネット配信番組「3LDK」が誕生し、番組から派生したイベントなども行ってきた。コロナ禍には自ら企画・演出・振付に挑んだ無観客ライブを開催、2021年にはミニアルバムをリリースし、今年4月にはフォトブックを発売したことも記憶に新しい。そんな3人が初めて揃うこの舞台で、平間と水田が演じるのはボードビリアン役。「アポロニアイン&バー」の閉店が迫り、舞台が人生のすべてだったため途方に暮れるリチャード役に平間が、金持ちの娘との結婚に気を取られているオスカー役に水田が扮する。そして植原は、そんなバーに押し掛けてボスの自伝を上演するよう迫り、自らも出演することになるマフィアの手下スティーヴィー役。作品公式サイトには「当て書きのようにぴったりとキャラクターにはまった3人による、3人だけのミュージカル。」の文字が躍るが、果たして――。森雪之丞による訳詞と、安倍康律による演出との化学反応にも期待したい。文:熊田音子<公演情報>ミュージカル『ミア・ファミリア』Original Production by MJStarfish【出演】植原卓也平間壮一水田航生【スタッフ】脚本・作詞:イ・ヒジュン作曲:パク・ヒョンスク訳詞:森雪之丞日本版脚本・演出:安倍康律【東京公演】2023年11月24日(金) ~12月3日(日)会場:東京芸術劇場シアターウエスト【大阪公演】2023年12月23日(土)・24日(日)会場:梅田芸術劇場シアター・ドラマシティチケット情報:公式サイト:
2023年11月24日コメディミュージカル『ミア・ファミリア』が2023年11月から東京芸術劇場ほかで日本初演される。「3LDK」というユニットを組む植原卓也・平間壮一・水田航生の3人がミュージカル初共演ということでも話題を呼びそうだ。舞台は1930年代のニューヨーク。失業者が急増し、禁酒令にもかかわらず人々はますます酒を求める。荒涼とした都市を密造酒事業で掌握したマフィアは勢力を広げ、建物を買い占めていた。イタリアの労働者たちの癒しの場である「アポロニア イン&バー」もマフィアの手に渡り、明日には閉店する。「アポロニア」に残った最後のボードビル俳優のリチャード(平間壮一)とオスカー(水田航生)は最後の公演準備をしている。そんなとき、マフィアの手下のスティーヴィー(植原卓也)がボスの自伝を上演しろと言い始めて......。6月下旬に行われたビジュアル撮影を見学した。煉瓦造りの壁を背景に、テーブルの上にはウイスキーボトルとショットグラス。撮影の直前まで談笑していた3人だが、いざカメラの前に立つと求められている表情とポージングをさらりと体現。スタッフ側からの立ち位置に関する指示はあれど、表情やポージングに関しての注文が少ないことが印象的。裏を返せば、それだけ3人の引き出しが多く、よく作品の世界観を理解しているということだろう。撮影について水田は「この3人で撮影するときはいつも楽しい。今回は、年を重ねて大人な感じが出せているのではないかな」と話す。実際、撮影カットを少し覗いてみたが、3人のスーツ姿は様になっていて、格好いいビジュアルに仕上がりそうだ。改めて本作に出演が決まった心情を尋ねると、植原は「僕ら3LDKがミュージカルで共演することに驚きましたが、きっと応援してくださっている方にとっては嬉しいニュースだったのでは」と話す。一方の平間は「この3人でできるんだという驚きと嬉しさと怖さが一気に来ました」と言い「役を演じるのが役者の仕事ですが、この3人が集まるとどうしても平間・植原・水田が勝手に出てしまって、舞台として成り立つのかどうか......(笑)そこが勝負です」。3LDKはどんな存在なのか。平間は「洋服みたいな感じ。なくてはダメだし、当たり前のようにある」と回答し、植原は「幻想ですね」と含蓄ある答え。水田は「いい意味で何も考えずに一緒にいられる人」と答えた。東京公演は11/24(金) ~ 12/3(日) 東京芸術劇場にて。取材・文:五月女菜穂
2023年08月17日「a new musical『ヴァグラント』」の会見&稽古見学が1日に行われ、平間壮一、廣野凌大、小南満佑子、山口乃々華、平岡祐太、美弥るりか、新藤晴一(プロデュース・原案・作詞・作曲)、板垣恭一(脚本・演出)が取材に応じた。同作はポルノグラフィティのギタリスト新藤晴一が初めて手掛けるオリジナルミュージカル。大正時代、佐之助(平間壮一/廣野凌大 ※ダブルキャスト)と姉貴分の桃風(美弥るりか)は、”マレビト”と呼ばれる芸能の民で、めでたいことや不吉なことがあった場所に赴き、歌や踊りを披露していた。「ヒト様」と安易に接触することを禁じられているマレビトだが、「ヒトの正体」を知りたい佐之助は炭鉱のムラの幼馴染たちに近づき、それぞれの運命が交錯する。100年前の日本をメタファーに、彷徨う(=ヴァグラント)ものたちを描くオリジナル・ミュージカルとなる。ほか水田航生、上口耕平、玉置成実らが出演する。稽古場では新藤がギターを手掛けたという「オーバーチュア」〜「祝い唄」、「桃風の啖呵売」、「月の裏側」、「ヴァグラント・シンフォニー」の4曲を披露した。初のミュージカルプロデュースとなった進藤はもともとミュージカルが好きで、『メリー・ポピンズ』も今作のきっかけになったという。一方で「日本のオリジナルミュージカルを作る」ことに対しては気負いがないようで、「バンドをやってる人たちを見てかっこいいな、自分もやってみたい。じゃあ仲間とやろうぜとい感覚に近いところでスタートしたので。バンドの時にはメンバーがいたし、今はこういう仲間たちがいて作ってもらったので。最終的にこのミュージカルが日本のオリジナルであることは後付けの話ですし、ただできたらそういう意味合いを持てればいいなとは思います」と語った。演出の板垣は「新藤さんは時間のある限り座ってらして、こんなに楽しそうに関係者が稽古を見てることないだろうなというくらい。たまに踊ってて『出るんですか?』と言われてるんですけど、そういう幸せな、でも異業種というところの融合を楽しんでもらえたら」とアピールする。また板垣は「新藤さんのゆかりのお客さま、ミュージカルを見慣れてない方がいたらと思って、なるべく入りやすいような入り口とか、演出的なちょっとした工夫を入れているつもり」と明かし、「なおかつミュージカルをご覧になっている方については、新藤さんの歌詞のおかげでちょっとだけ普通のミュージカルと違うニュアンスが出てきます」「歌詞の世界観に物語をはみ出るくらい広いものがあって、直接お客さんに歌ってるんじゃないの? というのが多かった」と表す。新藤は「それを板垣さんに言われて、劇なのでキャラクター同士のおしゃべりする時の歌詞を作ったつもりですけど、(自分が)ステージと客席という関係性をやってきたので、お客さんに向けて言葉を発するのが染み付いている」と分析した。好きな曲について聞かれると、平間は「晴一さんの愛情と言いますか。僕たち皆、夢から始まってるのに、いつしか仕事になって好きがどんどん減って行ったりとか『やらなきゃいけないからやってる』のが増えてく中で、晴一さんは舞台を作りたいという子供心というか、いつまでも夢を見続けている方が作っている曲ということが、全曲素敵なんだなと思いました。選べないです」と苦笑。廣野は「新藤さんが本当に一曲一曲に愛を注いで作ってくださってるので、歌ってる側も見てる側も、そこに対して込めた熱って、芝居と一緒で作り込めば作り込むほど伝わる。念みたいなものがあって、それを僕らもキャッチして、イコライザーで増幅して、お客さんが違うイコライザーで変換してやばいってなって、そのお客さんがクチコミで愛が広がって化学変化を起こしていく、今日は化学の授業です!」と意外な方向へ着地。「全部がすごい好きで、僕が好きなのは『お船の煙突』が好きです」と方向を戻していた。また、新藤は稽古を見て「みんながみんな、持てる力を惜しみなく出してる」と感動。「自分の範疇を超えて時間も体力も頭も使う感覚は、演者の人たちもそうだしスタッフの方たちもそうだし、文化祭感がある。(言い方が)いいのか悪いのかわからないけど、ものを作る時に損得じゃなくて面白いものを作ってやろうという感じは、音楽にも必要だし、そういうのがあって面白いものができてるんだなと思って、僕が今稽古場で感動している大きな感動の一つです」と語った。最後には廣野が「僕ら本当に後悔させないので、後悔したら金返すので、来てください! 僕全然ポケットマネーで返すんで、来てください。借金して返すんで、来てください」と熱い言葉でメッセージを送る。しかし「いたずらで『金返せ』はやめてください!」と弱気も見せ、共演者たちを笑わせていた。「a new musical『ヴァグラント』」は、8月19日~31日に東京・明治座、9月15日~18日に大阪・新歌舞伎座にて上演。
2023年08月01日11月から12月にかけて上演されるミュージカル『ミア・ファミリア』のキービジュアルが公開された。本作は、1930年のニューヨーク、イタリア労働者たちが集う「アポロニアイン&バー」が舞台のミュージカルコメディ。「アポロニアイン&バー」のボードビル俳優リチャードを平間壮一、リチャードの友人であり、同じくボードビル俳優オスカーを水田航生、そしてバーを支配するマフィアの手下スティーヴィーを植原卓也が演じる。それぞれが舞台を中心に活躍しながら、アミューズ若手俳優によるファン感謝祭イベント『ハンサムライブ』をきっかけに結成されたユニット「3LDK」としても活動している3人は、このたび待望のミュージカルでの初共演を果たす。キービジュアルの撮影は、劇中で登場する「アポロニアイン&バー」をイメージしたセットで行われた。3人は落ち着いた大人の魅力を漂わせ、おしゃれなビジュアルが完成した。また本作の上演を記念し、3LDKのミニアルバム『Only One』の収録曲が7月25日(火) より各サブスクリプションサービスで配信されることが決定。植原が作詞作曲を手がけたオリジナル曲を含む全6曲が配信となる。『ミア・ファミリア』は、11月24日(金) から12月3日(日) まで東京芸術劇場シアターウエスト、12月23日(土)・24日(日) に梅田芸術劇場シアター・ドラマシティで上演される。<公演情報>ミュージカル『ミア・ファミリア』Original Production by MJStarfish【出演】植原卓也平間壮一水田航生【スタッフ】脚本・作詞:イ・ヒジュン作曲:パク・ヒョンスク訳詞:森雪之丞日本版脚本・演出:安倍康律【公演日程】東京公演:11月24日(金) ~12月3日(日) 東京芸術劇場シアターウエスト大阪公演:12月23日(土)・24日(日) 梅田芸術劇場シアター・ドラマシティチケット情報:公式サイト:<配信情報>3LDK mini album『Only One』7月25日(火) サブスク配信スタート配信リンク:
2023年07月24日音楽劇『ダ・ポンテ~モーツァルトの影に隠れたもう一人の天才~』の公開ゲネプロが20日に東京・シアター1010で行われ、海宝直人、平間壮一、相葉裕樹、井上小百合、田村芽実、青野紗穂、八十田勇一が取材に応じた。同作はモーツァルトの名作オペラ『フィガロの結婚』『ドン・ジョバンニ』『コジ・ファン・トゥッテ』誕生の背景にある、詩人ロレンツォ・ダ・ポンテ(海宝)の人生を描くオリジナルの新作音楽劇。完全新作の音楽劇ということで、見どころを聞かれた海宝は「まずやはり衣装はすごいですよね。僕もこんなにキラキラしたことない。音楽が30曲以上あって、それぞれソロがあってそれぞれの想いが伝わる楽曲になってると思います」と自信を見せる。相葉が「海宝直人の色男っぷり。どきどきしちゃうよね」とプッシュすると、「大好きなシーンがあるんですよ」(青野)、「いろんな女性を誘惑するシーンがあって。いろんな女性の方達がメロメロになっちゃう」(田村)と同意する女性陣に、海宝は「稽古場で2人でニヤニヤしながら見てる」と苦笑していた。井上は「美貌で男性たちを翻弄する役なんですけど、私が対局にいる人間で、美容とかもズボラでわからなくて、つけまつげの付け方とかを教えてもらいながら頑張ってる」と言ったものの、青野は「さゆちゃん(井上)の悪女っぷりも」と見どころに挙げる。井上は「みなさん意外なキャラクターを演じてるなと思って、歴史上の人物のイメージとか皆さんに抱いているイメージとちょっと違う。皆さんのいい人柄が役に投影されててオリジナルのものになってる。全然違う配役だったら全然違う作品になってたんじゃないかな。今回だけ、このキャストだけのものになってるような気がします」と語り、海宝から「壮ちゃんは?」と話を振られた平間は「そう思います」と一言でまとめていた。稽古場での印象的な出来事を聞かれると、八十田が「ばっち(相葉)が油断すると体幹を鍛えにいってる」と暴露し、海宝と平間が「稽古場で突然いなくなると、『また体幹鍛えてる!』」と乗っかるものの、相葉は「たいしてやってないんですけど、僕がいないと『体幹鍛えてる』っていじってくるんです。すいません、実際そんなにやってないんです。後ろでふわふわしてました」と苦笑。青野が「直人さんがワンタンスープ飲んでる」と明かすと、海宝は「弱いな!」とツッコむなど、和気藹々とした様子も。八十田はさらに「僕はミュージカルの現場があまりないんですけど、直人くんが何曲も何曲も歌ってそのたびにすごいなと思って、歌い終わってから喉にいいものを飲むかと思っていたら、普通のコンビニのカフェラテを飲んでる。喉にいこと何もしてない。飴も舐めないし。なのにブワーって歌い上げるし、なんでしょうねその人」と驚いていた。また史実に登場する人物を演じるということで、「役と共通するところ」を聞かれると、話題となっているダ・ポンテ(海宝)の色男っぷりについて、田村が「紗穂ちゃんは『普段からやってないと出せないよ、あの色気は』と言ってました」と明かし、青野は「最初から誘惑する形が直人さんの体にあったのかなって。てことは、普段からそういうのが出てしまってるのではないか」と推測。海宝は「自覚はないですけどね」と答える。サリエリ役の相葉は「悪いやつみたいなイメージがあると思うんですけど、今回新たなサリエリ像をお届けできると思いますので、ぜひ『ヴィヴァ、イタリア!』と心の中で叫んでいただけたら」とも役を紹介。「稽古を進めていく中で、(演出の青木)豪さんがコミカルなものを求めてらっしゃるのかなというのがちょこちょこあったりして、ちょっとずつ方向性が変わってきて。自分自身も面白いことやコミカルなことが好きだったりしたので、どんどん増えてきた。そういう部分では助かるな」と語り、海宝は「ばっちはチャーミングさ、持ってるからね」と太鼓判。モーツァルト役の平間は「似ているところ、どうなんですかね? わかんないですけど、怒りっぽかったりなんだり、真剣だからこそ怒っちゃう部分があるからかなと思います」と回答した。プレビュー公演はシアター1010にて6月21日~25日、愛知公演は日本特殊陶業市民会館ビレッジホールにて6月30日~7月1日、東京公演は東京建物Brillia HALLにて7月9日~16日、大阪公演は新歌舞伎座にて7月20日~24日。
2023年06月20日“音楽が聴こえてくるような写真”と評される写真家、平間至(ひらま・いたる/1963年~)の写真家生活30年を超える半生をたどる『平間至展写真のうた -PHOTO SONGS-』が7月8日(土)〜8月23日(水)、ヒカリエホール ホールB(渋谷ヒカリエ9F)で開催される。2022年に京都と六本木で開催され好評を得た展覧会に、新作を加えて構成。初期から新作まで200点を超える作品を展観する。大学卒業後にニューヨークに渡り撮影したストリートスナップ、彼の名を一躍知らしめた1995年の写真集『MOTOR DRIVE』など、その躍動的な写真スタイルの原点を知ることもできる。なかでも、タワーレコードのキャンペーン「NO MUSIC, NO LIFE」やCDジャケットなどのために撮影されたアーティストのポートレート群は必見だ。忌野清志郎、イエロー・マジック・オーケストラ、ゆず、サンボマスター、峯田和伸(銀杏BOYS)、あいみょんなど、グルーヴ感あふれる写真が楽しめる。それまでの音楽シーンの写真を変えたとも言われる平間。選び抜かれたカットの前後もわかるコンタクトシート、平間が綴ったアイデアノートも公開。雑誌の編集長や音楽プロデューサーなどの言葉も交えて、制作現場の熱気も伝わるものとなるだろう。併せて、ライフワークとして撮り続けている、世界的なダンサー、田中泯の「場踊り」シリーズの写真も展示。その「場」に共鳴して即興で生み出される「場踊り」を捉えた写真からは、静謐でありながらも肉体と魂の震えが伝わってくるようだ。また、広告や雑誌の仕事に専念してきた平間が、東日本大震災以降、宮城県塩竈市で営まれてきた家業の写真館から、写真の価値を改めて見直し、2015年、東京・三宿に「平間写真館TOKYO」を開館。同写真スタジオで撮影された、市井の人々の家族の記憶を紡ぐような作品も紹介される。すべての「生」を肯定するような平間ワールドでパワーチャージしたい。<開催情報>『平間至展写真のうた -PHOTO SONGS-』会期:2023年7月8日(土)〜8月23日(水)会場:ヒカリエホール ホールB(渋谷ヒカリエ9F)時間:11:00~20:00(入場は19:30まで)料金:一般1,300円、大高600円、中小400円公式サイト:
2023年06月19日『フィガロの結婚』などの名作オペラを生み出した、詩人のロレンツォ・ダ・ポンテと作曲家のヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト。若き天才ふたりの創作を巡る絆と葛藤を描き出す、音楽劇『ダ・ポンテ~モーツァルトの影に隠れたもう一人の天才~』が、6月のプレビュー公演を経て、愛知、東京、大阪で上演される。その開幕を前に、有観客による歌唱披露イベントが開催。キャストの海宝直人、平間壮一、相葉裕樹、井上小百合が登壇した。まず披露されたのは、ダ・ポンテ役の海宝が歌う「この静かな夜に」。こちらは本作のテーマ曲でもあり、海宝の透明感のある、伸びやかな声が胸を打つバラードだ。さらに平間によるモーツァルトの決意を表明するナンバー「僕が拍手するんだ」。アントニオ・サリエリ役の相葉による、祖国イタリアのオペラの素晴らしさを高らかに歌い上げる「ヴィヴァ、イタリア!」。ダ・ポンテの恋人フェラレーゼ役の井上が、自身の生き方を力強く歌う「街角の女の子」。そしてデュエットナンバー「最高の相棒」では、海宝と平間が息の合った美しいメロディで、最高の相棒に出会えたふたりの喜びを生き生きと表現してみせた。続いては、観客からの質問にキャストが答えるトークコーナーへ。ここで一気に主役に躍り出たのが、サリエリ役の相葉だ。「ダークなイメージのあるサリエリを演じる上で意識することは?」という質問に、「正直ダークなイメージはなく、わりと愚直に、音楽に熱い、真っ直ぐな男だと思います」と答えると、「確かに“ヴィヴァ!”なイメージがね」と海宝は言いつつ、直角に曲げた右手を掲げ、相葉の歌唱時のポーズを真似る。するとその瞬間、平間と井上もニヤリ。「この曲をやると、稽古場のみんながニヤニヤするんですよ~」と相葉は苦笑いだったが、結果的にカンパニーの仲の良さを伺わせる一幕に。そしてそれは、「この配役でしか作れない作品になっていると思います」という井上の言葉を裏づけるものにもなった。「本作のイチ押しポイントは?」という質問にも、海宝と平間がサッとサリエリポーズを取った瞬間、会場に笑いが。相葉にツッコまれつつ、「それぞれのキャラクターがとてもドラマチックな人生を送っているので、そのドラマを楽しんで欲しいです」と海宝。平間も「メインテーマとなるのはやっぱり人間模様。そこを細かく見てもらえると、より作品を楽しめるんじゃないかと思います」とアピールした。取材・文:野上瑠美子
2023年05月30日音楽劇『ダ・ポンテ~モーツァルトの影に隠れたもう一人の天才~』の歌唱披露イベントが25日に東京・日比谷 シアタークリエで行われ、海宝直人、平間壮一、相葉裕樹、井上小百合が登場した。同作はモーツァルトの名作オペラ『フィガロの結婚』『ドン・ジョバンニ』『コジ・ファン・トゥッテ』誕生の背景にある、詩人ロレンツォ・ダ・ポンテ(海宝)の人生を描くオリジナルの新作音楽劇。井上は美貌でダ・ポンテや男たちを翻弄するソプラノ歌手のフェラレーゼを演じ、自身の生き方を歌うナンバー「街角の女の子」を披露した。役については「すごく強い女性で、多分私の印象と反対方向の方なので、とにかくオーバーに。『こうやって生きるしかないの!』みたいな。さっきの歌もすごく緊張したんですけど、『こんな私かわいそう』じゃなくて、『私はこうやって生きてきたから、これからもこうやって生きていくのよ!』みたいな感じで歌えたらなと思って、まだまだお稽古でトライしていきたいと思ってるところです」と説明する。また井上は「ダ・ポンテってあんまり知られてない方で、稽古が始まる前からいろんな史実を見てたんですけど、とにかくクソ野郎で、本当に『なんだこのクズは!』という方なんですよ」とバッサリ。しかし「それを海宝さんが演じるってどうなるんだろうなと不思議だったんですけど、『騙されてもいいや』みたいな。真っ当なこと言ってる気がする、みたいな。この海宝さんの感じですごくチャーミングになってしまってて、魅力的なんですよね」と絶賛する。さらに「壮ちゃんさん(平間)とか、ばっちさん(相葉)とか、皆さんの人柄が役に投影されていて、このカンパニーでこの配役でしかできない作品になってきてる感じがするな、と。しかも完全オリジナルのミュージカルなので、みんなで一丸となって。1から100にも1000にもするのも大変ですけど、0から1を作るのは本当に大変な作業で、すごくいいカンパニーだな思いました」と語る。海宝も「30曲以上ありますからね、ガッツリと音楽と共に」と同意していた。
2023年05月25日音楽劇『ダ・ポンテ~モーツァルトの影に隠れたもう一人の天才~』の歌唱披露イベントが25日に東京・日比谷 シアタークリエで行われ、海宝直人、平間壮一、相葉裕樹、井上小百合が登場した。同作はモーツァルトの名作オペラ『フィガロの結婚』『ドン・ジョバンニ』『コジ・ファン・トゥッテ』誕生の背景にある、詩人ロレンツォ・ダ・ポンテ(海宝)の人生を描くオリジナルの新作音楽劇。今回は抽選で選ばれた254名のオーディエンスを招いたイベントで、本作の主人公であるロレンツォ・ダ・ポンテ役の海宝が「この静かな夜に」、ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト役の平間が「僕が拍手するんだ」、アントニオ・サリエリ役の相葉が「ヴィヴァ、イタリア!」、フェラレーゼ役の井上が「街角の女の子」、そして最後に海宝&平間が「最高の相棒」を披露した。題材となったダ・ポンテについて、海宝は「お話いただくまでは知らなかったですね、恥ずかしながら。結構カンパニーでも知ってた人の方が少ないかもしれない」と言いつつ、「初めて知って、色々と調べさせていただいて。波瀾万丈でドラマチックで、必死に生きた姿にちょっとおかしさもあり、ドラマチックなのに、今年になるまであんまり演劇でも取り上げられなかったのが不思議だなと思って。今年急に2作取り上げられましたね」と語る。またモーツァルト役の平間は「破天荒だろうなと思って台本を読ませていただいたんですけど、1回目に読み終わった後に思ったのが普通の青年。優しかったりあたたかかったり、丸みを持っていて、自分らしく作っていいのかなと思って。優しいモーツァルトにしたいな」と既存のイメージとはまた違った像を作っているという。海宝も「今日もこの前に2人の抜き稽古をやってたんですけども、そこでも色んなことを試しながら、なんとか作っています」と稽古の様子を明かした。2人と敵対するサリエリ役の相葉が「ダークという印象が正直そんなになくて、割と愚直で真っ直ぐな印象の方が強くて。悪役って聞いたんですけど」と印象を表すと、海宝と平間が「ヴィヴァ〜」と、先ほど披露したサリエリの曲をいじる一幕も。平間が「イタリア大好きですもんね」と言うと、相葉は「本当に悪いんですけど、この曲をやると2人がニヤニヤしてるんですよ。全員なんですけど。『何、高らかに歌い出してるんだ』みたいな」と訴える。さらにオーディエンスからの「観劇するか迷っています」「観劇初心者の友達を誘いたいのですが、何をいちばんにアピールすると良いでしょうか?」という質問に、2人が“ヴィヴァ”ポーズをすると、相葉が「そこじゃないよ、絶対違う!」とつっこんでいた。まだあまりストーリーの情報がない状態だというが、ポスタービジュアルについて平間は「あれは嘘です。白くならないです」とキッパリ。さらに「僕はもう泣きました、見てて。ちょっと遅れて稽古に参加する日があったんですけど、好きなシーンをやってて、入った瞬間に空気がシーンとなって。リュックしょったまま、ポロポロポロポロ。『海宝くんめっちゃよかったよ』みたいなシーンがある」と説明する。海宝は「何せそれぞれがドラマチックな人生を送っているので、ドラマを楽しんで。歴史ものだからといっても難しく描くより、楽しくお客さんと一緒に盛り上がっていける作品になりそうだなと思っています」とアピールした。さらに相葉が「いろんなものがギュッと詰まっているので、観ているお客さんは大変かもしれないですけど、観やすい作りにはなってる」と見どころについて語っていると会場に期待する空気が流れ、応えるように「サリエリという方なんですけど、『ヴィヴァ、イタリア!』という……」と話し始め、海宝が「自分で言い出した!」とツッコミ。「言うしかないじゃない」と苦笑する相葉に、平間が「ヴィヴァエリ」とあだ名をつけ、フォトセッション時にも「ヴィヴァで」という声が飛び交うなど、流行を見せていた。プレビュー公演はシアター1010にて6月21日~25日、愛知公演は日本特殊陶業市民会館ビレッジホールにて6月30日~7月1日、東京公演は東京建物Brillia HALLにて7月9日~16日、大阪公演は新歌舞伎座にて7月20日~24日。
2023年05月25日ミュージカル『ミア・ファミリア』が、11月から12月にかけて東京芸術劇場 シアターウエストで上演されることが決定した。本作は、2013年に韓国で初演され、2019年以降3年連続で数カ月にわたって大学路にある小劇場で上演されたコメディミュージカル。2020年12月には中国で初の海外公演も行われるなど、多彩で中毒性の高い音楽で熱狂的なファンを獲得し、毎公演カーテンコールでは、ライブハウス並みの一体感で盛り上がりを見せている。なお日本で上演されるのは今回が初となる。物語は、1930年のニューヨーク、イタリア労働者たちが集う「アポロニアイン&バー」が舞台だ。「アポロニアイン&バー」のボードビル俳優リチャードを平間壮一、リチャードの友人であり、同じくボードビル俳優オスカーを水田航生、そしてバーを支配するマフィアの手下スティーヴィーを植原卓也が演じる。それぞれが舞台を中心に活躍しながら、アミューズ若手俳優によるファン感謝祭イベント『ハンサムライブ』をきっかけに結成されたユニット「3LDK」としても活動している3人は、このたび待望のミュージカルでの初共演を果たす。訳詞は、ジャンルや世代を超えて数々のヒットチューンを生み出し、近年は『CHICAGO』『キンキーブーツ』といったブロードウェイ・ミュージカルの訳詞、劇団☆新感線『五右衛門ロック』シリーズなどの作詞も担当する一方、オリジナル戯曲でも高い評価を得ている森雪之丞が担当。そして日本版脚本・演出は、俳優として数多くの舞台に出演する傍ら、『劇団ぼるぼっちょ』主宰、劇団公演では、作・演出・作詞・作曲・振付を担当し、井上芳雄をはじめ、ライブの構成・演出なども数多く手がけ、マルチに活躍する安倍康律が務める。なお本作は地方公演も予定されており、詳細は追って発表される。■植原卓也 コメントスティーヴィー役をやらせて頂きます、植原卓也です。このポスターの雰囲気、韓国発ミュージカル、という事でシリアスな作品なのかなと思いきや「コメディ」という事でとても楽しみです。どんな世界が待っているんでしょうか。皆さんに楽しんで頂けるよう頑張ります。宜しくお願いします!■平間壮一 コメント3LDKでミュージカルをやる。自分でも想像がつきません!でも、確実に観た事のない舞台。昔から知ってる3人だからこそできる舞台、空気感になると思っています。後半には皆様と一緒に楽しめる要素があったり笑ったり稽古場では、いつもの植原、水田、平間ではなく、しっかり作品と向き合って闘って、信頼があるからこそ正直に向かいあっていける稽古になるだろうなと想像してますし、そこまで向き合って出来上がった舞台はどうなるんだろうと、ドキドキ、ワクワクです。精一杯がんばりますのでぜひ劇場に足をお運びください。■水田航生 コメント3LDKが遂に舞台を!ハンサムライブから始まったこのユニットが、楽曲製作にライブ、カレンダーや写真集、カッコいいのからオモシロまで、多岐にわたる活動をさせていただき、今回満を持して本業ともいえるミュージカルを作ることに!いや〜ありがたいですね〜緊張ですね〜どうなっちゃうんでしょうね〜?3人のここまでの軌跡を考えるとエモい!丁寧に作品作りに取り組んで、我々が魅せられるエンターテイメントをしっかりお客様に届けていきたいと思います!よろしくお願いします!<公演情報>ミュージカル『ミア・ファミリア』11月~12月 東京芸術劇場 シアターウエスト※ほか地方公演あり脚本・作詞:イ・ヒジュン作曲:パク・ヒョンスク訳詞:森雪之丞日本版脚本・演出:安倍康律出演:植原卓也 平間壮一 水田航生関連リンク公式HP::
2023年04月05日時に詐欺師、時に傑作オペラの作家として、世を賑わせた詩人のダ・ポンテ。そんな彼が天才作曲家モーツァルトと組み、『フィガロの結婚』、『ドン・ジョバンニ』、『コジ・ファン・トゥッテ』という3本のオペラを生み出すまでの4年と6か月を描いた音楽劇『ダ・ポンテ~モーツァルトの影に隠れたもう一人の天才~』が、6月から7月にかけて、東京、愛知、大阪で上演される。そこでダ・ポンテ役の海宝直人、モーツァルト役の平間壮一に、それぞれ本作にかける今の想いを語ってもらった。負のエネルギーを持った人ほど魅力的である――おふたりとも本作で初めてダ・ポンテの存在を知られたとのことですが、その生きざまに触れてみて、どんなところに魅力を感じられましたか?海宝すごく有名な作品を作っているのにも関わらず、意外と知られていないということにまず驚きました。そして調べていくうちに、とてもドラマチックな、数奇な人生を歩んでいる人だということがわかってきて。自分に正直というか、名声を求め、アーティストとして成功することを貪欲に、妥協せずに求めながら、それに見合うほどの結果が伴っていたわけでもない。ただその軌跡を辿っていくと、自分の人生を全力で楽しんだ人なのかなと。そして最終的にはアメリカに渡って、オペラという芸術文化を広めるべく精力的に活動し、自分が作ったオペラをみんなに聞いてもらいたい、観てもらいたい、認めてもらいたいと思いながら生き抜いた。これは非常に面白い人だなと思いました。平間僕はすごく苦しい人だったのかなと思います。モーツァルトに対する嫉妬があって、でも嫉妬って自分でも制御出来ないくらい、ものすごいパワーになりますからね。モーツァルトの陰ながらの存在でありながら、本当は認められたいと願っている。それは彼にとって非常に大きなエネルギーになっていったのではないかなと。それにそういう人って、とても魅力的だと思うんです。ステージ上でも、「僕を見て!」みたいな人物って僕はあまり惹かれなくて。それよりも負のエネルギーがちゃんとある人のほうが、人の心をつかめる気がする。そういう意味でも魅力的な人だなと思います。――本作では海宝さん演じるダ・ポンテと、平間さん演じるモーツァルトの関係を軸に物語が展開していきます。彼らにとって、お互いの存在はどのようなものだったと思いますか?海宝この作品においては、それぞれの欠けた部分がバチッとはまる出会いだったのかなと思います。モーツァルトはモーツァルトで、自分の音楽にインスピレーションを与えてくれるような脚本や詩を書ける才能を求めていて、ダ・ポンテはダ・ポンテで、自分の書いたものに見合う音楽を作れる才能を求めている。ただダ・ポンテのほうがものすごく不器用だったんでしょうね。彼がもう少しうまく立ち回れていたなら……。モーツァルトのように、歴史的に名の知られた人になっていたのかもしれません。平間ふたりの関係において、モーツァルトが自分勝手になってしまったところはあると思います。ただやっぱり、ひとりじゃどうにもならないよと。どんな天才でも、それを見せる人、聞かせる人がいなければ世の中は成り立たないわけで。だから最終的には、人間の話になれば素敵だなと思います。人生賛歌のような、前向きになれる作品に――ご自身がこの役に挑む上でのやりがい、面白みはどんなところにあると感じていますか?海宝あまりやったことがないタイプの人物なので、そういった役にチャレンジ出来るのは単純に面白いですよね。その分、説得力を持って演じなければいけない、という大変さも含めて楽しみだなと。まぁそんな時は、いつも逃げ出したくなるんですけどね(笑)。ただ僕は非常に負けず嫌いですし、終わった時の達成感というのはやはり大きなやりがいのひとつ。あとやっぱり調べれば調べるほど、ダ・ポンテって非常に魅力的なんですよ。ホイホイ知り合いの連帯保証人になっちゃって、借金を重ねてしまったり(笑)。なんだか憎めない人物というか。さらにこの作品では、なにかを残したいんだっていうダ・ポンテの想いが濃く描かれている。そこをうまく表現出来たらいいなと思います。平間もともと僕は、人から「変わっているね」とか「不思議だね」と言われることに対して、恐れていた部分があったんです。だからかつては、なるべくフツーの人でいないとなって思っていて。ただモーツァルトって、自分が変だとか1ミリも思わず、自分に自信を持って突き進んでいる人だと思うんです。そこにちょっとでも疑問を抱いてしまったら、きっとあそこまでの音楽は作れなかっただろうなと。つまり人のことは気にせず、とにかく音楽のことだけに悩んでいる。世界には自分と音楽しかない、みたいな。モーツァルトを演じるというのは、それぐらいの感覚でいいのかなと思っています。――では最後に、作品を楽しみにされている読者の皆様に、それぞれメッセージをいただけますか?海宝演出の青木豪さんや平間くんを始め、素晴らしいメンバーが集まった日本オリジナルの新作音楽劇です。自らの人生を生き切ったダ・ポンテという人物を通して、きっと人生賛歌のような、前向きになれる作品に仕上がっていくのではないかなと。また楽曲も盛りだくさんで、エンターテインメント性の高い作品にもなりそうなので、ぜひ楽しみに待っていていただけたらと思います。平間年を重ねるごとに、人間の難しさや愚かさを感じることが多くなってきました。でもそれに直面した時、自分たちは成長出来ると思うんですよね。とはいえそれを現実社会で体験するには、あまりにも辛いことが多い。だからこそ舞台上で起きている人間模様を見て、自分はこうしようとか、気をつけようとか思ってもらえたらなと。そんな観た方の力になれる作品だと思いますので、ぜひ劇場に足をお運びください。取材・文:野上瑠美子撮影:石阪大輔ヘアメイク=(海宝)友森理恵 / (平間)菅野綾香スタイリスト=(海宝)津野真吾(impiger) / (平間)岡本健太郎衣装協力=(海宝)ジャケット¥83,600税込・中に着たジャケット¥53,900税込・ニット¥37,400税込(すべてディーヒム)<公演情報>音楽劇『ダ・ポンテ~モーツァルトの影に隠れたもう一人の天才~』【東京(プレビュー)公演】2023年6月21日(水)~6月25日(日)会場:シアター1010【東京公演】2023年7月9日(日)~7月16日(日)会場:東京建物 Brillia HALL※愛知・大阪にてツアー公演ありチケット情報ぴあアプリでは海宝直人、平間壮一のアプリ限定カットをご覧いただけます。ぴあアプリを ダウンロード(dpia-app://contentAll?contentId=26fd672c-5dd5-477b-b989-76ce8d72f9ff&contentTypeId=2) すると、この記事内に掲載されています。
2023年03月24日漫画家 須本壮一は、掲載雑誌の休刊により連載終了となった漫画『紫電改343』の制作を継続するためのクラウドファンディングを実施し、2023年3月14日(火)に目標金額の1,200万円を大きく上回る21,133,430円の支援金を集めて募集が終了したことをご報告いたします。▼クラウドファンディングページ もともとは5年ほどかけて物語を描き上げる予定でしたが、『イブニング』が2023年2月28日発売の6号をもって休刊となったため、完結までの最低限必要なページ数 420ページの支援を募集しました。ですが420ページの追加では当初に構想していたエピソードのいくつかは削らなければならないため、漫画の増ページと新たなエピソードを追加する目標でファイナルゴール 金額2,000万円の募集を発表しました。ファイナルゴールを達成したことを受けて、クラファン達成で執筆の決定した420ページに加えて少なくとも150ページ以上、合計580ページ以上を描き下ろすことが決定しました。須本さんは描きたいエピソードをページ制限考えずに描き上げると話しています。また新たに描き上げるエピソードとして、戦後の紫電改引き揚げエピソードや鶉野飛行場、福知山などの戦後アナザーストーリーも追加することを発表します。クラウドファンディングの終了後は、クラファンページ内の「活動報告」にて漫画制作の進捗を発表していきます。クラファン メイン画像■漫画制作におけるクラファンという選択須本さんは「このクラウドファンディングの成功で、漫画家の友人からも大きな反響がありました。クラファンは制作前に一括で支援金を手に入れられるシステムで、従業員を抱える商業作家向きのシステムであるといえます。たとえ連載が打ち切りになっても直接支援してくれる読者の協力が得られれば漫画を完結まで描くことができる。漫画家にとって漫画を継続して描くための選択肢が増え、良い時代になったと思います」と話しています。■戦争における、数々の命を紡ぐ奇跡と運命の話を最後まで描ききりたい漫画『紫電改343』は、敗戦濃厚だった太平洋戦争末期の日本を舞台としています。この作品は「本土防衛の切り札」として当時有数のエースパイロットを集めた、超精鋭部隊「第三四三海軍航空隊」の若き搭乗員たちに敬意をこめて描き始めた、群像劇であり彼らの魂の記録です。敗戦の色濃い戦局を隊員たちはどう生きたのか。終戦のその日、彼らは何を想っていたのか。部隊創設の構想から終戦まで約300日の濃密な日々と、隊員一人一人の生き様を端折ることはできないと思ったのです。そこで、雑誌掲載にこだわらず完結まで制作を継続するため、なんとか力を借りたいとの思いで作者本人の須本壮一が、この漫画『紫電改』制作支援のプロジェクトをクラウドファンディングで立ち上げました。現在、単行本は講談社から8巻まで発行しており、2023年4月に単行本9巻が発売する予定です。10巻以降のエピソードはクラファンのプランの返礼品としてデータや書籍で送付します。また2023年の年末に同人誌として同人誌即売会イベントや同人誌取扱書店にて頒布する予定です。作画風景【漫画家 須本壮一について】1980年第19回『週刊少年サンデー』新人コミック大賞佳作でデビュー。代表作に北朝鮮拉致問題を扱った『奪還』『めぐみ』があり、また戦記物『夢幻の軍艦大和』では、戦艦や戦闘機のリアルな描写が話題に。百田尚樹氏原作『永遠の0』『海賊とよばれた男』のコミカライズでは作画を担当。また執筆の傍ら、子ども達の笑顔を支援する漫画家のNPO団体ビースマイルプロジェクトの代表理事も務める。【一般の方向けのお問い合わせ先】須本壮一事務所担当者名: 藤田Email : shidenkai343project@gmail.com 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2023年03月16日1996年にNYで初演されてから現在まで、世界中で愛され続けているミュージカル『RENT』。それぞれがエイズや貧困、性的マイノリティ、ドラッグといった問題を抱えながらも、互いの生き方や価値観を認め、他者を受け入れ繋がり合うことの素晴らしさを描いた作品だ。ここでは、物語の主軸を担うマーク役の花村想太さんと平間壮一さんのインタビューをお届け!物語の舞台は、まだエイズが不治の病といわれていた’90年代のNY。古いロフトで暮らす映像作家のマークとミュージシャンのロジャーは、家賃(レント)も滞納中の貧乏暮らし。しかもロジャーはHIV陽性で、恋人をエイズのために亡くしてから家に引きこもっている。そんなふたりを中心に、若きアーティストたちのさまざまな葛藤と情熱、彼らを取り巻く人々との出会いや別れなどが綴られる。『RENT』がここまで長く熱く多くの人々に支持されるのは、キャッチーかつ多彩な楽曲の魅力はもちろん、作品の根底に流れる深いメッセージ性だ。ここに登場する人々はじつに多彩。ゲイやレズビアン、ドラァグクイーンに、SMクラブのダンサーや弁護士、ホームレスもいれば、資産家の娘と結婚して裕福になった仲間もいる。それぞれが自分の信念や理想、夢を持ち、イデオロギーの違いから衝突する場面もあるけれど、それでもなお彼らは友情や愛を育んでいく。他人同士が価値観の差異によりすれ違ってしまうのは、どんな場面でもあること。それでもその違いも許し受け入れ、繋がり合うことで、ときには想像を超えた奇跡さえも起こす。こんな仲間がいるっていいな、と思わせてくれるミュージカルだ。花村想太×平間壮一――’20年の『RENT』でもWキャストでマークを演じていたおふたりですが、それぞれ稽古場で周りのキャストとどのような関係性を築かれていたのか伺えますか。平間壮一:このふたりは、お互い結構放置プレイだったんですよね。花村想太:もともと僕が、稽古場でわりとひとりでいることが多いというのもあるんですけど、平間さんはどちらかというと、稽古場の雰囲気作りを積極的にされていた印象があって、真逆なタイプなんだなと思ってて。平間:それは僕が、マークの前にエンジェル役(’15年と’17年の『RENT』にエンジェル役で出演。ドラァグクイーンで愛に溢れたキャラクター)だったのが大きくて。僕ももともと人としゃべるのが苦手で、稽古場で一匹狼でいるタイプだったりして。でも、(日本版リステージを手がける)アンディから、エンジェルを演じるには今の僕のままじゃダメで、普段から心をオープンにしていないといけないと言われたんだよね。花村:すごく意外です。平間:だって最初の年は、アンディから「稽古中、いつでもいいからお前から話しかけに来い」っていう宿題を出されてたからね。それくらい周囲とのコミュニケーションが苦手だったの。結局その年は、話しかけに行くタイミングが掴めなくて、アンディが帰国する時に「宿題できなかったな」って言われて。次のときに変わらなきゃって、必死の思いで心を開いてみんなと接していくようにしていたら、誰でも受け入れるよっていうエンジェルのような振る舞いが自分の中で自然になってて。花村:最初にお会いしたとき、本当にエンジェルっぽい方だなって思ったんですよね。じつは僕が初めて観た『RENT』が、平間さんがエンジェルで出られていた回で。あまりに感動して、次の日の現場にパンフを持っていって「とくにエンジェルがよくて」ってメンバーに説明したぐらいです。平間:嬉しいな。――マークという役についてはどう思われていますか?つねに傍観者である自分を歌う歌もありますが。平間:マークは途中で気付くんですよね。自分が傍観者になっていることに。それまでは気付いてなくて…。花村:そうなんです。結構能天気。平間:ただ自分の情熱に正直に生きていて、頑張ってるなと。花村:でも2幕くらいになって、ふと「あれ?俺、何もない?」みたいなことを思うっていう。平間:あの「何もない」は何を指しているんだろうね。愛とか?でも、撮る側でありたい人なんだよね。花村:カメラマンの立場になったら、そう思うのかもしれないですね。知り合いのカメラマンさんでも、集合写真とか撮る側に徹して自分が写ろうとしない人いるんですよね。マークもそうじゃないですか。新年が明ける瞬間「1、2、3、オープンセサミ!」って盛り上がる場面でも、みんなが楽しそうにしている中、ずっと撮ってるんですよ。普段写る側の僕には理解できないですが(笑)。平間:本来そうだからね(笑)。花村:でもマークって、世界に数あるミュージカルの登場人物の中でも、定まってない部分の多いキャラクターだなって気がします。『RENT』の他のキャラクターはわりと定まってると思うんですが…。平間:演じる人によって、いろんなマークがいるよね。花村:そうなんですよ。一番自由で寂しいキャラクターだと思うんですけど、その寂しさに、演じる人それぞれの抱える孤独みたいなものが表現されているような気がしています。俳優のパーソナルな部分が大事というか。もともと僕は友達の少ない孤独な人間だと思うんですが、そこがマークに反映されているのかなと。平間:同じだ。僕も少ないというか、むしろほとんどいないくらいだから。花村:えっ!?そんなふうには…。平間:オープンなのは見せかけなんだって(笑)。でもすごくわかる。マークを演じるときに、軸にする部分が見えにくいキャラクターだから、僕は毎回、マークとして何に重きを置いて演じたらいいかを考えるんだよね。そういう視点で作品を俯瞰すると全然違う感触があるの。ブロードウェイのマークの紹介文に“傷心中”って書かれているのを見て、そこから役を立ち上げてみようと思ったら、元恋人のモーリーンのことをめちゃくちゃ気にしてるマークが見えてきて。そうじゃなく映像作家になる夢や希望に重点を置いてみても、また違う感触になる。――あらためて本作が多くの人を魅了し続ける理由は何だと思いますか。花村:僕は、いまだにこの作品の何が好きなのか、自分でもよくわからないんです。ただ、初めて観たときに号泣して、本能的に「出たい」って思ったんですよね。物語の展開は早いですけど、なんか首根っこ掴まれて引っ張っていかれるようなパワーを感じたんですよね。平間:僕もいまだによくわからないんだよね。ただ観るたびに感じることが違うので、そこがハマり続ける理由なのかなと。あとはやっぱり作品の根底にある愛なのかなと、一周回ってあらためて感じています。ミュージカル『RENT』古いロフトで暮らす映像作家のマークとミュージシャンのロジャーは、家賃を滞納し、電気も暖房も止められてしまった。そんな中、仲間のコリンズからNYに戻ってきたと連絡が入る。3月8日(水)~4月2日(日)日比谷・シアタークリエ脚本・作詞・音楽/ジョナサン・ラーソン演出/マイケル・グライフ日本版リステージ/アンディ・セニョールJr.東宝テレザーブ TEL:03・3201・7777(1枚目写真右)はなむら・そうた1990年8月15日生まれ、兵庫県出身。Da-iCEのボーカルとして活躍しており、一昨年には「CITRUS」で第63回日本レコード大賞受賞。2020年にミュージカル『RENT』でミュージカルデビュー。昨年出演した『ジャージー・ボーイズ』で文化庁芸術祭賞演劇部門新人賞受賞。リング、右手中指¥12,100右手薬指¥13,200左手中指¥8,800左手小指¥11,000ピアス¥18,700(以上ジュエッテ TEL:0120・10・6616)シューズ¥18,700(LiNoH/ステュディオス カスタマーサポート TEL:03・6712・5980)その他はスタイリスト私物(1枚目写真左)ひらま・そういち1990年2月1日生まれ、北海道出身。2007年に『FROGS』で舞台デビューを果たし、ダンスで培ったハイレベルのパフォーマンス力で、数々の舞台で活躍。一昨年の『イン・ザ・ハイツ』、昨年の『The View Upstairs』など主演作も多数。6月から音楽劇『ダ・ポンテ』に出演。すべてスタイリスト私物※『anan』2023年3月8日号より。写真・宮崎健太郎スタイリスト・中元伸明(花村さん)岡本健太郎(平間さん)ヘア&メイク・宮川 幸(P‐cott/花村さん)菅野綾香(平間さん)撮影協力・BACKGROUNDS FACTORYEASE(by anan編集部)
2023年03月07日ポルノグラフィティのギタリスト・新藤晴一プロデュースによるオリジナルミュージカル『ヴァグラント』が、8月に明治座、9月に新歌舞伎座で上演されることが決定した。新藤はポルノグラフィティの楽曲の歌詞を多く手がけているほか、音楽の枠を超えて小説を2作出版するなど、言葉を使ったクリエイティブの才能が高く評価されている。その新藤が、自分の言葉と音楽で作品世界を作り出すミュージカル制作に数年来大きな興味を持っていたとのことで、2019年秋に企画がスタート。この作品の原案を自ら作り始めた。その後コロナ禍の最中に、脚本・演出を手がける板垣恭一が合流。1年におよぶ打ち合わせを重ね、プロットや脚本を練り上げた。さらに、新藤は本作のために初めてのミュージカル楽曲を20曲以上書き下ろしており、全曲の歌詞も担当する。主演を務めるのは、『ヘアスプレー』『キングアーサー』『RENT』などの話題作に次々と出演している平間壮一と、舞台『鋼の錬金術師』の主演も控える廣野凌大。ヒロインは、『レ・ミゼラブル』のコゼット役などで知られる小南満佑子と、話題作『SPY×FAMILY』にも出演が決まっている山口乃々華がWキャストで務める。その他、自らポルノグラフィティファンを公言する水田航生や上口耕平、玉置成実、親交の深い新藤のために8年ぶりの舞台出演となる平岡祐太、元宝塚歌劇団月組スターの美弥るりかといった俳優陣が名を連ねている。■プロデュース・原案・作詞・作曲:新藤晴一(ポルノグラフィティ) コメント感情の動きに、言葉と歌詞が重なり合うミュージカル。憧れ続けてきた世界に足を踏み入れることになりました。演出の板垣さんと3年越しで練り続けたストーリーに、自分の楽曲たちが演者の皆さんによって舞台で表現される日を僕が一番待ち遠しく思っています。流浪の民「マレビト」と、彼らに関わる人々が自分の進むべき道を探す姿をぜひお楽しみ下さい。■平間壮一 コメントいまからどんな舞台になるのかが楽しみです。0から何かを生み出す事は本当に大変な事だなと思ってます。0から生まれたヴァグラント晴一さん、板垣さん、作っていく段階で関わって来た方達の想いも感じながら稽古をして大事に演じられたらなと思ってます!劇場でお待ちしております!■廣野凌大 コメントこの度この錚々たるキャストの皆様の中で、魂を燃やせることをとても光栄に思います。と同時にお声をかけていただいた意味をしっかりと自分の中に落とし込み、役と、作品と向き合いたいと思います。まだ見ぬ素敵な作品が、皆様に届きますよう、役を努めさせていただきますので、よろしくお願いいたします。■小南満佑子 コメント新藤さんがお作りになる音楽の世界観と共に、この作品の一員になれることを大変光栄に思います。私自身、今までにはない新たな挑戦が沢山待っていると思いますので、とても楽しみです。素敵なキャストの皆様、スタッフの皆様とエンターテイメント業界に新たな風を吹かせる作品を創り上げていけるよう、精一杯努めさせて頂きます。『ヴァグラント』是非ご期待下さい!■山口乃々華 コメント山口乃々華です。このような素敵なプロジェクトの仲間に入れていただき、とても嬉しく、ありがたく思っております。新藤さん、板垣さん、そして素敵なキャストの皆様方とお稽古できる日々に今から緊張していますが、たくさん学びながら、一生懸命、役を努めたいと思っています。よろしくお願いいたします。■水田航生 コメント前々から晴一さんが作る楽曲が、世界観が大好きでした。はい、そうです。ファンです。前々から晴一さんが演劇に足を運んでくださっている事を存じ上げていました。演劇に携わる人間として本当に嬉しく、いつの日か、、と願っておりました。そして今。晴一さんが創り上げる演劇に出演する事に。前々からの水田なら喜び、乱舞するだけでしたが、今は「a new musical」を共に創る一員として身が引き締まる想いです。最高の演劇体験を!お楽しみに!■上口耕平 コメント新たなスタイルのミュージカルが生まれる瞬間に立ち会うことができる喜びで胸がいっぱいです。そして、僕自身新たな出会いに溢れる今作。新鮮な世界で生きる日々が待ち遠しいです。そして何より、このスペシャルな作品を皆様にお届けするその日を心から楽しみにしています。ご期待下さい!■玉置成実 コメント今回ヴァグラントに参加させていただけること、とても光栄に思っています。新藤晴一さんが初めて手掛けられるオリジナルミュージカルという事で、ずっと新藤さんの楽曲を聴いて育った私には夢のようで……どのような作品になるのか胸が高鳴ります!そして板垣恭一さんの脚本・演出で出演させていただける事、初めてご一緒するキャストの方が多いので、お芝居できるのを今からとても楽しみにしています。精一杯頑張ります!!■平岡祐太 コメント永遠の兄貴、晴一さんと出会って17年くらい経つでしょうか。まさか、その晴一さん企画のミュージカルに出演する事になるとは!楽しみでしかありません。ポルノグラフィティのLIVEではいつも圧倒的な世界観に引き込まれている身ですが、今度は、晴一さんの描く物語の登場人物の一人として感動をお届けできるよう稽古に励みたいと思います!■美弥るりか コメント実は宝塚の頃から、ポルノグラフィティさんにはご縁があって、歌ったり踊ったりさせて頂いていたので、出演オファーを受けた時、晴一さんがプロデュースされる舞台と聞いて「きっと今までにないカッコいいものになるだろうな」と直感で感じました。これから、皆さんと一緒に新たな作品を創り上げていける事に、今からワクワクしています。是非、皆様も期待して劇場までお越しください。<公演情報>a new musical『ヴァグラント』東京公演:2023年8月:明治座大阪公演:新歌舞伎座プロデュース・原案・作詞・作曲:新藤晴一(ポルノグラフィティ)脚本・演出:板垣恭一出演:平間壮一・廣野凌大/小南満佑子・山口乃々華水田航生上口耕平玉置成実/平岡祐太美弥るりかほか関連リンク公式HP:公式Twitter:
2023年01月23日イギリス・ケルトに伝わるアーサー王伝説をもとに、作曲家ドーヴ・アチア(『1789〜バスティーユの恋人たち〜』)によるフレンチ・ロックで彩られた大スペクタクルミュージカルが日本初登場。フランスで世界初演(2015年)を迎えた本作は、韓国でバージョンアップされて(2019年初演、2022年再演)絶賛を博した人気作だ。その韓国版を手掛けた気鋭の演出家オ・ルピナが、今回の日本版の演出を担うことも注目されている。濃密な稽古が進むなか、主人公のアーサー王を演じる浦井健治、そして王の配下の“円卓の騎士”の筆頭であるランスロット役をWキャストで担う太田基裕と平間壮一に、稽古の感触やそれぞれの役柄、日本初演の展望について聞いた。神話の世界にどうリアリティをもたせるか、鋭意邁進中――およそひと月後の初日(取材時)に向けて、稽古が順調に進んでいるようですね。浦井もうサクサク進んでます(笑)。この作品、オーソドックスなアーサー王伝説の、聖剣エクスカリバーの物語かなと思っていたんですが、演出のオ・ルピナさんはオリジナルのフランス版の舞台を観て、ご自身が思うところを付け足して「各キャラクターの正義を描きたい」と思って韓国バージョンを作られたそうなんです。ひとり一人が必死に生きている群像劇を作りたいと。韓国版の上演ですでに観客の熱い反応を得ているので、ルピナさんの中ではイメージがしっかりと固まっていて、2023年の日本版初演として作っているけれど、我々はそのイメージに追いつこうとしている再演チームみたいな感覚で(笑)、とにかく稽古の進行が早いです。初日の一カ月前に、もう最後まで動きがついていますからね。浦井健治歌と芝居で物語をしっかり見せながら、合間にはダンサーの見せ場がある、そんなショーアップされたミュージカルなので、僕らは日本初演として土台を作る責務があるかなと感じていますね。同じフレンチ・ミュージカルの『ロミオ&ジュリエット』みたいに今後、再演、再々演と継続して上演される可能性を秘めた作品になるんじゃないかなと。平間そうですね。神話を軸とした物語だから、人間じゃないモノがたくさん出て来て……狼とか鹿とか(笑)。ただ「神話というだけで終わらせたくない」というのがルピナさんの考えで、人間っぽさも出したいと。でもアーサーなんて、何もかもひたすら耐えて、すごく器が大きくて、こんな人間いないんじゃない!?ってくらい、ある意味神のような存在に描かれているんですよね。“呪い”とかも出て来る神話的な世界を、いかにリアリティを持たせてやるか。そこが難しいけれど、ルピナさんがちゃんと細かく「ここの感情は〜」と説明してくれるので、あとは自分たちがそこにどれだけ馴染めるかだと感じていますね。太田僕は正直、その神話的な世界がまだよく分からないんですよね。楽曲もキャッチーだし、アンサンブルの方々がものすごく動いていてダンスも、アクロバットも素晴らしいし、見どころ盛りだくさんのエンタメ作品にはなるだろうなと想像出来てはいるんです。その中での自分の役割を、どう追求していけばいいのか、ファンタジーとリアルの狭間をどう揺れ動けばいいのか、その匙加減がまだつかめていない状態です。浦井ランスロットはとくにそうだよね。ファンタジーとリアル、どっちにも振れるキャラだから。白か黒だけではない、各キャラクターのさまざまな感情を届けたい――アーサー王の伝説をもとに多くの文学、映画、舞台などが作られていて、ストーリーもさまざまな展開があるわけですが、今回の作品はどんな雰囲気を持つのか、皆さんによるご自身のキャラクター分析からうかがい知れたらと思うのですが。浦井今回の登場人物で一番はっきりと起承転結が描かれているのは、アーサーの異父姉、安蘭けいさんが演じるモルガンだと思いますが、どのキャラも “シーンの飛躍”が多いことで、気持ちの流れや立ち位置を把握するのが難しいんですよね。これはミュージカルにありがちなことですけど。――雑な分け方で恐縮ですが、アーサーと対立する側、いわゆるヒール(悪役)の位置にいるのがそのモルガンと、王座を狙っていた騎士メレアガン(伊礼彼方/加藤和樹、Wキャスト)ということに?浦井分かりやすく言うとフランス版ではそうなんですけど、ルピナさんはそのふたりをもヒールにさせない。ふたりともにそれぞれの信念、正義を訴えて、必死に生きているんです。メレアガンだったら騎士道というものだったり、モルガンだったら父親に対する恨み、そこから来るアーサーへの復讐心ですよね。そこのドロドロしたやりとりと、あとはアーサーと王妃グィネヴィア(小南満佑子/宮澤佐江、Wキャスト)、王妃に恋するランスロットという三角関係が描かれていて。アーサーは王の血筋という運命に翻弄されるわけですが、義父に育てられた環境に恵まれ、人の心に寄り添える青年になった。だから、権力に対して一番抗っている。でも権力を一番持っているのがアーサーなんですよね。平間壮一平間ランスロットは、アーサー王に忠誠を誓いつつ、王妃に恋をしてしまってその矛盾に苦しむ。その心の揺れ動きを歌や芝居で見せられるといいのかなと思っているけれど……(太田に)ランスロットさん、今のところどうですか?(一同笑)太田台本を読む限りは、湖の妖精に育てられているので(笑)、すごく高貴で純真無垢な青年という気がするよね。衣装も真っ白で、そういうスッとしたイメージかなと思いつつやっているんですが、やっぱり“シーンの飛躍”で描かれていないところを表現するのが難しいですね。(平間と)ふたりでいろいろ情報を共有しながら役作りしている感じだよね。平間僕はどうしても、台本の違う読み方をしてしまう癖が昔からあるんですよね。浦井ハハハ、いや、それいいことじゃないかな?平間俺が理想とする『キングアーサー』は、グィネヴィアが元凶みたいになればいいのに、と。わがままな王妃で、何もかも欲しい、あの男も、この男も……。太田ハハハ!欲にまみれた王妃!平間『RENT』でいうところのエンジェルみたいに、グィネヴィアが“裏主役”のお話で、ダークサイドのグリム童話みたいになってほしいなと。そうなるとランスロットもアーサーも可哀想に思えるじゃないですか。浦井それ、いいかもね。グィネヴィアが黒に見えたら、モルガンが白に見える可能性がある。平間そう!で、ランスロットも王を裏切るんじゃなくて……。僕の中のランスロットはどうしたって王を第一に考えたいんですよ。王妃のわがままに抗えなかったがゆえに不倫になってしまった……みたいなのが面白いなと思っているんですけどね。僕が好きなルピナさんの演出は、「手を握るだけで、もう十分」っていうもの。だから抱き合ったりすることもキスすることもないし、もしかしたら目が合う回数も一番少ないかもしれない。そういう見せ方は素敵だな、ロマンチックだなと思いますね。浦井ランスロットはいかようにも転ぶから、本当に難しいよね。着地点が書かれていないので。恋が成就したのか、それははたして本当の純愛だったのか、忠誠を本当に誓っていたのか……っていろいろあって、そういう意味ではシェイクスピアもそうだけど、古典って自由な解釈でいいのかなと。今回のおふたりのランスロットは、白でも黒でも、もしくは群青色!?(一同笑)さまざまな色で攻めて来てくれる感じがして、すごく面白いですよ。ショーアップされているがゆえに、「芝居の部分が伝わり切れなくても、お客様には楽しんでいただけちゃうから」と石川禅先輩がおっしゃっていたけど、そこをしっかり伝えていくのが我々の勝負だよね。平間ご覧になる皆さんには楽しみながらも、考えることをやめないでほしいですね。太田そう、フワ〜っと観ていると、ラストなんて「え、アーサー王、ひど!」みたいに思っちゃうかもしれない。(一同笑)厳しさと優しさ、アーサーのいろんな感情が届くように作っていきたいですね。太田基裕オ・ルピナさんの刺激的な稽古場――大注目の、韓国版に続いて演出を担うオ・ルピナさん。稽古場の様子をぜひ教えていただきたいのですが、浦井さんは『デスノート THE MUSICAL』の時に会われているとか。浦井はい、『デスノート THE MUSICAL』初演の時に、(演出の)栗山民也さんの稽古場をルピナさんが見学に来ていて。「韓国で私、演出補としてこれをやるので頑張ります」って。太田・平間ヘええ〜!浦井ルピナさんは本当に頭のいい、素敵な方ですよ。めげないし、体力があるし、ジョークを言って和ませたり、優しさの裏返しで厳しい言葉をかけることもあったり。充実した稽古場ですね。全員の気持ちが「ルピナさんはこうやりたいんだね、じゃあやるよ!」っていう空気になっている。平間やっぱり言葉が通じないぶん、動きを重視しているなとは感じますね。韓国語でお芝居する場合はどういうふうにするのかな……とか、日本語の僕らの芝居を見て、どう判断して、どう演出しているのかな…とか、そこの感覚が気になります。あと、立ち位置の番号はすごくうるさいです。(一同笑)“0.5”の位置(編注:舞台中央が0番。そこから上手・下手に向かって、それぞれ1番、2番と数字が増えていく)から始まるナンバーがあって、そこに立って始めようとしたら、ルピナさんが怖い顔してこうやってて……(手で必死に「もっと横!」というジェスチャー)。浦井・太田ハハハハハハ!平間ええっ、0.5じゃないの!?って。微妙な違いらしく。最初に見た形のキレイさのこだわりがあるんですよね。太田平間君が言ったように、文化も価値観も違うから、コミュニケーションの戸惑いは正直ありますよね。求めていることのどこがポイントなのか、まだいまいち掴めなくて。今言ったような違いも、「僕の中では0.5」だけど。平間「私は違う」となる。太田そう、その歪みみたいなのが一体何なんだろうなあと。これからの一カ月で見ていきながら、最終的には自分たちらしくやれたらいいなと思っていますね。浦井そうだよ、だって、ひと月前なのにもう動きもついちゃって、このスピード感……。平間どうなっちゃうんだろう。太田一回全部壊して、またイチから!?まあ僕らは悩みつつだけど、アンサンブルの皆さんはもう完璧で、本当にすごいですよね。シルク・ドゥ・ソレイユみたい!(一同笑)平間うん、生き生きしている。浦井「めっちゃ楽しいっす!」って言ってるもんね(笑)。老若男女が楽しめる“ネオ(新生)・ミュージカル”に期待して――ショーアップされた中での物語の展開を、我々観客もしっかり想像力を働かせてキャッチしていきたいです。皆さんの奮闘の果ての日本初演が楽しみです!太田本当に幅広い世代に楽しんでもらえる作品になると思います。展開も早いし、お子さんだって飽きさせずに「あのキャラクターかっこいい〜」となるんじゃないかなと。気楽に観ながら、いろんな想像をして深くも読み取ってもらえたらと思いますね。平間僕個人としては、『キングアーサー』は「ずっと我慢」の作品だなと。歌もダンスも、殺陣もそれほど多くないので、自分の武器は全部隠して挑むことに。お話としても、ランスロットは王のもとにいながら自分の愛情を隠して耐える役どころだし……。太田修行僧みたい〜。平間そういう修行みたいな耐えている気持ちが溜まりに溜まって、でも出せない!っていうパワーが、お客さんに伝わればいいなと思います。浦井もっくん(太田)が言ったように老若男女誰が観ても楽しめる舞台だけど、運命や業、人生の選択がテーマになっていて、とても演劇的な作品だとも思うんですね。この2023年の日本バージョンは、いろんな色を持ち合わせているメンバーで、ある種お祭り騒ぎ的に楽しんでやっていけるんじゃないかなと。本当に面白い人たちが集まりましたから(笑)。先輩や僕らが楽しむ姿を、小林亮太くん(ガウェイン役)ら若い人たちが見て、緊張しながらも「あんなふうに楽しめばいいんだ」と伸び伸びとトライしてくれたら。その中で我々はどう勝負していくか、そんな“ネオ(新生)・ミュージカル”っていう感触の舞台になるんじゃないかなと思っています。取材・文上野紀子撮影:杉映貴子ぴあアプリ限定!アプリで応募プレゼント浦井健治さん、太田基裕さん、平間壮一さんのサイン入りポラをそれぞれ1名様にプレゼント!【応募方法】1. 「ぴあアプリ」をダウンロードする。こちら() からもダウンロードできます2. 「ぴあアプリ」をインストールしたら早速応募!<公演情報>ミュージカル『キングアーサー』2023年1月12日(木)~2023年2月5日(日)会場:東京・新国立劇場 中劇場東京公演後、群馬・兵庫・愛知に巡演※追記:1月12日~15日公演は中止になりました。詳細は公演公式サイトにてご確認ください。チケット情報はこちら:ぴあアプリでは浦井健治さん、太田基裕さん、平間壮一さんのアプリ限定カットをご覧いただけます。ぴあアプリを ダウンロード(dpia-app://contentAll?contentId=26fd672c-5dd5-477b-b989-76ce8d72f9ff&contentTypeId=2) すると、この記事内に掲載されています。
2023年01月06日来年、シアタークリエにて上演予定のミュージカル「RENT」の全キャストが発表された。1991年、ニューヨーク・イーストヴィレッジ。映像作家のマークは、友人で元ロックバンドのボーカル、ロジャーと古いロフトで暮らしている。夢を追う彼らに金はない。家賃(レント)を滞納し、クリスマス・イヴにもかかわらず電気も暖房も止められてしまう。恋人をエイズで亡くして以来、引きこもり続けているロジャー自身もHIVに感染しており、せめて死ぬ前に1曲後世に残す曲を書きたいともがいている。ある日、彼は階下に住むSMクラブのダンサー、ミミと出会うが彼女もまたHIVポジティブだった。一方のマークはパフォーマンスアーティストのモーリーンに振られたばかり。彼女の新しい相手は女性弁護士のジョアンヌだ。仲間のコリンズは暴漢に襲われたところをストリートドラマーのエンジェルに助けられ、2人は惹かれあう。季節は巡り、彼らの関係もまた少しずつ変わっていく。出会い、衝突、葛藤、別れ、そして二度目のクリスマス・イヴ…。プッチーニのオペラ「ラ・ボエーム」をベースに、舞台を20世紀末のニューヨーク、イースト・ヴィレッジに置き換え、当時の若者たちの生き様や世相を鮮烈に描いた「RENT」。物語に登場する若きアーティストやミュージシャンたちは、貧困、エイズ、ドラッグといった死と隣り合わせの問題に翻弄されながらも、愛や友情を信じ、夢に向かって懸命に生きていく。1996年の初演以来、ブロードウェイで12年4か月のロングラン、世界40か国以上で各国語版の上演、2006年には映画化もされた「RENT」。シアタークリエでは2008年にエリカ・シュミットによる演出で初演の幕を開け、2012年にはオリジナル版を手掛けたマイケル・グライフによる新演出版を上演した。以降も再演を重ね、6回目の2020年11・12月公演は、志半ばで公演中止を余儀なくされた。そして、7回目の上演に向けて動き出した今回。花村想太と平間壮一がマークをWキャストで演じるほか、古屋敬多&甲斐翔真(ロジャー・デイヴィス役)、遥海&八木アリサ(ミミ・マルケス役)、加藤潤一&SUNHEE(トム・コリンズ役)、百名ヒロキ&RIOSKE(エンジェル・デュモット・シュナール役)、佐竹莉奈&鈴木瑛美子(モーリーン・ジョンソン役)、塚本直(ジョアンヌ・ジェファーソン役)、吉田広大(ベンジャミン・“ベニー”・コフィン3世役)の出演が明らかになった。なお、チケット一般前売は12月17日(土)10時より発売開始となる。ミュージカル「RENT」は2023年3月8日(水)~4月2日(日)シアタークリエにて上演。(cinemacafe.net)
2022年10月26日2023年3月から4月にかけて東京・シアタークリエで上演されるミュージカル『RENT』の全キャストが発表された。『RENT』は、プッチーニのオペラ『ラ・ボエーム』をベースに舞台を20世紀末のニューヨーク、イースト・ヴィレッジに置き換え、当時の若者たちの生き様や世相を鮮烈に描いた作品。シアタークリエでは2008年にエリカ・シュミットによる演出で初演の幕を開け、2012年にはオリジナル版を手がけたマイケル・グライフによる新演出版を上演。以降も再演を重ねていたが、6回目の2020年11・12月公演は新型コロナウイルス感染症の影響により11月16日以降の公演が中止に。その悔しさを晴らすべく、このたび7回目の上演に向けて動き出すこととなった。今回アナウンスされたのは、マーク・コーエン役の花村想太、平間壮一、ロジャー・デイヴィス役の古屋敬多(Lead)、甲斐翔真、ミミ・マルケス役の遥海、八木アリサ、トム・コリンズ役の加藤潤一、SUNHEE、エンジェル・デュモット・シュナール役の百名ヒロキ、RIOSKE、モーリーン・ジョンソン役の佐竹莉奈、鈴木瑛美子、ジョアンヌ・ジェファーソン役の塚本直、ベンジャミン・“ベニー”・コフィン3世役の吉田広大、そしてチャンヘ、長谷川開、小熊綸、ロビンソン春輝、吉田華奈、Zineeの総勢20名。チケットの一般発売は12月17日10時を予定している。<公演情報>ミュージカル『RENT』2023年3月8日(水)~4月2日(日) 東京・シアタークリエミュージカル『RENT』ティザービジュアル脚本・作詞・音楽:ジョナサン・ラーソン演出:マイケル・グライフ日本版リステージ:アンディ・セニョール Jr.【出演者】マーク・コーエン:花村想太、平間壮一(Wキャスト)ロジャー・デイヴィス:古屋敬多(Lead)、甲斐翔真(Wキャスト)ミミ・マルケス:遥海、八木アリサ(Wキャスト)トム・コリンズ:加藤潤一、SUNHEE(Wキャスト)エンジェル・デュモット・シュナール:百名ヒロキ、RIOSKE(Wキャスト)モーリーン・ジョンソン:佐竹莉奈、鈴木瑛美子(Wキャスト)ジョアンヌ・ジェファーソン:塚本直ベンジャミン・“ベニー”・コフィン3世:吉田広大チャンヘ、長谷川開、小熊綸、ロビンソン春輝、吉田華奈、Zinee【チケット情報】(全席指定・税込)11,800円 / エンジェルシート:5,000円一般前売開始日:12月17日(土) 10:00お問い合わせ:東宝テレザーブTEL:03-3201-7777公式サイト:
2022年10月26日ミュージカル『キング・アーサー』のプレイベント(製作発表)が25日に都内で行われ、オ・ルピナ(演出)、浦井健治、伊礼彼方、加藤和樹、太田基裕、平間壮一、小南満佑子、宮澤佐江、小林亮太、東山光明、石川禅、安蘭けい、ホリプロ 代表取締役社長 菅井敦氏が登場した。同作はイギリ ス・ケルトに伝わる騎士達の物語を、ミュージカル『1789-バスティーユの恋人たち-』など数々のヒット作を生み出しているドーヴ・アチア氏がグルーヴ感溢れるフレンチロックミュージックをベースとした多彩な音楽で描いたヒット作。天から下される運命に立ち向かうアーサー王の物語を描く。ホリプロ 菅井社長は「2023年の初回上演のみならず、先々レパートリーとしてずっとやっていく作品に仕上げていくべく頑張っていきます」と宣言。この日は伊礼、加藤、小南、宮澤、小林、東山による「奪われた光」、そして浦井、小南、宮澤、全員による「魔法に導かれて」の2曲を披露。浦井は「かなりシャウトがあって、和樹と彼方がどこまでも高い声をこの時間に出すという、役者としてはやりがいの感じるような楽曲」と表し、「しっかりとみんなで体力をつけて、このメンバーだからこそ出せる音を紡いでいけたらと感じました」と意気込んだ。伊礼はなぜか浦井に対し「プライベートでは負けませんですからね。作品ではいつも負かされてるけどさ、プライベートを楽しみにしてください」と宣言し、「1公演くらい勝たせてもらえないかお願いしようと」と目論む。浦井が「剣、抜いてみて」と煽ると、安蘭が「私が抜こうかな、エクスカリバー」と参戦し、浦井は「誰よりも似合う」と苦笑していた。加藤も楽曲について「ダンサブルな感じで、見た目に派手で時に切なく悲しくというのを表現できる楽曲なんじゃないかなと思います」と太鼓判。「3人兄弟の末っ子」という東山は、今回アーサーの兄役を演じるにあたって「実際の兄はオラオラ系なんですけど」と東山義久のことを表しつつ、「自由奔放に憎めないキャラを作っていけたらと思っています」と語った。殺陣のコツを聞かれた太田は「怪我をしない、させない」ときっぱり。一方で「伊礼さんが浦井さんをやってしまわないか監視しながら稽古していきたい」と述べ、周囲からは「言葉が悪い」、伊礼からは「そんな野蛮じゃございません」とツッコミが飛ぶ。平間は「全員が全員、体も歌も全身を使ってやってる。サーカスを見てるような、ミュージカルと違った楽しみ方を期待してもらえれば」と見どころを明かした。また、舞台『鬼滅の刃』シリーズで主演を務めている小林は「別作品では鬼を狩るために日本の刀を振っているんですけど、西洋剣術が初めて」だという。浦井が「なるべく"呼吸"は使わないようにお願いします」と言葉を向けると、小林は苦笑しつつ「両手で持って斬るのが大事になってくるので、そういうとことはリアリティを持ってやりたい」と意気込んでいた。最後には浦井が「この作品はド派手で、ダンスありアクロバットあり殺陣あり、そしてフレンチロックということで、かなりキラキラした作品だと思うんですけれども、物語の中では人間の本当の正義だとか、それぞれの群像劇としての愛の形だとか、繊細な心を紡いでいく、感情を大切にするようなお芝居を大切にするような作品になるんじゃないかなと思っております」と語る。「イケメン揃いだと思うんです、禅さんを筆頭に! 安蘭さんも。本当に楽しんでいただけるような作品になると思います」とアピールした。東京公演は新国立劇場 中劇場にて2023年1月12日~2月5日、群馬公演は高崎芸術劇場 大劇場にて2月11日~12日、兵庫公演は兵庫県立芸術文化センター KOBELCO大ホールにて2月24日~26日、愛知公演は刈谷市総合文化センターアイリス 大ホールにて3月4日~5日。
2022年08月25日ミュージカル『レント(RENT)』が、2023年3月8日(水)から4月2日(日)まで東京・シアタークリエにて上演される。伝説のミュージカル『レント』再演『レント』は、プッチーニのオペラ『ラ・ボエーム』をベースに、貧困、エイズ、ドラッグといった死と隣り合わせの生活にあえぎながらも懸命に生きる若者たちの姿を描いたミュージカルだ。1996年の初演以来ブロードウェイで12年4か月のロングラン、世界40か国以上で各国語版の上演が行われ、2006年には映画化もされた。また、日比谷・シアタークリエでは、2008年にエリカ・シュミット演出で初演を迎え、2012年にはオリジナル版を手掛けたマイケル・グライフによる新演出版で上演された。そんなミュージカル『レント』の7回目の再演が行われることに。マイケル・グライフの演出、アンディ・セニョール Jrの日本版リステージによって、初演のジョナサン・ラーソンが『レント』に込めた、「No day but today(=過去もない、未来もない。今日という日を精一杯愛し、生きていく)」という力強いメッセージを歌い継ぐ。<あらすじ>舞台は20世紀末のニューヨーク、イースト・ヴィレッジ。登場するのは、若き アーティストやミュージシャンたちだ。劇中では、貧困、エイズ、ドラッグなど死と隣り合わせの問題に 翻弄されながらも、愛や友情を信じ、夢に向かって強く生きていく姿が描かれる。<登場人物>■マーク・コーエン(花村想太/平間壮一)…映像作家。恋人をエイズで亡くして以来、引きこもり続けている。自身もHIVに感染しており、せめて死ぬ前に1曲後世に残す曲を書きたいともがいている。■ロジャー・デイヴィス(古屋敬多/甲斐翔真)…元ロックバンドのボーカル。マークと一緒に古いロフトで暮らしている。家賃(レント)を滞納し、クリスマス・イヴにもかかわらず電気も暖房も止められてしまう。■ミミ・マルケス(遥海/八木アリサ)…SMクラブのダンサー。マーク、ロジャーが住む部屋の下に住んでいる。彼女もHIVポジティブ。■トム・コリンズ(加藤潤一/SUNHEE)…暴漢に襲われたところをエンジェルに助けられ、惹かれあう。■エンジェル・デュモット・シュナール(百名ヒロキ/RIOSKE)…ストリートドラマー。トムに思いを寄せる。■モーリーン・ジョンソン(佐竹莉奈/鈴木瑛美子)…パフォーマンスアーティスト。マークと付き合っていた。■ジョアンヌ・ジェファーソン(塚本直)…女性弁護士。モーリーンの新しい恋人。■ベンジャミン・“ベニー”・コフィン3世(吉田広大)公演概要ミュージカル『レント』脚本・作詞・音楽:ジョナサン・ラーソン演出:マイケル・グライフ日本版リステージ:アンディ・セニョール Jr.出演:花村想太/平間壮一(Wキャスト)、古屋敬多/甲斐翔真(Wキャスト)、遥海/八木アリサ(Wキャスト)、加藤潤一/SUNHEE(Wキャスト)、百名ヒロキ/RIOSKE(Wキャスト)、佐竹莉奈/鈴木瑛美子(Wキャスト)、塚本直、吉田広大、チャンヘ、長谷川開、小熊綸、ロビンソン春輝、吉田華奈、Zinee■東京公演上演期間:2023年3月8日(水)~4月2日(日)会場:シアタークリエ住所:東京都千代田区有楽町1-2-1先行抽選エントリー:2022年11月29日(火)~12月2日(金)先行先着販売:2022年12月11日(日) 10:00より販売開始一般発売:2022年12月17日(土)10:00チケット料金:11,800円(全席指定)、エンジェルシート 5,000円【問い合わせ先】東宝テレザーブTEL:03-3201-7777
2022年08月11日タワーレコードのキャンペーン「NO MUSIC, NO LIFE.」をはじめ数多くのアーティスト写真で知られる写真家・平間至の個展が6月10日(金)よりフジフイルム スクエアにて開催中だ。宮城県塩竈市に祖父が開業した写真館の三代目として生まれた平間にとって、さまざまなメディア掲載のために撮影したアーティストたちの写真と、 東日本大震災後の2015年に東京で再生した平間写真館TOKYOでの活動は、そのどちらもが欠かせない「両A面」といえる。2020年写真家としての活動を開始してから30周年を迎え、 また、 震災から10年の節目となった2021年を経て、平間がこれまで撮影してきたYMO、峯田和伸、安室奈美恵らアーティストを撮影した写真(アー写)、 家族の集合写真など営業写真館で撮影した写真(エー写)から精選した約160点を一堂に公開する同展。“音楽が聴こえてくるような躍動感あるポートレート”で写真界に新しいスタイルを打ち出したと評価される平間にとっての「それぞれのA面」。音楽と写真への想いが満ち溢れてた展示となっている。展示作品に登場する皆さま(順不同、 敬称略)赤井英和&ガガガSP/あがた森魚/浅野忠信/安室奈美恵/アンガールズ/石川さゆり/井上陽水&ジェーン・バーキン/忌野清志郎/内田裕也/内田有紀/エレキコミック/エレファントカシマシ/大友康平/大橋トリオ/大橋トリオ&羊毛とおはな/奥田民生&達川晃豊/折坂悠太/カジヒデキ/かしまし娘&UA/勝手にしやがれ&オダギリ・ジョー/岸田繁 (くるり)/銀杏BOYZ/甲本ヒロト(THE BLUEHEARTS)/斉藤和義/在日ファンク/坂本慎太郎/佐久間正英/笹久保伸/笹倉慎介/指原莉乃/サンボマスター/椎名林檎(東京事変)&首藤康之/四家卯大/シシド・カフカ/菅田将暉&あいみょん/スネオヘアー/関取花/そのまんま東/ダウンタウン/高田純次&ケツメイシ/高橋幸宏/田島貴男/田中泯/チーム直坊/東京スカパラダイスオーケストラ & 宮本浩次/怒髪天/ドレスコーズ/中島美嘉/七尾旅人/のん/原田郁子/細野晴臣/布袋寅泰/マカロニえんぴつ/真心ブラザーズ/松本隆/峯田和伸(銀杏BOYZ)/山嵐&ザ・グレート・カブキ/山下達郎/山田洋次&坂本龍一/由紀さおり/ゆず/横山剣(クレイジーケンバンド)&宮史郎(ぴんから兄弟)/吉田親子/凛として時雨/和田アキ子/布袋寅泰&Char/ACIDMAN &YOU/AI/BEAT CRUSADERS & 松たか子/Boom Boom Satellites/BRANKEY JET CITY/BUMP OF CHICKEN/CHAI /DEXPISTOLSROC TRAX/EGO-WRAPPIN’ & 中田秀夫/ELT(Every Little Thing) /HY & ケンさん/Mr. Children/Official髭男dism/ONE OK ROCK/PIZZICATO FIVE/SANDII/SEKAI NO OWARI/SK& T/SOFT BALLET/SPEED/Suchmos/TAKA(ONE OK ROCK)/THE BLUE HEARTS/THEE MICHELLE GUN ELEPHANT/THE THRILL/UA/YMO/平間写真館TOKYOのお客さま平間至忌野清志郎 2008年 (C)Itaru HiramaMr. Children 2017年 (C)Itaru Hirama2020年 (C)Itaru Hirama2021年 (C)Itaru Hirama【開催概要】フジフイルム スクエア 企画写真展 『「写真家・平間至の両A面」 ~アー写(アーティストの写真)/エー写(営業写真館の写真)~』会期:2022年6月10日(金)-6月30日(木)会場 : フジフイルム スクエア内、富士フイルムフォトサロン 東京 スペース1・2・ミニギャラリー時間:10:00~19:00、最終日は14:00まで(入館は終了10分前まで)※会期中無休公式サイト:
2022年06月10日1981年の日本初演から今年で42年目を迎えるブロードウェイミュージカル『ピーター・パン』。森新太郎が昨年に続いて演出を務める本作に、壮一帆がダーリング夫人役で初参戦を果たす。すっかり夏の風物詩となったこの魅惑のミュージカルへの意気込みを語ってくれた。「ピーター・パンに恋していました!」――。誇張でもプロモーション用の宣伝文句でもなく、少女時代の壮一帆にとって、ピーター・パンはまぎれもなく憧れの存在であり、夢の国へと連れて行ってくれる特別な存在だったという。「よく遊びに行ってたお友達の家にディズニーアニメ版のVHSがあって見せてもらって、ピーター・パンのことが大好きになったんです。他人の家で繰り返し見て(笑)、夢の世界に連れてってくれる頼りがいのあるところに惹かれて、冒険にワクワクして…画も音楽もセリフも全部覚えてます」ダーリング夫人は、ウェンディ、ジョン、マイケルらの母親。「家族にとって、絶対的に安心できる包容力を持った存在だなと思います。光で全ての人を包み、救う“菩薩様”のようなイメージですね。私とは正反対のキャラクターですが(笑)、だからこそ演じがいがあります。この作品に関しては、役を私に近づけるのではなく、私自身がどこまでダーリング夫人に近づけるかが大事。多くのみなさんが抱いているイメージを壊さないようにしっかりと演じ切りたいです」。夢の国に足を踏み入れることができるのに加えて、もうひとつ、壮が本作のオファーを喜んだ理由が演出を務める森新太郎の存在。2020年、森演出による『佐渡島他吉の生涯』に出演することになっていたが、コロナ禍で上演中止に。壮にとっては2年越しの夢が叶うことになる。「玄人向けの舞台ではなく、全世代が楽しめるこのミュージカルの夢の世界で、森さんがどんな演出をされるのか楽しみです。みなさん、『(森の演出は)細かいよ』とおっしゃるんですが、全てに応えたいです」本作が人生初の観劇体験の子もいるだろう。そんな子どもたち、そして子どもたちと一緒に劇場に足を運ぶ大人たちに向かって壮はこう語る。「映像作品と違って、その場の空気感や呼吸を生で感じられるのが演劇の最大の魅力。あの空間で俳優と夢の世界を共有してほしいし、親御さんにも一緒に感動して帰ってもらいたいです。私自身、演じながら『ピーター・パン』で描かれるように、大人になって気づかなくなってしまった感覚を感じられるのを楽しみにしています!」
2022年04月26日「平間至 写真展 すべては、音楽のおかげ Thank you for the photographs!」が、ジェイアール京都伊勢丹7階隣接の美術館「えき」KYOTOにて、2022年4月2日(土)から5月8日(日)まで開催される。タワレコ「NO MUSIC, NO LIFE.」など数々のアーティスト写真を撮影「平間至 写真展」は、タワーレコードのキャンペーン「NO MUSIC, NO LIFE.」をはじめ、多くのアーティスト写真を撮影してきた写真家・平間至の写真展。“音楽が聴こえてくるような躍動感あるポートレート”によって写真界に新たなスタイルを打ち出したと評される写真家・平間至は、宮城県塩竈市に祖父が開業した写真館に生まれ、クラシック音楽愛好家だった祖父や父の影響で幼少の頃から音楽に親しんでいた。小学生の頃に聴いたオーケストラの生演奏や、10代でのめり込んだパンクロックといった音楽の原体験を経て、写真家として活動する現在も、平間至の制作背景には常にジャンルを超えた音楽が通奏低音として流れている。“写真と音楽”テーマに作品約180点を展示「平間至 写真展」では、「写真と音楽」をテーマに、厳選された約180点の写真作品が登場。平間至の名を一躍世に知らしめた《モータードライヴ(MOTOR DRIVE)》をはじめ、安室奈美恵、細野晴臣、のんなど、これまで撮影された膨大なアーティストたちのポートレート、舞踊家・田中泯の《場踊り》を追い続けたシリーズ、心象風景を内省的に表現したシリーズ《光景》、そして2015年開業の「平間写真館TOKYO」で撮影された写真などが会場に勢揃いする。【詳細】「平間至 写真展 すべては、音楽のおかげ Thank you for the photographs!」会期:2022年4月2日(土)~5月8日(日) ※会期中無休会場:美術館「えき」KYOTO住所:京都府京都市下京区烏丸通塩小路下ル東塩小路町 ジェイアール京都伊勢丹7階隣接開館時間:10:00~19:30(入館締切:閉館30分前)入館料:一般 900円(700円)、高・大学生 700円(500円)、小・中学生 500円(300円)※( )内は前売料金前売券販売期間:2月25日(金)~4月1日(金)販売場所:当館チケット窓口(休館日除く)、京都駅ビルインフォメーション、チケットぴあ(Pコード685-920)、ローソンチケット(Lコード55158)【問い合わせ先】ジェイアール京都伊勢丹TEL:075-352-1111(大代表)
2022年02月17日日本初演となるミュージカル『The View Upstairs -君が見た、あの日-』が2022年2月1日から日本青年館ホール(東京都新宿区)ほかで開幕した。米ニューオリンズに実在した「アップステアーズ・ラウンジ」という同性愛者クラブで1973年に実際に起きた放火事件を題材に、ブロードウェイの新進気鋭の若手作家、マックス・ヴァーノンが作・作詞・作曲を手掛けた本作。2017年に米オフブロードウェイで初演され、今回が日本初演となる。平間壮一開幕を前に行われた記者会見。物語の主人公で、現代から突然1973年にタイムスリップしてしまうデザイナーのウェス役を演じる平間壮一は「無事に初日が開けられることが本当に嬉しく思っております。みんなで作りながら頑張って稽古した作品。大事にしていきたいなと思います」と挨拶。小関裕太突然現れたウェスに興味を持ち、次第に惹かれていく若い男娼パトリック役を演じる小関裕太は「このような時期に幕が上がることを本当に嬉しく思います。約1年前、本作の出演の話をいただいて、その間いろいろな作品をやっていく中でも、この作品に向かってきたと言える作品です。役を生きれるように頑張りたいと思います」と意気込んだ。東山義久稽古を通じて印象が変わった共演者はいるかという問いに、平間は東山義久の名前を挙げ「“リーダー”と呼ばれているので、しっかりされているイメージでしたが、可愛らしい一面があるし、みんなを笑わせてくれる」などと回答。一方の小関は岡幸二郎の名前を挙げて「素敵なものをたくさん知っているから、小包装になっている差し入れをしてくださって。京都から取り寄せた大福が......」と話し、岡から「人間性を褒めてよ」と突っ込まれていた。岡幸二郎初日が32歳の誕生日となった平間だが「あまり誕生日ということは意識していない」と話し、「今までやったことがないような作品で、受け取ってくれる方次第で全然変わっていくはず。バーに来て2時間を過ごしてもらう、ただその空間を見てもらう感じです。『これってどういう意味だろう?』とたくさん思うこともあるかもしれないけれど、間違いも正解もないです。人間はみんな踏ん張って生きているからこそ、素敵な生き物なんだと思っていただけたら」と観客に呼びかけた。ミュージカル『The View Upstairs』より物語の舞台は、まだ同性愛が罪であった70年代。昼は建設作業員、夜はラテン系のドラァグクイーンとしてパフォーマンスをしている者、女性と結婚して子どももいるゲイ、受け入れられることに飢えた孤独なホームレス......。出てくるのは、いわば社会から“はみ出した”人たち。それぞれ事情があり、葛藤しながらも、アップステアーズ・ラウンジに集い、ひたむきに生きている。最後の結末は苦しいものではあるが、誰かを愛し、自分と向き合うことの大切さを教えられた気がする。ミュージカル『The View Upstairs』よりミュージカル『The View Upstairs』よりミュージカル『The View Upstairs』よりミュージカル『The View Upstairs』よりミュージカル『The View Upstairs』より上演時間は2時間15分(休憩なし)。演出・翻訳・訳詞・振付は市川洋二郎。その他の出演者は、畠中洋、JKim、阪本奨悟、関谷春子、大村俊介(SHUN)、大嶺巧。東京公演は2月13日(日)まで。大阪公演は24日(木)〜27日(日)、森ノ宮ピロティホール。取材・文・撮影:五月女菜穂
2022年02月02日実在した同性愛者クラブで1973年に実際に起きた放火事件を題材に、2017年にオフブロードウェイで初演後、世界各国で上演されたミュージカル『The View Upstairs-君が見た、あの日-』が日本初上陸する。2018年にはオーストラリア、シドニーで初海外プロダクションが開幕し、2019年にはロンドン版も上演された本作の演出を手がけるのは、日英米で活躍の場をひろげる英国在住の市川洋二郎。本作で現代からタイムスリップする主人公・ウェスを演じる平間壮一、ウェスに惹かれていく男娼パトリックを演じる小関裕太に話を聞いた。「裕太はなにをやっていても愛されるキャラクター」(平間)──おふたりが『The View Upstairs-君が見た、あの日-』で楽しみにされていることを教えてください。平間初共演の方が多いので、そこがまず楽しみです。そして久しぶりに先輩方に囲まれることになるので、嬉しさもあり、緊張もありって感じですね。──先輩たちと一緒だとどんなところがうれしいですか?平間こういうやり方があるんだ、って盗めるものが多い現場になると思うので、そこはやっぱり楽しみです。小関それで言うと僕は今回、久々に一番年下です。18歳の時の初主演舞台『FROGS』以降は自分が主演でもあまり肩ひじ張らないようになりましたが、やっぱり他のメンバーより年齢が上だとどこか「ピシッといなきゃ」「現場を見ていなきゃ」と思うところがありました。だけど今回は、役柄的にも、年齢的にも、のびのびとやらせてもらえたらいいなという楽しみがあります。──おふたりは事務所の先輩と後輩でもありますが、俳優としてお互いのどんなところが素敵だと感じていますか?小関パワー。平間惹きつける魅力。小関うれしい。平間俺、裕太を嫌いって人に会ったことないよ。小関そうかな。「なんか嫌われているかも」って思うことはありますよ?平間あっはっは!まじ?ないなあ。俺は好きなタイプだからかな。ちゃんと自分を持ってる人だし、嫌なところもないですよ。相手に合わせることもできるけど、大人になって、嫌なものを嫌だと言えるようになったから、より付き合いやすいなと思う。小関うれしいな。平間俺は、悪役を演じるにしろ、いい人を演じるにしろ、愛されるキャラであるべきだと思っているんです。ディズニー作品が悪役も愛されるみたいに。でもそこって、本人が根っから持っている雰囲気が大事な部分だと思うから。そういう意味で裕太はなにをやっていても愛されるキャラクターです。しょうもない男の役をやったとしても、「でもしょうがないよね」ってふうに持っていける。そこが俳優としての魅力でもあるんじゃないかなと思います。「壮一さんのパワーっていつも身体に対して真っ直ぐ」(小関)──小関さんがおっしゃっていた平間さんの「パワー」というのは?小関壮一さんの出演舞台を観させていただいていると、スコーンと強さが抜けていると感じるんですよ。それがカッコいい。僕は人の息とか声とかが図形みたいに見えるのですが、壮一さんのパワーっていつも身体に対して真っ直ぐに見える。そういう意味で、すごく強いものを持っていらっしゃるなと思います。そこがすごくいいなあって。──付き合いの長い、事務所の先輩でもありますね小関壮一さんとは小学5年生の時に初めてお会いして、それからずっと「5つ上のお兄ちゃん」的な存在です。笑顔が素敵で言葉がすごくやさしい。人に届く言葉をちゃんとチョイスされるで、10代の時に「ハンサムライブ」でご一緒していた時は、お客様に対して感謝の想いを届ける言葉が素敵だなと思っていました。真似したいけど、僕にはボキャブラリーが足りないからできないやって気持ちでしたね。──そのボキャブラリーはどこから生まれているのですか?平間思ったまま言っちゃうから、あまり考えていないかも(笑)。でも僕は、恥ずかしいようなことも口に出しちゃう。あまり言葉に関して「恥ずかしい」って思わないんですよ。逆に隠したり偽ったりするほうが恥ずかしくなっちゃう。そういう意味ではお芝居は向いてないと思う小関ええ?平間だってお芝居って嘘だから。究極に嘘がうまい人たちが集まって、用意されたものを本当かのように演じている。時々、「俺、演じちゃってるわ!」って恥ずかしくなる瞬間がある。──こんなにたくさん舞台に出演されていてもですか?平間全然慣れないです。今回も、台本4ページ目くらいでもう恥ずかしかった(笑)。「うわ~俺、これやるんだ!」って。小関僕はあまり「嘘」って思ったことがないかもしれない。平間そこが純粋なんだよね~。小関(笑)。「彼の信じている“本当”ってこうなんだ」と思って台本を読んでいて、そこを疑問視していないんだと思います。──小関さんは、今回平間さんに舞台に関して聞いておきたいことはありますか?小関本番期間中に楽屋に置いておくべきものはありますか?平間俺ね、ミニマリストなのよ。小関ああ~。なるべく置かないんですね。平間置かない。初舞台なんて、ペンシル1本だったもん。「なにやるつもり?」って怒られたから(笑)。そこから始まって、今もこだわっていることはないね。小関加湿器とかもやらないですか?平間やんない、やんない。なんならコロナ禍になる前は人の楽屋にいることのほうが多かったし(笑)。小関そうなんだ!平間だから今はきついよ。一人で楽屋で悶々とするから。この舞台はふたりでつくっていきます!平間・小関(笑)稽古場はカオスになりそう──作品について、市川洋二郎さん(演出・翻訳・訳詞・振付)とはなにかお話しされましたか?平間僕は一度だけお会いして、ボイストレーニングをしました。裕太も?小関会ったのはそうですね。ただ僕は時々連絡を取っています。市川さんはイギリス在住で、向こうでこの作品も観劇されていますし、すごく勉強されている方なので。歴史の話だったり、70年代のファッションだったり、美意識だったり、わからないことはどんどん聞いています。──具体的にどんなことを聞いていますか?小関当時はどのくらいメイクができていたのかとか、そういうことですね。チークなんて塗ってゲイだとバレたら指さされて差別される時代だから、本当は美しくなりたいと思っている人も、リップくらいだと教えてくださいました。でもドラァグクイーンはいたので、そういう人たちはメイクしていたみたい、とか。──平間さんはボイトレを一緒にされたのですか?平間そうです。僕は歌に苦手意識があるのですが、市川さんに新しい方法を教わったんですよ。身体のツボみたいなところを押しながら声を出してみたり、「君はここに力が入ってるよ」と教えてくださったりして面白かったです。新しいなにかが見つかるかもとも思いましたし。……でも今気付いたんですけど、市川さんすごいですね?──というのは?平間だって振付まで……。小関え、振付もなんですか!平間そう。演出も翻訳も訳詞もやってるのにきつくない!?だけど心強いね。日本にいるメンバーだけだとわからないようなことがわかる方がいてくださるのは心強いなと思います。──共演者の皆さんも楽しみな方が多いですね平間稽古場がカオスになりそうな気がする。小関先輩方、どんなアプローチをされるんでしょうね。平間ほんとだよね。本当に濃い方しかいないから。──おふたりとも初共演の方が多いですよね。平間なのでちょっと今、俺と裕太の目標を決めますね。小関お!平間畠中洋さんと仲良くなろう!小関シャイな方なんですか?平間撮影の時になんとなくそういう感じがして。だから「にいちゃん」って呼べるくらい仲良くなりたい。小関いいですね!30歳上の先輩ではありますが。平間それでも兄弟くらいの距離感でいけるようになろうよ!小関そうしましょう!アップステアーズ・ラウンジは“はみ出し者”たちが唯一心を開ける場所──この作品は、実在した同性愛者クラブで、同性愛がまだ罪とされていた1973年に実際に起きた放火事件を題材にしています。作品のベースとなった出来事はどう思われましたか?小関当時の火事の記事を読んだり、実際の火災現場の写真を見て、抉られるような思いでした。火事にまつわるエピソードも、当時の同性愛に対しての考え方も、押しつぶされるような気持ちになりました。平間これは劇中ではあまり描かれてはいないんですけど、今すごく思っているのは、当時の“はみ出し者”である登場人物たちが唯一心を開いて、失礼なことも言い合える、下ネタも言えるし、好きな口調で話せる、みたいな場所がこのアップステアーズ・ラウンジだったんじゃないかなということ。一歩外に出るとそれができない世界だったんだと思うし、本当はそこが表現したいんじゃないかなと、俺の中では思っています。そのぶんラウンジの中で起きていることは、何も知らずに観ると少しびっくりするような下品な言葉などあるかもしれないんですけど、ここがその人たちにとっての居場所なんだってまず理解してもらえると、わかりやすいんじゃないかと思う。そういう場所って誰にでもあるから。そういうたった一つの場所がこんなひどいことになるっていうところも含め、いろんなテーマが入った作品だと思いました。──その中で、現代からタイムスリップする主人公・ウェス役を平間さん、ウェスに惹かれていく男娼パトリック役を小関さんが演じますが、そのことはどう思われていますか。小関僕、実は最初は、お兄ちゃん的な壮一さんと一緒にこの作品をやる、しかも恋仲になる役って聞いて、戸惑いと恥ずかしさはありました。平間でも俺たちふたりは、同じ事務所でちっちゃい頃から知っていて、分かち合える部分が既にたくさんある。そこが役として醸し出されればいいんじゃないかなと思ってる。そういう俺たちだからこそ、表現できるものがあるはず。小関そうかも。そういう視点で挑んだらここにしかない面白みが生まれそう。平間でも初日のことを考えると、今はまだ怖いな。小関稽古も1か月半以上ありますから!平間そうだね。楽曲もとにかく良いので。がんばります!★おまけの質問★Q:俳優として転機になった作品は?平間俺は地球ゴージャスの『LOVE BUGS』(’16年)と『RENT』(’15、’17、’20年)あたりです。自分にとっての第二章なんです。アンサンブルから役がつくまでがんばるのが第一章、そこから役が付いてから主役をやるまでがんばる、っていうところからが第二章。だから次は第三章ですよね。それをどこに持っていくかは、これから考えていきます。小関僕は『ごめんね青春!』(’14年)というドラマです。トランスジェンダーの役を演じました。今でもいつもその時の自分を超えようとしている作品です。自分のライバルは、あの時の自分だなと思っています。ぴあアプリ限定!アプリで応募プレゼント平間壮一さん、小関裕太さんのサイン入りチェキを1名様にプレゼント!【応募方法】1. 「ぴあアプリ」をダウンロードする。こちら() からもダウンロードできます2. 「ぴあアプリ」をインストールしたら早速応募!取材・文:中川實穗撮影:源賀津己ヘアメイク:Emiy(エミー)スタイリスト:吉本知嗣
2021年12月20日ミュージカル界の新星・甲斐翔真による初の単独ミュージカルコンサートが、12月25日(土)のクリスマスに有楽町・オルタナティブシアターで開催されることが決定した。甲斐は、2020年にミュージカル『デスノート THE MUSICAL』にて初主演(夜神月役)・初舞台を経験。その後同年11月よりミュージカル『RENT』にてHIVポジティブな元ロックシンガー・ロジャー役を、2021年1月より『マリー・アントワネット』にてフェルセン伯爵役を演じた後、5月より『ロミオ&ジュリエット』にて主演ロミオ役を演じるなど、ミュージカル界で快進撃を繰り広げている。10月よりシアターコクーンで上演された日本初演ミュージカル『October Sky-遠い空の向こうに-』では、初の単独主演としてホーマー・ヒッカム役を好演し、2022年3月公演のミュージカル『next to normal』にゲイブ役での出演が発表されたばかりと、その躍進に一目置かれつつある中、今回のコンサート開催を決断した。今回のコンサートでは、これまでに出演した作品の人気ナンバーはもちろん、今後のミュージカル界を背負う期待を込めて、他数々のミュージカルナンバーを披露する。さらに、初めてのミュージカルコンサートに甲斐が尊敬する先輩ふたりを豪華ゲストとして迎えることが決定。元宝塚歌劇団雪組トップ娘役で、退団後もその圧倒的な歌唱力でミュージカル『ドン・ジュアン』にてマリア役を好演し、2022年2月より公演のミュージカル『笑う男 The Eternal Love -永遠の愛-』にデア役で出演が決まっている真彩希帆。2017年と2020 年、『RENT』に2回出演し、エンジェル役からマーク役への転身を実現し、来年はミュージカル『The View Upstairs -君が見た、あの日-』など主演作品を控えている平間壮一だ。このふたりはそれぞれのソロナンバー及び甲斐とのデュエット曲も予定している。『KAI SHOUMA MUSICAL CONCERT on Christmas Day 2021 Featuring MAAYA KIHO and HIRAMA SOICHI』は、有楽町・オルタナティブシアターにて2公演を予定。公演時間、チケット情報など詳細は後日HP・SNS等で発表。■甲斐翔真 コメントいつか、と夢見た念願のミュージカルコンサートを開催させていただくことになりました。とても嬉しくて胸がいっぱいです。まだまだミュージカルの経験は少ない僕ですが、今まで出演させていただいた5作。そして思い入れのある曲。好きな曲。などを皆様の前で披露させていただきます。そして先輩であり、ミュージカル『RENT』でご一緒した平間壮一さん。素晴らしい歌唱力に心奪われ、いつかご一緒出来たらと思い、ダメ元でお願いしたらまさかのOKをくださった真彩希帆さん。このお二方をゲストにお招きし、ソロコンサートでしか出来ない、贅沢な時間を2021年のクリスマスに皆様と共有できたら良いなと思っています。どうぞ楽しみに待っていてください。【開催情報】『KAI SHOUMA MUSICAL CONCERT on Christmas Day 2021 Featuring MAAYA KIHO and HIRAMA SOICHI』出演:甲斐翔真 / ゲスト:真彩希帆平間壮一日程:2021年12月25日(土) 開催 2公演予定場所:オルタナティブシアター(東京都千代田区有楽町2丁目5−1 有楽町センタービル 7階 別館)主催:アミューズ甲斐翔真オフィシャルHP: 甲斐翔真Twitter: 甲斐翔真Instagram: 公演に関するお問い合わせ:アミューズ チアリングハウス( )
2021年11月12日日本初上演となるミュージカル『The View Upstairs -君が見た、あの日-』が2022年2月、日本青年館ホール(東京都新宿区)ほかで上演される。ニューオリンズに実在した「アップステアーズ・ラウンジ」という同性愛者クラブで1973年に実際に起きた放火事件を題材に、ブロードウェイ新進気鋭の若手作家、マックス・ヴァーノンが作・作詞・作曲を手掛けた本作。2017年に米オフブロードウェイで初演され、今回が日本初上演となる。現代を生きるファッションデザイナーのウェスは、ニューオリンズのフレンチクォーターにある廃墟と化した建物を購入。クスリでハイになった彼がボロボロのカーテンを引き剥がすと、その瞬間、活気に満ちた70年代のゲイバー「アップステアーズ・ラウンジ」にタイムスリップしてしまう。そこは、まだ同性愛が罪であった時代において“はみ出し者”たちの拠り所。さまざまな事情を抱えた彼らと触れ合い、時に厳しい70年代の現実を体感する中で、ウェスは人と人の絆の意味を学んでいくーー。そのウェス役を演じるのは、近年、目覚ましい活躍を見せている平間壮一。平間は、本作への出演が決まった時の心情を「嬉しかったんですけど、同時に役づくりに苦労しそうだなと思って。これは気を引き締めないといけないなと思いました」と語る。平間が演じるウェスは、パトリック(小関裕太)という青年の間にもささやかな恋が芽生えていく設定だ。LGBTの役どころとしては、平間は過去にミュージカル『RENT』のエンジェル役を演じた経験があるが「(エンジェルと)どう差をつけていけばいいか考えています。ドラァグクイーンともまた違うし、ウェスの見た目は“普通”。観客にどうウェルの思いを伝えればいいのか、台本に描かれていないところをいかに深められるかだと思う」。本作で印象に残っている部分を尋ねると、平間が最初に挙げたのは音楽。劇中の楽曲について「ポップでキャッチーな音楽」と評する。一方で「『The Last 5 Years』(2021)や『イン・ザ・ハイツ』(同)の経験がなかったら、多分逃げ出したくなったと思います。2つの作品を通じて、自分にとっての“限界”を乗り越えてきたからこそ、今回はそんなにビビらずにできる気がします」とも話していた。また、演出については「大きな舞台とは違って、キャストの人数も限られるので、みんなで1つのものを生み出す感じが楽しいだろうなと思います。観客のみなさんも一緒にラウンジに来た人たちのような感覚になってもらえたら」と見どころを語っていた。本作をどういう人に見て欲しいかを尋ねると、「最近すごく思うのは、自分と同世代の1990年代の人たちって、なんか中途半端な世代なんです」と切り出し、「自分たちより若い世代は、自分のやりたいことをやりたいように進めている。一方、自分たちの先輩方は、それまで培ってきたものや礼儀を重じている。僕らはその狭間にいる気がして、立ち位置を見失いがちな世代だと思う」と持論を展開。その上で「だからこそ、まず同世代に見てほしい。みなさんに何か動き出す勇気や力を感じてもらえる舞台になったらいいなと思います」取材・文:五月女菜穂■公演情報『The View Upstairs -君が見た、あの日-』東京公演は2022年2月1日(火)〜13日(日)。大阪公演は2月24日(木)〜27日(日)、森ノ宮ピロティホール(大阪市中央区)。チケット情報
2021年11月05日