バンダイのフィギュアシリーズ「聖闘士聖衣神話EX」より、2015年3月に発売される『聖闘士聖衣神話EX キャンサーデスマスク(冥衣)』の予約受付が、全国の家電量販店、ホビーショップ、オンラインショップなどでスタートしている。価格は8,100円(税込)。「聖闘士聖衣神話EX」は、『聖闘士星矢』シリーズのアクションフィギュアとして人気を博した「聖闘士聖衣神話」に新たな解釈や最新技術を投入し、聖衣(クロス)と素体の一体感を飛躍的に向上させたシリーズ。聖衣を着た状態でも高い可動範囲を実現させ、さまざまなポーズをパーツ換装なしで再現するとともに、オブジェ形態への組み替えも可能。『聖闘士星矢』アクションフィギュアの決定版として人気を博している。これまでに12人の黄金聖闘士(ゴールドセイント)がラインナップされ、「冥王ハーデス 十二宮編」にて黄金聖闘士たち冥闘士(スペクター)として復活した姿も続々と立体化されている。『聖闘士聖衣神話EX キャンサーデスマスク(冥衣)』は、冥衣(サープリス)に身をつつみ蘇りしデスマスクを立体化し、禍々しき冥衣は完全新規造形。必殺技「積尸気冥界波」の肩を上げるポーズも、EXならではの可動域で再現している。通常顔のほかに、新規の「歯ぎしり顔」に加え、「悪さを秘めた笑み」「叫び顔」と豊富な表情パーツが付属。手首パーツも複数同梱され、冥衣となった蟹座の聖衣でさまざまなシーンが再現できる。もちろん冥衣は、オブジェ形態に組み換えが可能となる。セット内容は本体に加え、冥衣一式、オブジェ用フレーム、交換用表情パーツ3種、交換用左手首4種、交換用右手首5種。なお、バンダイの公式サイトでは聖闘士星矢スペシャルページも展開中で、「聖闘士聖衣神話EX」や「聖闘士聖衣神話」、「聖闘士聖衣伝説」などさまざまなシリーズの情報が配信されている。(C)車田正美/集英社・東映アニメーション
2014年11月11日日本橋三越本店で10月15日から、織物の美の象徴である絹にスポットを当てた「純国産『宝絹』展」が開催される。期間は21日まで。近年、国産の繭・生糸の生産量が極めて少なくなり、このままでは消滅が危惧されているという。同展では「蚕が生み出す、唯一無二の風合いを次世代へ」という思いを込め、日本が誇る絹を消失させないために、養蚕や純国産の絹で作られた質の高い品々や、繊細な生産工程などから魅力を紹介する。メイン会場となる本館1階中央ホールに展示されるのは、三越伊勢丹オリジナルブランド「三煌(さんこう)」。同ブランドは、良質な絹に着目して、細く強いしなやかな品質を追求し、長野の養蚕家や群馬の製糸場のほか、染色、製織、販売に至るまでそれぞれの専門家とともに開発した。同展では希少な反物から小物類まで、幅広い製品を展示する。その他にも、三煌に使用される繭を始めとする様々な蚕品種や生きた蚕の展示、6月21日に世界文化遺産登録された「富岡製糸場と絹産業遺産群」に関する模型や各種パネルによる展示、「純国産『宝絹』~奇跡の糸ができるまで」と題された、絹作りを支える職人にクローズアップし、蚕が純国産絹製品になるまでをドキュメントタッチで追った映像上映なども行われる。また、会期中は同店本館1階中央ホール・4階呉服売場にて毎日イベントも開催される予定。実演型ワークショップとして、財団法人蚕糸科学研究所による、日本の製糸のルーツと言える“座繰り”の実演を行う。参加型ワークショップには、東京・人形町の和装小物を製造販売する「龍工房」の福田隆を招き、絹糸を組んで作られる“組紐”の技術を使ったブレスレット作り体験を開催。参加型ワークショップは1日3回開催され、時間は11時、13時、15時から。各回約30分で定員は6名。応募予約は10月8日10時より電話にて受け付ける。【イベント情報】純国産「宝絹」展場所:日本橋三越本店 本館1階 中央ホール、4階呉服売場住所:東京都中央区日本橋室町1-4-1会期:2014年10月15日から10月21日時間:10:00から19:00入場無料
2014年10月01日■三煌の繭は糸が細い、だからゆっくりと巻きとる三煌の繭を質の高い生糸にするために製糸にもとことんこだわっている。生糸作りを担うのは、群馬県・安中市にある碓氷製糸農業協同組合だ。現在、国内では2社しかない機械繰糸製糸場の1社であり、昔から国内外の有名デザイナーや様々な工房からの依頼が絶えない技術力に定評のある製糸工場だ。組合長の高村育也氏は「通常の繭は、繭糸の太さが3デニールぐらいですが、三煌の繭は約2.3デニールとかなり細い。細い糸は、光沢が出るし染まりやすく発色もいい。だけど細いということは、通常の糸よりも切れやすいということ。だから繰糸速度を通常の7割以下に設定して、ゆっくりと巻きとるようにしています」と話す。■三煌を始め、難易度の高い糸作りを手掛け続けるもちろん糸を巻きとるスピードが速いほうが、生糸を早く仕上げることが出来る。しかし生産効率よりも品質。「回転数を落とすことで糸の繊度、汚れ、節がないかの見落としがなくなる。相当な時間と手間をかけて糸を作っているからこそ、製品になった時に大きな差が出るのは当然なんですよ」と高村氏。機械への工夫はもちろんだが、工場には糸作り20年や30年といった熟練工員ばかり。だから三煌のような難易度の高い糸作りを安心して任せることが出来るのだ。高村氏は、「工場のスタッフはね、みんな家族みたいなものです。蚕糸業自体は最盛期の1割になってしまったけれども、要望がある限りは続けていく。そして三煌を始め、常に難易度の高い国産の生糸作りに挑戦していきたい」と笑う。■優雅な光沢、しなやかな質感、美しい発色、それが純国産絹の魅力10年の歳月をかけた蚕の品種改良からはじまり、専門の飼育会社と養蚕農家で繭になるまで大切に飼育されて、そして特別仕様の機械と熟練工員がつきっきりで製糸する。時間と人の手を掛けて、ゆっくりゆっくりと作られる三煌。そんな糸を使って丹後・五泉で織られる着物は、上品で優雅な光沢、しなやかな質感、美しい染め上がりが特徴だ。生産に関わる人の想いが込められた着物は、多くの着物愛好家から注目されている。日本の絹文化を次世代につなぐために、着る人はもちろん作り手にも煌めきを与える三煌であるために、国内産絹市場の再興を目指して糸づくりの試行錯誤は続いていく。今日も明日も。日本橋三越本店で開催される『純国産宝絹展』(10月15日~10月21日)では、着物、帯、ネクタイ、ショール、傘など純国産の絹で作られた逸品が勢揃い。日本の宝ともいうべき純国産絹の魅力をご覧あれ。前編に戻る。
2014年09月30日織物の美の象徴として日本が誇る絹。繭が生み出す唯一無二の風合いを持つ絹には、どれほど幾多の生産者の想いが紡がれているのだろうか?養蚕から製糸、製織まですべて国産にこだわったある絹ブランド「三煌」の誕生秘話とともに迫る。■太古の昔から受け継いだ蚕糸技術、最盛期には輸出の7割が生糸明治時代から昭和40年代にかけて、生糸(繭を繰糸した状態の絹糸)が日本を代表する輸出品のひとつだったことはご存じだろうか?日本への養蚕技術が伝来したのは、およそ紀元前200年。稲作とともに中国から伝わったとされている。養蚕、繰糸(そうし*糸をつむぐこと)や撚糸(ねんし*糸によりをかけること)などの蚕糸技術を独自に発展させて、時を超えて受け継ぎ向上させてきた。そして明治時代には、国策として生糸を大量生産し輸出することで莫大な外貨を稼ぎだした。生糸は、日本を近代化へと推し進める糧であり、最盛期には輸出品の7割を占めた時期もあるほど、諸外国における日本製生糸の評価は高いものだった。しかし昭和40年代、ナイロンを始めとする化学繊維の誕生により、日本の蚕糸業(養蚕・製糸)は衰退の一途をたどる。養蚕農家や製糸工場とともに、その生糸生産量も急激に減少していった……。■日本の絹を次代へつなぎ、世界に誇る絹織物を作る三煌物語現在、国内産の絹のシェアは、日本で消費される絹量の1%にも満たない。そんな中、養蚕から製糸、製織まですべて国産にこだわった絹作りを、という思いで生まれた国産絹ブランドが「三煌(さんこう)」だ。平成17年、「日本の絹を次代へつなぎ、世界に誇れる絹織物を作る」ために、三煌プロジェクトがはじまった。品のある光沢を持ちしなやかな質感の絹作りを目指し、蚕業技術研究所の研究者の協力を得て、蚕の品種改良を繰り返す日々。日本産の蚕種を交配させて、細くしなやかな糸を作る三煌の蚕を誕生させるまでには、20年を越える長い歳月が必要だったそうだ。■品種改良した蚕種は飼育会社、契約農家で大切に飼育蚕は、脱皮を繰り返して大きくなり、4度目の脱皮後に繭作りを始める。最初の脱皮を行うまでの期間を1齢といい、5齢になり繭づくりをする。蚕は暑さ寒さ、また病気に弱い繊細な生き物であり、飼育にはとても手間がかかる。また3齢(3回目の脱皮)までは、特に感染予防や温度調節に気を使う必要がある。三煌の蚕は、3齢までの飼育管理は専門の高原社という会社で行っている。その後、水や土壌がよく、良質な桑がとれる長野県・伊那市の養蚕農家に手にゆだねると言う。愛情をもって大切に飼育された三煌の蚕から質の高い繭玉がつくりあげられていくのだ。後編に続く。
2014年09月30日「富岡製糸場」を含む「富岡製糸場と絹産業遺産群」が世界遺産に登録されたことを記念し、このほど東京・銀座にある群馬県のアンテナショップ『ぐんまちゃん家』にて特別イベントが開催された。○限定100部の貴重な絹新聞を配布!同イベントでは、「富岡製糸場と絹産業遺産群」の世界遺産登録を記念し、群馬県に本社を置く上毛新聞社が発行した、本物の絹で作られた「絹新聞特別号」(限定100枚)を賞品としたクイズ大会が行われた。クイズ大会では、配布された資料に答えが書かれてあるような簡単な問題から、「富岡市にあるゴルフ場の数」といった難問も出され、参加者たちを大いに悩ませた。ぐんまちゃんもクイズ大会に参加したが、まさかの1問目不正解。どうやらクイズは苦手のようだった(笑)。○次のチャレンジは織るだけで新聞になる絹織物?「絹新聞特別号」を発行した上毛新聞社の齋藤紀雄さんに話を聞いた。――今回、なぜ絹製の新聞を発行しようと思ったのでしょうか?上毛新聞社では、今回の世界遺産登録にあたり7月に記念号の発行を予定しています。それに合わせて何か面白いことができないかと考えていました。そのなかで、技術的に絹で新聞を作ることが可能と分かり、絹製の新聞の号外を発行いたしました。――「富岡製糸場」ですから、やはり絹なんですね。そうです。使用されている絹は100%国産で、ほぼ群馬県産のものですよ。――これほどハイクオリティの絹新聞特別号を作るにあたり、どんな点で苦労しましたか?やはり印刷ですね。紙と違い表面がデコボコしているので、印刷するのはかなり難度の高いものでした。――今回は、絹への印刷という難しいことにチャレンジされたわけですが、今後はどのようなことを企画されていますか?次は絹に印刷するのではなく「新聞を織る」ということにチャレンジしたいと考えています。――なるほど!じゅうたんのように色付きの絹を織り込んで、新聞の文字や写真を浮き上がらせるのですね!そうなります。技術的に難しいので少し時間はかかりそうですが、秋口くらいにはお見せできるようにしたいと思います。――楽しみにしています!日本の製糸技術の向上に大きく貢献した富岡製糸場。今回の「富岡製糸場と絹産業遺産群」の世界遺産登録によって、さらに多くの人に注目されることだろう。この夏は、ぜひ世界遺産見学に出掛けてみてはいかがだろうか?(貫井康徳@dcp)
2014年06月23日ファイブワン・ファクトリーはこのほど、拝絹と側章の着脱が可能な「タキシード&エンゲージメントスーツ」を、同社直営店舗にて販売開始した。同商品は、結婚式後に購入店舗にて拝絹を取り外すメンテナンスを含んだタキシードで、拝絹と側章を外した後はスーツとして着ることができる。イタリアのスーツ型紙をもとに、日本人の体形に合わせ、スーツのラペルにシルク素材の拝絹をハンドメイドで縫い付けたもの。価格は上下で13万9,000円(税別)。取扱店舗は、ファイブワン銀座本店、ファイブワンファクトリーショップ銀座店、ファイブワン富山の3店舗。「ファイブワン店舗公式サイト」でも詳細を確認できる。なお、納期は60日となる。
2014年06月06日プロの料理レシピサイト「E・レシピ」がご紹介する『今日の献立』は、旬の食材を使ったバランスのよい献立メニュー。今夜の夕食にオススメの献立を毎日ご紹介!今日の献立は「鶏肉の細切り衣揚げ」を含めた全4品。メインの衣揚げは春巻きの皮でサクサク楽しい食感に。みそ汁には練りゴマを加えていつもと違う味わいを。 鶏肉の細切り衣揚げ 鶏ささ身を使った弾力のあるヘルシーな衣揚げ。春巻きの皮のパリッとした食感ととてもよく合います! ふんわり卵炒め ご飯にのせて丼にして食べてもおいしく召し上がれます。 ジャコおろし甘酢 定番のジャコおろしにユズ汁を加えてユズの香り引き立つ一品に。 くずし豆腐のゴマみそ汁 豆腐に味がしみこんだほんのりゴマの風味が感じられるみそ汁です。 ⇒今日の献立一覧はこちら
2013年12月03日コロッケは子供も大人も大好きなメニューのひとつ。でも、つくる立場で考えると衣を付けたり油で揚げたりと何かと面倒……。そこで今回は衣いらず、しかも揚げないコロッケを紹介する。お手軽さの秘密は”油揚げ”にあった!マイティ節約料理研究家・日本ソムリエ協会認定ソムリエ東京都在住。都内の人気料理店で店長を務めたのちに結婚。2004年に趣味の節約を生かして、節約料理のブログを開設。「節約は明るく楽しみながら」をモットーに、愛する家族のため、節約しつつも安くてリッチな献立作りに励む。料理以外にも公共料金の節約術、ハンドメイドなどを公開したブログ『1ヶ月2万円の節約レシピ』が人気を集めている。節約をテーマとした雑誌やテレビ出演も多数。材料(2人分)ジャガイモ 大2個 / 豚挽肉 100g / 玉ネギ 1/2個 / 油揚げ 3枚 / サラダ油 大さじ1A(塩、こしょう 各少量 / 醤油 大さじ1 / 砂糖 大さじ1 / 味醂 小さじ1)付け合せ用(レタス・プチトマト・セルフィーユ 適量)つくり方ジャガイモは皮をむき、乱切りにして塩茹でする。やわらかくなったら湯を捨てて粉ふきにし、マッシャーで潰しておくフライパンにサラダ油大さじ1/2を入れて火にかけ、豚挽肉を炒める。肉の色が変わったらみじん切りにした玉ネギを入れて炒め、しんなりしたらAの調味料を加えてタレを煮詰める。1と2を混ぜ合わせる。油揚げは半分に切って裏返し、3をスプーンなどですくって中に詰めたら口を閉じて丸く成形する。フライパンにサラダ油大さじ1/2を引いて4を並べ入れて、転がしながら焼く。焼き色がついたらレタスを敷いた皿に盛り付け、プチトマトとセルフィーユを飾る。「コロッケ種を油揚げに詰めることで、衣をつける手間が省け、また油で揚げずにフライパンで焼くのでお手軽です。油揚げを転がしながら焼くので、皮がサクサクして食感もいいですよ。すき焼き風の味付けにしているのでそのまま食べてもおいしいですが、お好みでソースや醤油をつけても」(マイティさん)。注1 食材代は東京都内にあるスーパーの底値を基準に計算しています。注2 米や基本的な調味料は材料代に入れていません。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年05月09日フィンランドで撮影された『かもめ食堂』(’06)に続く海外となる、オールカナダロケで作られた荻上直子監督の最新作『トイレット』は、主演のもたいまさこ以外全てカナダ人キャストで、クルーの多くもカナダ人。映画の中でもばーちゃん(もたいさん)と突然生活を共にすることになった3兄妹の姿が描かれているけれど、実際の撮影風景はどんな様子だったのでしょうか。長男・モーリーを演じたデイヴィッド・レンドルと、荻上直子監督に語っていただきました。デイヴィッドの第一印象は?「ヘンな人」!―デイヴィッドさんが生まれ育ったトロントの街で日本の映画が撮影され、その映画に出演するという経験はいかがでしたか?デイヴィッド「本当に不思議な体験だったけれど、すごく楽しくて、エキサイティングで…でも、やっぱり不思議な体験だったとしか言い表せないなあ(笑)」。―お互いの第一印象はいかがでしたか?デイヴィッド「ナオコは作りたいものがとても明確で、こういうふうにはっきりとしたビジョンを持った監督と仕事してみたいなあと思った。だけど初対面のオーディションはあっという間に終わってしまって、決め手になるような印象を与えることはできなかったんじゃないかなって思っていたんだ」。荻上「まず、『ヘンな人!』と思いましたね(笑)。すごくヘンなメガネをかけていて、『顔が見たいからメガネを外してください』とお願いしたんです。そうしたら『ヤダ』って言われて。それで、いじわるな俳優だったらどうしようと不安になったんです(笑)。そのことは話したよね?」デイヴィッド「うん。言い訳をさせてもらうと、僕はすごく目が悪くって何も見えない状態で演技したくなかったから…でも確かに、メガネを外したくないって気持ちもあったかもしれないな(笑)。そうしたら、いじわるな人に見えても仕方なかったよね」。―日本の撮影方法とカナダの撮影方法の違いはありましたか?デイヴィッド「自分が置かれている状況によって違いの感じ方は違うと思う。僕の体験で言うと、スタイリストのホリコシ(堀越絹衣)さんは真のプロフェッショナルだった。ホリコシさんは映画やキャラクターをよく理解して考え抜いた上で衣裳を選んでくれて、いままでここまでプロフェッショナルな仕事をするスタイリストには出会ったことがなかったよ。そしてイイジマ(飯島奈美)さんはすごいシェフだった!彼女の作るギョーザは本当においしくって、『ワオ!』としか言いようがなかった」。荻上「仕事自体に関して言うと、日本もフィンランドもカナダもやっていることは変わらなかったです。ただ、カナダにはユニオン(組合)があって1日12時間しか撮影できない決まりがあったので、毎晩制限時間に近づくとどんどん焦って『とにかく撮り終えましょう!』ということになったのが大変でしたね。毎日毎日追い立てられていた気がします」。初めてのカナダロケ「英語でも自分のカラー出せた」デイヴィッド「撮影現場でのナオコは…いじわるだった(笑)。みんなをいじめていた。というのは冗談で、ナオコはとても緻密で、小さいディテールにもきっちりこだわりが感じられる監督だったよ。それと同時に、引いた画面で遠くから見ているような視点も感じる。細部にこだわりつつ引いたカメラで撮影するというやり方をする監督にはいままで出会ったことがなかった」。荻上「そうなんだ〜」。デイヴィッド「ヨーロッパや海外の映画に見られるようなアプローチだったので、やっていてすごくおもしろかった。そして、リハーサルでのナオコはすごくオープンで、僕らの意見を聞いて取り入れてくれるのが嬉しかったな」。荻上「撮影終了時間には追い立てられていたけれど、気持ち的には落ち着いてやることができました。いままではベテランのスタッフと仕事して助けてもらうことも多かったんですが、この作品では私が一番年長で経験を積んできているので、若いスタッフの先頭に立って引っ張って行かなくちゃいけない感じがありました。ああ、年とったんだなって感じました(笑)。カナダで初めて撮って、英語という言語で撮っても自分のカラーみたいなものを通せたような気がして、そこに関しては満足しています」。―できあがった作品を観た感想はいかがでしたか?デイヴィッド「俳優はもらった脚本を基に、頭の中でどんな映画になるか想像して撮影に臨む。そしてできあがった映画を観ると、脚本を最初に読んだときの印象なんかが呼び起こされたりするものなんだ。僕が最初に脚本を読んだときに笑ったシーン、感動したシーンが全て作品の中に発見することができたね。それと同時に、被写体から距離を置き、ゆったりとしたカメラワークのせいなのか、まるで絵画を見ているような印象を受けました。そこは脚本からは想像できなかった部分だったな」。荻上「なるほど。ある一定の距離を保ってコミュニケーションを取るというのは、外国人との関係に限らず、私の中にあるものなのかもしれないですね」。(photo:Yoshio Kumagai/text:Itsuko Hirai)シネマカフェSweet「映画監督という仕事『トイレット』特集」■関連作品:トイレット 2010年8月28日より新宿ピカデリー、銀座テアトルシネマ、シネクイントほか全国にて公開© 2010“トイレット”フィルムパートナーズ■関連記事:『めがね』荻上直子監督新作『トイレット』オリジナルグッズセットを5名様プレゼント荻上直子監督オーディション抜擢の“ヘンな子俳優”初披露『かもめ食堂』荻上直子最新作『トイレット』特報が到着“ばーちゃん”って何者?『かもめ食堂』の荻上直子新作『トイレット』公開決定“ミューズ”もたいまさこ健在
2010年08月02日『かもめ食堂』、『めがね』など、その独特の世界観が支持を集める荻上直子監督の最新作『トイレット』の公開がこのほど発表された。海外で自分のオリジナル脚本で作品を作りたいという荻上監督の熱意のもと、昨年9月からカナダのトロントで撮影され、仕上げに至るまで全て、トロントで行われた本作。「人生は退屈の繰り返しに耐え忍ぶことだと思う」と信じて生きてきたプラモデルオタクの青年に、引きこもりピアニストの兄、そしてエアギターで自らのスピリットを表現しようとする大学生の妹という、それぞれバラバラでマイペースに生きている3兄妹が、母親の死をきっかけに、生前母親が日本から呼んだ“謎のばーちゃん”と交流し、少しずつ心の扉を開いていく姿が描き出される。荻上監督は「1994年から6年間、ロサンゼルスに滞在し、映画製作を勉強していました。映画の面白さを教えてくれ、映画を作りたくて作りたくてしょうがない気持ちにさせてくれたのは、ハリウッド映画ではなく、おかしくて上質な当時のアメリカン・インディペンデント映画でした。『ウエルカム・ドールハウス』、『ゴースト・ワールド』、『アメリカン・スプレンダー』など、多くの作品に刺激を受けました。それらは私の原点であり、いつか必ず北米で映画を作りたいとずっと願っていました。構想から約5年、昨年9月からトロントで撮影をした『トイレット』は、私がどうしてもどうしても作りたかった映画です」とのコメントを寄せ、本作に懸けた熱い思い入れを明かしてくれた。気になるキャストだが、物語のカギを握る人物であり、トイレから出ると必ずため息をつくという“謎のばーちゃん”を演じるのは、過去の全ての荻上作品に出演している監督の“ミューズ”もたいまさこ。個性豊かな3兄妹には、トロントでのオーディションにより若手俳優アレックス・ハウス、デイヴィッド・レンドル、タチアナ・マズラニーが選ばれた。さらに、『西の魔女が死んだ』のサチ・パーカーも監督の熱いオファーを受け、これまた“謎の”女性として出演している。スタッフは日本側から『かもめ食堂』、『めがね』に引き続き、フードスタイリストとして活躍する飯島奈美、衣裳の堀越絹衣が参加しているほか、現地カナダの若手スタッフを登用している。ちなみに、スチール撮影には『イースタン・プロミス』のデイビッド・クローネンバーグ監督の娘、ケイトリン・クローネンバーグが参加している。謎のばーちゃんが家族の絆を教えてくれる!『トイレット』は今夏、新宿ピカデリー、銀座テアトルシネマ、シネクイントほか全国にて公開。■関連作品:トイレット 2010年夏、新宿ピカデリー、銀座テアトルシネマ、シネクイントほか全国にて公開© “トイレット”フィルムパートナーズ
2010年02月18日