第94回アカデミー賞にて脚本賞と国際長編映画賞にノミネートされたノルウェー発の異色作『わたしは最悪。』から、昨年のカンヌ国際映画祭で女優賞を受賞した主演レナーテ・レインスヴェの魅力にフォーカスした場面写真が解禁となった。学生時代は成績優秀で、アート系の才能や文才もあるのに「これしかない!」という決定的な道が見つからず、いまだ人生の脇役のような気分のユリヤ(レナーテ・レインスヴェ)。そんな彼女にグラフィックノベル作家として成功した年上の恋人アクセルは、妻や母といったポジションをすすめてくる。ある夜、招待されていないパーティに紛れ込んだユリヤは、若くて魅力的なアイヴィンに出会う。新たな恋の勢いに乗って、ユリヤは今度こそ自分の人生の主役の座をつかもうとするのだが…。今回解禁されるのは、レナーテ演じるユリヤが愛する彼の家で一緒に本棚を整理する姿をはじめ、誰もが経験のある恋の始まりの時間や、その一方で魅力的なほかの男性に心が揺れてしまう瞬間を切り取ったもの。フランスの名優イザベル・ユペールは、舞台を見るためにオスロを訪れ、本作のヨアキム・トリアー監督と食事をした際「昨日の舞台に素晴らしい若い女性がいた!」と興奮気味に明かしたそうだが、それに対して監督は「知ってる。今、彼女の映画のために脚本を書いてるからね!」と偶然起こった逸話を披露したという。続けて「この映画を作る動機のひとつがレナーテだった」「レナーテは明るさと深みのバランスが独特なんだ。コメディでもドラマでも演じられる素晴らしい才能を持っている」と監督は絶賛を贈る。今回解禁されるカットは、そんな彼女の魅力にフォーカスしたものとなっている。『わたしは最悪。』は7月1日(金)よりBunkamura ル・シネマ、ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿シネマカリテほか全国にて順次公開。(text:cinemacafe.net)
2022年05月16日「オードリー・ヘプバーン映画祭 2022」が、2022年6月10日(金)から12日(日)まで東京・二子玉川ライズにて開催される。オードリー・ヘプバーンの人気映画を特集上映「オードリー・ヘプバーン映画祭」は、“銀幕の妖精”オードリー・ヘプバーンの人気作を上映する映画上映イベント。2019年の初開催に続き、待望の2回目となる。109シネマズ二子玉川にて行われる上映会では、『ローマの休日』、『おしゃれ泥棒』、『シャレード』、『マイ・フェア・レディ』、『パリの恋人』といった5作品を特集上映。長きにわたって愛され続けてきたオードリー・ヘプバーンの代表作の数々を、大スクリーンで楽しめる。写真のパネル展示また、上映会に加え、iTSCOM STUDIO&HALL二子玉川ライズではオードリー・ヘプバーンのパネル展を実施。映画祭にて上映される作品を中心に、オードリー・へプバーンの出演作の数々を写真展示を通じて紹介する。コラボメニュー&ティーサロンイベントもさらに、二子玉川エクセルホテル東急では、「オードリー・ヘプバーン映画祭2022」開催を記念して、6月1日(土)から6月30日(日)までコラボレーションメニューを用意。オードリー・ヘプバーンが好んだと言われる「スパゲッティ アル・ポモドーロ」にアレンジを加えて提供する。加えて、6月12日(日)にはティーサロン企画「オードリー・アフタヌーン」を事前予約制で実施。「オードリー・ヘプバーン映画祭」のナビゲーターを務める映画評論家・清藤秀人のトークイベントとともに、オードリー出演作品にちなんだ特製スイーツを楽しめる。【詳細】BS10スターチャンネル presents オードリー・ヘプバーン映画祭 2022開催期間:2022年6月10日(金)~12日(日)※チケット詳細は公式ホームページに記載。会場:109シネマズ二子玉川、iTSCOM STUDIO&HALL二子玉川ライズ、二子玉川エクセルホテル東急住所:東京都世田谷区玉川1-14-1■特別上映場所:109シネマズ二子玉川料金:各回1,500円(料金一律/全席指定) ※特製ポストカード付『ローマの休日』6月10日(金) 17:00~/6月11日(土) 13:40~/6月12日(日) 12:20~『おしゃれ泥棒』6月11日(土) 11:10~/6月12日(日) 17:05~『マイ・フェア・レディ』6月11日(土) 16:05~/6月12日(日) 9:00~『パリの恋人』6月10日(金) 21:45~/6月11日(土) 9:00~『シャレード』6月10日(金) 19:25~/6月12日(日) 14:45~■パネル展&イベント開催期間:6月10日(金)~12日(日) 10:00~19:00 ※10日は15:30~場所:iTSCOM STUDIO&HALL二子玉川ライズ※入場無料■特別コラボレーションメニュー「スパゲッティ・アル・ポモドーロ」日程:6月1日(土)~6月30日(日)会場:二子玉川エクセルホテル東急 「The 30 th Dining Bar」TEL:03-3707-7200時間:ランチタイム11:30~14:00(L.O.14:00)/ティー&ディナータイム 14:00~21:00(L.O.20:00)料金:ランチタイム セット 2,500円/アラカルト 1,900円 ※サービス料込■ティーサロン企画「オードリー・アフタヌーン」開催日時:2022年6月12日(日) 15:00~16:00 ※要事前申し込み場所:二子玉川エクセルホテル東急 30階 大宴会場「たまがわ」内容:ナビゲーター清藤 秀人によるトークイベント、「オードリー・ヘプバーン~名声に隠された本当の姿」オリジナルスイーツ&コーヒー料金:1人 5,000円 ※サービス料込予約方法:2022年5月16日(月)10:00~電話予約(二子玉川エクセルホテル東急 TEL:03-3707-7200) ※定員に達し次第、受付終了【問い合わせ先】スターチャンネルカスタマーセンターTEL:0570-013-111(受付時間10:00~18:00 年中無休)
2022年05月16日「賢い医師生活」のユ・ヨンソクと世界で活躍するオルガ・キュリレンコが共演した、韓仏合同製作映画『バニシング:未解決事件』。日本公開を控え、挑戦に満ちた新たな刑事像を体現したユ・ヨンソクのインタビュー&メッセージ映像が到着した。ユ・ヨンソクがソウルの刑事ジノを、オルガ・キュリレンコがフランス出身の世界的な法医学者アリスを演じる本作。パク・チャヌク監督の『オールド・ボーイ』でのスクリーンデビュー以降、ドラマや舞台でも主要キャストを演じ、活躍のフィールドを広げ続けてきたユ・ヨンソク。映像では、初のグローバルプロジェクトとなる本作の見どころや、演じるジノや本作ならではの新たな挑戦について語っている。まず、参加のきっかけについては「ドゥニ・デルクール監督、オルガ・キュリレンコ出演の映画だと聞き、面白いプロジェクトだと思いました。当時はコロナの状況が良くありませんでしたが、海外スタッフで韓国での撮影を行うという点にも興味を魅かれました」と語る。演じる刑事ジノについては、「韓国映画での刑事と言えばワイルドなイメージですが、監督はよりスマートな刑事像を求めていました」と言う。「来韓したアリスと共同捜査を行うが、“アリスが関心を抱くような人物にしたい”という考えがあったそうで、外見も含め、従来のイメージとは違った刑事を作り上げました」とのこと。語学に精通し、若くして班を束ねるエリート刑事ジノの誕生エピソードを明かした。この映画ならではのチャレンジについては「韓国語、英語、フランス語、3か国語での演技と、ジノの趣味であるマジックです」とユ・ヨンソク。アリスとは主に英語で、ときには覚えたてのフランス語を介してコミュニケーションをするジノ。「外国語での演技はプレッシャーがあり、たくさん練習しました」と明かす。また、姪のユナを喜ばせるために勉強中の趣味、マジックについては「あまり経験がなかったので、マジシャンの方に習いながら準備しました」と語ってくれた。また、今回が初の来韓になるアリスを演じるオルガについては「以前から好きな俳優でした」と明かし、「韓国のスタッフや我々俳優ともコミュニケーションを取り、韓国料理もおいしそうに食べていたので驚きました。”これがグローバルな俳優なんだ”と感じました」と賛辞を惜しまない。撮影中はミュージカルに出演中だったユ・ヨンソクの舞台をオルガが観劇に訪れ、公演後に一緒にワインを飲んだというとっておきのエピソードも明かしてくれた。最後に日本の観客に向けて「韓国に来たことのある方は、どのように韓国が描かれているかも楽しめると思います。オルガ・キュリレンコ演じるアリスとジノのかけあいも、劇場でご確認ください。お体に気を付けて、映画を楽しんでください」と締めくくる。チャレンジに溢れた本作では、カリスマと抜け感が同居する新たな刑事像を生み出している。『バニシング:未解決事件』は5月13日(金)よりシネマート新宿、シネマート心斎橋ほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:バニシング:未解決事件 2022年5月13日よりシネマート新宿、シネマート心斎橋にて公開© 2021 The French Connection
2022年05月13日シンフォニック・ジャズはオーケストラが演奏するジャズ。ジャズ作曲家の挾間美帆がプロデュースする、映画とジャズをテーマにした「TOKYO JAZZ 2022 NEO-SYMPHONIC!CHINEMA JAZZ」が8月19日(金)東京芸術劇場コンサートホールで開催される。「TOKYO JAZZのお祭り感に合うテーマとして、新しい映画音楽を選びました」「新しい」というのがミソで、奇しくもこの1~2年、ジャズと映画を結ぶホットな話題が相次いでいるのだと語る。「スピルバーグ監督が『ウェスト・サイド・ストーリー』をリメイク。ディズニーの『ソウルフル・ワールド』のサウンド・トラックはジャズ・ピアニストのジョン・バティステです。そしてジャズ界隈では大騒ぎになったんですけど、スパイク・リー監督の映画音楽でも有名なジャズ・トランペッター、テレンス・ブランチャードのオペラがニューヨークのメトロポリタン歌劇場(MET)で上演されたのです」バティステは、先日発表された今年のグラミー賞で最優秀アルバム賞を受賞した注目アーティスト。ブランチャードのオペラ《Fire Shut Up in My Bones》は、METの歴史上初の黒人作曲家の作品として話題を呼んだ。「映画にまつわるセンセーショナルなニュースがジャズから次々に出てきた。音楽がボーダーレスになってきた証拠。今知ってほしい音楽、今起こっていることをプレゼンテーションしたいと思います」自身もその波に乗る。本年度の日本アカデミー賞最優秀音楽賞の『竜とそばかすの姫』(監督:細田守/音楽監督:岩崎太整)は、シーンごとに異なる音楽家を起用する独特の方法で作られた。挾間もその一人。「音楽家それぞれがインスパイアされて、それぞれのシーンが出来上がる。すごくいいんです」さらに、もはや伝説の『新世紀エヴァンゲリオン』(音楽:鷺巣詩郎)。そのジャズ・アルバムのための編曲にも参加した。もともと、大河ドラマの音楽を書きたくて作曲を学んだ。「動くものに音楽をつけることには並々ならぬ愛があります」と言い切る。共演は今回も東京フィルハーモニー交響楽団(指揮:挾間美帆)。ヴォーカルの中村佳穂(*公演全編にわたっての出演ではありません)のほか、ジャズ界から、石若駿(ドラム)、江﨑文武(キーボード)、黒田卓也(トランペット)、須川崇志(ベース)も参加予定。ジャズとシネマが交差する、その最前線を楽しませてくれるはずだ。(宮本明)
2022年05月13日第75回カンヌ国際映画祭コンペティション部門に正式出品されている是枝裕和監督の最新作『ベイビー・ブローカー』。この度、ソン・ガンホとカン・ドンウォン、ペ・ドゥナ、イ・ジウン、イ・ジュヨンという豪華キャストと是枝監督のインタビュー&メイキングが収められた特別映像が解禁となった。是枝監督が本作で描くのは、“赤ちゃんポスト”を巡る人々の物語。インタビュー&メイキング入り特別映像では、監督が手掛けたオリジナル脚本をキャスト陣も絶賛を贈る。映像では、是枝監督が映画祭で顔を合わせていたソン・ガンホとカン・ドンウォン、そして『空気人形』で“また必ず一緒に”と誓っていたペ・ドゥナが、是枝監督から映画出演のオファーを受けたときのことをふり返る様子からはじまる。長い年月を重ねながら企画をあたためてきた是枝監督が韓国を舞台に描き出すのは、“赤ちゃんポスト”をきっかけに出会った、赤ん坊の母親のソヨン(イ・ジウン)、ベイビー・ブローカーのサンヒョン(ソン・ガンホ)、相棒のドンス(カン・ドンウォン)、そして彼らを現行犯逮捕しようと追いかける刑事のスジン(ペ・ドゥナ)と後輩のイ刑事(イ・ジュヨン)といった様々な事情を持った登場人物たちの物語。「一人の赤ちゃんを中心にして、血縁ではつながっていない人々が旅を通して家族を形成するという話です」と是枝監督が説明する本作の脚本を読んだペ・ドゥナは、「是枝監督らしいシナリオだと思いました」を笑顔で語り、イ・ジウン(IU)は「監督の想像がどう現実になるか、私がそこにいたらどんな姿に見えるかなと…」と目を輝かせる。カン・ドンウォンは「家族の物語をブローカーを通して語るのは新しい視点で面白かったです」、さらにソン・ガンホは「人間についての物語。人間が持っている尊い感情を表現した映画」と、是枝監督が独自の眼差しで登場人物の感情を紡ぐストーリーに感銘を受けたよう。先日韓国で開催されたイベントでも、“韓国映画界の宝物のような役者さんたち”と評したように、キャスト陣に絶大な信頼を置いている是枝監督は、本映像でも「役者を楽しめる映画だと思いますのでそこを堪能してください」と太鼓判。最後はカン・ドンウォンの「心を込めて撮影しました」、イ・ジウンの「皆さんにこの想いが届くと嬉しいです」、ソン・ガンホの「深い井戸の水のように澄んで美しい作品の世界に出会えると思います。ぜひ観てください」といった想いがつまったメッセージとともに締めくくられている。映像にはメイキングもあり、キャスト陣が真剣な眼差しでモニターを見つめる様子や、監督とコミュニケーションを取りながら撮影に挑む姿を確認することができる。『ベイビー・ブローカー』は6月24日(金)よりTOHOシネマズ 日比谷ほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:ベイビー・ブローカー 2022年6月よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国にて公開ⓒ 2022 ZIP CINEMA & CJ ENM Co., Ltd., ALL RIGHTS RESERVED
2022年05月13日「新宿東口映画祭2022」が、東京・武蔵野館/シネマカリテにて、2022年5月27日(金)から6月9日(木)まで開催される。“映画の街”で「新宿東口映画祭2022」“映画の街”新宿で、1990年代のヒット作から2010年代の映画作品、さらにTVアニメも大型スクリーンで楽しめる「新宿東口映画祭2022」が行われる。期間中は、邦画・洋画問わず選りすぐりの作品がセレクトされ、武蔵野館・シネマカリテにて特別上映。中には、35mmフィルム上映で、デジタル上映とは一味違った映像美が楽しめる作品も用意する。ラインナップは、ティモシー・シャラメ主演、第90回アカデミー賞脚色賞を受賞した映画『君の名前で僕を呼んで』や、ソフィア・コッポラ監督の長編監督デビュー作『ヴァージン・スーサイズ』、80年代のアイルランドを舞台に若者の青春物語を描いた映画『シング・ストリート 未来へのうた』、朝井リョウ原作の映画『桐島、部活やめるってよ』など。また、1990年代に公開された『学校の怪談2』、窪塚洋介出演の『GO』『ピンポン』など、懐かしい邦画作品も揃っている。アニメーション作品からは『若おかみは小学生』、台湾発『幸福路のチー』をピックアップ。「サイボットロボッチ」「一ツ星家のウルトラ婆さん」などの特別上映されるTVアニメにも注目だ。【詳細】新宿東口映画祭2022開催期間:2022年5月27日(金)~6月9日(木)会場:・武蔵野館住所:東京都新宿区新宿3-27-10 武蔵野ビル3F・シネマカリテ住所:東京都新宿区新宿3-37-12 新宿NOWAビルB1F上映作品・スケジュールは、公式HP:を確認。
2022年05月12日本年度のアカデミー賞で作品賞、監督賞、脚本賞にノミネートされた、ポール・トーマス・アンダーソン監督最新作『リコリス・ピザ』より、90秒予告とメインビジュアルが解禁された。この度解禁となったのは、デヴィッド・ボウイ初期代表曲の美しいバラード「Life on Mars?」に乗せて鮮やかに描き出された予告編。アラナ・ハイム演じるアラナとクーパー・ホフマン演じるゲイリーが、1970年代のハリウッド近郊、サンフェルナンド・バレーで偶然出会い、すれ違い、歩み寄っていく恋模様をみずみずしく描き出している。ポール・トーマス・アンダーソン監督に「アラナの起用は本能的なもの。そして、クーパーの才能は信じられない(くらい素晴らしい)!」と言わしめた2人の姿に注目だ。また、バイクで爆走するショーン・ペン、バーに佇むトム・ウェイツ、そして、車の窓を割り雄叫びを上げるブラッドリー・クーパー、政治家を演じたベニー・サフディなど、何をしでかすのか分からない、脇を固める強烈なキャストからも目が離せない。併せて解禁されたメインビジュアルは、海外と同じイラストを使用した日本ローカライズ版。そのレトロで温かみのある色調のデザインは、50年代から70年代に流行したイラストポスターを彷彿とさせ、圧倒的な存在感を放つアラナと、胸の前に差し出した手のひらの上にちょこんと乗ったゲイリー、そして個性豊かな共演者が散りばめられている。本国では、そのデザイン性の高さとともに、70年代の懐かしさを呼び起こすデザインが評判を呼び、「2021年のベストフィルムとテレビのポスター25枚」(IndieWire)や「2021年のベストフィルムポスター」(Playlist)など、複数のベストポスターに選ばれ、大きな話題を呼んだ。『リコリス・ピザ』は7月1日(金)よりTOHOシネマズ シャンテほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:リコリス・ピザ 2022年7月1日よりTOHOシネマズシャンテほか全国にて公開© 2021 Metro-Goldwyn-Mayer Pictures Inc. All Rights Reserved.
2022年05月12日夢枕獏、谷口ジローによる同名漫画を原作としたフランスアニメーション『神々の山嶺(いただき)』が7月8日(金)より全国公開されることが決定し、特報とビジュアルが解禁された。本作は、「登山家マロリーはエベレスト初登頂に成功したのか?」という登山史上最大の謎に迫りながら、孤高のクライマー・羽生と、彼を追うカメラマン・深町が不可能とされる冬季エベレスト南西壁無酸素単独登頂に挑む姿を描く冒険ミステリー。大ヒットアニメーション映画『ウルフウォーカー』の製作チームが、実写では再現不可能な命がけの登攀シーンを限界までリアルを追求し、圧巻の映像で表現。全世界ではNetflixが配信権を獲得するも、日本では貴重なスクリーンでの公開がついに決定。今夏、待望の凱旋上映となる。原作の夢枕獏著の小説「神々の山嶺」(集英社文庫/角川文庫)は、1998年に第11回柴田錬三郎賞を受賞。同作を漫画化した谷口ジロー画「神々の山嶺」(集英社文庫)も、2001年に第5回文化庁メディア芸術祭マンガ部門・優秀賞を受賞しており、いずれも作者の代表作として、現在もなお愛され続ける伝説的作品である。小説は2016年に岡田准一主演、阿部寛共演で『エヴェレスト 神々の山嶺』として実写映画化もされた。2017年に逝去した漫画家、谷口ジローは「漫画界の小津安二郎」と称され、フランスでも絶大な人気を誇る。フランス文化省から芸術文化勲章シュヴァリエ章を授与されるほどリスペクトを受けている。フランスアニメ界からの熱烈なオファーにより、漫画「神々の山嶺」のアニメ映画化が決定し、生前、谷口氏も二度渡仏して製作に参加した。日本の傑作漫画をフランスでアニメーションにするビッグプロジェクトは、7年の月日をかけて完成。第74回カンヌ国際映画祭で正式上映されると、実写では描き得ない驚異のスケールを観客や批評家たちが絶賛、第47回セザール賞ではアニメーション映画賞受賞を果たした。フランスでは300を超える劇場で上映され、13万人超を動員する大ヒットを記録した。また本作は、原作国である日本でのみ、声優陣による吹替版が上映される。吹き替えを務めるのは、声優界きっての大御所の面々。ブラッド・ピットの吹き替えや「機動戦士ガンダム ZZ」、「ポケットモンスター」などのアニメで知られる堀内賢雄が主人公の1人、深町誠の声を担当。本作で圧倒的存在感を放つ孤高のクライマー羽生丈二の声を務めるのは、「攻殻機動隊」「ブラック・ジャック」などのアニメから、世界的人気ゲーム「メタルギアソリッド」シリーズのスネークなどで知られる大塚明夫。ほかにも、羽生の後輩・文太郎役に「鬼滅の刃」の逢坂良太、羽生の行方の手がかりを握る涼子役を「THE IDOLM@STER」で人気を博す今井麻美が務める。そしてこの度、公開情報と合わせてポスタービジュアルと特報も解禁。ビジュアルに映るのは急斜面の雪山に喰らいつく、主人公、深町と羽生の姿。口からは白い息、背景には雄大な白い山脈が臨み、そこがエベレストであることを物語る。「究極の冒険ミステリーが始まる」というコピーも高揚感たっぷりだ。特報映像は、「登山史上、最大のミステリー」という言葉とともに登山家マロリーがエベレストに挑む姿から始まる。マロリーがエベレスト初登頂を成し遂げたかもしれない、という未解決の謎、その答えが解明されれば歴史が変わることになる。カメラマン深町はネパールで何年も前に消えたとされる孤高のクライマー羽生が、マロリーのカメラを手に去っていく姿を目撃したことで、羽生を見つけ出し謎を突き止めることを決心、彼の行方を追う。特報の最後では、極限の雪山の世界を圧倒的なスケールで描いた映像美も垣間見ることができる。『神々の山嶺』は7月8日(金)より新宿ピカデリー、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:神々の山嶺 2022年7月8日より新宿ピカデリー、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国にて公開© Le Sommet des Dieux - 2021 / Julianne Films / Folivari / Mélusine Productions / France 3 Cinéma / Aura Cinéma
2022年05月12日カン・ハヌルとチョン・ウヒ共演の映画『雨とあなたの物語』のDVD発売を記念して、「椿の花咲く頃」や『ミッドナイト・ランナー』のカン・ハヌルからファンに向けたメッセージ動画が到着した。本作は、2021年春の公開後、韓国で興行収入初登場第1位を記録。明確な夢も目標もなく、退屈な浪人生活を続けていたヨンホ(カン・ハヌル)と母親と一緒に古書店を営むソヒ(チョン・ウヒ)が、1通の手紙から心を通わす姿を通じ、忘れることのできない青春の煌めきや切なさを丁寧に描いたラブストーリー。韓国で2019年に地上波放送され最高視聴率23.8%を記録した大ヒットドラマ「椿の花咲く頃」主演のカン・ハヌルと、本作で第40回黄金撮影賞・主演女優賞を受賞したチョン・ウヒの共演も話題に。この度、解禁となるメッセージ動画は、カン・ハヌルが日本のファンに向けて、「皆さん、こんにちは」と呼びかける様子からスタート。「1通の手紙をきっかけに僕が演じたヨンホとチョン・ウヒさんが演じたソヒの人生が変化していくそんな物語です」と作品の魅力を伝えるとともに、韓国で6月より放送開始される「インサイダー」への主演も控えるだけに「僕は皆さんにより良い作品をお届けします」と決意表明し、最後には「皆さん、バーイ」と日本語を交え挨拶する様子が収められている。『雨とあなたの物語』DVDは発売中。(text:cinemacafe.net)■関連作品:雨とあなたの物語 2021年12月17日よりシネマート新宿、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国にて公開ⓒ 2021 KIDARI ENT, INC., SONY PICTURES ENTERTAINMENT KOREA INC. (BRANCH), AZIT FILM CORP., AZIT PICTURES CORP. ALL RIGHTS RESERVED
2022年05月11日俳優・玉木宏が主演したドラマ『極主夫道』の映画版『極主夫道 ザ・シネマ』の公開(6月3日)を前に、27日の日本テレビ系『金曜ロードショー』枠でスペシャルドラマ『極主夫道 爆笑!カチコミSP』(後9:00~10:54)が放送されることが決まった。『極主夫道』は、累計550万部の同名コミック(著:おおのこうすけ/新潮社バンチコミックス刊)を、玉木が主演して2020年に読売テレビ・日本テレビ系でドラマ化。最凶の極道“不死身の龍”(玉木)が専業主婦になり、料理・洗濯・掃除など家事全般に命をかけながら、ご近所トラブルに奮闘する姿が人気となった。映画『極主夫道 ザ・シネマ』では、龍がシリーズ最大のピンチに直面する。映画公開前に放送されるスペシャルドラマ『極主夫道 爆笑!カチコミSP』は、ドラマの最終回から1年半後を舞台に、龍と周囲のキャラクターを新撮で描く。「龍の娘・向日葵(白鳥玉季)に彼氏が?」「龍の元舎弟・雅(志尊淳)が就職活動?」「龍が所属していた元天雀会の姉御・雲雀(稲森いずみ)の誕生日会でハプニング?」など6本立ての爆笑コメディーとなり、『極主夫道』の世界観をわかりやすく伝える。また、スペシャル映像「2分でわかる極主夫道」もきょう11日から公開。ドラマで反響のあったシーンや爆笑シーン、映画の本編映像を詰め込んだ、「最強の主夫篇」「個性豊かなキャラ篇」の2本立てで、ナレーションは声優・千葉繁が担当している。■『極主夫道 爆笑!カチコミSP』ドラマの最終回から約1年半後龍(玉木宏)と美久(川口春奈)は、中学生になった娘・向日葵(白鳥玉季)が彼氏(?)を連れてきて大混乱。江口会長(竹中直人)・雲雀(稲森いずみ)ら天雀会は、雅(志尊淳)の就職活動をめぐって大混乱。虎二郎(滝藤賢一)と大城山組長(橋本じゅん)は、お好み焼きVS広島焼のバトルが勃発。警官の酒井(古川雄大)と婦人会たちは防犯講習会の会場で大騒動。合計6本の新作コメディーとドラマの登場人物を爆笑エピソードを凝縮して紹介し、龍と美久の結婚するまでのなれそめや、雅との再会など『極主夫道』のキャラクターたちの魅力を伝える。
2022年05月11日玉木宏主演映画『極主夫道 ザ・シネマ』の公開を記念して、日本テレビ系金曜ロードショーにて「『極主夫道』爆笑!カチコミSP」の放送が決定。TVドラマの名場面と映画の見どころを詰め込んだ映像「2分でわかる極主夫道」も到着した。今回の“爆笑!カチコミSP”は、ドラマの最終回から1年半後を描いたドラマに、映画最新情報を加えた内容。龍(玉木さん)の娘・向日葵(白鳥玉季)に彼氏?雅(志尊淳)は就職活動?元天雀会の姉御・雲雀(稲森いずみ)の誕生日会でハプニング発生?虎二郎(滝藤賢一)と大城山組組長(橋本じゅん)とがお好み焼きバトル?など6本のほっこりする爆笑コメディを放送する。そして、スペシャル映像2本も公開。龍とロボット掃除機、雅との料理教室、ラップを歌う龍、龍の宿命のライバルにしてクレープ屋を営む元伝説の極道・虎二郎との喧嘩シーンなどが映し出される「最強の主夫篇」。熱心にSNS用の写真を撮る龍、叫ぶ美久、戦場からはじき出される雅、ヨガのポーズを巡り言い争いを繰り広げる虎二郎ら個性的すぎるキャラが登場する「個性豊かなキャラ篇」。TVドラマで大反響だったシーン、爆笑シーン、そして映画本編映像を詰め込んだ内容となっており、映画公開前の予習にピッタリだ。金曜ロードショー「『極主夫道』爆笑!カチコミSP」は5月27日(金)21時~日本テレビ系にて放送。『極主夫道 ザ・シネマ』は6月3日(金)より全国にて公開。(cinemacafe.net)■関連作品:極主夫道 ザ・シネマ 2022年6月3日より全国にて公開©2022 映画『極主夫道』製作委員会
2022年05月11日ソン・ガンホ、カン・ドンウォン、イ・ジウン(IU)、イ・ジュヨン、そしてリモート参加の是枝裕和監督が、韓国映画『ベイビー・ブローカー』の制作報告会に集結。是枝監督が現場へ送った手紙やキャスティングの秘話、貴重なエピソードも披露された。韓国・CGV 龍山アイパークモールで行われた本イベントには、豪華韓国キャスト陣とともに日本からのリモート出演で是枝監督も登場。作品の魅力をはじめ、撮影での思い出や、5月17日(火)より開催される第75回カンヌ国際映画祭にむけての意気込みなどを熱く語り合った。本作初のイベントということもあって、会場にはマスコミ陣が大勢集まり、監督やキャストに直接質問の出来るQ&Aも挙手の嵐。是枝監督が初めて韓国で映画を制作した最新作の注目度の高さが窺える大盛況のイベントとなった。ソン・ガンホ&イ・ジウン(IU)らカンヌ参加への意気込み語る赤ちゃんポストに預けられた赤ん坊を連れ去るベイビー・ブローカーのサンヒョンを演じたソン・ガンホの「個人的に3年ぶりにこういう場で是枝監督の新作と共にご挨拶できるようになり、嬉しいです。ありがとうございます」という挨拶に続き、サンヒョンの相棒であるドンスを演じたカン・ドンウォン、2人と共に旅をすることになった赤ん坊の母親ソヨンを演じるイ・ジウン(IU)、彼らを検挙しようと尾行を続ける刑事スジン(ペ・ドゥナ)の後輩、イ刑事を演じたイ・ジュヨンも挨拶。その後、日本からリモートで参加した是枝監督もモニター越しに「長年の夢が叶って、映画が完成してこの日を迎えられたことを嬉しく思います」と明かした。カンヌ国際映画祭のコンペティション部門への出品決定が決まったことについて是枝監督は「あの場所は何度行っても本当に緊張しますし、喜びでもありますし、この作品にとっては本当に最高のワールド・プレミアの場所に選んでいただいたなと思っています」と並々ならぬ思いを吐露。本作でカンヌ国際映画祭への参加が7回目となるソン・ガンホは「光栄なことにも、素晴らしい監督と役者さんたちのおかげで、このような結果になり、嬉しいです。特に是枝監督の初めての韓国映画演出作ですし、こういう素晴らしい役者さんたちと一緒に行けるようになり、とても嬉しく思います」とコメント。同映画祭への参加が初となるイ・ジウン(IU)は「私も本当に光栄に思います。コンペ部門に招待され、人生にこんな日が何度あるか分からないので、(向こうで)一生懸命学び、満喫してきたいです」と話し、同じく初参加のイ・ジュヨンは「参加することができて嬉しいです。先輩たちとジウンさん、監督と一緒にフランスの雰囲気を感じることができるだけでもワクワクしています」とそれぞれ意気込みを語った。ソン・ガンホ「昔から是枝監督の作品世界のファンでした」本作の企画のはじまりについて問われた是枝監督は「ペ・ドゥナさんは一度映画をご一緒させていただきましたし、ソン・ガンホさんとカン・ドンウォンさんは映画祭でお会いさせていただいたり、日本へ新作のPRイベントで来日された際に上映に花束を持って参加させていただいたり…というような交流をさせていただいておりまして、“いつか映画でご一緒しましょう”という漠然とした言葉を交わしていたんですが、2016年頃にふと思いついたプロットがありまして、これなら自分の頭の中にいる韓国の役者の方々と一緒に映画が作れるのではないかと…その思いつきがきっかけでした。神父の格好をしたソン・ガンホさんが赤ん坊を抱き上げて、すごくいい人に見えるんだけど実は……、そんなワンシーンを最初は思い浮かべていました」と初期の貴重なプロットの内容とともに今作の企画に至るまでのエピソードを披露。続いて、作品の紹介を改めて問われ、「赤ちゃんポストというのは日本にも存在していて、前から関心を持っていたんですが。韓国にも同じようなものがあると聞きまして。そこに預けられた一人の赤ちゃんを巡って、そこに善意と悪意が絡まりながら、赤ん坊と一緒にいろんな思惑をもった人間たちが旅をしていく、そういう話にしたいと思って作った映画です」と説明した。ソン・ガンホは是枝監督からオファーがあった当時のことを尋ねられ、「正確な年度は覚えてないですが、6-7年前に、釜山(プサン)映画祭で初めてミーティングをしました。昔から是枝監督の作品世界のファンでしたし、尊敬する芸術家ですので、とても光栄でした。監督の映画を見ていると、先入観かもしれませんが、冷たい話の中に温かいヒューマニズムが描かれて終わる印象でしたが、この作品を経験したら、監督の冷徹な現実直視により、温かいストーリーの中でも、冷静な視線で社会を俯瞰している感じがして、とても感動しましたし、新しい挑戦でもあり、ワクワクする作業でした」と是枝監督との初のコラボレーションに感無量の様子でコメント。カン・ドンウォンは「私も6-7年前に東京で監督に初めて会いました。その後、映画化されるまでかなり時間がかかったんですが、やっと去年、撮影をすることになり、こうやって公開を控えていますね。感慨深いです」と懐古した。是枝監督、コロナ禍に「マイ・ディア・ミスター」「梨泰院クラス」にハマる本作が劇場公開映画への初出演となったイ・ジウン(IU)は「もらったシナリオを読む前に、短編映画の撮影で共演したことのあるペ・ドゥナさんに電話をしたんです。そしたら“とてもハマり役だ”と言ってくれたんです。好きな先輩からそう言われて、私も確信を持って台本を読んだ覚えがあります」とペ・ドゥナとのエピソードを披露しながら、自信を持って役と向き合ったことを明かす。シナリオを読んだときに涙を流したというイ・ジュヨンは「ネタバレにならない範囲で言いますと、登場人物たちがお互いの心を理解しながら会話するシーンがありますが、ソヨンがあの3人に言ってあげる言葉があるんです。その言葉をじっくり考えたら、心にとても響きました。人物たちの感情をきちんと積み上げていくシナリオでした。監督の作品がとても好きで、この映画の中に自分が存在できて光栄でした。そして、とても楽しくお仕事ができました」と是枝監督が本作でも描いた奥深い人間ドラマを役者として身をもって体感した様子。イ・ジウン(IU)とイ・ジュヨンのキャスティングの経緯について問われた是枝監督は「コロナの自粛の間に、韓流ドラマを配信で観ることにハマリまして、『マイ・ディア・ミスター~私のおじさん~』(※イ・ジウンが出演するドラマ)を観ていたんですが、後半はイ・ジウンさんが登場するシーンはずっと泣いているような状況で、もうこの人しかいないと思って、オファーしました。そして、イ・ジュヨンさんは『梨泰院クラス』(※イ・ジュヨンが出演するドラマ)にもハマって、2周観たのですが、彼女の存在がとても印象的だったので名前を挙げました」と、日本でも話題を呼んだドラマで2人の演技力に惚れ込んでキャスティングに至ったことを明かした。ソン・ガンホ&カン・ドンウォン「実の兄弟のように演技の相性が良い」演じたドンスというキャラクターについて問われたカン・ドンウォンは「ドンスは少し頑固な面があるんです。ドンス自身が児童養護施設で育ち、使命感をもって子供を養子縁組させる人物で、子供は児童養護施設で育つより家庭で育った方が良いという考えを持ってる人物です。実際、児童養護施設を何度か訪ねて、そこの出身の方々とお話をしたりして、その気持ちを演技に込めようと努力しました。その会話で感じた感情とその方々の悲しみを表現しようとしました」と役作りのために自ら足を運んでリサーチを重ねたという。サンヒョンを演じるにあたってのこだわりについて問われたソン・ガンホは「カン・ドンウォンよりもっとカッコよく映りたいなと思いました(笑) 劇中ではちょっとカッコよく撮れたと思ったんですけど、今日の彼の衣装を見て、そういう期待はやめることにしました(笑)」と会場の笑いを誘いつつ、久しぶりの再タッグとなったカン・ドンウォンとの共演については「12年前の『義兄弟』で実の兄弟のように演技の相性が良いと感じたので、今回も自然に演じることができました」と言う。「末っ子の弟と共演する感じで、分析的ではなく本能的なケミストリーを作れたと思います」と自信たっぷりにコメント。続いて「サンヒョンというキャラクターは、普通にいそうな中年男性で、幸せな人生というよりは順調でない人生と寂しさを感じる人物かなと思います。彼が劇中でやってることは不合理なことで非道徳的なことかもしれないけど、真の部分では純粋で温かい感性を持ち、そういうものに憧れを抱いている、そんな感情が凝縮された人物ではないかと思います」と分析した。是枝監督は、そんなソン・ガンホについて演技力や洞察力を絶賛、「演じる人物像のなかに、善も悪も両方入っていて、それがシーンやセリフによって微妙に入れ替わる。色が単色ではない人物描写っていうのが、とても深くて見事だなと。本当に素晴らしいと思って拝見していました。今回のサンヒョンの役も、悪人なのか、善人なのか、見ている人たちが探っていけるような、そういう人物描写にしたいなと思っていました」と明かす。カン・ドンウォンもソン・ガンホとの撮影を振り返り、「個人的には、12年前よりももっと相性がよかったと思います。私もだいぶ成長しましたし(笑)。現場で演じる時もとても相性がよかったですし、私も年を取ったので会話ももっとスムーズにできました」と明かすと、ソン・ガンホが「成長しましたね。背も伸びたし(笑)」とジョークを飛ばすなど長年の関係からなる仲の良さを見せるひと幕も。ソン・ガンホも絶賛するイ・ジウン(IU)「親にも自慢しました」一方、イ・ジウン(IU)は「母親の役は初めてなので、子供の抱き方や、遊んであげるときの振る舞いなど、小さな習慣を自然に見せようとしました。外見的にもあまりやったことがなかったスモーキーメイクやブリーチヘアなど、メイクチームからアイデアをもらいながら役作りをしました」と外見から役作りにこだわったことを語る。そんなイ・ジウンについてソン・ガンホは、「イ・ジウンさんは、とある屋上でのシーンで、役者としてのテクニックもそうですが、感情と気持ちを伝える正確な表現、感情を伝える表現の仕方にとてもインパクトを受けました」と称賛。当時の撮影現場をイ・ジウンも記憶に残っているようで「撮影期間の中でじゃなく、人生の中で一番印象的な瞬間だったと思います。夕日が沈みかけていて、ソン・ガンホさんは撮影が早く終わったのに、私を待っていてくれてました。お疲れさまでしたと挨拶したら、あのシーンをモニターで見たけど、すごくよかったよと言ってくれましたね。そして、ソン・ガンホさんの車は遠ざかって行き(笑)、その光景がとても美しく感動的で、涙が出ちゃいました。親にも自慢しました」と胸いっぱいの様子でふり返った。ペ・ドゥナとのタッグについて尋ねられた是枝監督は「前回ご一緒したときに彼女のお芝居の素晴らしさを痛感していたのですが、今作ではさらに研ぎ澄まされていました。車の中のシーンが多かったのですが、その限定されている中で、ちょっとしたセリフの間とか、振り向くタイミングのコントロールとか、そのようなところであらゆる感情を表現してくる底力のようなものを感じました」と、『空気人形』からさらに進化した役者としての魅力を明かす。そんなペ・ドゥナとともに刑事役に挑んだのがイ・ジュヨン。「映画での刑事ってステレオタイプを思い浮かべますが、監督の映画の中の人物には、みんな発見されていない人間性があると感じました。サンヒョンたちを追う時も捜査目的ではなくて、ソヨンが赤ちゃんを捨てなければならなかった事情を知りたがったり、理解してあげたいという感情がイ刑事にはありました。そのような部分をもっと引っ張り出そうとしてくれました。ペ・ドゥナさんとは車内シーンが多かったですが、とても上手にリードしてくれました。漫才コンビのような愉快な雰囲気が出せるように2人でたくさん話しました」と語った。これまでにも様々な巨匠たちとタッグを組んできたソン・ガンホだが、是枝監督に対しては「日本の巨匠監督に対する先入観ですが、緻密で完璧に計算されたディレクションであるとよく耳にしてました。ところが、是枝監督は本当に自由にリラックスさせてくれて、限りなく役者たちの感性を尊重し、引き出してくれて、とても驚きました。やはり巨匠たちはみんな共通してるなと、役者にすべてを任せるんだと思いました。もちろん監督の中では全てが整理されていると思いますが、現場では役者たちの話を聞きたがっていて、とても立派な形の作業でした」と明かす。そして、そんな是枝監督が撮影中にスタッフに向けて書いていた手紙がスクリーンに!是枝監督は「撮影が進んでいくなかで感じたことなどを、言葉が通じない関係なので、できるだけ文字にして伝えていくことで、自分が何を感じているのか、悩んでいることもふくめて、共有して頂いたほうが良いなと思ったので、このような形でスタッフやキャストの皆さんにお手紙を渡させていただいていました」と、コミュニケーションを重視する是枝監督のエピソードも語られた。マスコミからの質疑応答ーー家族の社会的解体と再構成、今作のポイントは?監督:旅を通して、一組の疑似家族を描こうと思っていました。その背景には、家族を諦めた人もいれば、家族を求め続けている人もいて、そういう人たちが非常に短い時間ですが、ひとつの車に乗って旅をする話を描きたいなと思っていました。ただ頭の中心にあったのは、“家族”というよりはひとつの“命”を巡る話。生まれた命をどういうふうに守るのか、そして手放すのか、そのような物語に仕上がっていると、今自分では考えています。マスコミからの質疑応答ーー言語や世代の違う撮影現場での作業は?監督:キャストだけじゃなく、スタッフも含め、全員に言えるのですが、日本の現場に比べて、準備が非常にしっかりしています。撮影にのぞむまでの準備、撮影が始まってからの準備、全てが早いことが一番驚きでした。完璧な状態で現場がスタートするという感じでした。イ・ジウン:本当に色んな年代の人がいる現場だったので、最初は私もかなり緊張してました。でも、子役たちが活躍してくれて、場の雰囲気を和ませる可愛いエピソードが多かったですね。例えば、監督も子供たちがなるべく自然にいられるように配慮してくれて、大人の私たちは深刻な感情を抱えたシーンだけど、一方で子供たちはすごく楽しそうにしてまして、緊張をほぐしてくれるポイントになっていましたね。子供たちのおかげで和気あいあいな現場になれたと思います。マスコミからの質疑応答ーー刑事役の役作りは?イ・ジュヨン:イ刑事が、サンヒョンたちはプロのブローカーにしては中途半端なところがあると言うシーンがありますが、実はスジンとイ刑事も中途半端な刑事なんです。女性青少年課の刑事で、社会的弱者に対する捜査をするので、剛直なプロの刑事とは違うイメージですね。車で朝晩を過ごすコンセプトだったので、服や乱れた髪でそういったところを見せようと努力しました。そして最後に是枝監督が、「ここに並んでいただいている方に加え、ペ・ドゥナさんも含めて、韓国映画界の宝物のような役者さんたちと、韓国映画界を代表するスタッフの方たちに集まっていただいて、自分自身も納得ができる大好きな作品になりましたし、カンヌ国際映画祭でのお披露目という素晴らしいスタートを切ることができて、この後韓国での公開を控えて、韓国の映画ファンの方に作品を届けられることを本当に嬉しく心待ちにしています」と改めて喜びを語り、「公開時期にはオンラインではなく、韓国にお伺いして直接この映画を届けられればと思います」と訪韓にも期待を寄せていた。『ベイビー・ブローカー』は6月24日(金)よりTOHOシネマズ 日比谷ほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:ベイビー・ブローカー 2022年6月よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国にて公開ⓒ 2022 ZIP CINEMA & CJ ENM Co., Ltd., ALL RIGHTS RESERVED
2022年05月10日フィンランドの国民的画家ヘレン・シャルフベックの生誕160年を記念し、彼女の画業と人生を決定づけた1915年から1923年の時代を描いた『魂のまなざし』から、予告編と新ビジュアルが解禁された。ヘレン・シャルフベック(1862ー1946)は、フィンランドで最も敬愛されるモダニズム画家。解禁された予告編では、世界的評価の著しいヘレン(ラウラ・ビルン)の不器用でいながら真実を求め、情熱に従い生きた半生が切り取られている。「なぜ戦争や貧困を描くのか。女流作家にふさわしくない」と問われたヘレンが「画家が描くときは、作品の説明など考えない。着想は内側と外側から同時にわき起こる。芸術家は悲しいもの。幸せでも」と、意味深な微笑みを見せる姿も印象的。祖国独立と歩調を合わせるように苦難の時代を主体的に生き抜いていくヘレンだったが、世に名前が知られていく中でも、兄が一番優遇され、母親に認められないことには苦悩していく。そんな中、19歳年下の青年エイナル・ロイターと出会ったことによりヘレンの生活が一変。特別な感情が芽生えていく自分を受け入れられないヘレンだったが、彼が旅立ったことにより、寂しいという気持ちを受け入れ全てを認めると決意。しかし、やっと届いたエイナルからの手紙には衝撃的な事実が書いてあり、ヘレンは絶望し倒れてしまう…。終生の友情を育み、どん底にあっても背筋を伸ばし絵を描き続ける半生に思いを馳せる予告編が完成した。『魂のまなざし』は7月15日(金)よりBunkamura ル・シネマほか全国にて順次公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:魂のまなざし 2022年夏、Bunkamuraル・シネマほか全国にて公開©Finland Cinematic
2022年05月10日今年生誕95年、在位70周年を迎えた英国君主エリザベス2世を追った初の長編ドキュメンタリー映画『エリザベス女王陛下の微笑み』の公開を記念して、エリザベス1世やエリザベス2世などを中心に英国王室を題材に描いた映画3作品と、BBCによるドキュメンタリーシリーズ『エリザベス1世と2世/偉大なる女王の共通点前編・後編』が「BS10スターチャンネル」にて独占日本初放送。あわせて「スターチャンネルEX」でも独占見放題配信する。★『クィーン』(2006)配信:6月17日(金)より/放送:【STAR1字幕版】6月2日(木)18時45分~ほかヘレン・ミレンがアカデミー賞主演女優賞に輝いた人間ドラマ。ダイアナ元皇太子妃の事故死という突然の事態に直面した女王エリザベス2世の苦悩を描く。エリザベス2世を演じたヘレン・ミレンは、ほかにヴェネチア国際映画祭女優賞ほか多数受賞し世界中から絶賛された。当時の首相トニー・ブレアやチャールズ皇太子など、実在の人物が多数登場。英国王室の裏側とそこで繰り広げられる人間模様を垣間見ながら、エリザベス女王の知られざる姿が描かれた。★『エリザベス』(1998)配信:6月17日(金)より/放送【STAR1字幕版】6月3日(金)18時45分~ほかケイト・ブランシェット主演の歴史ドラマ。16世紀イングランドの女王に即位し、宗教抗争を治めて黄金時代を築いたエリザベス1世。その若き日々と臣下との秘めた愛に焦点を当て、細部まで贅を凝らした美術でエリザベス朝を絢爛に描いた歴史大作。エリザベスが暗殺の危険に怯える少女から、政略結婚を拒み断固たる態度で敵対勢力を討つまでの過程をケイトが熱演。続編『エリザベス:ゴールデン・エイジ』も作られた。★『エリザベス:ゴールデン・エイジ』(2007)配信:6月17日(金)より/放送【STAR1字幕版】6月3日(金)21時~ほか女王の座を手にしたエリザベス1世が様々な試練や恋を経て、黄金時代を築いていく。英国女王エリザベス1世の苦悩や葛藤を描いた歴史劇『エリザベス』の続編。第1作に続いてケイトが主演し、威厳に満ちた君主と恋焦がれるひとりの女性という主人公の二面性を、卓抜した演技力で鮮烈に表現。また、豪華な衣装やスペイン無敵艦隊との対決をはじめとするスペクタクル描写も見どころとなった。★日本独占初配信&放送『エリザベス1世と2世/偉大なる女王の共通点前編・後編』(2020)配信:6月17日(金)より『前編』放送:【STAR1字幕版】6月3日(金)23時15分~ほか『後編』放送:【STAR1字幕版】6月3日(金)24時15分~ほか英国史上最も偉大な2人の君主、エリザベス1世とエリザベス2世。何世紀もの時を経たにも関わらず、その驚くべき共通点に迫ったドキュメンタリーシリーズ。前編では、無名から王位に就いた2人の共通の旅路に注目。王位を守るため、彼女たちが直面した戦いの数々を紹介。後編では、スコットランド女王メアリーとダイアナ妃という、2人のエリザベスを未知の領域に追いやった2人の女性の物語を紹介する。STAR CHANNEL MOVIES『エリザベス女王陛下の微笑み』は6月17日(金)よりTOHOシネマズ シャンテ、Bunkamuraル・シネマほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:クィーン 2007年4月14日よりシャンテシネにて、4月21日より新宿武蔵野館、シネ・リーブル池袋ほか全国にて公開©2006 GRANADA SCREEN (2005) LTD/PATHE RENN PRODUCTION SAS/BIM DISTRIBUZIONEエリザベス:ゴールデン・エイジ 2008年2月16日より日比谷スカラ座ほか全国にて公開© 2007 Universal Studios. All Rights Reserved.エリザベス 女王陛下の微笑み 2022年6月17日よりTOHOシネマズ シャンテ、Bunkamuraル・シネマほか全国にて公開© Elizabeth Productions Limited 2021
2022年05月10日日本中の誰もが知る“さかなクン”の半生を、主演・のん×監督・沖田修一でユーモアたっぷりに描く『さかなのこ』の公開日が9月1日(木)に決定。併せて、おさかな愛が溢れるティザーポスターと特報映像が解禁された。今回公開されたティザーポスタービジュアルでは、ミー坊を演じるのんがさかなクンの象徴でもある“ハコフグ”を頭に乗せてドドーンと登場。カラフルな海の生き物たちを顔いっぱいにペイントし、太陽のような笑顔を見せる姿が目を惹く1枚になっている。また、本作の映像としては初解禁となる特報は、のん演じるミー坊の「それでは早速、レッツ・ギョ~!」という“さかなクン全開”の掛け声で元気いっぱいに始まる。音楽を担当する「パスカルズ」の遊び心あるメロディが流れる中、「いつかお魚博士になりたいです!」と夢を語るミー坊が、幼少期から変わらずにお魚の絵を描きつづけ、好きなことを、ずっと好きでいる姿が映し出される。「ふつうじゃないよね」とつぶやく夏帆演じるモモコに、「ふつうってなに?」と返すミー坊。周りの子とちょっと違うミー坊を「あの子はあのままでいいんです」と肯定する井川遥演じる母・ミチコ。ミー坊の揺るがない“おさかな愛”を「変わんねーな、おまえ」と称える柳楽優弥、磯村勇斗、岡山天音演じる不良たち。ミー坊のまっすぐな気持ちと、ミー坊をとりまく登場人物たちの愛らしい魅力が詰まった、温かくてほっこりする特報になっている。ムビチケカード購入特典<オリジナルポストカード>なお、ムビチケカードの購入特典である<オリジナルポストカード>の絵柄も併せて解禁。やわらかな空気をまとうミー坊の横顔が収められている。ムビチケカードは、一部の上映劇場とメイジャーWEBサイトで現在発売中。『さかなのこ』は9月1日(木)よりTOHOシネマズ 日比谷ほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:さかなのこ 2022年9月1日よりTOHOシネマズ 日比谷ほか全国にて公開(C)2022「さかなのこ」製作委員会
2022年05月10日南米コロンビア出身の美術家、フェルナンド・ボテロの展覧会『ボテロ展 ふくよかな魔法』が渋谷〈Bunkamura ザ・ミュージアム〉で始まりました。日本での個展開催は26年ぶり。1932年生まれで今年90歳となるボテロ自身が監修した展覧会に足を運びました。ボテロが大きなキャンバスに描くふくよかな魔法とは?フェルナンド・ボテロ。フェルナンド・ボテロは、1950年代後半から欧米で高く評価されてきた現代を代表する美術家のひとりです。南米だけではなくヨーロッパやアメリカ、アジアでも大規模展が開催されています。ボテロは、展覧会のタイトルにあるように、人はもちろん、動物、果物に楽器、紙に至るまで、ふくよかに表現することで知られています。フェルナンド・ボテロ『泣く女』1949年水彩/紙。展覧会は「第1章 初期作品」「第2章 静物」「第3章 信仰の世界」「第4章 ラテンアメリカの世界」「第5章 サーカス」「第6章 変容する名画」の6つに分かれています。最初に展示されているのは17歳のボテロが描いた水彩画『泣く女』。すでに女性の体をボリュームたっぷりに描いています。『楽器』1998年 油彩/カンヴァス。第2章展示風景。左より『黄色の花』『青の花』『赤の花』(3点組)2006年 油彩/カンヴァス。それまでも対象物に実際よりボリュームを持たせて描いてきたボテロですが、1956年にマンドリンを描いているときに発見をします。マンドリンの穴(サウンドホール)をとても小さく描くと、大きな輪郭と細部とのコントラストが生じ、楽器がふくらんで見えたのです。「第2章 静物」として集められた作品は、マンドリンをはじめとする楽器や、果物、花などにボテロによるふくよかな魔法が掛けられているのを見ることができます。楽譜や布、よく見れば花びらまでぷっくり。色使いの鮮やかさも魅力的です。第3章展示風景。第3章展示風景。左より『枢機卿』1998年 油彩/カンヴァス、『ヴァチカンのバスルーム』2006年 油彩/カンヴァス。ボテロが生まれたコロンビアはカトリック教徒の多い国です。「第3章 信仰の世界」では、宗教的なテーマの絵を集めています。ただしそれらは、聖職者の世界とそこにあるかたち、色彩、衣装、そしてその造形的で詩的な側面を絵画的に探究するためのもの。ユーモアと風刺をもって人物にアプローチしています。この展覧会のパンフレットにも採用されている『コロンビアの聖母』(1992年)という作品もそのひとつ。涙を大量に流す聖母が抱く幼子イエスは、小さなコロンビア国旗を手にしています。この絵が描かれた1990年代、コロンビアの情勢が非常に不安定だったことをほのめかしているそうです。第3章展示風景。バレリーナもボテロが描くと、ふくよか。第3章展示風景。「第4章 ラテンアメリカの世界」には、ラテンアメリカの社会や日常を描いた作品が並びます。絵の中心となっているのは、権威ある大統領、苦しい立場にある人、ダンスする人やミュージシャンなど。大胆な構図と明るい色使い、さらにドローイングの作品でも人々を生き生きと描写。複雑な社会背景を伺わせる作品も並びます。『象』2007年 油彩/カンヴァス。『空中ブランコ乗り』2007年 油彩/カンヴァス。「第5章 サーカス」では、2006年にメキシコ南部でサーカスと出会ったことをきっかけに生まれた作品が展示されています。空中ブランコに乗る人やピエロ、動物、そしてサーカス団員の日常もモチーフにしています。サーカスはピカソやマティス、ルノワールもモチーフとしましたが、ボテロの穏やかで静かな特徴が反映された作品になっています。『モナ・リザの横顔』2020年 油彩/カンヴァス。「第6章 変容する名画」ではボテロが敬愛する偉大な芸術家による有名な絵画をモチーフにした絵が展示されています。中でも2020年に描かれた『モナ・リザの横顔』はこの展覧会で世界初公開となります。誰もが知るレオナルド・ダ・ヴィンチの『モナ・リザ』をモチーフにした作品をボテロは何度も描いています。実はボテロに注目が集まったのも1963年にニューヨーク近代美術館(MoMA)のエントランス・ホールにボテロの『12歳のモナ・リザ』(※本展には出展されません)が展示されたことに始まります。第6章展示風景。各絵には元となった名画の作品画像があるので、見比べられます。『マリー=アントワネット(ヴィジェ・ルブランにならって)』2005年 油彩/カンヴァス。他にも美術の教科書で見たことがあるような名画をボテロが自身の様式で描いた絵が並びます。元の絵画の写真も添えられているので見比べながら進むと、ボテロのユニークさが際立って一層楽しめるはずです。展覧会『ボテロ展 ふくよかな魔法』では、70点もの作品が展示されています。しかも高さ1メートル以上、中には2メートルを超えるものもあるなど、大きなものがほとんどです。なかば見上げるように実物の絵画を見ることで、ふくよかさの中に官能や芸術的な美を感じ取れる展覧会といえそうです。『ボテロ展 ふくよかな魔法』東京都渋谷区道玄坂2-24-1 B1 Bunkamura ザ・ミュージアム(渋谷・東急百貨店本店横)~2022年7月3日(日)※5月17日(火)休館10:00~18:00(入館は17:30まで)毎週金・土は21:00まで(入館は20:30まで)当日一般 1,800円、大高 1,100円、中小 800円050-5541-8600公式サイト※状況により、会期・入館方法等が変更になる場合があります。※会期中すべての土日祝は、オンラインによる入館日時予約が必要です。巡回展 2022年7月16日(土)~9月25日(日)名古屋市美術館、2022年10月8日(土)~12月11日(日)京都市京セラ美術館『ボテロ展』にちなんだ、ふくよかなメニュー4種類。「ミートローフ デミグラスソース 冷製ナポリタン添え」2,000円(本展覧会およびル・シネマ『フェルナンド・ボテロ 豊満な人生』のチケット提示で200円OFF)。〈Bunkamura〉内の飲食店では、展覧会に因んだメニューがいただけます。1階の中央にある〈ロビーラウンジ〉では、2種類のメニューが『ボテロ展』に合わせて準備されています。「ミートローフ デミグラスソース 冷製ナポリタン添え」はボテロの活躍したアメリカで古くから親しまれているミートローフをメインにした一皿。温かいミートローフの付け合わせには、冷製ナポリタンとサラダ、マッシュポテトが添えられています。展覧会タイトル『ふくよかな魔法』にあわせてボリューミーに仕上げたとのこと。分厚く切られて、肉の食感を存分に味わえるミートローフにたっぷりの付け合わせは、ボテロが描く肉感的な絵画を思い出してしまいそうです。「パッションフルーツラッシー」1,000円(本展覧会およびル・シネマ『フェルナンド・ボテロ 豊満な人生』のチケット提示で100円OFF)。ボリュームたっぷりながら、さっぱりした「パッションフルーツラッシー」も用意されています。ボテロの出身地コロンビアはフルーツ王国。その中でもボテロが多用する黄色の果肉を選んで、パッションフルーツを使ったラッシーの上に生クリームとマンゴーの粒をあしらっています。〈ロビーラウンジ〉東京都渋谷区道玄坂2-24-1 1F03-3477-918510:00~19:00(18:30LO)「ボテロ」1,400円(本展覧会およびル・シネマ『フェルナンド・ボテロ 豊満な人生』のチケット提示で200円OFF)。帽子のようなチョコレートを外すと、中にはアイスもたっぷり。そして地下1階にある〈ドゥ マゴ パリ〉ではその名も「ボテロ」というアイスチャイフロートが用意されています。ホワイトチョコレートをカラーリングしたドームの下は、バニラビーンズたっぷりのアイス。その下には北海道産ミルクと自家製のチャイシロップが2層になっています。ボテロの作品『コロンビアの聖母』をイメージして作られています。ふくよかな絵画にちなんで、量は通常のドリンクメニューの2倍! ゆっくり過ごすのにも向いていますね。「ラズベリーエイド」1,200円(本展覧会およびル・シネマ『フェルナンド・ボテロ 豊満な人生』のチケット提示で200円OFF)。そしてもうひとつのメニュー「ラズベリーエイド」は作品『赤の花』をイメージして、様々なベリーと花をのせたドリンクです。自家製ラズベリーシロップにソーダを加えて、さっぱりとした大人な味わいに仕上げたフルーツエイドで、初夏にぴったりのさわやかなドリンクです。〈ドゥ マゴ パリ〉東京都渋谷区道玄坂2-24-1 B103-3477-912411:30~23:00(21:30LO)、日祝~21:00(20:30LO)展覧会を見る前後の時間も、世界観に浸れる〈Bunkamura ザ・ミュージアム〉で開催中の『ボテロ展 ふくよかな魔法』。美しいものに没頭したい日に訪れてみてはいかがでしょうか?
2022年05月10日音に特化した映画上映イベント「“音”で楽しむ!109シネマズ名古屋映画祭≪ライブ音響上映≫」が、2022年5月27日(金)から31日(火)までの期間で開催される。“音”で楽しむ、109シネマズ名古屋のライブ音響映画祭開催期間中は、本イベントのためにライブ・コンサート向けの大規模かつ高品質な音響機器を劇場内に特設。邦画・洋画・アニメ問わず、様々なジャンルから選りすぐった作品の音の臨場感を、大迫力・ライブ感覚で楽しめる。シリーズ最新作『名探偵コナン ハロウィンの花嫁』注目作品の一つは、劇場版シリーズ25作目となる映画『名探偵コナン ハロウィンの花嫁』。『名探偵コナン ゼロの執行人』でその人気が社会現象となった安室透を中心とする“警察学校組”のメンバーが重要人物として活躍する、シリーズ最新作だ。『ボヘミアン・ラプソディ』や『劇場版マクロスΔ 絶対 LIVE!!!!!!』など14作品このほか、伝説のロックバンド・クイーンの名曲の数々を文字通り爆音で堪能出来る『ボヘミアン・ラプソディ』、ヒュー・ジャックマン主演のミュージカル映画『グレイテスト・ショーマン』、ワルキューレによる圧巻のライブシーンに注目の『劇場版マクロスΔ 絶対 LIVE!!!!!!』、名作ミュージカル『キンキーブーツ』など、全14作品がラインナップする。開催概要「“音”で楽しむ!109シネマズ名古屋映画祭≪ライブ音響上映≫」開催期間:2022年5月27日(金)〜31日(火)会場:109シネマズ名古屋料金:作品によって異なるチケット発売:・109シネマズ名古屋 WEB販売 5月13日(金)0:00〜・109シネマズ名古屋劇場窓口販売 5月13日(金)劇場 オープン〜 ※但し各回、残席がある場合に限る。<上映作品>■名探偵コナン ハロウィンの花嫁■ボヘミアン・ラプソディ■グレイテスト・ショーマン■SING/シング:ネクストステージ【日本語吹替版】/【日本語字幕版】■劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデン■劇場版マクロスΔ 絶対 LIVE!!!!!!■劇場版 少女☆歌劇 レヴュースタァライト■アイの歌声を聴かせて■テン・ゴーカイジャー■仮面ライダーオーズ 10th 復活のコアメダル■キンキーブーツほか14本
2022年05月09日『ダラス・バイヤーズクラブ』『カフェ・ド・フロール』のジャン=マルク・ヴァレ監督の2005年の映画『C.R.A.Z.Y.』が7月29日(金)より全国公開されることが決定し、日本版ポスタービジュアルが解禁された。1960年代の保守的な家庭で、5人兄弟の4男として育ったザック。キリストと同じ12月25日に生まれ、「特別な子」と呼ばれた彼は、軍で働き音楽を愛する父親と過保護気味の母親、それぞれ文武に秀でた兄2人、問題だらけの次男を観察しながら幼少期を過ごす。1970年代、思春期に足を踏み入れるザックは、自らのアイデンティティと父親の価値観との間でもがくようになる…。2021年12月に急逝したジャン=マルク・ヴァレ監督は、アカデミー賞3部門受賞の『ダラス・バイヤーズクラブ』、ヴァネッサ・パラディ主演の『カフェ・ド・フロール』、妻を喪った男の再生を描く『雨の日は会えない、晴れた日は君を想う』など、数々の名作を世に送り出してきた。本作は、シャルル・アズナヴール、デヴィッド・ボウイ、「ローリング・ストーンズ」らの時代を彩る名曲と共に、保守的な家庭で育った青年のアイデンティティ確立までの葛藤と成長を描く。音楽、反抗、ユーモア、青春の躍動感と彩りに溢れた本作は、トロント国際映画祭最優秀カナダ映画賞、イリス賞13部門受賞ほか、多くの映画祭で称賛を以て迎えられたほか、2005年の作品ながら、Rotten Tomatoes100%を記録し続けるなど、カナダが生んだ映画史に残る名作として称えられ続けている。この度解禁となった日本版ポスタービジュアルは、ザックほか、ボーリュー家の5人兄弟が横一列に並ぶ姿をとらえたもの。個性の異なる5人を見守るように佇む両親のうち、母親の真下にいるのが主人公のザック。「特別な子」と呼ばれながら、クリスマスのミサへの参加を義務付けられてきた彼の独白がコピーとしてあしらわれている。父親と同じく音楽を愛し、反抗を覚え、やがてアイデンティティに目覚めるザックの目線を通して語られる兄弟それぞれ、そして両親との関係にも注目だ。『C.R.A.Z.Y.』は7月29日(金)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:C.R.A.Z.Y. 2022年7月29日より新宿シネマカリテ、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国にて公開
2022年05月09日神尾楓珠を主演、西野七瀬をヒロインに迎えた映画『恋は光』は、“恋する女性が光を放ってキラキラして視える”という特異な体質を持つゆえ、恋を遠ざけてきた男子大学生・西条の初恋を描く。様々な観点から「恋とは?」と“哲学”する本作。ほかにも、改めて「恋」について考えたくなる恋愛映画は、いつの世も大きな共感を呼んできた。『恋は光』(6月17日公開)“恋の光が視える”特異な体質を持つ大学生・西条(神尾さん)。恋愛とは無縁の学生生活を送っていたある日、「恋というものを知りたい」と言う文学少女・東雲(平祐奈)と出会い一目惚れ、“恋の定義”を語り合う交換日記を始めることに。そんな2人の様子は、西条にずっと片想いをしている幼なじみの北代(西野さん)の心をざわつかせる。さらに、他人の恋人を略奪してばかりの宿木(馬場ふみか)は、西条を北代の彼氏と勘違いし、猛アプローチを開始。いつの間にか4人で”恋とはなんぞや?”を考えはじめ、やがて不思議な四角関係に…。“恋の光が視える”という特異体質ゆえに恋を遠ざけていた男が、ついに恋を知る!?『勝手にふるえてろ』(2017)24歳のOLヨシカ(松岡茉優)は中学の同級生「イチ」(北村匠海)へ10年間片思い中。そんなヨシカの前に、突然暑苦しい会社の同期「ニ」(渡辺大知)が現れ告白される。「人生初告られた!」とテンションがあがるも、ニとの関係にいまいち乗り切れないヨシカ。ある出来事をきっかけに「ひと目でいいから、今のイチに会って前のめりに死んでいこうと思ったんです」と思い立ち、同級生の名を騙り同窓会を計画。ついに再会の日が訪れるのだが…。“脳内片思い”の毎日に“リアル恋愛”が勃発!?2人の彼氏(?)の間で揺れながら、傷だらけの現実を突き抜ける。綿矢りさの原作を、大九明子監督が映画化。『愛がなんだ』(2019)猫背でひょろひょろのマモちゃん(成田凌)に出会い、恋に落ちた。その時から、テルコ(岸井ゆきの)の世界はマモちゃん一色に染まり始める。会社の電話はとらないのに、マモちゃんからの着信には秒速で対応、呼び出されると残業もせずにさっさと退社。友達の助言も聞き流し、どこにいようと電話1本で駆け付け(あくまでさりげなく)、平日デートに誘われれば余裕で会社をぶっちぎり、クビ寸前。大好きだし、超幸せ。マモちゃん優しいし。だけど。マモちゃんは、テルコのことが好きじゃない…。今泉力哉監督が角田光代の人気小説を映画化。全部が好きーー。でも、テルコの完全なる一方通行の恋はどこへ向かうのか?『(500)日のサマー』(2009)グリーティングカード会社で働くトム(ジョセフ・ゴードン=レヴィット)は、ある日、アシスタントとして入社してきたサマー(ズーイー・デシャネル)にひと目ぼれする。トムは運命の恋を信じており、一方のサマーは「恋なんて絵空事よ」と言い切るエキセントリックなところがある。しかし、好きな音楽をきっかけに意気投合したふたりはデートを重ねていき…。恋を信じる男性が恋を信じない女性に恋をした、最低で最高の500日。片想いと両想いの間で揺れ動く新世代ラブストーリー。『あと1センチの恋』(2014)ロージー(リリー・コリンズ)とアレックス(サム・クラフリン)は6歳からの幼馴染で、ずっと一緒に青春を過ごしてきた友達以上、恋人未満の間柄。くだらない話も夢の話も恋の話も、なんでも2人は共有してきた。2人の夢は、この小さなイギリスの田舎町を離れ、アメリカのボストンにある大学へ一緒に進学すること。ところが、ある日ロージーがクラスで人気の男の子と一夜を共にし、妊娠。2人は再会を誓い、ロージーは地元に残り、アレックスをボストンの大学へと送り出す。お互いを想いながら言葉にできないままに…。初めて別々の人生を歩むことになる2人。記憶の掛け違い、誤解、恋のライバル、読まれることのなかったラブレター、運命のいたずらに翻弄され、12年間も2人は近づいて離れを繰り返す。「近すぎて伝えられない」あと1センチの距離を縮めていくラブストーリー。(text:cinemacafe.net)■関連作品:(500)日のサマー 2010年1月9日よりTOHOシネマズシャンテ、シネクイントほか全国にて公開© 2009 TWENTIETH CENTURY FOXあと1センチの恋 2014年12月13日より全国にて公開© 2014 CONSTANTIN FILM PRODUKTION GMBH勝手にふるえてろ 2017年12月23日より新宿シネマカリテ、ヒューマントラストシネマ渋谷、シネ・リーブル池袋ほか全国にて公開© 2017映画「勝手にふるえてろ」製作委員会愛がなんだ 2019年4月19日よりテアトル新宿ほか全国にて公開©2019映画「愛がなんだ」製作委員会恋は光 2022年6月17日より全国にて公開©秋★枝/集英社・2022 映画「恋は光」製作委員会
2022年05月08日韓国のドラマ、映画などの優秀作品を表彰する、栄誉ある総合芸術の祭典「第58回百想芸術大賞」の授賞式が5月6日(金)夜に行われ、受賞者が発表。日本の韓ドラファンも注目するTV部門は、大賞を世界的にも人気を博した「イカゲーム」、作品賞は「D.P. −脱走兵追跡官−」とNetflixオリジナルシリーズが初めて分け合った。「第58回百想芸術大賞」の対象となるのは、2021年4月12日から2022年3月31日まで、地上波・総合編成チャンネル・ケーブル・OTT(動画配信サービス)・ウェブで提供されたコンテンツ、および同時期に国内で公開された作品。MCに俳優のペ・スジ、タレントのシン・ドンヨプ、さらに除隊後初の活動となる俳優のパク・ボゴムに迎えて行われた今年。「イカゲーム」主演のイ・ジョンジェらを抑え、本国で大きな話題を呼んだ「赤い袖先」(原題)のジュノ(2PM)が男性最優秀演技賞、および一般投票によるTikTok人気賞を受賞。女性最優秀演技賞も混戦が予想されたが、「マイネーム:偽りと復讐」ハン・ソヒ、「未成年裁判」キム・ヘス、「赤い袖先」イ・セヨン、「恋慕」パク・ウンビンがノミネートされる中、「二十五、二十一」で高校生役を熱演したキム・テリが受賞。TikTok人気賞にも選ばれた。映画部門では、ホン・サンス監督作品に初めて出演したベテラン、イ・ヘヨンが『あなたの顔の前に』で女性最優秀演技賞を受賞。イ・ヘヨン『あなたの顔の前に』「イカゲーム」「今、私たちの学校は…」に相次いで出演し注目を集めたイ・ユミが『ヤングアダルト・マターズ』(原題)にて映画部門の女性新人賞に。7月1日(金)より公開、リュ・スンワン監督の『モガディシュ 脱出までの14日間』が大賞と作品賞を獲得した。『モガディシュ 脱出までの14日間』TVドラマ部門主な受賞結果大賞「イカゲーム」作品賞「D.P. −脱走兵追跡官−」演出賞ファン・ドンヒョク「イカゲーム」脚本賞キム・ミンソク「未成年裁判」男性最優秀演技賞ジュノ「赤い袖先」(原題)女性最優秀演技賞キム・テリ「二十五、二十一」男性助演賞チョ・ヒョンチョル「D.P. −脱走兵追跡官−」女性助演賞キム・シンロク「地獄が呼んでいる」男性新人賞ク・ギョファン「D.P. −脱走兵追跡官−」女性新人賞キム・ヘジュン「調査官ク・ギョンイ」TikTok人気賞ジュノ/キム・テリ映画部門主な受賞結果大賞『モガディシュ 脱出までの14日間』作品賞『モガディシュ 脱出までの14日間』監督賞ビョン・ソンヒョン『キングメーカー:選挙の狐』(原題)新人監督賞チョ・ウンジ『おそらく愛』(原題)脚本賞チョン・ガヨン、ワン・ヘジ『恋愛の抜けたロマンス』男性最優秀演技賞ソル・ギョング『キングメーカー:選挙の狐』女性最優秀演技賞イ・ヘヨン『あなたの顔の前に』男性助演賞チョ・ウジン『キングメーカー:選挙の狐』女性助演賞イ・スギョン『手紙と線路と小さな奇跡』男性新人賞イ・ホンネ『Hot Blooded』(英題)女性新人賞イ・ユミ『ヤングアダルト・マターズ』(原題)(text:Reiko Uehara)■関連作品:【Netflix映画】ブライト 2017年12月22日よりNetflixにて全世界同時オンラインストリーミング【Netflix映画】マッドバウンド 哀しき友情 2017年11月17日よりNetflixにて全世界同時配信【Netflixオリジナルドラマ】オルタード・カーボン 2018年2月2日より全世界同時オンラインストリーミング2月2日(金)より全世界同時オンラインストリーミング【Netflix映画】レボリューション -米国議会に挑んだ女性たち-手紙と線路と小さな奇跡 2022年4月29日よりシネマート新宿ほか全国にて公開© 2021 LOTTE ENTERTAINMENT & BLOSSOM PICTURES CO., LTD. All Rights Reserved.あなたの顔の前に 2022年6月24日よりヒューマントラストシネマ有楽町、新宿シネマカリテ、アップリンク吉祥寺ほか全国にて公開© 2021 Jeonwonsa Film Co. All Rights Reservedモガディシュ 脱出までの14日間 2022年7月1日より新宿ピカデリー、グランドシネマサンシャイン池袋ほか全国にて公開© 2021 LOTTE ENTERTAINMENT & DEXTER STUDIOS & FILMMAKERS R&K All Rights Reserved.恋愛の抜けたロマンス 2022年7月8日よりシネマート新宿ほか全国にて公開ⓒ2021 CJ ENM Co., Ltd., TWELVE JOURNEY ALL RIGHTS RESERVED
2022年05月07日俳優の恒松祐里が6日、東京・ヒューマントラストシネマ渋谷にて自身初の主演映画『きさらぎ駅』(6月3日公開)の完成披露上映会で舞台あいさつを行った。恒松は、「22歳までに初主演」を目標として心の中に秘めていたことを明かし、「この撮影が始まったのが、23歳の誕生日を迎える2日前。実現してうれしかった」と笑顔をみせた。恒松は、『凪待ち』(19年、白石和彌監督)で「おおさかシネマフェスティバル2020」にて新人女優賞を受賞後、『タイトル、拒絶』(20年、山田佳奈監督)や『全裸監督season2』(21年、武正晴、後藤孝太郎監督)でヒロインを務め、連続テレビ小説『おかえりモネ』でも注目を集めてきた。1998年10月9日生まれの恒松は、23歳の誕生日当日も本作の撮影をしていたという。「作品の舞台になっている新浜松駅のホームの電車内で撮影していたら、お昼休憩に入る前にホールケーキを持ってきてくださって、スタッフさんたちにお祝いしていただいたことがすごく印象に残っています。電車とホールケーキって、生涯見ることのない光景だと思う」と、忘れられない思い出になったことも話していた。同映画は、インターネット掲示板「2ちゃんねる」発、現代版”神隠し”と言われ、人々の心をとりこにしてきた“KING OF 都市伝説”をもとにした映画。恒松は、都市伝説の「きさらぎ駅」を卒論のテーマにしようと、謎に迫る好奇心が強すぎるゆえに巻き込まれていく大学生の主人公・春奈を演じる。「怖いだけじゃなくて、FPS手法(ファーストパーソン・シューティング/一人称視点)を用いて自分がきさらぎ駅にいるんじゃないかという気持ちになりながら、自分も解決している気持ちになれる。きさらぎ駅に対してどう対処していくか、私の役と一緒に考えていける体感型ホラー作品だと思っています。きっと帰りは楽しかった、とテーマパークの帰りのような爽快感があると思う。エンドロールの最後まで楽しんでください」と、観客に呼びかけていた。舞台あいさつにはほかに、本田望結、莉子、佐藤江梨子、永江二朗監督が登壇した。
2022年05月06日アカデミー賞国際長編映画賞ロシア代表の話題作『戦争と女の顔』より、日本版予告とポスターが解禁された。日本でも大きな注目を集めた証言集「戦争は女の顔をしていない」を原案とした本作。戦後のレニングラードを舞台に、PTSDを抱えた元女性兵士の葛藤と過酷な運命を描き出す。カンヌ国際映画祭をはじめ多くの各国映画祭で賞を受賞するなど、世界的に高い評価を受けている。今回解禁となった日本版予告編では、PTSDを抱える元女性兵士のイーヤとマーシャが、厳しい環境下でお互いを支えながら生きていく様子が描かれている。戦地を知らぬ人々や男たちからの心無い言葉、彼女たちが心と体に負った深い傷をとらえていく映像に胸が痛む。イーヤとマーシャがそれぞれ身に着けている赤褐色と緑の対比的な衣装も印象的だ。戦争による後遺症を抱えた2人は、戦後の生活で希望を見出すことができるのか…。緊迫感のある展開も予感させる予告編となっている。また、各誌の賞賛レビューが畳み掛けるように表示され、本作が痛ましく、強く、そして美しさも感じる作品であることが想起される。さらに、同時に解禁されたポスターでは、主人公・イーヤが誰かの手で口元を塞がれている様子が切り取られており、不穏さを漂わせている。「“わたしたち”の戦争は終わっていない」のコピーからは、戦争が終わっても彼女たちの闘いがいまも続いていることを察することができ、その過酷さを物語るようなビジュアルになっている。『戦争と女の顔』は7月15日(金)より新宿武蔵野館、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国にて順次公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:戦争と女の顔 2022年7月15日より新宿武蔵野館、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国にて公開© Non-Stop Production, LLC, 2019
2022年05月06日1924年・第1次世界大戦後のイギリスを舞台に、天涯孤独なメイドと英国名家の跡継ぎとの秘密の恋を描く『帰らない日曜日』。主人公のメイド、ジェーンを演じた新星オデッサ・ヤングが役作りと特殊メイクについて語るインタビュー映像が解禁。アカデミー賞をはじめ、数々の映画賞にノミネートされてきたヘアメイク・アーティストナディア・ステイシーによるメイク風景を収めたメイキングカットも到着した。天涯孤独のメイドであるジェーンが小説家として成功するまでの生涯を10代・20代・40代の3世代に渡り演じ分け、堂々たる演技を魅せたオデッサ・ヤング。撮影時、22歳だった彼女は40代の女性を演じるためにプレッシャーを抱えていたと明かす。「15、6歳から40代の女性を演じるのは初めてでしたし、撮影が始まる2週間前までは役が務まるのかどうか不安でした。感情の振れ幅が激しい本作のような作品で、本当に才能のある人たちに囲まれて演技が出来たことは幸運でした」と語るように、役作りの大きな手助けになったのが、ナディア・ステイシーよる特殊メイクだ。ステイシーといえば、映画『クルエラ』(2021)で第94回アカデミー賞のメイクアップ&ヘアスタイリング賞にノミネートされるなど、近年目覚しい活躍を見せている。40代のジェーンには、やりすぎず、自然体でありながら、時代の経過を感じさせる技巧を凝らしたメイクを施した。ステイシーは「歳をとった登場人物を描くときに、ものすごく老けさせて見せる映画もありますが、人によっては老いてもあまり変わらない人もいます。ヘアメイクは、そのキャラクターにとって何が正しいかを見極めることが大切なのです」と極意を語る。本映像でも、オデッサはステイシーのさりげないメイク術を絶賛しており、自分の母親とそっくりな仕上がりに驚いたという。「特殊メイクはある意味、私を解放してくれました。多くの俳優にとって、自分の顔を忘れられることは大きな転換になります。本作の“仮面”の存在は大きな力になりました」と、ジェーンのような難しい役どころにアプローチするには、特殊メイクは必要不可欠だったと明かしている。ヘアメイクのみならず、煌びやかな衣装、イギリスの豊かな風景に溶け込む美しいセットなど、アカデミー賞常連スタッフが集結したことも本作ならではの注目ポイントとなっている。『帰らない日曜日』は5月27日(金)より新宿ピカデリー、ヒューマントラストシネマ有楽町、シネ・リーブル池袋ほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:帰らない日曜日 2022年5月27日より新宿ピカデリー、ヒューマントラストシネマ有楽町、シネ・リーブル池袋ほか全国にて公開© CHANNEL FOUR TELEVISION CORPORATION, THE BRITISH FILM INSTITUTE AND NUMBER 9 FILMS SUNDAY LIMITED 2021 All rights reserved.
2022年05月06日是枝裕和監督が、<赤ちゃんポスト>をきっかけに出会った赤ん坊の母親、ベイビー・ブローカーの男たち、そして彼らを現行犯逮しようと静かに追いかける刑事が繰り広げる、一風変わった旅路を描く『ベイビー・ブローカー』。この度、それぞれのキャラクターを演じる韓国俳優たちの場面写真が解禁となった。本作は韓国の製作・俳優陣と長年温めてきたオリジナル企画を映画化した是枝監督初の韓国映画。解禁となる場面写真は、赤ん坊を抱いたソン・ガンホ演じるベイビー・ブローカーのサンヒョンと、その相棒のカン・ドンウォン演じるドンスに加え、2人と共に旅をすることになったイ・ジウン(IU)演じる赤ん坊の母親ソヨンが波止場でこっそりと取り引きしているようなカットが…。彼らを検挙しようと尾行を続けるペ・ドゥナ演じる刑事スジンとイ・ジュヨン演じる後輩のイ刑事が車内から様子を伺っているカット。さらには赤ん坊をしっかりと抱き夜の街を歩くサンヒョンとドンスなど劇中の雰囲気が垣間見られるシーンカットが解禁。古びたクリーニング店で年季が入ったミシンで作業をしながら何かを見つめるサンヒョン(ソン・ガンホ)や、自身が育った養護施設の教室に入ってきた様子のドンス(カン・ドンウォン)。トランシーバーを握り物憂げな表情をする刑事スジン(ペ・ドゥナ)、雑然としたワゴンの後部に腰掛け視線は鋭いもののどこか心細げな表情を浮かべるソヨン(イ・ジウン)など、それぞれの役柄が見えてくるようなキャラクターカットになっている。『ベイビー・ブローカー』は6月24日(金)よりTOHOシネマズ 日比谷ほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:ベイビー・ブローカー 2022年6月よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国にて公開ⓒ 2022 ZIP CINEMA & CJ ENM Co., Ltd., ALL RIGHTS RESERVED
2022年05月06日マーガレット・クアリー、シガニー・ウィーバー共演の『マイ・ニューヨーク・ダイアリー』より、同じくN.Y.を舞台にした映画『ティファニーで朝食を』の劇中歌「ムーン・リバー」が流れる本編映像が解禁された。本作は、作家を夢見てニューヨークへやってきた主人公ジョアンナ(マーガレット・クアリー)が、老舗出版エージェンシーで働きながら人生を切り開いていく姿を描く“大人の”自分探しムービー。シガニー・ウィーバーが厳しくも優しく彼女の成長を見守るジョアンナの上司役として出演している。今回解禁された本編映像は、主人公ジョアンナが“特別な日”に父親に連れられてきたと語る、マンハッタンの高級ホテル「ウォルドーフ・アストリア・ニューヨーク」での一場面。ジョアンナがチーズケーキを食べながら周りを見渡すと、一生懸命書き物をしている年配の女性、ワインを飲みながら文芸雑誌「ザ・ニューヨーカー」を読む男性の姿が目に入る。何気ないシーンだが、いつか作家となり、憧れの「ザ・ニューヨーカー」で作品を発表することに夢を抱きながらも思い悩むジョアンナの表情が印象的だ。その後、ホテルの廊下に「ライ麦畑でつかまえて」の初版本が展示されているのを見つけ、じっくりと眺めるジョアンナ。J.D.サリンジャーの名前を一躍世界に広めた名作、その貴重な初版本を前に彼女は何を想うのだろうか。この一連のシーンでバックに流れている音楽は、映画『ティファニーで朝食を』(1961)の中でオードリー・ヘプバーンがギターを弾きながら歌う名曲「ムーン・リバー」だ。実はマーガレット・クアリーとオードリー・ヘプバーンは2人ともバレリーナ出身で、ニューヨークで幸せを探すヒロインを演じているという点でも重なる。不朽の名作にオマージュを捧げつつ、女優として着実にキャリアを積み重ねているハリウッドの新星マーガレット・クアリーの今後の活躍を期待させるシーンとなっている。またクアリーは本作で華麗なダンスを披露しており、バレエやダンスで身に着けた彼女のしなやかな身体表現にも注目して欲しい。さらに、本作と同日には長編ドキュメンタリー『オードリー・ヘプバーン』が公開される(Bunkamuraル・シネマほか)。併せて観てみれば、“ヒロイン”たちの様々な生き方に思いを馳せることができるはず。ニューヨークという街で、時代を超えて輝く新たなヒロイン像に注目したい。『マイ・ニューヨーク・ダイアリー』は5月6日(金)より新宿ピカデリー、Bunkamuraル・シネマ、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:マイ・ニューヨーク・ダイアリー 2022年5月6日より新宿ピカデリー、Bunkamuraル・シネマ、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国にて公開© 2020 All rights reserved.
2022年05月05日各国の映画祭を席巻した話題のドキュメンタリー『FLEE フリー』より日本版予告編が解禁された。本作は、主人公のアミンをはじめ周辺の人々の安全を守るためにアニメーションで制作されたドキュメンタリー。世界中で大きなニュースとなっている難民やアフガニスタンを巡る恐ろしい現実、祖国から逃れて生き延びるために奮闘する人々の過酷な日々、そして、ゲイであるひとりの青年が自分の未来を救うために過去のトラウマと向き合う物語を描く。昨年のサンダンス映画祭でワールド・シネマ・ドキュメンタリー部門の最高賞であるグランプリを獲得、また、アヌシー国際アニメーション映画祭でも最高賞となるクリスタル賞ほか3部門を受賞するなど、ドキュメンタリー、アニメーションという表現の垣根を越えてジャンル横断的に高い評価を受け、各国の映画祭で圧倒的な評価を獲得している。この度解禁となった予告編は、主人公アミンが誰にも明かしたことのなかった自身の過去を、長年の親友である映画監督(本作の監督ヨナス・ポヘール・ラスムセン)に対して初めて語り始める様子や、その言葉により回想される幼少期からのあまりに過酷な経験、結婚を控えた恋人の男性にさえ過去を話すことができていないという現在の苦悩も切り取った。一方で、アミンによる「変わるべき時だ」「これが僕の物語の始まりだ」という自身のトラウマと向き合った上で一歩踏み出そうとする彼の強い覚悟の言葉も切り取り、本作が持つ未来への希望も感じさせる映像となった。映像には、本作を絶賛する歴代のアカデミー賞監督達によるコメントも収録。アルフォンソ・キュアロン監督(『ROMA/ローマ』)は、「人を立ち止まらせ、考えさせる。この映画は愛で出来ているのだ」とコメントを寄せており、ポン・ジュノ監督(『パラサイト 半地下の家族』)は、「今年見た映画の中で、最も感動した作品。涙が出た」と絶賛、2021年のベスト映画の1本にも選出している。アミンがデンマークに亡命を果たした直後の16歳の頃からの旧友だったラスムセン監督は、若い頃、好奇心からアミンに過去について尋ねたが、彼は何も語ろうとしなかったという。それから約20年の時を経て、アミンの心境の変化もあり、本作の製作に同意。監督は、アミン本人の声と記憶を通してこれまで誰にも語られなかった彼の物語を聞きたいと考え、その心のペースに寄り添いながら約4年もの長い時間をかけて断続的にインタビューを敢行した。監督は、「ラジオ・ドキュメンタリー制作で長年培ってきたインタビューの手法を用いました。取材対象に、横たわって目を閉じ、かつて目にした光景や匂い、感触を思い出してもらいます。そうすることで、記憶がより強く直接的なものになり、まるで今まさに展開していることのように感じられるのです」と説明する。その上で、“初めて話す”という行為が持つエネルギーを重視し、事前に聞いた内容を改めて語ってもらう“再現”は一切行っていないのだという。アミンの“語る”勇気と覚悟、親友でもある監督との信頼関係によって生み出された本作。多くの観客に深い感動と希望を与える、唯一無二のドキュメンタリー作品だ。『FLEE フリー』は6月11日(金)より新宿バルト9、グランドシネマサンシャイン池袋ほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:FLEE フリー 2022年6月10日より新宿バルト9、グランドシネマサンシャイン池袋ほか全国にて公開© Final Cut for Real ApS, Sun Creature Studio, Vivement Lundi!, Mostfilm, Mer Film ARTE France, Copenhagen Film Fund, Ryot Films, Vice Studios, VPRO 2021 All rights reserved
2022年05月04日「未来は考えもしないようなことが起きるだから先へ進むしかない先へ 先へ 先へ 先へ(C'mon C'mon C'mon C'mon)」ホアキン・フェニックスと新星俳優ウディ・ノーマンが共演、ある日突然、共同生活を送ることになった伯父と甥っ子の日々を描いたマイク・ミルズ監督の『カモン カモン』の、最も印象的なセリフだ。確かに人生は“想定外”の出来事だらけ、映画のような新型ウイルスのパンデミックが何年も続いたり、もう二度とごめんだと思っていた侵略戦争が実際に起きてしまったり。起こりそうだと思ったことは絶対に起こらず、思いがけないことばかりが起きるもの。だからとにかく前を向いて「先へ先へ進むしかない」と、9歳の少年ジェシーが録音マイクに向けて語る“C'mon C'mon”がタイトルになった本作には、「人生ベスト入り」「忘れたくない傑作!」「涙止まらない」「何年経っても、何度でも観たい」といった絶賛の声がSNSで上がり、モノクロームの映像や語られる言葉たちはもちろん、「ひたすら対話を続ける映画」「マイク・ミルズ監督の視線がとても温かい」など感銘を受けたという声が上がっている。マイク・ミルズ監督が自身の子育て体験を反映『人生はビギナーズ』で晩年にゲイをカミングアウトした父、『20センチュリー・ウーマン』で自由な魂を持ちながらミルズ監督を育てた母を描き、イラストレーター、グラフィックデザイナーなどマルチアーティストとして知られるマイク・ミルズ監督。本作は、妻でアーティスト・映画監督・俳優であるミランダ・ジュライとの間に2012年に生まれた我が子の子育てを通じて監督自身が直面した“想定外”の出来事にインスパイアされた、子どもと大人が、人と人として対話する物語。『ムーンライト』『レディ・バード』『ミッドサマー』など話題作を世に送り出す映画製作会社「A24」と『20センチュリー・ウーマン』に続く2度目のタッグであり、作品に対する安心感と信頼は申し分ない。ニューヨークを拠点に全米各地を取材して回るラジオジャーナリストのジョニー(ホアキン)は、妹ヴィヴ(ギャビー・ホフマン)が家を留守にする間、9歳の甥・ジェシー(ウディ・ノーマン)の面倒を見ることになる。ヴィヴの夫でジェシーの父親ポール(スクート・マクネイリー)が精神のバランスを崩してしまい、つきっきりで世話が必要なためだった。ジョニーとヴィヴの兄妹は母の介護と死をきっかけに以前よりもさらに疎遠になっており、伯父と甥っ子とはいえ独身のジョニーにとっても、9歳のジェシーにとってもお互いが他人のような存在だ。そんな2人が同じ家で過ごし、町や海辺の音をマイクで拾ったり、想像力たっぷりのごっこ遊びをしたりする。あるときは、ジェシーが一瞬視界から消え、目の前が真っ暗になるような恐怖を味わったことも…。こうした2人の日々は、日頃子どもたちの声をたくさん取材しているはずのジョニーにとって驚きの連続。そんなとき、ジョニーは“母親”としてのヴィヴを頼りにする。ミルズ監督といえば、『人生はビギナーズ』でも、『20センチュリー・ウーマン』でも実際の書籍が劇中で大きな意味を持って引用されていたのが印象的で、特に後者は女性解放運動の盛り上がりの最中でフェミニズム関連の書籍ばかりだった。本作でも印象深いものの1つに、ジャクリーン・ローズによる「母たち:愛と残酷さについて/Mothers:An Essay on Love and Cruelty」(原題)がある。母というものは「究極の生け贄」で「すべてを解決する不可能な任務を負っている」といった言葉に、うなずきたくなる人は多いだろう。“父性の不在”が長らくあった家で息子をひとり育ててきたヴィヴは、メンタルイルネスを抱える夫を支えながら、利発なジェシーについて報告する(愚痴る?)兄ジョニーの電話にも対処する。その合間にきっと、自分の仕事もしている。「仕事と子育て、どうやって両立していますか」が、どれほど野暮な問いかが見えてくる。世の中の母に対する、リスペクトがここにある。実際に2人で電話をかけ合って撮影したというヴィヴ役のギャビーとホアキン演じるジョニー、そしてウディ演じるジェシーが醸す親密さは丁寧な関係作りから生まれたものだ。ジェシー役に大抜擢され、イギリス人ながら「あまりに説得力がある」アメリカ英語のアクセントを披露したウディとホアキンは撮影前から交流し、その上で順撮りをしながら自然で誠実な関係性を構築してきたことがスクリーンにはっきりと刻まれている。ティモシー・シャラメが憧れというこの新星俳優は、ホアキンから学んだものも多いはずだ。世界が抱える問題を子どもたちの声が炙り出していく「ジェシーをより理解したいと思ったとき、彼(ジョニー)はジェシーの遊びに参加し、その話に耳を傾けるようになる。それは僕自身の経験に基づくもの」とミルズ監督は言う。そして、ホアキンに対しても「“ちょっと、話していいかい?”という空間を作り出す力がある」とも語っている。子どもと対等であろうとすることは簡単ではない。話をまず聞くこと、向き合うこと、その姿勢が何気に最も難しい。子どもたちの世界に寄り添うには、自分もそこに飛び込んでみないと始まらない。本作の見どころの1つである、子どもたちへの実際のインタビューはまさにその最たるもの。本作では冒頭から、ミルズ監督やホアキンがインタビュー取材した全米各地の9~14歳の子どもたちの“生の声”が聞こえてくる。「いま、現実社会で起こっていること」についてどう受けとめているのか、未来についてどんなことを思うのか、信頼によって生まれた対話が(たとえ、ちょっぴり“よそ行き”の言葉であっても)現実への危惧や未来への希望として生々しく響いてくる。実はロサンゼルス、ニューヨーク、デトロイト、ニューオリンズの子どもたちから話を聞く中で、ニューオリンズのインタビュー対象者だった9歳のデバンテ・ブライアントが2020年夏、街角に座っていただけなのに銃の流れ弾に当たって亡くなる、という事故が起きている(本作はデバンテに捧げられている)。ある伯父と甥っ子、兄と妹、母と子の小さな小さな物語でありながら、子どもたちの声は暴力や分断から、気候変動といった世界中で抱えている問題を炙り出していく。こんな世界で、ジェシーたちは大人にならなければならないのだ。子どもたちを大切にしない社会に、未来はない。彼らが生きる未来に対して責任のある大人たちが現状、まったくもって“大丈夫”じゃない。極めて重要で辛辣な問題提起は全編を貫く温かな愛とモノクロームによる寓話性でほどよく、セルフケアにも効く作品となっている。『カモン カモン』はTOHOシネマズ 日比谷ほか全国にて公開中。(text:Reiko Uehara)■関連作品:カモン カモン 2022年4月22日よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国にて公開© 2021 Be Funny When You Can LLC. All Rights Reserved.
2022年05月04日TVアニメに続き、現在、映画が上映中の「オッドタクシー」が、「オッドタクシー 金剛石(ダイヤモンド)は傷つかない」として舞台化決定。3人組アイドルグループ「ミステリー・キッス」の結成までを描く前日譚となっている。アニメシリーズでは、それぞれの秘密と思惑が絡み合い、メジャー・デビューを前に不遇のラストを迎えることとなった「ミステリー・キッス」。舞台版でも、此元和津也が新たにオリジナルストーリーを書き下ろし、「ミステリー・キッス」誕生の光と影を描く。“金剛石”である彼女たちに心酔し、支え続けるマネージャー・山本の活躍にも注目となっている。キャストには、誰もが認める圧倒的な可愛さと底知れぬ野心を持つセンターの二階堂ルイ役には、「AKB48」の小栗有以。物語のキーパーソンである、欲求に正直で無邪気な唐揚げ大好きっ子・和田垣さくら役を「日向坂46」の濱岸ひより。自分に自身がなく、どこか影のある控えめな市村しほ役を「≠ME」の鈴木瞳美。天性の才能を持つ三矢ユキを元「E-girls」の山口乃々華が演じる。小栗さんは「私自身が経験したアイドル人生もこの舞台に活かせたらなと思っています!」と意気込み、濱岸さんは「今からとても緊張していますが、皆様に楽しんでもらえるよう精一杯頑張りますのでぜひ観に来てくれたら嬉しいです」とコメント。鈴木さんは「より作品を愛していただけるよう精一杯努めさせていただきます」と話し、山口さんは「役をよく理解し、その心情を繊細に受け取っていきたいですし、これまでの経験も活かしながら、目一杯頑張っていきたいと思っています」と気合を入れた。また、映画の「ミステリー・キッス」本編映像も公開。三矢は「直感で“したい”と思ったことは全部する、そう決めたんだ」と明るく決意を語り、市村は「ただお金持ちになりたかった」と話し、二階堂は「センターを降りてもらうために呼び出した。警察にも何度も話した」と意味深発言。ダークで不穏な映像となっている。舞台「オッドタクシー 金剛石(ダイヤモンド)は傷つかない」あらすじ2019年某日。都内某所で新規アイドルメンバー募集のオーディションが開かれた。あまたいる少女たちの中から選ばれたのは、二階堂ルイ、市村しほ、三矢ユキの3人。「グループ名は、ミステリーキッスだ。」それぞれの夢を持った彼女達はデビューを目指し、レッスンの日々を過ごすことになる。しかし、楽曲提供をしてくれるはずの売れっ子プロデューサーは常にやる気が感じられず、不穏なSNSの裏垢はお互いにしか知らない情報を吐き出す。同じ目標を掲げた仲間のはずなのに、3人の関係は少しずつ不協和音が響いていく。そんな彼女たちを見つめる、もう1人の少女がいた。オーディションに落ちた和田垣さくら。彼女もまた、譲れない夢を持っていた――。舞台「オッドタクシー 金剛石(ダイヤモンド)は傷つかない」は7月14日(木)より渋谷区文化総合センター 大和田・伝承ホールにて上演。『映画 オッドタクシー イン・ザ・ウッズ』はTOHOシネマズ新宿ほか全国にて公開中。(cinemacafe.net)■関連作品:映画 オッドタクシー イン・ザ・ウッズ 2022年4⽉1⽇よりTOHOシネマズ新宿ほか全国にて公開©P.I.C.S. / 映画⼩⼾川交通パートナーズ
2022年05月03日1990年代のニューヨークを舞台に、老舗出版エージェンシーで厳しい上司に振り回されながらも奮闘する主人公を描いた映画『マイ・ニューヨーク・ダイアリー』が5月6日(金)に公開されるのを記念して、本編映像の一部が公開されました。同映画の公開を記念して、ファッション、芸術、経済など様々な分野で世界の最先端を行くニューヨークで奮闘する等身大のヒロインたちが登場する、ゴールデンウィークにおすすめの作品も一挙紹介します。「何者か」になりたいと願う主人公の奮闘『マイ・ニューヨーク・ダイアリー』1990年代のニューヨーク。作家を夢⾒るジョアンナ(マーガレット・クアリー)は、⽼舗出版エージェンシーでJ.D.サリンジャー担当の⼥上司マーガレット(シガニー・ウィーバー)の編集アシスタントとして働き始める。⽇々の仕事は、世界中から毎⽇⼤量に届くサリンジャーへの熱烈なファンレターを処理すること。しかし、⼼揺さぶられる⼿紙を読むにつれ、飾り気のない定型⽂を送り返すことに気が進まなくなり、ふとした思いつきで個⼈的に⼿紙を返し始める。そんなある日、ジョアンナが電話を受けた相手はあのサリンジャーで……。ジョアンナは偉⼤な作家の声を借りていくうちに、自分自身を見つめ直すことになる。友人や恋人との関係、夢にかける情熱、そして自分の将来について――。「何者か」になりたいと願うジョアンナが、自分のストーリーを生きるための、ニューヨークで開く人生の1ページ。今回、公開された映像は、ニューヨークの街角でジョアンナと友人ジェニーが、仕事の合間にランチをするシーン。ジェニーは作家の夢を諦め、婚約者と一緒に郊外に移り住むのだという。思わず「彼のために夢を捨てるの?」と問いただすジョアナに「私を祝福して」と返すジェニー。社会人になり、友人との関係性が少しずつ変化していくなかで、互いの選択を尊重し合いながらも自分らしい生き方を模索していく彼女たちの姿に自分を重ねる人も少なくないはず……。5月6日(金)新宿ピカデリー、Bunkamuraル・シネマ、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国ロードショー。モノクロ映像が映し出すヒロインの奮闘『フランシス・ハ』都会で奮闘する女子映画の金字塔といえば『フランシス・ハ』(ノア・バームバック監督、2012年)。ブルックリンで親友ソフィーとルームシェアをし、楽しい日々を送っていた27歳の見習いモダンダンサーのフランシス(グレタ・ガーウィグ)。しかし恋人に振られ、ソフィーとの同居生活も解消になってしまったことから、居場所を求めて街を転々とするはめに。周りの友人たちは次々と身を固めていき、焦りも感じたフランシスは、自分の人生を見つめ直していく。モノクロ映像が映し出す人間模様は臨場感に溢れ、不器用ながらチャーミングな彼女から目が離せない。タイトルの『フランシス・ハ』に隠された秘密の明かされるラストに心動かされる。ここではないどこか(NY)へ…『レディ・バード』(2017)『フランシス・ハ』で知られる女優のグレタ・ガーウィグが自身の出身地でもある米カリフォルニア州サクラメントを舞台に描いた自伝的映画。閉塞感漂う片田舎の町でカトリック系の女子高に通い、自らを「レディ・バード」と呼ぶ17歳のクリスティン(シアーシャ・ローナン)の夢は、街を出てニューヨークの大学に進学すること。地元の大学への進学を望む母とは口論が絶えない。そんな彼女が高校生活最後の年を迎え、友人やボーイフレンド、家族、そして自分の将来について悩み、揺れ動く様子を、みずみずしくユーモアたっぷりに描く。憧れの街ニューヨークで彼女が見た都会での生活、そして故郷への思いとは。多感な時期の痛々しさと輝きに、誰もが共感の声を上げる一作。私が地元を飛び出した理由は…『ブルックリン』(2015)1950年代、アイルランドからニューヨーク・ブルックリンにやってきた移民の少女の青春や揺れ動く心を描いた『ブルックリン』(ジョン・クローリー監督)。大人しく目立たない性格の少女エイリシュ(シアーシャ・ローナン)は、妹の将来を案じた姉の勧めでアイルランドの小さな町からニューヨークへとやってくる。それまでとはあまりに異なる大都会での生活に戸惑うエイリシュは、しかし、イタリア系移民の青年トニー恋をきっかけに大きく変わっていく。洗練されたニューヨーカーとして生き生きと日々を過ごすエイリシュだったが、そんな彼女のもとに故郷からある悲報がもたらされる。アイルランドに帰郷した彼女を待ち受けていたのは、運命的な再会、そしてもう一つの幸せな人生だった……。故郷アイルランドと、ニューヨーク・ブルックリン――ふたつの祖国を持ち、ふたつの運命と愛の間で揺れながら美しく花開いていく女性の姿を描く。シガニー・ウィーバー出演『ワーキング・ガール』(1988)最後にご紹介するのは『ワーキング・ガール』(マイク・ニコルズ監督)。ニューヨークの証券会社で秘書として働くテスは、頭は切れるが学歴不足が原因で出世コースから外されお荷物扱い。やがて、ボストンから転勤してきた女性重役キャサリンの秘書に転属になったテスは、キャサリンの才媛ぶりに憧れてさまざまな新企画を提案するが一蹴されるばかり。そんなある日、休暇中に骨折して入院することになったキャサリンから留守中の仕事の切り盛りを任されたテスは、とあるキャサリンの事実を知って愕然とする。キャサリンを演じるのは『マイ・ニューヨーク・ダイアリー』のシガニー・ウィーバー。
2022年05月03日『哭声/コクソン』ナ・ホンジン監督が構想、タイの祈祷師をモチーフにした『哭声/コクソン』のアナザー・バージョンともいえるR18+ホラー『女神の継承』。この度、特報映像と場面写真が解禁となった。タイ東北部イサーン地方を舞台にした本作。解禁された特報は、「この地方にはたくさんの精霊がいる。いい精霊もいれば悪霊もいる」という祈祷師ニムの印象的な語りから始まる。深い森の中にある神秘的な洞窟で行われる祭祀の儀式をカメラは収めるが、その神聖な雰囲気から一転して、「呪術とか信じてないよ、バカみたい、笑っちゃう」と言う先祖代々続く祈祷師の一族に生まれた美しい娘ミンの姿を映し出す。しかし叔母のニムは、ミンの異変を感じ、彼女の母親に「娘の様子がおかしい」と忠告する。さらに映像は切り替わり、顔面蒼白な涙目で助けを求めるような、それでいて邪悪さを含む表現しがたい表情でこちらを見つめているミンを捉えて映像は幕を閉じる。併せて解禁された場面写真は、不気味に浮かびあがるミンのシルエットを捉えたものや、祈祷師のニムが雨の中で祈りを捧げる様子を遠くから見つめる何者かを切り取ったショット。森の中でひっそりとだが異様な存在感を放つ女神の像のカット、どこか不穏な雰囲気に包まれたタイ東北部のイサーン地方の景色を切り取ったものなど4枚が公開。物語の全貌はまだ明かされていないにもかかわらず、異様な雰囲気と禍々しい邪悪な何かの存在をヒシヒシと感じることができる。『女神の継承』は7月29日(金)よりシネマート新宿、ヒューマントラストシネマ渋谷、グランドシネマサンシャイン池袋、UPLINK吉祥寺にて公開、8月12日(金)より丸の内ピカデリーほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:女神の継承 2022年7月29日よりシネマート新宿、ヒューマントラストシネマ渋谷、グランドシネマサンシャイン池袋、UPLINK吉祥寺にて公開2022年8月12日より丸の内ピカデリーほか全国にて公開© 2021 SHOWBOX AND NORTHERN CROSS ALL RIGHTS RESERVED.
2022年05月02日