民放キー5局の10月改編が出そろった。既報の通り、日曜19時台で視聴率トップを走る日本テレビ『ザ!鉄腕!DASH!!』(19:00~19:58)の打倒に向け、各局が強力な番組を投入することになったが、その他の時間帯における注目の動きを紹介する。○ワイドショー対決に老舗の逆襲&新バラエティますは、日曜午前帯。TBS『サンデー・ジャポン』(9:54~11:30)と、フジテレビ『ワイドナショー』(10:00~10:55)というワイドショー番組がしのぎを削っているが、日テレは『いつみても波瀾万丈』から受け継がれる長寿トーク番組『誰だって波瀾爆笑』を30分拡大し、新MCにはバラエティにひっぱりだこのモデル・岡田結実を起用した。同番組は今年上期の平均視聴率で8.7%(ビデオリサーチ調べ・関東地区)と好調。同局では「ワイドショー嫌いのF(女性)層を取り込んでいる」と分析しており、30分拡大により「11時をまたぐことで、これまで裏局に流れていた視聴者を引き止め、日曜の全日帯(6:00~24:00)の向上を図ります」と狙いを説明している。この拡大する時間帯で現在放送されている『東野・岡村の旅猿 プライベートでごめんなさい…』が水曜深夜に移動するのに伴い、裏枠に東野幸治が出演可能となり、フジは『ワイドナショー』を20分拡大。11時15分まで、東野が通し出演となる。そして、テレビ朝日は『帰れまサンデー』(10:00~11:15)、『帰れまサンデー プラス』(11:15~11:45)を開始。人気料理を当てるまで完食する企画「帰れま10」を復活させ、日曜朝を意識して気軽に行けるお出かけスポットなどの情報も盛り込むロケバラエティとなる。同局としては『サンデープロジェクト』以来、長年報道番組を編成してきた枠をバラエティに転換した『美女たちの日曜日』が1クール(3カ月)で終了して以降、他局に遅れをとっている時間帯だけに、人気企画で巻き返しを図る狙いだ。○ニュースはTBS・テレ東拡大、フジ縮小も「精神変わらず」また、平日デイタイムでも、改編の動きが。TBSは、午前10時台のドラマリピート枠に、料理番組『おびゴハン!』(10:05~10:25)を開始し、『ひるおび!』を35分前倒して10時25分スタートし、落語家の立川志らくも加入して、縦の流れを強化させる。裏のテレ朝『ワイド!スクランブル 第1部』も5分前の放送開始となり、両番組が同時スタートとなる。テレビ東京も、ニュース番組を拡大。現在の『Newsアンサー』(16:54~17:20)から、狩野恵里アナをメインに起用する『ゆうがたサテライト』(16:54~17:45)に刷新することで25分伸ばし、"経済のテレ東"というブランディングを強化する。新番組の放送開始日は、東京・六本木三丁目の新本社報道スタジオが稼働する11月7日だ。一方、フジは『みんなのニュース』を縮小し、16時台(15:50~16:50)を『メディアミックスα』に変更。ドラマの再放送も行う枠で、4月改編で目玉として掲げた朝4時からの"15時間生放送"が途切れることになるが、緊急時はインターネットニュースチャンネル「ホウドウキョク」に切り替えるとし、宮道治朗編成局次長は「"15時間生放送"の精神は変わらない」と強調する。○演歌・歌謡ゴールデン撤退、リバイバル番組への期待もこのほか、テレ東は『金曜7時のコンサート~名曲!にっぽんの歌~』を終了させ、ゴールデンタイムから演歌・歌謡番組を撤退。今年4月改編では、NHKが『NHK歌謡コンサート』から若い視聴者層もターゲットにした『うたコン』に切り替えており、地上波ゴールデンからレギュラーの演歌・歌謡専門番組がなくなることになる。テレ東の高野学編成部長は、このジャンルについて「地上波において、正直視聴率が非常に厳しいと言わざるを得ない」と苦戦を認めながら、今後は時間帯を変更し、継続していく考えを示している。また、以前放送されていた番組・企画を復活させる動きもある。前述のテレ朝『帰れまサンデー』に加え、TBSが日曜19時台に投入する『クイズ☆スター名鑑』も、有名人を題材にしたクイズ番組『クイズ☆タレント名鑑』(2010~2012年)の復活版だ。『帰れま10』は、今年4月に23時台で単発で復活し、6月にはゴールデンでも放送するなど、順調に実績を積んできた。一方の『―名鑑』は、熱狂的なファンを抱えながら惜しまれつつ終了した番組で、不倫ネタを中心に芸能ニュースへの注目度が高まっているこのタイミングでの復活となる。両番組とも「パワーアップ」を銘打っており、どのような進化を遂げることができるのかが、ポイントになりそうだ。
2016年09月08日テレビ朝日は7日、10月改編を発表。月曜から水曜の深夜24時台に、ココリコ、Kis-My-Ft2らの新番組を投入する。月曜(24:15~24:45)には、既報の通り、AKB48・島崎遥香が主演を務める、刑事部屋を舞台にしたワンシチュエーションコメディドラマ『警視庁 ナシゴレン課』がスタート。現在放送中の『EXD44』は、来年1月にリニューアルスタートする。火曜(24:15~24:45)枠には、アイドルグループ・Kis-My-Ft2がメインを務める『キスマイレージ』をスタート。現在同枠で放送している『キスマイ魔ジック』をリニューアルし、キスマイメンバーが「世の中のあらゆる数字」を調査していく。その調査した数字は、番組独自のポイントに換算し、マイレージのように貯めながら、世の中を学ぶという内容だ。調査内容は、メンバーが交渉した街のカップルが、カメラの前で行うキスの秒数を貯める「キス動画マイレージ」や、街行く人で財布を見せてくれた人がいくら持っているかを競う「現ナマイレージ」など。ほかにも、スタジオでのゲームや、ペットの値段、カラオケの点数など、「数字」をテーマにした企画を展開していく。水曜(24:15~24:45)枠には、お笑いコンビ・ココリコがMCを務める『なら≒デキ』を編成。「東大生なら一度レシピを見ただけでフレンチ料理を作れるはず」「オペラ歌手ならカラオケでキーがMAXでも100点取れるはず」といった大胆仮説を検証し、その結果を予想・解説していく。倉島章二プロデューサーは「ちょっとためになる知的なことから、『そりゃできないでしょ…けどバカらしくて最高!』なことまで、深夜アラではの切り口で、興味をひくことに続々挑戦します」と方針を語っている。ほかの深夜枠でも、土曜(24:45~25:15)に、身の回りで進化し続けるものの情報を学んでいく『アップデート大学』がスタート。学生役として、2世タレントが週変わりで受講する。また、金曜(25:20~25:50)に、剛力彩芽、藤田ニコル、本田望結がMCを務める『オスカル!はなきんリサーチ』を開始。「声優を目指す10代」「10代のラッパー」など、若い世代をさまざまな切り口で細分化してアンケートを行い、彼らに刺さっているものをランキング形式で発表しながら、幅広い分野の最新情報、流行をリサーチしていく。本田は地上波初MCで、毎回仕切り役として、女性芸人が月替わりで登場する。
2016年09月07日テレビ朝日は7日、10月改編を発表。日曜午前帯に人気企画「帰れま10」をロケバラエティとして復活させる『帰れまサンデー』(10:00~11:15)を開始することを明らかにした。「帰れま10」は、居酒屋やファミレスなどの1店舗全メニューから、人気上位10品を予想しながら注文して完食するという過酷な企画。今回の新番組は、グルメだけでなく、人気スポットや観光地などにまでジャンルを広げ、「○するまで帰れない!」というお題に挑戦していくロケバラエティとなる。MCは週替わりで、よゐこ、山崎弘也、オードリー、サンドウィッチマンらが担当。榊原郁恵、松居直美らが脇を固める。テレビ朝日の鈴木忠親プロデューサーは「番組は過酷なところもありますが、なんとなくダラダラしてしまう日曜朝、気張らず、ラク~に見ていただけたら」と呼びかけている。また、この番組に続く(11:15~11:45)枠には『帰れまサンデー プラス』を編成。これまで「帰れま10」でMCを務めてきたタカアンドトシがメインパーソナリティとなり、ゲストとともに「ゴルフの難関コースを攻略するまで帰れない」「懐かしの人気ゲームをすべてクリアするまで帰れない」など、体を張った過酷な企画に挑む。古瀬麻衣子プロデューサーは「昔懐かしいゲームやレコード、釣りなど、ここまで本気で挑戦すれば、こんな楽しさが生まれます!という新たな城ホ言うをお届けできれば」と狙いを話した。また、木曜23時台の『アメトーーク!』が、10月から『日曜もアメトーーク!』(毎週日曜18:57~19:58)として進出することを受け、現在日曜19時台で放送している『日本人の3割しか知らないこと くりぃむしちゅーのハナタカ!優越館』が木曜(19:00~20:00)に移動。木曜19時台で16年半放送してきた『いきなり!黄金伝説』は、15日に2時間スペシャル、翌週22日に3時間スペシャルを放送し、幕を下ろす。改編率は、全日6.7%(今年4月改編は10.0%)、ゴールデン22.5%(同30.0%)、プライム16.8%(同26.7%)となっている。
2016年09月07日テレビ東京は6日、都内で10月改編の説明会を開催し、新番組『超かわいい映像連発!どうぶつピース!!』(9月30日スタート 毎週金曜18:55~19:56)の発表をした。同局の2016年上期の平均視聴率は、ゴールデン6.4%(前年-0.2%)、プライムは6.1%(前年-0.3%)、全日は2.8%(前年-0.1%)と、全体的にマイナスの傾向となっている。4月期には木~土を中心に大きく改編を行ったが、高野学編成局編成部長は「定着するまでじっくり育てていくべき」と見解を述べ、10月の改編率は全日で12.1%となった。金曜の19時台は前出の『超かわいい映像連発!どうぶつピース!!』を新たに放送し、「とにかくかわいい」を追求。犬猫の赤ちゃん多数が登場し、仕事に疲れた人たちを癒やす。MCとしてお笑い芸人・オードリーの2人が出演するが、テレビ東京 清水俊雄プロデューサーは「オードリーはおまけというか、オードリーを通してかわいい犬と猫を見ていただければ」と発言し、笑いを誘った。また、平日夕方は経済ニュース番組『ゆうがたサテライト』(11月7日 16:54~17:45)が新たに開始する。同局のバラエティ番組『モヤモヤさまぁ~ず2』(毎週日曜 18:30~)で人気を博した狩野恵里アナウンサーが経済キャスターに挑戦。視聴者の目線に立ち経済ニュースを分かりやすく紐解く「テレビ東京らしい」番組を制作していくという。また、同局は11月にかけて本社を現在の神谷町から六本木3丁目に移転。高野編成部長は「他局さんのような大規模な移転ではなく、視聴者にはそこまで関係ない」としながらも、「移転プロジェクトという冠をつけた大型特番ということで、今までなかなかお付き合いができなかった出演者の方々に出演いただくことができた」と発表した。21日、22日には宮部みゆき原作、中谷美紀主演の『模倣犯』、28日には湊かなえ原作、広末涼子・伊藤淳史・濱田岳主演のオムニバスドラマ『望郷』、そして10月5日には真山仁原作、玉木宏主演の『巨悪は眠らせない 特捜検事の逆襲』を3週連続で21時より放送する。4月に新設されたドラマ枠<土曜ドラマ24>は継続し、ドラマ班とバラエティ班が混合チームとなった『潜入捜査アイドル・刑事ダンス』(毎週土曜24:20~24:50)を制作。また、『石川五右衛門』(毎週金曜20:00~20:54)、『吉祥寺だけが住みたい街ですか?』(毎週金曜24:52~25:23)といった独自路線のドラマを展開する。さらに、<ドラマ24>枠では人気シリーズの最新作である『勇者ヨシヒコと導かれし七人』(毎週金曜 24:12~24:52)を放送する。同局 小松幸敏プロデューサーは『ヨシヒコ』について、「低予算ながらCGを頑張り、いろいろハリボテを駆使して楽しめるようにしています」と意気込みを語った。
2016年09月06日フジテレビは5日、東京・台場のヒルトン東京お台場で10月改編説明会を開催し、プライム帯(19:00~23:00)に4本の新バラエティをスタートさせることを発表した。火曜19時台はくりぃむしちゅー、タカアンドトシ、柳原可奈子が続投し、世の中のありとあらゆる謎に挑む『今夜はナゾトレ』(19:00~19:57)。火曜22時台は、23時台から進出する『有吉弘行のダレトク!?』(22:00~22:54、関西テレビ制作)。金曜19時台は、恵俊彰が日常生活で起こるトラブルの原因に迫る『その原因、Xにあり!』(19:00~19:57)を開始。そして、日曜(19:00~20:54)は、古舘伊知郎がメインを務める『フルタチさん』が2時間枠でスタート。さらに、火曜深夜にも古舘メインで新番組『トーキングフルーツ』(24:25~24:55)をスタートさせ、両番組が連動する展開も想定しているという。このほか、金曜深夜の『さまぁ~ずの神ギ問』が、現在『さんまのまんま』が放送されている日曜(13:00~13:30)に移動。日曜午前『ワイドナショー』(10:00~)は、『ワイドナB面』(10:55~11:15)を統合し、東野幸治が通しで出演。火曜23時台は、街行く等身大の女性たちに密着する『ホンノワタシ』(仮/23:00~23:30)を編成する。平日夕方の『みんなのニュース』は(16:50~19:00)に1時間縮小し、15:50~16:50を『メディアミックスα』に変更。BS・CS・配信との連動コンテンツや、ドラマの再放送、また、緊急時にはインターネット報道チャンネル「ホウドウキョク」に切り替えることも想定している枠で、宮道治朗編成局次長は「4月改編で掲げた"15時間生放送"の精神は変わらない」と強調しつつ、「皆さんの知りたいこと、必要な娯楽を、いろんな角度から提供したい」と狙いを語る。日曜朝は、新アニメ『モンスターハンターストーリーズ RIDE ON』(8:30~9:00)がスタートするのに伴い、『新報道2001』が(7:30~8:25)に縮小する。なお、『とんねるずのみなさんのおかげでした』(毎週木曜21:00~21:54)、『めちゃ×2イケてるッ!』(毎週土曜19:57~20:54)の2つの長寿バラエティは、引き続き放送。年内での終了が発表されている『SMAP×SMAP』(毎週月曜22:00~22:54)の後番組については「現在いろいろ調整・検討中」(宮道局次長)とした。今改編のテーマは「フジテレbe with you.」。宮道局次長は「どんな皆さんに対してもそばにいたいという思いを込めている」と狙いを語った。改編率は、全日14.5%(今年4月改編は19.9%)、ゴールデン34.3%(同36.0%)、プライム32.6%(同37.8%)となっている。
2016年09月05日日本テレビは1日、10月期の改編発表会を開催。好調な視聴率を背景に今回も小幅の改編となり、プライム帯でのバラエティ新番組は、9月7日スタートの『1周回って知らない話』(毎週水曜19:00~19:56)のみとなる。『1周回って知らない話』は、10月を待たずにスタート。東野幸治のMCで、テレビで当たり前になりすぎて今や誰も聞かない話を、本人に直接聞くという内容で、土日の午後帯で視聴率8.4%、10.3%を記録。その後、ゴールデンタイムでも12.4%、12.9%、10.1%(裏番組のテレ朝『あいつ今何してる?』に勝利)と安定した数字をあげており、満を持してのレギュラー化となる。連続ドラマ3枠は、「企画強化」「話題性のあるキャスティング」「多面的コンテンツ展開」をテーマに編成。水曜22時が石原さとみ主演『地味にスゴイ!校閲ガール・河野悦子』、土曜21時が唐沢寿明&窪田正孝のHulu共同制作『ラストコップ』、日曜22時30分が沢村一樹主演『レンタル救世主』となる。なお、『校閲ガール』の小田玲奈プロデューサーは、現在同枠で放送中の『家売るオンナ』から、2クール連続という異例の担当だ。読売テレビ制作の木曜23時59分枠ドラマは、船越英一郎主演の『黒い十人の女』。同局制作の土曜夕方アニメ枠では『タイムボカン24』(毎週土曜17:30~18:00)がスタートする。今回の改編率は、全日が3.9%(今年春改編は5.8%)、ゴールデン12.3%(同9.8%)、プライム9.2%(同13.1%)。視聴率の数字は、ビデオリサーチ調べ・関東地区。
2016年09月01日TBSは31日、東京・赤坂の同局にて10月期番組改編説明会を開催し、今年12月31日での解散を発表したSMAPのメンバーが出演する番組について、1月以降も継続する意向を明かした。同局でSMAPのメンバーが出演する番組は、中居正広がMCを務める『中居正広の金曜日のスマイルたちへ』(毎週金曜20:57~)、『Momm!!』(毎週月曜24:10~)、稲垣吾郎がMCを務める『ゴロウ・デラックス』(毎週木曜24:58~)の3番組。この3番組について、編成部企画総括の石丸彰彦氏は、「現段階では、1月以降も頑張って編成していこうと思っています」と語った。SMAPは14日未明、今年12月31日をもって解散することを発表。その後、5人全員がそろう唯一のレギュラー番組であるフジテレビ系『SMAP×SMAP』は、年内で終了することが発表された。
2016年08月31日TBSは31日、東京・赤坂の同局にて10月期番組改編説明会を開催。19:00~23:00を除いたノンプライム帯と、月曜日と日曜日のゴールデンタイム(19:00~22:00)の改革を発表した。ノンプライム帯については、『ひるおび!』を10時25分スタートに拡大する。4月期は「前へ! 前へ! 前へ!」をテーマに、一歩一歩堅実にさらなる前進を目指すとしていたが、今回の秋改編は、「もう一歩、前へ」の気持ちで、引き続き着実な進歩を目指すという。具体的には、『あさチャン!』が今年度に入り全国的に数字が上昇するなど、改善されてきているノンプライム帯をさらに改革。好調を維持している『ひるおび!』を10時25分スタートに拡大し、落語家の立川志らくがコメンテーターとして加入する。編成部長の菊野浩樹氏は、「ノンプライム帯をこの秋攻めていきたい!」と力強く宣言した。また、月曜日と日曜日のゴールデンタイムも改革。過去の特番として放送し結果を出した『好きか嫌いか言う時間』をレギュラー化し、すでに月曜20時枠で放送を開始した。日曜日は引き続きファミリーを意識し、18時30分から『バナナマンのせっかくグルメ!』、19時枠は過去に放送していた『クイズ☆タレント名鑑』をパワーアップさせた『クイズ☆スター名鑑』を編成する。過去に放送した番組を編成したことについて、菊野氏は「実績のある番組を万を持して配置した」と自信をのぞかせた。
2016年08月31日TBSは31日、東京・赤坂の同局で10月期番組改編説明会を開催。朝の情報番組でキャスターを務める夏目三久が、結婚・妊娠で降板するとの報道に、伊佐野英樹編成局長は「事実ではないという風に思っています」と見解を示した。夏目は現在、朝の情報番組『あさチャン』(毎週月~金曜5:25~8:00)のキャスターを担当。一方でこのほど、タレント・有吉弘行との結婚が決まり、妊娠しているために同番組を降板する旨を、TBS側に申し入れたと一部で報道されたが、伊佐野局長は「TBSは、そのような申し出を受けていません」と明確に否定。さらに、報道後「いろいろなコミュニケーションを取りましたが、報道されたことは事実ではないと思っています」と重ねて否定した。『あさチャン!』は、2014年3月31日からスタート。菊野浩樹編成部長は「今、非常に元気で好調になってきている。系列の数字も上がってきた」と、順調に推移していることを報告した。
2016年08月31日8月5日(現地時間)に開幕を迎える「リオデジャネイロオリンピック」。この度、日本テレビ系リオデジャネイロ五輪のテーマ曲が「嵐」による新楽曲「Power of the Paradise」に決定した。開幕まで約1か月と迫った、4年に1度のスポーツの祭典「ブラジル・リオデジャネイロオリンピック」。これまで、フジテレビ系列リオ五輪中継テーマソングに「EXILE」、NHK放送テーマソングには女性シンガーとして絶大な人気を誇るアーティスト・安室奈美恵と、各局ともに錚々たるアーティストの起用を発表してきた。そして、日本テレビ系リオ五輪テーマ曲を務めるのは、同五輪のメインキャスターを務める櫻井翔が所属する「嵐」に決定。「嵐」が日本テレビ系リオ五輪テーマ曲を担当するのは、2004年アテネ五輪「Hero」、2008年北京五輪「風の向こうへ」、2010年バンクーバー五輪「揺らせ、今を」、2012年ロンドン五輪「証」、2014年ソチ五輪「Road to Glory」に続く6作目となる。タイトルは「Power of the Paradise」。本楽曲は7月2日に放送された音楽特番「THE MUSIC DAY夏のはじまり。」内にて、「嵐」のメンバーによる生歌で初披露されており、疾走感ある夏らしい曲調に、SNS上では「リオ向けだから夏っぽいし、なんといってもサンバ調だからずっとダンスしてて汗だくになる曲だね。一緒にフリフリしたい!」「めちゃすき!」と早くも絶賛する声が上がっている。「Power of the Paradise」は現在、発売日は未定である。(text:cinemacafe.net)
2016年07月04日テレビ朝日の吉田慎一社長は、26日に行った定例会見で、4月改編に強い手応えを示した。4月にスタートした同局の連続ドラマは、渡瀬恒彦主演の『警視庁捜査一課9係』(毎週水曜21:00~21:54)が3回放送され、平均視聴率13.3%で推移。また、竹野内豊主演『グッドパートナー 無敵の弁護士』(毎週木曜21:00~21:54)は初回12.9%、内藤剛志主演『警視庁捜査一課長』(毎週木曜20:00~20:54)は平均11.7%となっており、この3作品が4月クールの民放連続ドラマ視聴率で、それぞれ2位・3位・5位につけている。一方バラエティでも、ゴールデンに進出した『あいつ今何してる?』(毎週水曜19:00~19:56)が、初回2時間スペシャルで11.8%と2ケタをマーク。火曜から金曜に移動した『金曜★ロンドンハーツ』(毎週金曜21:00~21:54)も初回13.7%、3回平均で12.7%と、好スタートを切った。ほかにも、日曜昼に移動した『ビートたけしのTVタックル』(毎週日曜11:55~12:55)が、移動後3週目で7.2%を獲得し、同時間帯としては5カ月ぶりの高さを記録。月曜深夜の後枠に入った『橋下×羽鳥の新番組(仮)』(毎週月曜23:15~24:15)は、3回平均7.5%で、前年の同枠を上回っている。帯番組も堅調で、メインキャスターが富川悠太アナウンサーにバトンタッチした『報道ステーション』(毎週月~金曜21:54~23:10)は、リニューアル後の平均で12.6%。朝の情報番組『グッド!モーニング』(毎週月~金曜4:55~8:00)は、4月に入って6時台の週平均の自己最高を毎週更新している。こうした各番組の好調を受け、同局の4月クールの平均視聴率(26日現在)は、全日7.4%、ゴールデン10.4%、プライム10.8%。全日は2位で、ゴールデン・プライムは民放2位と好位置につけている。吉田社長は「強い手応えを感じており、今クールは期待できる」と語り、『報道ステーション』についても「好スタートをベースに引き続き視聴者の方へしっかり目線をやって、番組をドンドン良くして行ってもらいたい」と期待を示した。
2016年04月28日●VIAの戦略も発表 - スマートフォンの次は自動車が中心に台湾VIA Technologiesは3月14日、都内で記者説明会を開催し、JapanTaxiとの協業を発表した。VIAによる日本での発表会はかなり久しぶりの事で、それもあって本国からRichard Brown氏も来日して、改めてVIA自身の戦略まで含めての発表となった(Photo01)。VIA TechnologiesがPCマーケットから撤退したのは、公式にはIntelとのクロスライセンスが失効した2007年となるが、実際には2004年頃あたりまでで新製品の投入を中止しており、2005年以降は既にPCマーケット向けの製品を投入していない。実はこれより前の2000年代前半から、同社はEmbedded向けに少しづつ方向転換を行っており、2005年以降はこれが前面に出てきた形だ。同社はもともとFablessでChipsetを製造していた会社だが、CyrixとCentaur Technologyを買収してCPUを、S3を買収してGPUをそれぞれ手にしており、更に2001年あたりからMini-ITXを初め各種の組み込み向けマザーボードを提供してきている。Embedded方向に転換後は、これらをベースにしたPlatform、それを利用したSystemや、これに対応したSoftwareを組み合わせ、現在はSolutionを提供する会社になっている(Photo02)。その同社が最近注目しているのが自動車向け(Photo03)である。今はスマートフォンがマーケットの中心に居るが、今後は自動車がその中心に来る、という考え方である。ただ同社は、いわゆる自動車向けのシステム(ECUだったりEV/HVだったりADASだったりInfortaimentだったり)を直接手がけているわけでは無い。自動車業界といってもその裾野は広く、そして最近新しいトレンドが生まれつつある(Photo04)。ここでBrown氏が指摘したのは、自動車の所有に関する問題である。UberやLyftを例に挙げるまでもなく、世界中でカーシェアあるいはライドシェアという、新しい車の使い方が急速に普及している(Photo05)。今後自動運転車などが登場するようになると、益々「自分で車を所有しない」事が加速して行くと考えられる、としている(Photo06)。●周辺機器などを統合する車載向けシステムさてここからはVIAのソリューションの話である。元々同社はCentaur Technology(x86)とWonderMedia(ARM)という2つのSoCメーカーを抱えており、最近はNXPのi.MX6シリーズも採用する形でラインナップを増やしているが、やはりSoCメーカーを抱えているというのはカーネルやドライバを扱う点で有利であり、この利点を生かした形でLinux/AndroidのBSPや、その上で様々なToolkit、あるいは最適化といったサービスを提供できるとしている(Photo07)。今回同社が発表したのは、AMOS-825という車両向けシステムである(Photo08,09)。車載向けということで本体と7inchタッチパネル付き液晶がセットになった形のモデルであり、更にWireless/BTや、将来的には3G/LTEの対応も可能としている。このモデルは現状ではJapanTaxi向け製品ということになるが、これとは別に同社は航空機やバス向けのエンターテイメントシステム、あるいは車両の運行管理システムなども既にソリューションとして提供しており、こうしたソリューションの経験が生かされた形になっている(Photo10)。今回はJapan Taxiとの協業で、これを生かす事ができたとした(Photo11)。次に、そのAMOS-825の特徴をVIA Technology JapanのCody世羅氏(Photo12)が簡単に説明された。今回のシステムは、JapanTaxiの提供するIP配車システムとカーナビ、更にメーターやサイン、プリンタ/決済機などをまとめて接続できるだけの性能を、車載環境で利用できる様にしたものである(Photo13)。システムはPhoto14の様に必要なI/Fを全て搭載したファンレス構造である。ちなみにプロセッサはNXPのi.MX6Quad(1GHz)で、メモリは1GB、Storageは16GB(eMMC)が搭載されている。またGPSとWi-Fi/BTが利用可能で、将来は3G/LTEも搭載する事を考えているとの事。周辺機器(プリンタやサインなど)はUSB接続の形となっている(Photo14)。USBポートが全てロック可能、というあたりは振動の多い車載向けを考慮したとの事だった。●音声認識も統合予定これに続き、JapanTaxiの山本智也氏(Photo15)より、JapanTaxi側の開発意図が説明された。同社の親会社はタクシー会社の日本交通(株)であるが、この日本交通の子会社として情報部門に携わっているのがJapanTaxiである。同社が開発した有名なアプリが「全国タクシー」である(Photo17)。さてこのJapanTaxiは単にアプリを作るだけでなく、タクシーの車載システムの開発も行っている。というか、こうしたものを自社で作ろう、というのがどうもJapanTaxiの設立の動機だったようだ(Photo18)。ご覧の通り様々な周辺機器やシステムが、これまでは個別に設置されて動作していたらしいのだが、これを統合しよう、ということでAIOS(All-In-One System)の開発を手がけたのだとする。先の記事にもある通り、全国タクシーそのものはWindows Azure上で動作しているので、タクシー側はクライアントとして様々なデータをAzureに送り出すと共に、Azureからのデータ(配車指示など)を表示する機能が必要になる(Photo19)わけだが、これを実行するのがAMOS-825という形だ。ではそもそも何でAIOSを作ろうと思ったかというと、以前のタクシーの中身はこんな具合(Photo20)になっており、そもそも操作の統一性が無いとか、見た目にも汚いとか、色々問題が多かったとの事。またそれぞれの機器は別々のメーカーがそれぞれ設置してゆくだけで、コスト面でも高くついており、それであれば自分達で作れば、最悪金額が同じでもノウハウが貯まるのでやろう、という決断だったそうだ。実際には全部のシステムをまとめて、という訳でなく順次機能を追加する形になっており、タクシーメーターの統合までが現在完了、次は音声認識だそうである(Photo21)。続いて同じくJapan Taxiの青木亮祐氏(Photo22)より、もう少し突っ込んだお話が聞けた。そもそも同社は全国タクシーと連動する形で、IP配車システムをAndroidをベースに開発した。操作性を考えるとAndroid Tabletになるのはまぁ当然で、当初はAIOSをTabletをベースに構築するつもりだったそうだ。ところが夏場になると、Tabletが熱暴走してしまうという問題がでたそうだ。そもそもコンソールパネルそばだからただでさえ夏場は暑い上、アプリケーションをフルに動かすからCPUの発熱も凄い。結果、夏場になると勝手に落ちる(Thermal Shutdownを発生する)とかいうことになり、これを何とかしないとまずいという話になった。そこで青木氏は色々なメーカーのTabletをあたったものの、やはり構造的にTabletでは無理があるという話になった。VIA TechnologiesもViega Tabletという産業向けTabletを提供しているが、これでも無理だったそうだ。ついでに言えば、AIOSを全部載せるには、性能的にも既存のTabletだとちょっと性能不足な面があったらしいが、性能を上げると更に発熱が増えるので、これ以上上げられないという問題もあった。ところがVIA TechnologiesはViegaの代わりにセパレート方式での提案をJapanTaxiに行い(唯一VIA Technologiesだけがセパレート式の提案をしてきたそうだ)、これを検討したところ良さそうだという結論が出て、そこから僅か半年でシステムが完成したのだという。当初はAMOS-820ベースでの提案だったが、これでは処理性能が足りないということでDual CoreからQuad Coreに切り替えたことで処理性能も要求を満たしたし、液晶部はプロセッサなどを搭載しないので最大70℃までの温度範囲をカバーできる様になった事で、夏場の問題の解決の目処も立った。また、細かいところでも同社のサポートには非常に満足だったという。当初使っていたTabletはAndroidそのままなので、ステータスバーをスクロールダウンしてカスタマイズしたり、ナビゲーションバーでタスクを切り替えたりホームに戻したり、なんて事が可能であり、実際そうした事をしたあげくIP配車アプリを消したり、自分のアプリケーションを登録したりなんて使われ方をした場合もあったそうだ。そこでステータスバーには輝度調整しか乗せない(しかも調整範囲も絞り込む)とか、ナビゲーションバーを無効にするなどの対応をVIA Technologiesの方で行ってくれたとの事。あるいはフォントを(デフォルトの中華フォントから)JapanTaxiが指定した独自フォントに差し替える作業も1日で済んだそうで、こうしたカスタマイズのきめ細やかさや反応の速さに非常に感謝しているとの事だった。
2016年03月16日インテル セキュリティは11日、日本市場における事業戦略説明会を記者向けに開催した。2011年にインテルがマカフィーを買収してのち、マカフィーはインテルのセキュリティ事業部としてブランド統一が進められきた。登壇したマカフィー代表取締役社長のジャン・クロード・ブロイド氏は、同事業部の目標を、コンシューマ向けには「人々、家族のデジタルライフを保護する」、法人向けには「ユーザーのNo.1セキュリティパートナーとなる」と紹介。ビジネス市場では、対象端末の複雑化、検知と復旧にかかる時間的な制約、人材不足といった必要なリソースの制約が課題とし、これらを「脅威対策のライフサイクル」で対処することが重要だと、日本での事業戦略の概要を説明した。○サイバー脅威を「共有」「自動化」で対処「脅威対策のライフサイクル」とは、同社が2015年11月に提唱した、サイバー脅威をシステムで捉えた企業向け事業戦略。サイバー脅威に対し、防御、検知、復旧、適用の4つを、適切な方法で継続的に運用していく。マカフィー常務執行役員 法人営業本部 本部長の田井祥雅氏は、大手企業における情報搾取や不正侵入被害といった国内外のセキュリティ事件を例に挙げ、「なぜセキュリティ事件は引き続き発生するのか。サイバー犯罪は組織的、巧妙になっており、企業の自主対策では対応できなくなっている」と事件が起こってしまう背景を解説。この状況のなかで、2015年12月28日に経済産業省がサイバー攻撃から企業を守る観点で策定した「サイバーセキュリティ経営ガイドライン」が出されるに至ったと、企業独自で脅威に対応する難しさを説明した。「サイバーセキュリティ経営ガイドライン」では、経営者が認識する必要がある3原則、経営者がセキュリティ対策を実施する上でセキュリティ責任者に指示すべき10項目が記されている。これをまとめると、大きく2つのメッセージがあるという。ひとつは、「経営リスクとしてサイバー攻撃を捉え、対策を継続していく」こと。もうひとつは、「サイバー被害は起きてしまうもので、起きた後にどう対応するか」ということだ。これは、防御だけでなく、検知、復旧を合わせた「脅威対策のライフサイクル」に通じる脅威対策でもあるとする。従来は防御重視だったセキュリティ対策だが、防御できなかった場合は脅威を認識できず、被害が広がる恐れがある。「ハッカーは既存の防御策をどう破れば侵入できるかわかっている」(田井氏)。時間が経つほど被害が拡大するため、どの部分にどのような脅威があるか、素早く正確に検知する必要がある。しかし、脅威を検知するだけでは、継続的な対策は不十分だという。複数のベンダー製品を使っている場合は横断的な情報確認ができない(製品間の壁)ほか、脅威情報が部署間でうまく共有されず、例えば法務部で見つかった脅威と同じような症状の端末が広報部で見つかり、端末の動作を停止させるといった効果的な運用ができない(組織間の壁)、パッチ対策や回復処理などを適切に行えない(運用の壁)といった要因があり、被害が深刻化してしまう。同社が提案する継続対策のキーポイントは、脅威情報を組織・製品間で共有すること、検知した脅威情報をもとに自動的に対処することの2点。同社は150以上のパートナーと協業し、脅威情報の共有やセキュリティ機能を連携させる取り組み(パートナーエコシステム)を推進していく。○個人向けセキュリティはクラウドを軸に対策マカフィー取締役 専務執行役員 コンシューマ事業統括の田中辰夫氏は、コンシューマ事業のビジョンを説明。同社はコンシューマ向けセキュリティ製品として、「マカフィー リブセーフ」などマカフィーブランドのセキュリティソフトウェアを発表している。2014年までは、「マカフィー リブセーフ」でデバイスのセキュリティ対策を行ってきたが、2016年以降は個人情報の保護やプライバシー保護、ホームセキュリティやウェアラブル機器まで、セキュリティ対策の範囲を広げる。オンラインバンキングやSNS、アプリストアなどに加え、上記のホームセキュリティやウェアラブル機器に対しても、クラウドを軸にしたセキュリティサービスを展開していく想定だ。
2016年03月11日平素よりウーマンエキサイトのアプリ「女子トピ」をご覧いただき、誠にありがとうございます。2016年4月4日に行われる、「ウーマンエキサイト」リニューアルに伴い、「女子トピ」についても同日一部カテゴリの新設と改編、終了を致します。改編(iOS/Android)・「子育て」カテゴリ新設・ファッション、デジタル、芸能、ライフスタイル、おでかけ:「くらし」カテゴリへ統合・グルメ:「フード」へ名称変更終了(iOS)夜オンナ、小説、まとめカテゴリのアプリ内配信が終了致します。今後は、サイト内にてコンテンツをお楽しみください。 ・夜オンナ(21時〜6時59分限定公開) ・まとめ 今後ともみなさまに楽しんでいただけるコンテンツを提供できるよう努めてまいりますので、変わらぬご愛顧を賜りますようお願い申し上げます。女子トピとは女性が気になる情報を一気にチェックできる、ウーマンエキサイトが提供する女性のためのニュースアプリ「女子トピ」。大人のデートスポットや30代女性による恋愛のリアル、センスが光るモノ・コトなどを掲載。視点をほんの少し変えるだけで、世界が広がり、シアワセの感度があがるアプリです。 ・iOSはこちら ・Androidはこちら
2016年03月10日●「著作権侵害」は身近に起こりうるアドビ システムズは3日、最新のAdobe Stockに関するサービスに関する記者説明会を開催した。同社のストックフォトサービス「Adobe Stock」の最新アップデート内容やデモンストレーション、「ストックフォト」サービス全般についての紹介のほか、弁理士・栗原潔氏(テックバイザージェイピー)による「素材写真利用における著作権法上の留意点」についての講演が行われた。ここでは、会場での様子をレポートする。○「著作権侵害」は身近に起こりうる説明会の冒頭に行われたのは、ITや知財関連に詳しい弁理士・栗原潔氏(テックバイザージェイピー取締役)による「素材写真利用における著作権法上の留意点」と題された講演だ。栗原氏は「著作権法」について「SNSなどに写真などを掲載する場合など日常生活においても身近な存在でありながら、その中身は非常に複雑でかつ罰則も厳しいものだ」と述べた。著作権侵害をすると、差し止めや損害賠償、刑事罰を受けることになり、損害賠償は著作権法独自の損害推定規定により高額になるケースがあるという。刑事罰についても、10年以下の懲役または1000万円以下の罰金(あるいはその両方)が課せられるという重い罪となるので(法人の場合は3億円以下の罰金)、決して軽く考えてはいけないとのことだ。その一方で、著作者に許諾を得ずに使用できるケースもあり、日本の場合は「著作権法に規定されているかどうか」がポイントとなる。とても明確であるが、世の中の変化に追随しにくいのが問題だ。一方、アメリカの場合は「公正な利用(フェアユース)」であるかどうかで判断され、グレーゾーンの場合は裁判で争われるということだ。また、「写真」が著作物であるかどうかについて、「著作権法では写真を著作物のひとつとして例示されている」と述べた。素人のスナップ写真やブツ撮り写真であっても、裁判では著作物とされるケースがほとんどだという。なぜなら、構図や照明などの決定、シャッターのタイミング等に撮影者の個性が発揮されるためだ。ただし、すべての写真が著作物というわけではなく、機械的に複写しただけの写真(例えば、防犯カメラの映像や自動撮影の証明写真など)は基本的に著作物にはあたらないとのことだ。一方、著作物である写真を自由に使えるケースとして、「私的使用目的複製」(個人的や家庭内など限られた範囲内での使う場合には使用者自身が複製可能)、「引用」(報道や批評、研究などの正当な範囲)、「検討の過程」(ライセンス検討の過程において必要と認められる限度においての利用)、「報道目的」(時事の事件を報道する場合)の4つを挙げた。写真の著作権侵害が問題となった事例として、昨年の「五輪エンブレム事件」でのコンペ資料において海外ブログの写真の無断利用が発覚し、結果的に佐野研二郎氏サイドに対する信用が失墜させ、それが五輪エンブレム採用の取り消しにつながったことを挙げた。「社内限定使用の資料だった」という言い訳が通じるかという問題については、この場合は業務上の複製であるため、「私的使用目的複製」ではないとするのが多数派だという。栗原氏は「社内のみの利用において著作物利用の許諾を取るケースが一般的であるかどうかは別として、法律的には違法」と述べた。また、ふたつめの事例として、某ストックフォト販売会社が著作権を有するWeb素材を許諾なしで利用していた法律事務所を提訴した事件を紹介。このケースでは著作権侵害による差し止めに加えて、損害賠償請求についても認められたという。法律事務所側の「無料素材としてアップされていたので許諾は不要と思っていた」という言い訳が認められず、「ある程度の経験を持つWeb制作者であれば、利用する素材が著作権許諾を得たものであるかどうかの一定の注意義務を負うべき」との判断が下されたということだ。これらのことから、権利処理を行っていない素材写真の利用はリスクが高く、たとえ社内限定であっても違法性が高いことや、これまで問題とされなかったので大丈夫だろうという安易な発想は危険だと述べた。さらに、素性の怪しい"無料サイト"の利用について、その危険性を注意喚起したのに加え、Web上の個人の写真を使う際は撮影者に了解を得るだけでなく、写真の著作権者が本当にその人物であるかの注意義務は果たす必要があると語った。結論として、「ストックフォトサービスの活用を積極的に推進すべき」と語り、講義を締めくくった。●そもそも、ストックフォトとは?○ストックフォトは、「画像」そのものでなく「使用する権利」を購入次に、アドビ システムズの青野薫子氏が登壇し、「ストックフォト」サービス全体についての紹介となった。ストックフォトには、手頃な価格で価格交渉も容易な「マイクロストック」(ロイヤリティフリー)と、価格は高いが独占契約も可能な「マクロストック」(ライツマネージ)の2種類があることや、「画像を買うのではなく使用する権利(ライセンス)を買うものである」という説明がなされた。「ロイヤリティフリー」は、使用期間や地域の制限がなく、デザインとしての使用が可能(著作権は制作者にあるため、ロゴやトレードマークとしては使用不可)なライセンス形態のことで、「通常ライセンス」と「拡張ライセンス」の2種類あると紹介された。「通常ライセンス」は、マーケティング用、広告用、販促用、プレゼンテーション用といった商用利用が可能で、印刷部数(コンテンツを印刷または表示できる回数)が50万部以下に制限されるという。一方の「拡張ライセンス」では、50万部以上の印刷・表示が可能(テレビ放送や映画で使用された画像の視聴者数にも適用される)で、その画像をマグカップやTシャツなどに印刷した商品販売などの利用も可能とのことだ。ちなみに、「人物写真」に関しては「性風俗関係」や「タバコ広告」、「政治色の強いもの」、「モデルが誤解を招くもの」などの用途では使用できないということだ(Adobe Stockで販売されている写真の場合)。○Adobe Stockが3つの進化- 検索性の向上と4K動画、拡張ライセンスの販売続いて、アドビ システムズの栃谷宗央氏が登壇し、同社のストックフォトサービス「Adobe Stock」についての紹介となった。同サービスは昨年6月に登場して以来、さらに進化し、昨年11月の時点で4,500万点のロイヤリティフリー素材を提供しているという(昨年6月は「4,000万点」とされていた)。また、Photoshop CCやIllustrator CCなど、アドビの主要アプリと密接に連携した唯一のストックフォトサービスであることにも言及。Creative Cloudデスクトップアプリ内で直接Adobe Stockの画像を検索、試用、購入できるのと同時に、同社のモバイル用アプリとも連携することや、組織・企業内で画像を共有できる点についてアピールした。さらにエンタープライズ向けとして、企業内でライセンス画像管理をスマート行える機能や独自のAdobe IDを作らなくても企業のドメインを使ってCreative Cloudを活用できる「シングルサインオン」にも対応している点についてもポイントであると語った。また、ここ最近のアップデートにより「検索性の向上」、「4Kビデオ素材の提供」、「拡張ライセンスの提供」という3つの新機能およびサービスが追加されたことが紹介された。「検索性の向上」は、写真を探す際に、Webブラウザ上で検索条件を絞り込める「検索設定」メニューが追加されたことを指す。これにより、より短時間で精度の高い素材検索が可能になったとしている。絞り込み条件には、画像の方向(縦長、横長、正方形、パノラマ)、セーフサーチ、人物が含まれているかどうか、カラーの指定、カテゴリを指定することが可能だ。また、「4Kビデオ素材の提供」は、2月5日より開始された高精細な4Kビデオ素材の販売についてだ。これにより、企業内での利用やビデオ、CM、テレビ番組、Webサイトでの商用利用するためのビデオクリップとして活用できるようになった。ちなみに、4Kビデオ素材は1点につき2万4,980円にて販売されている。「拡張ライセンスの提供」は、2月22日より、写真、ベクトル画像、イラストについて、前述した「拡張ライセンス」の販売がスタートした件だ。拡張ライセンスを購入すると、通常ライセンスと同等の権利のほかに、50万回以上のコンテンツの印刷・表示に対応するほか、素材を使用し販売・配布を目的とした製品やサービスを制作することが可能となる。拡張ライセンスの販売価格はコンテンツ1点につき7,980円となっている。○デスクトップアプリやモバイルアプリとの連携の良さを披露最後に、同社のCreative Cloudエバンジェリスト・仲尾毅氏が登壇し、Adobe Stockとアドビ製アプリとの連携についてのデモンストレーションへと移った。Adobe StockのWebサイト上で写真をキーワード検索したのち、新たに追加された「検索設定」オプションから「カラー」で特定の色を指定すると、その色を基調とした画像がリストアップされる様子が披露された。また、ライセンス購入時に「拡張ライセンス」を選択できるようになっていることや、ビデオ素材の検索結果に「4Kビデオ」が含まれること、HDと4Kの両方が用意されているビデオ素材ではどちらをかを購入するかを選択できることについても触れた。続いて、いくつかのプレビュー画像をCreative Cloudライブラリに保存したのち、アプリケーションからのAdobe Stockの連携方法が紹介された。「ライブラリ」パネルに並ぶプレビュー画像はCreative Cloudライブラリに保存されているものが読み込まれており、ほかのデバイスからアクセスした場合にも同じプレビュー画像が表示されるということ、さらに「共同利用」も可能であることなどが紹介され、アプリのライブラリパネル内からも、Adobe Stockの素材を検索できる様子などが披露された。さらに、iOS用モバイルアプリ「Creative Cloud」からAdobe Stockの画像を検索、ダウンロードできることや、iOS用アプリ「Adobe Comp CC」上からCreative Cloudライブラリ上の画像を読み込んで配置して作成したカンプを、「Creative Sync」によってデスクトップ版「Illustrator CC」上で開ける様子などを披露。Adobe Stockとデスクトップアプリ、あるいはモバイルアプリとの連携がより強化されたことを強調した。○Creative Cloudの契約をやめても購入素材は使用可能最後に再び栃谷氏が登壇し、Adobe Stockの製品ラインナップと価格について紹介された。まず栃谷氏がよく質問されるという「Creative Cloudのサブスクリプションを解約した場合、Adobe Stockで購入した画像はどうなるのか?」という件に対しての回答として、「Adobe Stockの場合はあくまでもライセンスを購入するものなので、Creative Cloudを解約した場合でもダウンロードした画像は永続的に使用できます」と説明した。Adobe Stockのライセンス価格は、単品購入の場合は1枚 1,180円だが、Adobe Creative Cloudのメンバー(すべてのプランが対象)なら、10点の画像を3,480円/月(年間プラン、月々払い)で購入できる定額制プランを利用できる。同プランでは、11枚目からは1枚当たり348円で追加購入可能。(Creative Cloudの非メンバーは5,980円/月、追加画像は598円/枚)。ちなみに、同プランでは使用枚数が10枚に満たなかった場合、最大120枚まで繰り越せる。このほかにも、大量の素材を扱うユーザー向けに、750点の画像を2万4,980円/月(年間プラン、月々払い)、もしくは2万9,980円(月々プラン)で利用できるプランも用意されている。また、新たに提供を開始した「拡張ライセンス」は7,980円/点、単品HDビデオは7,980円/点、単品4Kビデオは2万4,980円/点となっている。なお、アドビ システムズは現在、Adobe Stockが1ヶ月分無料になるキャンペーンを実施している。Creative Cloud 個人版ユーザー向けには、Adobe Stock(年間プラン)を購入すると1ヶ月分(画像10点)が無料(購入後にAdobe Stockの初月料金の3,480円が自動返金)、Creative Cloud グループ版ユーザー向けには、10点画像が無料で利用可能な「Adobe Stockお試しキャンペーン」を実施しているということだ。
2016年03月04日チェック・ポイント・ソフトウェア・テクノロジーズは2月25日、2016年の事業戦略説明会を開催するとともに、統合セキュリティ・アプライアンスの新製品を発表した。初めに、昨年9月に代表取締役社長に就任したピーター・ハレット氏が2016年の事業戦略について説明を行った。ピーター氏は冒頭、「われわれはファイアウォールを作ったベンダーというイメージが強いが、今年は統合セキュリティ・ベンダーとしてのイメージを打ち出しいく」と語った。実際、同社は統合セキュリティ・アプライアンスに加え、脅威対策に特化した専用アプライアンス「Threat Prevention Appliance」、エンドポイント・セキュリティ製品、モバイル・セキュリティ管理製品「Check Point Capsule」、サンドボックス「SandBlast」、世界中にあるゲートウェイやセンサーから収集した情報をもとにゲートウェイに脅威情報を配信するクラウドサービス「ThreatCloud」などを提供している。また、一歩先を行くセキュリティ対策を提供していきたいという。「一歩先」とは、脅威を検知するだけでなくブロックすることを意味する。そこで、同社はセキュリティ・アプライアンスにおいてさまざまな脅威をブロックするために必要な機能をすべて提供する。というのも、セキュリティ・アプライアンスでは、複数の機能を提供するとパフォーマンスが落ちるため、機能を絞るといった運用をするケースがある。こうした状況を踏まえ、同社はあらゆるセキュリティ機能を提供するため、アプライアンスの性能を強化する。さらにピーター氏は、HeartbleedやShellchoskなど、これまで発見されている深刻な脆弱性への対応のスピードについて、競合であるパロアルトネットワークスとフォーティネットとの比較を示し、同社の対応が早いことをアピールした。ピーター氏は日本市場における注力分野として、「ゼロデイ攻撃対策」「モビリティ」「社会インフラストラクチャとIoT」を挙げた。オリンピックが開催される2020年にかけて、日本では電力、地下鉄といった社会インフラがサイバー攻撃を受けることが予想されるという。新製品については、 システム・エンジニアリング本部 シニア・セキュリティ・エバンジェリストの卯城大士氏から説明が行われた。同日発表されたのは、Check Pointアプライアンスの15000シリーズと23000シリーズだ。主に、15000シリーズは大規模企業、23000シリーズはデータセンターをターゲットとしている。卯城氏は、次世代のセキュリティにおける課題として「先進の脅威に対応するにはさらにパワーが必要であること」「HTTPS通信とマルウェアの増加」「データ速度とデータ量の増加」を挙げた。Googleの調査によると、Webブラウザによるアクセスの38%以上は暗号化されたHTTPSで行われており、セキュリティ対策製品において暗号化通信を迅速に検査することが求められているが難しいという。こうした状況を逆手にとり、攻撃のトラフィックの暗号化が進んでいるそうだ。こうした課題の解決策として、同社は15000/23000シリーズを提供する。まず、両シリーズはファイアウォール、侵入防御システム(IPS)、アンチボット、アンチウイルス、アプリケーション制御、URLフィルタリング、Check Point SandBlastのサンドボックス技術を提供する。そして、両シリーズはこれらすべての機能を提供できる十分な性能を持っているという。プラットフォームにおいては、将来の拡張を見据え、冗長性(HDD、電源、ファン、BIOS)、柔軟なネットワーク接続(カッパーおよびファイバー)、保守運用性、40Gの拡張カードなどが採用されている。15000/23000シリーズは、ファイアウォール、侵入防御システム(IPS)、アンチボット、アンチウイルス、アプリケーション制御、URLフィルタリングが利用可能な「NGTPモデル」、NGTPの機能に加えてサンドボックスとファイルの無害化機能が利用可能な「NGTXモデル」の2種類が用意されている。15000シリーズには15400と15600、23000シリーズには23500と23800のそれぞれ2つのモデルがあり、価格は15000シリーズが744万円から、23000シリーズが1733万円となっている(いずれも税別)。
2016年02月26日BS11は24日、東京・御茶ノ水の同局本社で行われた4月改編発表会を行い、平日のプライム帯(19時~23時)で改編率97.6%という大改編を実施することを明らかにした。土日を合わせても70%という改編率で、小野寺徹常務は「ある種クレイジー」と紹介。現在放送中の全てを白紙から見直し、時間帯別にターゲットと戦略を定めた結果、このような大幅改編になったと理由を説明した。この中でも目玉となる番組が、平日22時台に編成する『報道ライブ(仮)』(4月4日スタート、毎週月~金曜22:00~22:54)。これまで21時台に編成してきた報道番組を1時間繰り下げ、同時間帯に放送されている、テレビ朝日『報道ステーション』、BS日テレ『深層NEWS』に真っ向勝負を挑む。月~木曜のMCを務めるのは、俳優の別所哲也。月・火曜は元テレビ東京アナウンサーの八塩圭子、水・木曜は元札幌テレビアナウンサーで日テレNEWS24のキャスターを務めていた中島静佳とタッグを組む。金曜のMCは、日本総合研究所理事長の寺島実郎氏が担当。裏番組との対抗軸として、ゲストを迎えて新たな視点を提示していく番組を目指すとしている。同会には別所と中島が登場。報道番組のMCはたっての希望だったという別所は「1つ1つのニュースの中でも、特に私自身が生活者の目線で気になることを、ちょっと深く掘り下げられる番組に」、一時の母である中島は「ママ目線というのをすごく大切にしながら、報道に関わっていきたいと思っています」と、視聴者と同じ目線でニュースを伝えていくことを強調した。このほかにも、19時台では『大都会』などの大作ドラマを1タイトル2夜連続で放送するという新たな編成を実施。20時台はメインの時間帯と捉え、『中畑清 熱血!スポーツ応援団』など自社制作の新番組を3本投入。21時台も『尾上松也の古地図で謎解き! にっぽん探究』など自社制作番組をそろえ、報道が終わった23時台は新たなコンテンツのチャレンジ枠として、『関根勤 KADENの深い夜』などを編成する。内田克幸取締役マーケティング局長は「局全体としても、BS11が面白そうなテレビ局だと思っていただける変化を、今日この場だけでも感じていただけたのではないかと思います」と、4月編成のラインナップに胸を張った。○BS11 4月改編の主な新番組・ドラマ『大都会』(4月5日スタート、毎週火・水曜19:00~)・韓流時代劇『王の女』(4月7日スタート、毎週木・金曜19:00~)・『あのスターにもう一度逢いたい』(4月5日スタート、毎週火曜20:00~)・『人情ふれあい いいなぁ日本』(4月6日スタート、毎週水曜20:00~)・『中畑清 熱血!スポーツ応援団』(4月8日スタート、毎週金曜20:00~)・『尾上松也の古地図で謎解き! にっぽん探究』(4月5日から毎週火曜21:00~)※枠移動・『ふらり旅 いい酒いい肴』(4月6日から毎週水曜21:00~)※枠移動・『京都・国宝浪漫』(4月7日から毎週木曜21:00~)※枠移動・海外ドラマ『プリズン・ブレイク シーズン1』(4月8日スタート、毎週金曜21:00~)・『報道ライブ(仮)』(4月4日スタート、毎週月~金曜22:00~)・『関根勤 KADENの深い夜』(4月7日スタート、毎週木曜23:00~)・『柳家喬太郎のイレブン寄席』(4月11日スタート、第2・3月曜23:00~)
2016年02月24日アドビシ ステムズは2月15日、2016年度の事業戦略説明会を開催。「Adobe Creative Cloud」、「Adobe Document Cloud」、「Adobe Marketing Cloud」という同社の事業の中核である3つのクラウドプラットフォームに対する2016年度の国内施策を発表した。アドビ システムズ 代表取締役社長 佐分利ユージン氏は、冒頭、同社を取り巻く市場環境に触れ、「最近は消費者のデジタルへの期待も高まり、企業が扱うデータ量は爆発的に増えている。それにより、企業と顧客とのタッチポイントが増えており、ビジネスチャンスも拡大している。また、腕時計、カメラの市場の変化のほか、ウーバーのような新しいビジネスモデルも登場している。そのため、企業のデジタルの対応が重要になっており、優れた顧客体験が勝敗を分けている」と述べた。そして同氏は、優れた顧客体験には、「魅力的なコンテンツ」、「パーソナル(顧客のパーソナライズして情報を提供)」、「利便性」、「あらゆる場所で提供(モバイル)」の4つの要素が重要だとした。アドビでは優れた顧客体験に向け、すべてのタッチポントで価値をつくる「コンテンツ」と、伝えるべき人に伝えるべき情報を、伝えるべきタイミングで提供する「データ」を差別化の要因にしていくという。○3つのクラウドに向けた戦略同社の事業の中心は「Adobe Creative Cloud」、「Adobe Document Cloud」、「Adobe Marketing Cloud」の3つのクラウドプラットフォームだが、佐分利氏はこれらのクラウドが有機的に連携している点が同社の強みだ強調。これらの3つのクラウドを中心とするグローバルでの昨年の売上は対前年比16%増の48億ドルで、これは過去最高の実績だという。このうち、「Adobe Creative Cloud」(以下、Creative Cloud)が26億ドル、「Adobe Document Cloud」(以下、Document Cloud)が3億9700万ドル、「Adobe Marketing Cloud」以下、(Marketing Cloud)が15億900万ドルを占めるという。Creative Cloudではモバイルアプリの強化、著作権フリーの写真を提供するAdobe Stockの提供開始、有料サブスクリプションへの移行が加速した点が昨年の主なトピックで、佐分利氏によれば、新規にCreative Cloudを利用する顧客の半数はモバイル経由の利用だという。Marketing Cloudでは、昨年は製品のポートフォリオの拡充、大手企業の採用により、過去最高の売上を達成。昨年3月に発表したDocument Cloudでは、デジタルサービスの拡販やパートナーエコシステムの拡大を行ったという。そして、同氏は2016年度の日本市場向けた施策を発表。Creative Cloudでは、これまでの写真・イラスト素材に加え、ビデオ素材を新たに提供。また、学生やセミプロ向けのコミュニティ活動を行い、新規ユーザーの獲得を積極的に行うほか、エンタープライズ向けには技術支援を行い、新しい使い方の提案を行うという。Marketing Cloudについては、8つのコンポーネントを持つ統合クラウドソリューションという面を差別化要因として訴求。データの解析から実際のプロモーションまでトータルでサポートするという。また、日本法人が持つ開発組織を利用し、日本市場に特化した機能を提供し、企業ニーズに応えていくという。さらに、金融、トラベル、製薬という新たな業界へ訴求するための営業体制を強化するほか、NTTデータや博報堂などの新たなパートナーとの関係を強化していくという。そして、Document Cloudでは、デファクトとなりつつあるAcrobat Readerとワークフローの統合による価値提案、意思決定支援を基本とする経営層への訴求、デジタルサインの販売強化を行うという。
2016年02月16日●関西電力の子会社ケイ・オプティコムケイ・オプティコムは25日、事業戦略説明会を開催し、2016年以降の運営方針を明らかにした。マルチキャリアやMNP即時切り替えといった同社の特徴的なサービスはそのままに、他のMVNOとの差別化を図っていくとする同社の戦略はどのようなものだろうか。○ドコモMVNO開始からユーザー急増中ケイ・オプティコムは関西以外のユーザーにとってあまり馴染みがないかもしれないが、関西電力の100%子会社となる通信会社で、FTTHサービス「eo光ネット」や、携帯電話/スマートフォン向けのMVNOサービス「mineo」を展開している。両サービスとも顧客満足度調査で1位を獲得するなど、高クオリティのサービスを提供中だ。mineoは当時唯一のau回線を利用したMVNOサービスとして、2014年6月に1GB月額980円でサービスを開始し、2015年9月にはドコモ回線を利用したサービスを始めるとともに、パケットギフトや家族割、複数回線割りのほか、この説明会の直前にも10GBプランをスタートするなど、1年半でこまめにサービスの拡充と改善を重ねてきている。ドコモ回線を扱うようになってからはユーザーの増加ペースも急増しており、会員数は約19万人に達している。ユーザー数の増加に合わせてこまめにネットワークの増速やユーザー1人あたりの帯域割り当て増も進めており、これが高いユーザー満足度に繋がっているとした。MVNO市場全体を見ると、MVNOの認知度自体は約75%と高まっているのだが、実際利用を検討するユーザーは16%程度、契約に至るのは10%程度と、検討するまでの間に高いハードルがある。これをもっと具体的に検討する「自分ごと化」させるに至らすためにも、面倒、不安といった心理的ハードルを解消することが必要と分析した。また、現MVNOユーザーは携帯リテラシーの高い層であり、これからターゲットとして広めていかねばならないマジョリティ層の攻略ポイントとして知名度の高さが必要であり、広告やキャンペーン、店舗出店などで露出を高めていく必要を挙げていた。しかし、こうした露出アップにはMNOであるメガキャリア並みの広告展開など、体力勝負になる可能性が高い。こうしたなかで多くの中から選ばれるMVNOとしての特徴を出していくことが重要だとまとめた。●ユニークなコミュニティサービス「マイネ王」○コミュニティを中心としたMVNOへこうしたなか、mineoに特徴的なサービスとして、スタッフとユーザーのコミュニケーションサイトである「マイネ王」を紹介。ちょうど1年前にスタートしたサイトだが、ユーザー同士の率直な意見交換や、iPhone対応のAPNプロファイルテスト時にスタッフとユーザーが情報交換しあう場となるなど、建設的な方向で利用が進んでおり、mineoのさまざまなサービスや改善もユーザーの声から実現していると説明した。また、マイネ王のサービスとして、ユーザー同士が余剰パケットを共通の枠に貯蓄して、不足してきたら1GBを利用できる「フリータンク」や、「いいね」代わりに10MBのパケットを進呈する「チップ」といったサービスも紹介。これらが予想以上の好評を得ていることも明らかにした。mineoは、総務省のMVNO規制緩和第2弾などを受け、MVNOに求められる資質について、メガキャリアではできない新たな試みで世の中を便利で楽しく、面白くしていくことと定義。その実現に向けて、こうしたコミュニティの力を中心に、キャリアとユーザーがともに育てていくことがmineoのスタイルであり、それを「Fun with Fans!」というキャッチフレーズに表した。***MVNO各社は、従来の、サービスのクオリティや価格の安さといった評価軸だけでは価格競争による潰し合いになることから、新たな評価軸を設定してみせることが急務だが、mineoではそれを「楽しさ」という価値に見出してきている。いかにも関西系のサービスらしいフレーズだが、同時に楽しさを伝えることの難しさも抱えたことになる。mineoはサービス品質の高さに加え、「フリータンク」などの試みもユニークなだけに、もっと認知されてしかるべきサービスというのが筆者の認識だ。ユーザーと共にサービスを育てるという、いまどき珍しいコンセプトを掲げてくれた男気に免じて、Fun with Fans!のコンセプトが浸透することを祈りたい。
2016年01月26日アマゾン ウェブ サービス ジャパン(以下、AWS)は1月22日、2016年のパートナー戦略に関する説明会を開催した。初めに、同社のパートナーアライアンス本部 本部長を務める今野芳弘氏が説明を行った。今野氏は、パートナーとのアライアンスの目的が「顧客をNew Normalに導く」こととしたうえで、2016年は「基本拡大路線」と「New Normalに導く近道」の2点を柱に、パートナービジネスを展開していくと述べた。「この戦略は、新たな成長軸を得たり、ビジネスの拡大・イノベーション・グローバル化を実現したり、競合との差別化を図ったりと、顧客とパートナーの双方の課題解決に導く」(今野氏)New Normalとは、「規定概念を越えたIT活用、新たな付加価値提供、想定外の新世界標準、新たなテクノロジーと応用が行われている状態。単なるサーバの置き換えではなく、クラウドが常識である状態」を指すという。「基本拡大路線」においては、パートナーの経験と能力向上、選択肢の増加を目指すため、「AWSパートナーネットワーク(APN)のパートナー数、チャネルリセラーパートナーの拡大」「エンタープライズシステム構築・運用のための能力向上」「パートナーコミュニティの活性化」「コンピテンシープログラムの充実」「ソリューションの無料お試しサイトの推進」に取り組んでいく。例えば、パートナー数の拡大に向けては、新規パートナーを獲得・育成する組織を強化する。「これまでは質の確保を重視していたが、昨年から数の拡大にも注力している」と今野氏。また、エンタープライズシステム関連については、「ファンディング額の増大」「AWSトレーニングの強化」「プロフェッショナル認定資格取得者を増強」といった策を行っている。パートナーコミュニティとしては現在、「金融機関向けAWS対応セキュリティリファレンス」「医薬業界向けリファレンス」が立ち上がっているという。一方、「New Normalへ近道」としては、「AWSマネージドサービスの活用能力拡大(Auroraを含むデータベース領域)」「SaaSパートナーの拡大」「IoTエコシステムの拡大」に取り組んでいく。今野氏は、AWSのサービスのうち、特に推したいサービスとして「Amazon RDS for Aurora」を挙げた。Auroraは同社がクラウドのために開発したマネージド型リレーショナルデータベース。今年12月に、国内の「Aurora Readyパートナープログラム」の発足が発表されている。発表会には、APNのパートナーであるウイングアーク1st、ワークスアプリケーションズ、TIS、サーバーワークスの担当者も登壇し、APNパートナーとしての取り組みやメリットについて述べた。ウイングアーク1st 取締役 CTO 開発本部 本部長の田中潤氏は、「アプリケーションベンダーのわれわれにとって、プラットフォームの構築は強みにならない。われわれの強みはアプリケーションであり、独自のアプリケーションを提供することに集中したいので、AWSを利用することにした」と、AWS採用の理由を説明した。今後は、帳票クラウドサービス「SVF Cloud」においてマルチリージョンクラスタを採用し、1つのデータセンターに障害が発生しても、サービスの利用が継続する仕組みを提供するという。ワークスアプリケーションズ BPO Div. シニアゼネラルマネジャーの荒川 康彦氏は、「AWSのすごさは、インフラをプログラマブルで制御できる点。これにより、ハードウェアもパッケージしたサービスが提供可能となった。アプリケーションベンダーがインフラからアプリケーションサービスまで、ワンストップで問題解決を提供できる」と、AWSの魅力を語った。両社の取り組みとしては、米国シアトルのAWS本社に、同社の顧客100社規模のエグゼクティブを招待して開催したセミナー、製品開発・サービス提供における技術支援が紹介された。荒川氏によると、AWSにサービス改善の要望を出すと迅速に対応がなされ、これまでにAmazon RDS for Oracleのタイムゾーンの拡大や請求処理の前倒しといった改善が行われたという。TIS プラットフォームサービス企画部 副部長の内藤稔氏は、AWSとのパートナーシップ施策の効果として、「プレミアパートナーに認定されたことで、引き合いと協業依頼が増加」「FISCリファレンスの取り組みによって金融機関への新たな認知を獲得」「TestDriveへの取り組みによって、新たな領域におけるリードの創出」「Go to Market/PoC/育成などの各種支援により、案件や制約率が増加し、デリバリ体制が増強」を挙げた。「プレミアパートナーに認定されたことで、お客さまにAWSのソリューションベンダーとしてTISを選ぶ理由ができた」と内藤氏は語った。また、日本で公開されている22個のTest Driveのうち、6個を同社が提供しており、Test Driveを有効活用している様子を見せた。サーバーワークス 大石良氏は、APNへの加入のメリットとして「コネクションの強化」「案件獲得が加速」「PoCファンドの活用」を挙げた。同社はAPNのPoCファンドを活用して、ヤマハ発動機にWorkSpacesへの導入を実現したという。「APNを拡大すると聞くと、競業が増えてビジネスが厳しくなると思われるかもしれないが、われわれは拡大を喜んでいる。なぜなら、競合の増加よりもAWSのマーケットの拡大のほうが速く、パートナー同士でソリューションを補完することで、さらにAWSビジネスの拡大が望めるから」と、APNの拡大がパートナーにとってもメリットをもたらすことをアピールした。
2016年01月25日日本オラクルは1月14日、記者説明会を開催し、医療業界向けの取り組みについて説明した。同社は今後、医療機関向けにクラウドサービスを積極的に提案していくという。常務執行役員 クラウド・テクノロジー事業統括 公共営業統括本部長の白石昌樹氏は、「2011年に発生した東日本大震災を機に医療機関におけるICTに対するニーズが変化した。具体的には、災害対策に対するニーズが高まるとともに、"作るICT"から"使うICT"にシステム担当者の意識が変わった」と、医療機関を取り巻くシステム環境の変化について説明した。あわせて同氏は、医療業界には「IT予算の確保が難しい」「IT担当者が不足している」「データ分析まで手が回らない」「医師・看護師の不足が深刻」といった課題があることを指摘した。こうした医療機関のシステム環境の変化を踏まえつつ、医療業界の課題を解決するため、同社はクラウドサービスの提案を積極的に行っていく。具体的には、クラウドサービス「Oracle Database Cloud Service」「Oracle BI Cloud Service」「Oracle Documents Cloud Service」に加え、「Oracle Cloud Platform for Integration」を活用して、地域包括ケアシステムを実現するクラウドサービスの提案を行っていく。同日、同社は福島県いわき市のときわ会 常磐病院の導入事例を発表しており、発表会では、院長の新村浩明氏が説明を行った。同病院は、電子カルテや医事会計システムのデータを有効活用し、経営分析を高度化するため、データベース「Oracle Database 12c」とエンジニアド・システムである「Oracle Database Appliance」を導入して、グループ共通のプライベート・クラウドを構築した。クラウド上に構築した新情報系システムにより、電子カルテ・医事会計システム・物流システム・透析管理システムのデータが統合され、一元的なデータ検索や統計・分析が可能になった。同病院では今後、人事給与システムおよび財務会計システムのデータも新情報系システムに連携させ、原価計算、管理会計の高度化のために活用していく計画だという。あわせて、院内で扱う文書のバックアップ・共有を目的に、クラウド・ファイル共有サービス「Oracle Documents Cloud Service」を導入。これにより、各種文書ファイルをセキュアに共有し、PCやタブレットなどのモバイル・デバイスにより、どこからでも閲覧することが実現された。新村氏は「東日本大震災が発生し、透析感謝を他の病院に移送しなければならない時、患者情報がすべて紙のカルテにまとめられていたので、患者の情報の収集と提供に遅延が発生した。当時、電子カルテシステムを利用していれば、クラウド化することで、どんな場所からでも患者情報にアクセスできた」と、東日本大震災時から得た教訓を語った。今回のプロジェクトにかかったコストの内訳は、クラウド構築やファイル共有サービスの導入において約3000万円、原価計算をはじめとした今後取り組んでいくシステム導入において約1000万円となっているという。
2016年01月15日ON Semiconductorは12月8日、都内でプレス向けの事業戦略説明会を開催した。同説明会ではコーポレートストラテジ&マーケティング担当副社長であるデイビッド・ソモ氏が同社のグローバル市場と注力市場について語った。○高い成長が見込まれる車載・産業機器・無線通信同社は現在、35億ドルの売上規模(2015年第3四半期の実績に基づく)を有しており、そのうち70%を日本を含むアジア太平洋地域で稼いでいる。また、エンド市場別で見ると車載、産業、通信という3領域での売り上げが7割を占める。アジア太平洋地域で最も大きいマーケットは中国で、ソモ氏は「車載システムが伸びている同国では今後も成長が期待できる」とする。こうしたビジネス状況の中、同社の強みについてソモ氏は「大規模に事業展開・生産しているため、コスト競争力が高い。また、グローバルに製造拠点を有し、サプライチェーンと営業網も兼ね備えているため必要なときに必要な物をニーズに合わせて提供できる」ことだと説明。さらに同氏は「自社拠点で前工程から組み立て、検証まで設備を持っていることに加え、ファウンドリ企業と連携して製造能力を強化することで、柔軟性を持った生産が可能となる」と語り、今後もポートフォリオを増強すべく有機的な成長と買収を組み合わせていくとした。買収といえば、同社は11月にフェアチャイルドセミコンダクター・インターナショナル(フェアチャイルド)を約24億ドルで買収することを発表している。これにより、ON Semiconductorは高・中・低電圧をカバーするポートフォリオを持つことになる。なお、両社の売り上げを合算すると年間で50億ドルになり、メモリ以外の半導体企業としては市場で10位の規模となる。ソモ氏によれば「フェアチャイルドの買収は中国からの反応が良かった」という。今年の半導体業界は売り上げが前年と同程度と予想され、コンピューティング・消費者向け市場では成長が鈍化もしくは下落する一方で、車載・ワイヤレス通信・産業機器では成長が見込まれており、ON Semiconductorもこれらの分野に注力していく。上述の通り、同社の売り上げは車載、産業、通信が7割を占めており、ソモ氏も「これらの業界に対して当社は強いポジションを築いており、車載向け半導体では7位のサプライヤーに入っている。」と自信を見せる。この自信の裏付けとしてソモ氏が示したのが車載システム向けのイメージセンサで、同市場では45%のシェアを誇るという。同社のイメージセンサはメルセデス・ベンツの車両に採用され、夜間の走行中に道路や対向車をスキャンしてヘッドライトの向きなどを自動で調整するシステムを実現している。○IoT時代では製品の提供だけでは不十分また、同氏は巨大な市場規模が見込まれるIoT分野についても言及。「IoTアプリケーションにはセンサ、通信、制御、カバーマネジメントという4つの柱があり、当社はそれらの主要構成要素を全てカバーしている」としたほか、バッテリ不要で温度や圧力を検知できる小型センサ「スマート・パッシブ・センサ(SPS)」といった有望な技術を有していることをアピールした。同時にソモ氏は「IoTの時代では、製品を提供するだけでは不十分。」だと指摘。「顧客の開発期間を短縮できるように、我々はモジュールやレファレンスキット、開発環境なども提供している。成功するには顧客と協力する必要があり、完全なエコシステム・ソリューションを提供していくことが重要となる。そのために必要な投資を行っていく。」と語り、今後も精力的に能力および製品ポートフォリオの拡充を図る姿勢を示した。日本での活動についてはシステム・ソリューションズ・グループ(SSG)のマムーン・ラシード上席副社長兼ゼネラル・マネージャーが登壇。SSGは日本に拠点を置くビジネスグループで、富士通とのジョイントベンチャーである会津富士通ウエハ・ファブでは3種類のプロセス技術を量産化し、追加でさらに3種類のプロセス移管を進めているほか、新潟工場も今後能力を増強するなど、日本での存在感を拡大する活動を継続していくとしている。
2015年12月09日国土交通省は11月17日、羽田空港機能強化方策の具体化に向けた取り組みの進捗を発表。7月から9月にかけて実施した住民への第1フェーズの説明会では、10月15日までに総数約5,900件の意見があり、12月11日からは住民等からの意見を踏まえた第2フェーズの説明会を各地で開催する。羽田空港の機能強化・国際線増便は、2020年の東京オリンピック・パラリンピックを円滑に開催すること以外にも、訪日外国人を呼びこむことで日本全国の経済活性化、首都圏の国際競争力の強化、また、国内線と国際線を結ぶことで地方活性化等を目的にしている。そのための方法として、運用時間を限定して都心上空をゆく新飛行経路を設定すると、1時間当たりの発着回数を現行の80回から90回まで増やすことができるという。深夜・早朝時間帯以外の国際線に関しては、年間約6万回の現状から2020年には年間約9.9万回と、最大で年間約3.9万回(約1.7倍)の発着回数の増加が可能になる計算となる。この新飛行経路は都心上空となるため、国土交通省は説明会を通じて騒音や安全対策も含めた今後の取り組みを説明し、一般から意見を求めてきた。第1フェーズの説明会は7月21日~9月15日にかけて、説明パネルの展示とあわせ担当者が参加者の質問に対して説明するとともに意見をとりまとめる「オープンハウス型」で実施した。東京都・神奈川県・埼玉県の16会場で行い、約6,000人が訪れたという。第1フェーズの説明会で一般から寄せられた約5,900件の意見は、「羽田空港国際線増便の必要性」「実現方策と課題への対応方策(対策や運用方法の工夫等)」「進め方(全体)」の観点から意見数の多寡に関わらず、意見要旨としてホームページ上で公開している。それらの意見の中には、羽田空港の機能強化に期待する声がある一方で、「羽田空港に集中させるよりも、茨城空港や静岡空港など周辺の地方空港を活用してほしい」など羽田空港以外の利用を希望する声や、「機体の大型化を進めれば、新飛行経路を使わなくてもよいのではないか」など新飛行経路に対する疑問も寄せられている。課題への対策として、新飛行経路の運用時間短縮や新飛行経路によって問題視される騒音対策の声も多く、「新飛行経路運用開始後も継続的なモニタリングをして、環境の変化を調査してほしい」などという要望も寄せられていた。また、今後増便される国際線に関しては、海外の航空会社に対する安全基準の設置やテロ対策の強化を求める声もあがっていた。第2フェーズにおいては、第1フェーズ説明会と同様の場を設けるほか、双方向の対話ができる環境も整えるという。また、特設ホームページや特設電話窓口等でも意見を常時受け付けている。第2フェーズ説明は12月11日~2016年1月31日にかけて、土日曜日・祝日も含めた日程で実施する。
2015年11月18日●ThinkPadの開発秘話を披露レノボ・ジャパンは11日、同社の設立10周年の節目を迎えるにあたり、今後の事業戦略に関する記者説明会を開催した。説明会では、同社代表取締役社長 留目真伸氏や、「ThinkPadの父」とも呼ばれる同社取締役副社長 内藤在正氏が、これまでの10年間を振り返るとともに、これからの取り組みなどを紹介した。○なぜ日本でThinkPadが開発されたのかはじめにレノボ・ジャパン 取締役副社長 内藤在正氏がThinkPadの歴史を振り返った。内藤氏は1974年に日本IBMに入社。「IBM マルチステーション5550」やその後継であるPS/55などの開発に従事した。このころは世界向け製品と日本向け製品でOSとハードウェアも異なっており、日本の開発部隊は日本向けの製品を作っていたが、DOS/Vが登場してから、この位置付けが変化し、世界向け製品の中における1機種の開発を日本で担うことになった。この部隊が開発したのがThinkPadだという。なぜ、日本の開発部隊がThinkPadの担当になったのかというと、当時の日本IBMには、TFTカラーディスプレイや小型HDD、低消費電力のCMOS、実装基板、チップセットなどから、藤沢研究所の製造ラインなど「小型PCを作るための要素技術がほぼすべてそろっていた」(内藤氏)ためだ。また、バッテリや高効率電源、FDD、キーボードやカーボンファイバーといった日本の協力企業が持つ技術力も大きな存在だったという。ユーザーが使うIT機器は1980年代から大きく変化してきた。端末やデスクトップPCでは、オフィスにいかなければ仕事ができなかったが、ノートPCの登場によってオフラインの仕事であれば会社の外へ持ち出すことが可能に。また、1998年を境にオフィスだけでなく、家庭や宿泊施設にもワイドバンドネットワークが導入され、ネットワークにアクセスできるようになったほか、現在ではWi-Fiや携帯電話網を利用して、オフィスにいなくても、オフィスにいるかのように仕事ができるようになった。「これが何を意味するかというと、デバイスの使いやすさや性能が仕事のアウトプットに影響するということ」と内藤氏。ThinkPadは当初から一貫してビジネスツールとして、PCを使ったり管理するわずらわしさを最小限にとどめ、どこにいてもオフィスと同様の生産性を提供し、ひいてはユーザーの成功を目的に開発が進められているという。○ThinkPad開発の歴史内藤氏はThinkPadの歴史を5つの世代に分けて説明する。第1世代は1992年から1999年まででThinkPadというブランドの創世記となる。初代ThinkPadの「ThinkPad 700C」からはじまり、最上位モデルには次々と機能が盛り込まれ、一方でエントリーの300シリーズや薄型軽量を目指した500シリーズ/600シリーズと製品自体のラインナップも拡充された。この時期、オーストラリアのユーザーから"非常に激しく壊れた"ThinkPadが戻ってきた。内藤氏は「それをみたときに開発陣は愕然とした。当時のThinkPadは70万円は必ずしていたので、われわれは"70万円もする製品だからきっと大事に扱ってもらえるだろう"と考えてきた。しかし返ってきた製品はそうではなかった。ツールというのは大切に使ってもらうのではなく、お客さまがどのように使ってもストレスがないように作らなければならないと学んだ」という。これを契機にテストの仕方も変化した。それまで要求スペックに対してまでのテストしかしていなかったところ、どこまで何をしたら機械が壊れるかというテストをしたうえで、その次のレベルを目指すようになったという。「機械を見るのではなく、機械の先にいるお客さまを見るという文化が確立されたと思っている」(内藤氏)。続く第2世代は2000年から2004年。第1世代で多様化したシリーズの再定義が行われ、「A」「T」「X」「R」といったラインナップに整理されたのがこの時期だ。さらに、このころから操作方法の統一かや部材・オプション製品の共通化が図られた。これについて内藤氏は「当時のIBMの社長から"新しいThinkPadを贈ってくれるのはうれしいが、なぜ新しいThinkPadが届く度に電源スイッチを探さなければならないのか"と尋ねられ、確かに機種間の整合性が欠けていた」とその理由を紹介した。またこのころは「開発陣にとって非常につらい時期だった」と内藤氏。CPUが早くなると同時に消費電力も増え、設計が難しくなっていた。その一方でユーザーからはより低価格の製品が求められるなど葛藤の時期だったという。その葛藤の最中、2005年にLenovoがIBMのPC事業を買収し、開発陣はLenovoへ移籍することになった。「お客さまからはThinkPadが変わってしまうのではないかと心配されたが、"同じ開発理念、同じ開発部隊で続いていくので、ThinkPadは変わりません"と説明した。たくさん励ましもいただきありがたかった」と当時を振り返った。Lenovoブランドとなった2005年から2009年が第3世代だ。第2世代で取り組んだ冷却や無線、電源管理といった技術や、ThinkVantageといったソフトウェアの開発が花開いた時期だ。このころ、アメリカの大学に赴き、「学生がどのようにPCを壊すか」を調査。その結果を堅牢性の試験ラボに取り入れたという。2010年から2012年までの第4世代では、SMB(中小企業)向けに開発されたThinkPad Edgeシリーズなどを新たに投入。2012年からの第5世代では、タブレットや2-in-1といった新たなフォームファクタを提供するほか、ThinkPad X1 CarbonやThinkPad Wシリーズといったクラムシェルモデルの追求といった挑戦を続けている。2014年には1億台の累計出荷台数を達成。このうち7,500万台はLenovoブランドになってからの数字だという。現在ではレノボ・ジャパンとNECパーソナルコンピュータの開発陣が一体となって製品開発に取り組む体制が構築されており、今後もさらなる軽量・薄型化を実現するための技術や長時間駆動に必要な技術、新たなUIに向けたディスプレイやソフトウェアの開発、セキュリティの向上を目指して取り組んでいくとした。●会場では歴代のThinkPadも多数展示○レノボはこれから「未来型企業」へ - その鍵は"共創"続いてはレノボ・ジャパン 代表取締役社長 留目真伸氏が登壇。「この10年、レノボがやってきたのは新しい時代のグローバル企業を作るということにほかならない。中国の会社とアメリカの会社が一緒になったわけだが、文化的な壁をいかに乗り越えて新しい企業を作っていくことを目指していた」という。2009年から2015年まで25四半期連続で、ワールドワイドにおけるシェアを伸ばし、いまやPCでは世界1位、タブレットでも世界3位のシェアを獲得するに至っている。日本国内でも2005年の・ジャパン設立時には6.2%だったシェアが、コンシューマ市場への参入や、NECとの合弁会社設立を経て2015年には29%のシェアとなるまで成長した。これに伴い売上高も10年間で4倍となったという。留目氏はこれからの取り組みにあたり「われわれのビジョンは、パーソナルコンピューティングを人々の生活や仕事に浸透させることであり、その部分は変わらない」とし、そのうえでPCやタブレット、スマートフォンといった個人が使うデバイスから、それを支えるネットワークやサーバ機器といった分野にも注力していくとした。その一方で、「順調にシェアを獲得してきたが、現状を考えるとわれわれが目指す"デジタルライフ"や"デジタルワーク"が実現しているかというとそうとはいえない。PCでできることがタブレットやスマートフォンで可能になっても、やってることはこれまでとあまり変わらない。また、生活の中でコンピューティングパワーにサポートされている時間なんてほんのわずかしかない。これではいけないと思う」と課題を挙げる。これに対してNECレノボ・ジャパングループでは「DREAM」(Digital Revolution for Empowering All Mankind)構想を打ち出し、すべての人が常時コンピューティングパワーを使うような社会を2020年まで実現させることを目指す。NECレノボが掲げるデジタルライフやデジタルワークのイメージやそこに至る道すじを共有化し、スタートアップや他業界の企業、エンドユーザーまで巻き込んで「共創プロジェクト」として推進する。すでに取り組みは始まっており、由比ヶ浜の海の家「Lenovo House」や渋谷のハロウィンイベントも「共創プロジェクト」の一環で、地域の一部だけでなく全体の活性化などを想定しているという。留目氏は「この構想を通じて、NECレノボ自身も外部のパートナーやエンドユーザーともオープンでフラットな世界を作り上げて、新たなワークスタイルを作り出すような"未来型企業へ"脱皮を図りたい」とした。○歴代のThinkPadも多数展示会場では歴代のThinkPadが多数展示された。以下、写真で紹介する。
2015年11月12日Peach Aviationは11月2日より、「客室乗務員オーディション」のエントリーを開始した。今回の採用では同社初となる、国際線就航地の韓国と台湾にて会社説明会を実施する。新たに採用する客室乗務員は75人程度で、入社時期は2016年5月以降を予定している。今回初めて海外での説明会を実施することで、アジアのかけ橋となる海外の仲間を積極的に採用することを目指している。また、同社は9月より客室乗務員新人事制度を導入している。これまで客室乗務員の雇用形態は最大5年の期限付き有期雇用だったが、この新人事制度では3年間の有期雇用期間を経た後、社内基準を満たすことで無期雇用への切り替えが可能になった。エントリーの締め切りは12月6日まで。雇用形態は契約社員(当初は訓練生として契約、その後客室乗務員として契約)、対象者は専門学校・短期大学・4年制大学を2015年3月までに卒業かつ就労経験のある人、または高等学校を卒業後に3年程度以上の就労経験のある人としている。そのほか詳細は、Peach採用サイトを参照。
2015年11月04日カドカワはこのほど、同社が2016年4月に開校を予定している「N高等学校」学校説明会・個別相談会の臨時開催を発表した。○KADOKAWA 中経出版のオリジナル教材を使用以前にマイナビニュースでも紹介した「N高等学校」は、現在のネット社会に対応した新しい高校。授業やレポート提出をネットで行うため、生徒は時間を問わず自身のペースで授業を受けたり、ネットを通じて講師に質問することができる。同校では、大学進学を目指すためのオリジナルカリキュラム授業をネットを通して行う。学習参考書の出版社として約30年の歴史を持つ KADOKAWA 中経出版の全面協力によるオリジナル教材を用いて、大学受験に必要な実力を養う。また、「学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶應大学に現役合格した話」の著者で坪田塾塾長の坪田信貴氏がスペシャルサポーターを務める講師陣の指導も実施。これまでのネット授業にはなかった双方向性のある授業のため、同級生と一緒に教室で授業を受けている感覚で受講できるのも特徴だという。通常科目だけでなく、業界のプロフェッショナルから、多種多様な「課外授業」をネットで受講することも可能。ドワンゴのトップエンジニア陣から学ぶ「プログラミング授業」や、KADOKAWAから作品を出版する作家が教える「文芸小説創作授業」のほか、ゲーム、アニメなど、希望に沿ったカリキュラムを選択できる。○ネットオープンキャンパスも実施開校に先立ち、同社は11月1日にフクラシア東京ステーション、11月3日に梅田阪急ビルオフィスタワー26階で学校説明会を行うと発表していたが、東京開催の相談会が早期に定員に達したため、東京での臨時追加開催が決まった。追加開催日は11月7日、10時半~11時半に学校説明会、12時以降は個別相談会を行う。場所は1日と同じフクラシア東京ステーションを予定している。また、会場に来られない人のためにネットオープンキャンパスを開催。11月より月1回のペースでニコニコ生放送で配信する。初回となる11月9日21時配信分の講師は、Ruby開発者 まつもとゆきひろ氏。自身の高校生活、Ruby開発の発端、現在の取組み、開発中の新言語Streemについての課外授業を放送予定となっている。
2015年10月22日●フィルターの掃除までおまかせ日立アプライアンスは、報道関係者向けに新製品説明会を開催。冬に需要が高まるという空気清浄機と掃除機を取り上げ、10月24日に発売予定の加湿空気清浄機「自動おそうじ クリエア EP-LVG110」(以下、EP-LVG110)、9月に発売された紙パック式掃除機「かるパック CV-PC500」(以下、CV-PC500)を紹介した。○フィルターが勝手にキレイ?説明会では、日立アプライアンス 商品計画本部 主任 湧廣修氏が登壇し、製品の開発背景やデモを交えた説明を行った。湧廣氏いわく、日立アプライアンスの空気清浄機購入者を対象に調査を行ったところ、不満点として「本体の大きさ」がトップ、「お手入れの面倒さ」が次点で挙げられたという。「普段お手入れする場所」を尋ねたところ、66%以上が「プレフィルター」と答えた。そこで、新製品となるEP-LVG110は、国内の家庭用加湿空気清浄機としては業界初となる「自動おそうじ機能」を搭載した(日立アプライアンス調べ)。自動おそうじ機能を実現したのは、本体裏面のカバーに配置された「自動おそうじユニット」。ユニットには洋服のホコリなどを除去するエチケットブラシと同じ素材の起毛生地が埋め込まれている。この起毛ブラシが、プレフィルターに沿って上下に動くことで、表面のホコリを取り除く仕組みだ。集めるだけではなく、除去したゴミを自動でダストボックスへ運ぶ。ユーザーが行う手入れは、目安として年に1回ほど、ダストボックス内のゴミを捨てるだけ。おそうじユニットは簡単に取り外せ、まるごと水洗いすることも可能だ。●フィルターは10年交換いらず○10年間交換不要な高性能フィルター空気清浄機能にとって重要なフィルターは、前述のプレフィルターと、「アレルオフ微細じんHEPAフィルター」、「洗える脱臭フィルター」の3枚構成。外気にさらされるせいで一番汚れやすいプレフィルターは、ステンレス製で汚れが落ちやすく、水洗いも可能だ。アレルオフ微細じんHEPAフィルターは浮遊ウイルスや細菌、花粉やダニのフンといったアレル物質をキャッチして活動を抑制。0.1~2.5μmの粒子を99%、0.3μm以上の粒子を99.97%以上キャッチできる。屏風状に折りたたんだ状態で収納されているが、広げると長さは約9.96mもあり、広い表面積を利用して微粒子を捕まえる。さらに、表面積を広げたことで、約10年間、フィルター交換が不要になった。洗える脱臭フィルターは、活性炭の微細孔にニオイ成分を吸着し、ペット臭やたばこ臭、排水口のニオイなどを低減するというもの。ニオイ成分が吸着するため、フィルターにニオイが残ることもあるが、気になったときに水洗いすれば、こちらも約10年間交換する必要がないそうだ。○48畳の部屋で使える強力パワーEP-LVG110のもう一つの特徴が、適用床面積48畳というパワフルさ。空気を両サイドから吸い込む「ワイドスピード集じん」を採用しており、8畳の部屋なら約6分で清浄可能。これは、家庭用の加湿空気清浄機においては業界最高水準のパワーだという(2015年10月24日の発売時において。日立アプライアンス調べ)。汚れやすいパーツにはステンレス素材を使用した「ステンレス・クリーン システム」を引き続き採用。空気吹き出し口やフラップ、プレフィルターはステンレス製で、菌が接触しても、ステンレスに含まれる金属イオンにより菌を抑制するという。気流を作り出すファンは樹脂製ではあるものの、銀イオンを練りこむことで抗菌効果を持たせた。本体表面にはガラスパネルを採用。樹脂製のパネルでは落ちにくい汚れも、ガラス製ならばサッと拭くだけで簡単に落ちる。操作ボタンは凹凸のないタッチパネル式で、こちらも拭き取りやすく、デザイン性が高い。説明会で紹介されたのは、適用床面積48畳のEP-LVG110だが、会場には適用床面積42畳のEP-LVG90と適用床面積32畳のEP-LVG70も展示。さらに、除湿機能を搭載した適用床面積31畳のEP-LV1000と、加湿機能を搭載しない適用床面積15畳のパーソナルモデルEP-LZ30も展示されていた。●紙パックは排気がにおう?○「かるパック」のプレミアムモデル空気清浄機に続いて、9月に発売済みの紙パック式掃除機「CV-PC500」についても説明された。CV-PC500は重量が2.3kg(本体のみ)と軽量でありながら、吸込仕事率が360Wと強力なのが特徴。さらに、運転音が51~57dB(目安として、普通の会話が60dBとされる)と比較的静かで、「耳障りに感じやすい」といわれる高い音を出さないよう開発されている。紙パック式は一度ゴミの中を通った空気が排出される仕組みのため「排気がにおう」と思われがちだ。しかし、CV-PC500は「ナノテク高捕じんプレミアム衛生フィルター」や「高集じんフィルター」「アレルオフフィルター」といった複数のフィルターを採用。吸い込んだゴミを99.999%逃さないため、排気臭も抑制できるという。会場では製品に大量のスモークを吸わせる実験も行われたが、CV-PC500の排気口からは、まったく煙が漏れることがなかった。
2015年10月08日シスコシステムズは9月29日、2016年度事業戦略説明会を開催した。説明会では、今年5月に代表執行役員社長に就任した鈴木みゆき氏が日本における事業戦略、フォーカス分野などについて説明を行った。鈴木氏は冒頭に、社長就任後に学んだことについて語った。「シスコに対するニーズにこたえることが経営の原点と考えている。まずは、できるだけ多くのお客さまやパートナーに会い、シスコに対する声を聞きたいと思い、これまで170社350名の方とお会いした。そこから、お客さまが課題を解決するソリューションと手厚いサポートを求めていることがわかった」(鈴木氏)さらに、シスコの"いつでもどこでも"働くことができるワークスタイルに革新性を感じ、こうしたノウハウにより、日本の柔軟性の高い働き方の推進に貢献できると述べた。「シスコについて、ネットワークだけでなく、その上で動くソリューションも提供できる企業というイメージを定着させることが私のミッション」とも語った。続けて、鈴木氏は日本法人の重点戦略の柱として「日本市場により根ざした事業展開」「お客さまのデジタルビジネス支援」「統合ソリューション・ビジネスの強化」の3点を挙げた。日本市場に根ざした事業展開の具体例としては、今年9月に発表したばかりの「Cisco Start」がある。Cisco Startは、国内の中小企業向けの日本独自のブランドだ。「Cisco Start」の製品戦略は「日本企業の要求にコミット」「リーズナブルな価格設定」「充実の機能群」となっている。製品第1弾として、ギガビット対応VPNルータ「Cisco 841M Jシリーズ」が発表されている。また、サポートについても、ユーザー・インタフェースの日本語対応や日本語サポート窓口の設置など、体制を拡充していく。デジタルビジネスの支援については、「IoT(Internet of Things)」「セキュリティ」「グローバルサービスプロバイダー」といったジャンルを中心に取り組んでいく。同社は、IoTを発展させ、「IoE(Internet of Everything)」というコンセプトを掲げているが、昨年11月にはパートナー10社が参加する「IoEイノベーションセンター」を設立したほか、東芝とIoT分野で提携した。今年に入っては、慶應大学のIoT研究にファンディング、「Cisco IoT Sysytem」の発表などが行われた。鈴木氏は「IoTの普及には、産官民の協力が不可欠だが、産業、公共、学術とバランスよく連携を図ることができた」と語った。今年度は「Mind Share to Market Share」という方針の下、「IoE」に取り組んでいくという。注力分野としては「製造業」「パブリックセクター」「サービス」が挙げられた。セキュリティについては、今年6月に、CEOを退任し会長に就任したジョン・チェンバース氏が発表した戦略「Security Everywhere」に基づき、あらゆる場面で利用可能なセキュリティ製品、セキュリティ・クラウドサービスを展開していく。また、セキュリティ対策を実施するにあたり、計画・構築・運用まですべてのフェーズでサービスを提供していくほか、クラウド上のセキュリティ・インテリジェンス「Cisco Collective Security Intelligence」と各製品/サービスの連携を図っていく。グローバルサービスプロバイダー事業では、世界大手のキャリアやサービスプロバイダーを対象に、仮想化やSDNから構成される次世代ネットワークへのトランスフォーメーションを支援する。シスコと言えば、ハードウェアベンダーというイメージが強いが、ソフトウェアビジネスにも力を入れており、2015年度のグローバルでのソフトウェアの売上は1兆円に上るという。2016年もさらにソフトウェアとハードウェアを組み合わせたソリューションビジネスの拡大を目指す。例えば、ソフトウェアを購入してもらった顧客にその成果をビジネスに生かしてもらうべく、顧客のビジネスプロセスを踏まえた利用方法を提案する「定着化支援サービス」を提供している。このサービスをパートナー企業からも提案できるよう支援していく。体制については、これまで「製品によって窓口が異なるなど、煩雑」という顧客の声を踏まえ、製品と営業の一本化を図る。これに加え、営業のマインドセットを製品からソリューションセットへ変更するという。
2015年09月30日ダイキン工業は、9月16日に発売されたコンパクトな加湿空気清浄機「加湿ストリーマ空気清浄機 MCK55S」の説明会を開催した。新型の加湿ストリーマ空気清浄機は、従来の形状とは異なるスリムタワー型を採用し、設置面積が小さくなっているのが特徴だ。説明会では、構造のちがいや大きさ、運転音など、旧モデル「MCK55R」との比較が行われた。○加湿機能付き空気清浄機の需要は増加傾向はじめに、ダイキン工業 空調営業本部 事業戦略室 住宅用事業担当課長 谷内邦治氏が、市場動向や製品開発の経緯について説明した。ダイキン工業は2008年に加湿機能付きの空気清浄機を初めて発売し、2009年には加湿空気清浄機の需要を大きく伸ばした。その後、花粉の大飛散やPM2.5が話題になり、2012年度は空気清浄機が300万台に迫る爆発的な売れ行きを記録。2013年以降、空気清浄機市場は縮小傾向にあったが、加湿機能を持たない空気清浄機から加湿空気清浄機への買い替えや買い増し需要は拡大傾向にある。特に求められているのは、リビングなどの広い空間向けより、寝室や子供部屋で使用するコンパクトな加湿空気清浄機だ。小さな空間で使用する際のニーズに応えるべく、省スペースでも置けるようなコンパクトな加湿空気清浄機を開発するに至った。○スリム化することで、部品もゼロから作り直し空気清浄機に対する1番のニーズは「しっかり集じんする」という基本性能だ。ただ、基本性能を追求すると本体が大型化し、コンパクトにしようとすると運転音が大きくなるといった、相反する技術的課題も。難しいながらも、MCK55Sでは旧モデルの集じん性能を維持しながら、コンパクト・静音の実現を目指した。特に6畳、8畳、10畳といった比較的狭い部屋に設置するには、設置スペースを小さくすることが求められるため、部品から構造に至るまで、ゼロから見直している。大きく変わったのは、部品の配列。旧モデルのMCK55Rは、前から奥に向かって部品を横に配列している。ダイキン工業に限らず他のメーカーも同じような構造を採用しており、スタンダードともいえる方式だ。しかし、この方式では、性能を維持しながら静音を実現しようとすると、本体が大型化するという欠点がある。そこで、改めて構造を見直し、MCK55Sは下から上に部品を積み上げる縦方向の方式を採用した。下から送風ファン、集じんフィルター、脱臭フィルター、加湿ユニットの順で、上部に手入れが必要な部品を集約している。その結果、旧モデルと比べると容積は約85%となり、設置面積も30%縮小、人が感じる運転音(SONE)は30%低減している。旧モデルのMCK55Sは幅が374mm、奥行きが280mmだったが、MCK55Sは幅と奥行きともに270mm。底面が正方形のすっきりしたタワー型に生まれ変わった。スリムになっても従来通りの高い空気清浄性能を維持している。独自の除菌・脱臭技術「ストリーマ」と、イオンの力で部屋に染み付いたニオイや菌を除去する技術「アクティブプラズマイオン」のダブル方式を採用しており、0.1~2.5μmの粒子を99%除去できる。さらに、吸い込み口と吹き出し口の距離が離れたことにより、吸い込みの風と吹き出しの風がぶつかってはね返ることがなく、効率よく吸引できるようになった。吸い込み領域も約20%アップし、より広い範囲のホコリを吸引できるようになったという。○手入れのしやすさも大幅に改善定期的な掃除が必要なプレフィルターを本体側面に配置したことで、フィルターを取り外すことなく、付着したホコリを直接掃除機で吸い取れるようになっている。ユーザーは掃除機の吸込口をMCK55Sの本体側面に当てるだけと、掃除の負担は軽減した。加湿用の給水タンクを本体上部に配置することで、ラクな姿勢で取り出せるようになった。しゃがむ必要がなく、立ったまま取り出せる。また、給水タンクの背の高さが旧モデルより110mm低い190mmになったことで、浅い洗面台でも給水しやすくなった。背が低くなったことで奥まで手が届きやすく、洗いやすいというメリットもある。さらに、有害物質を酸化分解するストリーマユニットは、これまで定期的なメンテナンスが必要だったが、放電部の構造を見直すことで、メンテナンス不要になった。○子どもがいても安心して使える細かい配慮小さな子どもがいる家庭では、いろいろなアクシデントを想定しておかなければならない。予想外のいたずらをする場合があるからだ。空気清浄機で多いのは、子どもが送風口にモノを入れてしまうこと。異物落下を防止するネットがあるものの、鉛筆などが入ってしまったときは、外に出せない場合がある。爪楊枝のような細長いモノは、簡単にネットを通って入ってしまい、送風口近くにある高速回転する送風ファンに当たって故障することも。MCK55Sなら上から何か異物が入ったとしても、そこにあるのは高速回転するファンではなく、ゆっくりと回る加湿ファンなので、ぶつかったとしても危険性はない。すぐに異物を取り除くことができる、今までにない構造だ。これは、子供がいる家庭にとってはうれしい改善と言えるだろう。重いモーターやファンを下に配置することにより、重心をできるだけ下げているため、子どもがぶつかってしまっても、倒れにくい。もし心配であれば、安定性を高める「置台」も別売で用意されている。小さな子どもがいる家庭なら、こういったオプションを利用するとさらに安心して使えそうだ。
2015年09月18日ヴイエムウェアは9月8日、米国サンフランシスコで開催された年次カンファレンス「VMworld 2015」で行われた発表に関する説明会を開催した同社はこれまでハイブリッドクラウドを推進してきたが、今回のカンファレンスで新たに「ユニファイド(統合)ハイブリッドクラウド」というコンセプトを打ち出した。統合ハイブリッドクラウドを導入すると、プライベート/パブリッククラウドの両環境にわたり、VMware vSphereを基盤とした一貫性のある単一の環境を構築でき、あらゆるアプリケーションを安全に開発・運用・配信できるようになるという。統合ハイブリッドクラウドの推進にあたって、パブリッククラウド「VMware vCloud Air」と「SDDC(Software-Defined Data Center)」において、機能拡張が行われる。vCloud Airについては、ハイブリッドクラウド環境における管理機能を提供する「vCloud Air Hybrid Cloud Manager」、その拡張機能として、クラウド間のライブマイグレーション「Cross-Cloud vMotion」などを実現するテクニカルプレビュー「Project SkyScraper」が発表された。Hybrid Cloud Managerの特徴の1つは、オンプレミスのネットワークセグメントをL2VPN トンネルを用いてクラウドに延伸できる点。これにより、オンプレミスのデータセンターからvCloud Airへ仮想マシンを移行することが可能になる。Hybrid Cloud Managerは、まずDedicated Cloud(専有型クラウド)向けに9月から提供が開始され、今年の後半にVirtual Private Cloud(共有型クラウド)をサポートする予定。Cross-Cloud vMotionは、オンプレミスのvSphereとクラウドのvCloud Airの間で仮想マシンのライブマイグレーションを実現する。ライブマイグレーション、コールドマイグレーションの両方をサポートする。Cross-Cloud vMotionはvSphere Web Clientから利用できるため、専用のインタフェースは不要となっている。統合ハイブリッドクラウドに関するSDDCの新たなソリューションとしては、「VMware NSX 6.2」と「Site Recovery Manager 6.1」「VMware Integrated OpenStack 2 」が紹介された。VMware NSX 6.2はマルチデータセンターの機能が強化されており、アクティブ・アクティブの状態で複数のデータセンターを1つのデータセンターのように扱うことを可能にするほか、vCenter間のvMotionを一貫性のあるルーティングとセキュリティでサポートする。Site Recovery Manager 6.1はVMware NSX 6.2と統合されたことでネットワークとセキュリティのマッピングの自動化を実現する。Cross vCenter vMotionのサポートにより、サイト間での仮想マシンの大規模なライブマイグレーションを管理でき、災害回避を可能にするという。同社が提供しているOpenStackのディストリビューションのバージョンアップも行われ、VMware Integrated OpenStack 2.0が発表された。同製品は、OpenStackのコードとVMwareのドライバとワークフローを15分で単一のOVAファイルから展開できる。Integrated OpenStack 2.0はOpenStack Kiloを基盤としており、アップストリームOpenStackコードを採用しているほか、バージョン1.0からのシームレスなアップグレードが可能となっている。さらに、大規模なSDDCの展開や稼働を実現するソリューションとして発表されたのが「VMware EVO SDDC」「VMware Virtual SAN 6.1」となる。VMware EVO SDDC(旧称:VMware EVO: RACK)はSSDDCを実現させるためのソフトウェアスイートで、事前に要件を満たしたハードウェアに展開する形で利用される。同社のコンピューティング、ネットワーク、ストレージ リソースを統合したハイパーコンバージド・インフラストラクチャ・アプライアンスとして、「VMware EVO:RAIL」を提供しているが、EVO SDDCは、EVO:RAILの機能に加え、クラウドの自動化とネットワークの仮想化を実現できる。同社は、EVO SDDCを「SDDCを最も容易に導入・運用する方法」としている。同社のハイパーコンバージド・インフラの基礎となる「VMware Virtual SAN 6.1」は、新機能として「Stretched Cluster」が追加されたほか、レプリケーションの機能が強化され、VMware vSphere Replicationは5分間の目標復旧時点(RPO)を提供することが可能になった。そのほか、パフォーマンス モニタリング、原因分析、キャパシティ プランニング向けのヘルスチェック機能も追加された。同社は、クラウド・ネイティブ・アプリケーションの導入という観点から、コンテナ技術に取り組んでいる。VMWorldでは、仮想マシンとコンテナの併用を実現するプラットフォーム「VMware vSphere Integrated Containers」とクラウド・ネイティブ・アプリケーションに最適化されたプラットフォーム「VMware Photon Platform」のテクノロジプレビューを発表した。VMware vSphere Integrated Containersは、同社が開発した軽量LinuxOS「Photon OS」、稼働中の仮想マシンのクローンをインメモリで高速に作成するvSphere 6.0の新機能「Instant Clone」、DockerコンテナをVMware vSphere基盤へシームレスに統合するための仕組み「Project Bonneville」から構成される。現在、コンテナ技術はセキュリティや管理面で課題を抱えており、企業での利用が進んでいないが、VMware vSphere Integrated Containersは「仮想マシンごとに1つのコンテナ」というアプローチを取ることでコンテナの課題を解決し、企業でのコンテナ導入を推進していくことを目指している。一方、VMware Photon Platformは、大規模、変動の大きいワークロード、高可用性などの環境に最適化されたマルチテナントかつAPIベースのコントロールプレーン「VMware Photon Controller」、VMware ESXiをベースとした軽量化されたハイパーバイザー「Photon Machine」から構成される。さらに、エンドユーザー・コンピューティングについて、企業のWindows 10の導入を加速させるクライアント管理に関する取り組み「Project A 2」が発表された。Project A 2では、新しいアプリケーション配信技術「VMware App Volumes」を「AirWatch エンタープライズ モバイル管理(EMM)」と組み合わせて、Windows PCやWindowsアプリケーションのアップグレードに伴う費用や複雑なプロセスを軽減し、企業でのWindow 10の導入を加速する。具体的には、アプリコンテナをドライブとしてアタッチして、Windows 10の物理環境にアプリケーションが展開できるようになる。
2015年09月09日