京都大学は1月30日、すい臓の「ランゲルハンス島(すい島)」において、血糖値を下げる効果のある唯一のホルモンである「インスリン」分泌における重要因子である細胞内ATP(アデノシン三リン酸)濃度と、カルシウムイオン濃度の動態を同時に可視化することに成功し、インスリンを分泌する細胞は血糖値(血中ブドウ糖濃度)の変化に伴った細胞内ATP濃度の変化を鋭敏に感知することにより、インスリン分泌を制御していることSを明らかにしたと発表した。成果は、京大 白眉センターの今村博臣特定准教授、同・大学院 生命科学研究科の垣塚彰 教授、同・大学院 医学研究科の稲垣暢也 教授らの共同研究チームによるもの。研究の詳細な内容は、1月24日付けで米生化学・分子生物学会の学術誌「The Journal of Biological Chemistry」に掲載された。食事後に血糖値が上がると、ランゲルハンス島の大部分を占めるβ細胞がそれを感知してインスリンを分泌し、肝臓や筋肉などに作用し、これらの組織において血中のグルコースの取り込みを促進し、結果として血糖値を下げる。β細胞からのインスリン分泌がうまく行かなくなると糖尿病となるため、インスリン分泌の仕組みを理解することは糖尿病の予防や治療を考える上でとても重要だ。これまでの研究によって、ブドウ糖が細胞内で分解された時に作られるATPがインスリン分泌の直接の引き金である細胞内カルシウムイオン濃度を制御する重要因子であると予想されていた。しかし、実際にATP濃度がβ細胞内でどのように変化するのか、そしてカルシウムイオン濃度の複雑なパターンの形成に関与しているかは不明だったのである。今村特定准教授らは、以前に開発していたATP濃度に応答して蛍光色が変化するバイオセンサをマウスより単離したすい島の細胞内に導入して蛍光顕微鏡でイメージングすることにより、生きたすい島細胞内のATP濃度の変化をリアルタイムに追跡する方法を確立した。また、同じ細胞に蛍光のカルシウム指示薬を導入することによって、インスリン分泌の直接の引き金である、すい島細胞内カルシウムイオン濃度も同時に測定。この測定系を用いて、さまざまな条件ですい島細胞内のATP濃度とカルシウムイオン濃度が変化する様子が調べられた。その結果、ブドウ糖濃度が上昇することによって急速に細胞内ATP濃度の上昇が引き起こされることが実際に確かめられ、このATP濃度の上昇が初期のカルシウムイオンの濃度上昇に必要かつ十分であることも実験的に示されたのである。一方で、ブドウ糖刺激後しばらくしてから生じるカルシウムイオン濃度の振動期においては、ATP濃度の明瞭な振動は起こらず、ATPが高い濃度で保たれていることがカルシウム振動の維持に必要であることを示す新たな知見が得られたという。糖尿病になることで、すい島細胞内におけるATPとカルシウムイオンの動態がどのように変化するかを詳細に調べることによって、糖尿病が発症する仕組みの解明や新たな治療戦略につながると期待されるとした。
2014年02月06日東京大学分子細胞生物学研究所(IMCB)は1月23日、幹細胞マーカー「Lgr5」が、ほとんどのヒト大腸がんで多量に発現していること、そして大腸がんが腫瘍を作るために極めて重要な役割を果たしていることを見出したと発表した。成果は、IMCBの秋山徹教授、同・川崎善博講師らの研究チームによるもの。研究の詳細な内容は、1月23日付けで英オンライン科学誌「Nature Communications」に掲載された。最近の再生医学や幹細胞研究の飛躍的な進歩によって、腸管では「腸管幹細胞」が自己複製すると同時に分化して腸管を形成する機構が解き明かされてきている。このような研究で重要な役割を果たしているのは、幹細胞に多く発現し、幹細胞を特定するための目印の「幹細胞マーカー」となるいくつかの分子だ。Lgr5も腸管幹細胞マーカーの1種で、さまざまな研究に利用されており、また、腸管幹細胞の機能に重要な役割を果たしていることが示されている。なお、Lgr5は「7回膜貫通型タンパク質」の1種で、細胞膜を7回貫通する特徴的な構造を持つタンパク質だ。細胞外の因子を受け取り、細胞内に伝える役割を持つ。一方でがん研究にも幹細胞という概念が導入され、腫瘍を形成しているがん細胞は一様でなく、一部の「がん幹細胞」と呼ばれる細胞のみが強い造腫瘍性を持つこと、さらに、がん幹細胞は、自己複製すると同時に、造腫瘍性の低下したがん細胞に異分化して増殖すると考えられるようになってきた。化学療法や放射線治療によって一時的にがんが退縮しても再発してくるのは、大部分の造腫瘍能の低下したがん細胞が死滅しても一部のがん幹細胞が生き残っている可能性が示唆される。従って、がん細胞における幹細胞性の重要性を明らかにすることは現在のがん研究の最も重要な課題の1つだ。そこで研究チームは今回、幹細胞マーカー「Lgr5」に注目。ほとんどのヒト大腸がんで多量に発現していること、そして大腸がんが腫瘍を作るために極めて重要な役割を果たしていることを見出したのである。例えば、特定の遺伝子の発現を抑えることができる「siRNA」(短いRNA配列)を用いて大腸がん細胞のLgr5の発現を抑制すると、胸腺を欠くため免疫機能が働かないマウス(ヌードマウス)で腫瘍を作る能力が顕著に低下することが明らかになった。一般に、腫瘍を作る能力が低下したがん細胞は、シャーレの中での増殖能が低下したり、細胞死を起こしたりすることがよく知られている。しかし、Lgr5の発現が低下した大腸がんの細胞はこのような性質を示さなかったという。従って、Lgr5の幹細胞性に関わる機能が造腫瘍性に重要である可能性があると示唆されたというわけだ。それでは、なぜLgr5は大腸がん細胞で多量に発現しているのかという点にも研究チームは迫り、大腸がん細胞では転写因子の1種「GATA6」が大量に発現しており、直接Lgr5の転写を活性化していることを見出した。なお転写因子とは、DNAの特定の塩基配列に結合して、遺伝子の発現を調節するタンパク質の総称のことをいう。またその後の解析によれば、大腸がんの細胞ではsiRNAの1種「miR-363」の発現が低下していることがわかり、大腸がんにおけるGATA6とLgr5の大量発現はmiR-363の発現の低下によるものと示唆されたという。miR-363はGATA6の発現を抑制する働きがあるが、発現が低下しているためにGATA6の発現が増加しているという仕組みだ(画像)。今回の成果は、細胞内におけるmiR-363、GATA6、Lgr5の3分子による情報伝達の仕組みががんの分子標的薬を創製する上で重要な標的となることを示唆しているという。今回の研究の成果により、今後、この仕組みを標的とした薬剤が開発され、大腸がんの治療に貢献することが期待されるとした。
2014年01月29日ダイエット中は、「痩せるためにはできるだけ食べない」と考えがち。でも、食べることで代謝アップや脂肪燃焼効果がある食べ物があるんです。賢く食べて、痩せやすい体づくりをしたいですね。■トウガラシトウガラシの辛さのもとになっているのがカプサイシンという辛味成分。このカプサイシンは、エネルギーの代謝をアップさせ、発汗作用や体内の脂肪の分解を促す効果があります。運動前に摂れば、脂肪が燃焼し始める時間を早めることができ、より高いダイエット効果が期待できます。■ショウガ体を温める食べ物として、昔から親しまれているショウガ。このショウガは、冷え改善や免疫力アップのほか、ダイエットにも効果的といわれています。ショウガに含まれるジンゲロールという成分には血流を良くし、代謝をアップさせる効果が。生のショウガに多く含まれる成分ですが、空気に触れると酸化するため、すりおろす時はなるべく食べる直前に! ■赤身の魚マグロやカツオといった赤身の魚は、たんぱく質やカルシウム、さらにEPAやDHAといった成分が豊富。魚の脂質は不飽和脂肪酸で体脂肪になりにくいといわれ、ダイエット中のたんぱく質摂取におすすめです。■チョコレートダイエット中はNGと思われがちなチョコレートですが、意外にも代謝アップに効果的なんだそう。チョコレートの主成分・カカオには、食物繊維、ポリフェノール、ビタミン、ミネラルなど、嬉しい成分がいっぱい!チョコレートを食べて運動した人は食べずに運動した人よりもBMIが下がったという調査結果もあるそうです。カカオ含有率が高いものを選べば、ダイエットに上手に作用してくれそうですね。■チーズ乳製品も「太りやすい」とダイエット中は敬遠されがちな食品のひとつ。でもその中で、ダイエットに効果的と見直されている食品がチーズです。実はチーズは、カルシウムをはじめたんぱく質や脂質、ビタミン、鉄など、健康維持に欠かせない栄養素を殆ど含んでいる超優秀食品。加えて、チーズに含まれるたんぱく質が満腹感を促し、食べすぎ防止の効果も。ダイエット中だからといって、偏った食生活や極端な食事制限をしていては、代謝が悪くなり、かえって痩せにくい体になってしまいます。健康的なダイエットのためには、バランスのとれた食生活が大切です。効率よく代謝アップしてくれる食べ物で、無理なくダイエットを成功させましょう。
2014年01月15日昨年は、サバ缶ダイエットが大流行しましたね。サバ缶を食べると痩せホルモンの分泌が活発になる、というダイエット法でしたが、みなさん試されましたか?食べるだけで痩せホルモンが出て痩せられるなら試してみる価値あり!ですよね。そこで今回は、食べるだけで痩せホルモンが出る食べ物をご紹介したいと思います。■痩せホルモンとは?通称痩せホルモン「GLP-1」は、消化管ホルモンで消化管に入った炭水化物を認識して分泌されるホルモンです。GLP-1は、インスリンの分泌を促すだけでなく、血糖値を上げるホルモンの分泌を抑制して、血糖値の上昇を抑えます。血糖値が急上昇しなければ、急降下することもありません。血糖値が安定することで食べた物が脂肪として蓄積されるのを防ぐ効果があります。このほか、食べた物を胃からゆっくり排出させる作用や、満腹中枢を刺激して食欲を抑える効果もあります。■腸を刺激して痩せホルモンを出す食べ物2つ(1)食物繊維痩せホルモンGLP-1を分泌するのは、小腸から大腸にかけて存在するL細胞です。そこを刺激することで痩せホルモンが分泌されやすくなります。食物繊維は、大腸に入ると腸内細菌によって分解され、L細胞を刺激して痩せホルモンの分泌を促します。(2)EPAサバやイワシなどの魚介類に含まれるEPA(エイコサペンタエン酸)にも、痩せホルモンの分泌を促す効果があります。L細胞には、EPAの受容体があり、L細胞にEPAが入ると痩せホルモンが分泌されるからです。■食物繊維の多い食べ物ベスト10(100g中)1位きくらげ(乾)57.4g2位ひじき(乾)43.3g3位昆布(乾)37.1g4位海苔(乾)36g5位インゲンマメ(ゆで)13.3g6位おから11.5g7位大麦9.6g8位オートミール9.4g9位納豆6.7g10位モロヘイヤ5.9g■EPAの多い魚ベスト101位サバ水煮缶2370mg(メーカーにより異なる)2位いくら1613mg3位マグロ(トロ)1450mg4位イワシ1171mg5位ハマチ984g6位イワシ水煮缶949g7位ブリ940mg8位秋刀魚885mg9位ニシン874mg10位鰻587mg■食べ方食物繊維は、1日20gを目安に摂ると良いでしょう。EPAは、サバ缶やイワシ缶などの摂りやすい食品がありますから、1日1缶を目安に食べると良いですね。痩せホルモンを早めに分泌させて満腹中枢を刺激するためにも、食物繊維やEPAを含む食べ物から食べて下さいね!■おわりに食べるだけで痩せホルモンが分泌されるなんて、魅力的ですよね。食物繊維は、腸内美化に役立ちますし、EPAは、生理痛の予防や目の乾きにも効果的。どちらも、痩せホルモンだけでなく、美肌女子にもダイエット女子にも必要な栄養素です。沢山食べて、スリムな美ボディも、美肌もゲットしましょう!(岩田麻奈未/ハウコレ)
2014年01月10日雑誌などに溢れる「セックスで痩せる!」的な謳い文句を、若干うさんくさく感じたことのある人は多いはず・・・。ですが、エルシーラブコスメティックが行ったアンケート「【女性に質問】セックスで痩せたことはありますか?」によると、全回答者154名のうち約4割にあたる63名が「ある」と回答しています。どうやらセックスで痩せるのは確かにあり得ることのよう。しかし、「意識していたことはありますか」という追加質問に対する回答者のコメントを見る限り、そこにはさらにいくつかのコツがあるようでした。では、そのコツとはいったいどのようなものでしょうか?■1.自分から動く「騎乗位で自分が動けば多少は痩せる・・・かな?」「足を伸ばしたり、腰をくねらせたり反らせたり・・・・・・そう動きで自然に痩せるのではないかと」「常に腰を動かします」痩せる=消費カロリーを増やすことと考えれば、自分から積極的に動くことは確かに効果的でしょう。マグロ状態ではセックスで痩せるのは難しいといえそう。騎乗位の相性がいい相手と毎日騎乗位を続けていたら、ウェストが5センチ弱痩せたという体験談もありました。■2.回数をこなす「二回戦、三回戦をしたら痩せたことはある」「毎日していてめちゃくちゃ痩せました」一回で消費するカロリー自体は少なくても、何度も繰り返せば増えます。相手の体力も関係するので、自分だけではどうしようもできないことではありますが、可能であれば一度だけでなく二度、三度、あるいは一日に一度でもそれを連続したいところです。■3.筋肉を使う、意識する「インナーマッスルを引き締める意識をしています」「セックス中の筋肉の使い方次第で痩せます」「あちこちに力が入って、お腹がひっこみました」筋肉はただ漠然と鍛えるよりも、今、鍛えているのがどの部位なのか意識したほうがより効率よく鍛えられるという説があります。様々な体位で、どんなふうに筋肉を使っているのか意識しながら動くようにしてみましょう。■4.見られていることを意識する「脱いだときのくびれが気になるので、腹筋を鍛えています」「セックスが運動になって痩せたことと、セックスのためスタイルを気にして結果的に痩せたことの両方あります」これは正確には「セックスで痩せた」とはいえないかもしれませんが、どこも隠せない姿になった時、恥ずかしい思いをしたくないという意識がモチベーションとなって筋トレなどを行い、痩せたという声もありました。確かに結果的にはセックスで痩せていますね。■おわりにセックスで痩せるためには、とにかく体力や筋肉を使うことのほか、女性として見られているという意識も大きく関わってくるようです。結局、「この人と何度でもセックスをしたい」と思える、愛し愛される相手とセックスすることが、痩せてキレイになることにもつながるのではないでしょうか。(早川舞/ハウコレ)エルシーラブコスメティックラブ・リサーチセックスで痩せるってホント?!【LC秘密調査】
2013年10月30日「ダイエットしているのに痩せない!」そんなあなた必見、ダイエットのポイント4つをご紹介させて頂きます。■運動の強さ「運動しているのに痩せない」そんな時は、運動強度が弱いか強いかを見直してみましょう。運動をしただけで満足し、実際の脂肪燃焼までいく運動には到達していないことがあります。また、「ジムに行ったけれど痩せない」という場合は、ジムに行った労力込みの「わざわざ運動しているのに感」が、必要な運動強度まで達するのを邪魔していることも。脂肪燃焼の目標心拍数を、ご自身の主観で例えると、「ややきつい」「しゃべれるけれど、少しだけ息が切れる」くらい。あなたの運動強度は、合っているでしょうか?■運動量体脂肪1kgは7,200kcalだといわれています。単純に30日で割れば、1日240kcalの消費が必要です。エネルギー消費に重要な酸素。運動時の酸素摂取量が、安静時の何倍になっているか運動強度を示しているものをMETS(メッツ)といいます。安静時、1METS。普通歩行、3METS。少し早歩きで4METS。METSとご自身の体重などを用い、カロリー消費量の計算をしてみましょう。カロリー消費(kcal)=1.05XMETSX時間X体重(kg)このように、運動強度の違いや運動する時間の長さで、消費カロリーは変わってきます。運動時間が極端に短いと、「わざわざ運動しているのになぜか痩せない」という悩みを抱えることにも。お時間が取れるとき、運動時間と身体の変化を見ていくと面白いですよ。■栄養素の数「何を食べれば痩せますか?」と聞かれたとき私は、「今と違うものでしょうね~」と答えます。するとだいたいの方は笑われます。「○○を食べれば痩せる!」という見出しや番組の影響か、何か画期的な痩せる食べ物があるんじゃないかとお探しの人は多いのでしょう。「食べて痩せる」の一文にしろ、内訳の解釈は人によって異なります。「食べたら脂肪が燃えていく」と考えている人、「脂肪が燃やせる身体を作って痩せる」と考えている人、「脂肪燃焼の助けになるものを摂って、運動効果にはずみをつける」と考えている人、さまざまです。「食べると太る」とよく言っている人の方が、本来の食事を減らしすぎ、余計なものをより多く食べているようにも見受けられます。家庭科で習った五大栄養素(食物繊維を入れると六)の絵を思い出せますか?「色んな食材を摂ることで、身体を作る材料や、身体を動かす材料、または身体の調整をしてくれるものを適度に摂れるんですよ」というもの。減らすことだけに意識がいっていた人は、「あなたの身体に必要そうなものを摂る」ように意識改革をしましょう。■食事の味付け栄養素や食材数を減らし、塩分を増やしていませんか?栄養士の友人に、「素材の味を大切に食べなさい!」と叱られたことがあります。何にでもお醤油をかけて、「私は濃い味付けが好きな人」と思い込んでいた時です。そこから加工品には調味料を足すことをやめ、素材の味を知ってみることにしました。するとだんだん、外食や加工品の味が濃いことがわかり、無理なく塩分も体重も減らせました。適度な塩分は身体に必要です。しかし度を越せば、ふくらはぎが痩せない、お腹が痩せないなど、ボディラインの悩みが尽きなくなってしまいます。今の身体と相談をして、調味料の量を少し気にかけてみましょう。■おわりにいかがでしたか?お菓子を減らすことに意識を向けすぎるより、本当は足りていないものがないかどうかを考えることが大切。目先のことだけではなく、遠くの景色を見るように、自分の生活を見わたしてあげてくださいね。(村上カナコ/ハウコレ)
2013年10月25日京都大学は10月18日、体細胞からiPS細胞へと初期化する過程で、RNAを切り貼りする「スプライシングパターン」も初期化されることを明らかにしたと発表した。 成果は、京大 iPS細胞研究所(CiRA)/生命科学研究科大学院生の太田翔氏、同・生命科学研究科の西田栄介教授(科学技術振興機構 CREST)、同・CiRA所長の山中伸弥教授(物質-細胞統合システム拠点(iCeMS)、グラッドストーン研究所)、同・CiRA/iCeMSの山本拓也助教、らの研究チームによるもの。研究の詳細な内容は、米国東部時間10月17日付けで米科学誌「Cell Reports」のオンライン版に掲載された。 一般的な真核生物のDNAから転写されたメッセンジャーRNA(mRNA)前駆体には、「イントロン」と呼ばれる直接タンパク質のアミノ酸配列に関わらない領域がある。このイントロンを除き、残った「エクソン」と呼ばれる領域からなるmRNAが作られる過程はスプライシングと呼ばれる。 そして、1つの遺伝子から複数のタンパク質を作る仕組みの1つが「選択的スプライシング」だ。同じDNAを参照していても、必要とするエクソンと必要としないイントロンの領域が異なることで設計図として変化し、複数種類のタンパク質を作れるのである。この仕組みによりタンパク質の種類は豊富になり、より複雑で柔軟性のある仕組みを作ることができるというわけだ。 また、多能性と無限増殖性を持った細胞であるES細胞では、同細胞に特徴的なスプライシングが行われていることが報告されている。分化した細胞にはそれぞれ特徴的なスプライシングのパターンがあり、各細胞に固有の機能や特性を生み出しており、細胞を特徴付ける大きな要因であるのだ。 しかしその一方で、スプライシングの仕組みには、パターンを間違える可能性という危険性があるのはいうまでもない。スプライシングパターンを誤ると、当然のことながら間違えたタンパク質ができてしまったり、そもそもタンパク質そのものができなかったりすることもある。よって、スプライシングパターンが変わってしまうことで生じる疾患も多数報告されているというわけだ。 分化した細胞に、俗に「山中因子」と呼ばれる4つの初期化因子(「Oct3/4」、「Sox2」、「Klf4」、「c-Myc」)を導入するとiPS細胞への初期化が行われるが、その過程でスプライシングパターンも変化しているのかどうかは明らかにはされていなかった。もし、スプライシングパターンが変化しなければ、同じiPS細胞であっても由来細胞によって大きく性質の異なるiPS細胞になる可能性が考えられるというわけだ。そこで研究チームは、大規模遺伝子解析の技術を用いて体細胞とiPS/ES細胞のスプライシングパターンを解析することにしたのである。 初期化前後でのスプライシングの違いについて調べるために、線維芽細胞、ES細胞、線維芽細胞から樹立したiPS細胞それぞれのmRNA配列の解析が実施された。すると、線維芽細胞のスプライシングパターンがiPS/ES細胞に特徴的なスプライシングパターンへと変わったことがわかった(画像1)。選択的スプライシングにはさまざまなタイプがあるが、ここでは「スキップド・エクソン」(A-B-CとA-Cという2つの選択、エクソンBを飛ばすかどうか)についての解析が行われた。画像1のスプライシングパターンの解析結果では、線維芽細胞(MEF)から作製したiPS細胞は、MEFとは大きく異なり、ES細胞と似たスプライシングパターンを示したのである。 特徴的なスプライシングパターンを決めているメカニズムは、RNAに結合するタンパク質が制御していると考えられるという。そこでRNA結合タンパク質の中から、特にiPS/ES細胞で特異的に働いているタンパク質を作る遺伝子92種が選ばれ、それらの遺伝子がRNA干渉法により1つ1つ働かないようにされた結果、9種類のRNA結合タンパク質がスプライシングパターンに影響を与えることが判明したのである。 これらのタンパク質が働かないようにした結果、2種類のタンパク質「U2af1」と「Srsf3」がそれぞれ働かない場合に、iPS細胞ができる効率は低下することが確認された(画像2)。画像2はU2af1およびSrsf3を働かなくした細胞での初期化がわかるiPS細胞のコロニー(左)とシャーレ上のを占める面積を表したバーグラフ。 画像2中のAPは、アルカリフォスファターゼ(iPS細胞へと初期化されたことを確認する指標)。U2af1およびSrsf3の働きを阻害した場合には、iPS細胞のコロニー(紫色の点)の数が減少し(左)、シャーレ上を占める面積も減った(右)。shNCは、コントロール(遺伝子の働きに影響を与えないRNA)、shU2af1はU2af1を作れないようにするRNA、shSrsf3はSrsf3を作れないようにするRNA。#1、#2、#3はそれぞれ同じ内容で実験が行われた。 以上のことから、体細胞が初期化される際にU2af1とSrsf3がRNAスプライシングに影響を与えることによって、重要な役割を果たしていることが明らかとなったのである。 今回の研究では、選択的スプライシングについてゲノム全体で解析を行い、細胞が初期化される過程でスプライシングパターンやスプライシングを制御するメカニズムが変化していることが解明された。また、選択的なスプライシングの制御が細胞を初期化するメカニズムの一翼を担っており、多能性に重要な働きをしていることを示唆しているという。この成果から、iPS細胞はES細胞などと同様に多能性を持つスプライシングパターンへと体細胞のパターンから変化していることが明らかになった形だ。今回の成果を応用することで、iPS細胞の品質評価やiPS細胞作製時の効率や時間の改善などにも利用できる可能性が考えられるとしている。
2013年10月21日季節に関わらず、いつもダイエットを気にしている方。もう何ヶ月もダイエットをしているのに、なかなか目標体重まで落ちないという方、1ヶ月の中で痩せやすい時期とそうでない時期があるのを知っていますか? ポイントは、女性ホルモン! 生理周期が分かれば、今までより上手に減量することができますよ。今回は、女性の生理周期に合わせたダイエット法についてお伝えします。■自分の生理周期をきちんと知る! 月に一度訪れる生理は、私たち女性にとってやっかいなものですが、とても大事なものでもあります。生理が来て、子宮内の血液を身体の外に出すことで子宮内のデトックスができますし、生理がこないと妊娠できません。また生理周期をきちんと知ることで、ダイエットに役立てることもできます。女性ホルモンのプロゲステロン(黄体ホルモン)とエストロゲン(卵胞ホルモン)が分泌される時期を知ってダイエットを成功させましょう。■生理周期と太りやすい時期周期1.生理期間中周期2.生理終了後~排卵日(生理後の約10日間、エストロゲンの分泌量が増加)周期3.排卵後~生理前(生理前の約10日間、プロゲステロンの分泌量が増加)生理を周期に分けると上記の3つ周期になります。この周期で痩せにくいのが、周期3の排卵後~生理前になります。排卵後~生理前は、受胎に備えて女性ホルモンであるプロゲステロン(黄体ホルモン)をたくさん分泌します。プロゲステロンは食欲を増進させ、皮下脂肪を蓄える作用があり、また水分をため込む性質を持っているのでむくみやすくなります。その結果、生理前の約10日間くらいは太りやすくなります。ですが生理が終われば食欲も治まり、むくみも解消されるので自然と体重ももと通りになります。この時期に少々体重が増えても大丈夫ですので、食べすぎないよう普段通りの生活を心がけましょう。でも、どうしてもおなかが空いて何か食べたいと思ったら、80kcal程度の間食をするようにして下さい。80kcalの目安は、食品交換表を参考にして頂くと分かりやすいです。■痩せやすい時期反対に痩せやすい周期もあります。それが、周期2の生理終了後~排卵日です。この時期はエストロゲンが増え、内蔵脂肪を小さくしてくれるので、ここで脂肪を燃焼させる有酸素運動(ウォーキングやジョギング、エアロビクス、水泳など)をすると体重が落ちやすくなります。まとめ:生理前の10日間は、太らないように気をつけ、生理が終わった10日間に有酸素運動を取り入れると痩せやすいということです。自分の生理周期を把握してダイエットを成功させて下さいね。
2013年09月17日ダイエットをする時に、よく和食中心のメニューに変えることを勧められますが、なぜ和食が良いのか知っていますか? 今回は、和食に変えると痩せやすくなる理由についてお伝えします。■メニューでの比較和食と洋食を比較してみましょう。<和食>朝食:ご飯、豆腐とわかめのみそ汁、焼き魚、ほうれん草のお浸し昼食:ご飯、えのきととろろ昆布のお吸い物、豚肉の生姜焼き(添え物として、キャベツの千切り、ミニトマト)、きゅうりと針生姜の酢の物夕食:ご飯、けんちん汁(大根、ゴボウ、にんじん、油揚げ、木綿豆腐)、ぶりの塩焼き(添え物として、ししとうがらしの焼き浸し)、新玉ねぎのおかか和え上記のメニューを見ますと、体の中の老廃物を出してくれる食物繊維が、ご飯、わかめ、えのき、とろろ昆布、ゴボウから摂れることがわかります。また、わかめやゴボウ、にんじんなどは歯ごたえがあり、咀嚼回数が増えるので満腹中枢が刺激され、食べ過ぎをふせいでくれます。そして、なんといっても、全体的に見て油をあまり使用してないので、ヘルシーです。<洋食>朝食:トースト、バター、スクランブルエッグ(添え物として、レタス、ミニトマト)、コンソメスープ(にんじん)昼食:オムライス、野菜サラダ(レタス、きゅうり、玉ねぎ)、ミネストローネ(トマト、玉ねぎ、にんじん)夕食:ご飯、コーンポタージュスープ、エビフライ(添え物として、キャベツの千切り、ポテトサラダ)、ほうれん草のソテーでは、洋食のメニューを見てみましょう。朝食にパンを食べることで、ご飯から得られるはずの食物繊維の摂取が少なくなります。また、トーストやスクランブルエッグにバターを、エビフライでも油を使用するのでカロリーがどうしても増えてしまいます。全体的に柔らかい食べ物が多いので、咀嚼回数も少なくなり、和食に比べて満腹感が得られにくい、ということも言えます。■まとめ今回の献立は一例ですが、ざっと見ただけでも和食の方が献立に使用している野菜の種類が多く、それだけでもたくさんのビタミンやミネラルなども摂れていることになります。和食と洋食では以下の違いが出てきます。・和食の方が洋食に比べて油分が抑えられる・食物繊維がたくさん摂れる・咀嚼回数が増えるので満腹中枢が刺激される時間が短くなり、食べる量が少なくなる痩せるためにはただカロリーを減らせば良いだけではありませんが、摂りすぎるよりは少ない方がいいので、参考にしてみてください。ただ、和食は塩分を摂りすぎたり、主食のご飯に含まれる糖質はダイエットの妨げになりやすいので、その点にはご注意くださいね。
2013年05月17日「朝は1分1秒でも長く寝ていたい」「朝はなんだか食欲がない」。そんな理由で、朝食抜きのまま一日をスタートさせていませんか?食事を一回抜けば、その分痩せると思いがちですが、実は、痩せ体質になるためには朝食はとても大切なのです。 朝食には、寝ている間に下がった体温を上げる効果があります。体温が上がることによって基礎代謝量もアップ、つまり脂肪を燃焼しやすくする効果があるのです。逆に、朝食を抜いて食事の間隔があくと、体がエネルギーを蓄えようと働いてしまいます。代謝をアップさせる朝食メニューには、体温を上げるための「タンパク質」と、脳のエネルギー源となる「糖質(炭水化物)」の組み合わせがおすすめ。それに野菜やフルーツをプラスできれば理想のバランスとなります。■かけるだけでお手軽! “和食派” におすすめのメニュー・納豆ごはん大豆を丸ごと発酵させた納豆は、朝食に取り入れたい食材の一つ。良質な植物性タンパク質のほか、腸内環境を整える食物繊維や、美肌効果のあるイソフラボンなど、嬉しいメリットがたくさん。海苔や刻みネギをプラスすれば、ミネラルやビタミンも補うことができます。・卵かけごはん生卵をそのままでもOKですが、卵は加熱した方がタンパク質の吸収率が良いといわれています。耐熱容器に卵を割りいれ、軽くかき混ぜてレンジで40~50秒加熱すれば、ふっくらトローリ半熟卵のできあがり。ごはんにのせ、醤油をかけていただきます。しらすを加えればカルシウム、ゴマをふればビタミンEを補うことができます。■“洋食派”の強い味方、乳製品を上手に取り入れて・チーズトースト朝食の定番トーストは、いつものバターをチーズに代えて、カロリーを抑えながらタンパク質やカルシウムをとりましょう。スライスしたトマト、冷凍のミックスベジタブル、缶詰のコーンなどをトッピングすると、より栄養バランスがよくなります。・フルーツヨーグルトシリアル食欲がない朝にもサッパリと食べられるシリアル。ダイエット効果を狙うなら、牛乳よりも、乳酸菌を加えて発酵させたヨーグルトがおすすめです。腸の働きを整える乳酸菌は、シリアルに含まれる食物繊維と一緒に食べることで、その効果がアップするといわれています。さらにキウイやバナナ、プルーンなどを加えてビタミン&食べやすさアップ!どうしても時間がないときには、飲み物だけでもOKです。コーヒーなどの刺激が強いものは避け、野菜ジュースや牛乳、飲むヨーグルトなどを選ぶようにしてください。朝の慌ただしさの中でも手早く準備できて、効率よく代謝を促す朝食メニューで、太りにくい体づくりを目指しましょう。
2012年11月21日冬は寒く汗をかかなくなるので、夏に比べて痩せにくいような気がします。しかし、実は寒い季節の方がダイエットに向いているのをご存知でしたか? 冬は体温をキープするためのエネルギーが必要となり、基礎代謝が高まります。基礎代謝が上がれば、同じ生活をしていても必然的に痩せやすくなるのです。だからといって、寒いからと家にこもって食べてばかりではダメ。代謝が高まっているこの時期こそ、家の中でできる簡単なエクササイズを習慣にして、カロリーを消費しやすい体を目指しましょう! ■テレビを見ながらできる、お手軽ストレッチ寒くなるこの季節は、家の中でもできる簡単なストレッチを習慣にするのがおすすめ。ゆっくりと深呼吸しながらストレッチをすることで、血液の循環がよくなってカラダが温まり、痩せやすい体をつくることができます。まずはタオルや肩幅より少し長めのヒモなどを用意します。その両端をしっかり持ち、両腕を上に上げます。そのままゆっくり左右に5回カラダを倒しましょう。むくみやすい背中や肩甲骨まわりがスッキリします。次に両腕を上に上げたまま左右交互に前に出し、上半身をゆっくりとねじります。このとき下半身を動かさないようするのがコツ。上半身をねじることで脇腹が引き締まり、キュッとしたウエストに。■バスタイムでできる、簡単ストレッチストレッチはカラダが温まっている入浴中に行うのも効果的。あまり熱いお湯につかると体に負担がかかるので、ぬるめのお湯で行うのがベスト。のぼせやすい方は半身浴中にストレッチを行うようにしましょう。バスタブの中に座ったら両手で片脚のヒザの下を持ち、ゆっくりと持ち上げます。水面から足先を出すようにするのがポイント。そのまま5秒間キープしましょう。これを左右5回ずつくり返します。膝裏のリンパの流れがよくなるので、脚のムクミに効果的です。次にバスタブの中で両膝をついて立ちます。膝は肩幅と同じくらい広げ、両手でバスタブにつかまってバランスをとります。そのまま足先を上にあげて10秒キープし、ゆっくりと下におろします。足先を上げる時にヒップに力を入れるのがコツ。これを5回繰り返しましょう。ヒップアップ効果が期待できます! 家でできるストレッチは、冬のエクササイズにピッタリ。テレビを見ている時間やバスタイムを利用してカラダを動かし、運動不足になりがちな季節を乗り切りましょう。
2012年09月24日ハーバード大が成功、正式発表へさまざまな種類の細胞へ変化させられる人間の新型万能細胞として注目されているiPS細胞。難しいことはわからなくても、名前くらいは聞いたことがあるのではないだろうか。このiPS細胞から、脂肪を燃やす働きのある褐色脂肪細胞を人工的に作り出すことに、米ハーバード大学などが成功したそうだ。この成功報告は、15日付の科学誌Nature cell biology電子版に正式発表された。肥満を効率よく解消する、治療への応用が期待される成果だ。将来は美容技術にも活かされるかも脂肪細胞には、脂肪を燃焼させる働きのある褐色脂肪細胞と、脂肪を蓄える性質のある白色脂肪細胞の2種類が存在する。このうち、万能細胞の一種であるES細胞では、これまで白色脂肪細胞に変化させることはできても、褐色脂肪細胞に変えることができていなかった。研究チームが、iPS細胞から変化させた褐色脂肪細胞をマウスに移植したところ、もともとの脂肪細胞同様、問題なく定着したという。今後、肥満症の治療を中心に利用が期待されている。肥満症とまではいかなくとも、脂肪を燃やす働きがあるとなると、美容面からも気になるところ。将来はよりひろく活用される技術となるかもしれない。元の記事を読む
2012年01月17日オフィシャルブログで伝授!先日、結婚を発表し、幸せいっぱいのタレント・小倉優子。彼女がオフィシャルブログで“絶対に痩せる”というダイエット法を公開し、注目されている。このダイエット法の伝授は、ファンから寄せられた質問に答えたもので、彼女も断食など、いわゆる世にあふれる様々なダイエット方法を試してみた経験があることを明かしたうえで、“これ!”とたどりついた「絶対のダイエット方法」を紹介している。絶対痩せる!といわれると気になるけれど…そこまでの自信の方法となると、その内容が気になるところだ。その彼女が言う方法とは、朝・昼・晩の3食を「腹八分目」でおさえながらきちんと食べること、だとか。ポイントは3食をきちんと摂ることだそうで、抜くととにかく太りやすくなるので絶対、とアピールしている。斬新な方法というわけではないけれど、たしかに健康的に、確実に、スタイルを良くするダイエット法としては効果が期待できそう。王道がやはり強し?!日々家事にも最近は頑張っている様子の彼女。ブログで紹介される手料理も、スタイルキープのメニューとして参考になるかもしれない。元の記事を読む
2011年11月19日