第24回読売演劇大賞の贈賞式が2月27日、都内にて行われた。読売演劇大賞は1994年に演劇界の活性化を願って創設された賞。今回は2016年1月から12月までに国内で上演された、すべての演劇作品を対象に、最もすぐれた作品・人に贈賞される。作品賞、男優賞、女優賞、演出家賞、スタッフ賞の5部門と、全部門の中から新人を対象に贈られる「杉村春子賞」があり、その中からさらに「大賞」を選ぶ。今回の大賞はNODA・MAP『逆鱗』や『遠野物語・奇ッ怪 其ノ参」』の美術を担当し、最優秀スタッフ賞を受賞した堀尾幸男。「私は(登山家の)三浦雄一郎さんに似てるんですが、舞台美術家やスタッフは“シェルパ”。山に登って三浦先生は歓喜の声を上げ写真に写りますが、シェルパは写真に出てこない。これはまさに舞台スタッフ。それが今回、大賞を頂いて表に出ることになりました」とユーモアたっぷりで受賞の喜びを語った。なお、最優秀スタッフ賞受賞者の大賞受賞は読売演劇大賞史上初。最優秀作品賞は『ジャージー・ボーイズ』が、こちらもミュージカル作品としては同賞史上初の受賞。また同作に主演した中川晃教は最優秀男優賞を受賞し、W受賞となった。実在のバンド「ザ・フォー・シーズンズ」の栄光と影を描いた作品で、中川は“天使の歌声”の持ち主フランキー・ヴァリ役をトワングという歌唱法を用い演じたが「自分でも聴いたことのない自分の声が必要だった」とその苦労を振り返りながらも、充足の表情。時折、感極まり涙で声を詰まらせながら「歌と芝居、そしてダンス、様々な手法でミュージカルはお客さまに感動を届けていく。なんて素晴らしい仕事なんでしょうか。今後もミュージカル、エンタテインメントを、最高のところまで持っていけるように僕も頑張っていきたい」と力強く語った。最優秀演出家賞はケラリーノ・サンドロヴィッチ。「出演者の方とワイワイやっているうちに出来ちゃったという感じ。こんな楽しいことをやって賞までいただいて、ありがたい」とコメント。最優秀女優賞の鈴木杏は「15歳から16歳になるときに『奇跡の人』で初めて舞台に立って、そのときから私はずっと演劇に恋をしっぱなし」と笑顔で語る。杉村春子賞を受賞した三浦春馬は「この賞をいただいたことによって、微力ですがもっともっと、ミュージカル、そして演劇を、日本の皆さまに身近に感じてもらえるように努力をしていきたい」と話した。ほか芸術栄誉賞は吉井澄雄、選考委員特別賞は三浦基が受賞。会見後には『ジャージー・ボーイズ』のメンバーによるパフォーマンス披露もあり、華やかで楽しい会となった。
2017年03月01日26日(現地時間)に行われた第89回アカデミー賞に出席したスカーレット・ヨハンソンが、レッド・カーペットでサミュエル・L・ジャクソンに叱られたことを明かした。『アベンジャーズ』シリーズで共演している2人はレッド・カーペットで偶然一緒になった。「サミュエル・ジャクソンに会えてうれしかったのに、いきなり怒られたの」とスカーレットは「E! News」の取材で語った。理由は「私が子どもの写真をあまり送らないから」。スカーレットには、先日破局した2番目の夫、ロマン・ドーリアックとの間に2歳になる娘・ローズがいる。スカーレットは「ここでそれを聞く?と思ったけど、彼は『写真はどこだ?』って」と笑いながら話した。仲の良さをうかがわせる微笑ましいエピソードだが、実はスカーレットは娘の誕生祝いにサミュエルが何を贈ってくれたのか、その記憶もあやふやな様子。記者に水を向けられると、「彼、何をくれたんだっけ?聞かないで。もし思い出せないと、また怒られちゃう。サムは敵に回したくないでしょ!」と慌てていた。(text:Yuki Tominaga)
2017年03月01日3月3日に行われる、第40回日本アカデミー賞授賞式。すでに優秀賞は発表されており、授賞式では各賞の最優秀賞が発表される。優秀監督賞には、若手監督、アニメーション監督等様々なジャンルの監督が集まった。映画界に3年以上関わっていることを条件とした日本アカデミー賞協会の投票によって決定する同賞だが、一足先に一般観客の予想を知るべく、マイナビニュース会員1,759名にアンケートをとった。Q.日本アカデミー賞監督賞で最優秀賞をとると思う監督は?1位 新海誠(『君の名は。』) 1,041名2位 庵野秀明/樋口真嗣(『シン・ゴジラ』) 448名3位 李相日(『怒り』) 109名4位 瀬々敬久(『64-ロクヨン-前編』) 104名5位 中野量太(『湯を沸かすほどの熱い愛』) 54名○日本のアニメの技術力を再発見■1位新海誠(『君の名は。』)・「話題になったから。外国でも話題になるのはすごいと思う」(39歳女性/その他/その他・専業主婦等)・「改めて日本のアニメ技術の高さを感じさせられたから」(38歳男性/人材派遣・人材紹介/事務・企画・経営関連)・「作品賞にノミネートされていないのが不思議なくらい、去年の日本映画でいちばんよい作品」(54歳男性/サービス/事務・企画・経営関連)・「話題性と観客動員数に加えて、ストーリーの総合演出力があると感じたから」(39歳男性/官公庁/公共サービス関連)・「興行収入がすごかったのと、作品からものすごく色々な主張が込められていて、誰もが認める良い作品だと思うから」(24歳男性/食品/その他・専業主婦等)・「アニメーションの綺麗さ、入れ替わるというあり得ないことがきちんと進みそして涙」(51歳女性/その他/その他・専業主婦等)■2位 庵野秀明/樋口真嗣(『シン・ゴジラ』)・「ただ、とって欲しいと願うだけです」(53歳男性/物流・倉庫/技能工・運輸・設備関連)・「『ゴジラ』の歴史に対し、位負けすることがない、細部まで手を抜いていない力作」(64歳男性/その他/その他・専業主婦等)・「怪獣映画にもかかわらず、緻密なリサーチによる演出でリアリティを感じさせることに成功したから」(46歳男性/フードビジネス/販売・サービス関連)・「庵野さん好きだし、これにノッてくれればエヴァもすぐにやってくれるかもしれない」(31歳男性/教育/その他・専業主婦等)・「長く愛されている作品のキャラクターで新しいものを作るというのは相当大変だと思う」(29歳女性/建設・土木/技能工・運輸・設備関連)■3位 李相日(『怒り』)・「俳優の微妙な表情まで、うまくとらえていたから」(33歳女性/食品/事務・企画・経営関連)・「役者の新しい面を引き出していたように感じたから」(37歳男性/広告・出版・印刷/クリエイティブ関連)・「客観視して作られる日本に見つめ直せる撮り方だったから」(49歳男性/フードビジネス/事務・企画・経営関連)・「映画としての深みや感動に、監督の決断や取捨選択が大きくかかわっているのではないかと思ったから」(28歳男性/その他/その他・専業主婦等)・「この原作を映像化するのは無理だと思っていたので」(33歳女性/流通・チェーンストア/事務・企画・経営関連)■4位 瀬々敬久(『64-ロクヨン-前編』)・「警察内部の部分を取り扱っているのと、主役の警察官の気持ちをよく表している様に思う」(69歳男性/その他/その他・専業主婦等)・「テレビでも放映されていた作品を映画にする苦労があったと思うから」(31歳女性/銀行/事務・企画・経営関連)・「原作の小説を、よりリアルなものとして映画を完成させていらっしゃると想います」(55歳女性/その他/その他・専業主婦等)・「作品への想像力がすごいと思うから」(30歳女性/その他/その他・専業主婦等)・「深層心理に働きかける映像や描写がうまい」(49歳男性/食品/営業関連)■5位 中野量太(『湯を沸かすほどの熱い愛』)・「人気原作の映画化が一般的になりつつある中、自ら書き下ろした脚本で監督をやり最高の作品を作った中野量太さんを推したい。伏線を上手く張った内容で且つそれが感動に繋がっていた。最後のアイデアも素晴らしいと思う」(47歳男性/レジャーサービス・アミューズメント・アート・芸能関連/営業関連)・「そろそろ賞をとる感じがするから」(43歳男性/その他/その他・専業主婦等)・「日本代表する若手監督だから」(48歳男性/設計/メカトロ関連技術職)・「家族愛、感情の表現がとても上手な作品だったから」(42歳男性/医療・福祉・介護サービス/営業関連)・「俳優の選出が適任だから」(23歳女性/輸送用機器/事務・企画・経営関連)○総評予想1位となったのは、大ヒット中のアニメーション映画『君の名は。』の新海誠監督。2016年8月の公開から半年経った今も公開され続けており、現在興行収入は現在244億円を突破した。公開直後から話題となっただけでなく、アジア・北米でも好評なことから「日本の底力」「アニメ表現のすごさを示した」と多くの読者より支持を受けた。2位の庵野秀明&樋口真嗣監督は、『シン・ゴジラ』が大ヒット。ゴジラの恐ろしさだけではなく、ゴジラに立ち向かい尽力する人々を客観的に見せたことで、ありきたりなヒューマン・ストーリーではない映画を作り上げた手腕が大きく評価された。『怒り』の李相日監督は、撮り方や役者への指導も含めて話題となった。『64-ロクヨン-前編』の瀬々敬久監督は、重厚な作品づくりが、『湯を沸かすほどの熱い愛』中野量太監督は若手監督としての期待がそれぞれ支持を得た。話題作に恵まれた2016年の映画界にふさわしく、様々な監督にスポットライトがあたる結果となった。調査時期: 2017年2月13日~2017年2月17日調査対象: マイナビニュース会員調査数: 1,759名調査方法: インターネットログイン式アンケート
2017年03月01日3月3日に行われる、第40回日本アカデミー賞授賞式。すでに優秀賞は発表されており、授賞式では各賞の最優秀賞が発表される。優秀主演女優賞には、10代~50代まで、いずれも実力派の華やかな女優5名が集まった。映画界に3年以上関わっていることを条件とした日本アカデミー賞協会の投票によって決定する同賞だが、一足先に一般観客の予想を知るべく、マイナビニュース会員1,759名にアンケートをとった。Q.日本アカデミー賞女優賞で最優秀賞をとると思う女優は?1位 広瀬すず(『ちはやふる-上の句-』) 506名2位 大竹しのぶ(『後妻業の女』) 478名3位 宮崎あおい(『怒り』) 331名4位 宮沢りえ(『湯を沸かすほどの熱い愛』) 325名5位 黒木華(『リップヴァンウィンクルの花嫁』) 119名○みずみずしい演技が支持■1位 広瀬すず(『ちはやふる-上の句-』)・「若さと透明感、みずみずしさあふれる演技が魅力的なので」(37歳男性/医療・福祉・介護サービス/専門サービス関連)・「これは、学園ムービーの金字塔を作った。千早にあいたい」(34歳男性/官公庁/事務・企画・経営関連)・「キャストが発表された時には原作のイメージとかけ離れていて不満に思ったが、いざ映像化されたものを見たらはまっていたから」(38歳女性/物流・倉庫/事務・企画・経営関連)・「畳の上の格闘技とも言われる競技かるたに向けた真剣さ、純粋さと、きれいな容姿がマッチしているから」(33歳男性/その他/その他・専業主婦等)・「漫画の実写化というのは難しいものがあるが、原作のイメージを壊すことなく、むしろ更に発展させたと思うから。これは主演の影響がかなり大きいと思います」(22歳女性/その他/その他・専業主婦等)■2位 大竹しのぶ(『後妻業の女』) 478名・「兎に角面白い。小説家仲間が刺激を受けた」(36歳女性/その他/その他・専業主婦等)・「大竹しのぶさんの演技の凄さ。あらためて素晴らしい女優さんだと思いました。面白いながらも現代のリアルな真実、ホラー性のある内容を人間誰しもがある後ろめたい本性を見事に演じていると思いました」(49歳男性/その他/技能工・運輸・設備関連)・「大竹さんはすごい女優さんだと思う。何でも役になり切れる」(31歳男性/教育/その他・専業主婦等)・「昔から演技派の女優さんで、今回の映画では役をしっかりと演じ切っていた。役になり切っていたおかげで、とても映画に入り込み感情移入しながら楽しむことができた」(44歳女性/その他/その他・専業主婦等)・「意外なキャスティングだったが、女優さんの魅力があふれてた」(28歳女性/インターネット関連/営業関連)■3位 宮崎あおい(『怒り』) 331名・「実力派男優陣にも負けない演技力だったから」(48歳男性/専門店/販売・サービス関連)・「凄いとしか言いようがない。実力もそうだが、まるで憑依している姿は圧巻」(50歳女性/その他/その他・専業主婦等)・「人の想いというものをスクリーンを通して伝えられる稀有な存在だと思う」(49歳男性/フードビジネス/事務・企画・経営関連)・「演技の為に、体重を増加させて、挑んでいる姿が頑張っていたので」(40歳男性/医療・福祉・介護サービス/専門サービス関連)・「女優としてもともと注目を集めているだけではなく、『怒り』の世界観にマッチした演技をしていたと思うから」(22歳女性/その他/その他・専業主婦等)■4位 宮沢りえ(『湯を沸かすほどの熱い愛』)・「いまや演技派として成熟してきていると思うから」(57歳男性/生命保険・損害保険/事務・企画・経営関連)・「素敵な役だし、存在感のある女優さんだから」(34歳女性/サービス/その他・専業主婦等)・「美人だし年齢を重ねるごとに素敵になっていくからです」(31歳女性/その他/その他・専業主婦等)・「余命のまもないお母ちゃんとその子供を愛する母の愛情と強さを熱演していたから」(42歳男性/医療・福祉・介護サービス/営業関連)・「余命宣告をうけながらも精一杯生き抜いた女性の生き方が迫力があった」(5歳女性/その他/その他・専業主婦等)■5位 黒木華(『リップヴァンウィンクルの花嫁』)・「華やかな人でないけど魅力ある女性なので」(45歳男性/旅行・観光/販売・サービス関連)・「他の女性にはない独特の雰囲気を醸す演技が良いから」(21歳男性/その他/その他・専業主婦等)・「派手ではないけど、気になる演技をする人なので受賞してほしいと思います」(27歳女性/ソフトウェア・情報処理/営業関連)・「あの世界観にぴったりとはまっていたので」(33歳女性/流通・チェーンストア/事務・企画・経営関連)・「美人だし、大人の魅力を感じさせるから」(44歳男性/鉱業・金属製品・鉄鋼/技能工・運輸・設備関連)○総評得票数で最多となったのは、映画『ちはやふる-上の句-』で好演した広瀬すず。昨年行われた第39回日本アカデミー賞では新人俳優賞を受賞しており、1年で優秀主演女優賞に輝く活躍に。また今回は、映画『怒り』で優秀助演女優賞にも選出されており、読者の期待もかなり高くなっている。2位となったのは、すでに何度も同賞を受賞している女優・大竹しのぶ。2016年の年末には、紅白歌合戦に初出場したこともあり、演技力だけでなく話題性にも関心が高まっていた。また、3位の宮崎あおいは『怒り』で体重を増加させて役に挑んだ点、感情を露わにする芝居などが高い支持を得た。母としての姿を演じ、評価を受けた宮沢りえは、歳を重ねるごとに磨かれる演技が話題に。また黒木華は第38回、第39回と続けて最優秀助演女優賞を受賞しており、満を持しての主演女優賞、最優秀賞獲得に期待が持たれるところだ。調査時期: 2017年2月13日~2017年2月17日調査対象: マイナビニュース会員調査数: 1,759名調査方法: インターネットログイン式アンケート
2017年02月28日2月27日(日本時間)に発表された第89回アカデミー賞にて、同賞公認・アジア最大級の国際短編映画祭「ショートショート フィルムフェスティバル & アジア(SSFF&ASIA)2016」のグランプリ作品『合唱』(Sing)が、見事、短編実写映画部門で受賞。「SSFF&ASIA」のグランプリ作品がオスカーを獲得するのは初めてとなり、早くも3月1日(水)よりブリリア ショートショート シアターにて上映されることになった。おとなしい10歳の少女ジョフィーは転校したばかり。最初は慣れなかったが、すぐに校内の合唱団に入ることを決め、人気者のクラスメイト・リザと仲良くなる。ほどなく、彼女たちは一致団結して、合唱団の指揮者である先生に立ち向かうことに。彼女は見た目と違い、本当は意地悪な人物だった――。ハンガリー発の本作は、1990年代のブダペストを舞台にした、クリストフ・デアーク監督の友人の実話をもとにした物語。転校先で強豪の合唱団に入部した10歳の少女が、名声の裏にある醜い秘密を知ってしまい、子どもたちが一致団結して世の中の不公平に立ち向かう姿が胸を打つ作品となっている。また、「SSFF&ASIA」は俳優の別所哲也が代表を務める米国アカデミー賞公認・アジア最大級の国際短編映画祭として知られ、今年6月には19回目の開催を控える。今回アカデミー賞短編部門で初受賞を果たした『合唱』は、加藤雅也、黒木瞳、クローデット・ゴッドフリー、佐藤信介、テリー伊藤の5名のオフィシャルコンペティション審査員によって選出された2016年のグランプリ作品だ。クリストフ・デアーク監督は、「SSFF&ASIA 2016」アワードセレモニーの際、「映画祭で日本を訪れ、観客からの素晴らしい反応に感動しました。自分の作品がこんなにも遠くの国で皆さんの心と共鳴するなんて夢のまた夢でした。中には自分が子ども時代に悩んだ経験を重ね合わせて話をしてくださった方もあり、この作品の社会的な面が多くの人に伝わっているという実感ができたことをとても嬉しく思いました。日本でご覧いただいた皆さんの心を打つことができて本当に光栄です」と語っていた。「SSFF&ASIA」代表の別所さんは今回の受賞に際し、「『合唱』(Sing)のオスカー受賞を心からお祝いします。クリストフ監督の努力が最高の形で実を結び、とてもうれしく思います。私たちは映画監督たちが世界で輝く一歩となればと思い、この19年間、映画祭を続けてきました。今後も若い映画制作者たちが才能を発揮できるよう、応援をしていきます」と、お祝いのコメントを寄せている。『合唱』は3月1日(水)~3月31日(金)まで横浜みなとみらい・ブリリア ショートショート シアターにて「アカデミー賞ショートフィルムプログラム(全3作品)」として上映。(text:cinemacafe.net)
2017年02月27日アカデミー賞で披露されたパフォーマンスをご紹介!まずはジャスティン・ティンバーレイクが『Trolls』(原題)の「Can’t Stop the Feeling」を歌いながら会場入り。実はその直前に弟を同伴したエマ・ストーンがレッドカーペットでインタビューを受けているところに“フォトボム”を仕掛ける余裕っぷりを見せていたジャスティン。歌って踊るノリノリなジャスティンに合わせ、会場の招待客も総立ちではしゃぎ、盛大な幕開けとなった。リン=マヌエル・ミランダは、『モアナと伝説の海』の「How Far I’ll Go 」の前奏でアカデミー賞仕様のラップを披露。その後、モアナを演じたアウリイ・クラヴァーリョが16歳とは思えない堂々とした歌声で会場を沸かせた。途中、波に見立てた大きな布が彼女の頭にぶつかってしまうというハプニングもあったが、アウリイは気にせず笑顔で歌い切った。スティングは、ISISに殺害されたジャーナリストのジェームズ・フォーリーを描いたドキュメンタリー『Jim: The James Foley Story』(原題)から「The Empty Chair」を1人で歌った。本来はピアノ伴奏のバラードだが、今回はアコースティックギターでしっとりと歌い上げ、ジェームズを偲んだ。『ラ・ラ・ランド』から「City of Stars」と「Audition」の2曲がノミネートされ、同映画のエマ・ストーンとライアン・ゴズリングから紹介を受けて登場したジョン・レジェンドは、2曲をピアノで弾き語り。映画の世界がそのまま表現されたセットでジョンの歌声は会場に心地よく響き、コンサート並みのクオリティで圧倒。見事、「City of Stars」が歌曲賞を受賞した。まさにどの曲が歌曲賞を受賞してもおかしくない、大物アーティストたちが圧巻のパフォーマンスを見せた。(Hiromi Kaku)■関連作品:ラ・ラ・ランド 2017年2月24日よりTOHOシネマズ みゆき座ほか全国にて公開(C) 2016 Summit Entertainment, LLC. All Rights Reserved.モアナと伝説の海 2017年3月10日より全国にて公開(C) 2016 Disney. All Rights Reserved.
2017年02月27日授賞式最後の作品賞発表で、まさかの封筒渡し間違いという前代未聞の事態が起きて騒然となった第89回アカデミー賞授賞式。歴史に残る授賞式を彩った女優たちの装いをふり返ってみよう。主演女優賞を受賞したエマ・ストーン(『ラ・ラ・ランド』)は「ジバンシイ(GIVENCHY)」のオートクチュール。トップはビーズの刺繍、裾はフリンジのレイヤーというゴージャスなゴールドのドレスは、オスカー像を思わせるシルエットだった。きれいなダウンスタイルの髪に、「ティファニー(TIFFANY)」のダイアモンドのイヤリングというシックなスタイルだ。プレゼンターを務めたダコタ・ジョンソンも、クラシックな女優を思わせる「グッチ(GUCCI)」のゴールドのドレス。ハイネックに「カルティエ(Cartier)」のヴィンテージのネックレスを合わせた。今年のトレンドの1つはハイネックにロングスリーブのドレス。主演女優賞候補のイザベル・ユペール(『Elle』原題)の「アルマーニ・プリヴェ(ARMANI PRIVR)」、同賞候補のルース・ネッガ(『ラビング愛という名前のふたり』)の「ヴァレンティノ(Valentino)」などがこのスタイル。今年の賞シーズン中、レッドカーペット・ファッションでも注目されたルースはレースをあしらった鮮やかなレッドのドレスの胸元に青いリボンをつけていたが、これは「アメリカ自由人権協会(ACLU)」支援を表明するもの。長いケープが印象的な「ステラ・マッカートニー(Stella McCartney)」の白のドレスを着たスーパーモデルのカーリー・クロス、作品賞や脚色賞を受賞した『ムーンライト』のバリー・ジェンキンス監督をはじめ、リボンをつけた出席者の姿があった。デコルテを見せないのと対照的に、ストラップレスやオフショルダーのスタイルも。主演男優賞のプレゼンターを務めたブリー・ラーソンは「オスカー・デ・ラ・レンタ(Oscar de la Renta)」の黒のストラップレス。ベルベットでVカットの胸元と大きなひだを作った裾が印象的。同じく黒のストラップレスのキルステン・ダンストは「ディオール(Dior)」のオートクチュール。『ムーンライト』で助演女優賞候補だったナオミ・ハリスは、ラフ・シモンズがデザインする「カルバンクライン by アポイントメント(Calvin Klein By Appointment)」。白のストラップレスでアンダーバスト下を少しだけ肌を見せるデザイン。前面は膝丈だが、後ろは長めのトレーンという斬新なデザイン。アリシア・ヴィキャンデルは、広告キャンペーンに出演している「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」のドレス。総レースでコルセットにティアードスカートというゴシック・スタイルの黒のドレスがブロンズ色の肌に映えていた。トップがプランジネックの黒、スカート部分はゴールドというメリハリの効いたスタイルのミシェル・ウィリアムズも「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」のカスタムメイド。スカーレット・ヨハンソンは「アライア(ALAIA)」のピンクのプリントドレスをベルトでウエストマークした。一方、50歳にして裾がフリンジの「ヴェルサーチ(VERSACE)」のワンショルダーを着こなしたのはハル・ベリー。ダイナミックなヘアスタイルも大迫力。ドレスの裾にスリットの入ったデザインも人気で、シャーリーズ・セロンは「ディオール(Dior)」のメタリック調のドレス。Vネックの深いえり、スリットからきれいな長い脚がのぞいていた。タラジ・P・ヘンソンは「アルベルタ・フェレッティ(Alberta Ferretti)」のカスタム。ベルベットのオフショルダーに、ゴージャスな「ニラヴ・モディ(NIRAV MODI)」のダイヤモンドのネックレスを合わせた。大人世代の女優たちに人気だったのが「アルマーニ プリヴェ(ARMANI PRIVE)」。助演女優賞を受賞したヴィオラ・デイヴィス(『フェンス』)とニコール・キッドマンは共にホルターネックをチョイス。ヴィオラの赤いドレスはオフショルダーのスリーブとトレーンがアクセント。ニコールはヌードカラーに繊細な刺繍をほどこした豪華な一着だった。(text:Yuki Tominaga)
2017年02月27日第89回アカデミー賞は前代未聞、空前絶後(笑)のハプニングで幕を閉じた。作品に輝いたのは大本命『ラ・ラ・ランド』ではなく、対抗馬の『ムーンライト』。夢を追う尊さを描いた『ラ・ラ・ランド』にとって、受賞の喜びはまさに“夢の瞬間”でしかなかった。まずは本年度のアカデミー賞をけん引した両雄の受賞結果をまとめておこう。『ムーンライト』は作品賞、脚色賞、助演男優賞(マハーシャラ・アリ)の3部門で栄冠。一方、史上最多タイとなる13部門14ノミネートに挙がっていた『ラ・ラ・ランド』は、監督賞(デイミアン・チャゼル)、主演女優賞(エマ・ストーン)、撮影賞、美術賞、作曲賞、歌曲賞の合計6部門に輝き、本年度の最多部門受賞を果たした。■ブラッド・ピットの制作会社がまた作品賞!受賞発表後、早速話題になっているのが本作を製作した「プランBエンターテインメント」の快挙だ。映画ファンにはおなじみだが、あのブラッド・ピットが所有する映画制作会社で、過去に『ディパーテッド』(マーティン・スコセッシ監督)、『それでも夜は明ける』(スティーヴ・マックイーン監督)がアカデミー賞作品賞に輝く実績を誇っているのだ。「脚本がとんでもなく素晴らしく、構成は特筆すべきエレガントさとシンプルさがあった」と語るのは、共同社長でプロデューサーを務めるジェレミー・クライナー。決して派手な要素はないが、バリー・ジェンキンス監督の独特なビジュアル感覚と、手がけた脚本の繊細な心理描写を見抜き、映画化を実現させた功績は非常に大きい。■“白すぎるオスカー”への反省は?アカデミー賞といえば近年、白人俳優ばかりがノミネートされる“白すぎるオスカー”と批判されており、本年度はその対策にも注目が集まった。結果として、演技賞候補20人のうち、アフリカ系の俳優が6人名前を連ねることになった。そんな流れのなかで、ジェンキンス監督がアフリカ系監督で初の監督賞を受賞し、作品賞は『ラ・ラ・ランド』に…という予想を立てていたが、結果はその逆。先述した『それでも夜は明ける』も作品賞、助演女優賞、脚色賞の3部門と似た受賞結果になっている点を見ると、批判への配慮というよりは、純粋に作品が評価されたと捉えるべきだろう。■若き才能にチャンス与えるハリウッド『ムーンライト』のメガホンをとったジェンキンス監督は現在37歳で、本作は長編2作目。また、史上最年少で監督賞に輝いたチャゼル監督は現在32歳で『ラ・ラ・ランド』が長編3作目である。両監督に共通するのは野心と革新性、そして実験精神だ。彼らの躍進はハリウッドの人材の豊富さに加えて、その才能にチャンスを与える業界の懐の深さを象徴している。一方、本年度はオスカーの常連であるクリント・イーストウッド監督の『ハドソン川の奇跡』、マーティン・スコセッシ監督の『沈黙-サイレンス-』がともに技術系の部門での1ノミネートに留まっており(受賞はせず)、ベテランに厳しい結果になっている。(text:Ryo Uchida)
2017年02月27日第89回アカデミー賞の授賞式が27日(現地時間26日)、アメリカ・ロサンゼルスのドルビー・シアターで開催され、『ラ・ラ・ランド』が最多6部門を受賞。作品賞は『ムーンライト』が獲得した。作品賞の発表では、前代未聞のハプニングが発生。主演女優賞の封筒を作品賞で渡してしまい、最初『ラ・ラ・ランド』と発表されキャスト・スタッフが壇上に上がりスピーチするも、その途中で『ムーンライト』だと訂正発表された。『ムーンライト』は作品賞、脚色賞、助演男優賞(マハーシャラ・アリ)の3部門を獲得した。『タイタニック』(97)と並ぶ、史上最多14ノミネートだった『ラ・ラ・ランド』は、下馬評通り、監督賞(デイミアン・チャゼル)、主演女優賞(エマ・ストーン)などを含む最多6部門を受賞。32歳での監督賞受賞は最年少となった。主演男優賞は『マンチェスター・バイ・ザ・シー』のケイシー・アフレックが初受賞。また昨年は"白人チョイスアワード"と揶揄されたが、今年は助演男優賞を『ムーンライト』のマハーシャラ・アリ、助演女優賞を『フェンス』ヴィオラ・デイヴィスが受賞し10年ぶりの黒人俳優W受賞となった。長編アニメ映画賞では、ディズニー5連覇となる『ズートピア』が受賞。スタジオジブリとして初めて海外と共同製作した『レッドタートル ある島の物語』は惜しくも受賞を逃した。WOWOWプライムでは、2月27日21時から同授賞式の字幕版を放送。3月5日18時からダイジェスト版も放送する。第89回アカデミー賞 受賞結果一覧作品賞:『ムーンライト』監督賞:デイミアン・チャゼル『ラ・ラ・ランド』主演男優賞:ケイシー・アフレック『マンチェスター・バイ・ザ・シー』主演女優賞:エマ・ストーン『ラ・ラ・ランド』助演男優賞:マハーシャラ・アリ『ムーンライト』助演女優賞:ヴィオラ・デイヴィス『フェンス』脚本賞:『マンチェスター・バイ・ザ・シー』脚色賞:『ムーンライト』撮影賞:『ラ・ラ・ランド』編集賞:『ハクソー・リッジ』美術賞:『ラ・ラ・ランド』衣装デザイン賞:『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』メイク・ヘアスタイリング賞:『スーサイド・スクワッド』作曲賞:『ラ・ラ・ランド』歌曲賞:「City of Stars」『ラ・ラ・ランド』録音賞:『ハクソー・リッジ』音響編集賞:『メッセージ』視覚効果賞:『ジャングル・ブック』外国語映画賞:『セールスマン』製作国:イラン長編アニメ映画賞:『ズートピア』短編アニメ映画賞:『ひな鳥の冒険』短編実写映画賞:『合唱』短編ドキュメンタリー賞:『ホワイト・ヘルメット‐シリアの民間防衛隊‐』長編ドキュメンタリー:『O・J:メイド・イン・アメリカ(原題)』(C) 2016 Summit Entertainment, LLC. All Rights Reserved. Photo credit: EW0001: Sebastian (Ryan Gosling) and Mia (Emma Stone) in LA LA LAND. Photo courtesy of Lionsgate.
2017年02月27日壇上で封筒の中身を見比べるPhil McCarten /(C)A.M.P.A.S. 第89回アカデミー賞授賞式がロサンゼルス・ドルビーシアターで行われた。 史上最多となる14部門にノミネートされた『ラ・ラ・ランド』が、監督賞、主演女優賞を含む6部門を受賞。そしてクライマックス「作品賞」の発表の瞬間を迎えた。 プレゼンテーターを務めたのは往年の名優、ウォーレン・ベイティ(79)とフェイ・ダナウェイ(76)。『俺たちに明日はない』の公開50周年を記念した人選だった。 ダナウェイは「今日の最後の賞を発表するのはとても光栄です。ノミネートされた素晴らしい作品は私たちに希望や喜びを与えてくれます」と笑顔で語り、ベイティも「政治においても、芸術においても、真実を明かにすることが大切。作品賞にノミネートされた作品は、社会の中で多様性が増していることを示しています。世界中で多様性と自由が大切だということを教えてくれているのです」と、昨今の右傾化する情勢を風刺する挨拶を述べた。 ノミネーション作品のダイジェストが流れ、ドラムロールが響き、ついにその時が訪れた。「オスカーは……」と言いながら封筒を開けたベイティは、受賞作が書かれた紙片を見て少し怪訝な表情を見せ、封筒の中を検めるような仕草をしている。「アカデミー賞を受賞するのは……」と言い直し、ダナウェイが「『ラ・ラ・ランド』!」と発表。 その瞬間大歓声が上がり、デイミアン・チャゼル監督、ライアン・ゴズリング、エマ・ストーン、そしてスタッフたちがステージに大挙して押し寄せた。プロデューサーのジョーダン・ホロウィッツが「本当にありがとう。アカデミーに、ライオンズゲートに、すばらしいキャストたちに感謝します」と、スピーチを行う後ろで、ヘッドセットを着けた受賞式のスタッフが慌ただしく壇上を行き来している。 不穏な空気が流れる中、プロデューサーのフレッド・バーガーがマイクの前に進み出て「愛しい妻……」と口を開いた瞬間、後ろからスタッフが何ごとかを耳打ち。そして彼は「負けだったみたいだ」とニッコリ笑って踵を返した。そして最初にスピーチをしたジョーダン・ホロウィッツが「間違いがありました。作品賞は『ムーンライト』です。冗談ではありませんよ。本当に、読み間違えたみたいなんです」と言いながら、『ムーンライト』と書かれた紙を客席に向かって提示した。 司会者のジミー・キンメルは「大変残念なことが起きました。個人的にはスティーブ・ハーヴェイが悪いと思っていますが」と、2015年のミス・ユニバースで、視界のスティーブ・ハーヴェイが優勝者の名前を間違えて発表した事件を引き合いに出しながら事態の収拾に腐心。ホロウィッツは一度受け取ったオスカー像を、「これはぜひ私から『ムーンライト』の皆さんに渡したい」と言って大歓声をもらっていた。 『ムーンライト』のスタッフが壇上に到着するのを待つ間に、ベイティがマイクの前に歩み出て「何があったか説明させてください」と切り出した。「私が封筒を開けると、そこには『エマ・ストーン/ララ・ランド』と書いてありました。だから、私はずっと見ていたんです。これはジョークでやったんじゃないんですよ。作品賞は『ムーンライト』です」。 どうやら、直前に発表された主演女優賞の封筒が、何らかの手違いでベイティに手渡されてしまったようだ。確かに、封筒を開けたときのベイティは戸惑いながら何度も中身を確かめている。 予定外のアクシデントに見舞われてしまった『ムーンライト』のバリー・ジェンキンス監督は「夢じゃないかと思っていたけど、もう違う、これが現実だ!何てことだ!」と喜びを爆発させた。 アカデミー賞の長い歴史の中でも、大トリの作品賞で呼び間違うなど前代未聞。ケチがついてしまった感もあるが、今年の作品賞は『ムーンライト』に贈られた。日本では4月28日に公開される。
2017年02月27日第89回アカデミー賞の授賞式が27日(現地時間26日)、アメリカ・ロサンゼルスのドルビー・シアターで開催され、最高賞である作品賞に『ムーンライト』(4月28日日本公開)が輝いた。『ムーンライト』は、脚色賞(バリー・ジェンキンス、タレル・アルビン・マクレイニー)、助演男優賞(マハーシャラ・アリ)も受賞し、3部門を獲得した。本作は、エグゼクティブプロデューサーにブラッド・ピットを迎え、自身が創設したプランBエンターテインメントで製作した作品。自分の居場所を探し求める主人公の姿を、色彩豊かで革新的な映像美と情緒的な音楽と共に3つの時代でつづった。作品賞の発表の場面では、はじめに最多14ノミネートを果たしていた『ラ・ラ・ランド』と発表され、ステージ上にキャストやスタッフが集結してスピーチが行われている最中に間違えが発覚。正しくは『ムーンライト』だと訂正されるという前代未聞のハプニングに会場は混乱したが、『ラ・ラ・ランド』陣も切り替えて祝福した。作品賞は、『ムーンライト』のほか、『メッセージ』、『フェンス』、『ハックソー・リッジ』、『最後の追跡』、『ヒドゥン・フィギュアズ(原題)』、『ラ・ラ・ランド』、『LION/ライオン ~25年目のただいま~』、『マンチェスター・バイ・ザ・シー』がノミネートされていた。WOWOWプライムでは、2月27日21時から同授賞式の字幕版を放送。3月5日18時からダイジェスト版も放送する。(C)2016 A24 Distribution, LLC
2017年02月27日第89回アカデミー賞の授賞式が27日(現地時間26日)、アメリカ・ロサンゼルスのドルビー・シアターで開催され、『ラ・ラ・ランド』のエマ・ストーンが主演女優賞を獲得した。『ラ・ラ・ランド』は、ロサンゼルスを舞台にしたミュージカル映画。カフェで働きながら女優を目指しているミア(エマ・ストーン)と、いつか自分の店を持ちジャズを思う存分演奏したいと夢見るジャズピアニストのセバスチャン(ライアン・ゴズリング)の恋を描いた。エマ・ストーンは、同部門にノミネートされた女優たちの名前を挙げ、「本当にすばらしかった。みなさんを尊敬しています。みなさんと並ぶことができただけで光栄です」と感謝。そして、デミアン・チャゼル監督や共に主演を務めたライアン・ゴズリングをはじめとする作品を関わった人、家族や友人への感謝の思いを伝え、「光栄です。本当にありがとうございます」と語った。主演女優賞には、エマ・ストーンのほか、『エル(原題)』のイザベル・ユペール、『ラビング愛という名前のふたり』のルース・ネッガ、『ジャッキー/ファーストレディ 最後の使命』のナタリー・ポートマン、『マダム・フローレンス! 夢見るふたり』のメリル・ストリープがノミネートされていた。WOWOWプライムでは、2月27日21時から同授賞式の字幕版を放送。3月5日18時からダイジェスト版も放送する。
2017年02月27日第89回アカデミー賞授賞式が2月27日(日本時間)、米ロサンゼルスのドルビー・シアターで開催。ステージ上では、一度プレゼンターが『ラ・ラ・ランド』の名前を呼び上げるも、実はバックステージで封筒手渡しのミスが発生。正しくは、黒人少年の成長と葛藤を描いた『ムーンライト』が「作品賞」を受賞!大本命と目されたミュージカル映画『ラ・ラ・ランド』が同賞を逃す大波乱が巻き起こった。本年度のアカデミー賞で作品賞をはじめ、監督賞(バリー・ジェンキンス)、脚色賞、助演男優賞(マハーシャラ・アリ)、助演女優賞(ナオミ・ハリス)、撮影賞、編集賞、作曲賞の8部門にノミネートされ、合計3部門を受賞。もともと、全米の主要メディアが「本年度のベスト級」と評し、オスカー前哨戦でも『ラ・ラ・ランド』と肩を並べる高い評価を受けていた本作がそのポテンシャルを発揮し、近年まれに見る“大逆転”を披露した。麻薬中毒の母親をもつ黒人少年のシャロンが、いじめや貧困といった過酷な環境を生き抜くなかで、自らのアイデンティティに葛藤しながら、成長を遂げる姿を描いた本作。淡くピュアな初恋や、大人になっても心に残る後悔の念、思わぬ再会がもたらす“光”といった普遍的なテーマが色彩豊かな映像美でつづられる。『ラ・ラ・ランド』プロデューサーが受賞のコメントをし、役者やスタッフが喜びの涙を浮かべる中、今回の封筒手渡しのミスが発覚。プロデューサーは既に手渡されたオスカー像を「僕たちから『ムーンライト』のみなさんに渡したい」と話し、両作品が互いを称え合った。ジェンキンス監督はパプニングを受けて「これが現実だ、なんてことでしょう」と語り、「本当に長年一緒にやってきたみなさんに感謝です」「この映画は不可能だと思っていました。でもここにいる人たちが『大丈夫』だといってくれた」と話した。『ムーンライト』は4月、TOHOシネマズ シャンテほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2017年02月27日第89回アカデミー賞の授賞式が27日(現地時間26日)、アメリカ・ロサンゼルスのドルビー・シアターで開催され、『マンチェスター・バイ・ザ・シー』のケイシー・アフレックが主演男優賞を獲得した。『マンチェスター・バイ・ザ・シー』は、ボストン郊外で便利屋として生計を立てている主人公が、兄の死をきっかけに故郷のマンチェスター・バイ・ザ・シーへと戻り、16歳の甥の面倒を見ながら過去の悲劇と向き合っていく物語。マット・デイモンがプロデュースを務めた。ケイシー・アフレックは「私にとって大きな意味を持つものです。ありがとうございます」「圧倒されています」と感無量の様子。「私がここにいるのは、多くの方たちの才能があるからです。そして何よりも、ケネス・ロナーガン監督のおかげです」と話し、プロデューサーのマット・デイモンにも感謝した。主演男優賞には、ケイシー・アフレックのほか、『ハックソー・リッジ』のアンドリュー・ガーフィールド、『ラ・ラ・ランド』のライアン・ゴズリング、『はじまりへの旅』のヴィゴ・モーテンセン、『フェンス』のデンゼル・ワシントンがノミネートされていた。WOWOWプライムでは、2月27日21時から同授賞式の字幕版を放送。3月5日18時からダイジェスト版も放送する。(C)2016 K Films Manchester LLC. All Rights Reserved.
2017年02月27日第89回アカデミー賞授賞式が2月27日(日本時間)、米ロサンゼルスのドルビー・シアターで行われ、現在5部門受賞中の『ラ・ラ・ランド』(デイミアン・チャゼル監督)で見事な歌声を披露したエマ・ストーンが「主演女優賞」に輝いた。本作は、世界に興奮と熱狂を叩きつけた『セッション』のデイミアン・チャゼル監督の最新作であり、本年度アカデミー賞大本命といわれた極上ミュージカル・エンターテインメント。共演のライアン・ゴズリングとエマが、歌、ダンス、ピアノの猛特訓を経て全編吹き替えなしで挑んだことでも、注目を集めている。エマはヴェネツィア国際映画祭女優賞受賞、第74回ゴールデングローブ賞主演女優賞(ミュージカル・コメディ部門)を受賞している。アカデミー賞では2014年に『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』で助演女優賞にノミネートされていた。今回2度目のノミネートでオスカー像獲得となった。スピーチでは、ほかのノミニーに向け「本当に素晴らしかった。皆さんを尊敬しているし、皆さんと並ぶことができるだけで感激です」とコメント。そして「こういう瞬間は幸運と機会に恵まれているから起こる。だからこういう機会に感謝致します。デイミアン監督にも感謝を…」「この映画に出演することができて、信じてくれて、忍耐強くいてくれて、ありがとう」と大きな感謝を述べた。また、共演したライアンには「いつも笑わせてくれてありがとう。素敵なパートナーでした」と伝え、「ひとりひとりに感謝したい」と締めくくった。『ラ・ラ・ランド』はTOHOシネマズ みゆき座ほか全国にて公開中。(text:cinemacafe.net)■関連作品:ラ・ラ・ランド 2017年2月24日よりTOHOシネマズ みゆき座ほか全国にて公開(C) 2016 Summit Entertainment, LLC. All Rights Reserved.
2017年02月27日第89回アカデミー賞授賞式が2月27日(日本時間)、米ロサンゼルスのドルビー・シアターで行われ、『マンチェスター・バイ・ザ・シー』のケイシー・アフレックが「主演男優賞」を受賞。マット・デイモンがプロデューサーを務める本作。ボストン郊外で便利屋として生計を立てている主人公が、兄の死をきっかけに、帰ることはないと思っていた故郷の“マンチェスター・バイ・ザ・シー”へと戻り、16歳の甥の面倒を見ながら過去の悲劇と向き合っていく物語だ。監督・脚本は、自ら脚本を手がけた監督デビュー作『ユー・キャン・カウント・オン・ミー』(未)でアカデミー賞脚本賞にノミネートされ、『ギャング・オブ・ニューヨーク』の脚本でもアカデミー賞、ゴールデン・グローブ賞にノミネートされたケネス・ロナーガンが務める。主演は当初、マット自身が務めるはずだったが、親友ベン・アフレックの弟ケイシー・アフレックにその座を譲り、ケイシーはそれに応えるかのようにキャリアの中でも傑出した演技を披露。本役でゴールデングローブ賞をはじめ、放送映画批評家協会賞、全米映画批評家協会賞、ニューヨーク映画批評家協会賞ほか各賞レースで「主演男優賞」を受賞。そして今回のオスカー像獲得に至った。スピーチでは兄と抱き合い涙ぐむシーンも…。「最初に演技を教えてくれたのはデンゼルだ」とコメントを始めると「私がココに居るのは、多くの人たちの才能があるからです」と携わったスタッフや家族へ感謝をコメント。「もっと意義ある大きなことを言いたいのですが…」と動揺した表所を浮かべつつ「このコミュニティーであることを誇りに思います。本当に圧倒されているます…」。マット・デイモンにも、「こういうチャンスを与えてくれてありがろうございます」と感謝を伝え締めくくった。『マンチェスター・バイ・ザ・シー』は5月、シネスイッチ銀座、新宿武蔵野館ほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2017年02月27日第89回アカデミー賞授賞式が2月27日(日本時間)、米ロサンゼルスのドルビー・シアターで行われ、『ラ・ラ・ランド』を手がけたデイミアン・チャゼルが「監督賞」を受賞した。現在32歳。ノーマン・タウログ(第4回)と並び、史上最年少記録で同賞に輝いた。本年度のアカデミー賞で史上最多タイとなる13部門14ノミネートに挙がり、現時点で監督賞(デイミアン・チャゼル)、美術賞、撮影賞、作曲賞、歌曲賞、と合計5部門を受賞しており、作品賞を含めた“圧勝”に王手をかけている。チャゼル監督は1985年、米ロードアイランド州生まれの32歳。2014年に『セッション』がサンダンス映画祭でグランプリと観客賞をダブル受賞し、一躍注目される。初めて監督を務めたのは、ハーバード大学在学中に制作したミュージカル「Guy and Madeline on a Park Bench」(2009)で、LAウィークリーは「2010年のベストデビュー作」と評価。脚本家として『グランドピアノ ~狙われた黒鍵~』(2013)、『10 クローバーフィールド・レーン』(2016)を担当した。映画は夢追い人が集まるロサンゼルス(通称:ラ・ラ・ランド)を舞台に、ジャズピアニストを目指すセブと女優志望のミアが運命的な出会いを果たし、恋の花を咲かせながら、挫折と栄光を味わう新感覚のミュージカル・エンターテインメント。チャゼル監督が学生時代から構想を練っていた企画で、前作『セッション』(第87回アカデミー賞で助演男優賞、編集賞、録音賞受賞)の成功によって、念願の映画化が実現した。デイミアン監督はスピーチで「他のノミニーのみなさんに感謝です。本当に素晴らしい監督で毎日インスピレーションを受けています」と他の監督たちへコメント。そしてキャストやスタッフたちに感謝を述べ、17歳からの友人だというジャスティンには「諦めないでくれてありがとう」と伝えた。さらに家族や妹、自身の妻への感謝を込めつつ、「ボクの愛する妻です」「本作はラブストーリーです。貴方と恋に落ちることができて幸せです」と述べた。『ラ・ラ・ランド』は、全国にて公開中。(text:cinemacafe.net)■関連作品:ラ・ラ・ランド 2017年2月24日よりTOHOシネマズ みゆき座ほか全国にて公開(C) 2016 Summit Entertainment, LLC. All Rights Reserved.
2017年02月27日第89回アカデミー賞の授賞式が27日(現地時間26日)、アメリカ・ロサンゼルスのドルビー・シアターで開催され、長編アニメ映画賞にディズニーの『ズートピア』が輝いた。スタジオジブリの『レッドタートル ある島の物語』は受賞を逃した。『ズートピア』は、ユニークな動物たちの楽園を舞台とするファンタジーアドベンチャー。もふもふの毛並みに大きな瞳が印象的な、新米警官として奮闘するウサギのジュディを主人公に、大都会"ズートピア"で起こる動物たちのさまざまな出来事を描いた。ステージ上には、バイロン・ハワード監督、リッチ・ムーア監督、クラーク・スペンサープロデューサーの3人が登壇。「大変な名誉です」「このストーリーを受け入れてくださってありがとうございます」などと喜びと感謝を語った。同部門には、スタジオジブリの作品が4年連続でノミネート。3年前の宮崎駿監督の『風立ちぬ』から、高畑勲監督の『かぐや姫の物語』、米林宏昌監督の『思い出のマーニー』、そして今年はマイケル・デュドク・ドゥ・ビット監督の『レッドタートル ある島の物語』がノミネートされたが、受賞はならなかった。長編アニメ映画賞には、『ズートピア』、『レッドタートル ある島の物語』のほか、『モアナと伝説の海』、『クボ・アンド・ザ・トゥー・ストリングス(原題)』、『マイ・ライフ・アズ・ア・ズッキーニ(原題)』がノミネートされていた。WOWOWプライムでは、2月27日21時から同授賞式の字幕版を放送。3月5日18時からダイジェスト版も放送する。(C)2016 Disney. All Rights Reserved.
2017年02月27日第89回アカデミー賞授賞式が2月27日(日本時間)、米ロサンゼルスのドルビー・シアターで行われ、全世界興収10億ドルを突破した大ヒット作で、オスカー前哨戦も圧倒的な強さを見せていた大本命『ズートピア』が「長編アニメーション賞」を獲得した。一方、スタジオジブリが海外のスタジオと共同製作した『レッドタートル ある島の物語』は受賞を逃した。ジブリ作品は『風立ちぬ』『かぐや姫の物語』『思い出のマーニー』、そして本作と4年連続で「長編アニメーション賞」の候補に挙がったが、いずれも涙をのんでいる。動物たちが人間のように暮らすハイテク都市「ズートピア」を舞台に、ウサギの新米刑事・ジュディと、キツネの詐欺師・ニックがタッグを組んで、続発する動物失踪事件の謎を追いかける。2月には「アニメ界のアカデミー賞」と呼ばれる第44回アニー賞で、作品賞にあたるアニメーション映画賞をはじめ、主要6部門を制覇していた。ステージでは「世界中でのこの映画を観てくれた人たちに感謝します。この物語を受け入れてくれた“寛容”は、我々を分断しようとしているものよりも強いものだ」とコメント。さらにジョン・ラセターや両親たちへの感謝を思い思いに伝えた。個性あふれる動物たちが暮らすさまが“多様性”の象徴として描かれ、公開時には「アメリカの縮図」と評されたほど。トランプ政権の誕生によって、アメリカ社会の基盤でもある多様性の重要性が根幹から揺らぐ事態となった現在、本作が放つメッセージはより強力なインパクトを残す結果となっている。(text:cinemacafe.net)
2017年02月27日第89回アカデミー賞の授賞式が27日(現地時間26日)、アメリカ・ロサンゼルスのドルビー・シアターで開催され、『フェンス』のヴィオラ・デイヴィスが助演女優賞を受賞した。デンゼル・ワシントンが監督・主演を務め、作家オーガスト・ウィルソンの戯曲を映画化した同作で主人公の妻を演じたヴィオラ・デイヴィスは、「私はアーティストになりました。神に感謝しています。私たちだけが人生を生きること、祝うことができる職業だからです」と熱いスピーチで魅了。「この映画は人を描いた物語です。そして、言葉、人生、許しを描いたものです」と作品を紹介し、オーガストやデンゼル・ワシントンをはじめとする作品に関わった人たちや、両親や兄弟などへの感謝を述べた。助演女優賞には、ヴィオラ・デイヴィスのほか、『ムーンライト』のナオミ・ハリス、『LION/ライオン ~25年目のただいま~』のニコール・キッドマン、『ヒドゥン・フィギュアズ(原題)』のオクタヴィア・スペンサー、『マンチェスター・バイ・ザ・シー』のミシェル・ウィリアムズがノミネートされていた。WOWOWプライムでは、2月27日21時から同授賞式の字幕版を放送。3月5日18時からダイジェスト版も放送する。
2017年02月27日第89回アカデミー賞授賞式が2月27日(日本時間)、米ロサンゼルスのドルビー・シアターで行われ、『Fences』(原題)でデンゼル・ワシントン扮するトロイの妻役を演じたヴィオラ・デイヴィスが「助演女優賞」を受賞した。ピューリッツァー賞を受賞した舞台劇の映画化作品。1950年代のピッツバーグを舞台に黒人公民権運動などで激動する世の中を生きる労働階級の男トロイを中心にその妻とティーンエイジャーの息子との葛藤を描くドラマ。若き日には黒人野球チームで名を馳せたトロイだが自分の人種が足かせとなり大選手になれなかったと決めつけ、必死で働き続けなければ家族を養っていけない自分の人生に苦い思いを抱きつつ生きてきた。やがてアメフトで優秀な息子にプロへの道を歩むチャンスが巡ってきたとき、彼の心の中で何かが疼き始め、その余波がやがて家族へと広がっていく。本作では、気丈だが愛情あふれるトロイの妻を熱演したヴィオラ。過去に『ダウト~あるカトリック学校で~』(’08)でアカデミー賞助演女優賞ノミネート、『ヘルプ ~心がつなぐストーリー~』(’11)では主演女優賞ノミネートされていたが、今回3度目のノミネートで見事受賞となった。スピーチでは、「この映画は“人”を描いている。そして“赦し”を描いている」と話し、デンゼル・ワシントンや両親、兄弟への感謝を込めた。そして自身がアーティストという職業に就けたことへの喜びを述べ、「私たちアーティストは、人生の喜びを伝えることができる職業だ。神に感謝します」と、映画本編さながらの熱いメッセージを語った。(text:cinemacafe.net)
2017年02月27日3月3日に行われる、第40回日本アカデミー賞授賞式。すでに優秀賞は発表されており、授賞式では各賞の最優秀賞が発表されることで毎年熱い注目を受けている。映画界に3年以上関わっていることを条件とした日本アカデミー賞協会の投票によって決定する同賞だが、一足先に一般観客の予想を知るべく、マイナビニュース会員1,759名にアンケートをとった。Q.日本アカデミー賞優秀主演男優賞俳優の中で、最優秀賞をとると思う人は?1位 岡田准一(『海賊とよばれた男』) 575名2位 佐藤浩市(『64-ロクヨン-前編』) 372名3位 長谷川博己(『シン・ゴジラ』) 327名4位 松山ケンイチ(『聖の青春』) 305名5位 綾野剛(『日本で一番悪い奴ら』) 180名○役の作り込みに注目集まる■1位 岡田准一(『海賊とよばれた男』)・「年齢幅がかなり広い役をやっていたので」(26歳女性/医療・福祉・介護サービス/専門サービス関連)・「役への入り込み方が伝わってくる演技で、素晴らしいと思った」(44歳男性/サービス/事務・企画・経営関連)・「1人で各年代の主人公を演じきったのは評価されるべき」(42歳男性/教育/公共サービス関連(公務員・団体職員他)・「あらゆる世代の役を映画の中でこなし、演技派俳優として光っていたから」(35歳男性/食品/営業関連)・「岡田くんの役の入り加減は絶妙で本当に惚れ惚れする」(34歳女性/その他/その他・専業主婦等)・「今や邦画に欠かせない俳優になった。自分よりかなり年齢が上の設定であったが、見ごたえがあった」(57歳男性/生命保険・損害保険/事務・企画・経営関連)■2位 佐藤浩市(『64-ロクヨン-前編』)・「佐藤浩市は年を追う事にどんどん演技の幅が広がりとても良い役者だと思うので」(43歳男性/物流・倉庫/技能工・運輸・設備関連)・「重厚で分厚い演技は圧巻、存在感で映画の根幹となっているので」(37歳男性/医療・福祉・介護サービス/専門サービス関連)・「渋さの中に優しさを秘めた演技が素晴らしいと思う」(31歳女性/銀行/事務・企画・経営関連)・「重みのある渋い演技で好演していたので」(41歳男性/専門店/販売・サービス関連)・「役も合っていたし泣きの芝居も熱演していた。この中だったらキャリアの面でも彼でしょう」(42歳女性/半導体・電子・電気機器/事務・企画・経営関連)・「大作だと思うし演技に間違いがないと思うので」(40歳女性/その他/その他・専業主婦等)■3位 長谷川博己(『シン・ゴジラ』)・「ゴジラ対策に悪戦苦闘しながらも責任感を持って、真剣に立ち向かう政府側の担当者を見事に演じきったから」(36歳男性/その他/その他・専業主婦等)・「前から長谷川さんは好きな俳優さんだし、演技が素晴らしいと思うから」(29歳女性/専門店/販売・サービス関連)・「はまり役だと思った。表情の作り方が素晴らしかった」(30歳女性/半導体・電子・電気機器/営業関連)・「シンゴジラではとても長いセリフをものすごい早口で、映画の中でも一番多く話していたと思います。それで演技もこなすわけですから、本当にすごいと思いました」(55歳男性/生命保険・損害保険/営業関連)・「日本を守るために活動を行っていた長谷川博己がとてもかっこよかったから」(27歳女性/輸送用機器/営業関連)■4位 松山ケンイチ(『聖の青春』)・「彼に取ってほしい。この作品も良かったので」(46歳男性/医療・福祉・介護サービス/専門サービス関連)・「村山聖九段という、将棋界にとって伝説の棋士役に備えて、体型を近づけるために太った(太らせた)という話を聞いた。プロ魂と感じるエピソードだと感じられ、松山さんの仕事に対する取り組み方に感銘を受けた」(47歳男性/その他/その他・専業主婦等)・「村山聖になりきるため体重を増やし見事に演じ切っていた。羽生善治との対決シーンは非常に良かった」(47歳男性/レジャーサービス・アミューズメント・アート・芸能関連/営業関連)・「松山ケンイチが演じた棋士の姿に貫録を感じたから。」(39歳男性/ガラス・化学・石油/その他技術職)・「役作りも含め村山聖の姿を見事に表現したから」(31歳男性/通信関連/クリエイティブ関連)■5位 綾野剛(『日本で一番悪い奴ら』)・「かわいい顔からの変化の幅広さ」(60歳男性/その他/事務・企画・経営関連)・「綾野さんは真面目な役柄からとてもヤクザ風の役など多彩な演技力があるのと、個人的に好きなので、取って欲しいという願いも込めたから」(24歳男性/食品/その他・専業主婦等)・「昭和の時代背景での悪者達との戦いぶりや葛藤の演技が見事でした」(46歳男性/その他/その他・専業主婦等)・「綾野剛さんはどんな役柄を演じても、違和感がなく、二枚目の役、三枚目の役、悪役……全てこなせる俳優さんはそれほどいないと思います」(34歳女性/その他/その他・専業主婦等)・「複雑な立場の役を、変わっていく様子も含めて上手に演じていたから」(33歳女性/食品/事務・企画・経営関連)○総評いずれも日本を代表する俳優たちだが、読者予想1位となったのは、アイドルグループ・V6のメンバーとしても活躍する岡田准一。2014年度に行われた第38回日本アカデミー賞では、最優秀主演男優賞、最優秀助演男優賞、話題賞 俳優部門と3部門で受賞し、世間にその姿を刻みつけた。また、昨年の授賞式ではプレゼンターとしても活躍し「最多登壇」と話題に。今回は『海賊とよばれた男』で20代から90代までを演じきった演技力が読者からも支持を集めた。『64-ロクヨン-前編』の重厚な演技が話題を呼んだのは佐藤浩市。読者からも抜群の信頼で、作品の根幹を担っていたと高評価だった。大ブームを起こした『シン・ゴジラ』で内閣官房副長官・矢口蘭堂を演じた長谷川博己は、リアルな演技と絶妙な二次元感が「はまり役」と称賛されている。実在の棋士・村山聖を演じた松山ケンイチは、体重をコントロールし気迫の演技。また、綾野剛は事件を解決するために悪事にも手を染めていく警官役で、幅の広さを見せた。予想結果の全体として、1つの作品で様々な姿を見せたことや役作りにかける気迫が注目され、読者人気も高くなる傾向に。授賞式は3月3日となるが、一体誰が最優秀賞をとるのか、結果が待たれるところだ。調査時期: 2017年2月13日~2017年2月17日調査対象: マイナビニュース会員調査数: 1,759名調査方法: インターネットログイン式アンケート
2017年02月27日「第89回アカデミー賞」の授賞式が2月27日(日本時間)、ハリウッドのドルビー・シアターにて開幕。ブラッド・ピットの製作会社「プランB」が贈る『ムーンライト』のマハーシャラ・アリが「助演男優賞」を受賞した。本年度の賞レースを席巻し、低予算作品ながら北米で大ヒットを記録している本作。マイアミを舞台に、自分の居場所とアイデンティティを探すある少年の成長を少年期から3つの時代構成で描き、ドラッグ、いじめ、貧困、LGBTなど多くのテーマをはらみながら映し出す。マハーシャラは、2001年テレビシリーズ「女検死医ジョーダン」で本格デビューを飾り、「4400 未知からの生還者」で知名度をあげると、『ベンジャミン・バトン 数奇な人生』『プレデターズ』『ハンガー・ゲーム FINAL: レジスタンス』『ニュートン・ナイト/自由の旗をかかげた男』などにメジャー映画作品に次々と出演。本作では、第82回ニューヨーク映画批評家協会賞にて「助演男優賞」を受賞しており、遅咲きのブレイクを果たしている。マハーシャラは、本作で主人公・シャロン(アレックス・ヒバート)の近所に住む麻薬のディーラーの男ホアンを熱演し、自身初の「助演男優賞」を受賞した。スピーチでは目に涙を浮かべてキャストやスタッフ、10年共にしたマネージャーにも感謝を述べ、「アカデミーに感謝します。そして妻に感謝します」と明かし、自身が父になったことも明かした。『ムーンライト』は4月、TOHOシネマズ シャンテほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2017年02月27日第32回インディペンデント・スピリット賞授賞式が25日(現地時間)にロサンゼルスで開催され、『ムーンライト』が作品賞、監督賞など6部門を受賞した。製作費が2,000万ドル以下のインディペンデント系作品が対象で、26日(現地時間)発表の第89回アカデミー賞では8部門にノミネートされている『ムーンライト』は作品賞、監督賞のほかに脚本賞、撮影賞、編集賞など作品の監督とキャスティング・ディレクター、キャストたちに贈られるロバート・アルトマン賞と候補になった全6部門で受賞を果たした。ブラッド・ピットが製作総指揮を務める同作は、マイアミを舞台に、人種やセクシュアリティなど自らのアイデンティティと向き合う青年を描いたヒューマンドラマ。アカデミー賞では作品賞や監督賞などのほか、マハーシャラ・アリが助演男優賞に、ナオミ・ハリスが助演女優賞にノミネートされている。『ムーンライト』と同じく6部門で候補になっていたアンドレア・アーノルド監督の『American Honey』(原題)は惜しくも無冠に終わった。受賞結果は以下の通り。作品賞:『ムーンライト』監督賞:バリー・ジェンキンズ(『ムーンライト』)主演男優賞:ケイシー・アフレック(『マンチェスター・バイ・ザ・シー』)主演女優賞:イザベル・ユペール(『ELLE』原題)助演男優賞:ベン・フォスター(『最後の追跡』)助演女優賞:モリー・シャノン(『Other People』原題)脚本賞:バリー・ジェンキンズ、タレル・アルヴィン・マクレイニー(原作)(『ムーンライト』)長編映画デビュー作賞:『The Witch』脚本デビュー作賞:ロバート・エッガーズ(『The Witch』原題)撮影賞:ジェームズ・ラクストン(『ムーンライト』)編集賞:ジョイ・マクミロン、ナット・サンダーズ(『ムーンライト』)ドキュメンタリー賞:『O.J.: Made in America』(原題)国際映画賞:『ありがとう、トニ・エルドマン』(ドイツ、ルーマニア)ロバート・アルトマン賞:『ムーンライト』(text:Yuki Tominaga)
2017年02月27日第87回アカデミー賞にて最多となる9部門ノミネート&4部門を受賞した『グランド・ブダペスト・ホテル』をはじめ、日本でも絶大な人気を誇るウェス・アンダーソン監督。このほど、その製作陣が再結集し、日本を舞台に贈るストップモーション・アニメ『Isle of Dogs』(原題)の製作開始が発表され、アンダーソン監督より日本のファンに向けた特別メッセージも到着した。本作『Isle of Dogs』は、全編にわたり日本を舞台とし、失踪した愛犬を探す少年と犬たちの壮大な旅と冒険を、『ファンタスティック Mr. Fox』(’09)と同様、ストップモーション・アニメで描き出す。声優陣には、ビル・マーレイ、ジェフ・ゴールドブラム、エドワード・ノートン、ハーヴェイ・カイテル、ティルダ・スウィントン、F・マーレイ・エイブラハム、ボブ・バラバン、野村訓市といった、アンダーソン作品常連の豪華俳優陣がずらり。さらに新たに、スカーレット・ヨハンソン、グレタ・ガーウィグ、ブライアン・クランストン、リーヴ・シュレイバー、コーユー・ランキン、オノ・ヨーコといった多彩な才能が集結する。知的で型破りな脚本と、それを独特の手法で映像化する才能、そしてユニークな映画作家としてだけでなく、アート映画をビッグヒットに導くことのできる唯一無二の存在であり、全世代において最も才能あるフィルムメーカーの1人であるアンダーソン監督。配給元・FOXサーチライトの共同社長であるナンシー・アトレー氏、スティーヴ・ギルラ氏は「私たちは、ウェス・アンダーソン監督の独創的な創造力から生み出される最新作で、行動を共にすることに興奮を覚えます」とコメント。また今回、アンダーソン監督より日本のファンに向けた特別メッセージも到着している。「物語はどこが舞台でも起こり得るものですが、私たちは今回、とてもシンプルな理由で最新作の舞台として日本を選びました。それは、私が狂おしいほど、日本の映画、アート、食べ物、そして文化が大好きだからです!私たちは黒澤明監督、宮崎駿監督作品に対して深い敬意を持っているのと同様に、北斎や広重の絵画、そして今作に協力いただいている、現在活躍中の数多くの日本人俳優、アーティスト、ミュージシャンに敬意を感じています。願わくば、この作品を通して、外国人である私から日本のストーリーテリングに対する熱烈な関心、尊敬の念、そして賞賛を伝えられれば幸いです」。アンダーソン監督からみた日本とは、いったいどんなものなのか?彼の独創的なイマジネーションが生み出す“誰も見たことがない日本”は、“アニメーション”というカルチャーが台頭する日本において新たな扉を開けることになりそうだ。『Isle of Dogs』(原題)は2018年、公開予定。(text:cinemacafe.net)
2017年02月24日2015年の第65回ベルリン国際映画祭において銀熊賞(監督賞)を受賞、母国ポーランドのアカデミー賞「イーグル賞」では主要4部門(作品賞、監督賞、主演男優賞、主演女優賞)を受賞した『BODY』(原題)が、『君はひとりじゃない』の邦題で7月22日(土)より日本公開されることが決定した。病で母親を失ったオルガとその父。オルガは心身を病み、摂食障害となってしまう。父は喪失感を拭えず、検察官として事件現場に立つも、人の死に対して何も感じなくなっていった。オルガは父を、そして自らの体を嫌悪し、日々やせていく。父と娘の間には埋められない溝ができていた。そんな娘を見かねた父がセラピストのアナのもとに通わせる。だが、アナのセラピーは、普通では考えられない方法だった――。母を亡くした娘はふさぎ込み、摂食障害に。かたや、その父親は人の死に何も感じなくなっていく。最愛の人の死によって引き裂かれた人の絆は、元に戻るのか…?本作は、ポーランドの俊英女性監督マウゴルザタ・シュモウスカが、独創的な視点とユーモアで描く喪失と“再生”の物語。ベルリン国際映画祭、ポーランドのイーグル賞など数々の映画賞に輝き、アメリカでも辛口で知られるレビューサイト「Rotten Tomatoes」で88%Freshという高評価を得た。日本でも2015年の東京国際映画祭、そして2016年のポーランド映画祭で上映が行われ、その評価の高さから本公開が待望まれていた作品。娘役を務めたユスティナ・スワラは、監督がFacebookから見い出した新星で、本作が演技初挑戦にして映画デビューとなった。新たな形で紡がれる肉体と魂の再生とは?世界中が絶賛を贈るヒューマンドラマに注目していて。『君はひとりじゃない』は7月22日(土)よりシネマート新宿ほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2017年02月23日ナタリー・ポートマンが、2月27日(日本時間)に迫った第89回アカデミー賞にて主演女優賞にノミネートされている『ジャッキー/ファーストレディ 最後の使命』。このほど、2度目のオスカー獲得に期待がかかるナタリーの役作りについて、その秘密が明かされる特別映像がシネマカフェに到着。彼女の名演を間近で目撃した共演者やスタッフたちの証言が、メイキング映像とともに収められている。1963年11月22日、ジョン・F・ケネディ大統領は、テキサス州ダラスでのパレードの最中に銃撃される。だが、目の前で愛する夫を暗殺されたファーストレディのジャッキーには、悲しんでいる時間などなかった。すぐにジョンソン副大統領が新たな大統領に就任し、刻一刻と夫が過去の人になっていく状況を目の当たりにしたジャッキーは…。『レオン』で鮮烈なデビューを飾り、彗星のごとく映画界に現れたナタリー・ポートマン。『ブラック・スワン』でアカデミー賞主演女優賞を獲得した経験を持つ彼女は、本作で “史上最も有名なファーストレディ”“世界で最も愛されたファッションアイコン”として熱狂的な人気を獲得していたジョン・F・ケネディ大統領夫人、ジャッキーことジャクリーン・ケネディに。知られざるファーストレディの姿を完全再現する熱演を見せ、アカデミー賞主演女優賞に2度目のノミネートを果たしている。今回の特別映像では、スタッフとキャストがナタリーの名演について語っている。まず、監督のパブロ・ララインは、「ナタリーは演技をするうえで欠かせない謎めいた雰囲気を持ち合わせている」とコメント。ケネディ元大統領の弟、ロバート・ケネディ役を演じたピーター・サースガードは「ナタリーが演じるジャッキーはまさに本人の生き写しだった」と語り、ジャッキーにインタビューする記者役のビリー・クラダップは「キャラクターが乗り移ったような、洗練された演技を目にすれば、人はただ言葉を失うよ」と、皆、口々に絶賛を贈る。さらに、6年前、ナタリーにオスカーをもたらした『ブラック・スワン』の監督であり、本作ではプロデュ―サーを務めたダーレン・アロノフスキーは、「撮影の過程で感動的だったのは、目の前に写っているのがナタリーであることを忘れていた瞬間があったことだよ」と明かし、いかに彼女がジャッキーになりきっていたかを想像させるコメントを寄せた。そんなナタリーは2度目のオスカー獲得となるのか、受賞につながる6つのポイントに迫った。(1)映画賞を席巻中!アカデミーの前哨戦となる数々の映画賞を席巻してきたナタリー。現時点で、17受賞25ノミネートを果たしている。(2)演じたのは歴史に残る実在の人物!過去の受賞歴を振り返ると、エディ・レッドメインのホーキング博士をはじめ、実在の人物を演じた俳優がオスカーを獲得した例は数多い。ましてやジャクリーン・ケネディという現代アメリカを代表する存在の女性をここまで精妙に演じていれば、なおさらかも。(3)素顔を封印した、なりきりっぷり!これまでの受賞者の共通点は、映画の中でいかに“役になりきって“いるか。ジャッキー本人がスクリーンに現れたかのような姿は、ナタリーが演じていることを忘れるほどで、『ブラック・スワン』のニナ・セイヤーズ役と同様、ナタリーの素顔を想像できない。その“なりきりっぷり”は、これまでの賞レースの結果でも裏付けられている。(4)オスカー獲得率の高いキャラ!過去にオスカーを獲得している人の多くは、極限的な状況に陥る“囚われの姫君”キャラクターを演じている場合がある。往年の名作『ガス燈』のイングリッド・バーグマンから、昨年受賞した『ルーム』のブリー・ラーソンにいたるまで、そうした状況から脱却しようとするキャラクターはアカデミー会員に好まれる傾向がある。実際に賞を射止めた『ブラック・スワン』も同じタイプのキャラクターといえる。(5)前回のオスカー受賞が6年前でも関係ない!?トム・ハンクス(『フィラデルフィア』『フォレスト・ガンプ/一期一会』)や、ケヴィン・スペイシー(『ユージュアル・サスペクツ』『アメリカン・ビューティー』)など、過去には、5年以内に再度オスカーを獲得した俳優も多い。その人が過去にどんな栄光を与えられていたかに関わらず、本当に素晴らしいと思った人に投票するのがアカデミー会員。以前の受賞歴が邪魔になることは決してない、はず。(6)愛するわが子がナタリーに幸運をもたらす!?前回受賞時には、第1子を妊娠中だったナタリー。妊婦姿でオスカー像を受け取る姿が印象的だったが、今回はなんと第2子を妊娠中。ネットでは「ナタリーが賞レースシーズンにまた妊娠!妊娠したら賞をもらえるチャンスなのでは」と予想する人も多く、妊娠=受賞のジンクスが成り立つ予感!?最も美しいマタニティドレス姿での受賞スピーチを世界中が期待している。徹底的な役作りと下調べを経て、見事にジャッキーを21世紀に蘇らせたナタリー。「過去最高の演技」と絶賛される彼女の努力と圧倒的な実力に期待していて。『ジャッキー/ファーストレディ 最後の使命』は3月31日(金)よりTOHOシネマズ シャンテほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:ジャッキー/ファーストレディ 最後の使命 2017年3月31日よりTOHOシネマズ シャンテほか全国にて公開(C) 2016 Jackie Productions Limited
2017年02月23日受賞式を前に『ラ・ラ・ランド』の圧勝が予想される第89回アカデミー賞だが、対抗馬として高く評価される秀作も少なくない。いま、ハリウッドが最も熱い視線を送る俊英、ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督の『メッセージ』もその1本。大げさではなく、全人類必見の傑作だ。突如、世界12の都市に降り立ち、静止する巨大な飛行物体。米軍に雇われた言語学者のルイーズは、シェルと名付けられた船内にいる謎の知的生命体との意思疎通を試みる。“彼ら”は触手から吐き出す水墨のような液体で円形を描き、他者とのコミュニケーションを図っていた。その円形に刻まれたメッセージの解読を粘り強く続けるルイーズ。一方、中国やロシアは飛行物体への攻撃を検討。アメリカも対応を迫られる…。彼らが地球に来た目的は?人類がエイリアンと遭遇し、交流(もしくは攻防)を繰り広げるSF映画は、これまでにも数多く存在するし、名作もあれば、駄作もある、いわば手あかのついたジャンルだ。にもかかわらず、本作には見る者をつかんで離さない強烈な“引力”がある。その引力とは、映画が投げかける愛と死、そして時間といった人生のナゾ。ちょうど、ルイーズが宇宙人と対話するように、私たち観客もスクリーン越しに『メッセージ』と対話を重ねるのだ。飛行物体が飛来した12の都市がそれぞれの反応を示したように、『メッセージ』に対しても十人十色、さまざまな意見や解釈があるはずだ。決して難解な内容ではないが、見終わった瞬間は「いままで見ていたものは何だったんだろう?」と思案に暮れてしまうかも。だからこそ「あのシーン、どう思う?」と誰かと対話できるのが、本作の醍醐味。そう考えると、宇宙人の到着を意味する原題“Arrival”より、邦題『メッセージ』のほうが本質を突いている。第83回アカデミー賞の外国語映画賞候補となった『灼熱の魂』をはじめ、『プリズナーズ』『ボーダーライン』といった秀作でパワフルな演出力を発揮してきたヴィルヌーヴ監督が、本作ではSF的センスの高さも証明。10月に公開される『ブレードランナー 2049』でもメガホンをとり、さらには一大SF叙事詩『砂の惑星』のリブートに大抜擢されたのだから、その手腕は本物だ。次世代のリドリー・スコットと評するのも、ほめ過ぎではないだろう。第89回アカデミー賞ではSF映画として異例の作品賞、監督賞、脚色賞、撮影賞、編集賞、美術賞、録音賞、音響編集賞の8部門にノミネートされている本作。でも、主人公ルイーズ役のエイミー・アダムスは主演女優賞候補に絶対挙がるべきだし、人類に走る緊張、そしてエイリアンたちの心情を代弁するヨハン・ヨハンソンの音楽もすばらしい。そもそも、視覚効果賞候補からもれているのも納得がいかず、正直8部門候補でも足りないほどだ。(text:Ryo Uchida)■関連作品:メッセージ 2017年5月19日よりTOHOシネマズ 六本木ヒルズほか全国にて公開
2017年02月19日俳優・生田斗真主演の映画『彼らが本気で編むときは、』(2月25日公開)が、第67回ベルリン国際映画祭でテディ審査員特別賞を受賞したことが18日、わかった。同作は『バーバー吉野』『かもめ食堂』『めがね』などの作品を手掛ける荻上が脚本・監督を務めたオリジナル作品。母親に家出されひとりきりになった少女・トモ(柿原りんか)が、叔父であるマキオ(桐谷健太)を頼って家を訪れ、同棲している美しいトランスジェンダーの恋人・リンコ(生田)と出会う。ベルリン国際映画祭では、プログラミングディレクターが同作を気に入り、パノラマ部門・ジェネレーション部門と2部門に選ばれての招待となった。同映画祭では、パノラマ部門、ジェネレーション部門の2部門に選ばれるという快挙を遂げた同作は、ベルリン映画祭で上映されたLGBT(セクシュアル・マイノリティの人たち)をテーマにした全37作品の中から、優れた作品に与えられる“テディ審査員特別賞”を受賞。1987年に同賞創設以来、邦画作品として初めての受賞となる。荻上監督は「非常に嬉しいです」と喜びを表しながらも、「でも私は、正直、トランスジェンダーの人がトランスジェンダーのことで悩んでいるだけの映画は作るつもりは最初からなくて、『女性として普通に』恋愛をし、仕事をし、生活を営んでいる『普通の女性』を描きたかったんです」と作品の真意も語る。荻上監督はさらに、「この映画が『さまざまな家族のカタチ』を受け入れたり、考えたりすることのきっかけになって欲しいんです。今まで持っていた『普通』の概念を見直すきっかけになれれば嬉しいです」とコメントを寄せ、「この映画をみて、LGBTに対する理解を深めてほしいと心から願っています。ベルリン、Danke schön!(ありがとう!)」と改めて感謝を示した。また、同映画祭唯一の日本人審査員・今井祥子は「審査員全員一致での決定でした」と明かした。「審査員の中でも一番絶賛されたのが、『彼らが本気で編むときは、』が、子どもの目を通して、セクシュアル・マイノリティの家族を描いた点です」とポイントを説明。「日本作品でありながら、世界に十分アピールできる『家族の物語』になっていました」と称賛し、「その証拠に、一般の観客の評判がもっとも良い作品だった」と語った。
2017年02月18日第71回毎日映画コンクールのオープニングセレモニーおよび表彰式が15日、神奈川・ミューザ川崎シンフォニーホールで行われ、各賞を受賞した本木雅弘、筒井真理子、香川照之、市川実日子らがオープニングセレモニーに登場した。同賞は毎日新聞社とスポーツニッポン新聞社などが主催している映画賞。表彰式を前に、受賞者はオープニングセレモニーに登場した。映画『永い言い訳』で男優主演賞を受賞した本木は、公開時の館数が100館程度だったことに触れ、そこからクチコミで広まった喜びを語った。本木は「この作品を引き続き長く愛されるように」と願い、「4月21日にDVDも発売しますので」と宣伝。さらに「共演しました竹原ピストルさんの新しいアルバムも4月5日に発売されます。よろしくお願い致します」と竹原のCDをアピールした。女優陣も華やかな格好で登場。大人の色気を見せた筒井、レースのロングドレスでスタイルの良さを際立たせた市川、清楚な白のレースワンピースで爽やかな中条、ビビッドカラーのボタニカルなドレスで元気にまとめたのんなど、それぞれの個性が光った。表彰式ではそれぞれ受賞の喜びを披露。スポニチグランプリ新人賞を受賞した29歳の毎熊は、友人の監督と組んだ映画『ケンとカズ』が高く評価された。「タレント名鑑にもWikipediaにも載ってない」と会場を笑わせたが、賞をもらったことで今後も役者活動を続けると改めて決意。また、香川は毎熊のスピーチを聞いて「スマホで調べたら本当に載っていなかった」と驚いた様子だった。香川はさらに、若い頃に東映グループ 岡田裕介会長から「役者の才能がないんだからやめなさい、僕のように一刻も早くプロデューサーになるべきだ」と言われたエピソードを明かし、「会長、俳優をやめなくてよかったです!」と一言。岡田会長は「よくぞここまで這い上がってきてきれましたよ。嬉しい限りでございます。僕の教えがよかったんじゃないかと」と笑顔で答えていた。■受賞一覧<作品部門>日本映画大賞:『シン・ゴジラ』日本映画優秀賞:『この世界の片隅に』外国映画ベストワン賞:『ハドソン川の奇跡』<監督賞・脚本賞>監督賞:西川美和『永い言い訳』脚本賞:向井康介『聖の青春』<俳優部門>男優主演賞:本木雅弘『永い言い訳』女優主演賞:筒井真理子『淵に立つ』男優助演賞:香川照之『クリーピー 偽りの隣人』女優助演賞:市川実日子『シン・ゴジラ』スポニチグランプリ新人賞:毎熊克哉『ケンとカズ』スポニチグランプリ新人賞:中条あやみ『セトウツミ』田中絹代賞:松原智恵子<スタッフ部門>撮影賞:斉藤幸一『64 ロクヨン』美術賞:林田裕至・佐久嶋依里『シン・ゴジラ』音楽賞:コトリンゴ『この世界の片隅に』録音賞:白取貢『聖の青春』<ドキュメンタリー部門>ドキュメンタリー映画賞:『桜の樹の下』<アニメーション部門>アニメーション映画賞:『君の名は。』大藤信郎賞:『この世界の片隅に』<TSUTAYA映画ファン賞>TSUTAYA映画ファン賞(日本映画部門):『君の名は。』TSUTAYA映画ファン賞(外国映画部門):『ズートピア』<特別賞>特別賞:島村達雄(白組社長)
2017年02月16日