仕事を一生懸命がんばっているつもりなのに、なぜかうまくいかない、そう思っている人はいませんか。せっかくがんばっているのに、とても残念ですよね。でも、そこには、「脳」の問題が関係しているのかもしれません。どういうことなのでしょう?人工知能(AI)の開発にたずさわり、脳機能論を用いた語感分析法の第一人者の黒田伊保子先生いわく、本当の勝ち組に入るには「無邪気な脳」が必要だそう。「無邪気な脳」とは、純粋な好奇心にあふれ、萎えない意欲を持ち、穏やかな達成感を感じやすい脳の状態のこと。また、脳が無邪気である以上、身体性も兼ね備えているはずなのだとか。では、どうすればそのような「無邪気な脳」になれるのでしょうか。黒川先生は著書 『「無邪気な脳」で仕事をする』 の中で、その方法も紹介しています。■「無邪気な脳」になるためにやりたいこと早寝早起き朝ご飯の習慣をつけましょう。これは、”脳力”をあげる生活習慣です。この生活習慣を続けると、メラトニンとセロトニンというふたつの脳内ホルモンの分泌がよくなり、「無邪気な脳」に育ちます。また、他人をどう幸せにするかを徹底的に考えましょう。自分の顧客を幸せにすることを考えれば、結果として自分も成功します。なぜなら、自分の成功を考えるだけでは、左脳の論理空間が立ち上がり、計算高くなるけれども、顧客の幸せを考えれば右脳と左脳が連携します。そうして脳の概念空間が広がると、発想力も広がり、世の中を大きく捉えるとともに、代替案がいくらでも出てくるようになるのです。■「無邪気な脳」になるためにしてはいけないことネガティブなことを口にするのはやめましょう。人間の脳は自分の言ったことややったことを忘れません。誰かが何かに挑戦するのを見て、「あの子、いつもああよね、うまくできやしないくせに」みたいな噂話をしたりすると、いざ自分が何かに挑戦しようとしたときに、自分が言ったことを思い出してできなくなってしまうのです。だから、ネガティブなことを言うと、いつか自分の行動を制限することになるのです。無邪気でいられることがどれだけ大切かわかりますね。また、物事をありのまま見ることが大切です。けれども、神経系のストレスがたまってくると使い慣れている回路だけを漫然と使うようになり、思い込みが激しくなったり、過去の呪縛にとらわれやすくなったりします。そういうときは脳をデトックスしましょう。このように、自分の言動は意識していなくても、「脳」の影響を受けているのです。当然、自分の言動の結果である仕事の成果も、「脳」の影響を受けているということになります。「無邪気な脳」になって、楽しく仕事ができ、そして成功を手にしたいと思う人は、 『「無邪気な脳」で仕事をする』 を読んでみては?「無邪気な脳」になるための方法がわかり、イキイキと仕事に取り組めるようになれば、もっと楽しい毎日が過ごせるようになるかも。 特集:黒川伊保子が教える、幸せを呼ぶ脳のつかい方 毎週金曜更新
2014年03月14日大切な恋人の浮気に悩まされている人は多いかもしれません。どうして彼は浮気をするの? もしかすると私が悪いの? そんなことを考えてしまうこともありますね。でも、男女の脳の違いに詳しい脳科学者の黒川伊保子先生は、浮気というものに対する考え方そのものを変えたほうがいいと言います。どうすればいいのでしょうか? 男性と女性では、浮気という概念が違うから、浮気という言葉の使い方が違うんですね。いちいち細かいことを浮気と呼ばないほうがいいかもしれません。そもそも男性は、ひとりの女性に絞るようには脳ができていないんです。だから、ひとりに絞るためには、よほど付き合っているという強い意識か、結婚しているというぐらいの制約が必要です。食事をしたり、趣味が一緒で何度か会うくらいは、浮気と呼ばないほうが精神衛生上いいのかもしれないですね。もちろん、親しい女性なんて一人いれば十分という男性もたくさんいます。その場合、「面倒くさい」が一番多い理由(苦笑)。つまり、浮気されたくなかったら、面倒くさがりで、出会いの少ない理系男子を狙ったりするのが早いのかもしれません。さて、とはいえ、こまめで優しく出会いの機会の多い男子に惚れちゃうこともあるでしょう。その場合は、「基本、人の心なんて縛れない」ことを肝に銘じてください。おっとりと「戻りたくなる女」でい続けるしかありません。イソップ寓話の「北風と太陽」を思い出してください。上着を脱がせるためには、力で引きはがすより、温かくして不必要にしてしまえばいい。口うるさい北風になるよりは、太陽になっちゃう方が、結局はてっとり早いんです。つまり、彼にとって、「浮気相手が不要」と思わせるくらいの、「戻りたい女」になればいい。浮気してもしなくても、常に彼にとって必要な女性になっておけばいいのです。そのためには、「この人としか交わせない言葉がある」「この人にしかわかってもらえないことがある」ということを作っておくことです。例えば、自分にしかない世界観があるということ。この件については彼女に聞いたら、一番深い答えが返ってくると彼が思う得意分野を持っておくということは強いですね。いわゆる知識体系じゃなくていい、彼女なら必ずユーモアで返してくれる、彼女なら黙って傍にいてくれるという普遍性を持つのも手。あるいは、彼が持っている世界観に対して、深い理解があるというのも素敵です。付け焼刃じゃなく、時間をかけて理解を深めてください。他にも、彼の努力をずっと知っているだとか、今は成功しているけど、叩き上げのときからずっと見ていて、自分の人生を知っていてくれるというのもいいですね。この人としか話ができない、ということはいくつも作れます。彼氏が思い入れが深いものに対して一緒に思い入れが深いというのもそう。別に崇高なことじゃなくていいのです。でもそれはね、作ってもダメなのです。野球に興味ないけど、彼がタイガースファンだから頑張って私もファンになる、というのは頑張りきれない。その場合は、彼が草野球とかやるなら、アスリートのためのランチを任せてとか、そんな風にサポートすることもできるかもしれませんね。そういうことだったら、何かできるのでは? この人としか話せないことがあれば、必要とされる女性になれます。男性は、美人だから恋に落ちても、美人だからという理由で離れられないわけじゃない。恋をゲットしたら、次にするのは、エステよりも言葉のオシャレなのです。それから、面倒臭い女になってはいけません。男の人は、恋人にまだ情はあっても、面倒臭くなって捨てることがけっこうあります。例えば、説明できないことをいつまでも追求されるとか、女性が我を張るとか。男女では脳が違うのですから、こっちが正しいと思っていることと、相手が正しいと思っていることと、折り合いがつかないことが98パーセントなんです。女の人は自分が正しいと思い込んでいるから、相手の男性が嘘をついているとか、わけがわかんないふりをしているとか思うでしょう? でも、脳が違うんです。どっちも自分が正しいと思って言ってるわけですよね。折り合う場所や納得がいく場所がないのに、折り合いつけなきゃ先に進めないと執着する女性がいるでしょう? あれは結局、最後捨てられます。男性脳は、男女関係の面倒くさいことには耐えられないのです。生殖リスクが低い哺乳類のオスは、ばらまく性ですから、面倒くさい異性に関わっている時間がもったいないと思うように脳が作られているのです。さっさと次の異性に行った方が遺伝子が残せますからね。 それから、携帯のメールからわかるような細かいことは知らないことにしましょう。彼のFacebookも見ないほうがいいです、本当は。「あなたは、あの日あのとき何をしていたの?」「連絡しなかったじゃない」とか、とやかく追求すると、もし女性と食事にでも行っていたのだったら、言いづらいことを言わなきゃいけなくなるじゃない。言いづらいことを言いたくないがために、別れる男性だってすごく数が多いんです。生殖リスクが高い女性は、遺伝子を厳選して一人の男性に惚れるのですもの、そんなことで捨てられてしまったら、もったいないですよね。だったら、黙っておけばいい。そうすれば、別れなくてすむのですから。浮気に目くじらを立ててしまいがちですが、黙って帰って来るのを待つぐらいの度量が必要なのかもしれないですね。彼のことが好きなら、大切なのは彼と別れないことのはず。彼との大切な関係を守るためにどうすべきか、考えて行動したいものですね。 特集:黒川伊保子が教える、幸せを呼ぶ脳のつかい方 毎週金曜更新
2014年03月07日前編 では、彼に優しくさせる作戦を実行しているうちに、彼がドンドン本当に優しくなるコツをお伝えしました。知らずにしているうちに、脳は入力と出力を勘違いしてしまうというのが、脳科学者の黒川伊保子先生のお話でしたね。後編では、いつの間にか彼が優しくしたくなるような、そんな女性になる方法を教えてもらいましょう。男性の脳は、視覚認識が強くはたらくので、美しい空間バランスを見せられると、その世界にぐっと惹きつけられます。それは例えば、フランス料理や懐石料理のように器に美しく盛られた料理のようなもの。それらは、器に対する料理の「空間占有率が低い」のです。このような料理には「魅せられて」向き合うことになります。女性も同じ。女性とふたりでバーで飲んでいるとき、男性脳は「バーという箱に収まった彼女」を確認します。これは、男性という生き物が三次元点型認識をしながら空間全体をサーチし、安全確認をする無意識の癖があるからで、砂漠やジャングルでも生き残るための大事な能力。空間の中の女性としてみられているということは、「空間占有率の低さ」を意識しなければいけないということなのです。そうしないと、「魅せられて」大切に向き合ってもらうことができなくなってしまいます。ですから、空間占有率を下げるしゃべり方が必要。男性とふたりのときに、ガハハと大きな声をあげて笑ったり、大声でしゃべるのはやめましょう。空間占有率が上がってしまいます。空間占有率が小さいというのは、愛おしいということでもあるから、男性とふたりのときには、しゃべりすぎないで、空間占有率を下げることが大切です。また、空間占有率は時系列においても考えられるものなので、考えている以上に、沈黙の時間を長くするように心がけるのもポイント。沈黙の時間があると、手持ちぶさただわと言う女性もいるようですが、本当は、1時間のうち20分はふたりとも黙っていたほうが男女の関係になりやすいんですよ。その20分の間は、お店を眺めたり、ウェイターさんの仕事をする手元をじっと見てたり、花に気がついたりしていればいいんです。「あの瓶は何の瓶かな?」とぽつりと言ってみたり。彼に向き合いすぎないのがポイントですね。「休みの日は何をしてるの?」「何が好き?」「血液型は?」って、彼に対して質問するのではなく、質問の的を彼からはずしてみましょう。「ソチ五輪見てた?」とか。お店のあれこれを見て「あのグラスきれい」といったような会話が本当は重要なんです。自分のことをしゃべり続けるというのが、一番空間占有率が高いんですね。次に、相手について質問すること。自分についてえんえん語ること。それと恩着せがましいセリフ…「あなたのために、こうもした、ああもした」という話。女性は、プロセスを語りたい癖があるので、恩を着せるつもりがなくても、つい言っちゃうことも。気を付けてね。だから、沈黙の時間を持つことと、自分やあなたといった当事者ではなく、そこから的をはずしたところで会話をして、さらに言葉数もできれば少なくテンションをおさえた会話をするといいですね。さらに、声のトーンもそんなに高くなく、メゾソプラノからアルトぐらい、男性が邪魔に感じないということが感性上はとても大切です。■男性脳に響くポイントを味方につけましょう女性はついついアピールしがちですが、男性脳が自然と好む印象を演出することが大切なんですね。普段あまり意識することがない、空間占有率を味方につけて、彼にとびきり優しくしてもらいましょう。 特集:黒川伊保子が教える、幸せを呼ぶ脳のつかい方 毎週金曜更新
2014年02月28日彼氏やちょっと気になる男性に優しくされたら嬉しいですよね。でも、なぜかいつも雑に扱われて、全然優しくなんてされたことがない、そんな人はいませんか。男女の脳の違いに詳しい、脳科学者の黒川伊保子先生に、男性に優しくされる女性になるコツを教えてもらいました。■脳の勘違いを逆手にとる?! 優しくされるのなんて、簡単です。優しくしてね、と素直に言えばいい。男性は、女性に優しくしたい生き物なんですもの。ただし、「優しくしてくれて当たり前」という態度には、カチンときます。「カノジョなんだから、メールくらいくれてもいいでしょ」じゃなく、「今落ち込んでるから、励ましの一言、欲しいよ」と伝えればいい。優しくしてくれたら、うんと喜んで。レディファーストのカップルが羨ましかったら、「扉が重くて開かな~い」と甘えてみては? 「いつも楽々開けてるじゃん」と言われても、「あなたと一緒だと、力が抜けてなぜか開かない」と言い返しましょう。私はかつて、男友達と食事をしたとき、彼がなんだか尖っていたので、ウェイターさんに「紫キャベツか紫レタスが入った料理はない?」って言ったことがあります。でも、それは単なる口実。彼に「どうして紫なの?」と言わせたかっただけなんです。まさにそう返してくれたので、すかさず「今日は紫のものをあなたに食べさせると、私に優しくしてくれるって占いに出てたから」って言ってみました。すると彼は、「紫ならナスの方が自然だろうに」と笑って、「紫色のものを食べなくても優しくしてあげるよ」って。男の人って、女性に優しくて、本当にシンプル。怖がらないで、甘えてみて。何でもかわいく伝える方法はあるから、優しくしてもらうゲームだと思っていろいろ作戦を考えましょう。 優しくしているうちに、脳は勘違いするんです。知らずに優しくさせられている彼は、そのうちにあなたのことを大事な人だと思うようになります。脳は、入力と出力を勘違いするから(!)嬉しいから笑うでしょう。でも、嬉しくなくても笑顔の筋肉を使うと、嬉しいホルモンが出ちゃうものなのです。なので、作戦でも何でもいいから、彼に優しくさせるようにして、脳に入力と出力を勘違いさせればいいんです。気がついたら、あれもこれもしてくれるようになって、彼女は手がかかるんだって思うようになります。手がかかるというのは愛しいということですからね。エンジンをかけるだけでも大変なイタリアの古いバイクとか、いったん手に入れたら男性は本当に大切にしますよね。「あいつさ、俺がいないと階段の上から靴は落とすわ、駅はわからないわ、雑居ビルのトイレ行ったら迷っちゃうわ」って言いながら、愛しくなるんです。どれが上手くいくかわからなかったら、いろいろやってみたらいいんです。ただし、仕事ができない、部屋が片付けられない、料理のセンスが悪いと思われるのはNG。人として女性として基本はしっかりしているのに、ちょっとした隙がある、かわいく抜けている。そう見えるのがコツです。たまさか失敗しても、恐れないで。もし今の恋で上手くいかなくても、スキルは残ります。今の恋が終わったら、それは模擬試験だったと思えばいいですよね。大切なことは、自を分大切にさせるための作戦。そうやって大切にさせているうちに、大切に思ってもらえるようになるのです。■愛されたい女子は、直ちに作戦を実行すべき! 何でもかわいく伝える方法、即効性がありそうですね。ただ漠然と「優しくしてほしい」と思っているだけではダメだったんですね。彼に優しくさせるように行動すれば、それが彼の気持ちまでも変えるなんて不思議ですね。でも、だからこそ試してみる価値は多いにありそうですね。「優しくしてもらう作戦」ぜひ実行してみては? 特集:黒川伊保子が教える、幸せを呼ぶ脳のつかい方 毎週金曜更新
2014年02月21日ステキな恋もしたいけど、仕事だってとても大切! やっぱり職場でも、きちんと認められたいものですよね。そのために大切なポイントを、エンジニアとしてバリバリ働いていた経験もお持ちの脳科学者、黒川伊保子先生に尋ねてみました。まず姿勢! 背中が丸い日本女性はとても多いので、背筋をきちんと伸ばしただけで、この国では目立てます。空間認識に長けている男性脳は、姿勢を意外に見ています。偉い人の目に入りますよ。とても大切なことだから必ず覚えておきましょう。それから、論理的に話すということが大切。女性が、男性から論理的と見えるように話すには、「まず結論から言う」「ポイントは最初に数で言う」「一押し提案はせずに複数提案をする」この3つが大切です。この3つは男性脳から見て、頭がよく見えるというポイントなんです。活躍している女性が職場で使っているのは男性脳なので、相手が女性であってもバリバリ働く人と話すときは心がけるといいですね。優秀な女性脳は直感力が働くので、「これしかない一押し提案」が正しくしっかり降りてきます。このため、どうでもいい見せ提案をつけなくちゃならない「フェアな複数提案」はきっと虚しい気がするはず。けれど、会社にいる間の男性脳は直感力は働きにくく、方向性の違う複数提案を吟味することによって正しい選択をしたと思いたいのです。したがって、脳裏には「一押し」が浮かんでも、複数提案にして男性を安心させた後で、「ちなみに、私がぴんときた一押しはこれです」とクールにアシストするのです。センスのあるプロフェッショナルに見られます。職場で絶対に言ってはいけない言葉があります。それは、「でも」「だって」「どうせ」「ダメ」のD音、4ワード。私はこのD音の言葉は、35歳までは言わないと決めていました。このDの音は停滞の音なので、例えばストレスが上がってきた人に「どうどう」と言ってあげるのはいいんです。「どうしたの?」とか「大丈夫?」なども。けれども、「でも」「だって」「どうせ」「ダメ」のような言葉は、職場で私的な気持ちをしゃべっているように聞こえます。全部自分を守るための言葉だから、客観性がありません。なので、会社や仕事のことより、自分のことを考えて行動しているように見えてしまうんです。私はエンジニアだったのですが、例えば「来週の火曜日までにこのテストを終えてください」と、できないことを言われたとしますよね。うっかりしてると、「ダメです」「できませんよ」「だって」と言ってしまうんですが、それでは完全にプロには見えないですよね。そういうときは、「来週の火曜日でしたら85パーセントまでのテストが可能です。すべて完成するには水曜日までいただきたいと思いますが、火曜日までにどうしてもということであれば当面不必要な15パーセントを選んで残りをやりますが、いかがでしょうか?」という具合に、全部提案に変えて言うんです。無理して引き受けてストレスを溜める人より、きちんと提案できる人の方が出世しやすいのではないでしょうか。Dの言葉は言わないと決める。そうすると前向きな言葉しか言わなくなりますから。そのときに一番大切なのは、あくまでも相手のために考えるという立場を貫くこと。無理をして質が下がれば、仲間やクライアントに迷惑がかかる。無理する自分がかわいそうだから抵抗するのではなく、仲間や顧客を守るために出てきた言葉であることが必要なのです。仕事で認められる女性になるためには、自分のことの前に、組織やクライアントを守りきる気持ちになれることが不可欠だと思います。「叱られて、落ち込む帰り道」なんて一人前の女性にはあり得ません。「仲間やクライアントを守りきれなくて指摘され、明日からどうしたらいいか検討する帰り道」はあっても。頭がいいとか資格をとるとか、英語がしゃべれるとか、そんなところに敬愛が寄せられるわけではないのです。職場では自己愛を捨てて、誰かを守る自尊心の人になりましょう。自己愛型の女性がついつい言ってしまいがちな、「でも」「だって」「どうせ」「ダメ」の4つの言葉。まずは自分の中から消してみてはいかがでしょうか? 特集:黒川伊保子が教える、幸せを呼ぶ脳のつかい方 毎週金曜更新
2014年02月14日しあわせになりたくない、なんて人はいませんよね。でも、どうやったらしあわせになれるか、はっきりわかっている人も少ないのではないでしょうか。毎日が楽しく、ステキな恋をして、肌が美しく輝いていて、アイデアがどんどん生まれ、ちょっとアンラッキーなことがあってもすぐに立ち直れる、そんな「しあわせ脳」になる方法を知りたいと思いませんか? (しあわせ脳については、 前編 を参考に!)脳科学者の黒川伊保先生の 『しあわせ脳練習帖』 を読めば、「しあわせ脳」になる方法が具体的にわかるはずです。どんなことをすればよいのか、ここでも簡単にご紹介したいと思います! ■夜10時には就寝する(せめて、シンデレラタイムを守って)「しあわせ脳」になる一番の基本は、ちゃんと眠ること、それも早寝! 10時にはベッドに入って、10時~深夜2時の4時間はぐっすり眠ることが大切です。この時間帯は、睡眠を誘うメラトニンと呼ばれる脳内ホルモンがもっとも多く分泌されるゴールデンタイムなのです。この時間に眠っていれば、脳は、翌日の直感力をアップすることができるのだとか。と同時に、成長ホルモン(新陳代謝ホルモン)が促進されるので、筋肉や骨がしなやかになって(若々しい姿勢の秘訣)、美肌もゲットできるのです。とはいえ、現代のキャリアウーマンにとっては、10時に寝るなんて至難の技。絶対無理と言う人もいるのは、重々承知の上です。黒川先生に聞いてみると、「女を捨てる気がないのなら、せめて0時には寝て。”シンデレラタイム”と呼んで意識してみて。その場合も、10時以降にパソコンや携帯電話の画面を見ることは、なるべく避けましょう。電子画面の凝視は、その直後の眠りの質を落としてしまいます。愚痴や嫌味などのネガティブな話題も禁止。お風呂に入って筋肉のストレッチをすると、副交感神経が立ち上がり眠りは一層深くなるので、勝負の前には1週間だけでも10時睡眠をやってみて」■朝5時台に起きて朝日を感じる早寝ができたら次は早起き! 朝日を目撃すると、脳の中でセロトニンという脳内物質が分泌されます。セロトニンは「しみじみとした情感」と、それによる満足感を作り出すのに関与しているので、情動が豊かになるのだそうです。黒川先生は、セロトニンを「しあわせホルモン」と呼んでいます。また、昼間の体験のうち、「心が動いた」体験は、寝ている間に知恵やセンスになって脳神経回路に定着されるのだそうです。セロトニンが多く出ている人は情感が豊かなので、心が動きやすく(感激屋さん)、自然に知恵やセンスが豊かになります。結果、人生の成果を生み出し、しあわせになっていくのだそうです。起床の目標は、5時台の後半。冬はまだ暗いですが、脳は一年を通しほぼ同じ時間に起きると、その性能を上げていくので、冬も夏に備えてこの時間に起きるようにするとよいようです。■朝ごはんをきちんと食べる早起きができたら、朝ごはんを食べること! 朝ごはんはしあわせ脳の燃料になります。米やパンといった炭水化物は脳のエネルギー源。ただし、このエネルギー源を確実に燃焼させて、安定して脳に届けるためには、炭水化物の「前」に繊維質のもの(野菜、海草、大豆製品)やタンパク質を食べることが大切になります。そんなに食べる暇がないと言う人は、ゆで卵(卵は完全栄養食)、バナナやりんごなどの低GIの果物、牛乳・ヨーグルトなどの乳製品などをオススメします。甘いものや白い炭水化物(ふわふわの食パンや、もちもちの白米)だけで朝食にしてしまうと、血糖値が一気に上がり、(血糖は脳のエネルギーなので、速攻元気になる)2時間半くらいで失速ということになってしまいます。つまり、朝をジャムトーストなんかにしてしまうと、10時半くらいには何か甘いものをつまみたくて仕方なくなってしまうのです。これは、血糖値が急下降によるもの。朝だけではなく、一日中、「いきなり」甘いものや白い炭水化物を食べないように気をつけましょう。脳に届くエネルギーが乱高下するので、「はしゃいだかと思うと、すぐに落ち込む」「頑張らなければ、頑張れない」脳になってしまいます。早寝・早起き・朝ごはん、これが「しあわせ脳」になるための基本。他にも、「自分のために時間をかけて暮らす」「クラシックの器楽曲を聴く」「メールの深読みをやめる」など、「しあわせ脳」になるための方法はいろいろあります。黒川伊保子先生の 『しあわせ脳練習帖』 を参考に、まずは今夜から早寝をして、あなたも「しあわせ脳」へと一歩近づいてみてはいかがでしょうか? 特集:黒川伊保子が教える、幸せを呼ぶ脳のつかい方 毎週金曜更新
2014年02月07日あなたは今、しあわせ? と聞かれたら、YESかNOかのいずれかにせよ、答えることができますよね。では、「しあわせ脳」の持ち主? と聞かれたらどうでしょう。それって何って気になりませんか。実は、この「しあわせ脳」になることが、本当にしあわせになるために、とっても大切なのだそう。一体「しあわせ脳」ってなんなのでしょう。 まず「しあわせ脳」について知る前に、あなたの「しあわせ脳」度を測るチェックをしてみましょう。次の質問に対し、YESならばチェックして。□1. スイーツが大好き! □2. 会社や学校など自分の周りには、なかなかいい男がいない□3. 電車で移動しているときも、携帯電話(メール)が気になる□4. メイクは女の命、コスメ・グッズに目がない□5. 目標体重まで痩せてスタイルのいい女性になりたいさて、この5つの中にいくつYESがありましたか? 実はこの質問、イベントなどによって生じる「一時的な高揚感」を脳がしあわせとカン違いしたもの! チェックが多ければ多いほど、脳科学的には「ふしあわせ」な状態なのです。もちろん、何かの目標を立てて頑張り、「一時的な高揚感」を味わうのも、脳にとっては大事な刺激。ただし、そればっかりになってしまうと、脳は本来の力を発揮できません。本来、脳には、自らを幸せに導く「無意識の力」があるにもかかわらず…。「しあわせ度」を測るチェックには、先ほど紹介した5個も含め、全部で15個あり、それら全ては、脳科学者の黒川伊保子先生の著書 『しあわせ脳練習帖』 に掲載されているので、気になる方はぜひチェックしてください。この本に「しあわせ脳」になるための方法が細かく説明されていますが、ここでも「しあわせ脳」とは何かを簡単に紹介したいと思います。「しあわせ脳」とは、ホルモンバランスがよく、好奇心があって集中力があり、直感がよく働く脳のこと。知ってますか? 「好奇心」を創り出すホルモン、「集中力」を創り出すホルモン、”出逢い力”を支えるホルモンがあるということを。すべて脳内で分泌される、脳内神経伝達物質と言われるホルモンたちです。みずみずしい感性のある人が、モテないわけがない。けれど、「みずみずしい感性」を作ってくれる「溢れる好奇心」と「しなやかな集中力」は、ホルモンによってもたらされます。さらに、「いい男」をキャッチするのは、主に嗅覚の仕事なのだとか! 体臭に含まれる、フェロモンと呼ばれる匂い物質は、遺伝子の免疫抗体の型の情報にリンクしていて、ヒトは特別な嗅覚細胞を使ってこの情報をキャッチし、「このフェロモンの持ち主」が、つがうのにふさわしいかどうかを瞬時に判断し、恋に落ちるのだそうです。そのフェロモンチェックを自覚できるかどうかは、右脳(感じる領域)と左脳(顕在意識)をつなぐ神経線維の働きのよさにかかっているのです。つまり、直感力で嗅ぎわける、というわけです。なのに、外界からの情報や、他人の価値観などにとらわれ過ぎると、脳は左脳優位になり、右脳と連携してくれず、直感力が働かなくなるため、”出逢い力”が落ちてしまいます。つまり、「こうすればモテる」をなぞらえて頑張り、「こういう男がいい男」なんて情報に惑わされて、目の前の男子をジャッジしていたら、本当の恋には出会えないってことに! しあわせになりたくて、こうすれば周囲の好感度を上げられるだろう、と思って「各論」で頑張っても、ギスギスした自己中心的な女性になってしまって、結局思ったように周囲が大切にしてくれないという不幸のスパイラルが生じるという事態にも。でもこれって、私たちが、うっかりおちいりやすい事態だったりしませんか?要は脳を上手に飼いならすことが大切、と黒川先生。脳のバランスを常にいい状態に保つ=みずみずしい感性を備えた「しあわせ脳」になる、が大切なのです。「しあわせ脳」の持ち主になれば、創意工夫力が増え、いろんなことがうまくいくとか。「しあわせを呼び込む女」になり、毎日が楽しくなり、ステキな恋をして、肌も美しく輝き、アイデアがどんどん生まれる、そんな生活が送れるというのです。本当かしら? と思った人、ぜひ『しあわせ脳練習帖』を読んで、「しあわせ脳」になる練習を始めてみてはいかがでしょうか? 特集:黒川伊保子が教える、幸せを呼ぶ脳のつかい方 毎週金曜更新
2014年01月31日付き合う男は、なぜかいつもダメ男、そういう女性はいませんか? 女にだらしなかったり、借金癖があったり、そんな男性なのに好きになってしまう。そういった女性が幸せになるにはどうしたらいいのか、男女の脳の違いに詳しい脳科学者、黒川伊保子先生に尋ねてみました。ダメ男を好きになる方は、ステキな女性なのよね。誠実で、お金も稼げ、母性があって、情が深い女性がダメ男を好きになる。それは遺伝子のなせる技なんです。自分とは違うタイプを好きになって、より多くの遺伝子のバリエーションを残すことによって、生物は生存する可能性をあげようとしています。偏った遺伝子しか残せなかったら、異常気象があったり、伝染病が流行ったりすると、種が絶えてしまうでしょう? 寒さに強い遺伝子も、暑さに強い遺伝子も子孫に残した方がいい。このため、ヒトは自分とは異なる免疫抗体を作りだす遺伝子を求めるから、感性が真逆の相手の惚れがち。ダメ男ばかり好きになる女性はイイ女で、そういう男性の遺伝子セットに共通している特徴に惹かれている可能性が高いのです。でもね、モノは考えよう。ステキなあなたは、地球上のダメ男を助けるために生まれてきた天使。ある意味、覚悟を決めたほうがいい。本当に惚れた男と結婚したければね。ダメ男の種類ごとに手なづけ方は違います。それぞれにルールを決めて、自分を守ってください。お金にだらしがなければ、「暮らしは私がささえるけど、使い道のわからないお金は絶対に出さない」とか。あるいは月に最低10万円だけは家に入れてねとか。日常守ってほしいルール、絶対に許せない限度を決めて、それを守っている間は何も言わないという風にするとよいでしょう。男性は基本的にルール好きの上に、ダメ男は楽な方へ流れる質の持ち主。してしまったことを「どうして?」と問い詰めても面倒くさがって説明もしてくれないけれど、「こうしてね」は意外に守ります。逆らうより、言いなりになったほうが楽だからです(苦笑)。だからこそ、優しくて、几帳面な女性にとっては一緒にいて楽な一面があるのです。(そこに惚れちゃうんでしょ?)ダメじゃない男に会いたいと願っても、無駄な抵抗かも。遺伝子レベルの反応だから、いくら周りに誠実な男性がいても目に入らないし、アプローチされてもピンとこない。いい男に出逢えないのは、そこにいないからじゃないのです。もちろん、そこそこの友情を感じる男性と、穏やかな暮らしを営むことも結婚のかたちの一つ。齢を重ねてくれば、その選択もありますよ。自分の人生は、自分で作る。ダメ男を好きになってしまう人は、惚れてしまったら覚悟を決めて。そして、自分のことは自分で守るようにしましょう。そのためにも、ちゃんと職業を持ったほうがよいですよね。ステキな女性だからこそ、こういう遺伝子のミックスになるんだと自覚して、自分が悪いとか、相手を変えようとか思わなくていい。ただし、自分を守るルールは賢く決めてね、何度も言うけど。彼のことばや態度が、あなたを卑しめるのであれば、辛くても、その男は捨てなきゃいけない。それでも、どうしてもダメ男以外の男子と結ばれたいと言うのなら、自分がだらしない女になってみては? お金もないのにカードで買い物するとか、友達との約束を破ってみるとか、誰かに仕事を押し付けるとか、ちゃっかり奢らせるとか。でもね、だぶんできないと思う。人は、それぐらい変えられないものなんですよね。つまり、ダメ男も自分も変えられない。だから、自分を変えようとするのも、相手を変えようと思うのもやめて、覚悟を決めるしかないのです。「諦める」というとネガティブなように聞こえるかもしれないけれど、これは「覚悟を決めて、自立して、自分を守りながら、相手を受け入れる」ということで、知的な諦め。ただ、その生き方は、女を艶やかにしますよ。女の人生に、努力のし損というのはないのです。なににせよ、自分で選んで歩き出すこと。幸せになってね! 特集:黒川伊保子が教える、幸せを呼ぶ脳のつかい方 毎週金曜更新
2014年01月24日男性に大切にされる女性ってどんなイメージですか? 美人? 家庭的? 優しい? 女らしい? もしかしたら、ちょっとか弱いほうがいい? ……実は、全部不正解!脳科学者で、男性と女性の脳の違いに詳しい黒川伊保子先生によると、男性が求めるのは、ことばを使わずに「たたずまい」で知性と慈愛を感じさせてくれるなの人だそう。「たたずまい」というと漠然とした表現なうえ、シチュエーションや相手との関係性、はたまた女性の年齢によって、たたずまいの「正解」が違ってくるというから、かなり難しそうです。けれども、ことばよりも空間に感応する男性脳にとって、これは重要なことのよう。それなら、ぜひしっかり知っておきたいものですね。■「呼吸」が大事?! 男性が求める女性に共通する点として、まず「呼吸の穏やかさ」、と黒川先生。ゆったりとした深く静かな呼吸は、安寧な雰囲気を作ります。そんな風にして女性が作る雰囲気や安らぎは、男性たちが求めて止まないものなのだとか。これは、意識してみる価値がありそうです。そして、このように呼吸していれば、自然に美しい姿勢になるという点にも注目です。男性脳は空間認識に長けた脳なので、メイクに力を入れるよりも、美しい姿勢のほうが効果があるのだとか。さらに、呼吸の効果としては、脳細胞に酸素が行き渡り、頭がはっきりし、瞳に力が入り、頬が上気して、うっすら紅を帯びるという効果も。そうすると、生物としての「凛」とした存在感も出てくるそうです。結果、深い安らかな呼吸をしていると、お店でもビジネスシーンでも効果が実感できるというから、試してみない手はないですね。男性脳は「場」に緊張しやすく、女性が想像するよりも公の場にいるときに、実は緊張しているのだとか。そんな男性に大切にされるための鍵は、沈黙と呼吸。男性から大切にされる秘訣は意外にシンプルなのかもしれません。■普段の会話に注目! 30歳を過ぎて、最近モテないと感じる人がいたら、男性をうんざりさせるような迫力のある口調が増えていないか、振り返ってみましょう。男性に対しての会話のコツは、いかに喋るかではなく、いかに黙るかです。一方、女性は気持ちをさらすことを愛の行為としています。そして男性は、そのお喋りに相づちを要求されるのが何よりも億劫なのです。男性と女性、ここまですれ違っているなんて知りませんでした。知らないままでは、男性に大切される女性になるのは難しそう。男性が求める女性像を知るためにも、黒川先生の書籍『 恋愛脳 男心と女心は、なぜこうもすれ違うのか 』は是非オススメです。たとえ愛し合っていても、男と女でどうしてすれ違ってしまうのか、脳の違いという観点からわかりやすく説明してます。まさに、目から鱗です。この一冊で、今までわからなかった男心の謎も解けるかも。 特集:黒川伊保子が教える、幸せを呼ぶ脳のつかい方 毎週金曜更新
2014年01月17日最近は、結婚する前に一緒に恋人と暮らし始める人は多いようですね。生活を共にしていけるか試してみたいと思うのかもしれませんが、だらだらと同棲生活が続いて、彼がプロポーズしてくれないと嘆いている女友達はまわりにいませんか? 結婚前に同棲生活を始めるのは注意すべきと、脳科学者で、男性と女性の脳の違いに詳しい黒川伊保子先生は言います。そのアドバイスに耳を傾けてみましょう。一緒に暮らすということでは、経済的にひとつの枠の中で発展を考えること、人生設計をひとつにするということでしょう。だから、一緒に暮らし始めるときから、一緒の貯金口座を作るとか、別々でもそれぞれに二人のための貯金を始めるとかすべきですね。それで、貯金がいくらたまったら結婚しようねと話しておくんです。お金の話が難しかったら、「二年先のアパートの更新のときには、次のステージに上がりましょう。ちゃんと結婚して、もう少ししっかりした部屋に移る。ここは、それまでの繭みたいなものね。それはそれで幸せな場所だけど(微笑)」なんてふうに伝えてみたら? 最初から、自然に結婚の話をすればいいんですよ。暮らし始める前に、あなたと人生設計を一緒にしていこうっていう話をするほうがいい。漠然と一緒に暮らし始めるのは、戦略ミスです。男性はゴールがどこかっていうのを最初に設定するのが大事なのね。だらだらと一緒に暮らすのを目的にアパートを借りて二人で入っちゃうと、一緒に暮らすのがゴールだと思ってしまうから、そこから一歩(=結婚)を踏み出すのは大変なの。人生を共にしようというところまで見込んでいない男とだらだら暮らすなんて、私は信じられないですね。一緒に暮らすときに、あなたの人生に対して私はとことんアシストする宣言をして一緒になるべき。ご飯もちゃんと作って、貯金もちゃんとして、この人がいなかったら進んでいけないっていうぐらい、彼にとって必要なパートナーになればいいんじゃないの? 支配下に置けばいいんですよ。そういう話をしないで、ままごとみたいな同棲をしてたら、そこで終わってしまうんです。それで、彼がプロポーズしてくれないのってだんだん恨みがましい顔になっていっちゃって、喜び上手な新しいガールフレンドでもできたりしたら、彼を取られてしまいますよ。しかも、発情期は同じ相手に対してだいたい3年ぐらいしかないから、それも終わってしまっているんですよね。それでも青春を捧げてきたからこの人をゲットしないとって思ってたら、お互いに燃えカスですよね。もう既にそうなってしまっている人がいたら、今すぐその彼と別れたほうがいいです。そのときは、彼と一緒に暮らしていた部屋は出て、そのとき着ていた服は全部クリーニングに出して。フェロモンはたんぱく質のカプセルに入っているので、洋服についているんですよ。彼のフェロモンがついていると、他の男の人のフェロモンに対する感覚が鈍くなりますからね。そして、次に新しく一緒に暮らす人が現れたら、お互いに将来のことを語り合って、将来のためにという形で同棲を始めないとダメ。結婚というゴールを最初に設定しておくことが男性にとっては大切なんですよ。 特集:黒川伊保子が教える、幸せを呼ぶ脳のつかい方 毎週金曜更新
2014年01月10日気になる男性と知り合いになって、少し親しくなることはできても、そこからさらに続いたり、発展させるとなると、なかなか難しかったりしますよね。いったいどういうことをすればよいのでしょうか。男性からの好感度を上げるためには、「男性に責務を与えて、果たさせることが必要」と、脳科学者で男性と女性の脳の違いに詳しい黒川伊保子先生は言います。なぜ責務なのか、黒川先生に聞いてみましょう。男性脳は、長らく狩りをしてきた性なので、「目標を定めて、その目標をゲットする」という原初的な快楽を脳が求めています。大人になったって、どうでもいい些細なこと(冷静になってみれば好きでもない給食の余った牛乳とか)を真剣にじゃんけんしてゲットしちゃう、カワイイ小学生男子のままなんですよ。だから、大切なのは定番の責務を果たさせること。電球が変えられないとか、ささいな、かわいいことでいいんです。俺がついていないとダメだな、ということを定番で作ることが大事。今日は荷物を持って、明日は掃除をして、じゃダメ。自分にはとうていできないということを、嘘でもいいから作るんです。そもそも「目標を定めて、その目標をゲットする」のが気持ちいい男性脳には、目標が見えないのはツラいのです。女性の話で、何を話したいのかよくわからない、という状態に男性がイラつくのもそのせい。逆に会社で働くことのように、目標が決まっているのはとても気持ちがいいのです。なので、同じこと=「定番の責務」で頼りにしてあげないといけません。例えば、ラーメン好きな男性がいたら、「●●さん、ラーメン詳しいんですよね。今度イチオシのラーメン店に連れてってください」とおねだりしてみて。実際に食べた後、「美味しい! これから、●●さんの推薦ラーメンしか食べないわ」と宣言すれば、彼自身の楽しい責務になるし、こちらも次のおねだりをしやすくなりますよね。その代わり、操は立てます。口先だけはだめ。ひとりでラーメンを食べに行く時も、「今、△△にいてラーメン食べたいんだけど、近くにいい店はありますか?」とお伺いを立てる。彼が知らないと言ったら、ラーメンは我慢する。あるいは、「初めての店でも失敗しない、美味しいお店の見分け方」を聞き、実践してみて、結果も報告する。基本、他の男子とはラーメンを食べに行かない。そんなことをしていたら、「お前、俺がいなかったら、ラーメンも食べられないのか。しょうがないな。行くぞ」と言ってもらえますよ。そうならなかったら、そもそも人間関係を紡ぐ縁にないってことです。彼にしかできない「定番の責務」を決めれば、相手も気にかけてくれるし、こっちも声をかけやすい。なので、継続しやすいんです。恋愛も受験と一緒、継続は力なり、ですよ。だってほら、テーマもなく「暇なら会いましょう」スタイルだと、立ち消えになったりすることも多いでしょ? 女性は、生理周期で気分が盛り上がったり下がったりするので、つい、間が空いてしまうことがある。間が空くと「今さら」となって、恋の卵だったかもしれない出会いが消えてしまいます。そうそう、この際、相手に彼女がいても気にしない。ラーメンを食べているうちに、別れるかもしれませんからね。「責務お願い」型のアプローチには、まずは友情を培うという利点があるので、略奪しなくても、相手の恋の自然消滅を待てるんです。他の女性との友情で壊れる恋なら、壊れてしまった方が未来のためです。定番の責務は、ささいなことでいい、何でもいいんです。コンビニのスイーツを見つけ出す才能のある男子なら、そこを頼ればいい。企画書のタイトルを上手く付ける男子なら、企画書のタイトルをつけるときに、必ず添削をお願いするとかね。相手に定番を作るということは、結局、相手のいいところを見つけるということ。彼の美点をみつけて、そこはあなただけに任せようって言えばいいんです。そうすれば、きっと彼はそれに応えてくれますよ。 特集:黒川伊保子が教える、幸せを呼ぶ脳のつかい方 毎週金曜更新
2013年12月27日前編 では年齢と脳の戦略の関係について、黒川先生の理論を聞きました。では、合コンなど普段の出会いで、どうやって運命の人を探せばいいのでしょう? そのコツを聞いてみました。■相手のポイントを見つけよう合コンのときは、「好奇心のツボ」を見つけることですね。それは、相手の「好奇心の先」であり、自分自身が「好奇心を持てること」を見つけ出すこと。たとえば、鉄道の話になって、相手がローカル線の旅が好き、と言ったら、「あなたの一押しローカル線はどこ?」などと「それはなぜ?」と聞いて行けばいい。質問上手は、惚れさせ上手ですよ。趣味が難しければ、仕事の話でもいい。けれど、その場合も、「何やってるんですか」なんてつまらない質問はしないこと。たとえば、銀行員なら、「世界で一番いい銀行って、どこ? プロから見て」みたいな普段聞かれない質問をしてみて。「実は学生時代ラグビーやっていて」と言われたら、「ルールわからないんですよね」って。今度連れて行って、ルールを教えてやるかと思われるぐらいまで、無邪気に一生懸命になれればいいですよね。相手に合わせるのではなくて、自分の興味に従って。自分がその話を続けたければ、それもOKですし、知らなくて教えてもらいたかったら聞けばよいのです。興味がなかったら別のポイントをみつけましょう。正直に自分が興味を持てるところを探すんです。それを小賢しくマニュアルとしてやるのとは全く反対。合コンでは、集まった5人の男性のうち、誰なら自分が楽しめるかを探せばいいんですよ。誰が自分を気に入ってくれるかではありません。ゴルフなのか、ラーメンなのか、鉄道オタクなのか。私の息子だったらバイクかモトクロスのレース、パンクロックかな。その中に自分のきっかけを見つけられるかです。一通り聞いても興味が湧かなかったら、もうふた通り目聞いたらいいでしょう。自分が聞きたいことを引き出します。それを聞くとき、「日曜日何をしてますか」「趣味は何ですか」ではつまらないので、「去年一年で一番感動したことって何ですか」や「最近泣いた?」「笑いが止まらなかったことって何?」などを聞いてみて。「小学校のとき一番好きだった先生の名前を教えて」とか、何でもないことですよ。■自分ならではの考えをぶつけよう男性は異性の射程範囲が広いから、10人の若い女の子がいれば、8人くらいはいい子だなと思っちゃう。だから、「キレイで優しい」なんてことで競っても、特別なひとりにはなれません。「この人としか、話せないことがある」という“心のフック”を感じたら特別な人になれるし、「この人に、もう一度、話を聞いてもらいたい」と思ってメールをしてくれます。でもね、世の中の大半の人がいいと思う話題じゃ、フックにならない。逆に、「世の中の人と違うところ」がフックになるんですよ。たとえば、「私、ディズニーランドが好き」「定番すぎるけど、やっぱ、ミッキーってよくない?」じゃ、「あ、そう」って感じ。けど、「私、ディズニーランドが意外に苦手。イベントって、嫌いかも」「あ~、おれ、それわかる」とか「キャラクターでは、プルートだけが好き。だって、あの子だけかわいそうなんだもん。グーフィーは洋服着てるのに、なぜ、プルートは犬のままなの?」「あ、おれも、それ思った!」みたいなことなら、仲良くなれるでしょう? 自分だけの、小さな心の引っ掛かりは、会話のフックを創り出すいいネタになります。「小さな頃、大人に嘘つくなって言われて、大人は嘘ついてんじゃんって思わなかった? 」というような、そんな話題でもいいでしょう。自分の人生の中で心に引っかかってることを言っていけばいいのでは。惚れあう相手は感性の正反対の相手だけど、こういう些細な着目点が重なることはよくあります。着目点が似ていて、実際の行動は食い違うというのが、感性真逆の相性なんです。そして、それこそが恋の相手。共通の着目点を見つけて、「え、あなたはこうするの。なるほど」と違いを味わいましょう。それこそが、合コンの正しい使い方ですよ。ということは、「楽しいけど共感できずにムカつくことも多い」という人にアンテナを向けてみて。そういう人を見つけるには、まず自分の人生や生活に好奇心を持つことが大事ですね。人の言うことを鵜呑みにしないで、自分の感覚を大事にしておくこと。そうすれば、いつか同じように感じている人と出会えます。そうやって出会った人が運命の人かもしれないですよ。 特集:黒川伊保子が教える、幸せを呼ぶ脳のつかい方 毎週金曜更新
2013年12月20日いつか運命の人に出会いたい…けれど周りを見渡しても、そんな人はいなさそう。いったいどこにいるの? せめて運命とまでは言わずとも理想に近い彼氏ができれば…でもそんな人周りにいない、ということも多いかと思います。脳科学者で、男性と女性の脳の違いに詳しい黒川伊保子先生曰く、周囲や合コンなどで出会った男性の「態度」で探ろうとしても意味がないとか。では、どうしたらいいのかしら? その理論を聞いてみましょう。■相手の「態度」で探らない発情する者同士は性格は合わないんですよ。イラッとしたりムカッとする相手にしか発情できないので、そういう人は逆に脈があるということなんです。すべての生物は、自分が持っていない遺伝子の型の持ち主に恋をします。理由は、違う者同士の遺伝子を掛け合わせて、できるだけ強い子孫を作るため。遺伝子の型が違うということは、感性が全く違う相手ということ。つまり、とっさの判断が食い違うので、「なんで、そうなるわけ?」「なぜ、今これを言う?」「って言うか、何考えてるの?」「当然のことが、なぜできない?」みたいな人間相性最悪の相手に惚れることになっているんです。例えば、暑さに強い人と寒さに強い人がつがって遺伝子を残せば、地球が温暖化しようと寒冷化しようと子孫は残る。だから、愛し合う者同士のエアコンの適正温度は一致しないようにできているんです。それなのに、「こんなに寒いのに、気づかってくれないなんて」と思っても意味がない。相手は寒くないんだものね。ですから、あの人と私は合わないとか、あの人は私に優しくないとか、そういうことで探っても意味がないということがわかりますよね。人気の韓流ドラマだってそういう内容のものが多いですよね。最初はムカつき合ってる二人が、「ひどい!」って言いいつつも、いつの間にか発情している。だから、運命の男性を探すコツは、まず探らないということです。キスしてみたい、触ってみたいと思うか、感覚的なものしかありません。■運命の恋ができるのは20代では、どうやって、相手の遺伝子を見分けているかというと、異性の見た目、声、触感(手を握ったら「あり」か「なし」なんて瞬時にわかるという女性も多いですよね)、そして匂い。特に、体臭に含まれるフェロモンと呼ばれる〝匂い物質〟は、潜在意識で嗅ぐ匂いですが、免疫抗体の方の遺伝子を知らせていると言われていて、最も大切な情報源です。生殖リスクがまったく違う哺乳類では、圧倒的にメスのほうがこれらの遺伝子情報感知度が高く、異性の取捨餞別が厳しいと言われています。男性は、10人の美女がかわるがわる抱きしめてくれたら、「どうしても嫌」という女性は一人いるかいないかでしょう。けれど女性は、10人のイケメンが登場したら、「イケメンでも触れるのは不快」という男子が過半数を占めるはず。異性を厳しくより分けるフェロモンセンサーの感度は、25歳女子が最も高いと言われています。おそらく、生殖ホルモンが安定し、細胞の老化がまだ始まっていないこの年齢が、初産に最も適した年齢だからでしょう。好き嫌いの幅は、脳の中で絶対値の幅で揺れるので、25歳のときはすごく好きな人も、すごく嫌いな人もあるということ。25歳の女子なんて、100人男子がいたらたったひとりのすごーく好きと、99人の触わられたら気持ち悪い人で構成されているわけです。それはしょうがないこと。人生最高センサーによって、25歳女子は1万人にひとりとも言うべき遺伝子配合の相手を選び出しているわけですから、20代で恋に落ちると「運命の恋」と感じます。彼のような人は他にはいない、ということを潜在意識で知っているからですね。でも、その感覚は脳の戦略に従って、だんだん緩慢になっていきます。というのも、30歳過ぎても生殖に成功しない場合、同じように厳しく取捨選択していると、この個体が生きる環境において、一生涯、相手が見つからない可能性もあるということだから。そこで、脳は戦略を変えます。「遺伝子相性を多少悪くしても、とにかく子孫を残さなきゃ」というわけで、センサーを徐々に鈍くしていくのです。このため、1万人に1人が、千人に1人になったりするわけですから、当然、「この人しかいない」という確信も薄くなっていきます。つまりね、子どもを産まないまま30代後半に入ってしまうと、20代のような燃えるような「運命の恋」をしたくても、脳がその体制にないってこと。相手がいないんじゃなく、自分の脳が戦略を変えたんです。大人の女なら、そのことはクールに認めたほうがいい。燃えるような恋じゃなくても、「一緒にいて、しみじみすることができる」くらいの好意の相手で手を打たないと、38歳から健康な自然初産の期限にあたる43歳くらいまでは、あっという間に過ぎ去ってしまいます。ただし、43歳以降は、脳は生殖ストレスを離れて、プラトニックラブもできるように。女性は、脳の生殖戦略を知っておくべきです。20代で「運命の恋」と感じる相手に出会ったなら、おそらくそれが、人生最高の恋愛ボルテージ。結婚できる相手なら、細かい条件や、貯金の額なんか気にせずに、結婚してしまった方がいい。30代後半に入ったら、好感を持てる相手なら、友情結婚してみればいい。40代に入って恋力が戻ってきたら、あらためて夫にしみじみ惚れるかも。もしそうじゃなくても、バツイチ子持ちの女性はけっこうモテるから、大丈夫。(微笑) 女は、賢く生きなきゃね。黒川先生の言葉は、時に耳に痛いことも! でも、脳のメカニズムは知って損はしないはず。後半ではさらに実践的な運命の人を見つけるコツを教えてもらいます。 特集:黒川伊保子が教える、幸せを呼ぶ脳のつかい方 毎週金曜更新
2013年12月13日20代後半から30代、ちょうどウーマンエキサイトの読者世代の悩みで最も多いのが、今後の人生の選択について。仕事も軌道にのってきて、決定権も与えられるように。これから先、もっとがんばれば役職もつくかもしれない。でも、女に生まれたからには子供も欲しい…。とはいえ、仕事をストップしてまた元の職場で同じように働けるのか、それとも夢を諦めなければいけないのか…。そんな、悩める女子たちにむけて、人工知能の研究者として男性社会で働きながら、一児の息子を立派に育て上げた黒川伊保子さんにメッセージをいただきました。女の人生、すべてを手に入れることも可能なのです。以下、母性に溢れ優しく包み込まれるような黒川さんの言葉たちが、心の詰まりをポロッと取りのぞいてくれます。■子供が、新たな人生を切り開いてくれる男性社会の中で働く当時の私にとって、「仕事をしながら、結婚と出産を経験すること」、それは「仕事をしながら、ご飯を食べて寝ること」と同じくらい自然なことでした。惚れた男がいて、別々に帰りたくないから一緒に暮らすようになった。彼と二人で、仕事とスキューバダイビングに夢中な5年間を過ごし、ある日ふと、海風に吹かれながら、ここにちっちゃな仲間がいたら素敵だなと思って、子どもを産む決心をしました。■それは、30歳のとき同期が課長昇進試験の準備に入ったところで、傍から見れば課長昇進と出産との天秤だったわけですが、私にしてみれば、子どもを持つ好奇心に較べたら、課長昇進なんて些細なことでした。そんなの後からだって全然かまわないし、子どもが、もっと別の素晴らしい人生をもたらしてくれるような予感がしていました。その通りでしたよ。子どものことばの発達が、私に研究のインスピレーションをくれて、それを論文に書いたことで、審査委員長だった鶴見俊輔氏の目に留まり、本を出すに至ったのです。子どもを持ち、仕事でも成功されたどの方を見ていても、子どもが新事業を拓くきっかけになったり、出世のきっかけになったりしています。子どもは、きっと、未来をつれてやってくる。あれこれ考えないで、産めばいい。パワースポットに何万回もいったくらいの人生の力をくれます。仕事の昇進を気にして、産むかどうか迷ってる方には、私を信じて産んでみて、と伝えたい。■産む人生、生まない人生、どちらも価値があるさて、子育て礼賛をすると、一方でどうしても伝えたいことがある。人類には、「産まずに成熟していく女性脳」が不可欠なんです。人類の脳は、正確には3種類あります。男性脳と、産んだ女性脳と、産まない女性脳。産んだ女性脳は、ホルモンバランスと位相が変わり、脳は別物になります。端的に言えば、愛する者に対して鋭敏に、そのほかにはかなり鈍感に。直感力や感応力は鋭くなりますが、公平性に欠けます。産まないで成熟していく女性脳の公平な俯瞰力、精緻な判断力と子どもに使わないから、惜しみなく社会に降り注ぐ母性愛。これがないと、多くの組織が動きません。昔から、巫女やシスターなど、どの社会でも産まない女性をキープする仕組みを持っていました。なので、縁がなくて子どもを持てなかったとしても、それもまた「あり」。あなたは社会の大事な宝なのです。運よく子どもを持てた人も、そうでない人も、専業主婦も、働くお母さんも、誰も誰かに引け目を持つことはないのです。脳は、どんな脳であっても、大事な存在として、この世に機能しています「完璧にできないこと」にこそ、脳の個性があり、存在意義があります。女性たちが、互いに敬愛を持って尊重し合い、素直に助け合えればいいな、と心から思います。黒川 伊保子さんプロフィール:(くろかわ いほこ)奈良女子大学理学部物理学科卒業。株式会社「感性リサーチ」代表取締役。人工知能の研究に携わったのち、脳と言葉の研究を始める。語感と人間の意識の関係を発見し、独自のマーケティング論が各企業からの注目を浴びる。ユーモアを織り込んだ的確なコメントや、女性ならではの柔らかな感性、言い回しに雑誌やラジオほか、テレビでも引っ張りだこ。朝日ワイドスクランブル火曜日レギュラーとしても活躍。最新刊、「キレる女 懲りない男-男と女の脳科学」(ちくま書房)も好評。
2013年09月10日通信教育やスクールをはじめ、近年、幼児からの英語教育の場がどんどん増えている。「グローバルな世界で活躍してほしい」「幼児のうちに英語に耳を慣れさせた方がいいのでは? 」「まわりのお母さんたちは、0歳から英語教室に行かせている。でもお金もかかるし…」と、多くのママたちが「はじめどき」を悩んでいる。しかし、英語を始めるのは学校の授業からでも十分と、目からウロコの提言をするのは脳科学者の黒川伊保子さん。そこで、「幸せに生きて行くための脳」をつくる幼児期過ごし方を黒川さんにお聞きしました。■言語脳完成期までは、豊富な母国語を聞かせること今、小学生から英語の授業が始まっていますが、私は日本語を母国語とする脳については、12歳を過ぎてからがベストだと考えています。少なくとも、言語脳完成期の8歳までは、豊富な母語を聞かせるべきで、脳の完成度を上げるためには外国語が入る余地はありません。というのも、脳の中にふたつ以上の言語の仕組みを持てるのは、8歳の言語脳完成期を過ぎてから。母語のしくみ確立される前に外国語のあやふやな母音を混在させると、将来、コミュニケーション障害を引き起こす可能性もあります。(ちなみに、家族の中に異なる母語の持ち主が混在している場合は、話が別です。どちらの言語も、母語として話す人から伝授されるわけですから、感性上の混乱が起きにくい。要は、「教育」として家族の母語以外の言語を持ち込むことに問題があるのです)じつは、一番最初に獲得する言語は「意味」だけで獲得しているわけじゃありません。その言葉が発せられたときのその雰囲気、発した人たちの位置関係、口で起こっている語感、強く出た息などによって、その時の相手の状況を受け入れていくんです。深い感性の領域に多くの情報を持つのが母語で、たとえば、口を大きく肺の中の息を一気に出す「おはよう」という言葉は、開放感があって明るい日本の朝にぴったり。反対に、石造りの部屋のベッドルームで迎えるイギリスの仄暗い朝には「Good morning」という低く曇った響きが合っているんです。周りの風景やそのときの母の心情や立ち振る舞いと合わない言語を使うと、その感性が混乱します。まずは、親の母語を丁寧に伝えてあげること。母語が完成しないまま、別の国の言葉を押し込もうとすると一個も脳の中の言語野が完成していない「母語喪失」の状態に。すると、人の気持ちが読めないし、自分の気持ちも表現できない、社会的なディスコミュニケーションも起こってしまいます。家族に外国語の使い手がいないのに、どうしてもバイリンガルにしたいなら、外国人の乳母をやとって24時間一緒にいてもらうべきです。英語が得意な人は素敵に見えるけど、外国に行って格好よくステーキを注文するために子育てする訳じゃないですよね。母語がちゃんと完成していれば、外国語のマスターは、いくつからでも可能です。中学からの英語でだって、ネイティブのようにしゃべれる人もいる。仮にネイティブと見まがうような発音にまで到達できなくたって、才能がある人は、世界中で敬意ある扱いを受けています。ちなみに、脳の癖から言えば、言語は押し付けられないほうが楽しく習得できます。私自身は、50過ぎてから始めたイタリア語が楽しくてしょうがない。この夏は、親子してラテン語も習っています。とにかく好奇心の目をつまないことと、詰め込まないことではないでしょうか。■叱っても、散らかったままでもいい。脳にとって刺激が栄養言語教育に限らず、先へ先へ教材を渡すことは、脳には酷なこと。脳の発達には、「偶発性」というのが、とても大事です。偶然出会うこと、ですね。脳は、センスや知識の構築が行われるとき、そのために必要なアイテムを、周囲から勝手に見つけるのです。たとえば、ものの三次元性に目覚めるき、ママの洋服のリボンに気づきます。自らひっぱって解き、その物象の変化に脳が感動し、何らかのセンスとなって定着するのです。また、その発見の喜びが、更なる好奇心を呼びます。なのに、指先を使わせる英才教育をしようと思って、早めにリボンやボタンやダイヤルがついたシートを渡してしまったら、脳にはその感動がありません。子どもから、発見の喜びを奪うことになりかねません。音楽家の子どもが、自然に音楽家になるのは、早くから楽器を押しつけるからじゃないのです。親が演奏するのを見ているうちに、興味を持って、自ら楽器に出逢うのです。もしも、子どもにバレリーナになってもらいたかったら、母親が習うことかもしれませんね。8歳までは、自由遊びが最大の英才教育だと思ってください。もちろん、出会いの機会を増やすために、音楽やアートに触れさせたり、スポーツに触れさせたりするにはとても大事。いろんな機会にさりげなく触れさせてみて、後は強要しない姿勢が大事なように思います。私自身は、息子に、数や文字を教えることも躊躇しました。小学校の教室で、彼は「数」に出逢いました。ある日、「ママ、7と8って、足すと15になるんだよ。知ってた!? おいら、笑いが止まらなくてさ(くくく)」というので、「どうして? 」と尋ねたら(あまりに楽しそうだったので、つられて笑いながら)、「だって、7と8って、半端な数じゃん。しかも半端さの色合いが違うでしょ。なのに、足しちゃうときりがいい数字になっちゃうなんて(ははは)」と爆笑してました。数を知らないまま小学校に入ったのに、息子はそのまま理系の教科を愛し抜き、大学では物理学を専攻しています。なにより大事なのは好奇心を萎えさせないこと。好奇心さえあれば、グローバルな世界に飛び込んでいくことだってできると、私は信じています。さて、脳の神経回路は、「心を動かすこと」によって発達します。つまり、脳は喜怒哀楽の情緒の波の中で、育まれていくものなんです。最適な室温の中で、365日ずっとニコニコして美味しいお料理を出して…なんて、何もストレスがない生活を送っていたら脳もぼんやりしてしまう。そう考えると、働くお母さんであることは、かえってアドバンテージじゃないかしら。保育園で朝、母親と別れて寂しくて、でも夕方また会って嬉しくて。そんな刺激によって、脳の神経回路も発達していくんですから。一日家にいるお母さんも子供にムカついたら叱ればいい。もし自分が悪いと反省したら、「私が悪かったね」とあやまればいいんです。それで、「女の人は理不尽に叱るんだな」ということが分かれば、将来奥さんが怒ったときも、まあそんなもんだと思える。つまり、モテる男にもなれちゃうかも。つまり、世の中にあるものは、何だって脳の刺激だってこと。お部屋だって、いつも完璧に片づけてあるよりも、ときにはおもちゃで散らかっているほうがいいんです。箪笥から出ている洋服とか、そのへんに落ちてるティッシュの箱とかが脳を刺激することもある。お母さんが意図的に差し出す知育積み木よりも、そういう偶発性のイベントは、脳にいい。ものごとはおおらかに考えましょ。家事は完璧、いつも叱らないハッピーママで、英才教育もばっちり…なんて、脳科学上は、ちょっと恐ろしいってことなんだから。黒川 伊保子さんプロフィール:(くろかわ いほこ)奈良女子大学理学部物理学科卒業。株式会社「感性リサーチ」代表取締役。人工知能の研究に携わったのち、脳と言葉の研究を始める。語感と人間の意識の関係を発見し、独自のマーケティング論が各企業からの注目を浴びる。ユーモアを織り込んだ的確なコメントや、女性ならではの柔らかな感性、言い回しに雑誌やラジオほか、テレビでも引っ張りだこ。朝日ワイドスクランブル火曜日レギュラーとしても活躍。最新刊、「キレる女 懲りない男-男と女の脳科学」(ちくま書房)も好評。(取材・文:安田 光絵)
2013年09月08日仕事をしながら子育てをする女性にとって、その両立は至難のワザ。「子供と過ごす時間が少なくて大丈夫? 」という想いと、「仕事でも周りに迷惑をかけたくない」というジレンマと、常に戦っています。保育園にお迎えに行って帰宅すればご飯の準備をしなくてはいけないから、本当は見せたくないけれどテレビやDVDをつけ、ご飯を食べさせてお風呂に入れ、寝かしつけて、やっと1日が終わる…。一緒にいる貴重な時間をどう有効的に使えば、自分も、子供にとってもハッピーでいられるのか…。仕事をしながらでも、ふたりの絆をもっともっと強くするコツを、話題の脳科学者、黒川伊保子さんにお聞きしました。■子どもに、母親を独占させる時間を作る働く母親にとって最も大事なのは、子どもとの時間に仕事を持ち込まないこと。子どもと関わっている時間に、携帯電話を鳴らさない。メールを見ない。どうしてもというときは、トイレに行って隠れてする(不倫みたい? )くらいの覚悟が必要です。子どもには、母親の"意識"を独占していると感じる時間が必要です。ただ一緒にいるだけじゃダメ。その時間が僅少でもいい。決まった時間帯に、安定して母親の意識を独占していること。これが、子どもの精神の安定を作ります。精神が安定していれば、ぐずらないしキレないから、手がかからない。集中すれば、かえって時間のコスパが上がります。保育園の帰り道、料理の時間、お風呂の時間、添い寝の時間。とにかく、全身全霊で、子どもを感じてあげてください。母親が自分を思っていてくれることを、子どもは肌で感じます。それは、時間の長さではなく大事なのは、定番の時間。「この場所、この時だけは、母親は自分のもの」という安心感なのです。生活のどんな時間にも、常に携帯電話が鳴ったり、メールを見たりしていては子どもに安寧の「定番時間」が訪れません。兄弟がいるこの場合も、10分でいいから(あるいは週末にまとめて1時間か)、母親を独占できる定番の時間を持たせてあげましょう。たとえば、弟を先に寝かしつけて(この時間は弟に集中)、15分後、兄は兄で寝かしつけるとか…。子育ての第一のコツは、僅少でもいい、週末の帳尻合わせでもいいから、「定番の母親を独占させる時間」を作ること。つまり、働く母親でいることは、まったく不利ではないのです。四六時中傍にいても、子どもに集中できない母親なら(自分の理想を押し付けて、現実の子どもを見ていない母親も一緒)、子どもに安寧を与えられません。一極集中できる働く母親の方が、専業主婦より、ずっと子育て上手だったりします。今の母親たちは、携帯やスマホがあるから、知らず知らずのうちに「定番の安寧時間」のない子育てをしているのでは? そんなの数分よ、と思うかもしれないけど、あるときは散歩の途中、あるときは料理の途中という不確定性が問題。子どもの脳に、「定番」が出来上がらないんです。これは、携帯電話と生きる21世紀人類の最大の育児トラブルだと私は思っています。会社の同僚にも、「私は、18時以降は基本、メールを見ません。でも、明け方、見て対応しておきますから」と宣言しておきましょう。タスク処理なんて、夜中に処理しても、明け方処理してもかわりませんよ。もしも、管理職で、夜中にスタッフの完了報告を受けて、帰ってもいいかどうかの判断をしてやる必要があるなら、子どもに、ちゃんと事情を話して、子どもから時間をもらうべきです。「ママの部下に帰ってもいいよ、って電話かけてあげなきゃいけないの。いい? 」と確認して。相手が赤ちゃんでも。なお、子どもに集中する時間を確保するためには、家事は大いにサボってください。我が家の息子は、家事が片付かなくてテンパって、息子に向かってキレまくる私を優しく抱きしめて、「ママ、落ち着いて。おいらは、ママに抱きしめてほしいだけなんだ。おうちなんて汚くてもいい」と言ってくれてました(涙)。ちなみに、我が家の「母親独占時間」の筆頭は、本の読み聞かせ。息子の15歳(おとな脳完成期)の誕生日に「今日で子育ては終わり。後は親友になろうね。ところで、私の子育ての何が一番良かった? 」と聞いたら「絵本を読んでくれたこと。ずいぶんたくさん読んでくれたよねぇ」と答えてくれました。ちなみに、テレビやDVDを見せてしまうことについては、電子画面の耐性については個人差があるので、いいとも言えないし、悪いとも言えません。要は、子どもを観察しておくことです。子どもが、キレやすい、疲れやすい、根気が続かない、食事に集中しないといった症状を呈しない程度なら、問題が無いとみていいように思います。目安としては、就寝時間の1時間前には止め、早寝・早起き・しっかりご飯・絵本の読み聞かせの邪魔にならない程度なら、多くの場合、問題ないはずです。■頼りにして甘えて、自分の相談役にする私は、早くから、会社での困ったことや、新商品開発の話なんかを息子にして、息子の意見やアイデアをもらってました。たとえ、3歳の子でも、びっくりするような慧眼を見せてくれたりします。「ママのスタッフ、ママの言うことがわからないみたい」とかいうと、「おいらも、ママの話、ちょっとなぞのときがある」「え? どんな? 」なんて話が進み、意外なアドバイスをもらうことも。商品のアイデアなんて、奇想天外で素敵。小学校1年のときは、自動車部品会社のクライアントを持っていた私に「電気がなくても永久に回るファン」を発明したから、特許取っといて、と理解不能な図面を渡してくれたりしました。時には実際に役に立つアイデアもたくさんもらいましたよ。連載エッセィのネタに詰まると、本当、いろいろ考えてくれたなぁ~。そんなわけで、彼は母親の相談役だと思ってるから、相談を持ちかける態で話をすると、ことはスムーズ。「ママさぁ、明日朝いちばんの飛行機に乗らなきゃいけなんだけど、眠れそうにないんだよね。困ったな」とか言うと「一緒に寝てあげるから早く早く」と布団の中に入ってくれる(微笑)。そのまま、彼は優しくて素敵な22歳になり、今や、かけがえのない正真正銘の相談役。料理はプロ並み、機械いじりはバイクを組み立てるくらいは朝飯前だし、ことばのセンスも、経営センスも、遥かに私を凌駕してるし。頼りにした方がことがスムーズだから、作戦で頼りにしてきたけど、結果は予想以上。世界中、どこに言っても、食べていける男になりましたね。手作りのご飯が、優秀な脳と親子の絆を強める。■時間が僅少だからこそ、手を抜いてはいけないのが食生活食事を手抜きしていては、子どもは不機嫌でぐずるし、理解力も不足するため、かえって、子どもにかかる時間が増えます。子ども自身は、成績も伸び悩み、運動能力もいまいちになり、かわいそう。ママやパパの能力も、食事に大いに影響を受けます。なかでも、朝ごはんを食べないのと、朝ごはんにいきなり甘いものを食べるのは要注意。前者は脳のエネルギーが枯渇して、頭が悪くなると共に、背が伸びず、筋肉もつきにくくなります。後者は、脳にエネルギーを届ける血糖の値が乱高下し、躁鬱のような状態をもたらします。(食べた直後はとても元気なのに、ほどなくだるくなり、やがてムカついてキレる)ごはんは、朝ごはんに限らず、野菜や海草、大豆製品(豆腐、枝豆)などの低GI食品とタンパク質(特にたまご、豚肉は脳にいい!)を欠かさないこと。また、夕飯のあと、甘いもの(アイスクリームや果物)を食べると寝ている間に血糖値が乱高下し、ちょうど朝目覚めの頃、低血糖になるので、目が覚めません。朝、寝起きが悪く、機嫌が悪い子の多くが、夜の糖質食を習慣にしています。一日は誰にでも等しく24時間しかありませんが、正しく食べれば脳の力は倍増し、一日にできることは何倍にもなるのです。時には手抜きでいいけれど、手の抜き方にも知恵の利かせようがある。外食や弁当でも、バランスを考えて、あれこれメニューを組み合わせてあげる余地があります。日々の食のサポートには、「大切にされている」と感じさせる効果があります。「大切にされた」という記憶は自尊心をつくり、自分や自分に関わる人を大切にしてくれることに。安易に非行に走るのを、止める力にもつながります。一緒にいる時間が短かったとしても、ときにはごはんを手作りできなくても、「思いと知恵を添えれば」、ちゃんと効果も出るし、見えない愛情の絆で結ばれていきます。たとえ、100%手作りしていても、ずっと傍にいても、意識の集中が足りなければ意味がない。専業主婦でないことに、引け目を感じなくても大丈夫ですよ。黒川 伊保子さんプロフィール:(くろかわ いほこ)奈良女子大学理学部物理学科卒業。株式会社「感性リサーチ」代表取締役。人工知能の研究に携わったのち、脳と言葉の研究を始める。語感と人間の意識の関係を発見し、独自のマーケティング論が各企業からの注目を浴びる。ユーモアを織り込んだ的確なコメントや、女性ならではの柔らかな感性、言い回しに雑誌やラジオほか、テレビでも引っ張りだこ。朝日ワイドスクランブル火曜日レギュラーとしても活躍。最新刊、「キレる女 懲りない男-男と女の脳科学」(ちくま書房)も好評。(取材・文:安田 光絵)
2013年09月07日