同じ相手に、似たような内容を伝えたのに、上手く伝わったり、伝わらなかったりすることはありませんか。もしかするとそれは、そのときに選んだことばのせいかもしれません。ことばにはもちろん意味がありますが、それだけではなく、その音にまつわるイメージがあると、脳科学者の黒川伊保子先生は言います。ことばがどんなイメージを持ち、発した相手にどんな影響をもたらすかを知れば、恋人に話すときもことば選びが大切になってきますよね。例を見てみましょう。■キスを誘いたいとき「だから」は、会話に急ブレーキをかける強い停滞のことば。話し相手を不快にさせますが、使い方によっては意外な展開が待っています。恋人とのデート中、仕事の話を延々と続ける彼。まるでロマンティックでないそんなシーンが生じてしまったら、「だから?」と唐突に聞いてあげましょう。思わず相手は口をつぐみます。そのくちびるに、二人きりならキスしてあげて。人前ならくちびるをそっと指で触れて。あとはことばの要らない時間になります。「だから?」が、延々と続く彼の仕事の話を停滞させてくれるのです。一度、ぜひ試してみては?■責めたいけれどケンカはしたくないとき「いじわる」は、一途で切なくて、ちくちくして、わくわくして、甘い親密感、セクシーな余韻を残してくれることば。恋人の言動が無神経だったとき、「ひどい」と真正面から責めるのではなく、「いじわる」とからんであげて。彼は「いじわる」の語感に胸がきゅんとして、あなたの思いに心を砕いてくれるはず。「いじわる」と言って甘えるのもいいですね。長く付き合って、「好き」「愛してる」のことばが消えても、甘いいじわるがあれば恋は継続していきそうです。これなら、ちょっと意識すれば簡単に使えそうですね。黒川先生の 『いい男は「や行」でねぎらう いい女は「は行」で癒す』 には、ことばが持つさまざまなイメージが具体例を挙げながら解説されています。恋人との会話にはもちろん、普段の人間関係や、ことばで何かを表現するときはいつでも活用できるヒントばかり。いつもは何気なく選んでいたことばに、意味だけではなく、さまざまな作用をもたらすイメージがあることを知れば、ことばの選び方ひとつでコミュニケーションがもっと変わっていきそうですね。ことばの持つイメージを知って、ことば選びの達人になってみては? 彼が突然優しくなった、なんてことになるかも。 まとめ:黒川伊保子が教える、幸せを呼ぶ脳のつかい方 毎週金曜更新
2014年10月17日自分の性格が素直ではないと思っている人は多いかも。そういう人にとって、素直になれないというのは悩みのひとつである可能性も。たとえば、彼氏に「素直じゃないね」なんて言われたら、かわいげがないと言われたような気がして、ちょっと残念に思ってしまいますね。素直ではない性格だと思っている人は、もしかすると子どもの頃からそう言われてきていませんか。親は素直な子どもに育ってほしいと思いがち。でも、言うことを聞かず、口答えする子どもも多いものです。脳科学者の黒川伊保子先生は、子どもが言うことを聞かない、どうすれば素直になるか、と聞かれると、まず言うことを聞かない、その“言うこと”が何かを尋ねるそう。それはたいてい「勉強しなさい」「片付けなさい」「早くしなさい」といういきなりの命令形。黒川先生によると、いきなりの命令を素直に受け入れることは脳には難しいそう。それは、生体としてかなり危険な行為になるから。たとえ身近な存在(親など)であっても、別の個体である以上、利害が反することもあるので、自分の身を守るために、脳は反射的に警戒するというわけ。ですから、命令をするのなら、そのまえにしっかりとした脳への動機づけが必要なのだとか。なぜ勉強や片付けをいなければいけないのか、それを説明しなければいけないということですね。それがないから、子どもは素直に言うことが聞けないのです。そう言われれば、納得がいきませんか。素直に言うことが聞けなかったのは、いきなり命令形で言われたからだったかもしれません。例えば、恋人から「髪型、変えたら? 伸ばせよ」と言われたら、私の勝手でしょと思ってしまいそうです。でも、「俺はロングヘアが好きだな。伸ばしたら似合うと思うから伸ばしたらどう?」と動機づけしてもらえたら、ちょっと伸ばしてもいいかなと思えますよね。私は素直な性格じゃないんだと思い込んだり、ましてやそれをコンプレックスに感じる必要はなし。それは脳の自然な反応なのですから。そんな脳の働きや、それによる身近な人との関係性をわかりやすく解説した、黒川先生の 『家族脳 親心と子心はなぜこうも厄介なのか』 を読めば、親とどうも上手くいかない理由がわかってくるかも。性格のせいと思っていたことが、脳の働きが原因だとわかれば対処の仕方もあるはず。脳の働きを知ることで、人間関係をよりスムーズにしたいものです。 まとめ:黒川伊保子が教える、幸せを呼ぶ脳のつかい方 毎週金曜更新
2014年10月10日大好きになって付き合い始めたはずなのに、付き合い続けるうちにケンカばかり。相性が悪いの? このまま結婚なんてしないほうがいい? そもそも結婚相手にはどんな人がいいのかな。そんな風に思うことは多いはず。そこでぜひオススメしたいのが、脳科学者で男性と女性の脳の違いに詳しい黒川伊保先生による 『夫婦脳 夫心と妻心は、なぜこうも相容れないのか』 。これを読めば、夫婦とはどんなものかがわかり、たくさんの疑問が解けていくかも。例えば、私は神経質なのに相手は無神経、私は寒がりなのに相手は暑がり、何かあるとことごとく別の反応をとってしまう恋人は結婚相手にふさわしいのか迷っても、気にすることはないよう。黒川先生は、夫婦という関係を「快適に過ごせるパートナー」だなんて、思わなければいいと言っています。夫婦にとって大切なのは、「子孫の生存可能性を上げる組合わせ」。それはつまり遺伝子の免疫抗体の型が違うということ。となると、生体としての反応の傾向も違ってくるので、いきなり爆発音が起こったら、ひとりはとっさに駆け出し、ひとりはしゃがむといったように、夫婦というのは無意識の反応が同じにならない組合わせになっているものなのだとか。そうすることで、どちらかが生き残ることができるのですね。夫婦は「一心同体」と言われるのも、「同じことを感じ、考える」ということではないそう。感性がことごとく違うふたりの脳が一対で精緻なメカのようなものとなり、チームとして完全体の組織を作るのだとか。そんな風に考えれば、付き合っている相手や、結婚を考えている相手と合わなくて当然、違って当たり前と思えますよね。それを理由に別れるなんてことは考え直したほうがよさそう。 『夫婦脳』 では、このような男性と女性の脳の違いから、それらを踏まえたうえでどんな風に夫婦関係を続けていくのがよいか、具体的な例を挙げながら説明されています。もし、夫婦が「永遠に快適に過ごせる組合わせ」で、ラブラブな彼と結婚して、ずっとラブラブなのが幸せな結婚と思っているのだったら、ぜひ参考にしてみて。夫婦に対する見方が変われば、今付き合っている恋人への見方はもちろん、理想の結婚相手への考え方も変わってくるはず。それが、将来の幸せにつながるかも。知っておいて損はないですよ。 特集:黒川伊保子が教える、幸せを呼ぶ脳のつかい方 毎週金曜更新
2014年10月03日「付き合っているのに、なかなか結婚してくれない」という彼。そんな男性に結婚を意識させるのは至難の業!? 別れようか、このまま関係を続けようか迷っている読者の悩みに、脳科学者の黒川伊保子さんからアドバイスをいただきました。【質問】今の彼とつきあってから4年が経ちます。私は早く彼と結婚したいのですが、彼は「仕事に集中したいから、まだ結婚できない」と言います。いつになったら結婚できるのか不安です。待ち続けるだけでは自分がイライラしてしまい、関係が悪化してしまいます。彼が結婚する気になるように、私ができることはありますか? もし難しいなら、別れも考えています。(27歳・会社員)【解答】そもそも脳科学上、男子にとって結婚はネガティブなんです。なぜなら、哺乳類のオスは生殖リスクが少ないために、「ばらまく」ほうが遺伝子が多く残せるので、脳が、一人の女性にフィックスするようにはつくられていないから。女性脳の方は、遺伝子の相性が良いと感知したら強く発情し、発情したら、一定期間一人の男性にフィックスされます。その方が確実に安全に妊娠出産へこぎつけるから。なので恋の確信は女性の方がずっと深く、結婚への気持ちは、女性の方がずっとずっと強いわけですね。とはいえ、男子にも結婚に至る心情が起こります。彼女が「大切な定番」に見えてきたときと、独占欲に駆られたとき。男性脳に独占欲を作りだすのはテストステロンという男性ホルモンなので、彼に、このホルモンが出ていないとちょっとお手上げ。テストステロンの出し方は、後で指南するとして、まず大事なのは、彼の「大切な定番」になることです。男性は、行きつけの床屋や店を変えないでしょう? 長らく狩りをしてきた男性脳は、遠くから飛んでくるものに瞬時に照準を合わせるため、身の回りの認知に関しては、かなり手薄。そのため、身の回りのものの位置や様子が、「相変わらず」でいてくれると安心なのです。情緒が安定していて、安心できる話し相手であり、自分の好みの味の料理を手早く作ってくれて、彼女ならではの得意なこともあって頼りになる。そんな存在になっちゃえば、その「定番」を手放すのは、なかなか辛い状態になるものです。それと、自分がその相手に、なんらかの責務を果たしているという確信も大事。彼女に「あなたじゃなくちゃ、ダメなの」と言ってもらえる何かがあると、がぜん離れられなくなります。男性には定番の責務を与えて、一方で、情緒の安定した定番のひとになっちゃうことです。その上で、独占欲に駆られてもらうため、男性ホルモン「テストステロン」を分泌してもらいましょう。テストステロンは、下半身で分泌し、男性の生殖能力を支えるホルモンですが、同時に、脳には、闘争心、縄張り意識、独占欲、好奇心、やる気などをもたらします。男性が雄々しく生きるために、とてもとても重要なホルモンなのです。そのためには、暗闇の中で寝て、朝日とともに起き、一日の終わりに適度な肉体疲労があることが重要。夜の10時以降のゲームやスマホは、テストステロンを阻害してしまうので、なるべく避けてもらうこと。遅くとも12時には、それらの電源を落し眠っている状態に。そして、ときどき経済的パニックや身体的パニックがあると刺激になってなおさらいいのです。哺乳類のオスは、命が危ないと、テストステロンで闘争心を奮い立たせ、生き延びようとするから。おじさまたちが「ハングリー精神が大事」と言うのも「断食して滝に打たれ」ちゃうのも、少なくなってきたテストステロンを増量させ、やる気や好奇心を何とか取り戻したいからなんでしょうね。また、最近、20代半ばの若い結婚が増えていますが、彼らはなんとも自然体。男女とも、男が妻や子供を養うと言う気負った感覚がなく、「一緒に棲んだら家賃が半分。一緒に稼いで、一緒に家事も子育てもしたら楽じゃん」と、あっさりしたもの。このご質問のケース、彼が「仕事に集中したいから、今は結婚したくない」と言うなんて、「結婚」が負担に思えている証拠。「一緒に住んで、洗濯してあげたら、きっと今より楽になるよね。結婚なんて、大袈裟に考えなくていいよ」と自然体で“一緒に住む”を語ってみたら?やがて二人に縁があったら、自然に、籍を入れるタイミングがやってくるはず。万が一そうじゃなかったとしても、女として成熟するエクササイズだと思えば、無駄なことなんて何もないです。なお、男性は女子の下心に敏感。「とにかく一緒にいたい」、「あなたを支えたい」「一緒に帰りたくない」とか、すごくピュアな気持ちで一緒にいれば、その先につながりやすくなります。もし、結婚を促したくなったら、一回は無邪気に「あなたとしたい」と言えばいい。でも、彼が「今はできない」と言った以上は重ねて言っても逆効果です。最後に、別れたほうがいいか迷っているようですが、もう付き合って4年も経っているならその選択肢も視野に入れていいと思います。通常、3年で恋愛の集中力は切れるので、彼女自身彼に対する熱意が薄まっている可能性が。27歳で四年経った相手に固執するより、まだ劇的な恋愛ができるうちに別れて新しい人と恋に落ちた方が結婚につながりやすいかもしれません。 特集:黒川伊保子が教える、幸せを呼ぶ脳のつかい方 毎週金曜更新
2014年09月26日せっかく好きな人ができて、相手もまんざらでもなさそう…。なのにいつのまにか連絡が途絶えてしまった、ということってありませんか? そこで、「いい出会いを恋愛関係に発展させたい」という読者の悩みに、黒川伊保子さんが答えてくれました。【質問】もう少しで意中の彼とうまくいくかも…! というところで、いつも自然消滅してしまったり、距離をとられてしまったり…。彼に告白してもらうためにはどうすれば良いでしょうか?(28歳・会社員)【解答】まず、きっかけがあったらアクションまでを短くすることが重要です。それも、具体的に内容と日にちを決めてしまうこと! 例えば、「美味しいラーメン食べに行こうよ」「いいよ」「いつにする? 明日? 明後日は?」という感じで。「ウザいって思われるかも?」と懸念するかもしれませんが、「行きたいけど誘ってくれないし、自分からは誘えないし…」と迷っているほうが男性は面倒に思うもの。女子は、相手から言ってくれるのを待つ傾向にありますが、それが自然消滅のモト。こちらから楽しく明るく誘えば、相手も無意識のうちにこっちのペースに飲まれていくので大丈夫!そして、男子にとって付き合うということは習慣です。「なんか気づいたら、毎週彼女と美味しいものを食べに行ってるな」「オレたち付き合っているのかなという」感じの捉え方をしたりするので、基本、既成事実を作ってしまうこと。一度デートしたら、「じゃあ、次は●●に行こう!」「うん」「何日空いてる?」みたいに、毎週楽しんでるみたいな状態をキープしてくださいね。それに、なぜデートのあとなぜ間髪入れないで約束を取り付けるかというと、男性は離れた瞬間、脳の中で次の段取りを作って仕事モードや男友達との遊びモードに入るから。それに反して、女子は好きな人ができたら、仕事中でも女子会してても、ずーっとその人から離れないですよね。ちなみに、私なら程よいところで旅行にいって、「別々に帰るの寂しいね。結婚しよ!」と言って結婚まで持っていってしまいますけど(微笑)。いずれにしても、走り出したら間を空けないこと。もし空けるとしても、1週間に1回、遠距離恋愛なら1ヶ月に1回など、ある一定期間でずっと繰り返すこと。なぜなら、男性脳にとっては定番のタスクがあるということが、ずっと意識をフィックスしていくために重要だから。「最初の2回は毎週だったけど、次は1ヶ月半」みたいなのはダメで、ずっとある一定のスパンで行くのがポイントです。あとは、その人の褒め&喜び上手になってもらえば完璧です。「あなたの物の見方が好き」と褒めたら、「あのニュースどうなの?」など自分が彼に対して買っているところをきちんとキャッチコピーにし、繰り返し繰り返し繰り返し伝えていく。「手のしぐさが綺麗」と褒めたら、「名刺の出し方もやっぱり美しいわね」など、彼にしかないところを探して褒めることがコツです。その人のアウトプットを見つけたら、手を替え品を替え、表現を変えてアピールし続けると、男性は「この子は他のコとは違う」と思ってくれるでしょう。ただし、「胸板が厚くてかっこいい」みたいなルックス的、性的なものだとその後の会話の発展につながらないので注意してね。 特集:黒川伊保子が教える、幸せを呼ぶ脳のつかい方 毎週金曜更新
2014年09月19日惹かれる男性は、いつも年上の大人の男性ばかり。気がついたら何度も不倫を繰り返していた…。意外と多いケースです。そんな悩みについて、脳科学者の黒川伊保子さんに回答いただきました。(c)samurai39 - Fotolia.com【質問】20代の頃から不倫を繰り返してきました。年上の既婚者は、みんな優しくて包容力があり知識も豊富で、もちろん経済的にも余裕があるし、付き合っていると得るものばかりです。もちろん、彼らが奥さんと別れないのは分かっているので、私も将来を考えて独身の男性と何度も付き合おうとしました。ただ、デートしていても、話も退屈だし子供っぽいし頼りがいもなくて、全く魅力を感じません。このまま、既婚者しか好きになれないのでしょうか。(29歳・出版関係)【回答】年上の既婚者は、女性脳をよく知っているので、イラつかずに話を聞いてくれ、うまく共感のあいづちをうってくれる。女性が喜びそうなお店も知っているし、そこへ連れて行ってくれる段取りもスマートですよね。特に今の40代50代は、バブルを経験しているので、一流店での振舞い方も知ってるし、TPOに合ったジャケットの着方も知っているし、クラシック音楽などの教養もある。私も、若い男子とデートするよりも、同世代の男子とデートしたほうが、「やっぱりいいわ、安心して身をゆだねられる」と感じたりするくらいですから、若いお嬢さんには、きっととても魅力的でしょう。向こうは向こうで、若いあなたを可愛くてしょうがないでしょうし。さて、いったんそこにはまってしまうと、若い男子が物足りないのは自明の理。当たり前です。その「当たり前」をどう処理するか、が、女の勝負時なのではないでしょうか。ちなみに、不倫相手が妻を捨てて自分と結婚する、と言う可能性は、まずはゼロだと思ってください。ときにはそんなことも起こりますが、宝くじに当たるようなもの。その確率に女の人生をかけるには、リスクが大きすぎます。というのも、男性脳は、基本女性を積極的に嫌わない脳なので、経年劣化くらいでは捨てようとは思いいたらないのです。妻に対する無関心に妻自身が耐え切れずに彼を嫌いになるか、妻がヒステリックなタイプで、ちょっとしたことを大袈裟に騒いで自滅してくれれば略奪愛も起こりますが、いずれも妻の性格に依存します。毎日幸せそうに洗濯をし、ご飯を作って…というノーテンキなタイプだと本当に手ごわい。ダンナの機嫌関係なくご機嫌でいてくれる妻なんて、別れる理由が見つからないのだから。不倫相手の女性にときめく恋をしていても、妻はまた別なのです。相手の奥さんが自滅しない限り、略奪愛はほとんど起こらないと思っていてください。したがって、どうしても成熟した大人の男がいい、となったら、戦略は3つしかありません。1.いっそ、恋人に徹する相手の家庭を壊さず、自分の生活は自分であがない、彼を恋人として生き抜いていく覚悟をする。経済的にも社会的にも精神的にも自立した女性として生きていかなければならないし、出産もあきらめなければいけませんが、その性癖を通すなら、その覚悟が必要です。その覚悟の上に、自分も十分にオトナになったころ、結局不倫相手をゲットする人もいるし、若い恋人が出来て劇的な結婚をする人もいるし、別の同世代の独身男性と出逢ってオトナの結婚をする人もいます。2.成熟しているのに独身の男性を探す仕事に夢中で、あるいはバツイチで、オトナなのに独身の男性もいます。この層を狙うと言う手も。しかしながら、仕事没頭組は女性の扱い方を知らないし、バツイチ組はその自由をなかなか手放そうとはしません。この戦略は、意外にも一番実現可能性が低いのです。3.いったんオトナの男性を断って、共に歩ける同世代の男子と向き合ってみる私は、これをお薦めします。結婚出産は女の人生のマストじゃないですが、縁あって経験できればエキサイティングです。青年がゆるぎない成熟男子になる道のりを見守るのも、なかなかオツなものですよ。「今のデート」で考えれば物足りない若い彼も、長く付き合えば深い感性に触れることもあります。男子は表現力がプアなだけで、感性がプアなわけじゃないですから。それに、女性ホルモンの分泌は、日ごろ男性の匂いを嗅いでいる人の方が安定するというデータもあります。女性ホルモンは、女性をさまざまな疾病から守り、みずみずしい肌や、女らしい曲線を作ってくれる大事な要素。好きな男性の匂いの中で暮らすことは、心にも身体にもいいことなのです。■幻想ダブル不倫は、脳にとって有益!?ちなみに、不倫は不倫でも、お互いに結婚している場合限定の「現実なのに幻想不倫」はおすすめします。素敵な異性と食事をして、粋な会話を楽しんで、帰り際にちょっと手をつなぐくらいのことがあってもいい。脳は、結婚をしたからと言って恋する能力を失うわけではありません。生物多様性論理(できるだけ多様な遺伝子の組合せを残すほうが有利)にのっとって、脳は、組合せの違う生殖を重ねたいのです。したがって、新たな生殖相手を求めてほろりと発情してしまうことは、脳科学上しかたないこと。これを自制心で止めるのが人としての道かもしれませんが、本能に背くので、かなりストレスだし、免疫力も落ちます。しかし、「半分幻想不倫」でストレスを少し解消し、わくわくどきどきも経験できれば、生殖ホルモンが活性化して免疫力も上がり、アンチエイジングにかなり効きます。不倫に対する哲学は、人それぞれだと思いますが、私の70代の女友達が言った、「女はね、人に言えない恋の一つも経験しないと本当の女になれないのよ」ということばも私は好き。それを胸に秘めて自分を成長させるのも、幻想として処理するのも(それも苦しいけどね)、どちらも脳にはいいことなのですよ。 特集:黒川伊保子が教える、幸せを呼ぶ脳のつかい方 毎週金曜更新
2014年09月12日仕事は常に山積み状態、いつも課題に追われていて心休まることがない…。そんなお疲れぎみのお仕事女子、多いのではないでしょうか? そんな状態を改善する方法を、脳科学者の黒川伊保子さんに教えていただきました。【質問】メーカーに勤めて8年。20代のときよりも仕事の責任が増えてきて、それだけでもストレスなのに、体力的に疲れてしまって、毎日やる気が出ません。しかも、同僚とのキャリアを比べるだけでなく、仕事が出来てうまく上司とコミュニケーションをとっている後輩に嫉妬してしまう。転職も考えるけれど、この時代、今の会社よりも給料のいいところに行ける確証もないし…。毎日がユウウツです。(33歳・SE)【回答】「やる気がなくユウウツ」と言う事態には、原因が2つあります。1つは自分の脳の神経伝達状態がそうなりがちな状態に陥っているということ。もう1つは、外部環境です。通常、人は外部環境のせい(仕事のせい、家族のせい)にしがちですが、多くの場合、この2つの要因が絡み合っているのです。きっかけは外部環境であっても、そのストレスが引き金となって自分の脳が「やる気がなくユウウツ」現象に陥り、周りとの関係をさらに悪化させているケースや、ダイエットのために脳が「やる気がなくユウウツ」現象に陥り、仕事の評価が下がってしまうケースもあります。残念なのは、多くの場合、本人は自分の脳の変化に気付かず、周りへの不満でがんじがらめになってしまうこと。いずれの場合も、まずは、自分の脳を、その事態から救いましょう。疲れやすく、他人が気になるという方のほとんどは、ビタミンとミネラル不足。ビタミンBやカルシウム、ナトリウム(塩)が不足すると、脳神経回路の伝達がうまく制御できず、「疲れやすい」「他人の言ったこと(評価)が必要以上に気になる」といった傾向を脳にもたらします。以下の項目に心当たりはありますか?・忙しいので、てっとり早い炭水化物(パン、ごはん、うどん)でお腹を満たしている・胃も疲れているみたいで、肉野菜はがっつりは食べられない・イライラや落ち込みを何とかするために、甘いものをつい食べてしまう・健康のために減塩している・ダイエットのためにコレステロールを取らないようにしている・ダイエットのために、乳製品は、できるだけ豆乳で代替している上記の食生活では、脳や神経系が欲しがっている、ビタミンB群、鉄分、カルシウム、それらを脳に運ぶ運び屋(アミノ酸、ナトリウム)が圧倒的に不足しています。脳は疲れやすく、イライラしやすく、ほんのちょっとのことで落ち込みます。疲れやイライラはどうしても表情や態度に出るので、周囲にかすかな不安や不快感を与え、ちょっとした言葉かけをしてもらえなくなったり、ランチに誘ってもらえなかったり、会議で発言をスルーされたり、という事態を作りだします。「デキる同僚」に嫉妬するのは、仕事で明確に負けたときじゃないはず。彼女や彼が、周囲に大切にされているからでしょう? 上司に可愛がられ、後輩に慕われているように見えるから。となると、その嫉妬も、そもそも、自分の脳が「疲れやすく、イライラしている」せいで、周囲が遠巻きにしているだけかも。と言うわけで、そこから脱するための食事術。なんといっても、糖質&炭水化物イーターから、タンパク質イーターに変わりましょう。特に空腹時に「ほぼほぼ炭水化物だけの食事」(トーストだけ、おにぎりだけ、うんどんだけ)や甘いものを食べることは禁止。これは血糖値を急上昇させる行為。血糖は脳のエネルギーなので、一瞬だけ脳は元気になりますが、ほどなく身体が血糖値を下げようとインスリンを大量に分泌し、今度は血糖値が急激に下がって脳のエネルギーが不足するため、だるさやヤル気のなさ、イライラを引き起こすのです。しかも、低血糖に陥ったときには、脳が甘いものを要求してきます。つまりね、疲れたら甘いもの→30分は元気→その後、だるくなって、やがてキレそうになる→甘いものが食べたい!→疲れたら甘いもの→…という「甘いものループ」にはまってしまうのです。しかもしかも、身体は血糖値を下げるときに、血糖を中性脂肪に変えているんですよ。つまり、「朝は炭水化物だけ&日中ちょこちょこスイーツ」という生活は、10年で10Kg太るという経年肥満を作りだします。というわけで、今日からきっぱりタンパク質イーターに。朝ごはんの主役は、卵、大豆製品、乳製品、肉魚などに。野菜と果物も外せません。もちろん、パンやごはんも添えてOKですよ。炭水化物は抜かなくていいのです。「いきなり、それだけ」は避けること。白米よりも雑穀米、白いパンより全粒粉のパン、うどんより蕎麦やパスタを選ぶ、より血糖値を急に上げない効果があります。疲れが抜けるまでは、スイーツはいったん断っていただきたいのですが、どうしても、というのなら、16時までに空腹時を避けて。なお、乳製品と共に食べるスイーツ(プリン、シュークリーム、アイスクリーム)は、糖質と一緒に動物性タンパク質が取れるので、栄養学上、やや罪が軽いのです。最も避けたいのは、炭酸飲料やジュースなどの糖質系の飲み物。目の前で絞ったフルーツジュース以外はビタミン摂取も期待できないので、単なる高糖質物件です。以上を守りつつ、豚肉と鶏肉をしっかり食べて一週間も過ごせば、「疲れて、ユウウツ」が薄れていることに気付くはず。どうか試してみてくださいね。なお、栄養ドリンクは、ビタミンやアミノ酸が取れて便利なようですが、糖質やカフェインで空元気を誘発するタイプのそれは、気をつけてくださいね。たとえて言えば、少ない燃料を盛大に燃やす感じなので、直後はよくても長い目で見れば、細胞が疲弊します。女の賞味期限は意外に長い。自分の脳とからだは大切にしましょうね。■共感してくれる人は必ずいると心得るさて、ここまでのアドバイスで疲れやイライラが抜ければ、周囲に与える微妙な不快感がなくなるので、周囲が優しくなります。これだけで「自分より、周囲の誰かの方が大切にされている」と感じることが少なくなるので、軽い嫉妬なら抜けちゃうはず。それでも嫉妬が残る人へ。周囲に認められないと存在意義がない、というのは、あなたの幻想ですよ。人間の感性は、1つじゃない。だから、周囲のすべてに認められるのは不可能なのです。特に、人にない着眼点や発想のある人は、活躍する一方で、「あの人だけは我慢ならない」と思う人を一定数抱えています。小堺一機さんは、以前ラジオでご一緒したとき、師匠の萩本欽一さんが「芸人は、世間に叩かれなければ、本気で好かれていることにならない」と言ってくれたと話してくれました。マドンナは、スキャンダルが続いたとき「無関心よりずっとまし」と笑ったそう。その振れ幅の差はあれ、一般人も一緒です。叩かれる以上、才能があるのだな、と思えばいい。一方で、人間の感性は、千差万別と言うわけじゃない。私どもの研究所で感性の分類をするときも、最大16種類くらいの分析軸しか使いません。つまりね、「あなた自身が一生懸命生きて手にしたノウハウや、あなた自身が絶対にいいと思って提案したこと」に共感してくれる相手は、必ずいる(しかも、けっこう少なからずいる)ということです。趣味やプライベートな世界なら、その相手を探せばいいだけ。プロフェッショナルの領域では、周囲をよく観察して、周囲の人の感性に合わせてカスタマイズしたり、説明する方法を編み出せばいい。脳の構造から言って、一人勝ちの人はいません。美人で気立てがよくて学歴も高く仕事が出来ても、単なる「便利屋さん」になっている人はたくさんいます。一方で、若き日に一般受けしなかった個性的な人ほど、「その人じゃなければだめ」なことを持ち、生き残っていたり。というわけで、「社会的一般価値」や誰かと比べて、自分にマイナス点をつけるなんてナンセンス。自分自身を一生懸命生きて、自分の持ち味を上手に周囲に知らせてください。それでも今の職場に希望を感じられなかったら転職もありですが、せっかくですから、今の職場で抱えている問題点を大胆に解消してみたらどうでしょう? その成果を、次のステップアップにつなげるのです。たとえば、男尊女卑の観念が潜在する職場で悩み、転職を考えているんでいる女性にアドバイスしたことがあります。「転職する前に、その事例を整理して、解決策をはかってみたら? たとえば、不満を表明する、冗談で返す、言うことを聞かないでみる…とかね。実験、実験。その実験データをもって、次の職場へ行けばいいのよ。男女間コミュニケーションに長けた人として、重宝されるかも」。結局彼女は、元の職場で、ダイバシティの担当者になり、出世してしまいました。環境を変えても、考え方が変わらなければ、結局自分が活かしきれず、「上司は私をわかってくれない、あの人ばかりがいい思いをする」という事態に陥る可能性は高いと思います。どうせやめる会社なら、自分を大胆に変えてみればいい。そうして、鮮やかに人生のスイッチを切り替えてください。人生は一度しかないんですもの。誰かの価値観に自分を合わせて生きるのはもったいない。自分の存在価値を周囲に伝えられないのももったいないです。 特集:黒川伊保子が教える、幸せを呼ぶ脳のつかい方 毎週金曜更新
2014年09月05日美容やファッションに抜かりはなく、流行もきちんとチェック。結婚後もいい奥さんになれるよう準備している。なのに…モテないのは、なぜ!? そう悩んでいる人も多いのでは? 脳科学者の黒川伊保子さんにズバリご回答いただきました。【質問】普段からファッションには気を遣うし、ネイルにも気を抜かないし、お料理教室にも通って花嫁修業はバッチリ。友達にも女子力が高いといつも言われます。でも、言い寄って来る人はみんな微妙な男性ばかり。自分がいいな、と思った人には相手にされません。私の何が悪いのでしょうか。普通に女友達も男友達も多い方だし、とくに自分に難があるとは思えません。彼氏がすぐに出来るコと出来ないコの差は一体何?(28歳・事務)【回答】自分磨きをしているということですが、もしかしたら方向性を間違っているのではないでしょうか。本を読んだり、語学力を身につけたり、一流の場所に行って美しい姿勢で立てるようにしたりしているのかな? いくらマメにネイルサロンに通って、ネイルをキレイにしてもレベルの高い男が寄って来る訳ではありません。男女の脳は認知構造が違うので、男性脳が着目するポイントは、女性脳のそれとは別です。細部より全体性を把握したがる男性脳は、凝ったアイメイクよりも、姿勢のよさに目を惹かれます。さらに、女子が思っているよりずっと、会話の楽しさや、教養や礼儀をわきまえていること、前向きな気持ちなどの内面も、男子の外せないポイントです。もしも、たいした男に出会えない、と思っているのなら、磨きポイントのズレかも。エリートで教養のある男性は、言葉遣い、立ち振る舞いがしっかりしていて、ウィットに富んだ会話のできる、知性のある女性に興味を持ちます。もし自分を磨きたいのなら、ボイストレーニングをして声を美しくし、正しい姿勢を身につけ、きちんとした服装をし、読書もしっかりしておかなければ。狙ったターゲットをしっかり観察してみましょう。■感動力で、恋をキャッチするそれから、「いい男がいない」「私はこんなにがんばっているのに相手にしてもらえない」という女子は、相手に感動する力も鈍っています。出会い力=感動力。たとえば、字がきれい、名刺の出し方がスマート、Tシャツの選び方がセンスがいい、音楽のセンスがいい。周りの男子の細かい才能に気づいて感動する癖を作ること、それを口に出す訓練をすること。感動する才能は、男子を惹きつけます。「あなたの名刺の出し方、スマートですね」といわれれば、どきっとするであろうことは、女子でも想像がつきますよね。日ごろそれをしておけば、本命男子にもさりげなくやってあげられます。それと、感動して口に出す癖は、直感力の回路を強めることに。きれいなものを見て「きれい」と言うことも大事です。些細なことに「胸きゅん」して暮らしましょう。美味しいスイーツや上質なコスメ、ブランド品などで自分を満足させている人はとくに要注意です。自分基準ではなく他人の価値観やテレビ、雑誌からの情報にとらわれると、左脳の動きばかりが増大。右脳や脳全体の連携による直感力が働かなくなり、小さなことで感動できなくなります。それに、一時的な高揚感はそれを失ったときに欠落感とセットになっているので、幸せを追いかけては失う悪のスパイラルに。外からの幸せ像を追うことに必死になると男女の出会いに必要なフェロモンセンサーが鈍り、ますます出会い力を遠ざけていきます。ちょっとしたことでも「素敵!」と感動できる脳になるためには、「早寝、早起き、朝ごはん」で、脳を活性化させること。それから、ゆっくりお風呂に入ったり、音楽を聞いたり、美術館に行ったり料理をして、「言葉を失う」体験をすること。自分が普段からかき集めている世間からの情報(言葉)を消すことで、直感力が冴えてきます。外見よりも、脳を磨くことのほうが出会いを引き寄せる力になってくれるのです。 特集:黒川伊保子が教える、幸せを呼ぶ脳のつかい方 毎週金曜更新
2014年08月29日以前は次々と彼氏ができ、相手に困ることがなかったのに、年齢を重ねるうちに好きな人さえできなくなった…。そう密かに悩んでいる女子は、案外多いはず。そんな悩みを解決する方法を、脳科学者の黒川伊保子さんにご回答いただきました。(c)samurai39 - Fotolia.com 【質問】20代の頃はそれなりに好きな人ができて付き合ったりしたけれど、30代に入ってから全くときめきません。職場や合コンなどでデートに誘われることもあるので、数回はがんばって食事に行きますが、アプローチされても私にその気がなくて続かない。出会いが無いわけではないのですが、なぜ、誰にもときめかなくなってしまったのでしょうか。(37歳・保育士)【回答】30代半ばに近付くと、女子はときめく能力が鈍くなっていきます。何故なら、惚れる=発情する力は20代がピーク。男性はいつまででも生殖できるけれど、女性の場合は子供を産める期間が限られていて、カラダも脳も最初の出産に照準を合わせているから。ぜんぜん関係ないことのようだけど、髪の毛の7分の1の光ファイバーのコネクションを指先でするのも、20代しかできないの。それは、30代になるとすべての感度が鈍くなっているからなのです。若い頃は感度が高いので、営業先でも宅急便屋さんでもコンビニでも、いたるところに「いいかも」と思う人を見つけられたはず。厳しいようだけれど、20代のときのように人を好きになろうとすることはあきらめてください。まず20代のときのような盛り上がりを期待して合コンに行ってもデートしても、35歳を過ぎている女性が20代の頃と同様に相手を素敵と思えるワケではありません。だから、穏やかにしか人を好きになれないことをまずは自覚して。ただし、それは42歳まで。脳が積極的な生殖をあきらめたころに、また想念で恋ができるようになるので、大恋愛の末にロマンティックな結婚をしたい、生殖のために結婚するわけではないと決めている方は、いっそ40過ぎまで独身を貫き通すのも手です。そこから大人の恋愛、素敵な恋愛をして寄り添えばいいだけ。小学校のときって、かけっこが速かったり面白かったり、暗算が得意だったりちょっとしたしたことでときめけるけれど、42歳をすぎると脳がその頃に戻れるのです。■ときめく力を高めるには?もうひとつ、ときめかない理由に直感力が鈍っていることが原因の場合が。基本、ときめく能力は直感とつかみの回路が働いていないとダメ。それには、右脳と左脳の連携を良くして、小脳を活性化させることが大事。では、活性化させるためにすることは、楽しいことや気持ちいいことなど、ポジティブな感情をひとりでもいいから口にすること。たとえば、「美味しい」、「嬉しい」、「気持ちいい」、「可愛いい」「気持ちいい」など、言葉にするクセをつける。いつでもときめいている人は、しょっちゅうこれを口にしています。それから、ダンスとか楽器演奏とか、書道とか華道、茶道、絵画、料理などで、自分の感性の中にあるものを形にすることもおすすめ。そして、早寝早起きをして、好奇心のホルモンである「セロトニン」を積極的に分泌させましょう。これらの習慣でときめく力は、ある程度取り戻せるはずです。 特集:黒川伊保子が教える、幸せを呼ぶ脳のつかい方 毎週金曜更新
2014年08月22日仕事や遊びを楽しんできたけれど、年齢的にもそろそろ結婚したい。でも、結婚したいと思うような男性がなかなか現れない…。そんな悩みについて、脳科学者の黒川伊保子さんに回答いただきました。(c)samurai39 - Fotolia.com【質問】新卒で今の会社に入って7年。大手企業なのですが、重役秘書ということもあり周りはおじさんばかりで、社内恋愛はムリ。積極的に飲み会に行ったり、街コンにも参加しているのですが、なかなかいい出会いに恵まれません。じつは、彼氏いない歴も5年に突入。でも、そろそろ歳だし子供も欲しいので結婚したい。もしこのまま結婚できなくてひとりで生きていく事になったらどうしよう、と思うと不安で仕方ありません。(35歳・秘書)【回答】「出会いはあるのにいい人がいない」ということですが、「いい人」=「ときめく人」と思っているならば、いないのは当然のこと。それは脳の生殖戦略によって30歳半ばになると、ときめく能力が鈍くなっているからなのです。なぜなら、20代のうちはできるだけいい遺伝子の相手と結婚したいから、異性を取捨選択します。女子は何千人分の一人で厳選して発情しているので、出会った瞬間にときめいて、「この人しかいない」感があるのです。だから20代の恋は確信が強い。でも、32歳を過ぎても妊娠していないということは、このまま妊娠しない可能性が高いので、脳が戦略を変えて感度を鈍くしているのです。鈍いということは、捨てる男の数が少ないし、おじさんが近づいてきただけで「気持ち悪い!」みたいな事にはならないので選択肢は広がります。ただ、激しいときめきがないだけ。本当だったら、友達に反対されても経済的に厳しくても、「この人が好き」と思ったら、失敗してもいいから20代のうちに結婚すべきなのです。それで、ダメだったらやり直せばいいだけ。もし、30代半ばを過ぎても結婚して子供が欲しいなら、恋なんて言ってないでさっさとお見合いをしましょう。それで、手を握って気持ち悪くなくて、お互いにイヤじゃなければ、その相手に決めてください。■自分の行動圏外で出会いを探してそれから、合コンに行っても婚活しても穏やかに過ごせそうな相手さえ見つからないのは、そこに来るような男子にはあなたの遺伝子に合う相手がいないということ。だとしたら、全く違う場所に行かなくてはいけません。田舎の農園や漁師町、とんでもなくマニアックなナントカ工業の学会や農業実習、工場見学に行ってみるとか。普段インドア派なら、自転車競技やカヌー、登山に挑戦するのもいいし、活動的な人であれば俳句の会などもおすすめです。ポイントは、発想をすごく変えて思いもよらない場所を選ぶことが重要です。とはいえ、結婚して子供を産むことが女子の人生にとって全てではないことも覚えておいてください。もし、ひとりで生きて行くという選択をするとしたら、何か社会的に自分ができることを習得しておきましょう。定年退職後も、趣味でもボランティアでもいいから仲間の中で何か活躍出来てステップアップできるものを身につけておくと安心です。結婚に囚われない趣味仲間などの人間関係をきちんと築いておけば、そのうち「ああ、なんか別々に帰るの寂しいね」と思えるような相手が見つかることもあります。40歳を過ぎると、脳が生殖のための戦略をあきらめてきますから、かえって、小学生の時のようなプラトニックラブも出来るようになってきます。ひょんなことから一世一代の恋をするかも。大事なのは、知と戦略。女は35すぎたら、ときめく相手を探しに、いつもと違う場所に出向くこと。38になっても出逢えず、この人生で「子どもが欲しい」と思うのなら、恋だのときめきだの言わずに、「いい家族になれる人」を冷静に手に入れる。それも気持ちに合わないのなら、女の人生は子供を産む事がマストという価値観を捨てて、別の生きる価値を創生すること。自分を磨いて待っているだけじゃ、大人の恋は始まらないのです。 特集:黒川伊保子が教える、幸せを呼ぶ脳のつかい方 毎週金曜更新
2014年08月15日恋愛をうまくいかせるためには、男性がどんなことを考え、どんなものを求めているかがわかることが必要ですよね。けれども実際には、何を考えているかわからないと、男性に対して思うことのほうが多くありませんか。(c)miya227 - Fotolia.comその謎を解いてくれるのが、脳科学者で男性と女性の脳の違いに詳しい黒川伊保子先生の 『しあわせ脳学習帖ー男ゴコロの取扱説明書ー』 。男性脳の特徴を知ることで、その取扱マスターを目指すこの本を読めば、自然と男性の考えていることや求めていることがわかり、それを実践すれば、気になっている男性を彼氏にすることもできるかも。男性脳についての理論的なことはもちろん、実践的なことも解説されているので、きっと今すぐ役に立ちます。たとえば、合コンで勝つための必勝法として、男性のテストステロンが活性化しているときに、接触をはかるということが紹介されています。テストステロンは、男性の生きる力、恋をもつかさどる重要なホルモン。男性は視覚刺激に弱いので、セクシーでグラマラスなファッションには素直に反応するそう。ですから、薄いピンクやホワイトのふわふわとした、女の子らしいワンピースを参加した女性全員が着ていたりすれば、テストステロンは出ないとか。そういったファッション・テクは、実は男性には効果が期待できないのですね。その一方で、セクシーな服装で興奮させただけでも、恋の勝負は決まらないのだとか。彼が興奮してテストステロンが出たところで、次の一手を打てる女子が勝者になるというのだから、そこを目指すべきなのですね。ただし、男性脳を視覚的に興奮させる何かが合コンの席上に存在しなければならないから、なじみの女子メンバーで合コンをするなら、交代制でセクシーな格好をする女性を決めてもいいかも。その女性のおかげで男性が興奮し始めたら、次は気になる男性の隣に座り、接触をはかりましょう。接触が大切なのは、女性のフェロモンをダイレクトになすりつけることで、男性脳の鈍感なフェロモンセンサーを起動させるためだとか。腕を組んでもいいし、手を握ってもいい。男性がもっともフェロモンを関知しやすいのは「鼻の下」なので、彼の口元をナプキンで拭いてあげるのもよし。そんな風に同じフェロモンを受け続けることで、ようやく彼はあなたに反応してくれるはずというのです。こんな服装や仕草がいいだとか、座る場所や適した話題などをアドバイスしてくれる、ただの合コン必勝マニュアルより、脳科学に基づいているだけに説得力があり、やるべきことがはっきりしていますね。『しあわせ脳学習帖』で、男性と女性の脳の違いをしっかり理解すれば、恋愛はもちろん仕事場などでも役立ちます。いい男がいない、気になる人がいるけれど全然気づいてもらえない、など、彼氏ができない不平や不満ばかり言うよりも、 『しあわせ脳学習帖ー男ゴコロの取扱説明書ー』 を読んで男性脳の特徴を学び実践してみては? 特集:黒川伊保子が教える、幸せを呼ぶ脳のつかい方 毎週金曜更新
2014年08月08日女性の多くは、好きな男性から好きになってもらいたいと思っているはず。中にはもっともっとモテたいと思っている人もいるかも。そのためにどんな努力をしていますか。メイクに手をかけ、女性らしいファッションに身を包み、少しでも自分をキレイにみせようとするのも努力のひとつ。内面も磨こうと、習い事にいそしんだり、キャリアアップをはかろうとするのも努力のひとつ。けれども、残念ながらそれでは好きな人はこちらを振り向いてはくれないかもしれません。どうして? こんなに努力しているのに? と思うかもしれませんが、脳科学者の黒川伊保子先生の 『「愛され脳」になれる魔法のレッスン』 を読めば、その理由はわかるはずです。まず、男性脳に性衝動を引き起こすのはテストステロンという男性ホルモンであるということを覚えておきましょう。テストステロンは、脳が不安(ゆらぎ)を感じると分泌されるという特性があるそう。ですから、いつも完璧なキャリア・ウーマンがあくびをかみ殺して目じりに涙をためたり、いつも強気な女が弱音を吐いたりといった女性の隙(スキ)が、男性脳に不安のほころびを作り、テストステロンを分泌させるのです。つまり女性の隙は、よく効く惚れ薬のようなもの。女性たちの美人の秘訣は、いかに完璧にするかではなく、いかに隙を見せるかにあると言われれば、これまでの努力がいかに空回りしていたかに気づくはず。黒川先生自身、努力するほど幸せから遠ざかるという恐ろしい法則をみつけ、大好きな人の前での態度を変えたそう。その結果、その男性は黒川先生から意識をそらさなくなったというから、どう自分を変えればいいか気になりますよね。そこでポイントになってくるのが、感じる領域である右脳と考える領域である左脳とをつなぐ脳梁が、男性は女性よりも約20パーセントも細いという事実。つまり男性は、目の前にある現実と考えることがかけ離れてしまうことがあるのだそう。例えば、あなたがうんざりした顔をしているのに気づかないで、自分の自慢話ばかりするような男性はいませんか? あなたの表情など彼は気づいていないのです。ですから、男性の閉じた思考空間には、生身のあなたとは別の、空想の「あなた」が育っているのだそう。その「あなた」を育てているのは、生身のあなたが与えるちょっとした情報。たとえば、ふとした微笑みとか、けなげなまなざしとか、セクシーな口元とか、優しい一言とか。逆に、うんざりした顔や、無神経な一言も、彼の思考空間の「あなた」に影響を与えるということ。だんだん、どうすべきか見えてきましたね。自分の気持ちをわかってもらいたいなどと自分の気持ちの垂れ流しのために会話をするのではなく、彼の思考空間の「あなた」をいかに美しく、かわいく仕上げるか、そのことに心をくだくべきなのですね。愚痴や要求を思いのままにぶつけたり、不機嫌な顔ですねたり、なじったり、そんなことをしててはダメ。生身の自分ばかり見つめて、幻想の「自分」をないがしろにしたままでは、どんなに努力をしたって、世の中は自分の思いどおりにはならないのだから。この幻想の「自分」をどう設計するか、どう楽しむか、どう慈しむか。そのことに気づいたとき、女としての本当の人生が始まると断言する黒川先生の魔法のレッスンを受けてみてはいかがでしょう? 『「愛され脳」になれる魔法のレッスン』 を読めば、これまで一生懸命にしてきたけれど、手応えのなかった努力ではなく、本当にすべき努力が見えてくるはず。試してみる価値があると思いませんか。 特集:黒川伊保子が教える、幸せを呼ぶ脳のつかい方 毎週金曜更新
2014年08月01日流行やトレンドは誰がどのように決めているのか、不思議に思ったことはないでしょうか。実は、それは誰かが作ったのではなく、私たちの脳が自ら作り出しているものだということを脳科学者の黒川伊保子さんが解明しました。人の脳は“一定の刺激に対し7年で飽きる”というブレインサイクルがあります。たとえばどんなに愛し合った恋人も、残念だけど7年で飽きる。それは、他の異性と生殖行為をして、なるべく多くの遺伝子を残すためでもあるのです。ただ、それを知っていればこの時期を乗り越えられるから大丈夫なのですが(微笑)。さて、7という数字には根拠があり、7つの記号はヒトが容易に短期記憶できる最大数といわれているのです。正確には8つの人もいれば、6つの人もいるのですが、7つである人が人類の大部分を占めます。このため、ヒトは、とっさに何かの世界観をつかもうとするとき、7つの情報が取り揃うと完全性を感じます。ラッキーセブン、七福神、七不思議、七つ道具、七つの海、世界七大○○、聖書の「知恵の七柱」「七つの大罪」などなど、7を使ったことばは世界中に多く存在します。虹が七色に見えるのも、音階が七音(ドレミファソラシ)であらわされるのも、脳科学上の深い意味があります。7日に一巡した感じがあるのも、単なる習慣だけではないようです。キリスト教の神様も、イスラム教の神様も1週間で暮らせと言っているし、仏教でも初七日、二七日…と、49日(7週間)で故人をあきらめていきますものね。また、7日は太陽暦の一週間の単位でもあるし、4倍すれば月の公転周期にも近い。女性の月経の周期の目安でもあり、7日×4の周期が私たちの脳と身体を刻む単位であることは間違いありません。人が求める完成にはハード期とソフト期があり、これも7年×4ブロックの変化を経て、28年周期でやってきます。ソフト期は自然体が心地よく、共感が好きで、ふっくらとした丸いラインなど女性的な要素が反映される時代です。人々は物よりも用途を重んじるようになり、生活に関わる身近なものに関心が集まります。ちょうど2012年までの28年間はソフト期で、人間と人間の関係性が成熟してくるので、SNSが流行ったり、インターネットが配備されたりしました。また、意識が「癒し」に向いて、自然体の飾らないアイドルや女優達が人気を博し、自然の最もたるもの=宇宙とつながりたい欲求が高まるのでスピリチュアルブームが起こります。反対に、ハード期には冒険やサバイバル気分に駆り立てられ、皆が競争しゴールを目指す時期。合理化が進む時代でもあり、視覚的にもモノトーンや直線的なデザインが心地よく、分かりやすく必然性のある展開が好まれます。去年からこのハード期に入り、目に見えて合理的でカッコいいことが重要視される時代になりました。例えば車だったら、家に車をはめたらすごく綺麗な造形のデザインになり、そのままトランクを開けて冷蔵庫に食品をしまえるなど、思いも寄らない展開に住空間も変わっていきます。また、ロボットも疑似人間型だけではなく家そのものが人工知能的に機能し、日の光を入れるために勝手にシャッターを開けてくれるとか、あらゆる形で進化していきます。インターネットは会員制になり、常に情報を垂れ流すのではなく、吟味して評価された記事のみ掲載されたり、雑誌や新聞のように、評価される空間に変わって行くようになります。しかも、素人がブログのように書くのではなく、しっかりした評価機関によって客観的に書かれるようになるでしょう。このように、ブレインサイクルでトレンドを捉えることで、仕事も生き方も時代の波に乗る事ができるのです。 特集:黒川伊保子が教える、幸せを呼ぶ脳のつかい方 毎週金曜更新
2014年07月25日「歴史は繰り返す」という言葉があるけれど、これは脳科学的にも証明されていること。「ヒトの脳には一定の刺激に対し、7年で飽きる」というクセがある。一方で、大衆と呼ばれる単位=「同時期に、同じような事象を見聞きし、味わい、触れる集団」がある。この7年の周期と同時期に同じ事象に触れる大衆連動(ブレインサイクル)を研究し、トレンドをドンピシャに予測し続けているのが脳科学者の黒川伊保子さん。今年からの流行予測をズバリ聞いてみました。(c)yo- - Fotolia.com人の脳は7年経つと飽きて気分を変え、それを8回繰り返すと元の感性に戻ります。つまり、56年軸で歴史が繰り返されるので、56年前に起こった社会現象をみながら、政治やビジネス、ファッションが来年、再来年どうなるかという予想を立てることもできます。政治で言えば、1953年、吉田茂首相がバカヤロー解散をし、翌年、民主党の鳩山一郎首相が「友愛政権」を掲げて総理に就任。その後短命政権が続いて、1955年に政界大編成が行なわれて自由民主党が誕生、ようやく1957年に岸信介首相が就任して、政治が安定しました。1953年のちょうど56年後、吉田茂首相の孫の麻生太郎首相がバカみたい解散をし、ほどなく鳩山一郎首相の孫の鳩山由紀夫氏が「友愛政権」を掲げて、民主党が第一党に。その後短命政権が続いて、1955年の56年後=2011年には東日本断震災後の失態によって民主党が自滅、結局自民党の安定政権に戻りました。1957年の56年後の2013年には、岸信介首相の孫の安倍晋三首相が就任、政治経済が安定傾向に入りました。56年前と、非常によく似ていますね。そして、1956年に東京タワーが出来て、人々は空を見上げました。1958年6月には、岩戸景気と言われた長い好景気期に入りました。55年後、東京スカイツリーが誕生、今年は大阪にはあべのハルカスが、東京には虎門ヒルズがオープン。人々は空を見上げました。岩戸景気開始のちょうど56年目に当たる2014年6月は、消費税で一度落ち込んだ消費が再び活性化し、長い好景気に入ったことが予感されます。また、1957年は長嶋茂雄監督が巨人軍にデビューした年。そして今年は、人が伝説になりやすい周期にあります。112年前もシャネルが孤高で世の中に登場し、毅然と逆風を受け伝説になりました。ちょっと前までは「人を癒したい」という社会起業家が多かったのですが、これからはもっともっと上をめざし、「本物」に踏み込んで行った企業が勝ちます。値段が安く、インターネットで広くではなく、高くても本当にいいものが売れるようになるのです。ファッションは、1959年にスッキリとしたシルエットのシャネルスーツをケネディ夫人や世界中のセレブが着て大流行。今年は、長いこと続いてきたセクシーグラマラス系の息の根が止まり、エレガントで上質なファッションへ移行していきます。モノトーン系も流行りそうな予感がしますね。ユニクロやZARA、H&Mなどファストファッションの人気はそのままに、値段が高くても質のいいもの選ぶ消費者が増えるでしょう。メイクはつけまつ毛で盛って目を大きく見せるよりも、アイラインでもともとの目元を引き締めて、美しく見せる傾向にきています。また、世の中は弱いものを守り、頼りがいのあるヒーローがもてはやされる時代に入ります。覚悟と凛々しさ、そして使命感があるということに、人々は心踊らされるのです。モテる男子の傾向も、小柄でカワイイ、ジャニーズ系の草食男子よりも、しっかりとした男らしいタイプが人気に。1957年は石原裕次郎さんがデビューした年。56年後の去年NHKの朝の連ドラ「ごちそうさん」のヒロインの夫役で話題をさらった東出昌弘さんは、190センチの長身。骨格のしっかりした顔は、石原裕次郎のデビュー当時の顔にそっくりです。ちなみに、今期のNHKの朝の連ドラ「花子とアン」で、ヒロインの夫役として人気急上昇中の鈴木亮平さんも、187センチの長身に、しっかりしたお顔。ここ1~2年で、モテ男子傾向は大きく変わってきているのです。56年前の周期には、「小さな恋の物語」という長身男子と小柄な女性の恋物語がベストセラーになりました。ごつい男子、よかったね!「孤高である」ことがテーマになるので、24時間SNSで自分のランチの情報なんか垂れ流してたらだめ! それは女子も一緒で、仲間でたまって女子会をするよりも、ひとりで行動できる「おひとりさま」になりましょう。孤高になり、高嶺の花になり、周りに敵をつくり、バッシングに耐えるほうが周りの好感度は上がります。ひとり旅をして、自分を孤独な環境に置いてみることもおすすめです。 特集:黒川伊保子が教える、幸せを呼ぶ脳のつかい方 毎週金曜更新
2014年07月18日女性と違って「座標原点」をつくりたがるのが男性。帰る場所があることで、安心して仕事もできるし、日々を過ごすことができる。そして、その原点に自分がなってしまえば、右に出るものはいないほど相手にとって大事な存在になると、脳科学者の黒川伊保子さんが教えてくれました。空間認識でものを見ている男性にとって、その始点である座標原点はとても大事です。たとえばその原点が苦労した思い出だったら、たまにその時の記憶に戻り、「あそこから自分はここまできたな~」と今を確認したり、それが妻だったら、毎日帰ってきて「ああ、家に帰ったな」と安心したりする。お祭りが楽しみな人だったら、「お祭りまであと何カ月」と数えることで、それまでの距離感を測っているのです。男性って、美容院とか行きつけの居酒屋とか、1度決めたらよほどのことがないかぎり変えないですよね。それは、その場所を定点にしているから。思念空間に原点といくつかの定点を置いて、それらを使って距離感を探りながら世界を広げていくのが男性脳なのです。私の舅は「お昼は蕎麦」と決めているのですが、そこを原点にして一日の距離感を測っています。また、入院していても女房がいない寂しさで、ムリを言って帰って来てしまう人もいます。普段は無口でそっけない夫でも、妻がいるところにどこからでも戻ってきたがるのは、そこが定点だから。座標原点になってしまったら、勝ったも同然です。それには、わざわざ居心地のいい女性になる必要もありません。むしろ、ガミガミ言っても大丈夫。終始うるさく当たっていたとしても、8割くらいは脳がフィルターとしてとりこぼしていくので自然体でOKなのですよ(微笑)。■彼の定番になるための秘訣とは?結婚していて働いている女性や、同棲している女性へのアドバイスは、必ず週に1度は家にいて夕飯をつくる日を決めること。必ずいると決めた曜日にご飯が作れなかったら、きちんと謝ってください。定番になることで一番ダメなのが、定点がブレること。つまり、この日はいるものだということをお互いに忘れないようにすることが重要です。付き合っている男女の場合も一緒で、どんなことでもいいから定番をつくりましょう。得意料理でもいいし、会ってから30分は決してネガティブな話題をしないという習慣でもいい。女子は会った瞬間に、「ねえあのときのことだけど、なんであんなこと言ったわけ?」とつっかかることが多いのですが、あるときは機嫌がよくて、あるときは機嫌が悪いなど、常に変化しているのは最悪です。だから、20年たっても「お帰りなさい」と、どんなときも笑顔で迎えてくれる小料理屋のおかみやクラブのママが定番になるのです。結婚していなくても、仕事や出張から彼が返ってきたら「お帰りなさい」と言うのもいいですね。「君の“お帰り”が聞きたいから一緒に暮らそう」なんて展開になるかも…!。ひとつ、注意したいのはグチを言わないこと。女性のグチは男性の免疫力も落とすし、熟年の夫婦で「腰が痛い」と奥さんが言い続けているとだんなさんがうつ病になるというデータもあります。もしグチを言いたいなら、友達に電話して聞いてもらいましょうね。ちなみに、排卵日になるとホルモンの影響でイライラすることがあると思います。女性ホルモンのエストロゲンの分泌が高まっているこの時期は、とくに自分が発情している相手には絡まずにはいられなくなるのです。ただ、このときは、どうぞ思いっきり絡んでください。男性脳は、定番に安心しながら、ギャップで発情するという癖がありますから。いつも安定した情緒の彼女が、たま~にキレるのもいい刺激。なので、自然体で大丈夫です。素敵な愛情ライフを手にしてくださいね。 特集:黒川伊保子が教える、幸せを呼ぶ脳のつかい方 毎週金曜更新
2014年07月11日恋も仕事も人間関係も、20代の頃は目の前の出来事に悩んできて、30代に入ればラクになるかと思えば、また別の方向から悩むようになる。しかし、辛いのも「今だけ」と脳科学者の黒川伊保子さん。人はその年代によって、脳の役割があり、それを乗り越えると将来がグンと楽になるとか。私たちの脳神経回路は天文学的な数の回路がありますが、常に活性化していると、「物」の判断ができないしくみになっています。たとえば、目の前を猫が横切ったとしたら、それを「猫」を認知する回路だけが立ち上がらないといけません。同時に、象と豚の回路も立ち上がると、それが何か分からなくなってしまいますよね。ヒトは、脳神経細胞数が人生最多の状態で生まれてきます。ありとあらゆることを感知できるので、逆に、目の前の者が何かをとっさに判断することができません。日々の暮らしを重ねることで、生まれてきた環境に不必要な細胞を捨て、残された細胞の関係性を作ることで、家族を認知したり、言葉を認知したりできるようになるのです。こうして、脳は、経験によって知識を増やしながら、一方では、経験によって回路に優先順位をつけて絞り込むことで、とっさの判断を間違わない、より洗練された状態を手にしていきます。その観点で人生を見ると、28歳までは、知識を増やす入力系に偏っています。経験によって、さまざまな知識や方法論を手にするときなのです。脳は、いわば「がむしゃらな入力装置」。恋をしても勉強しても、遊びにもがむしゃらになれ、そこから、大事な「生きる知恵の基礎」(どうすればモテるのか、どうすれば儲かるのかetc.)を手に入れていきます。だから、28歳までは、がむしゃらに生きてくださいね。好奇心を感じたこと、あるいは先輩に「こうしなさい」と言われたことに、「自分に合っているのかしら、何になるのかしら」なんて四の五の言わずに、飛び込んでください。そして、誰もが28歳を超えると、がむしゃらさを失っていきます。脳が単純記憶力のピークを過ぎ、次の段階へ入ったから。30歳のお誕生日頃には、ここまでの「入力」のおかげで、その人が生きる環境においての世の中のしくみ、裏も表も、上も下も右も左もわかるようになっています。そんなわけで、世の中を見切ったような気分になるのが、30歳前後の脳の特徴。人生で最も傲慢なときかもしれません。でも、その傲慢さも、次の「人生の冒険」へ飛び込んでいく大事な起爆剤。どうぞ、思う存分、傲慢になってくださいね。30代の10年間、脳は、人生で最も苦しい時期を迎えます。世の中のすべてを見通せる脳になったのに、回路の優先順位がしっかりついていないので、迷うからです。30代の脳は、「誰になんと言われようとそれしかない、ずんと腹に落ちる、自分だけの選択」というのがまだしにくいのです。当然、評判や偏差値など、他人の評価を気にします。そのため、いくつもの選択肢が浮かび、選ぶのに迷うし、選んだ後もまだ惑う。人に何か言われる度に、気分も乱高下します。しかも、脳は、失敗事例を早めに経験して、失敗に使われた回路を整理してしまいたいので、苦しんだあげくの選択が間違っている可能性も高いのです。なんて苦しい脳かしら。はるか昔に越えてきた道だけど、私は30代に常に深い同情があります。でもね、30代の脳の使命は、苦しい選択をして失敗し、脳の「失敗回路」を早く消すこと。なので、思う存分、痛い思いをして泣いてください。けれど、それは、脳の豊かな感性のための大事なエクササイズ。痛い思いをする度に、脳はエクセレントになっていきます。絶対です。その際に、ぜひ気をつけてほしいことがあります。痛い思いをしたとき、それを他人のせいにしたら、せっかくの失敗回路消去がうまくいきません。それじゃ、何のために泣いたのか、意味がない。なので、辛い思いをしたときは、必ず自分の責任にしましょう。たとえ、誰かに裏切られても、「ひどい」と恨まずに「裏切らせたことが悲しい」と思うくらいの覚悟で。その苦しみも、40歳になる頃には楽になります。失敗回路に信号が行きにくくなるからです。無駄な信号も起こりにくくなるので、物忘れが始まります。頭に浮かんだ女優さんの名前が出てこないのは、そんなこと思い出せなくても生きていけるから。物忘れは、老化ではなく進化なのです。恐れないで大丈夫。■50代の自分をイメージして30代の混迷、40代の物忘れを抜け、50代半ばに脳は完成します。失敗回路に信号が行きにくくなり、「自分だけの深い確信」で生きられるようになります。このため、ちゃんと自分の傷を自分でなめてきて来た人は、人生の達人として、あらゆる場所で見解を求められ、話を聞いてもらいたい人に囲まれます。成功した多くの人が、「自分が最も大切にされたと感じたのは50代」と言います。逆にいえば、ちやほやされてしまって、傷ついたら人のせいにしてテキトーに生きてきた人には、老いの寂しさだけがやってきます。だって、20代や30代と同じ口を利く50代なんて、うざいだけでしょう? しかも「でも、だって、どうせ、だめ」の達人にでもなっちゃった日には…。50代、エレガントでキュートなマダムになって、若い人に知恵をあげる自分を想像してみて。そのための今日の苦しみ。そう思えば、涙も宝物。どうか、人生の波に乗ってくださいね。 特集:黒川伊保子が教える、幸せを呼ぶ脳のつかい方 毎週金曜更新
2014年07月04日トップ経営者や有名人などの成功者は、運がいい人が多いと言われています。私たちの周りにも、「買う予定だった服がちょうどセールになっていた」、「会いたいと思った人に、偶然駅で会った」、「オフの日が彼の休みと重なった」etc、いつも何かと運がいい人っていますよね。その人たちといると、ポジティブになるし、私たちも元気をもらえる気がしませんか? その秘密は、脳の中に隠されていると脳科学者の黒川伊保子さん。まず、運のいい人たちについて説明します。私たちの脳の回路は、3%が顕在意識のため、残りの97%は潜在意識のために使っているといわれています。潜在域の中でゲットして、顕在域でジャッジしていることが、本人は気付かないだけでたくさんあるのです。たとえば家族を守る女たちは、知らないうちに朝家を出る家族の変化を体臭、見た目などから感知。無意識に夫の顔色を判断し、ストックが切れていた風邪薬をなんとなくその日購入して、体調を整えるための夕飯のメニューを作っています。このように、潜在域で感じたことを、顕在域に要領よく伝えられる脳=運がいいことになり、家族がいつの間にか病気知らずで健康という結果になる。他にも、様々な出来事に対して事前に手を打っておけるので、人間関係や会社のトラブルも未然に防ぐことができます。さらに、スピリチュアルのように自然現象まで察知して動けるくらいの力があるのです。この力は、分かりやすく言えば直感がいいということ。直感が良く働くということは、感性の領域である小脳と右脳がきちんと使えて、左脳にその信号を伝える脳梁という場所が活性化していることが条件です。脳梁を効率良く動かすためには、運動をしたり身体を動かして小脳を鍛えるほか、気持ちを言葉にするというクセをつけることが大切。それも、「美味しい」や「嬉しい」、「あの映画は良かった」など、出来るだけポジティブな言葉を遣いましょう。運動し、感動を言葉に現したら、早寝早起きも鉄則。つまり、規則正しい生活が直感を磨き、運を良くすると言っても過言ではありません。■笑顔でいることが、運の良さも引き寄せる私は企業コンサルタントをしているので、仕事柄、多くの事業家に会います。その中で、成功している組織リーダーたちに共通して言えるのが、周囲を笑顔にする力があるということ。これは、運がいいと言われる人たちに必ず備わった力なのです。人には「ミラーニューロン」という脳神経細胞の働きで、相手の表情を自らの脳裏に写し取ってしまう能力があります。新生児の共鳴動作というのがあり、なんと生まれて3時間の赤ちゃんでも、目の前の人間の口腔周辺の筋肉の動きをまねる能力があるのです。これは、脳が反射的に表情を写し取れるからできること。それは、大人になっても残っていて、目の前の人間が満面の笑みになれば、つられて笑顔になってしまうでしょう? 実は、脳はもっと微細に、相手の表情を無意識のうちに感じ取っているのです。そして、大事なことは、感情は表情を作るけれど、表情もまた感情をフィードバックしてしまうということ。つまり、嬉しくなくても、嬉しい表情筋を作れば、気持ちがなんとなく華やいでくるものなのです。ということは、嬉しい表情をしている人は、その表情筋を周囲に写し取らせ、嬉しい気分を起こしやすくしているということ。嬉しい表情の人の周りでは、人々が前向きになるので、ことがうまく運びやすい。結果、運がいい人、と言われることになるわけですね。逆にいえば、口角の下がった沈んだ表情の人は、周囲の人々のやる気をそいで、ことがうまく行きにくくなることに。人相学は、案外、脳科学で説明できるのかもしれません。あらゆることに好奇心を持ち、そこにいることを楽しむこと。そして、どんなときでも嬉しい気持ちで人にあうこと。それは、言葉や態度よりも多大なる力を秘めていて、奇跡を起こします。その習慣をつけることで、人生勝ち組に入ったも同然なのです。 特集:黒川伊保子が教える、幸せを呼ぶ脳のつかい方 毎週金曜更新
2014年06月27日女子にとって、結婚相手との出会いはまさに「運命」。この人と会うために現世に生まれてきた、とまで思うほど確信に満ちているけれど、男子はその確信がほとんどないまま結婚を決めているのだとか! その理由について、脳科学者の黒川伊保子さんが説明してくれました。哺乳類のメスである女子は、自ら身ごもって命がけで出産し、授乳しなければ「一生殖」が終わりません。約2~3年の時間を割くことになり、命を脅かす確率も高い。一方、男性脳は数分で「一生殖」が終わり、ほとんどの場合は命に別条はありません。このように生殖リスクの高い女子は、相手をつぶさに観察して今まで出会ったすべての異性と比べ、最高の免疫セットを見つけ出し発情。それは、1万人の中のひとりを見つけ出しているんだから、恋をしたときの確信は深い。ひとりの男に照準を合わせた瞬間に、どんなイケメンが来てもどうでもよくなっちゃうよね。結婚式でも、花嫁は「こんなにいい男もらっちゃってゴメンネ」と内心は優越感に浸っているのですが、他の女子にとってはその新郎は生殖相性がいいわけではないので、なんとも思わない。ところが、男子はそこそこの免疫セットでも十分なため、100人のそれなりにカワイイ女子が迫ってくれたら、80人くらいは「アリ」なので、脳の確信がそれほど深くないのです。「え~っ! そんな~(涙)」と思うかもしれませんが、大丈夫。最初は確信がなくても、最後に勝つのだから。男子はずっと一緒にいて責務を果たし続けてきた相手に愛着が湧くようにできているのです。相手がしわくちゃになろうと、毒づく妻であろうとそれは変わらない。だから、奥さんが先に亡くなったりすると、寂しくて早死にしちゃったりするのです(高年齢夫婦の場合、妻の死後3年以内に亡くなるケースが多いと言われています)。■責務を与えると一生大切にされる愛を確信した女子は、理由もなく尽くしてあげることができるけれど、男子にはぼんやり「やさしくしてね」「ずっと好きでいてね」はムダ。身辺を定点で固め、遠くの目標を見定め到達することが快感な男性脳には、分かりやすい責務とゴールをあげて、それを遂行させることが重要です。たとえば、責務を果たし、「給料」「ボーナス」「昇進」がゴールの会社をおじさんたちは愛し続けますよね。ペットボトルを開けてもらったり電球を替えてもらったり、たとえば「私、週末はいつも寂しくなるから、土曜の夜は必ず電話してね」とかでもいいかもしれません。ポイントは、定番の責務で頼ること。そして、ゴール確認としてお礼を言ってあげることも忘れずに。洗い物をしてくれたら、「あなたが洗ってくれると汚れの落ちが違う」や、お風呂を洗ってくれたら「男の人じゃないとカビは無理ね」みたいに。それは手伝いをしてもらうだけの成果ではなく、それが生きがいになるし、外で素敵な若い女性と恋をしたとしても「オレがいなかったら、あいつはカビだらけの風呂で暮らすんだろうな」と、可哀想になって帰ってきたりするので一石三鳥なのです。もうひとつ大事なのが、一度決めた責務は、もし自分ができたとしても永遠にそれをやり続けてもらうこと。私の息子は私が米袋を持てないと思っていて、いつも代わりに運んでくれています。隣で、もっと重いビール瓶ケースを持っているのに(微笑)。ペットボトルの蓋は空けられないと言って、ジャムの瓶は平気で開けていても気づかないほど、責務が信号のように入っている男性脳はそれに対して迷いがないのです。そして、責務を果たしてきた相手に対して、結婚の後半には男性脳の確信のほうが深くなるのです。そんな妻という存在に、ぽっと出の愛人が勝てるわけがありませんから! 特集:黒川伊保子が教える、幸せを呼ぶ脳のつかい方 毎週金曜更新
2014年06月20日大好きな彼と久々のデート。なのに、何を言っても上の空だったり、こっちはニコニコしているのにぼーっとしてる…、なんていうことがありませんか。その原因は、脳の構造の違いにあると脳科学者の黒川伊保子さんは言います。 男児を育てているととくに実感しますが、子供の頃から男子はぼーっとしていることが多いです。8歳を過ぎるとこの時間も短くなってくるけれど、大人になってもパジャマを着たまま新聞を開いているけれど読んでいない、テレビをつけたまま見ていないから消すと怒る、というのは日常茶飯事。女子から見たらイライラするかもしれないけれど、これは1秒たりとも無駄なことではなく、男性脳にとってはメンテナンスのためには必要な時間。ぼーっとしたまま空間認知の領域で情報の距離関係を見直したり、物事の構造を確かめたりしているのです。だから、一週間に一回、土曜の午前中くらいはぼーっとさせてあげましょう。これは男子だけでなく、デザインとか理系の領域で活躍する女子も、空間認知の領域を成熟させるためにぼーっとすることが多いはず。私も35歳のとき、小学校の同級生に再会して「あなた頭がハッキリしたわね、毎日毎日ぼーっとしてたじゃない」と言われました。聞くと、週に3日は学校が終わったことに気づかずぽかんと座っていて、学校が終わったことを知らせると、ランドセルを背負うのも忘れてぼーっと帰宅しようとしたとか…。さて、男子と同じく理系女子は空間の領域を日々使って物事を考えているので、人間関係も「あの人は親切にしてくれるから」という文脈の関係ではなくて、なんとなく意識の波動の近さみたいな間隔で脳の中のマップに置いたりしています。こういうタイプは文脈でものを考える文系タイプの人から見ると、失礼なときがあるのも事実。メールもまめに返さないし、連絡もあまりしない。でも、空間認識の領域ではちゃんと近くにプロットしてあって、10年に1度しか会わなくても大切に想っているのです。■男子に「まくしたて」は禁物!どんなに大事な話し合いでも、たとえ別れ話に発展しそうなケンカでも、黙ったままだったり何を考えているのか分からないときってありますよね。冗談みたいだけど、気づいたら寝ていたってことも…。女子にとったら信じられないし、「ちゃんと聞いてるの?」ってなりますよね。でも、それは聞いていないのではなくて、聞いているけど文脈の長い旅についていけなくて気が遠くなっているだけ。男性脳にとっては、女子がまくしたてている文脈はあまりにも膨大すぎて理解不可能なのです。もし言いたいことがあるのなら、「私はこういうふうに言われるのがイヤ」、「こうされるのがイヤ」、「これだけはやめて」と、要求だけを言うようにしましょう。決してしてはいけないのは、話し合いに持ち込むこと。夫婦円満のコツは、話し合ってものを決めないことだとも言われているくらいです。「どうして、ちゃんと言ってくれないの? そもそも、あなたは、あのときだって…」なんていう“長い旅”には出ないでね。もし、どうしても伝えたいことがあるなら「さみしかった」とか「かなしかった」とか、「してくれたらうれしい」とか甘える形で言うのが上級者なのです。 特集:黒川伊保子が教える、幸せを呼ぶ脳のつかい方 毎週金曜更新
2014年06月13日大好きな人と付き合って、女子は幸せバラ色一色。1秒でも長く一緒に居たくて、友達とのも先約も何かしら理由をつけてキャンセルしちゃったりするし、夜のデートのために通常の3倍の速さで仕事もこなす。それなのに、男子はせっかくの休日でも友達との約束を入れちゃうし、デートもすっぽかして仕事を優先。でも、意外や意外。それって男性脳からしたら大事にされている証拠なのだと脳科学者の黒川伊保子さん。近くにあるものほど目に入らないのが男子です。たとえば、女子は彼や女友達の髪型が変わったらすぐに気づきますよね。でも、男子は彼女が髪色を変えても前髪を切ったとしても気づかなかったりする。その理由はふたつあります。ひとつは、男子は目の前ではなくて遠くにあるものを把握して、近づいてくる敵に瞬時に照準が合うようになっているから。ふたつめは、生殖の戦略。オスは子孫繁栄のための「ばら撒く」性。一生のうちに出産回数が限られているメスと比べ、生殖行為に対してリスクが低いので、異性を厳しく取捨選択しないように脳は仕掛けられているのです。目の前の女子が発情すればつられて発情するくらいの鷹揚さがあり、「このコ、ウエスト何センチだからだめだな」なんて理由でイヤになったりはしません。だから、目の前にいる女子ほど見えないのです。近くにいるから、髪型変えても不満な顔をしても気づかない。同時に、近ければ近いほど気持ちも手薄になるので、「デートよりも友達との飲み会を優先してはじめて本当の彼女になった」と理解するくらいでちょうどいい。「釣った魚に餌はやらない」のではなく、「釣った魚は見えない」が正解なのです。たとえば、とても気を遣われながら優しくされている愛人がいたとしますよね。でも、そんな愛人は奥さんが別れる気がなければ、妻の座は射とめれられません。逆に、奥さんに優しくしていて、愛人には気を遣わずに大きい態度をとっているくらいなら逆転する可能性あり。男子にないがしろにされて、はじめて近くにいるということになるので、男女は勲章の形が違うのだと理解してください。■親しい相手だからこそ、気を遣わない付き合う前や付き合った当初はマメに連絡をくれたし、いつも優しく笑いかけてくれたのに、いつの間にか態度がぞんざいになった…というのもあなたに飽きたわけではないので安心してね。男子にとって笑いかけるというのは気を遣っているということ。基本、男子は守る性ではなく戦う性なので、始終ニコニコしていません。女子は生活を楽しむ性だから、おひとりさまでも色んなことを嬉しく感じながら日々を過ごすことができるけど、男子は一人で韓流ドラマみて幸せになったり、パンケーキを焼いてウキウキしたりしませんよね。女子のひとり暮らしは、お気にりの紅茶を入れ、ハーブを育てて、テレビに話しかけ、笑って…というのが日常だけど、戦う性の男子のひとり暮らしは、それはシリアスに暮らしています。そうすると、一緒に暮らしたときのベースもそれだと思ったほうがいい。ブスーッとしていてボーっとしていて、トラブルが起こったときだけ行動を起こすというのが男子です。男友達や仕事を優先するのは「オレの女」になった証拠なんですよ(微笑)。 特集:黒川伊保子が教える、幸せを呼ぶ脳のつかい方 毎週金曜更新
2014年06月06日付き合っている間、女子なら誰もが経験するのが彼に対する「なんで分かってくれないの?」という気持ち。こんなに悲しいのに、こんなに辛いのに、こんなに想っているのに。いくら説明しても、理解してくれなくて、また同じことの繰り返し…。 そんなイライラがふたりの関係にとっても良くないのは分かっているけれど、抑えられないこの感情。実は、男女の脳の違いを理解すれば、「イラッ」が防げると、脳科学者の黒川伊保子さん。今回、そのメカニズムを伝授してくれました。 女性脳は、右脳(感じる領域)と左脳(ことばの領域)の脳神経細胞をつなぐ神経線維の束(脳梁)が太いのが特徴。右脳と左脳を上手に連携させて、目の前にある大切なものの変化をわずかでも見逃さず、その思いを察して臨機応変に動くことができます。しかし、男性脳は女性脳に比べて脳梁が細く連携が悪いので、目の前のことに頓着せず、高い空間認識力で遠くのものを見ながら仕事をこなしていきます。つまり、男性脳は「目の前のこと(彼女や家族)」だけのためになんかできていないのです。さらに、感性の領域も全く違う装置なので、女子が「なんで~してくれないの?」と言っても、その「なんで」の意味が本当に分からない。たとえば、スワヒリ語をしゃべっている人に日本語でまくしたて、「なんで日本語を分かってくれないの?」とイライラしているのと一緒。女子も「なんで体重教えてくれないの?」「なんですっぴんを見せてくれないの?」と言われたらびっくりしますよね。同じことです。「なんで時間を守ってくれないの?」という質問に対して、男子はズバリ「忙しいから」の一言で返したとします。でも、女子は忙しいからで納得しない。「忙しいなら連絡してよ」「忙しいなら最初から来れる時間に約束してよ」と食い下がっていくから、ケンカになるのです。でも、男子はわざと遅くなったのではなくて、その時間に行けると思って計画したのに間に合わなかっただけ。結局、女子が欲しい答えは「君に心細い思いをさせてごめんね」という一言なんですよね。「なんで」に対して答えてくれたとしても、女子が納得できる答えはほぼ返ってこないでしょう。一緒に住んでいる男子に「なんで靴下を脱ぎぱなしにしているわけ?」と言うと、「脱いだら気持ち良くてすぐに脱ぎっぱなしにしたくなるんだよ」と答えるとします。でも、女子はその答えに納得して「そうだよね、気持ちいいよね♪」とは言わない。「気持ち悪いよね、君に嫌な思いをさせちゃってごめんね」と謝ってほしいのです。■「トイレに行く暇があったらメールして」もNG!?彼がなかなかメールの返事をくれなくて、「なんでトイレに行く時間があるのに返事をくれないの?」と悩む女子も多いかと思います。その理由もはっきりしていますが、男子はトイレ行く暇に恋人を思い出すような脳には出来ていないのです。女子は3分に1回は大切な人のことを思い出します。歩いているとき、電車に乗っているとき、ご飯を食べているとき、仕事をしているとき、映画を見ているとき。だから、トイレに行く時間があったらすぐに恋人を思い出してメールできる。男子は切り替えにだいたい20分はかかるので、トイレに行く暇に恋人にメールする発想はできません。辿ればその昔、狩りをして暮らしていたころ、洞窟を出たときの妻の顔がよみがえって「そういえば今朝、女房の顔が暗かったけど、あいつ大丈夫かな?」なんて気にしていたら、谷に落ちちゃうかもしれないし、マンモスに踏み潰されちゃうかもしれないですよね。オスという生き物は、思念空間の中に置くものの量を小さくして危険察知をしたり、遠くを見たり、あるいは遠くに行って帰ってくるための様々な情報を手に入れたりしています。哺乳類のメスは子供を育てるために目の前の大切なものの変化を針の先も見逃さないように生きているのです。女子は、思考のテーブルに仕事も恋人も家族もすべてが乗っかっているけれど、男子はひとつづつ乗せないといけない。ただ、それだけのこと。だから、「なんで」に対する答えがつねにすれ違うのです。もし、ガマンできずに「なんで~」と聞いてしまったら、それに答えてくれたことに感謝しましょう。どんな答えでも、それは男性脳にとって精一杯の答え。「そりゃ、仕事が忙しかったから」と言われたら、「忙しかったのね。お疲れさま」で終わりにして。この答えに食らいつくから、男性脳もイライラして二人の関係がギクシャクしてしまうのですよ。あとは、「何で分かってくれないの? と言ったら、嫌な思いをさせてごめんねと言ってね」と事前に彼を教育しておくこともいいかもしれませんね。 特集:黒川伊保子が教える、幸せを呼ぶ脳のつかい方 毎週金曜更新
2014年05月30日彼氏に対して、どうしてこんなに私の気持ちをわかってくれないのだろう? と思ったことがある人は多いはず。そのために、彼の愛情を疑ってしまい、ケンカに発展してしまったなんて失敗の経験はありませんか。それは愛情の有無の問題ではなく、男女の脳の違いが原因だったと言われたら、驚くかもしれません。けれども、脳科学者で、人工知能エンジニアとして脳を研究してきた黒川伊保子先生によれば、男女の脳は回路のかたちと信号特性が違う、異なる装置だとのこと。つまり、違う装置なのだから使用法も違うということ。男性脳には男性脳の、女性脳には女性脳の使い方があるのに、異性の脳を、自分の脳と同じように扱おうとするからストレスを感じるのだそう。では、男性脳と女性脳はどう違うのでしょう。たとえば、男女の脳では感度が違うといいます。例えば、色の見え方、音の聞こえ方、嗅覚、味覚、皮膚の触感などが違うそう。そして感度が違うということは、気持ちいいことの範囲が違うということにもなってきます。例えば、30代の男性デザイナーが最高に美しいと思って作った商品を、50代女性がピンとこないと思うことは当然ありえるということ。それは趣味の差ではなく、男女の脳の感度の違いによるものだったのですね。このように、男女間の脳には入力だけでも大きな違いがあり、つまりは内部機能が違い、当然出力も違ってくるそう。実際に男女の脳を調べてみると、脳の中央にある右脳と左脳を連携させる脳梁という器官をつなぐ神経繊維の束が、女性のほうが男性より約20%太いのだとか。つまり、女性脳は右脳と左脳の連携がいい脳、男性脳はそれほどでもない脳ということになり、それが彼氏とのすれ違いを生んでいたのかもしれません。女性脳は、目の前をつぶさに観察して、わずかな変化も見逃さない、高い「察し」の能力によって、赤ちゃんを無事に育てることができるといいます。また、「感じたことが、即ことばになる」ため、今日の出来事や今の気持ちなどを、目的もなく垂れ流し合う癖があり、こうして得た「とりとめのない情報」を何十年経っても瞬時に引き出す能力があるのも、女性脳だからこそだとか。そう言われてみれば、思い当たる節はありませんか。彼氏が浮気をしてちょっといつもと違う様子を見せればすぐに私は気づくのに、彼氏は私が髪型をガラッと変えても気づいてもくれなかったり。そんな場面に出くわしたときに、いちいちイライラして彼に文句を言って、二人の関係を悪化させるのはもったいないことですよね。だって、それは脳の違いのせいであって、彼氏のせいではないのですから。まずは、男女の脳が違う装置である、と心得ること。違う装置なのだから、同じ出力は期待できないとわかれば、男子のなにげない言動に傷つくこともなくなります。傷つかないことは、コミュニケーション達人への第一歩。卑屈にならずにすめば、いろんなことが好転するそう。黒川先生の 『キレる女 懲りない男ー男と女の脳科学』 を読めば、男女の脳の違いがよくわかるので、彼氏の態度をどう受け止めればいいかも見えてくるはず。この本では、男性脳と女性脳の取扱説明書(トリセツ)が書かれているので、すぐに役立つときがきそうです。彼氏とのケンカが絶えない、彼の態度にイライラしてばかり、彼がこんなことを言ったりしたりするのは私が好きじゃないから? など、彼氏との関係で気になることがある人は、男女の脳の違いという点から二人の関係を改めて考えてみては?意外なところにヒントがみつかって、スムーズにステキな関係が築けるかも。 特集:黒川伊保子が教える、幸せを呼ぶ脳のつかい方 毎週金曜更新
2014年05月23日一生懸命頑張っているつもりなのに、なぜか上手くいかなかったり、ほかの人と同じようにしたつもりなのに、なぜかタイミングが悪かったり、自分は運がよくないと思っている人はいませんか?一方、何をやってもすいすい上手くいったり、ちょうどいいタイミングをつかんだりする、運のいい友達もいたりしますよね。自分と彼女、何が違うのでしょう。その秘密を、脳科学者の黒川伊保子先生は、脳科学の観点から明らかにしています。それによると、脳がいい人は運がいいとのことなのです。運というのは偶然に左右されたり、神頼み的なものやおまじないなどで招き寄せたりする、得体のしれないものと思っていた人には驚きですよね。運がいいと言われる人たちは、脳の神経回路が健全に機能しているから、世の中をしっかりと感知し、自分の脳に必要なものだけを雑音なく見極められると言います。普段意識的に使っている脳細胞は意外に少なく、実際には、人は多くの潜在意識の脳細胞に守られたり、導かれたりして生きているのだとか。だから、潜在意識の脳細胞が活性化して、顕在意識に伝えやすい人は直感がするどく、つかみがいい脳であり、その究極が「運がいいと言われる人の脳」なのだそう。では、どうすればそんな脳になれるのでしょう? そのためには、脳の潜在意識で起こることについて知り、潜在意識と顕在意識の連携をよくすることが大切。そこで、脳の潜在意識で起こることを、黒川先生は、 『運がいいと言われる人の脳科学』 の中で紹介しています。例えば、ヒトの脳は、寝ている間に進化するそう。眠っている間に、起きている間の出来事から知恵やセンスを抽出し、脳神経回路に定着させるから。それは、意識を鎮静化させ、脳をいわば知識工場に変えてくれるメラトニンというホルモンのおかげ。このおかげで、相性のいい男子を見出すコツや、相手の心をつかむちょっとしたコツを、知らず知らずのうちに習得してもいるのだとか。当然、学業や仕事の成績にも関与します。睡眠中は、成長ホルモン(新陳代謝のためのホルモン)も出やすくなるので、皮膚や筋肉や骨も新しくなる時間。眠りの質は、人生の質と言っても良さそうですね。メラトニンは、夜の10時から2時の間に分泌力最盛時間を迎えるので、せめて0時には寝る習慣《シンデレラ睡眠》を。ときには、恋力アップ週間として、毎日10時に寝る週を作ってみてください。日中、情緒が安定していて、小さな「いいこと」が起こりはじめるのが実感できるはず。また、早起きをして朝日を目撃することで、セロトニンという脳内神経伝達物質が分泌されると、好奇心と意欲にあふれ、幸福感に下支えされた日中を過ごせるのだという。こんな脳を持っていれば、きっと運もよくなるはず。ほかにも、「流れ」をつかむことや「今」を生きることなど、日常生活の中で具体的にできることによって、脳をよくし、運のいい人いなれることを、脳科学の理論でもって具体的に紹介されているので、思わず納得して実行に移したくなりそう。新年度を迎えたけれども、変わり映えのない毎日に飽きているのなら、積極的に運がいい人を目指してみてはいかが? そのために 『運がいいと言われる人の脳科学』 を役立ててみて。 特集:黒川伊保子が教える、幸せを呼ぶ脳のつかい方 毎週金曜更新
2014年05月16日ファッションやメイクなど、おしゃれには流行を意識することが欠かせませんよね。いつの間にかいろいろな流行がやってきてはすたれていきますが、なぜなのか気になったことはありませんか。そのヒントがあるのは、ヒトの脳。実は、ヒトの脳には、「一定の刺激に対し、7年で飽きる」という生理的な癖があるそう。「飽きる」という行為は、人の脳の才能のひとつなのだとか。だから、どんなに情熱的でラブラブだった男女も、飽きるように仕組まれているという残念な事実があるよう。そうすることで、互いに飽きた男女はそれぞれ別の異性と生殖行為にいたって、その結果、数多くの遺伝子の組み合わせを残し、子孫の生存可能性を上げることができるし、山里に住んでいた若者がある日、冒険の旅に出たいと思った結果、その土地にのちに災害がおきても、生き残る遺伝子があるというわけ。このように、「飽きる」からこそ、人は生き方のバリエーションを増やし、生きる場所を拡げ、生存可能性を上げてきたのだそう。人の脳というのは、すばらしく上手くできているのですね。このように個々の脳に「飽きる」周期がある一方、「同時期に、同じような事象を見聞きし、味わい、触れる集団」である「大衆」と呼ばれる単位があり、「大衆」全体では個体の脳に生理的に定められた周期が自然と揃ってしまうそう。そのような人類の脳内周期の大衆運動(ブレイン・サイクル)が、社会現象を作り出し、ファッションのトレンドを生み、自動車や都市のデザインを変えるというから、何とも不思議な話です。けれども実際に、自動車のデザイントレンドを見ていくと、丸いグラマラスラインと四角いシェイプラインの流行は、28年かけて変化し、対極へ向かっていくそう。この28年をさらに詳しく見ると、7年ごとのブロックによって構成され、自動車の各部位が7年ごとの変化ブロックを4回重ねて、まったくの対極へ向かうとか。この7年という変化ブロックは、脳科学上、とても妥当な単位。認知科学では、7はマジカルナンバーと呼ばれ、脳内で何かが7回カウントされる「一順した」感を醸し出し、「7日」は太陽暦の一週間の単位であるうえ、人のからだの免疫システムが変化するのは「7年」だそう。そこで、7年おきに脳の気分が変わる=「飽きる」ということが考えられるようになったとか。この脳の生理的な癖が脳内周期の大衆運動(ブレイン・サイクル)を生み出し、ひいてはさまざまな流行を作り出すと思うと、とっても不思議な感じがしますね。このような流行のメカニズムを解き明かしたのが、脳科学者の黒川伊保子さん。黒川さんによれば、人々の脳は7年で気分を変え、それを8回繰り返すと元の感性に戻るのだとか。つまり56年前と、よく似た社会現象が起こることに。56年前、1958年前後。若き三輪明宏が巻き起こしたおねえブームが去って、スカッとした男の時代に。石原裕次郎がデビューし、長嶋茂雄が巨人軍に入団しました。ファッション界では、ハイヒール型の帽子や、大きなロブスターや肉感的な唇のアップリケのついたドレスなど、まるで今のレディガガのようなアバンギャルドな洋服を流行らせたスキャパレリ夫人の時代が終わり、シャネルが復活。あのすっきりとしたコンセプトの、伝説のシャネルスーツを発表しました。ちょうどその頃、東京タワーが完成。東京オリンピックへの準備が始まり、1958年は岩戸景気と呼ばれた好景気の年に。2014年も、あんなにTVを席巻したおねえたちが鳴りを潜め、男らしさの時代に。NHK朝の連続ドラマ「ごちそうさん」で一気に人気を博した東出昌大を見ていると、なんだか石原裕次郎を彷彿とさせませんか?レディガガの奇抜ファッションのニュースが鳴りを潜めた今日この頃。昨年にはスカイツリーが完成。時を同じくして、東京オリンピックへの準備が始まりました。今年は、消費税アップに負けず、好景気の年になることが予想されます。56年前から、今を学び、近未来を予測する。そんなふうに世の中を見つめてみれば、これまで見えなかったものが見えてきそうですね。ちなみに、ここからは、飾りを捨てる、「らしさ」の時代だそうです。盛りすぎる「つけま」化粧も、劇的に若作りをする「美魔女」も、整形美女ももうカッコ悪い。レディガガがステージでかつらを脱ぎ捨て、キャロライン・ケネディ大使の深い皺の笑顔がかっこよく見えたころから、つけまつげの売り上げが落ちたのだとか。年齢相応の、すっきりした大人の女性を目指すときかもしれません。 特集:黒川伊保子が教える、幸せを呼ぶ脳のつかい方 毎週金曜更新
2014年05月09日私たちが普段、何気なく使っている言葉。あいさつや謝り方など、発音の語感によって相手の感情は大きく左右されています。人を心地よくさせるのも、イラつかせるのも言葉の使い方次第ということ。そこで、仕事をする上で上手な語感の使い方を、脳機能論を用いた語感分析法の第一人者の黒田伊保子先生に伺いました。日本語において語感を使う場合、まずは音読み、訓読みのふたつに分けます。母音がしっかりと使われる大和言葉由来の訓読みを発する時、情の回路が刺激され、息を擦る子音を多く使う漢語由来の音読みは、理系回路に刺激されます。たとえば、仕事を終えて一緒になった人にお別れの挨拶をする場合、「今日はご一緒できて嬉しかった」という大和言葉を使うと優しいイメージがするけれど、「感謝しています。失礼します」と言うと、敬意は表するけれど、すごく距離ができる感じがします。大和言葉はとても柔らかく優しいイメージを与えるのですが、見た目も声も優しい女性が多く使いすぎるとベタベタな印象になるので注意も必要。男性中心のプロジェクトを率いる女性上司なら、「がんばろうね」より「期待してるよ」と言った方が、断然凛々しくてカッコいい。激励するときや甘えてほしくない時は漢語で、ねぎらうときは大和言葉という使い分けがベストです。ちなみに、「おつかれさま」「おはよう」などの挨拶は、基本的に大和言葉です。■「失礼しました」は失礼にあたるそれから、仕事場で謝る場合、「失礼しました」は使わないほうがいい(社長室に入るときの「失礼します」は大丈夫)。謝るときの「失礼」というのは、相手との距離を一気につける言葉で、とても失礼。上あごをこするときに空冷気のような冷たさのある「し」、上あごを息がかなりの流量で流れる「つ」、発音するときに舌の裏を冷たくする「れ」、と、冷たい子音が続いているのです。謝り言葉でいうと「すみません」か「申し訳有りません」を使いましょう。ただし、スピードが必要なときに「申し訳ございません」だと、もたもたしてる感じでイライラさせます。会議で、「資料の部数が足りない、すぐにコピーしてきて」と言われたら、「すみません」と走り出してください。人にイライラされる人は、もたつく言葉で謝ったり、しっかり謝った方がいいときに軽い言葉を使ったりと、そこがズレていることが多いでのです。日本語はいろんな音韻が用意されているので、それを間違うと周りと温度差が出てきます。■「母になる」ことが、成功への第一歩といっても、とっさの会話で、いちいち語感を意識してしゃべるのは無理ですよね。そこで、「口から出ることばを、自然に上質なオトナの女のそれに変えてしまう」コツをお教えしましょう。それは、「32歳を過ぎたら、すべての男の母になれ」ということ。男は「娘」と「母」に弱いのです。32歳までは、上司にも娘のような口を利いてもいいし、それが功を奏することもある。しかし、32歳を過ぎたら、一気に母の口を利く方が圧倒的に勝ちに行けます。たとえば部長が何か理不尽なことを言ってきたときに、「ひどい! なんでひどい事言うんですか?」と答えるのは娘役だけ。このときに、部長の母になったつもりで「どうしたんですか? 何があったんですか? 部長」と言ってください。実際、エグゼクティブになっている女性は一様にみなさん「母」になっています。「おっかさん」と言われるような人こそ、女性でトップに上り詰めているのです。トラブルが起きたときに、自分の息子が起こしたトラブルだと思えば、なじったり、せめたり、被害者になる暇がない。たとえ被害者が自分だとしても、加害者の母親の気持ちにならないといけません(戦略としてでも)。「部長がそんなこと言うなんて、よっぽど何かあったんでしょうか」という気持ちでいてあげる。潔く母になる。これがいちばん強いのです。「この人は自分が産んだ可愛い人だ」と思うと、市役所の戸籍係のおじさんがもたついていてもイラつきませんよ(微笑)。つまり、この言葉を言いなさいではなく、そういう気持ちで出てくる言葉がベストなのです。 特集:黒川伊保子が教える、幸せを呼ぶ脳のつかい方 毎週金曜更新
2014年05月02日大企業の経営者をはじめ、著名人や芸術家、一流と呼ばれる人には、じつは無邪気な人が多いということをご存じですか? その秘密は、「他人思い」の思考をもっているから。話術や戦略以前に、それは成功に繋がる道であると人工知能(AI)研究の第一人者である黒川伊保子さんは言います。■「他人思い」は人を惹き付けるパワーに「この人に幸せになってもらいたい」「この人を知りたい」と他人のことを無邪気に思っているとき、右脳と左脳の連携が良い状態に。すると、まなざしが深くなり、「この人にまた会いたい」「この人の商品を買いたい」と相手に思わせる磁力になります。悲しいことに、野心があって勉強を重ねた人ほど、数字や損得勘定を司る左脳に加重がかかり、自分のことしか考えられなくなる傾向があります。すると、世の中が思い通りに行きにくくなるのです。イギリスのオーディション番組で、素人だったスーザン・ボイルが最後の勝負に臨んだときのことです。インタビュアーに「これに勝ったらあなたはプロの歌手としてデビューできます。緊張していますか?」と聞かれたとき、彼女は「何で緊張するの? みんな私の友達じゃない」と会場に腕を拡げてそう答えました。すると、会場は割れんばかりの拍手喝采に。これこそが、無邪気さなのです。つまり、ここにいる人たちをみんな味方だと信じきれること。その無邪気な信頼が、本当に会場を味方に付けてしまいました。たとえ、わずかに敵が混じっていても気にすることはありません。要は、自分が最大限の力が発揮できることに意味があるのだから。スーザン・ボイルは、最終バトルには負けたけれど、世界中が知る歌姫になりました。私も2,000人の講演でも全く緊張しません。それは、わざわざ時間とお金を使って来てくれる人を「みんな味方」だと思う感覚があるから。私の話を聞いてつまらないと思われても全くひるみません。それは、私の失敗ではなく、自分に合わない人の講演に来たその人の失敗だから。相手に悪意を持ったり、あとから「ああ言われる、こう言われる」と思わないことが、無邪気な脳にとってすごく重要なのです。子育てをしているとき、こんなことがありました。息子が朝、お腹が痛くて遅刻したとき、これから登校するとちょうど調理実習の時間。「今から行ったら試食だけで心苦しいから行かない」と言うのに対して「あなたの分の食材も用意されていているんだから行きなさい。それで、美味しく食べて、後片付けを人の二倍やること」と言いました。それで人にとやかく言われてもいい、言いたい人には言わせてあげる。そのうち息子は、「そっか、失敗をしたときは相手のリスクを最小限にして、とやかく言いたい気持ちを吐き出させてあげればいいんだね」と理解するようになりました。悪口を言われたらどうしよう、ではなく、「色々言って向こうはスッキリするんだからいいじゃない」、と無邪気に考えていくべきなのです。とやかく言われるのが嫌で、なんとかいい子をし続けているとストレスになるし、人が無邪気に失敗するとめちゃくちゃ腹が立ってしまいます。人は、「失敗してごめんなさい」と言って、とやかく言われるくらいのほうが結局愛されるんだから気にしないことです。相手に悪意があっても信じきったほうが勝ちですから。そのうち相手も裏切れなくなってくるし、周りに味方しかいなくなる。人を信じられるから、結果「他人思い」になれるのです。 特集:黒川伊保子が教える、幸せを呼ぶ脳のつかい方 毎週金曜更新
2014年04月18日仕事でも友人関係でも、日常生活を送っているだけでイヤなことってたくさんありますよね。でも、そこでどんどんネガティブに考え、悪口を言うのは待って。ネガティブな行為によって結局自分の足を引っ張られてしまう、と脳科学者の黒川伊保子さんは言います。■ネガティブが損な理由とは?なぜ、人の悪口やマイナスなことを言ってはいけないのでしょうか。それは、人間の脳というのは自分の言動を忘れないから。人の発した言葉は大脳に来ますが、自分が発した言葉は小脳に響き、記憶に長く居座ります。「あの人、あんなこと言ってる。嫌よね」「あの人、いつもああなのよね」など、噂話をしていると、自分もいつか同じように言われると思うから、無邪気になれないのです。「いつか私も笑われる」「陰口を叩かれるかも」と、長く疑心暗鬼の種につながり、前に出られなくなってしまうのです。とくに、育児中や将来子供を産むつもりの女性は、自分の子供に人の悪口を言わないでほしいです。近所のおばさんや先生の悪口を母親がしょっちゅう言っていると、人を信じられない大人になってしまいます。昔、息子が先生に乱暴なことを言われたときに、私は「それは先生があなたに男として期待しているのね」と言いました。それは先生のためではなく、子供が将来社会に出たときに人を信じられるように言ったことなんです。信じたあげく痛い思いをしてもいいのです。「信じる」という無邪気さのほうが無敵だから。とはいえ、嫌なことだってありますよね。そうしたら、「嫌だな」は一回だけ言ってもいい。「かもしれない」とか「こう思っているに違いない」などの推測はだめ。そして、一緒に噂話に興じるのではなく、「あなた、他は潔いのにその件だけはだめよね、しっかりしなさいよ」と鼻で笑ってくれるクールビューティーな女友達に吐き出すのが理想です。悪口を増幅、ネガティブな想像の増幅をする女友達と仲良くするのは避けましょう。それから、言葉はもちろんですが、ネガティブな考えもやめましょう。同じ思考をするとその回路に電気信号が流れやすくなり、ネガティブのクセがつきます。そうすると、人のマイナス点ばかり目につくし、つい入ったお店がネガティブなお店だったりしてしまいます。「いい男がいない」といつも思っていたら、本当にいい男は周りに来ません。また、仕事のシーンやゴルフなどでミスをしたら、ずっとそのことばかり考えているのはダメ。それを思い出した瞬間に、失敗した回路に電気信号が上書きされ、流せば流すほどそこの回路が太くなり、そのミスにとらわれてしまいます。失敗したことの分析は一回だけにして、あとは成功イメージだけを思うのがポイントです。最初は、ポジティブに考えることが難しいかもしれないけれど、これもエクササイズ。嘘でもいいからそういう思考にすると、心にクセがつくから大丈夫。脳が悪い記憶を消すまで要する時間は49日。1週間でも効果を感じられますが、最低でも49日は試してみてください。すると、気持ちがピュアになるだけでなく、いい出会いやいいことが起こるようになるはずです。 特集:黒川伊保子が教える、幸せを呼ぶ脳のつかい方 毎週金曜更新
2014年04月11日様々なアイディアを生み出し、商品の売上にも直結する女性の「直感力」。企業の発展に欠かせない女性ならではの才能だけれど、伝え方によっては男性上司や取引先には理解されにくく、意見を聞き入れてもらえないことも。そこで、脳科学者の黒川伊保子さんが、そんな直感力を活かして、上手に伝えるテクニックを伝授してくれました。「直感力」とは、潜在意識の領域で感じた事を顕在意識で伝えてくる力。女性は右脳と左脳の連携力が強く、直感力に優れています。反対に、男性はその連携力が弱いため、空間認識力を使って物事の形を見抜く「直観力」は働きますが、直感力は弱い。女性の場合、会議室で商品開発をするときに、商品の将来の想定ユーザーの生活の様々なシーンを自分のカラダで起こったように想像できます。たとえば、シャンプーを商品棚でみたとき、濃いピンクが目に飛び込んで来たときのトキメキ、手に取ったときの丸み、匂い、無くなって買いに行くときにそのネーミングを脳で振り返った時にどんな感じか…、それを自分の身に起こったように思いつくのです。「このコンセプトはこれしかないよね」、というのが必ず降りてくる。ひとりの女性が心の底から強く思ったことに、ふたりの女性が「あるある、わかる」と同意したら、それは普遍の真理に近い。私は男性の最終決定権を持つ人には、「3人の女性が魂で感じたことは、300万人の女性に聞いても同じこと。女性プランナー3人が口を揃えて主張したらGOを出せ」と言っています。ところが男性は責務のもとに動いているときに、直感力の要である脳の横の電気信号がほとんど働かない。理論は理論だけで、体感したこと、触ったときの感じをありありと想像することが会議室ではムリなのです。彼らは複数の方向性の違う提案をもらって、それに対する位置関係で見てしかジャッジできない。そんな男性たちに意見を通したいなら、直感力だけでものを言わないことが大事です。A案ひとつだけだと、思いこみが激しいと思われるだけ。これしかないイチオシがあっても、バカみたいと思っても、見せ提案を3個以上つけるのがコツ。さらに、相対数値をつけて表にしたり、グラフにしたりすると、男性は安心して聞き入れてくれます。■男性へのお願いは、理詰めが効く!家庭で夫に家事を手伝ってもらうときも同じ。漠然と「私も働いてるんだから、半分やってよ」と言っても、そもそも「何が半分か」もわからない男性脳には愚痴にしか聞こえません。家事をリストにして、分担チェックを入れて渡すと、何をやってもらいたいか、それが全体のどこに位置するのかわかって、男性脳の使命感を喚起できます。例えば、ゴミ捨てひとつとっても、(1)ゴミ袋を切らさないようにキープする、(2)分別ごみ種類別に捨て場所を決めてそれぞれの容器を用意し、それを清潔に保つ、(3)ゴミ出しの日を把握し、ゴミだしのアクションを起こす、(4 )ゴミを集める、(5)ゴミ袋を閉じ、手持ちの場所を拭く、(6)ごみを捨てる、という6工程は最低あるわけです。それを見せて「あなたはこの最終工程をお願いね」とチェックを入れると、ゴミ出しの大変さ、自分のタスクの位置づけがわかり、「せめてこれだけはしっかりやってあげよう」と思ってくれたりします。また、直感力の強い女性が気をつけたいのが「イヤ」だと思ったことを顔に出さないこと。例えば、金曜日になって、男性上司に、土日の出勤を余儀なくされるような作業を依頼されたとします。「月曜日の10時までに、この報告書をまとめておいて」(今、金曜の5時だよぉ、少なくとも4時間はかかるのに)というようなケースですね。そんなとき、「なかなか会えないカレと、久々のデートなのに」「子供の運動会なのにひどい」、という気持ちが顔に出るのが、女性の弱点。でも、仕事のシーンでそれを出したら負け!顔色を変えずに、この仕事に土日に出る価値がどのくらいあるか、というのを、「これがどれだけ重要か教えていただけますか?」と説明してもらいます。その上で、「月曜日、早出をして正午までに仕上げます」と被害者顔せずさらりと伝えましょう。要は「伝え方」。男性脳を理解し、ちょっとしたテクニックを覚えておくだけで、心地よく仕事をすることができますよ。 特集:黒川伊保子が教える、幸せを呼ぶ脳のつかい方 毎週金曜更新
2014年04月04日20代後半から30代。仕事も軌道に乗ってきて、ある程度自信もある。その分、責任が重くのしかかったり、イヤな上司にイライラし、要領のいい同僚に嫉妬もしたりして…、ストレスも半端なく溜まっている。そんな働く女性たちに対して、脳科学者の黒川伊保子先生が提案するのが「無邪気な脳」のススメ。「無邪気というのは、好奇心と素直さ。損得勘定なしに、他人の気持ちを自分の気持ちのように思えることです。それができると、右脳と左脳の連携が良くなり、まなざしが深くなる。すなわち相手にもそれが伝わり、会う人会う人を夢中にさせ、話術や戦略よりも強い力を持ちます。ただし、今の40代以下の女性は「本当の無邪気さ」を押し殺して生きている女性が多いのです。現代のように女性活躍が期待されている社会では、ことさら「女性ならでは」の発想や振る舞いを喜ばれる傾向にあります。別に自分が好きでもないのに「ふわふわピンク」を使わざるを得なくなったり、「女性に優しいサービス」を提案しなければならなかったりする。たとえば、車に化粧直しミラーなんかつけちゃったりすると、男性たちは「やっぱり女性目線じゃないと」と感心したりして、「女性活用」の初期モデルができあがってしまったからです。そのため、男性たちが期待する「女性ならでは」に応えざるを得ない立場に追い詰められている若い女性たちを、私は何百人も見てきました。彼女たちは、けっして幸せそうには見えません。でも、よかれと思って、好意で期待していることなので、男性側には罪の意識はいっさいありません。女性の側が、バカバカしい「女性ならでは」を脱ぎ捨てなければならないのに、若い女性には、その気づきもない。それはね、母親の期待に答えようとするクセがついているから。大人になっても、社会の期待通り「いい子ちゃん」になろうとしすぎていて、それが無邪気さの邪魔をしているのです。そして、自分の本当の気持ちさえも分からなくなり、それが、ストレスとして蓄積されている。危険なのは、ストレスが溜まると脳の使い慣れている回路だけを漫然と使うようになるので、思い込みが激しくなったり、過去の呪縛にとらわれやすくなること。すると、自分が知っている以前起きた事象でしか物事を判断することができないので、新しい視野で考えが浮かばなくなります。頭が良くて美人や、器用な人ほど抜け出せないのですが、まずは自分の中にある不快、嫌という違和感を自覚しましょう。「それ、違うと思います」とハッキリ言えることが無邪気さなのです。それから自尊心を立てるのも大切なこと。自尊心というのは、周りにどう言われようと、どう思われようと自分の信念を守ることです。世界中でミニスカートがブームになり始めたころ、ココ・シャネルは頑と「大人の女性は膝を見せないのがエレガント」と、膝下丈のスカートを提唱してきました。1959年、テレビのインタビューで彼女はこう答えています。「膝? あんなものを見せるなんて、気がしれない。大人の膝は汚いわ。誰もが19歳でいられるわけじゃない。けれど、本当のエレガンスは40過ぎてからわかるもの。私は、本当のエレガンスがわかる大人の女性のために闘い、守るの」と。時代遅れと言われようと、シャネルは生涯膝下丈を守り抜き、ノーカラージャケット&ひざ下丈タイトスカートのシャネルスーツは、その後世界中でブームになりました。1963年、ダラスのあの事件のとき、ケネディ大統領夫人ジャクリーヌさんが着ていたのも膝丈のシャネルスーツでした。シャネルにはゆるがぬ自尊心があったのですが、その自尊心は「これは不快、許せない」という明確なセンスがあったからこそ生まれました。自尊心を立てるには、自分が不快に思う事がきちんと見えていなければなりません。いい子ちゃん症候群を抜け出し、自分にしか出来ない仕事を確立するには、まずは「これは不快」を自覚すること。そこから始めてみてください。最後に、「相手が自分の言う事を聞いてくれない」という多くの女性が感じるストレスについてアドバイスを。あるセミナーで、上司との関係に悩む女性がいました。「私は経理部に書類を持って行く担当なのですが、17日に提出しなければいけない書類を、部長は19日にしか持ってこない。私のことを軽んじています。こんな会社、辞めたいんです」それは、部長が経理部のデッドポイントが23日だと知っているからかもしれません。だから、遅く提出するのかもしれないけれど、彼女の事前のアラームについて彼はありがたがっているはずなのです。自分がないがしろにされていると思い込むのは女性の悪いクセ。本当は部長から「いつも事前に知らせてくれてありがとう」と言うべきですが、忙しい上司に感謝の言葉や言い訳を期待してもムダ。彼女は彼女の役割をきちんと果たしているのだから、それでいいんです。余計なストレスを貯めないためには、人に言うことを聞かせようとしたり、自分も人の思い通りに動くことをやめることなのです。 特集:黒川伊保子が教える、幸せを呼ぶ脳のつかい方 毎週金曜更新
2014年03月28日仕事をする上で人とのコミュニケーションはとっても大切。でも、全く悪意はないのになぜか相手の機嫌を損ねたり、うまく自分の気持ちが伝わらなかったりすることはありませんか。それは、使った言葉の「語感」に秘密があるのかもしれません。人工知能(AI)の開発にたずさわり、脳機能論を用いた語感分析法の第一人者の黒田伊保子先生によると、ことばには、意味を超えて、ヒトの意識をある方向に導く力があるそうです。その正体は、発音体感。発音時の口腔周辺の運動によって感じる発音体感は、生まれて初めてことばを口にした瞬間から、常にことばと共にあるもの。そして、他者の声を聴いても文字を目で読んでも、発音したときと同じ体感を想起するので、この効果は生まれるとか。実際にどんな風な効果が生まれ、どう活用するのがいいか、黒川先生の著書 『人は語感でいい・悪いを決める』 から、具体的な例を見てみましょう。■「いつも」を使うと親密度がアップするビジネスでよく使う「お世話になっております」という言葉。これに「いつも」を付けて、「いつもお世話になっております」とするだけで、親密感がます感じがしませんか。「イツモ」の語感は、まず先頭の「イ」がひとつの方向にいち早くわき目もふらずに突き進む印象をつくり、「ツ」が強い意志で内面にためてきた何かを連想させ、「モ」は中身が密でたっぷりした様子や、多すぎな感じ、いっぱいな感じを表しています。これらを合わせると「いつも」はずっと溜めこんだものが一直線にその人に向かってついでてしまったような語感になるのです。相手に対してずっと見ていた、気にかけていたという印象が伝わるので、親密度がまして感じられるのです。■「申し訳ありません」「すみません」「ごめんなさい」は語感で使い分けるビジネスシーンでは「申し訳ありません」と謝るのが一般的ですよね。けれども、例えばすぐに何か対応しなければならないようなときは、「申し訳ありません」と謝ると、行動が遅いように感じられてマイナスな印象を与えてしまいます。一方、「すみません」であれば、速さを感じさせられるのでOK。このように同じ謝罪でも、ことばの選び方次第で(その語感のために)、上司をさらに不機嫌にさせるようなことが防げるかもしれません。ちなみに、「ごめんなさい」はプライベート感を彷彿させてしまうので、クライアントや目上のヒトには使わないのがよさそうです。言葉を発するときに「語感」を意識して選ぶことはあまりないかもしれません。けれども、言葉に込められた「語感」が持つパワーに、気づかないところで影響を受け、影響を与えている可能性は高そうです。もっと詳しく知りたい方は、 『人は語感でいい・悪いを決める』 を読んでみては? ビジネスシーンではもちろん、プライベートでも役に立つ具体的な例がたくさん載っています。名前の「語感」についても詳しく紹介されているので、自分の名前や彼氏など身近な人の名前がどんな印象を与えているか知ってみるのもおもしろそうです。 特集:黒川伊保子が教える、幸せを呼ぶ脳のつかい方 毎週金曜更新
2014年03月21日