九州大学はこのほど、マウスをモデル動物として妊娠前糖尿病が胎児に先天性心疾患を引き起こすメカニズムを解明したと発表した。同成果は同大学大学院医学研究院の目野主税 教授、蜂須賀正紘 医師らの研究グループによるもので、9月8日に「米国科学アカデミー紀要」に掲載された。これまでの研究から、妊娠前糖尿病が胎児・新生児に対し、臓器形態の左右非対称性の異常である内蔵錯位を伴う先天性心疾患の発症リスクを増大させることが知られている。臓器の左右非対称性は、胚発生初期に形成される左右軸によって確立されることから、今回の研究ではマウス糖尿病モデルおよび全胚培養によって糖尿病が左右軸・心臓形成に与える影響を解析した。解析の結果、糖尿病雌マウスでは、最初の左右非対象形態形成である心臓ルーピングなどの左右性が逆転した胚が出現し、臓器の左右情報に関わるPitx2という遺伝子の胚左側の発現が消失していた。Pitx2発現消失は、左側臓器形態の右側化および先天性心疾患につながることが知られている。さらに、左右軸異常に至るメカニズムを解析するため、グルコースを高濃度に添加した培養液で高血糖状態のマウス胚を発生させた結果、この高グルコース胚では、左右軸情報が生み出されるノードという構造におけるNodalという遺伝子の活性が激減していた。NodalはPitx2を誘導する遺伝子であるため、その活性が抑制されることが、左右軸形成異常に至る原因であることがわかった。また、Nodalなどの発現を誘導するNotchシグナルも抑制されていたことから、高グルコースは左右軸形成期のNotchシグナルを抑制し、これが妊娠前糖尿病における先天性心疾患を伴う内蔵錯位発症の一因になっている可能性があると考えられるという。同研究グループは「本研究から、ヒトにおいても血糖値の逸脱が一過的であっても先天性心疾患が発生する可能性が示唆されます。また、妊娠前糖尿病では様々な種類の先天異常の発症リスクが高まることが知られていますが、その原因の多くは不明のままです。本研究の知見が、他の局面における高血糖の作用を解明する糸口となり、妊娠前糖尿病における先天異常の予防につながることが期待されます」とコメントしている。
2015年09月14日イギリスでは、糖尿病患者が増えているそうです。肥満が原因となる糖尿病の場合、毎日の食生活で予防することができます。でも「健康な食事」といわれても、なかなかピンときませんよね。そこで参考にしたいのが、栄養士のケリー・マッケイブさんが考案した1日2,000kcalの平日5日分のメニューが紹介されている『The Guardian』の記事。このメニューを見ると、2,000kcalの食事がどれくらいの量で、なにが食べられるのかが具体的にわかります。2,000kcalというと「物足りないかな?」と思いますが、満足感もありそうなメニューばかり。栄養たっぷりで、お手軽なものも多いです。「多めにつくって翌日も食べる」など、実践的なアドバイスも盛り込まれています。おいしく健康に、糖尿病を予防しちゃいましょう!■1:月曜日朝食はベリーとナッツを入れたヨーグルト。ヨーグルトは100グラムくらいで、ミックスベリーをひとつかみ、ナッツはお好みで入れます。昼食はスモークサーモン、低脂肪のクリームチーズ、ほうれん草のサンドイッチ。パンは大豆とアマニのパンで、チェリートマトもひとつかみつけます。夕食はサツマイモとほうれん草、レンズ豆を煮込んだカレーです。多めにつくっておけば、翌日のランチにも食べられます。■2:火曜日朝食はバナナがゆ。オーツとスキムミルク、スライスしたバナナとブラジルナッツでつくります。昼食は前日の残りのカレーです。夕食はサーモンのパルマハム巻き。アスパラとペストソース、クレームフレーシュ、ジャガイモを添えます。■3:水曜日朝食は大豆とアマニのパンの上に、スクランブルエッグ、スモークサーモン、そしてアボカドを乗せます。昼食はお惣菜のトマトスープを買いましょう。ひとつかみのレンズ豆か、ささげ、そしてほうれん草を足します。栄養価がぐっとアップしますよ。夕食はチャーハンです。鶏モモ肉と大きめのエビ、卵を入れます。翌日の昼食用に2人前つくっておきましょう。■4:木曜日朝食は穀物やドライフルーツたっぷりのシリアル。リンゴジュースとヨーグルトを足してさっぱり仕上げます。昼食は前日のチャーハンをお弁当に持って行きましょう。夕食は野菜たっぷりのイタリア風オムレツ。玉ねぎとチェリートマト、ほうれん草、バジル、リコッタを卵に混ぜ込んで焼きます。卵6個で多めにつくっておけば、翌日も食べられます。ほうれん草とロケットのサラダも添えて栄養価を上げます。■5:金曜日朝食は月曜日と同じ、ベリーとナッツのヨーグルト。昼食は前日のオムレツとサラダです。夕食は淡水魚のティラピアをスパイシーに焼き上げます。つけ合わせにはインゲン豆とサツマイモをつぶしたものを添えましょう。*2,000kcalでもおいしそうな料理がたくさん。売っているお惣菜でも、少し野菜を加えるだけでぐっと栄養豊富になります。この通りにつくるのは難しくても、使えるメニューを1品からでも毎日の食事に取り入れて、健康な食事を始めましょう。(文/スケルトンワークス)【参考】※The anti-diabetes diet: a 2,000 calorie-a-day food planner-the guardian
2015年09月13日シャトレーゼは9月11日、「くるみぐるみりんご~胡桃(くるみ)あんのパイ~」(税込129円)を全国で発売する。同商品は、フランス・ブルターニュ産の発酵バターをたっぷり使用した焼き菓子。中には、香ばしくローストしたくるみと、りんごのダイス、りんごジャムを炊いた自家製あんを閉じ込めている。
2015年09月04日マキノ出版はこのほど、新刊『糖尿病は歯ブラシで治せる』を刊行した。糖尿病は、予備軍も含めると日本国内の成人6人に1人にあたる2,050万人もいると推定されている。糖尿病対策は、食事療法と運動療法が2本柱であったが、長続きせずに挫折する人が多かった。同書での著者は、全国の実証実験において、歯周病と糖尿病の相関関係に着目。以来、研究を重ね、「オーラルケアを徹底すると糖尿病が改善する」という結論を導きだした。同書では内科医と歯科医師による画期的なセルフケアを紹介している。同書では、歯の汚れが血糖値を上げる要因であるという点から、「歯周病‐脂肪肝‐糖尿病」の負のスパイラル、血糖値とプラークをコントロールするための食事と運動について解説。歯周病のセルフケアとして正しいブラッシングの方法、歯磨き剤の選び方、補助アイテムの使い方などをわかりやすく紹介している。価格は1,404円(税込)。
2015年08月26日イトウ製菓は8月24日、「りんごとさつまいものタルト」(税別200円)を全国で発売する。同商品は、さつまいも風味の生地に、焼きりんごをイメージした甘酸っぱいりんごジャムを絞ったタルト。生地を焼いてからジャムを絞る「アフターデポ製法」を用いることで、しっとりとした食感を楽しめるとのこと。
2015年08月20日和コスメで好評の【舞妓はん】1つで2役の『練紅』発売!常盤薬品工業株式会社は化粧品ブランドの【舞妓はん】から、クリーム風のリップ&チーク『練紅』を9月8日に限定で売り出す。販売は国内にあるバラエティショップなどを中心として買い求めることができる。アイテムカラーは全3色で、頬と唇の両方に使用できる“1つで2役”の便利性にすぐれた、クリームタイプのリップ&チークだ。パッケージは和風のモデル女性により消費者がアイテム使用後の頬と唇の仕上がりをイメージしやすく、容器はブラックを基調とする落ちついた印象のデザインだ。舞妓はんは2004年にスタートして以来、本格的な和の化粧品として好評で日本伝統の心と化粧技術の両方を大事にし、今風の女性も同調できる質感やリアリティを調和させたブランド“MAIKOHAN”としてリニューアルした。日本女性の肌にマッチする3カラーチーク&リップ「練紅」には、血色感のある肌へと導く【いちご色】や、ナチュラルでピュアなピンクカラーの【もも色】、さらにキュートなコーラルピンク使用の【さんご色】あわせて3カラーが用意されている。指でチークを軽くぼかすだけで、美しい発色の頬や唇に仕上げてくれる。またベタつかないので重ね塗りもナチュラルで、さらにシアバターや桜の花エキスなどの美容成分が調合されているので、うるおいたっぷりの頬や唇をキープしてくれる。(画像はプレスリリースより)【参考】・ノエビアグループ 常盤薬品工業株式会社 (アットプレスニュース)・舞妓はん
2015年08月10日サンスターはこのほど、同社が運営する「糖尿病とうまくつきあう」サイトにおいて募集していた「第3回 糖尿病川柳」の入賞作品を発表した。「糖尿病とうまくつきあう」は、糖尿病患者とその家族を支援することを目的に2012年に同社がオープンしたサイト。同サイトでは、6月2日~30日まで糖尿病に関わる川柳を募集していた。投稿テーマは糖尿病と関連していれば何でもありの「糖尿病×○」、糖尿病管理と食事についての川柳「糖尿病×食事」、糖尿病管理と運動についての川柳「糖尿病×運動」、糖尿病と関係している口腔(こうくう)の健康についての「糖尿病×口腔ケア」で、期間中は約430作品の応募があったという。その中から各投稿テーマにつき1点、「ザ・ベスト川柳賞」を選出した。「糖尿病×○」川柳で選ばれたのは、「減らないで 預金年金 インスリン」(韓流スターさん)。「糖尿病×食事」川柳で選出された作品は「ダメダメと 言われて増える 爆食いよ」(もりこさん)。「糖尿病×運動」のテーマでは、「ランニング コーチの妻は 肥満体」(かる太さん)が選ばれた。「糖尿病×口腔ケア」川柳で選出されたのは、「腹回り 歯周り注意 糖尿病」(八十日目さん)。そのほか、同社が発行している糖尿病管理手帳「WITH NOTE」の2016年度版に掲載する川柳として「WITH NOTE賞」受賞作品も選出した。同賞の作品は、「インスリン 打ってヒーロー 草野球」(モークンさん)、「断捨離で 甘い美味しい 断ち切るぞ」(ねこまるさん)、など50句。また、食事・運動・口腔ケアの各テーマから、抽選で「ありがとう賞」も選出。「おっかない 妖怪並みの 血糖値」(ナフナさん)、「ダイエット 説いてる妻は ビール腹」(nobuさん)、「ウォーキング 減らない体重 減るやる気」(さぼさん)など。このほかの川柳や入賞者の声は、「第3回 糖尿病川柳 ~糖尿病 川柳祭りで 楽しもう~ まとめページ」で紹介している。
2015年08月03日バイエル薬品はこのほど、メディア向けのセミナー「加齢黄斑変性の最新情報 ~子・孫世代(20代~40代)の親や祖父母の目の健康に関する意識調査結果とともに~」を開催。東京女子医科大学 眼科学教室の教授・飯田知弘氏が、50代以上で年々増加している目の病気「加齢黄斑変性」に関する最新情報について講演した。○加齢黄斑変性とは「黄斑」とは、眼球の視力・色覚の機能において一番よい場所のことで、視界の中心部分はこの場所で見ている。「加齢黄斑変性」は、この黄斑と呼ばれる部分が加齢によって異常をきたし、視界がゆがんたり、視界の中心が見えなくなったりしてしまう疾患のことで、近年、50代以上の世代で年々増加傾向にある。最新の学会報告によれば、50代以上の約60人に1人の割合で疾患が見られるという。発症の要因としては加齢や酸化ストレス、喫煙、虚血、動脈硬化、高血圧、遺伝的な要因など複数挙げられる。飯田教授は「遺伝だけなど、ひとつの要因で発症するものではない。これらの要因が複数重なった場合に発症すると考えられています」と、複合的な要因で発症につながると話す。発症の自己チェック方法として、「アムスラーチャート」がある。格子状の表を目から30センチ離して、片目ずつ中央の黒い点を見つめるという方法で、老眼鏡やコンタクトレンズをしたままでチェックする。「格子がゆがむ」「中心が見えない」「真ん中が欠ける」といった形に見える場合は、加齢黄斑変性が疑われる。○加齢黄斑変性の最新治療法は?加齢黄斑変性にはいくつかのタイプがあるが、日本人に多いのは「滲出(しんしゅつ)型」で、全体の90%を占める。網膜に浮腫(ふしゅ)や出血を起こして急激に視力が低下してしまい、失明してしまう人の大半がこのタイプだという。この滲出型の中でもアジア人の男性に多いといわれるのは、「ポリープ状脈絡膜血管症」(PCV)という特殊型の疾患タイプ。このPCVはいわば「目の動脈瘤(りゅう)」で、初期は視力が保たれているため発症に気付きにくいが、出血リスクが高い。診断にはインドシアニングリーン蛍光造影法が有用だが、この診断ができる施設でしか確定診断ができず、医療機関でもまだ十分に知られていないケースがあるとされている。だが近年、加齢黄斑変性は治療法が大きく進歩してきており、「抗VEGF薬」の投与で視力の改善・維持が可能となっている。デンマークでは、この抗VEGF薬の登場で人口10万人あたりの失明者が52.2人から25.7人に減少している。この抗VEGF薬には、計画的な治療法「プロアクティブ投与」という投与方法が採用されている。病態の悪化があった場合に事後的に投与するのではなく、病態の悪化を避けるために事前に計画した適切な間隔で投与する方法だ。それをさらに、患者の状態に合わせて投薬のタイミングを変える個別化治療「トリート&エクステンド」という方法が効果的とされている。飯田教授は、「加齢黄斑変性の治療は悪くなってからではなく、わずかでも疾患が認められれば治療を開始でき、進行を抑えられる」と解説。継続的な治療を続けることで滲出の再発を予防し、視力の低下を防げるのだ。○目の違和感を「老化」で片付けない加齢黄斑変性は近年になって患者数が増えており、昨年の調査では日本における視覚障害原因の第4位(10.2%)となっている。しかし、9割前後が認知している白内障や緑内障などに比べ、加齢黄斑変性の認知率は約5割と低い。見えづらさが、疾病から由来すると考える人も少ないようだ。例えば、自分の親が新聞を広げて「最近文字が見えづらくて……」などと話した際、「まぁ、もう年だからしょうがないよ」という具合に返答した経験はないだろうか。実際に意識調査でも、親や祖父母が目が悪くなった場合に「病気を疑う」と回答したのは13.4%にすぎなかったという。だが、加齢黄斑変性は進行すると日常生活への影響が大きい。文字が読めず、見えないので調理や外出も危険が伴い、家族のサポートが必要になる可能性も高い。もし、親や祖父母が目の違和感を訴えた場合には、「老化だから」と片付けずにきちんと病院で診断を受けさせることが最善だ。加齢黄斑変性は、早期に治療を開始すれば進行の悪化を防ぐことのできる病気。「病気についての認知を高めることで、病気に早く気付き視力を保つことができる。今後も多くの人に加齢黄斑変性を知ってほしい」と、飯田教授は話す。発病のコア世代である50代だけでなく、子や孫世代も病気に関する認知を高め、目の健康を長く維持できるように心がけたい。
2015年07月30日東京医科歯科大学は7月14日、アルツハイマー病における飢餓状態は病態に悪影響を与える可能性があると発表した。同成果は東京医科歯科大学・難治疾患研究所/脳統合機能研究センター・神経病理学分野の岡澤均 教授の研究グループによるもので、7月14日付の国際科学誌「Scientific Reports」に掲載される。アルツハイマー病をはじめとする神経変性疾患は、細胞の内外に異常タンパク質が蓄積することが特徴として挙げられる。この異常タンパク質を除去する細胞機構の1つとして、細胞の自食機能であるオートファジーがある。オートファジーには、常に働いている基礎的オートファジーと、カロリー制限などで活性化する誘導性オートファジーの2種類があることが知られている。後者については、脳内においては存在が認められないとする報告がある一方、カロリー制限などによる誘導性オートファジーが異常タンパク質の凝集を除き、症状を改善するとの報告もあり、神経細胞における誘導性オートファジーの有無は決着がついていなかった。同研究では、神経細胞における誘導性オートファジーの有無を明らかにするため、生きた脳の中の神経細胞におけるオートファジーを観察する技術を開発。マウスの脳内を観察した結果、飢餓誘導性オートファジーが存在することを確認した。次に、オートファジーが病態を抑制するのか、進行させるのかという問題を検討した結果、アルツハイマー病態では飢餓による誘導性オートファジーが亢進しているものの、細胞外から取り込んだベータアミロイドというタンパク質を分解処理できず、アルツハイマー病で侵されやすい脳内部位でベータアミロイドを溜め込むことがわかった。これにより、カロリー制限によってオートファジーを過度に活性化することが、アルツハイマー病態を悪化させるリスクとなることが示唆された。同研究グループは今回の研究成果について「食習慣を通じた認知症予防・治療を進める際に重要なポイントと考えられる」とコメントしており、同成果をもとにしたアルツハイマー病の病態理解と新規治療法開発への応用が期待される。
2015年07月14日少し前に、猫ひっかき病で米国の女性が失明したというニュースが波紋を広げていました。猫ひっかき病とは、猫だけでなく人間にも感染する病気(人獣共通感染症)です。猫ひっかき病という名前ですがひっかくだけでなく噛まれても感染することがあります。眼症状は猫ひっかき病の一般的な症状ではありませんが、脈絡網膜炎を起こすことがまれに報告されています。このケースでは、「猫が自分の眼をなめた」と女性は話しています。猫ひっかき病の原因菌(バルトネラ・ヘンセラ)に限らず、眼に細菌やウィルスが感染した場合、失明することは起こり得ます。不衛生なものが入ったときはしっかり洗眼し、眼科医に相談した方が良いでしょう。猫ひっかき病は、ちょっとかわいらしい(?)名前の病気ですが、重症例では脳炎や数週間痛みが続くこともあるので気をつけなくてはいけません。猫ひっかき病の症状、感染ルートや危険性について解説していきましょう。○原因はバルトネラ・ヘンセラという細菌バルトネラ・ヘンセラ(Bartonella henselae)という細菌が原因菌です。猫自身はこの細菌に感染していてもほとんど症状を呈さないので、感染しているか否かは抗体検査や遺伝子検査をしてみないとわかりません。日本の報告では7.2%の猫が猫ひっかき病に感染していたという報告があり、外出する猫や3歳以下の若い猫で感染率が高いことがわかっています。この菌は猫の体内では赤血球の中に潜んでおり、感染猫の血液を吸ったノミによって、または喧嘩により猫から猫へ感染が広がります。○人間への感染ルート感染している猫にひっかかれる、咬まれることにより感染します。ノミの糞に含まれる細菌が猫の牙や爪につくのではないかと考えられています。そのため、創部を舐められることでも感染する可能性はあるでしょう。○症状上記の通り、猫は殆ど症状を示しませんが、発熱、食欲不振、傾眠などがみられることがあります。人間の症状の場合は、猫による受傷後3~10日目に虫刺されのように赤く腫れ、その後リンパ節が大きく腫れてくるのが典型的です。猫にひっかかれた直後に傷に沿って赤く腫れるのは物理的な刺激に対する炎症反応であり、猫ひっかき病の特徴ではありません。腕をひっかかれた場合はけい部、腋窩(えきか・わきの下)のリンパ節が腫れ、足の場合は鼠径部(そけいぶ・太もものつけね辺り)が腫れます。全身症状としては、発熱、悪寒、けん怠、食欲不振、頭痛など。その他の症状では、リンパ節炎を発症した後に脳炎、心内膜炎などに進行することもあります。多くの場合は自然に治癒しますが、重症例では数週間症状が続くこともあります。○まとめこの病気の特徴から、多くの猫と接触する仕事(シェルター、動物病院)で感染リスクが高いです。この細菌の抗体を持っている率が一般的な人では4.5%だったのに対し獣医師は11.0~15.0%であったというデータがあります。この細菌に対するワクチンはなく、ノミ予防の徹底、爪切り、猫を触った後は手を洗う、警戒心が強い猫に近づかないなどの基本的な対策が感染予防になります。免疫力が低い子供や高齢の方は特に気をつけましょう。■著者プロフィール山本宗伸獣医師。Syu Syu CAT Clinicで副院長を務め、現在マンハッタン猫専門病院で研修中。2016年春、猫の病院 Tokyo Cat Specialistsを開院予定。猫に関する謎を掘り下げるブログnekopediaも時々更新。
2015年07月14日東京都福祉保健局は6月25日、東京都内で「リンゴ病」とも呼ばれる伝染性紅斑が都の警報基準を超えて流行していることを明らかにし、小児を持つ家庭などに向けて注意喚起をした。同局によると、「ヒトパルボウイルスB19」を原因とする感染症の伝染性紅斑は、患者の約7割が6歳以下の小児だが、成人での発症例もあるという。症状は両ほほに赤い発疹が、体や手足に網目状の発疹が生じる。発疹が出現する7~10日前には微熱など軽度の風邪のような症状が見られることもあり、この時期にウイルスの排出量が最多となる。発疹ができるころには自然と抗体ができ始めていて、1週間程度で消失するケースが多いとされている。福祉保健局によると、伝染性紅斑は年ごとにその発生頻度に差がある疾患だが、昨秋より過去5年間の平均を大きく上回る状況が続いているという。6月15日から6月21日(第25週)の期間中は、都内264カ所の小児科定点医療機関から報告された定点当たり患者報告数(都内全体)が、1.27人/週となった。また、保健所別の患者報告数が「警報レベル」(伝染性紅斑の場合、保健所単位で定点あたり2.0人/週を超えた警報開始から、1.0人/週を下回った警報終息までの間の状態)となったのは31保健所中8保健所まで増加。警報レベル状態にある保健所の管内人口の合計が東京都全体の人口の30%を超えた(33.3%)ため、東京都として警報を出した。伝染性紅斑は飛沫(ひまつ)・接触感染で、患者のせきやくしゃみなどを介して感染する。そのため、手洗いやうがいなどの予防対策が重要となり、同局は「家庭での手洗いの習慣づけや保育所、幼稚園、学校などでの感染予防の指導にご協力をお願いします」と協力を呼びかけている。今回の東京都の警報発令を受けて、インターネット上では「今度は上のお姉ちゃんがりんご病」「保育園でりんご病流行ってきてた」「友達の子もなってた」など、流行を不安視する声があがっている(コメントは原文)。
2015年06月26日慶應義塾大学(慶大)は6月16日、北里大学との共同研究で、遺伝性パーキンソン病患者由来のiPS細胞を樹立し、分化誘導した神経細胞を用いてパーキンソン病患者の脳内における病態を解明したと発表した。同成果は慶大学医学部生理学教室の岡野栄之 教授、北里大学医療衛生学部再生医療・細胞デザイン研究施設細胞デザイン研究開発センターの太田悦朗 講師(慶應義塾大学医学部共同研究員)、小幡文弥 教授らの研究グループによるもので、6月8日(現地時間)に医学誌「Human Molecular Genetics」に掲載された。同研究グループは全患者の10%を占める遺伝性パーキンソン病患者の発症メカニズム解明を目的に、原因遺伝子LRRK2に変異を有する優性遺伝性パーキンソン病家系内の患者2名からiPS細胞を樹立し、これらのiPS細胞から神経細胞のもととなる神経幹細胞を作製後、分化誘導した神経細胞について機能解析を行った。LRRK2に変異を持つ患者は、全患者の90%を占める孤発性パーキンソン病と臨床症状や発症年齢、治療薬に対する反応など似た特徴を示すことがわかっている。解析の結果、iPS細胞から誘導した患者の神経細胞群では、健常者の神経細胞群に比べ、酸化ストレスに対する脆弱性があったほか、ドーパミンの放出異常あること、細胞内のAKT/GSK-3βシグナル伝達経路の異常によってリン酸化タウが増加することも明らかとなった。また、iPS細胞を樹立したうちの1名の患者の死後脳を調べたところ、GSK-3β活性化によるリン酸化タウの増加、そしてそれが脳内に沈着して引き起こされる神経原線維変化が確認された。同研究グループは「今後、この患者由来のiPS 細胞を用いることで遺伝性だけでなく孤発性も含めたパーキンソン病の病態解明や治療のための新薬開発が期待される」とコメントしている。
2015年06月17日大阪市立大学の研究グループが、睡眠障害と糖尿病の関係性に関する新たな事実を発表しました。それによると、不眠の治療が心筋梗塞や脳梗塞の予防につながるかもしれません。この研究は、米オンライン科学誌プロスワンに発表されたもの。その研究内容についてご紹介します。睡眠障害と糖尿病今年4月に大阪市立大学医学研究科のグループは、「糖尿病によって血糖値をコントロールできなくなると、睡眠障害が起こることを脳波計による実験で立証した」と発表しました。以前から、睡眠障害を患っている人は糖尿病を抱えていたり、将来的に高確率で糖尿病を発症するということはわかっていたそうです。糖尿病患者には、健常者に比べて約2倍の不眠が見られると言われています。これは肥満による睡眠時無呼吸症候群を除いた数字で、これまでいろいろな原因が指摘されてきました。過去の研究では、睡眠障害と糖尿病の関連が示唆されていたものの、糖尿病による血糖コントロールと睡眠障害の直接の関与は明らかにされていませんでした。血糖コントロールとは?大阪市立大学の研究グループが、糖尿病の血糖コントロール指標のHbA1cが睡眠第1相の時間、および深睡眠である徐波睡眠の時間と関連があるかどうかを調べたそうです。この研究は、63人の糖尿病患者に脳波計をつけて、睡眠の質を測定し、血糖コントロール指標との関連を調べるというもの。その結果、血糖コントロール増悪により深睡眠の徐波睡眠相が減少すること、および深睡眠指標であるレム睡眠潜時の短縮をもたらすことが明らかになりました。この研究によって、深睡眠の障害(時間短縮)は動脈硬化の進展につながる可能性がある、ということが示唆されました。糖尿病の重要な治療方法になる可能性がある!睡眠障害の治療によって交感神経系疾患の改善がもたらされることや、それに伴い、血糖の改善が期待できるという結果も得られたそうです。ただ、今回の研究では、血糖コントロールについてのみの少数の症例による結果しか得られていないそうなので、現在は血圧や血管障害指標の改善の有無についても検討しているそうです。今後、研究が進展していき、睡眠障害の治療によって血糖コントロールの改善、高血圧の改善、血管障害の緩和を期待できる結果が得られた場合、睡眠障害治療が糖尿病の重要な治療方法になる可能性があると言われています。この研究が睡眠障害の治療目的を新たに位置づけるうえで、重要な研究になるかもしれないそうですよ。photo by Nuclear Refulatory Comm
2015年06月12日5月の連休明け、新入社員や新入生に多いといわれるのが五月病。何となくやる気がでなかったり、体がだるくなったりする症状です。でも、社会人にとっては、5月より6月が要注意。GWの余韻も消え去った今の時期に心身の不調を訴える人が多く、「六月病」とよばれているのです。■「六月病」とは一体どんなもの?六月病は、気持ちが沈んでやる気が出ない、体が重くてだるい、食欲がなくなる、なかなか寝付けない、不安やイライラなど、五月病と同じ症状があらわれます。六月病は、五月病と同様、真面目で責任感の強い人、内向的で自分の感情をあまり表に出さない人がなりやすいといわれています。さらに、真面目で几帳面な性格の人ほど、やる気が出ないのを自分のせいにしてしまったり、些細なミスで落ち込んでしまったり…と、症状を悪化させてしまうことが多いようです。五月病も六月病も正式な病名ではなく、医学用語でいうと「適応障害」にあたります。新年度から入社や異動、新プロジェクトなどで、これまでとは違った新しい環境がスタートし、その中でたまったストレスによって、心身の不調をきたしてしまうのです。■なぜ6月に不調があらわれるの?これまで一般的には五月病といわれていたこれらの症状が、6月にあらわれるようになったのには理由があります。新入社員の場合は、最近では新人研修期間を長く設ける企業が増えているため、6月頃に正式に配属が決定になり、実務につくことになります。また、たとえベテラン社員であっても、業務の専門化やIT化などによって、新しい仕事に慣れるまでには時間がかかります。新しい仕事や人間関係の中では、自覚はしていなくても、毎日を緊張状態の中で過ごすことになります。環境に慣れてきた今の時期に、緊張の糸が切れ、「何だかやる気が出ない…」という六月病となってあらわれてしまうのです。さらに6月は毎日雨が続く梅雨の時期。ジメジメとした天気が、憂うつな気分がさらに加速させてしまうのです。■六月病を解消する方法とは「もしかして六月病かも」と思ったら、まず見直したいのが食事と生活習慣。暴飲暴食や睡眠不足は、症状をさらに悪化させます。バランスのよい食事と、規則正しい生活を心がけてください。中でも、ストレスから体の細胞を守るとされるビタミンCを積極的にとるようにしましょう。朝食や間食にフルーツを食べるようにしたり、コーヒーの代わりに野菜ジュースを飲むのもおすすめです。休みの日に体を休めようと、“寝だめ”をするのはNG。普段と違う睡眠サイクルが体のバランスを崩し、逆効果になってしまいます。睡眠時間は5~8時間程度とるようにして、休日に寝坊する場合も普段のプラスマイナス2時間までにとどめましょう。また、「やる気が出ない」というときに有効なのが、新しい目標を立てることです。「毎週1冊ずつ本を読む」といったような、仕事とは関係ない目標であれば気分転換にもなります。適度な運動は六月病対策にも有効なので、「朝、出社前にウォーキングをする」「寝る前にエクササイズをする」という目標を立てれば、ダイエットにもなって一石二鳥です。六月病を放置していると、うつ状態が長引くことにもなりかねません。上手にストレスを発散させて、気持ちをスッキリさせたいですね。
2015年06月02日突然ですが、あなたは恋愛における「ナイナイ病」を知っていますか?恋愛エッセイストの潮凪洋介さんが提唱する「ナイナイ病」とは、女性が男性に対して起こす、「してくれない、成長しない、できない、謝れない、頑張らない、感謝しない」といった「ナイ」がつくマイナスアクションのこと。「私それ苦手なんだもん。できないよ」とほっぺたを膨らませてかわいくお願いすれば、たいていの男性は快く助けてくれる。もしあなたがそんな風に思っているとすれば、それは「ナイナイ病」にかかっている証拠です。そしてそれは逆に、女性のかわいらしさを台無しにしてしまう行為だと知っておくべきでしょう。今回は、潮凪洋介さんの著書、『「かわいい」と思われる女 50の習慣』より、かわいい女になるために卒業すべき「ナイナイ病」についてご紹介いたします。■1.~してくれない「(『してくれない』は、)すべて男性に何かをやってもらおうとする。やってもらうことによって男性からの愛を確かめる。自分の重要度を確かめるといったような悪い習慣です。」「電話もメールも返してくれない。私と仕事どっちが大事なの!?」と彼氏に詰め寄るような女性は、「自分を愛しているなら当然○○してくれるはずだ」と、相手の行動を勝手に自分への愛情の大きさにすり替えてしまっています。筆者も昔このパターンに陥りましたが、このような時はたいてい、自分がどれだけ愛されているのかということばかりに目がいって、相手を愛することはすっかり忘れているんですよね。■2.~できない「(『できない』に関しては、)何事もやる前から諦めてしまうような考え方です。向上心のある男性からすると、一緒にいてとてもつまらないと感じてしまいます。」苦手なことや分からないこと、考えるだけで気が重くなるようなことは誰にだってありますが、「できない」自分を認め、どう向き合い、どう乗り越えていくのか。そこにその人の強さや本来の姿が現れます。苦しい過程を放棄して、すぐ「できない」と口にする女性は、何でも人任せでやる気のない人だと思われてしまうでしょう。■3.謝れない「通る筋と通らない筋が大人になってまでわからない、そんな女性です。自分が悪いと思ったらスポーツのルールのように謝る。そして、次の行動に切り替えればいいところを絶対に謝らない。醜態を晒してしまう、そんな女性です。」ミスを犯した時、他人に迷惑をかけてしまった時、「ごめんなさい」「すみません」の一言を言えば収まるのに、最後まで意地を張っていたり、はたまた逆ギレしたり・・・いくら外見が良くとも、謝罪の言葉が言えない「面倒で自我の強い女」だと敬遠されてしまいます。■4.頑張らない「(次に、『頑張らない』は、)努力したり、目標を持ったりすることを全くしないという女性です。癒やしは、もちろん大切なのですが、頑張りどころを持たない女性は、男性から見て、徐々に物足りない存在へと変わっていくのです。」穏やかで平凡な毎日ももちろん大切ですが、時には仕事なり、スキルアップのための資格の勉強なり、自分に負荷をかけて踏ん張ることも必要です。目標に向かって頑張る姿を見て、お互いに高め合っていこうとする関係性を求めている男性の場合は特に、頑張らない女性では刺激が足りなくなってしまうのでしょう。■おわりにいかがでしたか?「女はでしゃばらずに男に甘えた方がかわいらしい」という考えをお持ちの方も多いのではと思いますが、このように何事も受け身な姿勢では男性に負担をかけるばかりで、そのうち捨てられてしまうかもしれません。してもらって当たり前、の「ナイナイ病」は卒業し、「自分でやる、努力する、人に与える」ことが自然にできるようになりたいですね。そのように自ら考え、アクションを起こせる女性は、男性の目には魅力的に映るのです。引用文献:潮凪洋介『「かわいい」と思われる女 50の習慣』(成瀬いづみ/ハウコレ)
2015年05月22日4月はやる気満々だったのに、5月を迎えたら、何となく気持ちが晴れない…ということはありませんか? あまりに不調であれば専門家に相談すべきですが、ちょっと落ち込んでいるくらいなら、気分をスカッと爽快にしてくれるDVDを観て、モチベーションをアゲましょう。“よっしゃ~っ!”っと弾みがつけばしめたもの。お薦めの映画3本をご紹介します。あり得ない展開に快哉を叫びっぱなし▼最強のふたり監督:エリック・トレダノ、オリヴィエ・ナカシュ出演:オマール・シー、フランソワ・クリュゼ2012年公開のフランス映画ですが、“フランス映画界 歴代1位”という呼び声を聞かなければ、普段なら観ないかもしれないマッチョな邦題。原題はというと「intouchables」で、直訳だと「触れることのできないものたち」という意味です。舞台はパリ。不慮の事故で首から下がマヒした、大富豪フィリップの介護者選びの面接に、スラム街出身の黒人青年ドリスが、生活保護の申請に必要な不採用通知を目当てに訪れるところからスタートします。おためごかしを一切言わないドリスに新鮮味を感じたフィリップは、彼を採用。そこから展開する、背景も趣味も真逆の二人が織りなす破天荒な冒険譚のおもしろいこと! 最初は衝突ばかりだった二人が、次第に共犯者意識を深め、驚異のカーチェイスやパラグライダー体験も。「彼だけは私を対等に扱う」というフィリップの言葉が刺さります。おすすめは、フィリップが招いたオーケストラ演奏の後に、ドリスがアース・ウィンド・アンド・ファイアーをかけてダンスを見せつけるシーン。ドリス役のオマール・シーは、最初はテレていたのにいざとなったら体が自然に動いて、奇跡的なダンスシーンをワンテイクで決めたそう。実話がもとになっているというのが驚きの、元気になれる1本です。不自然なほど多発するホームラン数にスカッ!▼ナチュラル監督:バリー・レヴィンソン出演:ロバート・レッドフォード、ロバート・デュバル野球に特に関心もなく、スポーツオンチのわたしが唯一、ハマッたスポーツ映画が『ナチュラル』です。名優ロバート・レッドフォードが若い頃、といっても40代前半、訳あって30代半ばでメジャーリーガーになる夢を叶え、“伝説の人”となった野球選手を演じています。アメリカの作家バーナード・マラマッドの小説を映画化した、1984年の作品。天才野球少年だったロイは20歳になり、愛する女性アイリスにしばしの別れを告げた後、プロ球団のテストに向かう途中、とんでもない事件に巻き込まれます。10数年のブランクを経て、ようやくスカウトに見いだされ、最下位の球団に入団した彼は、とにかくホームランを打って打って打ちまくり、球団はトップに。ところが、なぜか女性の色香に迷うと打てなくなり、彼本来のナチュラルな生き方に戻ると、またホームラン…という展開。どこか神話めいたファンタジーを感じながらも、投げる球全部をホームランで打ち返すという、文句なしにスカッとする映像から目が離せません。アイリスとの再会、最後のバッターボックスの奇跡…レッドフォードゆえの誠実さ、真摯さがリアリティをもたらす感動映画です。武闘派シャーロックのカッコよさに脱帽▼シャーロック・ホームズ シャドウゲーム監督:ガイ・リッチー出演: ロバート・ダウニー・Jr.、ジュード・ロウロバート・ダウニーJr.扮するホームズ、その相棒ワトソンはジュード・ロウと、イケメン二人が登場する『シャーロック・ホームズ』(2009年)。『シャドウゲーム』(2011年)はその2作目となります。わたしはもともとコナン・ドイルの原作への思いが深く、「イマドキのチャラい映画だったら許さないぞ」みたいな色眼鏡で観たのですが、とんでもない! すっかりファンになってしまいました。1作目を観ていなくても問題なく楽しめます。世界各地で多発する連続爆破事件を追う、天才的名探偵ホームズは、“もう一人の天才”宿敵モリアーティ教授との決戦へ。書斎派探偵のイメージが強かったホームズが、武闘派のやんちゃさが強調され、ダイナミックな展開は007も真っ青のカッコよさ。ガイ・リッチー監督のセンスに度肝を抜かれたのは、銃口から向こう側を覗くなど、細部からズームする独特の映像美。そして、今まで見たことがないエッジの効いた森の中の銃撃シーン。全編をエキゾティックに彩るロマ(ジブシー)風の魅惑的な音楽。新感覚アクション・エンタテインメントと謳われるのも納得です。気分がアガること間違いなし!もちろんこの3本、五月病でない方もぜひご覧くださいね。・ 「最強のふたり」 ・ 「ナチュラル」 ・ 「シャーロック・ホームズ シャドウゲーム」
2015年05月21日アサヒ飲料は19日、「フォション 極みの紅茶 ふじりんごティー」を発売する。○ふじりんごのやさしい味わいを存分に楽しめるアップルティー同商品は、「フォション」ブランドより発売となる、青森県産ふじりんごのやさしい味わいを楽しめるアップルティー。紅茶に果汁感を求めるユーザーにむけ、厳選果汁を使用した上、和食の隠し味である「塩」で味を調える技をヒントに、果実の甘酸っぱさを引き出したという。パッケージは、フォションならではのプレミアム感をミラーロゴとゴールドを背景に用いて表現。また、背景には日本で昔から使用されている塩を想起させる文様「青海波」を用いながら、正面中央で大きく果実を配置することで、塩で引き立たせたりんご本来の濃い味わいを楽しめるアップルティーであることを訴求している。450mlで、希望小売価格は150円(税別)。
2015年05月15日「ぴあ」調査による2015年5月8日、9日のぴあ映画初日満足度ランキングは、浮世絵師・葛飾北斎の娘の人生を描く原恵一監督の最新アニメーション『百日紅~Miss HOKUSAI~』がトップに輝いた。2位に真木よう子主演のラブ・コメディ『脳内ポイズンベリー』が、3位にマイケル・マン監督によるクライム・サスペンス『ブラックハット』が入った。その他の画像1位の『百日紅…』は、杉浦日向子の人気コミックを原作に、絵に情熱を注ぐ北斎の娘・お栄の日常を描いた作品。観客からは「原監督の人柄を感じるようなほっこりするシーンがある“優しい映画”だった」(25歳)、「お栄の声を演じた杏がとてもうまくて驚いた。主人公が妹を思う場面が見どころ。姉妹の愛の深さに心を打たれた」(35歳)、「江戸時代の様子が生き生きと描かれていて、躍動感のある映像が素晴らしかった」(23歳)、「人間愛の深さ、人間そのものに対する愛情にあふれた作品。北斎の作品や浮世絵、江戸時代の世界を切り取ったような映像もよかった」(35歳)、「原作者のファンなので、どんな作品になるのか期待してきた。すごく丁寧に作られていて、アニメなのに肉質が感じられた」(50歳)、などの感想があがり、20代から40代を中心に支持を集めた。2位の『脳内ポイズンベリー』は、年下の男性に恋をしたアラサー女子の葛藤を、脳内での“会議”を通して描く奇想天外なラブ・コメディ。出口調査では特に10代、20代の女性から好評で「キュンとして私も恋がしたくなった!」「主人公の恋愛が最後までどうなるかわからなくてキュンキュンした」「自分の経験と合わせてグサグサくるところがたくさんあった」「脳内でのやり取りを可視化していておもしろい。誰の頭の中にもあるような身近に感じられるストーリーで楽しめた」「普段、自分が感じている事と似ていて、女性として強く共感した」などの声が寄せられた。(本ランキングは、5月8日(金)、9日(土)に公開された新作映画5本を対象に、ぴあ編集部による映画館前での出口調査によるもの)
2015年05月11日アニメーション映画『百日紅(さるすべり)~Miss HOKUSAI~』の初日舞台あいさつが9日、東京・テアトル新宿で行われ、声優キャストの杏、松重豊、濱田岳、立川談春、清水詩音と原恵一監督が出席した。杉浦日向子の同名漫画を映画化した本作は、浮世絵師・葛飾北斎の娘であるお栄を中心に、江戸に生きる人々を描いた時代劇。父とともに絵を描いて過ごすお栄(杏)は、家に集う絵師たちや盲目の妹と交流しながら、人生を突き進んでいく――というストーリーで、海外10カ国での配給が決定している。艶やかな着物姿で登場した杏は、原作ファンということもあり、「大好きな作品に関われて光栄です。この日が待ち遠しかった」と感無量の表情で、「知らないけど知っているような景色や江戸の人たちの心意気が詰まった映画になりました」と笑顔でアピール。主題歌には、椎名林檎の「最果てが見たい」が起用され、「小躍りしたいくらいうれしかった。クリエーターの業のような北斎とリンクした曲だと思う」と喜びを語った。一方、お栄の父親でもあり師匠でもある北斎役を演じた松重は、「やり応えのある仕事だと思ったので、気合いを入れて臨んだ」としながら、「アフレコが3時間で終わってしまって……。『もっと色んなパターンでやらせてくれ!』ってお願いしたんですけど」と物足りなさもあった様子。また、立川はオファー時を振り返り、「『原監督から電話です』って言われて、ジャイアンツのかと思って驚いた」とジョークを飛ばして笑いを誘っていた。また、過去に自身が手掛けた『クレヨンしんちゃん』シリーズや『河童のクゥと夏休み』で、杉浦作品に影響を受けたシーンがあるという原監督。「自信を持って見せれる作品」と本作の仕上がりに胸を張りつつ、海外配給決定に、「ヨーロッパの人たちには親しみのある人物だと思うので、興味を持って見ていただけるはず」と期待を寄せていた。
2015年05月10日『クレヨンしんちゃん』シリーズや『河童のクゥと夏休み』など“大人が泣けるアニメ”の作り手として人気の原恵一監督の最新作『百日紅~Miss HOKUSAI~』が5月9日(土)に公開。原監督、声優を務めた杏、松重豊、濱田岳、立川談春、清水詩音が舞台挨拶に登壇した。舞台挨拶その他の写真若くして亡くなった漫画家で江戸風俗研究家としても知られる杉浦日向子の作品の初のアニメーション化。浮世絵師・葛飾北斎を父に持ち、女性ながらも自らも浮世絵師として活躍するお栄の姿を当時の江戸の暮らしと共に描き出す。杏、松重、清水、立川は作中の雰囲気そのままの和装で登壇したが、濱田だけは和洋折衷のような(?)、なんとも奇抜な衣装で登場。これに対し、立川が開口一番「登壇陣を代表して」ツッコミを入れ、会場は早速笑いに包まれる。杏は元々、杉浦作品の大ファンということもあり、原監督からのオファーに対し「即諾した」と明かす。朝の1回目の上映を前に「願わくば、私も空いている席に座って見たい。何度も見たいと思える作品です」と観客の期待を煽る。椎名林檎を主題歌が担当している点についても「大好きな杉浦さんの作品に出演できることだけでも嬉しいのに、主題歌が大好きな椎名林檎さんということで、小躍りするくらい嬉しい!」と喜びを口にする。『最果てが見たい』という楽曲については「北斎は90近くまで生きて『あと10年、あと5年生きれば本物の絵描きになれるかも…』と言って死んでいったそうですが、本当に最果てが見たいのか? それは芸術家の業なのか?というところは(映画と)リンクする部分があると思います」と語った。3年の歳月をかけて本作を完成させた原監督は「素晴らしい作品ができました。『できたと思います』とは言いません。できました!」と胸を張る。「自信を持って見てもらえる作品になりました。原作者の杉浦さんに誠実に、自分に対しても誠実に作った作品です」と力強く語った。『百日紅~Miss HOKUSAI~』公開中
2015年05月09日ゴールデンウィーク前後は、5月病を発症しやすい時期です。新年度がスタートして約1ヵ月、今までと違った生活を送ることで、無意識のうちに感じていた緊張やストレス。それが5月に入り、連休が続くことで緊張の糸が切れ、5月病を発症する、というケースも珍しくありません。家族を支えるママがダウンしてしまうと、家の中はパニックになってしまいます。家族のためにも、そして自分自身のためにも、5月病には要注意です。ママが5月病にならないように、気をつけておきたいポイントをまとめました。■ママの5月病対策(1)ストレスや疲れを溜め込まない連休中に溜まった家事を一気にしようとしたり、今までやり損ねたことに挑戦しようとしたりする気持ちがあるかもしれませんが、まずは今まで蓄積された疲労やストレスを発散することを考えましょう。せっかくの休みを満喫するには、しっかりと休息をとって、体調を整えておくことが大切。くれぐれも無理をし過ぎないようにしてください。■ママの5月病対策(2)リラックス効果のあることを心や体をリラックス、リフレッシュできる方法は人それぞれ。体を動かすことでストレスを発散できる人もいれば、おうちでスイーツを作ったり、睡眠をたっぷりとったりすることでリラックスできるという人もいるでしょう。子どもが小さいうちは、外出すると余計に疲れてしまうので、おうちでできるリラックス方法を考えてみては? たとえば、香りのよい入浴剤を入れて、お風呂でゆっくり過ごしたり、ハーブティーを飲んだり、アロマを焚いたりするのもよいかも。自分にピッタリな対処法で、心と体をリラックスさせれば、きっと5月病予防に繋がるでしょう。■ママの5月病対策(3)家族との関わりを大事にする5月病対策には、人との関わりを持つということも有効です。子どもとのコミュニケーションを普段よりも大事にしたり、パパと過ごす時間を多くつくったりして、家族との関わりを持つようにしましょう。一緒に過ごすうちに、悩みを相談したり、普段感じていることを素直に話したりすることができるようになり、心のモヤモヤが解消されて、5月病とは無縁の体を手に入れられるはずです。イライラしたり、不安になったりしたなと感じた時は、とにかく気分転換をして、感情を溜め込まない工夫をしましょう。今回挙げたポイントを押さえて、ゴールデンウィークを楽しく過ごしてくださいね!
2015年05月05日5月になると、なんとなく体がだるくなる、仕事へのモチベーションが下がってしまう……そんな方も多いですよね。この症状を一般的に「五月病」と呼んでいますが、そもそも何が原因で起こるものなのでしょうか?特に今年から社会人として働き始める新卒の方は、その原因を知って早めに対策をしましょう!五月病ってどうして起こるの?五月病が起こる原因は、いくつか考えられます。たとえば、4月から始まった仕事に対して張り詰めていた緊張感が、5月になって一気に緩んでしまう、というもの。また、ゴールデンウィーク中の休み気分が抜けずにそれを引きずってしまう、というのも原因の一つとされています。その他にも、3~4月の間に溜まった疲れが5月に一気に押し寄せる、季節の変わり目によって身体の調整がうまくできないなど、考えられる原因はさまざまです。五月病は、仕事のモチベーションを低下させるだけでなく、食欲不振やめまいなど、心身にさまざまな症状を引き起こすもの。悪化させないためにも、早めの対策が大切です。五月病は快眠で改善しよう!睡眠には、単純に身体の疲れを癒してくれるだけでなく、心の疲れやストレスも取り除いてくれる役割があります。生活環境が変わると、自分でも気付かないうちにストレスを溜めてしまうもの。それを解消してくれるのが睡眠なんですよ。もちろん、普段もしっかりと眠ることは大切ですが、季節や生活環境が大きく変化する4~5月はとりわけ、いつも以上に睡眠には気を配ってあげたいところ。とくに、新しい仕事を始めたばかりのときは、覚えることが多く、脳も疲労してしまうものです。新卒者の方は、できるだけ早めに眠ることを心がけましょう!新卒者は、快眠のための対策を!早く眠りたいのに、仕事や生活環境の変化などで気持ちが落ち着かず、なかなか寝付けない……という方もいるかもしれませんね。そんなときは、積極的に身体を動かすのがおすすめです。「運動習慣がない人は不眠になりがち」と言われるように、運動と快眠は密接に関係しているんです。大切なのは、1日だけではなくできるだけ毎日続けること。気持ちが疲れているときだからこそ、軽く運動をして、ぐっすりと眠れるように身体を整えましょう。またお風呂に浸かって心身をリラックスさせるのも効果的です。春なので、湯船に桜を浮かべた「桜風呂」を楽しむ、なんていうのも良いかもしれませんね。新卒者は、生活環境の大きな変化でストレスを抱えることもあるかもしれません。しかし、不眠で身体が不調になれば、心身ともにどんどんと疲れていってしまうもの。せっかくの新生活。入社後に五月病でダウンしないためにも、早い段階から対策をしていきましょう!Photo by Linzi
2015年04月24日大阪市立大学は、糖尿病の血糖コントロールが悪化することで睡眠の質の劣化を伴う睡眠障害が引き起こされること、ならびに睡眠障害が早朝高血圧を起こすことで糖尿病の心血管障害の原因となることを明らかにしたと発表した。同成果は、同大大学院医学研究科代謝内分泌病態内科学の稲葉雅章 教授らによるもの。詳細は4月14日付でオープンアクセスジャーナル「PLOS ONE」に掲載された。糖尿病患者は、肥満に伴う閉塞性睡眠時無呼吸症候群を除いた場合でも一般人に比べ約2倍の不眠が見られると言われており、さまざまな原因が検討されてきた。また、近年の研究から、睡眠時間が短くなると糖尿病の有病率が上昇することや、睡眠障害を有する患者では2型糖尿病の発症確率が有意に高くなることから、睡眠障害による糖尿病増悪の可能性が示唆されていたものの、直接的な関与はよくわかっていなかった。今回、研究グループは、63名の2型糖尿病患者に対して脳波計を用いた精密な睡眠の質判定を実施。その結果、血糖コントロール指標であるHbA1cの増悪につれて、深睡眠の程度を示すレム睡眠潜時が短縮すること、ならびに血糖コントロール増悪により深睡眠の徐波睡眠相が減少することなどが判明したとするほか、深睡眠の障害が動脈硬化進展につながる可能性も示唆されたとする。これらの結果を受けて研究グループは、現在、睡眠障害により特異的に有効とされるオレキシン阻害薬を用いることで睡眠障害を改善させ、それによりどのような効果が得られるのかについての解析などを行っており、予備段階の研究では、睡眠障害による交感神経系の活動性低下や血糖コントロール改善が認められているとのことで、今後、患者数を増やして睡眠障害に対する治療の位置づけを確立することを目指した研究を進めていく計画だとしている。
2015年04月16日塩野義製薬はこのほど、糖尿病患者3,580名と医師298名を対象に実施した「糖尿病患者と医師の治療行動に関する意識調査」の結果を明らかにした。調査期間は2015年1月。医師を対象に、患者に対して「脳梗塞や心筋梗塞を起こしやすくなる」というリスクについて説明しているか尋ねたところ、93.3%が「行っている」と回答した。しかし、「説明を受けたことがある」と回答した患者は49.1%だった。そのほか、「腎障害(透析)になることがある」「失明することがある」「足を切断することがある」という合併症などのリスクに関しても、医師の「説明している」より、患者の「説明をうけたことがある」が下回っており、リスクに関する医師の説明が患者に認識されにくいことが明らかとなった。治療継続について尋ねたところ、糖尿病の治療について「継続しなければならない」と回答した患者は89.4%だったが「患者自身が治療を継続しなければならないと思っている」と回答した医師は62.1%だった。また「治療を続けることで合併症を予防できる」という質問に「そう思う」と回答した患者は84.6%であるのに対し、「患者はそう思っている」と回答した医師は57.6%だった。患者は医師が思っているよりも、"治療継続意識・合併症予防の必要性"を認識しているようだ。続いて、患者に「医師に指示された運動や食事の管理をやっているか」と尋ねたところ、「運動をしっかりやっている」は30.3%、「食事の管理をしっかりやっている」は32.5%だった。いずれも約3割にとどまり、医師が期待するほど生活習慣の改善は実践できていないという結果になった。糖尿病治療に関して、「医師以外に関わりのある医療関係者はいるか」という問いに対し、64.9%が「いない」と回答した。医師以外の医療関係者(看護師・栄養士・薬剤師など)にもっと相談したいと思うか尋ねたところ、「相談したい」と回答した患者は21.7%だった。
2015年03月30日文化放送は、4月に「文化放送 糖尿病予防キャンペーン」を実施するのにあわせ、新コーナー『ラジオ糖尿病講座』を開始する。同キャンペーンは、自身や家族のため、糖尿病を正しく知って、正しく向き合っていくことを目的に実施する。キャンペーンスピーカーには野村邦丸アナウンサーを起用。野村アナは、キャンペーンスポットCMを放送するほか、『くにまるジャパン』(毎週月~金曜、9時00分~13時00分生放送)内にて新コーナー『ラジオ糖尿病講座』も担当する。同講座は、全16回にわたり、日替わりで糖尿病に詳しい医師をゲストに迎えて放送する。「どんな人が糖尿病になるのか」「自覚症状」「家族ができること」「糖尿病予防のメニューのポイント」「高齢者の注意点」など、さまざまなテーマで展開する。毎回、医師から糖尿病に関するクエスチョンが出され、それに野村アナが答える形で進行する。放送日程は、4月1~3日、6~10日、13~17日、27・28・30日。放送時間は12時18分頃~28分頃(『くにまるジャパン』内)。
2015年03月27日生活習慣病を予防する可能性のある新規化合物を研究するフレグライド研究会はこのほど、「8年熟成恒順香醋」から肥満などの予防効果が期待される新成分「FRAGLIDE1(フレグライド1)」を発見したことに関する記者発表会を開催した。香醋(こうず)とは、もち米を原料に製造された中国の「黒酢」のこと。江蘇省鎮江市の名産品であり、中国国内の80%以上の香醋を江蘇恒順社が生産・販売しているとのこと。江蘇恒順社の香醋の中でも最高級とされているのが、8年間熟成させて作ったという「8年熟成恒順香醋」。その特殊な製法は、中国の無形文化財に指定されているほど。さらに、生産量も鎮江市で製造される香醋年間総生産量の0.2~0.3%とごくわずかであるため、中国国内では市販されておらず、政府などの御用達の品として取り扱われているという。8年熟成恒順香醋は、体内ではつくることができない必須アミノ酸8種類を含む17種類のアミノ酸を含有。その中でも、体内での消化・吸収に優れるといわれる遊離アミノ酸は、総アミノ酸量の30%以上を占めている。そして、江蘇恒順社の日本総代理店および8年熟成恒順香醋の独占販売企業として、2001年に設立されたのが日本恒順だ。同社は日本国内で「恒順香醋 8年熟成」(10ml×14本・税別1,800円 / 150ml・税別1,800円 / 500ml・税別4,000円)を販売する傍ら、同商品に含まれる有用成分の研究を行ってきたという。その過程で、北陸先端科学技術大学院大学 マテリアルサイエンス研究科の辻野義雄教授らの研究グループが、肥満などの生活習慣病を予防する可能性のある新規化合物を発見。香醋(fragrance vinegar)の「FRAG」とButenolide化合物の「LIDE」、今後も同様の機能性物質が見つかることを期待した「1」を組み合わせて、「FRAGLIDE1(フレグライド ワン)」と名付けたとのこと。そして今回、辻野教授ら5名が発起人となってフレグライド研究会が発足した。日本恒順は同研究会の代表企業を務める。日本恒順代表取締役社長・桝谷文武氏は、「私はこの15年間、8年熟成恒順香醋を毎日飲んでいます。職業柄、1日5回ほど会食をしていますが、糖尿病にもならずに健康です」とコメント。そして、「肥満で苦しむ人は日本だけでも約2,000万人いるといわれますが、その方々が本当に欲しいと思っているものを届けたいと思って研究してきました。今回フレグライド1が発見されたことで、これまでの"見つけるため"の研究から、砂糖や塩のように"供給するため"の研究に転換していきたいと考えています」と語った。○8年熟成恒順香醋にしか含まれない新成分「フレグライド1」とは?発表会では、同研究会代表を務める辻野教授が、フレグライド1の細胞実験(2010年)と動物実験(2014年)の成果について発表した。細胞実験の結果、フレグライド1が「PPARγ」を活性化させることを確認。PPARγとは、脂肪組織の細胞核内に多く存在するタンパク質のこと。これが活性化すると、インスリンの抵抗性(インスリンが正常に働かない状態)の改善を促し、肥大化した脂肪細胞を減少させ、代謝しやすい小型の脂肪細胞の増加を誘導するという。「この働きにより、メタボリック症候群、動脈硬化、高脂血症などの生活習慣病の予防や改善が期待できます」と辻野教授。さらにフレグライド1のPPARγの活性化作用により、「白色脂肪細胞」を「褐色脂肪細胞」へ変化させる効果が示唆されたとしている。白色脂肪細胞は皮下や内臓に多く見られ、体内では消費できなかったカロリーを脂肪として蓄積するとのこと。一方で褐色脂肪細胞は、鎖骨、肩甲骨、胸まわりに多く分布し、脂肪を燃焼させてエネルギーに変換させる働きを持つとされている。しかし褐色細胞の数は、新生児の頃を最多として成長とともに徐々に減少し、成人する頃には4割程度しか残らないという。褐色脂肪細胞には、脂肪を燃焼させる"工場"としての役割を持つミトコンドリアが数多く存在し、それを動かしているのが、タンパク質「UCP-1」だという。フレグライド1は、このUCP-1の発現量を増やす働きをするため、脂肪をより効率よく燃やすことが期待できるとのこと。○体重や内臓脂肪の増加などを抑制3カ月にわたって実施した動物実験では、高脂肪食を与えたマウスを「高脂肪食・フレグライド1投与群(以下フレグライド1投与群)」と「高脂肪食・フレグライド1非投与群(以下コントロール群)」に分け、通常の食事を与えた「ノーマル群」とともに比較した。なおフレグライド1の投与量は、人が食品として摂取する場合に非現実的にならないように配慮し、1日に1kgあたり0.037~10μgと設定した。その結果、フレグライド1投与群は最小投与量0.037μgで、「体重変化」「内臓脂肪量」「血中アディポネクチン濃度」「レプチンの分泌量」「インスリンの分泌量」において、良好な結果が得られたという。まず体重に着目すると、コントロール群は実験期間中に継続して体重の増加が見られたのに対し、フレグライド1投与群は増加を約26%抑えることができた。また、フレグライド1投与群はコントロール群と比べて、そけい部の皮下脂肪の増加が約35%抑制されていた。加えて精巣周囲脂肪、腎臓周囲脂肪、腸間膜脂肪といった内臓脂肪の増加も、平均で約15%抑えられていた。さらに、脂肪細胞から分泌されるタンパク質である「アディポネクチン」の濃度にも変化が見られた。アディポネクチンは、細胞内の脂肪を減らしてインスリン受容体の感受性を上げる作用のほか、動脈硬化抑制、抗炎症などの作用が報告されている。その血中濃度を比較したところ、コントロール群では血中濃度が低下したのに対し、フレグライド1投与群では大きな減少は見られなかった上に、投与量の増加に比例して分泌量が増加することがわかった。続いて、レプチンの分泌量を比較。レプチンは肥満の抑制や体重増加の制御の役割を果たすペプチドホルモンだが、過剰分泌すると血圧を上昇させるといわれている。実験の結果、フレグライド1投与群で過剰な分泌は見られず、その副作用は起こらないと判断できるとのこと。最後に、血糖値の上昇を抑える働きを持つという「インスリン」の分泌量に異常がないかどうかを調べた。結果として、コントロール群では過剰分泌が確認されたのに対し、フレグライド1投与群では分泌量が下がり、あわせて血糖値の上昇を抑えることが示唆された。なお、投与量を変えて毒性の有無についても調査を行ったところ、1日の最大投与量を1kgあたり10μgにした群でも、副作用などの問題は見られなかったとしている。同研究結果は、3月28日に岡山大学・津島キャンパスにて開催する「日本農芸化学会2015年度大会」で発表予定。辻野教授は、「フレグライド1は、まだ実験や効果検証が始まったばかり」としながら、今後について「引き続き肥満や糖尿病について実験で効果を検証し、臨床実験では有効性や安全性を検証していく予定です。将来的には、健康食品や機能性食品、医薬品などにも展開できればと思っております」と期待を込めて話した。
2015年03月26日5月9日より全国公開されるアニメーション映画『百日紅~Miss HOKUSAI~』の予告編が公開された。公開された予告編では、百日紅(さるすべり)の花を縁側で眺めているお栄が「長い祭りが始まったね」と呟くとともに威勢の良いギターが鳴り響き、美しくも妖しい江戸の世界が動き出していく。妖怪や鬼など、原作を手がけた故・杉浦日向子氏の作品モチーフが次々と映し出され、主人公・お栄や父・葛飾北斎、そして仲間たちの賑やかな日々が描かれている。監督を務めた原恵一氏は本作の映像化にあたり「アニメーションならではの強みで、あらゆる角度から杉浦さんが思い描いた江戸を映し出したい」と語っている。本作で主人公・お栄を演じる女優の杏は、「独り立ちをする女性が少ない中で、絵を描く女性として、自分の意志でものを作り出していく姿がすごく素敵だなと思いました」とお栄の魅力を語りつつも、「アニメーションの声優というのが今まで経験のないことだったので、アプローチ方法も手探りでした」と声優の難しさを吐露。実際のアフレコでは「普段お芝居をしていても、衣装に身を包むことによって声のテンションや気持ちが変わってくるのを感じているので、声のお仕事でもお栄と同じ着物に身を包んで演じた方がもしかしたらいいのかな」と着物姿で臨んでいるという。また「明け方の朝焼けのシーンが好きです。青と白と朱色の空のグラデーションが、まさに浮世絵の背景に描かれている色だなと思いました。アニメーションの中にどんどん浮世絵の色や絵が入ってきているところが好きです」とお気に入りのシーンを解説。そして「私もこれから作品が完成していくのを待っている一番のファンでもあります」と完成を待ちきれない様子で語っていた。本作は、江戸風俗研究家で文筆家、漫画家である故・杉浦日向子氏の漫画『百日紅』を原作とした初の長編アニメ作品。江戸時代を舞台に、浮世絵師・お栄が、父・葛飾北斎や妹、そして仲間たちとともに自由闊達に生きる姿や破天荒な絵師の生き方が、浮世エンターテインメントとして描かれる。監督は、『クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶモーレツ!オトナ帝国の逆襲』(2001年)、『河童のクゥと夏休み』(2007年)、『カラフル』(2010年)などで知られる原恵一氏、アニメーション制作は原監督と初タッグとなるProduction I.Gが担当する。主人公・お栄を杏、北斎を松重豊、ほかにも濱田岳、高良健吾、美保純、清水詩音、筒井道隆、麻生久美子、立川談春など、日本を代表する豪華キャストが結集。早くもフランスやイギリスほか6カ国での海外配給も決定し、話題となっている。(C)2014-2015杉浦日向子・MS.HS/「百日紅」製作委員会
2015年03月13日無印良品を企画、開発する良品計画はこのほど、無印良品の食品「素材を生かしたカレー」シリーズに、「フォンドボーと生クリームの濃厚ビーフカレー」「国産りんごと野菜のカレー」を追加し販売を開始した。○ユーザーの声から生まれた甘口カレー同商品は、子どもから大人まで幅広く楽しめるレトルトカレーとして開発。今回新発売の2商品を加え、全商品が化学調味料不使用で、ラインナップは全16種類となる。各商品とも全国の無印良品店舗で販売している。「国産りんごと野菜のカレー」は、ユーザーから寄せられた「子ども用のカレーをつくってほしい」との意見から生まれた商品で、無印良品のカレーの中でもっとも甘口の味に設定。りんごとかぼちゃの甘みを生かした甘口の野菜カレーで、具材にじゃが芋、人参、玉ねぎ、ズッキーニを使用した。価格は300円(税込)。「フォンドボーと生クリームの濃厚ビーフカレー」は、仔牛の骨や肉を長時間煮込んで抽出したフォンドボーに、生クリームのコク、果実の甘みを加えた濃厚な味わいが特徴。家庭ではなかなか出せない深い味わいを狙った。価格は350円(税込)。
2015年03月08日岐阜大学は3月3日、国際基準を満たす治験薬製造設備を設置し、同設備によりクロイツフェルト・ヤコブ病(ヤコブ病)の治験薬の開発を進めると発表した。治験薬製造には無菌状態が不可欠で、国際基準を満たす必要がある。今回設置された設備はそれを満たすもので、高温高圧下の環境で数十種類の有機化合物を合成して製薬し、無菌状態の設備内で分包することができる。こうした設備を大学で導入するのは世界で初めてとのことで、大学内で人体へ使用可能な治験薬を製造することが可能になる。ヤコブ病は数カ月にわたる進行性痴呆や視力障害、錯乱、めまい、無感情などの症状が見られ、発病から3~12カ月で死亡する希少難病。原因は神経細胞に存在する「プリオン」と呼ばれるタンパク質が破壊され、異常構造となり毒性を帯びて神経細胞を殺すためとされているが、現在のところ有効な治療法は確立されていない。同大学の大学院連合創薬医療情報研究科の桑田一夫 教授を中心とした研究グループはこれまでの研究で、プリオンタンパク質の正常構造を安定化させ、異常構造への変換を抑制する化合物「メディカルシャペロン」を治験薬として開発している。新設備の設置により人体への治験が可能となることで、ヤコブ病を始めとするプリオン病の治療法の確立へとつながることが期待されるほか、アルツハイマー病など他の認知症の治療薬研究にも役立つと考えられている。なお、ヤコブ病に対する治験は2年後を予定している。
2015年03月03日メニエール病という病気をご存知でしょうか? 最近、人気男性アイドルがメニエール病と診断されたというニュースが話題になったので、名前だけは聞いたことがあるという人もいるかもしれません。今回は、メニエール病と睡眠の関係についてお届けします。メニエール病とは?メニエール病は、めまい・耳鳴りなどの症状が繰り返し起こる病気で、場合によってはうつ病を併発することもあると言われています。冒頭の男性アイドルは、ある日を境にめまいなどによって立ち上がることもできなくなってしまったそうです。メニエール病は原因不明の病気と言われています。ただ、現在では耳の中にリンパ液が溜まることが一因という報告もあるのです。睡眠障害がメニエール病を引き起こす原因に?一見すると睡眠と関係なさそうなメニエール病ですが、この病がじつは「睡眠障害から引き起こされている可能性がある」という論文が発表されました。その論文の根拠になった実験は、メニエール病の患者、数十人に入院してもらい、睡眠中の呼吸や脳波を測定するというもの。その結果、睡眠時間は健康な人よりも30分ほど長かったものの、ノンレム睡眠(深い睡眠)が少なく、レム睡眠(浅い睡眠)が多いということがわかったそうです。このことから、メニエール病の患者は1~2割の確率で睡眠障害も併発している可能性がある、と考えられています。早期発見のためにも検査を!確かに、常にめまいや耳鳴りに襲われている状態を想像すると、ぐっすり眠ることはできなさそうですよね。この結果を踏まえてメニエール病患者に専用マスクと食事指導で治療を行ったところ、半年間ほどでめまいや睡眠時無呼吸などの症状は改善されたそうです。夜の睡眠中にはさまざまな難病を治すヒントが隠されているとも言われています。検査を受けることで、思わぬ病気の早期発見につながるかもしれません。気になる症状がある方は早急に医師に相談するようにしましょう。photo by Robo Educational Toys BV
2015年02月19日