俳優のトム・ホランド(20)は、『スパイダーマン ホームカミング』の役作りのために実際の高校生に紛れ込んでみたという。ブロンクス内にある高校でリサーチをした際、偽名を使用したそうだ。フェイスブック上で行われたライブでの質疑応答セッションでトムは「誰も僕が誰だか、何をしているか知らなかったよ。偽名を使っていたんだ」「(正体を明かした時)誰もその話を信じてくれなかったんだ。このことでピーター・パーカーが自分の学校で『僕がスパイダーマンなんだよ』って言っても『何言ってんだ、お前。そんなわけないだろ』ってなるんだろうなと思わされたね」と答えた。そんなトムは以前、インスタグラムへの投稿でスパイダーマン役に選ばれたことを知ったと明かしていた。「ベッドでインスタグラムをスクロールしてたんだ。オーディションから1カ月後くらいだったかな。そしたらマーベルがサイトを見て次のスパイダーマンが誰か確認してって写真を投稿してきたんだ。それでコンピューターを付けてマーベルのサイトに行ったら『新しいスパイダーマンはトム・ホランド』って出てきたんだよ。僕は驚愕したね、完全に興奮状態になったよ」そのスパイダーマン役でトムは2作のマーベル作品への出演契約を交わしているが、同時にほかの映画に出演する機会を与えてくれたというマーベルに感謝の意を示している。「僕は『スパイダーマン』3本の契約をしたことをわかっているけど、もしほかの映画に出演するとしても、マーベルはうまく調整してくれるんだ。彼らは僕らの人生をすごく尊重してくれるんだよ。ほかの映画の仕事をしなくちゃいけないことも分かってくれて、なんとかうまく合わせてくれようとするんだ」(C)BANG Media International
2016年12月18日トム・ホランドが18日、スパイダーマンの格好でアトランタにある小児医療専門の病院を訪問した。シリーズ最新作『スパイダーマン:ホームカミング』でスパイダーマンを演じるトムは、ジョージア州アトランタにあるエグルストン・チルドレンズ・ホスピタルの子供たちを驚かせたことで、感激したようだ。トムは1人の患者と写る写真をインスタグラムに投稿し、「みんなに今日会えたのは素晴らしい経験だったよ。みんなは本当にインスピレーションを与えてくれる人たちだよ。僕たちは君たちを誇りに思うし、愛している。近いうちにまた訪問できることを願っているし、僕らを迎えてくれたエグルストン・チルドレンズ・ホスピタル、ありがとうございます」とコメントを添えている。トムと一緒に病院を訪問した同映画の中でネッド・リーズを演じるヤコブ・バタロンも、子供たちを笑顔にできてうれしかったようだ。トムが赤ちゃんを抱く写真を投稿したヤコブは「今日子供たちに会えて素晴らしかった。彼らは僕らにインスピレーションを与え、彼らの笑顔は太陽よりも明るいよ。大好きだよ」とコメントしている。過去にもセレブが小児病院を訪問する例は多数あり、ジョニー・デップは『パイレーツ・オブ・カリビアン』のジャック・スパロウの格好で病院をサプライズ訪問したことがある。(C)BANG Media International
2016年08月21日新しいスパイダーマンに決まったばかりのトム・ホランド(19)が、ブラッド・ピットがプロデュースする『Lost City of Z』に出演することが決まった。監督はジェームズ・グレイ。共演は、チャーリー・ハナム、ロバート・パティンソン、シエナ・ミラーら。その他の情報原作は、デビッド・グランが書いたベストセラー小説。アマゾンのジャングルで謎の街を探すうちに行方不明になった探検家の物語で、ピットらはずいぶん前に映画化権を取得していたが、実現が難航していた。撮影はこの秋、北アイルランドとコロンビアで行われる。ホランドは、12月北米公開予定のロン・ハワード監督作『In the Heart of the Sea』にも出演している。共演はクリス・ヘムズワース。文:猿渡由紀
2015年08月20日新『スパイダーマン』シリーズの主役に俳優トム・ホランド、監督にジョン・ワッツが決定したことが、ソニー・ピクチャーズ エンタテインメト(SPE)とマーベル・スタジオによってこのほど、発表された。主人公のピーター・パーカーおよびスパイダーマン役に抜擢された『インポッシブル』のトム・ホランドは、現在19歳。原作の高校生という設定に、過去の俳優たちの中で最も近い実年齢で、まもなく公開予定のロン・ハワード監督、クリス・ヘムズワース共演『白鯨のいた海』にも出演している期待の若手俳優だ。ジョン・ワッツは、「最も優秀な次世代の監督と仕事をする」というマーベルの伝統に従い、マーベル・スタジオを率いるケビン・フェイグ、長年SPEでスパイダーマンに関わってきたエイミー・パスカルらプロデューサー、スタジオとのミーティングを経て、監督の座を勝ち取った。ソニー・ピクチャーズ・モーション・ピクチャー・グループのトム・ロスマン会長は、「共に仕事をした新進気鋭の監督たちがスーパースターになっていくのを幾人も見てきたが、ジョンもそうなれるだけの才能を備えている」とジョン・ワッツを高く評価。スパイダーマン役についても「トムのスクリーン・テストだけは特別だった」と絶賛し、「つまり、私たちは最高のスタートを切ったんだ」と喜びを語った。『アベンジャーズ』シリーズを中心としたマーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)の世界へ初参加となる新『スパイダーマン』。エイミー・パスカルも「スパイダーマンをMCUの世界へと連れて行くためにこれ以上ないほど若く、生き生きとした、才能にあふれる俳優」とトム・ホランド起用に自信をのぞかせている。新『スパイダーマン』シリーズの全米公開は2017年7月28日、日本公開は2017年夏に決定した。
2015年06月25日先日、EUROサッカーを観戦するため、そして大切な友人を訪れるため、ポーランドのワルシャワに行ってきました。東欧の街・ワルシャワに行ってきたと言うと、「暗い?」と聞かれることも多かったのですが、中心地は驚くほど近代的で大変な建設ラッシュ。ヨーロッパ有数のスポーツイベント開催中ということもあり、活気にあふれてもいました。多くのユーロ圏の都市が財政難で苦しんでいますが、ポーランドの通貨はユーロではなくズロチのまま。そのおかげもあり、経済は悪くないのだと友人は教えてくれました。現代的なブティックやカフェ、レストランも建ち並び、想像以上の発展ぶりを感じさせてくれたワルシャワでの滞在はとても楽しいものでしたが、その発展の陰には悲しい歴史があることも当然ながら思い知らされました。この街が近代都市として発展しているのは、東京と同様に第二次世界大戦中にことごとく破壊されているから。ポーランド侵攻で廃墟と化した旧市街は、いまでは細かいヒビに至るまでが復元され、かつての町並みを取り戻し「ワルシャワ歴史地区」として、1980年にユネスコの世界遺産に登録されています。そして、ポーランドといえば、ナチによるユダヤ人迫害の記憶も、決して消えてはいません。ホロコーストの象徴とも言えるアウシュヴィッツ強制収容所があるのもこの国。ユネスコは、二度と同じ過ちを人類が起こさないようにと、1979年に負の世界遺産として認定しています。ただ、悲劇が収容所だけで起きたわけでないのは周知の事実。ワルシャワでも、近代的なビルの裏側に、ゲットーがそのまま残っていたりします。発展する大都市の片隅にも、忘れられない記憶は確実に残されているのです。そんな辛い歴史を描いているのが、『太陽と月に背いて』、『敬愛なるベートーヴェン』などで知られるアグニエシュカ・ホランド監督の新作『ソハの地下水道』。ホロコーストの嵐が吹き荒れる1943年、ナチス占領下のポーランドの街・ルヴフ(現ウクライナ領リヴィヴ)が舞台です。主人公は、下水処理に携わる貧しいポーランド人・ソハ。生計を立てるためにはコソ泥さえ厭わない、ずる賢い小悪党です。そんな彼が、仕事中に下水路でユダヤ人グループを発見するところから物語は動き出します。ユダヤ人たちは、強制収容所行きを免れるため、ゲットーから下水道へと続く通路を掘っていたのです。彼らをナチスに売り渡せば報奨金が得られますが、ソハはこう考えます。迷路のように入り組んだ地下水道は自分が一番よく知っている。ここに彼らを住まわせて日々見返りを受け取れば、そちらの方が得なのではないかと。そして、ソハとユダヤ人たちとの秘密の関係が始まるのです。第二世界大戦当時、ユダヤ人を救おうとした人の物語は既に映画にもなっています。オスカー・シンドラーや杉原千畝らがその代表。彼らは自らの危険も顧みず、人助けを行った歴史的英雄です。でも、名もなき市民の中にもユダヤ人を匿った人が多くいたと耳にします。それがバレたら、ナチスによる死刑が待っていると分かっていても。本作の主人公・ソハは、そんな歴史的英雄とは違います。決して尊敬されるような人物ではありませんでした。しかも、自ら率先して人助けをしたわけではありません。ナチスからもらう一度きりの報奨金よりも、日々の収入を選んだという意味で、自分の利を優先した悪い奴と言えるかもしれません。でも、物語が進んでいくうちに、彼は自分でも気づかぬうちに、心の声に従いユダヤ人を匿うことを選んだのではないかと思えてくるのです。極悪非道の限りを行い続けるナチス、そして彼らを手伝う親衛隊に、嫌悪感を覚えているらしいシーンが幾度も登場しています。その感情を表に出すことが許されなくても、彼は決してそれを手放すことはありません。もしナチスに逆らえば家族の命がなくなると分かっていても、人として決して妥協できない部分を、彼は無意識のうちに守り抜いたのかもしれません。やがて、ユダヤ人たちが地下水道に隠れているといううわさが広まり、ソハにとっても大きな危険が迫ってきます。「もう手を引く」。そう決めたソハですが、出会いから14か月が過ぎていたそのときすでに、ソハにとってユダヤ人たちは単なる“金づる”ではなくなっていました。そして、ソハはこれまでの彼からは信じられないような行動に出るのです。そのエンディングはまさに奇跡としか言いようがありません。驚くべきことに、これは実話です。語り尽くされたかに思われている戦争の悲劇に、まだまだ驚くべき物語が遺されていることにも改めて驚かされる作品でした。そして、きっとこういった強く美しい市民による“まだ語られぬ物語”が、語られることを待つこともなくひっそりと眠っているであろうことも想像に難くありません。戦争は美しい街を廃墟に変えます。そして、人の良い隣人さえも残忍な殺人者に変え、無愛想な小悪党さえも勇気ある英雄へと変えるのです。落ちるか、這い上がるか。その違いはきっと、極限状態にこそ顔を出す人間としての本質の違いなのでしょう。だから、いざというときにこそ、強くありたい。この美しい作品を観終わって、涙をぬぐいながら、そんなことを考えていました。ポーランド旅行中、多くの人たちはとても無愛想でつっけんどんでした。でも、少し言葉を交わすと、誰もが別れ際にとびきりの笑顔を見せてくれました。その温かさといったら、何とも印象深い国民でした。彼ら、そして彼らの家族の中にも、きっと多くの名もなき英雄がいることでしょう。『ソハの地下水道』は、衝撃的でショッキングな物語でもあります。でも、そこには綺麗ごとでは描ききれない、人間の本当の美しさが描き尽くされていました。心を荒ませるような、ひどいニュースばかりが相次ぐいまだからこそ、この作品はこんな風に力強く心に訴えてきました。ああ、人間って捨てたものじゃない。3.11で勇気ある行動を見せてくれた多くの人々、そして先日幕を閉じたロンドンオリンピックで活躍した、多くのヒーロー、ヒロインの強さを思い出しながら。(text:June Makiguchi)■関連作品:ソハの地下水道 2012年9月22日よりTOHO シネマズ シャンテほか全国にて順次公開© 2011 Schmidtz Katze Filmkollektiv GmbH, Studio Filmowe ZEBRA, Hidden Films Inc.
2012年08月15日